JPH0584089A - 光学活性1,4−ジヒドロピリジン化合物の製造法 - Google Patents

光学活性1,4−ジヒドロピリジン化合物の製造法

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JPH0584089A
JPH0584089A JP4030255A JP3025592A JPH0584089A JP H0584089 A JPH0584089 A JP H0584089A JP 4030255 A JP4030255 A JP 4030255A JP 3025592 A JP3025592 A JP 3025592A JP H0584089 A JPH0584089 A JP H0584089A
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dihydropyridine
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nitrophenyl
dimethyl
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Takashi Adachi
孝 安達
Mayumi Ikeda
真由美 池田
Takako Hadate
貴子 羽立
Kazunori Hanada
和紀 花田
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Original Assignee
Taisho Pharmaceutical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 2,6−ジメチル−4−(3−ニトロフェニ
ル)−1,4−ジヒドロピリジン−3,5−ジカルボン
酸 3−(2−ニコチノイルアミノエチル)エステル
5−(3−ニトロオキシプロピル)エステル(以下、化
合物A)の医薬品として好ましい光学異性体のみを製造
するための極めて重要な製造中間体の製造法を提供する
こと。 【構成】 2,6−ジメチル−4−(3−ニトロフェニ
ル)−1,4−ジヒドロピリジン−3,5−ジカルボン
酸 ビス(2−ニコチノイルアミノエチル)エステルま
たはその塩に、1,4−ジヒドロピリジン環の3位およ
び5位に結合したカルボン酸エステルを不斉加水分解す
る能力を有する酵素を作用させて不斉加水分解し、光学
活性(−)−2,6−ジメチル−4−(3−ニトロフェ
ニル)−1,4−ジヒドロピリジン−3,5−ジカルボ
ン酸 3−(2−ニコチノイルアミノエチル)エステル
を製造する方法。本発明化合物は、狭心症、高血圧等の
予防および治療薬として有用な光学活性な化合物Aの極
めて重要な製造中間体である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光学活性1,4−ジヒド
ロピリジン化合物の製造中間体の製造法に関し、さらに
詳しくは医薬として極めて有用な光学活性1,4−ジヒ
ドロピリジン化合物を製造する際の重要な光学活性1,
4−ジヒドロピリジン製造中間体の製造法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】1,4−ジヒドロピリジン系化合物のジ
ヒドロピリジン環の3位と5位に結合した2つのカルボ
ン酸エステルが互いに異なるものは、その4位に不斉炭
素を持っており、2種の光学異性体が存在する。最近、
この系統の化合物の生物学的性質が詳細に検討された結
果、それぞれの光学異性体間に薬理活性、体内動態、安
全性などに差のあることが報告されてきている。このよ
うな不斉炭素を有する化合物を医薬品として使用する場
合、生体に対して余計な負荷を与えないという意味か
ら、医薬品として好ましい一方の異性体のみを生体に与
えるという考え方が一般的になりつつある。
【0003】従来、様々な光学活性1,4−ジヒドロピ
リジン化合物の製造法が報告されているが、これらは次
の2種の方法に大別される。すなわち、光学活性な化合
物と塩を形成させたのち分別結晶化により光学分割する
方法、および不斉炭素を持つ化合物を結合させてジアス
テレオマーに誘導しこれを分離するという方法である。
しかしながら、分別結晶化による光学分割は、シンコニ
