JPH0583703U - 光ファイバケーブル端末処理金具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 各光ファイバ心線を単心コードに挿通するま
での作業を目視により確認しながら行なうことができ、
心線の曲り、或は、断線を防止し、作業効率が良く且つ
確実に単心コード化をなし得る光ファイバケーブル端末
処理金具を提供する。 【構成】 ケーブルホルダ２０の盲穴２２内に、端末処
理された光ファイバケーブル１２の端末部を挿入し、ケ
ーブルホルダ２０の取付け部２０Ｃをカシメ加工により
スペーサ１４の外周に固定する。このとき、各光ファイ
バ心線１２ａは、ケーブルホルダ２０のスリット２０ｂ
を介してケーブルホルダ２０の外周側へと導出され、心
線１２ａから分離し個別化された光ファイバ素線１２ｃ
は、それぞれ単心コード２４へと挿通され、単心コード
化される。その後、円筒形状の黄銅製のアウタースリー
ブ４０が、ケーブルホルダ２０の外側を覆って嵌合され
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、多数の光ファイバ心線がスロット付きスペーサに担持されたスロッ ト型光ファイバケーブルを、端末部のシース切断面にて光ファイバ心線を単心コ ード化するために使用する光ファイバケーブル端末処理金具に関するものである 。

【０００２】

【従来の技術】

多数の光ファイバ心線がスロット付きスペーサに担持されたスロット型光ファ イバケーブルは、その端末部にて個々の光ファイバ心線に分離され、それぞれ所 定の機器接続端に接続される。そのためにスロット型光ファイバは端末部にてそ のシースが切断され、光ファイバ心線を露出した後、光ファイバケーブル端末処 理金具にて単心コード化される。

【０００３】 図５及び図６に従来の光ファイバケーブル端末処理金具１を示す。図示するよ うに、ポリエチレンなどとされるシースを切断することにより端末処理されたス ロット型光ファイバケーブル２は、その端末部のシース部分の外周に、予め、Ｌ ＡＰテープ３が巻き付けられ、その上にエポシキ樹脂系接着剤が塗布される。次 いで、この光ファイバケーブル端末部を覆って、一端が閉鎖されたキャップ状を した黄銅製のインナスリーブ４を挿入し、エポキシ樹脂系接着剤にて固定する。 このとき、インナスリーブ４は、て光ファイバケーブル端末部に突出するスロッ ト付きスペーサ５の端面に、インナスリーブ４の閉鎖端部４ａの内壁が当接する まで挿入される。同時に、光ファイバケーブル端末部から個別に取り出された光 ファイバ心線２ａは、インナスリーブ閉鎖端部４ａに形成された挿通孔４ｂを介 してインナスリーブ４の外側へと導出される。

【０００４】 又、光ファイバケーブル２の中心を通って設けられているテンションメンバー ６は、インナスリーブ閉鎖端部４ａに形成した導出孔４ｃを介して外部に引出さ れる。

【０００５】 更に、前記インナスリーブの閉鎖端部４ａの外側には、インナスリーブ４の閉 鎖端部４ａから引出された光ファイバ心線２ａを挿通するための、ＰＶＣ樹脂か らなる単心コード７が設けられた黄銅製の先端金具８が適合され、各光ファイバ 心線２ａは、この単心コード７に挿通される。又、先端金具８にも、テンション メンバー６を通す導出孔６ａが形成してあり、光ファイバ心線２ａを単心コード ７に挿通する時に、この導出孔６ａにテンションメンバー６が挿通される。

【０００６】 単心コード７のケブラ等の高強度繊維からなるテンションメンバー７ａは、イ ンナスリーブ４の閉鎖端部４ａの外壁と、先端金具８との間に折り曲げ、両部材 ４ａ、８にて挟持することにより固定される。インナスリーブ４と先端金具７と をこの状態に固定保持するために、両部材の外周を覆って、黄銅製のアウタスリ ーブ９が嵌合され、止め螺子（図示せず）のような適当な固定手段にてその場に 固定される。

【０００７】

【考案が解決しようとする課題】

このように、従来の光ファイバケーブル端末処理金具１では、インナスリーブ ４の挿通孔４ｂから光ファイバ心線２ａを外部に導出する際、インナスリーブ４ の内部の状態を目視し、確認することができないので、端末処理金具１の組立時 に光ファイバ心線２ａが金具内で曲げを生じたり、或は断線するといった危険性 が高いという問題があった。

