JP2016056441A - 帯電処理装置及び帯電処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】処理対象物を所望の電位に帯電させ得る効果が極めて高い帯電処理装置及び帯電処理方法を提供すること。【解決手段】帯電処理装置C1は、処理対象物POを所望の電位に帯電させる。帯電処理装置C1は、電子を発生させる電子発生源(カソード6)を収容する電子源部3と、電子源部3と連通し、かつ、荷電粒子形成用ガスを含む所定の圧力雰囲気下で処理対象物POを包囲する処理部20と、を有する筐体部1と、電子源部3と処理部20とを仕切るように電子源部3と処理部20との間に配置されているメッシュ状の電極部40と、を備えている。電子源部3内には、電子発生源5にて発生した電子を電極部40に向けて加速させる加速電界が形成される。処理部20及び電極部40の電位が、上記所望の電位とされる。【選択図】図4
Description
本発明は、処理対象物を所望の電位に帯電させる帯電処理装置及び帯電処理方法に関する。
帯電処理装置として、所定波長のエネルギー線を出射するエネルギー線源と、所定波長のエネルギー線の入射により光電子を外部に放出する光電子放出体と、を備えるものが知られている(たとえば、特許文献1参照)。特許文献1に記載された帯電処理装置は、光電子放出体から放出された光電子により、処理対象物を所望の電位に帯電させている。
本発明者らは、調査研究の結果、次のような事実を新たに見出した。光電子放出体から放出された光電子により、処理対象物を所望の電位に帯電させる帯電処理装置では、処理対象物が電気絶縁物である場合、所望の電位に帯電させ得る効果が乏しい。特に、処理対象物が負の電位に帯電している電気絶縁物である場合、上記帯電処理装置では、帯電電荷を中和する、すなわち除電する効果は極めて低い。
本発明は、処理対象物を所望の電位に帯電させ得る効果が極めて高い帯電処理装置及び帯電処理方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、処理対象物を所望の電位に帯電させる帯電処理装置であって、電子を発生させる電子発生源を収容する電子源部と、電子源部と連通し、かつ、荷電粒子形成用ガスを含む所定の圧力雰囲気下で処理対象物を包囲する処理部と、を有する筐体部と、電子源部と処理部とを仕切るように電子源部と処理部との間に配置されているメッシュ状の電極部と、を備え、電子源部内には、電子発生源にて発生した電子を電極部に向けて加速させる加速電界が形成され、処理部及び電極部の電位が、所望の電位とされる。
本発明の一態様では、電子源部内には、電子発生源にて発生した電子を電極部に向けて加速させる加速電界が形成されるため、電子発生源にて発生した電子は、メッシュ状の電極部を通過し、効率よく処理部内に導入される。そして、処理部に導入された電子は、処理部内の荷電粒子形成用ガスの分子を励起し、正及び負の荷電粒子を生じさせる。生じた正及び負の荷電粒子のうちいずれか一方の荷電粒子が、処理対象物の電位と処理部の電位(所望の電位)とで形成される電界に応じて、処理対象物側に移動する。生じた正及び負の荷電粒子のうちいずれか他方の荷電粒子は、処理部側に移動する。処理対象物に移動してきた荷電粒子により、処理対象物は、所望の電位に帯電する。処理対象物が所望の電位に帯電すると、処理対象物と処理部との間に電界が形成されず、荷電粒子は移動しなくなる。したがって、処理対象物は、確実に所望の電位に帯電する。
所望の電位に帯電させるとは、正又は負の電位に帯電させることだけでなく、正又は負の電位の帯電を中和する、いわゆる除電することも含む。
電子源部は、処理部と連通する開口部を含んでおり、電極部は、開口部を覆うように電子源部に配置されていてもよい。この場合、電子源部内に形成される加速電界と処理部内に形成される電界とが相互に影響するのを抑制する電極部を、電子源部と処理部との間に確実かつ容易に配置することができる。
処理部は、少なくとも電子源部と対向する位置に開口部を含んでおり、電極部は、開口部を覆うように処理部に配置されていてもよい。この場合にも、電子源部内に形成される加速電界と処理部内に形成される電界とが相互に影響するのを抑制する電極部を、電子源部と処理部との間に確実かつ容易に配置することができる。
筐体部は、処理部内を荷電粒子形成用ガスを含む所定の圧力雰囲気下とするための排気部を更に有していてもよい。この場合、電子及び荷電粒子が有効に機能するように、処理部内の圧力調整を用意に行うことができる。
電子源部は、平面視で長手方向と短手方向とを有しており、電子発生源は、電子源部の長手方向に沿って延びていてもよい。この場合、処理対象物が長尺状の物体であっても、当該処理対象物を確実に所望の電位に帯電させることができる。
処理部は、処理対象物を処理部に導入する導入部と、導入部と対向するように位置し、処理対象物を処理部から導出する導出部と、を有していてもよい。この場合、処理対象物の帯電処理を連続して行うことができる。
処理部は、互いに離間して配置された二つの部材を有し、二つの部材の間に処理対象物を位置させることにより、二つの部材で処理対象物を包囲してもよい。この場合、より大きなサイズを有する処理対象物の帯電処理を連続して行うことができる。
二つの部材は、互いに対向するように位置する平板状の電極であってもよい。この場合、処理対象物のサイズに対応させて適切な処理空間を形成することができる。
平板状の電極は、移動可能であってもよい。この場合、帯電処理に加え、他の処理(たとえば荷電粒子処理など)を行うことができる。
電子発生源は、熱電子を放出するカソードを含んでいてもよい。この場合、出力の高い電子発生源を容易に実現することができる。
カソードは、イリジウムを含む材料からなる基材部と、基材部の表面を覆う、イットリウム酸化物を含む材料からなる被覆部と、を含んでいてもよい。この場合、出力が高く、かつ、安定性の高い電子発生源を容易に実現することができる。
電子発生源は、所定波長のエネルギー線を出射するエネルギー線源と、所定波長のエネルギー線の入射により光電子を外部に放出する光電子放出体と、を含んでいてもよい。この場合、筐体部内の雰囲気に対して安定度の高い電子発生源を実現することができる。