ジン、シンコニンなどの高価な分割剤を使用しなければ
ならず、加えて数回の結晶化を要するなど操作が頻雑な
ため、目的物の収率低下を招くなどの欠点を有している
[特開昭63−185960号公報、特開昭64−52
757号公報、特開平1−254661号公報、Che
m.Pharm.Bull.,第28巻,第2809頁
(1980年)など]。また、ジアステレオマーに誘導
して分離するという方法は、高価な光学活性化合物を原
料としたり、反応行程が長く複雑であるなどの欠点を有
している[特開昭61−43187号公報、特開平2−
11592号公報など]。いずれの方法を採るにして
も、頻雑な操作を経て、しかも所望の光学異性体は最大
で50%の収率でしか得られない。
【0004】2,6−ジメチル−4−(3−ニトロフェ
ニル)−1,4−ジヒドロピリジン−3,5−ジカルボ
ン酸 3−(2−ニコチノイルアミノエチル)エステル
5−(3−ニトロオキシプロピル)エステル(以下、
化合物Aと称することがある。)およびその塩は、特開
平2−223580号公報にそのラセミ体の製造法とカ
ルシウム拮抗剤としての薬理作用が開示されている。化
合物Aは、選択的冠血管拡張作用があり、かつ薬効の持
続性において優れ、さらにc−GMP増加作用を併せ持
つことから、虚血性心疾患や高血圧症などの予防および
治療薬として期待されている。また、その構造上、化合
物Aに光学異性体が存在し、その一方の異性体のみが医
薬品として好ましいことは予想されることである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、化合
物Aの医薬品として好ましい光学異性体のみを製造する
ための極めて重要な製造中間体の製造法を提供すること
にある。
【0006】
【問題を解決するための手段】本発明者らは、光学活性
な化合物Aの製造に際し、酵素を用いる方法を鋭意研究
した。その結果、その研究過程において、容易に製造で
きる化合物を原料とし、アスペルギルス属、ペニシリウ
ム属、ストレプトマイセス属およびバチルス属に属する
微生物が産生する加水分解酵素、動物の臓器から調製さ
れた加水分解酵素ならびに植物から調製された加水分解
酵素を用いることにより、好ましい旋光度を示す化合物
Aの製造中間体を高収率で、しかも高い光学純度で与え
ることを見いだし本発明を完成した。
【0007】すなわち、本発明は、2,6−ジメチル−
4−(3−ニトロフェニル)−1,4−ジヒドロピリジ
ン−3,5−ジカルボン酸 ビス(2−ニコチノイルア
ミノエチル)エステルまたはその塩に、2,6−ジメチ
ル−4−(3−ニトロフェニル)−1,4−ジヒドロピ
リジン−3,5−ジカルボン酸 ビス(2−ニコチノイ
ルアミノエチル)エステルまたはその塩の3位および5
位に結合したカルボン酸エステルを不斉加水分解する能
力を有する酵素を作用させて不斉加水分解し、(−)−
2,6−ジメチル−4−(3−ニトロフェニル)−1,
4−ジヒドロピリジン−3,5−ジカルボン酸 3−
(2−ニコチノイルアミノエチル)エステルを回収する
ことを特徴とする光学活性(−)−2,6−ジメチル−
4−(3−ニトロフェニル)−1,4−ジヒドロピリジ
ン−3,5−ジカルボン酸 3−(2−ニコチノイルア
ミノエチル)エステルの製造法である。
【0008】本発明において塩とは、塩酸塩、硫酸塩ま
たは硝酸塩である。また、本発明で使用される酵素と
は、アスペルギルス属、ペニシリウム属、ストレプトマ
イセス属、バチルス属に属する微生物の生産する酵素、
動物の臓器から調製された酵素および植物から調製され
た酵素で、本発明の目的を達し得るものであればどのよ
うなものでもよく、特に限定されるものではない。
【0009】これらの微生物起源の酵素の中には市販の
ものがあり、容易に入手することができる。市販の酵素
の具体例としては、たとえば、アスペルギルス属(As
pergillus oryzae)由来の酵素;プロ
テアーゼA「アマノ」、プロテアーゼM「アマノ」,ア
スペルギルス属(Aspergillusmelleu
s)由来の酵素;プロテアーゼP「アマノ」、セアプロ
ーゼ「アマノ」,アスペルギルス属(Aspergil
lus sp.)由来の酵素;セルラーゼA「アマ
ノ」、アシラーゼ「アマノ」15000、ビオザイムA
