JPH058425Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は、たとえば自動車用空気調和装置に
用いられる蒸発器に関する。

この明細書において、「アルミニウム」という
語は純アルミニウムの他にアルミニウム合金も含
むものとする。

従来技術とその問題点 従来、この種蒸発器としては、アルミニウム製
蛇行状偏平管と、偏平管の隣り合う直管部どうし
の間に配置されたコルゲート・フインと、偏平管
の両端に接続された管状ヘツダと、入口管の管状
ヘツダの一端に接続されかつ先端に継手部材を有
する冷媒入口管とを備えており、冷媒入口管が、
隣り合う屈曲部どうしの間でかつコルゲート・フ
インの外側を通つている部分を有するものが用い
られている。ところが、冷媒の流入時において冷
媒入口管が振動し、振動音や、振動により入口管
が偏平管に当たることによる騒音が発生するとい
う問題があつた。

この考案の目的は、上記問題を解決した蒸発器
を提供することにある。

問題点を解決するための手段 この考案による蒸発器は、蛇行状偏平管と、偏
平管の隣り合う直管部どうしの間に配置されたコ
ルゲート・フインと、偏平管の両端に接続された
管状ヘツダと、入口側の管状ヘツダの一端に接続
された冷媒入口管とを備えており、冷媒入口管
が、隣り合う屈曲部どうしの間でかつコルゲー
ト・フインの外側に存在する部分を有している蒸
発器において、偏平管の隣り合う屈曲部どうしの
間の前後両端部に、それぞれプラスチツク製また
はゴム製ブロツク状振動防止部材が配置されると
ともに、このブロツク状振動防止部材が偏平管の
屈曲部に固定され、さらに各振動防止部材に前後
方向に貫通した孔が形成されるとともに、孔より
も下側の部分に前後方向にのびるスリツトが形成
され、冷媒入口管の上記部分が、ブロツク状振動
防止部材に形成された孔に通されているものであ
る。

実施例 以下、この考案の実施例を図面を参照して説明
する。この明細書において、第１図に矢印Ｘで示
す方向を前、これと反対側を後というものとす
る。また、第２図の左右を左右というものとす
る。

蒸発器は、直管部１ａおよび屈曲部１ｂよりな
りかつ複数の冷媒通路を有するアルミニウム製蛇
行状偏平管１と、偏平管１の隣り合う直管部１ａ
どうしの間に配置されたアルミニウム製コルゲー
ト・フイン２と、偏平管１の両端に接続されたア
ルミニウム製管状ヘツダ３，４と、入口側の管状
ヘツダ３の後端に接続されかつ先端に継手部材６
を有するアルミニウム製冷媒入口管５と出口側の
管状ヘツダ４の前端に接続されかつ先端に継手部
材８を有するアルミニウム製冷媒出口管７とを備
えている。

冷媒入口管５は、出口側の管状ヘツダ４側に伸
びかつ前方に屈曲せしめられて蛇行状偏平管１に
おける隣り合う屈曲部１ｂどうしの間でかつコル
ゲート・フイン２の外側の部分を通つて前側に伸
びている。冷媒入口管５における偏平管１の隣り
合う屈曲部１ｂどうしの間を通つている部分を５
ａで示す。そして、冷媒入口管５の上記部分５ａ
は、隣り合う屈曲部１ｂどうしの間における偏平
管１の幅方向の両端、すなわち前後両端配置され
た２個のクロロプレン系合成ゴム製ブロツク状振
動防止部材１０に通されている。

各ブロツク状振動防止部材１０は、両屈曲部１
ｂの略半部の外面に面接触する横断面凹円弧状湾
曲部１０ａを備えている。また、各振動防止部材
１０には、これを前後方向に貫通した孔１１が形
成されており、この孔１１に冷媒入口管５の上記
部分５ａが通されている。また、各振動防止部材
１０の孔１１よりも下側の部分に、前後方向に伸
びるスリツト１２が形成されている。そして、振
動防止部材１０は、その凹円弧状湾曲部１０ａが
偏平管１の屈曲部１ｂ外面に、下面がコルゲー
ト・フイン２に、それぞれ両面粘着テープ１３に
よつて固定されている。