エネルギー線源は、電子発生源から処理部への光電子入射軸とエネルギー線源のエネルギー線出射軸とが同軸とならないように、配置されていてもよい。この場合、エネルギー線が、処理対象物に直接、影響を及ぼすことを抑制することができる。
エネルギー線源は、光電子入射軸とエネルギー線出射軸とが交わるように配置され、光電子放出体は、エネルギー線出射軸に対して傾斜する傾斜面を含んでいてもよい。この場合、エネルギー線の処理対象物への直接的な影響をより抑制することができる。また、効率よく発生した光電子を処理室へ導くことができる。
所定波長のエネルギー線は真空紫外光を含んでいてもよい。この場合、より効率よく光電子を発生することができる。
電子源部は、エネルギー線源と光電子放出体との間に配置され、光電子放出体の電位と同等の電位とされるメッシュ状の電極部を更に含んでいてもよい。この場合、光電子放出体から放出された光電子が、エネルギー線源側に向かうのを抑制し、光電子を処理部に向けて効率よく導くことができる。
電子源部は、エネルギー線源と光電子放出体との間に配置され、かつ、所定波長のエネルギー線を透過する窓材を更に含んでおり、窓材により、電子発生源における光電子放出体が収容されている空間が気密に封止されていてもよい。この場合、エネルギー線源に関する作業を、処理部内の所定の圧力雰囲気に影響を与えることなく、容易に行うことができる。
電子源部は、所定波長のエネルギー線を透過する窓材を更に含み、窓材の一方の面には、透過型光電面を構成し、かつ、導電性を有する薄膜が形成されており、窓材は、薄膜と光電子放出体とが同等の電位となるように、エネルギー線源と光電子放出体との間に配置されていてもよい。この場合、薄膜からも光電子が放出されるため、処理部に導かれる光電子の量が増加する。また、光電子放出体から放出された光電子が、エネルギー線源側に向かうのを抑制し、光電子を処理部に向けて効率よく導くことができる。これらの結果、帯電処理の効果を高めることができる。
光電子放出体は、胴部と底部とを有し、所定波長のエネルギー線を導入するための開口が形成された有底筒形状を呈していてもよい。この場合、光電子放出体からの光電子の放出及び放出された光電子の処理部側への移動が効率よく行われる。
光電子放出体と電極部との間に配置されている、光電子を制御するための光電子制御部を更に備えていてもよい。この場合、たとえば、処理部内における光電子の入射範囲を制御することができる。
エネルギー線源と光電子放出体とが、互いに離間し、かつ、対向するように配置されていてもよい。この場合、エネルギー線源と光電子放出体とを機能上、好ましい位置に配置することができる。
本発明の別の一態様は、処理対象物を所望の電位に帯電させる帯電処理装置であって、電子を発生させる電子発生源と、荷電粒子形成用ガスを含む所定の圧力雰囲気下で処理対象物を包囲し、かつ、電子発生源にて発生される電子が導入される処理部と、電子発生源と処理部との間に配置されているメッシュ状の電極部と、を備え、電子発生源と電極部との間に、電子発生源にて発生した電子を電極部に向けて加速させる加速電界が形成され、処理部及び電極部の電位が、所望の電位とされる。
本発明の別の一態様は、処理対象物を所望の電位に帯電させる帯電処理方法であって、電子を発生させる電子発生源と、荷電粒子形成用ガスを含む所定の圧力雰囲気下で処理対象物を包囲し、かつ、電子発生源にて発生される電子が導入される処理部と、電子発生源と処理部との間に配置されているメッシュ状の電極部と、を用い、電子発生源と電極部との間に、電子発生源にて発生した電子を電極部に向けて加速させる加速電界を形成すると共に、処理部及び電極部の電位を所望の電位とする。
これらの本発明の別の一態様では、電子発生源にて発生した電子を電極部に向けて加速させる加速電界が形成されるため、電子発生源にて発生した電子は、メッシュ状の電極部を通り、効率よく処理部内に導入される。そして、処理部に導入された電子は、処理部内の荷電粒子形成用ガスの分子を励起し、正及び負の荷電粒子を生じさせる。生じた正及び負の荷電粒子のうちいずれか一方の荷電粒子が、処理対象物の電位と処理部の電位(所望の電位)とで形成される電界に応じて、処理対象物側に移動する。生じた正及び負の荷電粒子のうちいずれか他方の荷電粒子は、処理部側に移動する。処理対象物に移動してきた荷電粒子により、処理対象物は、所望の電位に帯電する。処理対象物が所望の電位に帯電すると、処理対象物と処理部との間に電界が形成されず、荷電粒子は移動しなくなる。したがって、処理対象物は、確実に所望の電位に帯電する。
本発明によれば、処理対象物を所望の電位に帯電させ得る効果が極めて高い帯電処理装置及び帯電処理方法を提供することができる。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
(第1実施形態)
図1〜図3を参照して、第1実施形態に係る帯電処理装置C1の構成を説明する。図1は、第1実施形態に係る帯電処理装置を示す斜視図である。図2は、電子源部の一例を示す斜視図である。図3は、処理室部の一例を示す斜視図である。
図1〜図3を参照して、第1実施形態に係る帯電処理装置C1の構成を説明する。図1は、第1実施形態に係る帯電処理装置を示す斜視図である。図2は、電子源部の一例を示す斜視図である。図3は、処理室部の一例を示す斜視図である。
帯電処理装置C1は、図1に示されるように、筐体部1及び電極部40を備えている。帯電処理装置C1は、処理対象物POを所望の電位に帯電させる装置である。帯電処理装置C1は、たとえば、帯電していない処理対象物POを正又は負の電位に帯電させることが可能である。帯電処理装置C1は、たとえば、正又は負の電位に帯電している処理対象物POを除電すること又は所望の電位に変えることも可能である。