(登録商標)「アマノ」、デアミザイム(登録商標)
「アマノ」、ペニシリウム属(Penicillium
sp.)由来の酵素;ヌクレアーゼ「アマノ」(以
上、天野製薬社製),アスペルギルス属(Asperg
illus sojae)由来の酵素;プロテアーゼタ
イプXIX;(シグマ社製),ストレプトマイセス属
(Streptomyces griseus)由来の
酵素;アクチナーゼE(科研製薬社製)、プロテアーゼ
タイプ XIV(シグマ社製),ストレプトマイセス
属(Streptomyces caespitosu
s)由来の酵素;プロテアーゼ タイプ IV(シグマ
社製),バチルス属(Bacillus lichen
iformis)由来の酵素;サブチリシンA(ノボ社
製)、プロテイナーゼ(フルカ社製)、プロテアーゼ
タイプVIII(シグマ社製),バチルス属(Baci
llus subtilis)由来の酵素;アルカリプ
ロテアーゼ(ナガセ生化学工業社製)、プロテイナーゼ
(フルカ社製)などが挙げられる。
【0010】また、動物の臓器から調製された酵素の中
には市販のものがあり、これも容易に入手することがで
きる。市販の酵素の具体例としては、たとえば豚肝臓エ
ステラーゼ(シグマ社製)、膵臓リパーゼ(東京化成工
業社製)などが挙げられる。植物から調製された酵素の
中には市販のものがあり、これも容易に入手することが
できる。市販の酵素の具体例としては、たとえば、ピー
ナッツのホスホリパーゼ(Phospholipase
D)(ルセルナ・ケム社製)、パインアップルのプロ
テアーゼ(Bromelain)(シグマ社製)などが
挙げられる。さらに、東京化成工業社製のプロテアーゼ
が挙げられる。また、本酵素反応には種々の添加剤を用
いることができ、1,10−o−フェナンスロリンの添
加が特に有効である。この添加剤の使用により、反応速
度を向上させ、また必要な酵素量を低減させることがで
きる。
【0011】次に、本発明の酵素反応を説明するが、基
本的には用いる酵素の至適条件にあわせてそれぞれ設定
するものであり、ここでは一般的な反応条件について説
明する。本発明の製造法は、上記微生物を培養した培養
液、培養液から分離した菌体、酵素を含有する培養濾
液、または各種酵素分離法によって菌体もしくは培養濾
液から分離した粗製酵素、さらに精製した精製酵素と、
2,6−ジメチル−4−(3−ニトロフェニル)−1,
4−ジヒドロピリジン−3,5−ジカルボン酸 ビス
(2−ニコチノイルアミノエチル)エステルまたはその
塩を水溶液中で、攪拌または振とうすることにより行わ
れる。
【0012】反応液としては、リン酸緩衝液、トリス−
塩酸緩衝液などの緩衝液の使用が、反応液のpHを一定
に保つ上で好ましい。緩衝液の濃度は、緩衝液の種類に
よっても異なるが、2M以下が好ましい。また、緩衝液
を使用せずに反応を行うこともでき、この際は水酸化ナ
トリウム、水酸化カリウムなどの水溶液を用いて、pH
スタットにより反応液のpHをコントロールするのが好
ましい。反応条件は、使用する酵素にあわせて設定すれ
ばよい。たとえばプロテアーゼPを使用したときの各種
条件は、pHが6.0〜8.0であり、最も好ましくは
pH7.0〜7.5である。反応温度は25℃〜50℃
で反応させるが、最も好ましくは30℃〜35℃であ
る。反応液中の基質の濃度は、反応液に対し、0.05
〜25重量%である。使用する酵素の量は、酵素の力価
および基質の量に応じて適宜決定すればよい。反応時間
は、TLC分析またはHPLC分析などにより反応の進
行状況を確かめながら設定すればよい。
【0013】また、本酵素反応では基質溶解補助剤とし
て種々の有機溶媒を使用することができる。添加できる
有機溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、ジ
メチルスルホキシド、ジオキサン、N,N−ジメチルホ
ルムアミド、アセトニトリルなどがあげられ、これらは
単独、または2種類以上用いてもよい。本酵素反応に有
機溶媒を添加する場合、酵素活性を低下させることのな
い範囲で添加する必要がある。たとえばアセトンを添加
する場合、反応液に対して1〜15%の濃度で添加する
ことができるが、最も望ましくは4〜6%である。有機
溶媒の添加時期としては、反応開始時、反応途中いずれ