【０００８】 従って、本考案の目的は、多数の光ファイバ心線を有したスロット型光ファイ バケーブルを端末部にて単心コード化する際に、各光ファイバ心線を単心コード に挿通するまでの作業を目視により確認しながら行なうことができ、それによっ て、光ファイバ心線の曲り、或は、断線を防止し、しかも、作業が容易であり、 作業効率が良く且つ確実に単心コード化をなし得る光ファイバケーブル端末処理 金具を提供することである。

【０００９】

【課題を解決するための手法】

上記目的は本考案に係る光ファイバケーブル端末処理金具にて達成される。要 約すれば本考案は、多数の光ファイバ心線がスロット付きスペーサに担持された スロット型光ファイバケーブルのための光ファイバケーブル端末処理金具であっ て、端末処理された光ファイバケーブルの端末部が挿入される盲穴が中心部に穿 設された概略円柱形状とされるケーブルホルダを備え、このケーブルホルダは、 光ファイバケーブルの端末シース部分が挿入される基台部と、スペーサ部分が挿 入され、このスペーサ部分にカシメることによりケーブルホルダを光ファイバケ ーブル端末部に固定する取付け部と、この基台部と取付け部との中間部に位置し て複数のスリットが形成されたスリット部と、前記取付け部の端面から外方へと 突出した取付け軸部とを有しており、そして、この取付け軸部には、前記ケーブ ルホルダのスリット部から外方へと導出された各光ファイバ心線を単心コード化 するための、複数の単心コードが挿通して設けられた止め金具及び先端金具が固 定され、更に、前記ケーブルホルダ並びに止め金具及び先端金具を覆って配置さ れ、そして前記ケーブルホルダの基台部並びに止め金具に固定されたアウタスリ ーブを有することを特徴とする光ファイバケーブル端末処理金具である。

【００１０】

【実施例】

以下、本考案に係る光ファイバケーブル端末処理金具を図面を参照しながら具 体的に説明する。

【００１１】 図１及び図２に本考案の光ファイバケーブル端末処理金具１０の一実施例を示 す。本実施例で、光ファイバケーブル１２は、図３をも参照すると理解されるよ うに、４本の光ファイバ心線１２ａが４つのスロット１４ａを備えたアルミニウ ム製スペーサ１４に担持され、その外周はアルミニウム管からなるシース１２ｂ にて被覆されたスロット型光ファイバケーブルとされる。

【００１２】 この光ファイバケーブル１２の端末はアルミニウム管シース１２ｂを切断する ことにより端末処理され、シース切断面より所定長さにてスペーサ１４及び各光 ファイバ心線１２ａが露出される。又、本実施例では、図３及び図４にて理解さ れるように、スペーサ１４の４つのスロット１４ａにはそれぞれ１本の光ファイ バ心線１２ａが配置され、各光ファイバ心線１２ａは３心一括心線とされ、従っ て、１本の光ファイバ心線１２ａは最終的には３本の光ファイバ素線１２ｃへと 個別化される。

【００１３】 本考案の光ファイバケーブル端末処理金具１０は、端末処理された光ファイバ ケーブル１２の端末部を覆って取付けられる黄銅製のケーブルホルダ２０を有す る。更に説明すれば、ケーブルホルダ２０は概略円柱形状とされ、その中心部に 盲穴２２が穿設され、この盲穴２２に光ファイバケーブル１２の端末シース部分 １２ｂ及びスペーサ１４が挿入される。即ち、ケーブルホルダ２０は、端末シー ス部分１２ｂが挿入される基台部２０Ａと、スペーサ部分１４が挿入される取付 け部２０Ｃと、この基台部２０Ａと取付け部２０Ｃとの中間部に位置して、図３ に示すように、多数の、本実施例では４つのスリット２０ｂが形成されたスリッ ト部２０Ｂと、更に、前記取付け部２０Ｃの端面から外方へと突出した取付け軸 部２０Ｄとを有する。

【００１４】 更に、本考案の光ファイバケーブル端末処理金具１０は、多数の、本実施例で は、図４にて理解されるように、１２の単心コード２４が挿通する黄銅製の止め 金具２６及び先端金具２８を有する。止め金具２６及び先端金具２８を挿通され た各単心コード２４のケブラ等の高強度繊維からなるテンションメンバ２４ａは 、単心コード２４の先端から折り戻されて、止め金具２６と先端金具２８との間 に挟持される。止め金具２６と先端金具２８とは止め螺子３０にて互に固定され る。更に、この単心コード２４が固定された止め金具２６と先端金具２８とは、 固定螺子３２にて前記ケーブルホルダ２０の取付け軸部２０Ｄ先端に固定される 。