筐体部1は、電子源部3と、処理部20と、給気部30、及び排気部33を有している。筐体部1は、処理部20を収容する処理筐体2を更に有している。電子源部3は、筐体部1内が気密に封止されるように、処理筐体2に設けられている。電子源部3は、処理筐体2と一体的に設けられていてもよく、処理筐体2と別体に設けられていてもよい。電子源部3は、処理部20外に配置されている。処理筐体2及び処理部20は、たとえば、直方体形状を呈する導電性金属材料(たとえば、ステンレス鋼又はアルミニウムなど)からなる。処理部20が導電性金属材料からなる場合、処理筐体2は、絶縁性材料からなっていてもよい。
電子源部3は、図2にも示されているように、電子を発生させる電子発生源5と、電子発生源5を収容する電子源筐体7と、を有している。電子発生源5は、熱電子を放出するカソード6を含んでいる。カソード6は、加熱されることにより熱電子を放出する。カソード6は、たとえば、フィラメントなどの直熱型電極である。具体的には、フィラメントは、イリジウムを含む材料からなる導電性部材6a(基材部)と、導電性部材6aの表面を覆う、イットリウム酸化物を含む材料からなるコーティング層6b(被覆部)と、を含んでいることが好ましい。イリジウムは、化学的に安定しており、酸素ガスなどと反応し難い。イットリウム酸化物は、仕事関数が低く、低温で熱電子を放出する。
カソード6は、ヒータの加熱により熱電子を放出する傍熱型電極であってもよい。カソード6は、熱電子を放出する熱電子源に限らず、冷陰極などの電界放出型電子源又は弾導電子源といったその他の電子源であってもよい。電子源筐体7は、電子発生源5を収容する胴部7aと、電子源部3から熱電子を放出するための開口部7bと、を含んでいる。
電子源部3は、カソード6から放出された熱電子の運動を制御するための電極8と、カソード6に電流を供給するための一対のリード電極9と、カソード6(一対のリード電極9)を絶縁固定するガラス管10と、を更に有している。カソード6は、ガラス管10内に位置している。ガラス管10は、一端が開口している。ガラス管10は、筐体部1内が気密状態に維持されるように、電子源筐体7(胴部7a)に設けられている。また、ガラス管10が用いられることなく、リード電極9を備えた絶縁ステム又は真空フランジ上にカソード6を組み上げた構造体が用いられてもよい。カソード6の両端部は、リード電極9にそれぞれ電気的に接続されている。電極8は、一方のリード電極9に電気的に接続されている。電極8には、別の給電経路が設けられていてもよい。電極8に別の給電経路が設けられている場合、当該給電経路を通して、カソード6とは別の電位を電極8に供給してもよい。
電子源部3内には、カソード6及び電極8に供給される電位によって、電子発生源5にて発生した熱電子を電極部40に向けて加速させる加速電界が形成される。カソード6から放出された熱電子は、ガラス管10の開口を通して、電子源部3から導出される。加速電界を形成する電位差は、処理室部21内に導入された熱電子が、処理対象物POに直接到達し難い大きさに設定される。加速電界を形成する電位差は、たとえば、10〜1000Vの範囲内とされ、50〜500Vの範囲内であることがより好ましい。
電子源部3は、処理筐体2に気密に着脱自在に装着される真空フランジVFを有している。すなわち、電子源部3は、真空フランジVFが処理筐体2に装着されることにより、処理筐体2に設けられている。処理筐体2における電子源部3が設けられる位置には、開口部2aが形成されている。すなわち、電子源部3(電子源筐体7)内の空間は、開口部2aを通して、処理筐体2内の空間と連通している。電子源部3が、溶接などにより処理筐体2と一体的に設けられている場合、又は、処理部20内に配置される場合は、真空フランジVFは必ずしも必要ではない。真空フランジVFは、胴部7aと一体形成されていてもよく、胴部7aと別体に形成されていてもよい。
処理部20は、処理筐体2の内部に配置されている。処理部20は、内部に処理空間が形成される処理室部21を含んでいる。処理筐体2及び処理室部21は、処理室部21内に処理対象物POを導入するための導入開口(図示せず)を有している。当該導入開口を介して処理室部21内に導入された処理対象物POは、処理室部21と電気的に絶縁された状態で、処理室部21内に置かれる。これにより、処理室部21(処理部20)は、処理対象物POを包囲する。処理筐体2及び処理室部21の導入開口は、少なくとも帯電処理時には閉塞されるのが好ましい。少なくとも処理室部21の開口は、処理室部21と同電位の部材で閉塞されるのが好ましい。処理対象物POは、保持部材(不図示)によって、その位置が規定される。
処理室部21は、図3の(a)に示されるように、たとえば、直方体形状を呈している。処理室部21には、処理筐体2における電子源部3が設けられる面に対向する一つの面に開口部23が形成されている。開口部23は、処理筐体2における開口部2aと対向するように位置している。すなわち、処理室部21には、電子源部3と対向する位置に開口部23が形成されているため、電子源部3(電子源筐体7)内の空間は、開口部2a及び開口部23を通して、処理部20の処理室部21内の処理空間と連通している。処理室部21は、導電性金属材料(たとえば、ステンレス鋼又はアルミニウムなど)からなる。
処理室部21には、図3の(b)に示されるように、処理筐体2における電子源部3が設けられる面に対向する一つの面の略全体が開口することにより、開口部23が形成されていてもよい。処理室部21には、図3の(c)に示されるように、六つの面の略全体が開口していてもよい。図3の(c)に示された処理室部21は、直方体の各稜に枠部が位置する枠構造体、すなわち、直方体形状の枠構造体である。
処理筐体2と処理室部21とは、それぞれ独立して、電位が供給される。この場合、処理筐体2と処理室部21とは、互いに電気的に絶縁されている。処理筐体2と処理室部21とは、必ずしも、互いに電気的に絶縁されている必要はなく、互いに電気的に接続されていてもよい。この場合、処理筐体2と処理室部21とは、同じ電位に設定される。帯電処理装置C1が除電処理装置のみとして用いられる場合には、処理筐体2と処理室部21とは、電気的に接続されていることが好ましい。処理筐体2と処理室部21とは、処理室部21を処理筐体2と接触するように処理筐体2内に配置することにより、電気的に接続することができる。