でもよい。また、ラウリル硫酸ナトリウム、トリトンX
100,ツイーン80などの界面活性剤、ポリエチレン
グリコール#400、アラビアゴム、レシチンなどのエ
マルジョン化剤などをもちいることもできる。
【0014】さらに、本酵素反応を実施するにあたり基
質を反応初期に一度に添加すると、基質が沈澱、凝集
し、反応の進行が阻害される。この解決策として、基質
(塩酸塩、硫酸塩または硝酸塩)を水に溶かして、これ
を酵素液に少量ずつ連続的に添加するという方法が大き
な効果を示した。この基質の連続添加と上記有機溶媒の
添加を合わせて行う場合には、基質濃度が低い反応初期
に有機溶媒を添加するよりは、むしろ反応途中に添加す
るのが望ましい。上記、基質溶解補助剤の使用と基質の
連続添加により、最終的な基質の仕込濃度を大幅に上昇
させることができる。
【0015】また、本酵素反応に種々の添加剤を使用す
ることにより、反応速度を上昇させ、かつ使用酵素量を
低減することができる。使用酵素がプロテアーゼPの場
合、種々の有機試薬、金属イオンを添加して検討したと
ころ、1,10−o−フェナンスロリンが特に優れた効
果を示した。1,10−o−フェナンスロリンは反応開
始前、ジメチルスルホキシド、アセトンなどの有機溶媒
に溶解して酵素液に加えることができ、その使用量とし
ては、反応液に対して1mM〜10mMの濃度で添加す
るのが有効であり、最適な濃度は1mM〜4mMであ
る。反応終了後、反応液を1規定リン酸の添加でpH
5.0に合わせ、酢酸エチルなどの有機溶媒で抽出し、
必要に応じてカラムクロマトグラフィーなどで精製し目
的物を単離することができる。
【0016】
【発明の効果】本発明により、簡便で高収率、しかも高
い光学純度で光学活性(左旋性)な化合物Aの製造中間
体を供給することができる。特に、本発明方法では使用
する原料(プロキラルな化合物)と生成物が1:1の収
支関係にあり、従来の光学分割法のように所望の光学異
性体の収率が最大で50%という欠点を有しないことが
最大の特長である。さらに、本発明方法は、穏和な条件
で反応が進行することから特別な反応装置を要しないこ
と、高価な分割剤を必要としないこと、反応後の廃液の
処理が容易なことなど、従来法に較べて極めて有利な利
点を有する。
【0017】この光学活性な製造中間体を用いることに
より、極めて容易かつ収率よく光学活性な化合物Aを製
造することができる。すなわち、3−ニトロオキシプロ
ピル−1−ブロミドまたは3−ニトロオキシプロピルア
ルコールと反応させて、光学活性な化合物Aに導くこと
ができる。ここで得られる光学活性な化合物Aは、医薬
品として好ましい異性体(左旋性)である。左旋性の化
合物Aはラセミ体および右旋性の化合物Aに比べ、カル
シウムチャンネル結合能、冠血流量増加作用、心拍数抑
制作用および降圧作用の試験などにおいて格段にその作
用が優れている。従って、本発明の中間体により製造さ
れる左旋性の光学活性を有する化合物Aは、狭心症、高
血圧等の予防および治療薬として極めて有用である。
【0018】
【実施例】以下、本発明を実施例および参考例によって
説明するが、本発明は実施例のみによって限定されるも
のではない。
【0019】なお、反応生成物の確認は、以下に示すT
LC法およびHPLC法により行った。 TLC;TLCプレート RP−18(メルク社製) 展開溶媒:MeOH/H2O=8/2 HPLC;カラム ODS C18(4.6φ×150m
m) 溶離液 MeOH/H2O=1/1 流速 1ml/min 温度 50℃ 検出 UV 240nm
【0020】また、光学純度は、旋光度の測定またはキ
ラルカラムを使用するHPLC分析により決定した。H
PLC分析は以下の条件で行った。 分析条件;カラム ULTRON ES−OVM(4.
6φ×150mm)(信和化工社製) 溶離液 i−PrOH/20mMリン酸緩衝液(pH
3.0)=1/9 流速 1ml/min 温度 25℃ 検出 UV 240nm
【0021】実施例1 プロテアーゼP20gおよび2,6−ジメチル−4−
(3−ニトロフェニル)−1,4−ジヒドロピリジン−
3,5−ジカルボン酸 ビス(2−ニコチノイルアミノ
エチル)エステル・2塩酸塩1gを水1Lに溶解し、こ
の溶液を1規定水酸化ナトリウム溶液の添加でpH7.
