JPH05828U - 手摺り支柱の取付装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 床面の奥行き幅や踏み段の幅を十分広くとれ
ないベランダや階段等においてもその有効幅を最大限利
用できるようにすると共に、取付施工が簡単容易に行え
る手摺り支柱取付装置を提供することを目的とする。 【構成】 手摺り支柱１を、屋上部、ベランダ床部、階
段等の建物構造部Ｓの横側面側に張り出して取付けるた
めの取付装置であって、手摺り支柱１に外嵌可能な筒状
ホルダー部５と該ホルダー部５の外側部に突出する取付
部片６とを形成したアルミニュームまたはその合金の押
出型材よりなるブラケット７を備え、このブラケット７
の取付部片６を前記建物構造部Ｓの横側壁面Ｔに固着
し、ホルダー部５に手摺り支柱１の下端部を嵌挿してビ
ス１１により固定するようにしたことを特徴としてい
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、手摺りの支柱を、屋上部、ベランダ床部、階段等の建物構造部の横 側面側に張り出して取付けるための手摺り支柱の取付装置に関する。

【０００２】

【従来技術及びその課題】

従来一般に、手摺り支柱は、建物の屋上やベランダの縁壁に立上り壁のような 所謂堰壁を設けてその上に立設したり、また階段の手摺りにあっては階段の縁部 にそのまま立設しているが、そのような取付方式では床面上や踏み段上の端部に 或る一定の支柱取付幅が必要となるため、床面の奥行き幅や踏み段の幅を十分広 くとれないベランダや階段の場合には、上記支柱取付幅のために実際に利用でき る有効幅が益々狭くなるという問題があった。

【０００３】 本考案は、上記の課題に鑑み、床面の奥行き幅や踏み段の幅を十分広くとれな いベランダや階段等においても、有効幅を最大限利用できるようにした手摺り支 柱取付装置を提供することを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案の手摺り支柱取付装置は、手摺り支柱１を、屋上部、ベランダ床部、階 段等の建物構造部Ｓの横側面側に張り出して取付けるための手摺り支柱１の取付 装置であって、手摺り支柱１に外嵌可能な筒状ホルダー部５と該ホルダー部５の 外側部に突出する取付部片６とを形成したアルミニュームまたはその合金の押出 型材よりなるブラケット７を備え、このブラケット７の取付部片６を前記建物構 造部Ｓの横側壁面Ｔに固着し、ホルダー部５に手摺り支柱１の下端部を嵌挿して ビス１１により固定するようにしたことを特徴としている。

【０００５】

【実施例】

実施例について図面を参照して説明すると、図１及び図２はコンクリート製の ベランダ床部Ｓに設置された手摺りを示す正面図及び平面図で、これらの図にお いて、１はベランダ床部Ｓの横側壁面Ｔ側に張り出して取付られた複数本の四角 筒状手摺り支柱で、これらの手摺り支柱１の各上端に亘って笠木２が横架され、 各手摺り支柱１の下端部相互は下横枠３によって連結され、また笠木２と下横枠 ３との間には複数本の竪桟４が配設されている。

【０００６】 各手摺り支柱１の取付装置につき図３及び図４により詳細に説明すると、この 取付装置は、前記手摺り支柱１に外嵌可能な四角筒状のホルダー部５とこのホル ダー部５の外側部から両側方に一体突出する一対の取付部片６，６とを形成した アルミニュームまたはその合金の押出型材よりなるブラケット７を備えてなり、 各取付部片６にはアンカーボルト孔８が上下２箇所に設けられている。尚、各手 摺り支柱１もアルミニュームまたはその合金の押出型材よりなるものである。

【０００７】 この手摺り支柱１の取付けにあたっては、予め、ベランダ床部Ｓにおける支柱 立設箇所の所定位置に４本のアンカーボルト９を埋設して各ボルト９の先端部を 横側壁面Ｔに突出させておく。そしてブラケット７の両取付部片６，６をベラン ダ床部Ｓの横側壁面Ｔに当てがって、各アンカーボルト９の突出端部を各取付部 片６のアンカーボルト孔８に挿通させ、ナット１０を螺合緊締することにより、 ブラケット７をベランダ床部Ｓの横側壁面Ｔに固着する。