給気部30及び排気部33は、処理筐体2に設けられている。給気部30及び排気部33は、筐体部1内を所定の圧力条件下に設定するために、筐体部1(処理筐体2)内のガスの給排気を行う。所定の圧力条件下とは、減圧下はもちろんのこと、大気圧下又は加圧下であってもよい。筐体部1内の圧力は、たとえば、数十〜10−3Paの範囲内とされ、より好ましくは10〜10−2Paの範囲内とされる。また、給気部30及び排気部33は、荷電粒子形成用ガスの給排気を行う。これにより、筐体部1(処理筐体2)内を、荷電粒子形成用ガスを含む所定の圧力雰囲気下とすることが可能である。荷電粒子形成用ガスには、たとえば、アルゴン(Ar)ガスなどの不活性ガス又は大気を用いることができる。帯電処理装置C1を取り巻く雰囲気が荷電粒子形成用ガスとされる場合、所定の圧力雰囲気として減圧雰囲気とするには、排気部33のみで実現することもできる。給気部30及び排気部33は、処理筐体2に設けられている必要はなく、処理室部21に直接設けられていてもよい。この場合、給気部30及び排気部33が処理室部21の電位に影響しないようにする必要がある。
電極部40は、図3に示されるように、メッシュ状の導電性部材である。メッシュとは、網状に限らず、格子状、多孔状、又は多段櫛刃状などの、所定の領域を複数の領域に二次元的に分割する構造であって、メッシュ状の導電性部材が電極部40として用いられた際には、電子の透過と電界の形成を可能とする構造体である。電極部40は、図3に示されるように、開口部23を覆うように処理室部21に設けられている。電極部40は、電子源部3と処理部20(処理空間)とを仕切るように電子源部3と処理部20との間に配置されることとなる。電極部40は、処理室部21と電気的に接続されている。すなわち、電極部40は、処理室部21と同じ電位とされる。電極部40は、たとえば、ステンレス鋼からなる。電極部40のメッシュの大きさは、熱電子の通過率が高く、かつ、電子源部3と処理部20との間で電界の染み出しが極めて少ない大きさに設定される。
図3の(c)に示された処理室部21では、すべての面がメッシュ状の導電性部材で構成されている。すなわち、導電性部材は、各枠部間に張られるように枠構造体に設けられている。この場合、処理筐体2における電子源部3が設けられる面に対向する一つの面を構成する導電性部材が、主として、電極部40として機能する。
次に、図4〜図7を参照して、帯電処理装置C1による帯電処理について説明する。図4〜図7は、第1実施形態に係る帯電処理装置での帯電処理を説明するための図である。図4の(a)〜(c)は、処理対象物POを負の電位に帯電させる処理を説明するための図である。図5の(a)〜(c)は、処理対象物POを正の電位に帯電させる処理を説明するための図である。図6の(a)〜(c)は、正の電位に帯電している処理対象物POを除電する処理を説明するための図である。図7の(a)〜(c)は、負の電位に帯電している処理対象物POを除電する処理を説明するための図である。図4及び図5においては、処理対象物POが絶縁体である場合を例示し、図6及び図7においては、処理対象物POが導電体である場合を例示する。
[負の電位への帯電処理]
図4の(a)に示されるように、帯電処理装置C1には、帯電していない、すなわち電位が0Vである処理対象物POが処理室部21内に配置されている。給気部30及び排気部33(図4では不図示)により、筐体部1(処理筐体2)内は、荷電粒子形成用ガスを含む所定の圧力雰囲気下とされる。たとえば、筐体部1内は、Arガスを含み、かつ、0.7〜1.3Pa(たとえば1Pa)とされた圧力雰囲気下とされる。
図4の(a)に示されるように、帯電処理装置C1には、帯電していない、すなわち電位が0Vである処理対象物POが処理室部21内に配置されている。給気部30及び排気部33(図4では不図示)により、筐体部1(処理筐体2)内は、荷電粒子形成用ガスを含む所定の圧力雰囲気下とされる。たとえば、筐体部1内は、Arガスを含み、かつ、0.7〜1.3Pa(たとえば1Pa)とされた圧力雰囲気下とされる。
帯電処理装置C1では、処理室部21(処理部20)が、所望の負の電位(たとえば、−200V)に設定される。処理筐体2は、グラウンド電位(接地電位)に設定される。これにより、処理対象物POと処理室部21との間に、処理対象物POと処理室部21との電位差(たとえば、200V)に対応する電界が形成される。電極部40と処理室部21とが同じ電位とされているため、処理対象物POと処理室部21との電位差に対応する電界は、電極部40の近傍まで形成される。
電子源部3(カソード6)は、上述した加速電界が形成されるように、処理室部21よりも低い電位(たとえば、−400V)に設定される。これにより、電子源部3内には、電子源部3と処理室部21(電極部40)との電位差(たとえば、200V)に対応する加速電界が形成される。電極部40により、処理対象物POと処理室部21及び電極部40との電位差に対応する電界と、電子源部3内の加速電界と、が互いに影響し合うのが抑制されている。
電子源部3内に加速電界が形成され、かつ、処理対象物POと処理室部21(電極部40)との間に上記電界が形成されている状態で、カソード6に通電し、カソード6から熱電子を放出させる。カソード6から放出された熱電子は、加速電界により加速され、電極部40を通過し、処理室部21内に導入される。
図4の(b)に示されるように、処理室部21内に導入された熱電子は、処理室部21内の電極部40と処理対象物POとの間に存在する荷電粒子形成用ガスの分子を励起し、正及び負の荷電粒子を生じさせる。すなわち、荷電粒子形成用ガスの分子は、熱電子の衝突により、正及び負の荷電粒子に解離する。荷電粒子形成用ガスとして、Arガスが用いられる場合、Ar分子が、Ar+イオンと電子とに開裂し、Ar+イオンと電子とが生じる。