5に調製し、30℃にて撹拌した。pHスタットにてp
Hを7.5に保ちながら24時間撹拌した後、1規定燐
酸を添加してpHを5.0に調製し、酢酸エチル1Lで
2回抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し
た後、濾過、濃縮して得られた残渣を逆相クロマトグラ
フィー[カラム:LiChroprep RP−18
(40−63μm)(メルク社製)、溶出液:MeOH
/H2O=6/4]で精製し、(−)−2,6−ジメチ
ル−4−(3−ニトロフェニル)−1,4−ジヒドロピ
リジン−3,5−ジカルボン酸 3−(2−ニコチノイ
ルアミノエチル)エステル574mg(収率:85%)
を淡黄色泡状物質として得た。
【0022】m.p. 116〜119℃ [α]D30 −77.9゜(c=1.13,MeOH) HPLC法により測定した光学収率は100%であっ
た。 NMR(DMSO−d6,200Mz) δ(pp
m);2.28(6H,s),3.51(2H,q,J
=6Hz),4.13(2H,t,J=6Hz),4.
99(1H,s),7.42(1H,t,J=8H
z),7.50(1H,dd,J=5Hz,8Hz),
7.60(1H,d,J=8Hz),7.93(1H,
d,J=8Hz),7.98(1H,s),8.13
(1H,d,J=8Hz),8.71(1H,d,J=
5Hz),8.57〜8.78(1H,m),8.94
(1H,s),8.96(1H,s),11.83(1
H,brs)
【0023】実施例2〜14 表1に示す酵素20mgを2mlの燐酸緩衝液(20m
M,pH7.5)に溶解し、20μlの水に溶解した
2,6−ジメチル−4−(3−ニトロフェニル)−1,
4−ジヒドロピリジン−3,5−ジカルボン酸 ビス
(2−ニコチノイルアミノエチル)エステル・2塩酸塩
1mgを加えた。この反応液を30℃にて24時間振と
うし、得られた反応混合物を1規定燐酸でpHを5.0
に調製した後、酢酸エチル2mlで抽出した。有機層を
濃縮して得られた残渣をHPLC分析し、収率を算出し
た。さらに目的物のモノカルボン酸に相当する部分をH
PLCで分取し、光学活性カラムを用いるHPLC法で
光学収率を算出した。結果を表1に示した。
【0024】
【表1】
【0025】
【0026】実施例3 プロテアーゼP6.0gを水500mlに溶解し、この
溶液に10mlのジメチルスルホキシドに溶解した1,
10−o−フェナンスロリン0.3gを加えた。この溶
液を0.5規定水酸化ナトリウム水溶液の添加によりp
H7.5にした。上記酵素液を30℃にて攪拌しなが
ら、これに水50mlに溶解した2,6−ジメチル−4
−(3−ニトロフェニル)−1,4−ジヒドロピリジン
−3,5−ジカルボン酸 ビス(2−ニコチノイルアミ
ノエチル)エステル・2塩酸塩6.0gを基質が析出し
ない様に少しずつ連続的に加えた。基質の添加に伴い反
応液のpHが低下するが、pHスタットにより0.5規
定水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを7.5に保
持した。48時間後、基質の添加が終了した時点で、H
PLCにより反応の進行を確かめたところ、ほぼ完全に
基質が消失していた。反応液に1規定燐酸を添加してp
Hを5.0に調製し、酢酸エチル300mlで2回抽出
した。酢酸エチル層を200mlまで濃縮した後、1規
定水酸化ナトリウム水溶液200mlで2回抽出した。
得られた水酸化ナトリウム溶液を一度酢酸エチル100
mlで洗浄した後、再び1規定燐酸の添加によりpH
5.0とし、酢酸エチル100mlで2回抽出した。酢
酸エチル層を合わせて飽和食塩水で洗浄した後、無水硫
酸マグネシウムで乾燥し、濾過、濃縮して、(−)−
2,6−ジメチル−4−(3−ニトロフェニル)−3−
(2−ニコチノイルアミノエトキシカルボニル)−1,
4−ジヒドロピリジン−5−カルボン酸3.74g(収
率:92%)を得た。
【0027】参考例1 (−)−2,6−ジメチル−4−(3−ニトロフェニ
ル)−1,4−ジヒドロピリジン−3,5−ジカルボン
酸 3−(2−ニコチノイルアミノエチル)エステル2
50mgのジメチルホルムアミド10ml溶液に3−ニ
トロオキシプロピル−1−ブロミド120mgと炭酸カ
リウム90mgを加え、室温で10時間撹拌した。反応