このような蒸発器を組立てるには、偏平管１と
コルゲート・フイン２、偏平管１と両管状ヘツダ
３，４、ならびに両管状ヘツダ３，４と冷媒入口
管５および冷媒出口管７とをそれぞれろう付した
後、冷媒入口管５の上記部分５ａを、スリツト１
２を通して孔１１内に入れ、ついで振動防止部材
１０を両面粘着テープ１３で屈曲部１ｂおよびコ
ルゲート・フイン２に接着する。

上記実施例においては、振動防止部材１０は、
クロロプレン系合成ゴム製であるが、これに限ら
ず他のゴム製またはプラスチツク製であつてもよ
い。また、上記実施例においては、振動防止部材
１０は両面粘着テープ１３により偏平管１の屈曲
部１ｂに固定されているが、振動防止部材１０の
屈曲部１ｂへの固定手段はこれに限らない。

考案の効果 この考案の蒸発器によれば、蛇行状偏平管の隣
り合う屈曲部どうしの間の前後両端部に、それぞ
れプラスチツク製またはゴム製ブロツク状振動防
止部材が配置されるとともに、このブロツク状振
動防止部材が偏平管の屈曲部に固定され、さらに
各振動防止部材に前後方向に貫通した孔が形成さ
れ、冷媒入口管における偏平管の隣り合う屈曲部
どうしの間を通つている部分が、ブロツク状振動
防止部材に形成された孔に通されているので、冷
媒の流入時における冷媒入口管振動が防止され、
振動音および該振動の結果冷媒入口管が偏平管に
当たることによつて生じる騒音の発生が防止され
る。また、偏平管の隣り合う屈曲部どうしの間の
前後両端部に、それぞれプラスチツク製またはゴ
ム製ブロツク状振動防止部材が配置されているの
で、冷媒入口管における隣り合う屈曲部どうしの
間を通つている部分の前後両端部が、各ブロツク
状振動防止部材に形成された孔に通されることに
より、上記部分を前後に離隔した２箇所で支持す
ることができる。したがつて、上記部分が安定的
に支持されることになり、防振効果が向上する。
さらに、振動防止部材における孔よりも下側の部
分に前後方向にのびるスリツトが形成されている
ので、冷媒入口管における隣り合う屈曲部どうし
の間を通つている部分の上側から防振部材を被せ
ることにより、スリツトが開き、開いたスリツト
を通して冷媒入口管の上記部分を孔に嵌め入れる
ことが可能になる。したがつて、振動防止部材の
孔への冷媒入口管の上記部分の挿通作業を簡単に
行なえる。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の実施例を示し、第１図は斜視
図、第２図は第１図の−線にそう拡大断面図
である。 １……蛇行状偏平管、１ａ……直管部、１ｂ…
…屈曲部、３，４……管状ヘツダ、５……冷媒入
口管、５ａ……冷媒入口管における隣り合う屈曲
部どうしの間を通つている部分、１０……ブロツ
ク状振動防止部材、１１……孔、１２……スリツ
ト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 複数の冷媒通路を有する蛇行状偏平管１と、偏
   平管１の隣り合う直管部１ａどうしの間に配置さ
   れたコルゲート・フイン２と、偏平管１の両端に
   接続された管状ヘツダ３，４と、入口側の管状ヘ
   ツダ３に接続された冷媒入口管５とを備えてお
   り、冷媒入口管５が、隣り合う屈曲部１ｂどうし
   の間を通つている部分５ａを有している蒸発器に
   おいて、偏平管１の隣り合う屈曲部１ｂどうしの
   間の前後両端部に、それぞれプラスチツク製また
   はゴム製ブロツク状振動防止部材１０が配置され
   るとともに、このブロツク状振動防止部材１０が
   偏平管１の屈曲部１ｂに固定され、さらに各振動
   防止部材１０に前後方向に貫通した孔１１が形成
   されるとともに、孔１１よりも下側の部分に前後
   方向にのびるスリツト１２が形成され、冷媒入口
   管５の上記部分５ａが、ブロツク状振動防止部材
   １０に形成された孔１１に通されている蒸発器。