生じた負の荷電粒子(電子)は、処理対象物POと処理室部21及び電極部40との電位差に対応する電界に応じて、処理対象物PO側に移動する。処理対象物POは、処理対象物POに移動してきた負の荷電粒子により、負の電位に帯電していく。生じた正の荷電粒子(Ar+イオン)は、処理対象物POと処理室部21及び電極部40との電位差に対応する電界に応じて、処理室部21側及び電極部40側に移動する。処理室部21及び電極部40に到達した正の荷電粒子は、中和される。
処理対象物POの帯電状態に応じ、処理対象物POと処理室部21及び電極部40との間に形成される電界が弱まっていく。処理対象物POが、上述した所望の負の電位に帯電すると、図4の(c)に示されるように、処理対象物POと処理室部21及び電極部40との間には電界が形成されず、負の荷電粒子は移動しなくなる。これにより、処理対象物POは、所望の負の電位に帯電され、処理対象物POの電位は、帯電した状態で安定する。
[正の電位への帯電処理]
図5の(a)に示されるように、帯電処理装置C1には、帯電していない、すなわち電位が0Vである処理対象物POが処理室部21内に配置されている。給気部30及び排気部33(図5では不図示)により、筐体部1(処理筐体2)内は、荷電粒子形成用ガスを含む所定の圧力雰囲気下とされる。たとえば、筐体部1内は、Arガスを含み、かつ、0.7〜1.3Pa(たとえば1Pa)とされた圧力雰囲気下とされる。
図5の(a)に示されるように、帯電処理装置C1には、帯電していない、すなわち電位が0Vである処理対象物POが処理室部21内に配置されている。給気部30及び排気部33(図5では不図示)により、筐体部1(処理筐体2)内は、荷電粒子形成用ガスを含む所定の圧力雰囲気下とされる。たとえば、筐体部1内は、Arガスを含み、かつ、0.7〜1.3Pa(たとえば1Pa)とされた圧力雰囲気下とされる。
帯電処理装置C1では、処理室部21(処理部20)が、所望の正の電位(たとえば、+200V)に設定される。処理筐体2は、グラウンド電位(接地電位)に設定される。これにより、処理対象物POと処理室部21との間に、処理対象物POと処理室部21との電位差(たとえば、200V)に対応する電界が形成される。電極部40と処理室部21とが同じ電位とされているため、処理対象物POと処理室部21との電位差に対応する電界は、電極部40の近傍まで形成される。
電子源部3(カソード6)は、上述した加速電界が形成されるように、処理室部21よりも低い電位(たとえば、−100V)に設定される。これにより、電子源部3内には、電子源部3と処理室部21(電極部40)との電位差(たとえば、300V)に対応する加速電界が形成される。電極部40により、処理対象物POと処理室部21及び電極部40との電位差に対応する電界と、電子源部3内の加速電界と、が互いに影響し合うのが抑制されている。
電子源部3内に加速電界が形成され、かつ、処理対象物POと処理室部21(電極部40)との間に上記電界が形成されている状態で、カソード6に通電し、カソード6から熱電子を放出させる。カソード6から放出された熱電子は、加速電界により加速され、電極部40を通過し、処理室部21内に導入される。
図5の(b)に示されるように、処理室部21内に導入された熱電子は、処理室部21内の電極部40と処理対象物POとの間に存在する荷電粒子形成用ガスの分子を励起し、正及び負の荷電粒子を生じさせる。生じた正の荷電粒子は、処理対象物POと処理室部21及び電極部40との電位差に対応する電界に応じて、処理対象物PO側に移動する。処理対象物POは、処理対象物POに移動してきた正の荷電粒子により、正の電位に帯電していく。生じた負の荷電粒子は、処理対象物POと処理室部21及び電極部40との電位差に対応する電界に応じて、処理室部21側及び電極部40側に移動する。処理室部21及び電極部40に到達した負の荷電粒子は、中和される。
処理対象物POの帯電状態に応じ、処理対象物POと処理室部21及び電極部40との間に形成される電界が弱まっていく。処理対象物POが、上述した所望の正の電位に帯電すると、図5の(c)に示されるように、処理対象物POと処理室部21及び電極部40との間には電界が形成されず、正の荷電粒子は移動しなくなる。これにより、処理対象物POは、所望の正の電位に帯電され、処理対象物POの電位は、帯電した状態で安定する。
[正の電荷の除電処理]
図6の(a)に示されるように、帯電処理装置C1には、正の電荷に帯電している処理対象物POが処理室部21内に配置されている。処理対象物POは、たとえば、+1kVに帯電している。給気部30及び排気部33(図6では不図示)により、筐体部1(処理筐体2)内は、荷電粒子形成用ガスを含む所定の圧力雰囲気下とされる。たとえば、筐体部1内は、Arガスを含み、かつ、0.7〜1.3Pa(たとえば1Pa)とされた圧力雰囲気下とされる。
図6の(a)に示されるように、帯電処理装置C1には、正の電荷に帯電している処理対象物POが処理室部21内に配置されている。処理対象物POは、たとえば、+1kVに帯電している。給気部30及び排気部33(図6では不図示)により、筐体部1(処理筐体2)内は、荷電粒子形成用ガスを含む所定の圧力雰囲気下とされる。たとえば、筐体部1内は、Arガスを含み、かつ、0.7〜1.3Pa(たとえば1Pa)とされた圧力雰囲気下とされる。
帯電処理装置C1では、処理室部21(処理部20)及び処理筐体2が、グラウンド電位(接地電位)に設定される。これにより、処理対象物POと処理室部21との間に、処理対象物POと処理室部21との電位差(たとえば、1kV)に対応する電界が形成される。電極部40と処理室部21とが同じ電位とされているため、処理対象物POと処理室部21との電位差に対応する電界は、電極部40の近傍まで形成される。
電子源部3(カソード6)は、上述した加速電界が形成されるように、処理室部21よりも低い電位(たとえば、−200V)に設定される。これにより、電子源部3内には、電子源部3と処理室部21(電極部40)との電位差(たとえば、200V)に対応する加速電界が形成される。電極部40により、処理対象物POと処理室部21及び電極部40との電位差に対応する電界と、電子源部3内の加速電界と、が互いに影響し合うのが抑制されている。
