JPH0582075A - イオン照射装置 - Google Patents

イオン照射装置

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JPH0582075A
JPH0582075A JP3270061A JP27006191A JPH0582075A JP H0582075 A JPH0582075 A JP H0582075A JP 3270061 A JP3270061 A JP 3270061A JP 27006191 A JP27006191 A JP 27006191A JP H0582075 A JPH0582075 A JP H0582075A
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ion
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plasma
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Yasunori Ando
靖典 安東
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 基板近傍のプラズマ電位の制御、ひいては基
板の表面電位の制御を可能にし、それによって基板の帯
電防止を効果的に行うことができるようにしたイオン照
射装置を提供する。 【構成】 真空容器2内に、導電性のものであって、少
なくとも基板台4の周りからその上流側にかけての部分
を取り囲む内張り42を真空容器2から電気的に絶縁し
て設けた。かつ、この内張り42の電位を制御する電位
制御電源44を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、イオン源から引き出
したイオンビームを基板に照射してイオン注入等の処理
を行うイオン照射装置に関し、より具体的には、イオン
ビーム照射の際の基板の帯電防止手段の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】イオン源から引き出したイオンビーム
を、例えば質量分析することなく、真空容器内の基板台
に載せた基板に照射し、基板表面にイオン注入等の処理
を施すイオン照射装置、あるいはこのようなイオンビー
ム照射と蒸着等の成膜技術との組み合わせにより、基板
表面に膜を形成するイオン照射装置が従来から種々提案
されている。
【0003】この種の装置においては、イオンビーム照
射に伴う正電荷が基板表面に蓄積して、特に基板がガラ
ス、セラミックス等の非導電性基板の場合、帯電現象が
生じる。そしてこれを放置しておくと、基板表面の電位
の上昇によって絶縁破壊等の不具合が発生する。
【0004】そこでこのような基板の帯電防止手段とし
て、従来、基板近傍の真空度を適当に調整し、高周波
放電によりプラズマを基板近傍に発生させる手段、ある
いは基板近傍の真空度を適当に調整し、イオンビーム
により基板近傍の雰囲気ガスをプラズマ化する手段(例
えば特開平3−102755号参照)が提案されてお
り、これらによれば、プラズマ中の電子を主体とする負
の荷電粒子が基板表面の正電荷に引かれて正電荷を中和
するので、基板の帯電を抑制することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記のよう
に単にプラズマを基板近傍に発生させる従来の帯電防止
手段では、主に雰囲気プラズマの電位によって基板の表
面電位がある一定の電位に決まり、基板の表面電位の制
御性に劣るため、雰囲気プラズマからの負の荷電粒子の
基板への引き込み量の調整が困難であり、そのため基板
の帯電防止を効果的に行うことが難しいという問題があ
る。
【0006】そこでこの発明は、基板近傍のプラズマの
電位の制御、ひいては基板の表面電位の制御を可能に
し、それによって基板の帯電防止を効果的に行うことが
できるようにしたイオン照射装置を提供することを主た
る目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明のイオン照射装置は、真空容器内に、導電
性のものであって、少なくとも基板台の周りからその上
流側にかけての部分を取り囲む内張りを真空容器から電
気的に絶縁して設け、かつこの内張りの電位を制御する
電位制御電源を設けたことを特徴とする。
【0008】
【作用】上記構成によれば、内張りの電位を制御するこ
とにより、基板近傍に発生させたプラズマの電位を制御
することができ、それによって基板の表面電位を制御す
ることができる。その結果、基板近傍のプラズマからの
負の荷電粒子の基板への引き込み量を調整することが可
能になり、基板の帯電防止をより効果的に行うことがで
きるようになる。
【0009】
【実施例】図1は、この発明の一実施例に係るイオン照
射装置を示す断面図である。このイオン照射装置は、図
示しない真空排気装置によって真空排気される真空容器
2と、この真空容器2内に設けられていて基板(例えば
非導電性基板)6を載せる基板台4と、この真空容器2
の上部に取り付けられていて基板台4上の基板6にイオ
ンビーム34を照射するイオン源10とを備えている。
この基板台4と真空容器2は電気的に接地されている。
【0010】イオン源10は、この例では高周波型のも
のであり、ガス24を導入して高周波放電によってプラ
ズマを発生させるプラズマ生成容器12と、そこからイ
オンビーム34を引き出す引出し電極系16とを備えて
いる。高周波放電を起こすため、この例ではプラズマ生
成容器12と蓋板14との間に高周波電源28から整合
回路26を経由して高周波電力を供給する。20は碍子
である。
【0011】引出し電極系16は、この例では、いずれ
も多孔電極であって、引出し電源30から正の高電圧が
印加されるプラズマ電極17、抑制電源32から負の電
圧が印加される抑制電極18および通常は接地電位にさ
れる接地電極19で構成されている。21、22は、碍
子である。
【0012】但し、上記のようなイオン源10はあくま
でも一例であり、この発明に使用されるイオン源は特定
のタイプ、構造に限定されない。
【0013】以上は従来からある構成であるが、この実
施例では更に次のような構成を採用している。