【００１５】 なお、図示するように、ＰＶＣ樹脂管にて形成された単心コード２４内に更に テフロンパイプ３４などが設けられた複層構成とされる場合には、このテフロン パイプ３４を、エナメル線のようなバインド線３８にて単心コード２４の外周に 結束すると良い。

【００１６】 上記構成にて、図２に示すように、ケーブルホルダ２０の盲穴２２内に、端末 処理された光ファイバケーブル１２の端末部を挿入し、ケーブルホルダ２０の取 付け部２０Ｃをカシメ加工により前記スペーサ１４の外周に固定することによっ て、ケーブルホルダ２０は、光ファイバケーブル１２の端末部に一体に取付けら れる。このとき、光ファイバケーブル１２の端末部に露出された各光ファイバ心 線１２ａは、ケーブルホルダ２０のスリット２０ｂを介してケーブルホルダ２０ の外周側へと導出される。各光ファイバ心線１２ａから分離し個別化された光フ ァイバ素線１２ｃは、更に、それぞれ単心コード２４へと挿通され、単心コード 化される。

【００１７】 本考案の光ファイバ端末処理金具１０を使用すると、このような一連の作業は 、目視し、作業を確認しながら行なうことができ、各光ファイバ心線１２ａ及び 光ファイバ素線１２ｃの曲げ或は断線を生ぜしめることはない。

【００１８】 次いで、本実施例では、予め、光ファイバケーブル端末部へと挿入されていた 円筒形状の黄銅製のアウタースリーブ４０が、上記ケーブルホルダ２０の外側を 覆って嵌合され、その一端の基端部４２がケーブルホルダ２０の基台部２０Ａに 止め螺子４６にて固定され、又、前記止め金具２６及び先端金具２８の外周に嵌 合している他端４４が止め螺子４８にて止め金具２６の外周に固定される。

【００１９】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案に係る光ファイバケーブル端末処理金具は、多数 の光ファイバ心線を有したスロット型光ファイバケーブルを端末部にて単心コー ド化する際に、アウタスリーブのない状態にて、光ファイバケーブル端末部に固 定されたケーブルホルダ２０を利用して光ファイバ心線の単心コード化作業を行 なう構成とされるので、各光ファイバ心線を単心コードに挿通するまでの作業を 目視により確認しながら行なうことができ、それによって、光ファイバ心線の曲 り、或は、断線を防止することができ、しかも、作業が容易であり、作業効率が 良く且つ確実に単心コード化をなすことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る光ファイバケーブル端末処理金具
の一実施例を示す縦断側面図である。

【図２】図１の光ファイバケーブル端末処理金具の作業
手順を示す分解縦断側面図である。

【図３】図１の線Ａ−Ａに取った断面図である。

【図４】図１の線Ｂ−Ｂに取った断面図である。

【図５】従来の光ファイバケーブル端末処理金具の縦断
側面図である。

【図６】図５の光ファイバケーブル端末処理金具の作業
手順を示す分解縦断側面図である。

【符号の説明】

１０ 光ファイバケーブル端末処理金具 １２ 光ファイバケーブル １２ａ 光ファイバ心線 １４ スペーサ ２０ ケーブルホルダ ２０Ａ 基台部 ２０Ｂ スリット部 ２０Ｃ 取付け部 ２０Ｄ 取付け軸部 ２４ 単心コード ２６ 止め金具 ２８ 先端金具

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 多数の光ファイバ心線がスロット付きス
   ペーサに担持されたスロット型光ファイバケーブルのた
   めの光ファイバケーブル端末処理金具であって、端末処
   理された光ファイバケーブルの端末部が挿入される盲穴
   が中心部に穿設された概略円柱形状とされるケーブルホ
   ルダを備え、このケーブルホルダは、光ファイバケーブ
   ルの端末シース部分が挿入される基台部と、スペーサ部
   分が挿入され、このスペーサ部分にカシメることにより
   ケーブルホルダを光ファイバケーブル端末部に固定する
   取付け部と、この基台部と取付け部との中間部に位置し
   て複数のスリットが形成されたスリット部と、前記取付
   け部の端面から外方へと突出した取付け軸部とを有して
   おり、そして、この取付け軸部には、前記ケーブルホル
   ダのスリット部から外方へと導出された各光ファイバ心
   線を単心コード化するための、複数の単心コードが挿通
   して設けられた止め金具及び先端金具が固定され、更
   に、前記ケーブルホルダ並びに止め金具及び先端金具を
   覆って配置され、そして前記ケーブルホルダの基台部並
   びに止め金具に固定されたアウタスリーブを有すること
   を特徴とする光ファイバケーブル端末処理金具。