電子源部3内に加速電界が形成され、かつ、処理対象物POと処理室部21(電極部40)との間に上記電界が形成されている状態で、カソード6に通電し、カソード6から熱電子を放出させる。カソード6から放出された熱電子は、加速電界により加速され、電極部40を通過し、処理室部21内に導入される。
図6の(b)に示されるように、処理室部21内に導入された熱電子は、処理室部21内の電極部40と処理対象物POとの間に存在する荷電粒子形成用ガスの分子を励起し、正及び負の荷電粒子を生じさせる。生じた負の荷電粒子は、処理対象物POと処理室部21及び電極部40との電位差に対応する電界に応じて、処理対象物PO側に移動する。処理対象物POは、処理対象物POに移動してきた負の荷電粒子により、正の電位の帯電が中和されていく。生じた正の荷電粒子は、処理対象物POと処理室部21及び電極部40との電位差に対応する電界に応じて、処理室部21側及び電極部40側に移動する。処理室部21及び電極部40に到達した正の荷電粒子は、中和される。
処理対象物POの帯電状態に応じ、処理対象物POと処理室部21及び電極部40との間に形成される電界が弱まっていく。処理対象物POが、除電されると、すなわち電位が0Vとなると、図6の(c)に示されるように、処理対象物POと処理室部21及び電極部40との間には電界が形成されず、負の荷電粒子は移動しなくなる。これにより、処理対象物POは、電位が0Vとされ、処理対象物POの電位は、除電された状態で安定する。
[負の電荷の除電処理]
図7の(a)に示されるように、帯電処理装置C1には、負の電荷に帯電している処理対象物POが処理室部21内に配置されている。処理対象物POは、たとえば、−1kVに帯電している。給気部30及び排気部33(図7では不図示)により、筐体部1(処理筐体2)内は、荷電粒子形成用ガスを含む所定の圧力雰囲気下とされる。たとえば、筐体部1内は、Arガスを含み、かつ、0.7〜1.3Pa(たとえば1Pa)とされた圧力雰囲気下とされる。
図7の(a)に示されるように、帯電処理装置C1には、負の電荷に帯電している処理対象物POが処理室部21内に配置されている。処理対象物POは、たとえば、−1kVに帯電している。給気部30及び排気部33(図7では不図示)により、筐体部1(処理筐体2)内は、荷電粒子形成用ガスを含む所定の圧力雰囲気下とされる。たとえば、筐体部1内は、Arガスを含み、かつ、0.7〜1.3Pa(たとえば1Pa)とされた圧力雰囲気下とされる。
帯電処理装置C1では、処理室部21(処理部20)及び処理筐体2が、グラウンド電位(接地電位)に設定される。これにより、処理対象物POと処理室部21との間に、処理対象物POと処理室部21との電位差(たとえば、1kV)に対応する電界が形成される。電極部40と処理室部21とが同じ電位とされているため、処理対象物POと処理室部21との電位差に対応する電界は、電極部40の近傍まで形成される。
電子源部3(カソード6)は、上述した加速電界が形成されるように、処理室部21よりも低い電位(たとえば、−200V)に設定される。これにより、電子源部3内には、電子源部3と処理室部21(電極部40)との電位差(たとえば、200V)に対応する加速電界が形成される。電極部40により、処理対象物POと処理室部21及び電極部40との電位差に対応する電界と、電子源部3内の加速電界と、が互いに影響し合うのが抑制されている。
電子源部3内に加速電界が形成され、かつ、処理対象物POと処理室部21(電極部40)との間に上記電界が形成されている状態で、カソード6に通電し、カソード6から熱電子を放出させる。カソード6から放出された熱電子は、加速電界により加速され、電極部40を通過し、処理室部21内に導入される。
図7の(b)に示されるように、処理室部21内に導入された熱電子は、処理室部21内の電極部40と処理対象物POとの間に存在する荷電粒子形成用ガスの分子を励起し、正及び負の荷電粒子を生じさせる。生じた正の荷電粒子は、処理対象物POと処理室部21及び電極部40との電位差に対応する電界に応じて、処理対象物PO側に移動する。処理対象物POは、処理対象物POに移動してきた正の荷電粒子により、負の電位の帯電が中和されていく。生じた負の荷電粒子は、処理対象物POと処理室部21及び電極部40との電位差に対応する電界に応じて、処理室部21側及び電極部40側に移動する。処理室部21及び電極部40に到達した負の荷電粒子は、中和される。
処理対象物POの帯電状態に応じ、処理対象物POと処理室部21及び電極部40との間に形成される電界が弱まっていく。処理対象物POが、除電されると、すなわち電位が0Vとなると、図7の(c)に示されるように、処理対象物POと処理室部21及び電極部40との間には電界が形成されず、正の荷電粒子は移動しなくなる。これにより、処理対象物POは、電位が0Vとされ、処理対象物POの電位は、除電された状態で安定する。
以上のように、本実施形態では、電子源部3内には、電子発生源5にて発生した熱電子を電極部40に向けて加速させる加速電界が形成されるため、電子発生源5にて発生した熱電子は、メッシュ状の電極部40を通過し、効率よく処理部20(処理室部21)内に導入される。そして、処理室部21に導入された熱電子は、処理室部21内の荷電粒子形成用ガスの分子を励起し、正及び負の荷電粒子を生じさせる。生じた正及び負の荷電粒子のうちいずれか一方の荷電粒子が、処理対象物POの電位と処理室部21の電位(所望の電位)とで形成される電界に応じて、処理対象物PO側に移動する。生じた正及び負の荷電粒子のうちいずれか他方の荷電粒子は、処理室部21側に移動する。処理対象物POに移動してきた荷電粒子により、処理対象物POは、所望の電位に帯電する。処理対象物POが所望の電位に帯電すると、処理対象物POと処理部との間に電界が形成されず、荷電粒子は移動しなくなる。したがって、処理対象物POは、確実に所望の電位に帯電し、帯電状態で安定する。
本実施形態では、処理室部21は、少なくとも電子源部3と対向する位置に開口部23を含んでいる。電極部40は、開口部23を覆うように処理室部21に配置されている。これにより、電子源部3内に形成される加速電界と処理室部21(処理部20)内に形成される電界とが相互に影響するのを抑制する電極部40を、電子源部3と処理室部21との間に確実かつ容易に配置することができる。