【０００８】 こうして横側壁面Ｔに固着したブラケット７のホルダー部５に手摺り支柱１の 下端部を嵌挿し、所定の高さ位置に上下スライド調整してからホルダー部５の外 周面側より手摺り支柱１にビス１１をねじ込んで、手摺り支柱１をホルダー部７ に保持固定する。これにより手摺り支柱１の取付けを完了する。

【０００９】 各手摺り支柱１を各ブラケット７のホルダー部５に嵌挿し固定するにあたって は、予め各手摺り支柱１、笠木２、下横枠３及び竪桟４を相互に組付けて一体の 手摺りとした状態で、各手摺り支柱１を各ブラケット７のホルダー部５に嵌挿す るようにしてもよいし、一体に組付ける以前に各手摺り支柱１を単品のまま各ブ ラケット７のホルダー部５に嵌挿固定するようにしてもよい。

【００１０】 図５及び図６は、手摺りが取付けられる建物構造部たるベランダ床部あるいは 階段が鉄骨構造で、その横側壁面側が鋼板からなる場合の実施例を示している。 この場合、手摺り支柱取付装置は図３及び図４で示した先の実施例のものと全く 同一のブラケット７を備えているが、このブラケット７の取付部片６，６の背面 側に鋼板製の取付台座１２がボルト１３とナット１４により取着される。この取 付台座１２を取着するには、予め取付台座１２側にボルト１３（スタッドボルト ）を一体突設しておいて、このボルト１３をブラケット７の各取付部片６のアン カーボルト孔８を利用して挿通し、ナット１４を螺着すればよい。図中１５は建 物構造部の一部を成す鋼板製の側壁板である。

【００１１】 しかして、手摺り支柱１の取付にあたっては、上記のように各ブラケット７の 取付部片６側に取着した上記取付台座１２を、側壁板１５の横側壁面Ｔに当接し て周縁部を隅肉溶接により固着する（溶接部をＷで示す）。各ブラケット７のホ ルダー部５への手摺り支柱１の嵌挿固定操作は先の実施例と同様である。

【００１２】 図３〜図６で示した実施例では、四角筒状の手摺り支柱１に外嵌可能な形状の ホルダー部５を有するブラケット７を使用したが、図７の実施例に示すように円 筒状の手摺り支柱１６の場合には、この手摺り支柱１６の断面形状に対応する円 筒状のホルダー部１７を有するブラケット１８を使用すればよい。このブラケッ ト１８は、一対の取付部片１９，１９を備えており、そして先の実施例のブラケ ット７と同様にアルミニュームまたはその合金の押出型材よりなるものである。 なお、他の取付構造については図３、図４に示す実施例と同様である。

【００１３】 また、以上図３〜図７で説明した実施例のブラケット７及びブラケット１８は 、それぞれアルミニュームまたはその合金の押出型材により形成されるものであ るが、この場合には図８に示すように所定の断面形状を有する長尺状の押出型材 Ｍを必要とする任意の長さに切断して（その切断線をＫで示す）、ブラケット７ ，１８を形成することができる。

【００１４】 図８は、例えばコンクリート製の階段Ｌに設置された手摺りを示したもので、 図３及び図４、あるいは図５及び図６で示したような取付装置により手摺り支柱 １が階段Ｌの横側壁面Ｔに取付られている。例えば各取付装置を図３及び図４の 実施例と同様な形態（取付部片をアンカーボルトで固定）とした場合、この取付 装置はブラケット２０よりなるが、階段Ｌは一定の傾斜を有するため、そのブラ ケット２０の上下端面は、階段Ｌの傾斜角度に対応する傾斜端面となる。したが って、このブラケット２０をアルミニューム押出型材で形成する際には、図１０ に示すように長尺状の押出型材Ｍをその長手方向に対し所定の傾斜角度をもった 切断線Ｋに沿って所定の長さづつ切断すれば、簡単容易に連続形成することがで きる。