【0014】即ち、真空容器2内に、導電性のものであ
って、基板台4の周りからこの例ではその上流側(即ち
イオン源10側)の接地電極19の近傍にかけての部分
を取り囲む内張り42を、真空容器2から電気的に絶縁
して設けている。この内張り42は、幾つかの碍子40
によって真空容器2から支持されている。
【0015】かつ、この内張り42の電位を制御する電
位制御電源44を真空容器2外に設けている。この電位
制御電源44は、例えば電圧可変の直流電源であり、こ
の例ではその負出力側を内張り42に接続し、正出力側
を接地している。この電位制御電源44の最大出力電圧
は、例えば50V程度あれば良い。
【0016】なお、基板6の帯電防止のために基板6の
近傍にプラズマ36を発生させる手段としては、例えば
従来例で説明したように、高周波放電を利用する手
段、あるいはイオンビームを利用する手段があるが、
前者は高周波電源が必要になりコストアップになるた
め、この実施例では後者を採用している。
【0017】即ち、一般的に、イオン注入は、10-7
10-6Torr程度の高真空下で行われるが、この実施
例では、基板6にイオンビーム34を照射する際に、基
板近傍の真空度を10-5〜10-4Torr台に保持す
る。真空度をこのような範囲に限定するのは、10-6
orr台以下だと、雰囲気中のガス分子が少ないので、
それとイオンビーム34中のイオンとの衝突が少なく、
そのためプラズマが殆ど発生しないからである。また、
10-3Torr台以上だと、その影響でイオン源10の
引出し電極系16において放電が発生してイオンビーム
34の引き出しが困難になるからである。
【0018】基板6の近傍の真空度を上記のようにする
には、例えば、イオン源10の引出し電極系16の電極
孔のコンダクタンス等を適宜に設定して、イオン源10
のプラズマ生成容器12に供給されたガス24の真空容
器2内への流れを制御することによって行っても良い
し、あるいは基板6の近傍にガス供給パイプのようなも
のを設けてガスを供給することによって行っても良い。
【0019】真空度を上記のようにすると、イオン源1
0から引き出されたイオンビーム34中のイオンが基板
近傍のガス分子に衝突して、基板6の近傍にプラズマ3
6が作られる。このようにして基板近傍にプラズマ36
を発生させると、イオン源10の基板6に対向する接地
電極19はこの例では基板6および基板台4と同電位に
あるので、上記プラズマ36中の電子を主体とする負の
荷電粒子は、イオン源10側に引かれることはなく、む
しろイオンビーム照射によって基板6の表面に蓄積され
た正電荷に引かれて基板6側に供給され、それによって
正電荷が中和され、帯電防止が図られる。
【0020】しかも、この実施例のように内張り42お
よび電位制御電源44を設けて、内張り42に印加する
電圧を調整することにより、基板6の近傍に発生させた
プラズマ36の電位を制御することができ、それによっ
て基板6の表面電位を制御することができる。これは、
簡単に言えば、基板6の表面電位Vsは、その近傍のプ
ラズマ電位Vp と次のような関係にあるからである。 Vs =Vp +α αはプラズマ中の電子温度等により定まるものである。
【0021】このように基板6の表面電位を制御するこ
とにより、基板6の近傍のプラズマ36からの負の荷電
粒子の基板6への引き込み量を調整することが可能にな
り、その結果、基板6の帯電防止をより効果的に行うこ
とができるようになる。
【0022】なお、図2に示す実施例のように、イオン
源10の最も基板6に近い側の電極、即ちこの例では接
地電極19を接地せずに、これを内張り42に電気的に
接続して、この接地電極19を内張り42と同一の電位
にしても良い。これは、接地電極19の面積は大きいの
で、これの電位も基板近傍のプラズマ36の電位に少な
からず影響を及ぼすので、この接地電極19を接地電位
とせずに内張り42と同一の電位にすると、電位制御電
源44によるプラズマ36の電位の制御を行いやすくな
るからである。図2中の23は碍子である。この場合、
接地電極19を接地せずに内張り42と同一の電位にし
ても、電位制御電源44の出力電圧は引出し電源30の
出力電圧に比べる遙かに小さいので(例えば前者は−5
0V程度以下であり、後者はKVオーダーである)、イ
オンビーム34の引き出しに支障はない。
【0023】
【発明の効果】以上のようにこの発明によれば、内張り
の電位を制御することにより、基板近傍に発生させたプ
ラズマの電位を制御することができ、それによって基板
の表面電位を制御することができる。その結果、基板近
傍のプラズマからの負の荷電粒子の基板への引き込み量
を調整することが可能になり、基板の帯電防止をより効
果的に行うことができるようになる。
【0024】また、イオン源の最も基板に近い側の電極
を内張りと同一の電位にすれば、上記のようなプラズマ
の電位等の制御を行いやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の一実施例に係るイオン照射装置を
示す断面図である。
【図2】 この発明の他の実施例に係るイオン照射装置
を示す断面図である。
【符号の説明】
2 真空容器 4 基板台 6 基板 10 イオン源 16 引出し電極系 19 接地電極 34 イオンビーム 36 プラズマ 42 内張り 44 電位制御電源

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イオン源から引き出したイオンビームを
    真空容器内の基板台に載せた基板に照射するものであっ
    て、イオンビーム照射と共にプラズマを基板近傍に発生
    させるようにしたイオン照射装置において、前記真空容
    器内に、導電性のものであって、少なくとも前記基板台
    の周りからその上流側にかけての部分を取り囲む内張り
    を真空容器から電気的に絶縁して設け、かつこの内張り
    の電位を制御する電位制御電源を設けたことを特徴とす
    るイオン照射装置。
  2. 【請求項2】 前記イオン源の最も基板に近い側の電極
    を、前記内張りと同一の電位にするようにした請求項1
    記載のイオン照射装置。
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