筐体部1は、処理部20(処理室部21)内を荷電粒子形成用ガスを含む所定の圧力雰囲気下とするための給気部30及び排気部33を有している。これにより、荷電粒子形成用ガスの供給及び排出、並びに、電子及び荷電粒子が有効に機能するように、処理室部21内の圧力調整を容易に行うことができる。
電子発生源5は、熱電子を放出するカソード6を含んでいる。これにより、出力の高い電子発生源5を容易に実現することができる。
帯電処理装置C1では、筐体部1(処理筐体2)内の荷電粒子形成用ガスの圧力と、電子源部3内の加速電界と、に応じ、荷電粒子形成用ガスの分子が解離する位置(以下、単に「解離位置」と称する)が変化する。加速電界が大きいと、解離位置は電子源部3から離れ、加速電界が小さいと、解離位置は電子源部3に近づく。荷電粒子形成用ガスの圧力が高いと、処理部20内に入った電子(たとえば、熱電子)の平均自由行程が短くなり、解離位置は電子源部3に近づく。荷電粒子形成用ガスの圧力が低いと、電子の平均自由行程が長くなり、解離位置は電子源部3から離れる。これらのことから、荷電粒子形成用ガスの圧力と加速電界とを調節することにより、解離位置を最適化することができる。したがって、加速電圧は調整可能であることが好ましい。加速電圧は、たとえば、カソード6及び電極8に供給される電位を調整することによって、調整することができる。
次に、図8〜図10を参照して、本実施形態の変形例を説明する。図8及び図9は、第1実施形態の変形例に係る帯電処理装置を示す斜視図である。図10は、電子源部の変形例を示す斜視図である。
図8に示されるように、電子源部3の位置は、図1に示された位置に限られない。図1に示された帯電処理装置C1では、電子源部3は、処理筐体2における処理対象物POと対向する面に設けられている。これに対し、図8に示された帯電処理装置C1では、電子源部3は、処理筐体2における処理対象物POと対向する面以外の側面に設けられている。
処理室部21の大きさは、図1に示された大きさに限られない。図9の(a)〜(d)に示されるように、処理室部21の大きさは、処理筐体2よりも大幅に小型化されていてもよい。また、電子源部3の位置は、電子源部3の全体が処理筐体2外に位置する位置(図9の(a)参照)、電子源部3の一部が処理筐体2内に位置する位置(図9の(b)参照)、又は、電子源部3の全体が処理筐体2内に位置する位置(図9の(c)及び(d)参照)であってもよい。図9の(d)では、電子源部3が処理室部21に設けられている。図9では、処理室部21として、たとえば、図3の(c)に示された処理室部21が用いられている。
処理室部21が小型化されると、帯電処理を施したい部位と、帯電処理を施したくない部位とを分別した状態で処理を行うことが可能となる。電子源部3が処理室部21に近接して配置されると、電子源部3からの熱電子を有効利用することが可能となり、帯電処理をより一層効率よく行うことが可能である。電子源部3が処理室部21に設けられる場合、電子源部3が処理室部21と同じ電位とされるため、処理筐体2におけるカソード6及び電極8などに対する給電部の外部導出部の耐圧を高めておく必要がある。
電極部40は、必ずしも処理室部21に設けられている必要はない。たとえば、図10に示されるように、電極部40は、開口部7bを覆うように電子源筐体7に設けられていてもよい。すなわち、電子源部3が、電極部40を有していてもよい。この際、電極部40は、電子源筐体7とは絶縁され、かつ、所望の電位が供給されるように、たとえば絶縁部材を介して電子源筐体7に固定されると共に、電極部40への給電経路が設けられていることが好ましい。所望の電位の値によっては、電極部40は、電子源筐体7と同電位になるように、電子源筐体7と直接固定されていてもよい。処理筐体2と処理室部21には、電子源部3から放出された熱電子が通過可能な開口部2a,23が形成されていればよい。電子源部3が、特に、真空フランジVF及び電極部40を備えている場合、電子源部3がユニット化されることとなり、処理対象物POを備えることとなる各種装置への適用が極めて簡易に行うことができる。
電極部40は、処理室部21と電子源部3との両方に設けられていてもよい。この場合、たとえば、異なる電位を有する物体の近接などの要因があっても、電子源部3と処理室部21との間の電界はその影響を受けることなく整然と形成される。したがって、安定して熱電子を処理室部21に入射させることができる。なお、電極部40が処理室部21と電子源部3との両方に設けられる場合には、両方の電極部40を同じ電位にしてもよく、電子源部3側の電極部40から処理室部21側の電極部40に向けて電子が加速されるような異なる電位としてもよい。この場合、カソード6と電子源部3側の電極部40との間で電子が十分に加速されており、両電極部40間での電子の加速は小さい方が、電子の利用効率から好ましい。これにより、電子源部3内の加速電界、及び、処理室部21と電子源部3間の電界が、より一層整然と形成される。また、カソード6と電子源部3側の電極部40間で電子を一端大きく加速するような加速電界を形成し、両電極部40間においては、加速された電子を減速するような電界を形成することで、最終的に処理室部21側の電極部40を通過する際に所望の加速電圧になるような電位を供給してもよい。
(第2実施形態)
図11及び図12を参照して、第2実施形態に係る帯電処理装置C2の構成を説明する。図11は、第2実施形態に係る帯電処理装置を示す斜視図である。図12は、電子源部の一例を示す断面図である。第2実施形態に係る帯電処理装置C2は、電子源部3の構成に関して、第1実施形態に係る帯電処理装置C1と相違する。
図11及び図12を参照して、第2実施形態に係る帯電処理装置C2の構成を説明する。図11は、第2実施形態に係る帯電処理装置を示す斜視図である。図12は、電子源部の一例を示す断面図である。第2実施形態に係る帯電処理装置C2は、電子源部3の構成に関して、第1実施形態に係る帯電処理装置C1と相違する。