溶液を水にあけ、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、
炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄した後、乾燥し、溶媒
を留去した。残留物を酢酸エチル10mlに溶解したの
ち、4規定塩酸酢酸エチル溶液0.2mlを加え、1時
間撹拌した。生成した不溶物を濾過し、減圧乾燥して目
的とする(−)−2,6−ジメチル−4−(3−ニトロ
フェニル)−1,4−ジヒドロピリジン−3,5−ジカ
ルボン酸 3−(2−ニコチノイルアミノエチル)エス
テル 5−(3−ニトロオキシプロピル)エステル塩酸
塩240mgを得た。 m.P. 126〜128℃ [α]D25 −25.2°(c=1.12,MeO
H)
【0028】参考例2 (−)−2,6−ジメチル−4−(3−ニトロフェニ
ル)−1,4−ジヒドロピリジン−3,5−ジカルボン
酸 3−(2−ニコチノイルアミノエチル)エステル2
50mgの塩化メチレン10ml溶液に無水酢酸160
mgとモレキュラーシーブス3A250mgを加え、1
時間撹拌した。不溶物を濾過したのち、濾液に3−ニト
ロオキシプロピルアルコール100mgと塩化アセチル
1滴を加えて、3時間撹拌した。反応溶液を水にあけ、
塩化メチレンで抽出し、有機層を炭酸水素ナトリウム水
溶液で洗浄したのち、乾燥した。溶媒を留去したのち、
上記参考例1と同様の方法により処理して、目的とする
(−)−2,6−ジメチル−4−(3−ニトロフェニ
ル)−1,4−ジヒドロピリジン−3,5−ジカルボン
酸3−(2−ニコチノイルアミノエチル)エステル 5
−(3−ニトロオキシプロピル)エステル塩酸塩230
mgを得た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 花田 和紀 東京都豊島区高田3丁目24番1号 大正製 薬株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2,6−ジメチル−4−(3−ニトロフ
    ェニル)−1,4−ジヒドロピリジン−3,5−ジカル
    ボン酸 ビス(2−ニコチノイルアミノエチル)エステ
    ルまたはその塩に、2,6−ジメチル−4−(3−ニト
    ロフェニル)−1,4−ジヒドロピリジン−3,5−ジ
    カルボン酸 ビス(2−ニコチノイルアミノエチル)エ
    ステルまたはその塩の3位および5位に結合したカルボ
    ン酸エステルを不斉加水分解する能力を有する酵素を作
    用させて不斉加水分解し、(−)−2,6−ジメチル−
    4−(3−ニトロフェニル)−1,4−ジヒドロピリジ
    ン−3,5−ジカルボン酸 3−(2−ニコチノイルア
    ミノエチル)エステルを回収することを特徴とする光学
    活性(−)−2,6−ジメチル−4−(3−ニトロフェ
    ニル)−1,4−ジヒドロピリジン−3,5−ジカルボ
    ン酸 3−(2−ニコチノイルアミノエチル)エステル
    の製造法。
  2. 【請求項2】 2,6−ジメチル−4−(3−ニトロフ
    ェニル)−1,4−ジヒドロピリジン−3,5−ジカル
    ボン酸 ビス(2−ニコチノイルアミノエチル)エステ
    ルの塩が塩酸塩、硫酸塩または硝酸塩であることを特徴
    とする請求項1記載の製造法。
  3. 【請求項3】 酵素がアスペルギルス属、ペニシリウム
    属、ストレプトマイセス属およびバチルス属からなる群
    から選ばれる微生物から得られる酵素である請求項1記
    載の製造法。
  4. 【請求項4】 酵素がアスペルギルス オリザエ、アス
    ペルギルス メレウス、アスペルギルス ソジャエ、ス
    トレプトマイセス グリセウス、ストレプトマイセス
    カスピトサス、バチルス リケニホルミスまたはバチル
    ス サブチリスから得られる酵素である請求項1記載の
    製造法。
  5. 【請求項5】 酵素が動物の臓器から調製された酵素で
    ある請求項1記載の製造法。
  6. 【請求項6】 酵素が植物から調製された酵素である請
    求項1記載の製造法。
  7. 【請求項7】 1,10−o−フェナンスロリンを添加
    することを特徴とする請求項1記載の製造法。
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