【００１５】

【考案の効果】

本考案の取付装置によれば、手摺りの支柱を、屋上部、ベランダ床部、階段等 の建物構造部の横側面側に張り出して取付けるようにするため、従来のように床 面上や踏み段上の端部に支柱取付幅を設定する必要がなくなる。したがって床面 の奥行き幅や踏み段の幅を十分広くとれないベランダや階段等においても、その 床部や階段の有効幅を最大限利有効に利用することができる。

【００１６】 また本考案の手摺り支柱取付装置は、手摺り支柱に外嵌可能な筒状に筒状ホル ダー部とその外側部に突出する取付部片とを有する単一のブラケットからなるも のであって、取付部片を建物構造部の横側壁面に固着し、ホルダー部に手摺り支 柱の下端部を嵌挿してビス止めするようにしたものであるから、部品点数が極め て少なく、取付作業が簡単となって、従来装置に比べ施工コストを著しく安くす ることができる。

【００１７】 また、このブラケットはアルミニュームまたはその合金の押出型材よりなるた め、その製作にあたっては、所要の断面形状を有する長尺状押出型材を必要とす る任意の長さに切断することによって、簡単容易にブラケットを製作することが でき、量産に最適で、コストの大幅な低廉化を期することができる。特に、階段 に使用するブラケットのように、その上下端面が階段の傾斜に対応する傾斜端面 となるブラケットの製作する場合に極めて有効である。

【００１８】 また、建物構造部がコンクリート製の場合、取付部片は当該構造部に予め埋設 したアンカーボルトによって簡単に固着することができる。また、建物構造部が 鉄骨製の場合には、取付部片は溶接によって容易に固着することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す手摺り支柱取付装置の
全体外観正面図である。

【図２】図１のＸ−Ｘ線断面図である。

【図３】図１の手摺り支柱取付装置の要部拡大横断面図
である。

【図４】図１の手摺り支柱取付装置の要部拡大側面図で
ある。

【図５】他の実施例による手摺り支柱取付装置の要部拡
大平面図である。

【図６】図５の手摺り支柱取付装置の側面図である。

【図７】更に他の実施例による手摺り支柱取付装置の要
部拡大平面図である。

【図８】ブラケットをアルミニュームの押出型材により
切り出して形成している状態を示す説明図である。

【図９】更に他の実施例による階段の手摺り支柱取付装
置の全体外観正面図である

【図10】図９の実施例に使用されるブラケットをアルミ
ニュームの押出型材により斜めに切り出して形成してい
る状態を示す説明図である。

【符号の説明】

１ 手摺り支柱 ５ ホルダー部 ６ 取付部片 ７ ブラケット ８ アンカーボルト孔 ９ アンカーボルト １０ ナット １１ ビス １２ 取付台座 １５ 鋼板製の側壁板 １６ 手摺り支柱 １７ ホルダー部 １８ ブラケット １９ 取付部片 Ｓ ベランダ床部（建物構造部） Ｔ 横側壁面 Ｌ 階段（建物構造部） Ｋ 切断線 Ｍ アルミニューム合金押出型材

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 手摺り支柱を、屋上部、ベランダ床部、
   階段等の建物構造部の横側面側に張り出して取付けるた
   めの手摺り支柱の取付装置であって、手摺り支柱に外嵌
   可能な筒状ホルダー部と該ホルダー部の外側部に突出す
   る取付部片とを形成したアルミニュームまたはその合金
   の押出型材よりなるブラケットを備え、このブラケット
   の取付部片を前記建物構造部の横側壁面に固着し、ホル
   ダー部に手摺り支柱の下端部を嵌挿してビスにより固定
   するようにした手摺り支柱の取付装置。
2. 【請求項２】 ブラケットの取付部片はコンクリート製
   の建物構造部に対しアンカーボルトにより固着されてい
   る請求項１の手摺り支柱の取付装置。
3. 【請求項３】 ブラケットの取付部片には鋼板製の取付
   台座がボルトナットにより取着され、この取付台座が鉄
   骨製の建物構造部に対し溶接により固着されている請求
   項１の手摺り支柱の取付装置。