帯電処理装置C2は、図11及び図12に示されるように、筐体部1と、電極部40と、を備えている。帯電処理装置C2も、帯電処理装置C1と同じく、帯電していない処理対象物を正又は負の電位に帯電させることが可能である。帯電処理装置C2は、正又は負の電位に帯電している処理対象物を除電すること又は所望の電位に変えることも可能である。
電子源部3(電子源筐体7)は、図12にも示されているように、平面視で長手方向と短手方向とを有している。電子源部3は、略直方体形状を呈している。カソード6は、電子源部3の長手方向に沿って延びている。電子源部3は、電子源筐体7に設けられ、かつ、カソード6に電気的に接続されている一対の電流導入端子11を有している。一対の電流導入端子11は、電子源筐体7の長手方向での両端部に配置されている。処理筐体2の開口部2a(図11では不図示)及び処理室部21の開口部23(図11では不図示)の形状は、電子源部3の平面形状に対応させて、たとえば、長手方向と短手方向とを有している形状である。電極部40は、電子源筐体7とは絶縁され、かつ、所望の電位が供給されるように、たとえば絶縁部材を介して電子源筐体7に固定されると共に、電極部40への給電経路が設けられていることが好ましい。所望の電位の値によっては、電極部40は、電子源筐体7と同電位になるように、電子源筐体7と直接固定されていてもよい。
本実施形態では、電子源部3が、平面視で長手方向と短手方向とを有しており、カソード6は、電子源部3の長手方向に沿って延びている。これにより、帯電処理装置C2は、処理対象物が長尺状の物体又は面積が大きな物体であっても、当該処理対象物を確実に所望の電位に帯電させることができる。
(第3実施形態)
図13〜図15を参照して、電子源部3の変形例を説明する。図13は、電子源部の変形例を示す平面図である。図14は、図13におけるXIV−XIV線に沿った断面図である。図15は、図13におけるXV−XV線に沿った断面図である。第3実施形態に係る電子源部3は、熱電子ではなく光電子を放出する点で、第1及び第2実施形態における電子源部3と相違する。
図13〜図15を参照して、電子源部3の変形例を説明する。図13は、電子源部の変形例を示す平面図である。図14は、図13におけるXIV−XIV線に沿った断面図である。図15は、図13におけるXV−XV線に沿った断面図である。第3実施形態に係る電子源部3は、熱電子ではなく光電子を放出する点で、第1及び第2実施形態における電子源部3と相違する。
電子源部3は、図13〜図15に示されるように、光電子を放出する電子発生源50と、電子発生源50を収容する電子源筐体51と、を有している。電子源部3は、図11及び図12に示された電子源部3と同じく、平面視で長手方向と短手方向とを有している。電子発生源50は、所定波長のエネルギー線を出射するエネルギー線源52と、所定波長のエネルギー線の入射により光電子を外部に放出する光電子放出体53と、を含んでいる。エネルギー線源52は、たとえば、長尺状のエキシマランプなどが用いられる。
電子源部3は、真空フランジVFが処理筐体2に装着されることにより、処理筐体2に設けられている。本実施形態においても、電子源部3が、溶接などにより処理筐体2と一体的に設けられている場合、又は、処理部20内に配置される場合は、真空フランジVFは必ずしも必要ではない。真空フランジVFは、電子源筐体51と一体形成されていてもよく、電子源筐体51と別体に形成されていてもよい。
エネルギー線源52は、たとえばX線から赤外線までの帯域に含まれる波長のエネルギー線を放出するエネルギー線源である。光電子放出体53の作成し易さ、及び、大気に曝される環境下での劣化などを考慮すると、エネルギー線源52は、X線からUV光までの帯域に含まれるエネルギー線を放出するエネルギー線源であることが好ましい。当該エネルギー線源には、たとえば、UV光又はVUV光(真空紫外光)などを放出するエキシマランプ又は重水素ランプ、UVレーザ光源、若しくは、X線管などがある。エネルギー線源52として、特に、光電子放出体53の量子効率が比較的高い、光エネルギーのVUV光を放出するエキシマランプなどが好ましい。所定波長のエネルギー線が真空紫外光を含んでいる場合、より効率よく光電子を発生することができる。
電子源筐体51は、電子源部3の長手方向で対向する一対の端面部51aと、一対の端面部51aを連結するように電子源部3の長手方向に延び、かつ、互いに対向している一対の側面部51bと、一対の端面部51aと一対の側面部51bとに接続される上面部51cと、を有している。電子源筐体51は、電子源部3から光電子を放出するための開口部51dを、上面部51cと対向する位置に含んでいる。
エネルギー線源52は、ガス導入管55内に配置されている。ガス導入管55は、その両端部が、Oリングを介して、電子源筐体51の一対の端面部51aに気密に保持されている。ガス導入管55は、電子源筐体51を電子源部3の長手方向に貫通するように配置されている。エネルギー線源52も、電子源筐体51を電子源部3の長手方向に貫通するように配置されている。ガス導入管55は、エネルギー線源52から出射される所定波長のエネルギー線を透過する材料からなり、たとえば、石英ガラス又はMgF2などからなる。ガス導入管55は、金属などからなる管状部材であってもよい。この場合、当該管状部材の所定位置に開口が設けられ、当該開口に石英ガラス又はMgF2などからなる窓材が設けられることが好ましい。
ガス導入管55の一端部には、ガス導入管55内にガスを導入するガス導入部57が接続されている。ガス導入管55の他端部は、ガス導入管55内に導入されたガスを排出するガス排出部として機能する。ガス導入管55内に導入されるガスは、窒素などの不活性ガスが用いられ、エネルギー線源52を冷却する。ガスは、ガス導入部57からガス導入管55内に導入され、ガス排出部から排出されるため、光子の透過率が低下するのを抑制できる。ガス導入管55の他端部からは、エネルギー線源52の電極に接続された電源線58,59が導出される。ガスの導排出又は電源線58,59の導出は、ガス導入管55のいずれの端部から行われてもよい。電源線58、59が導出される部位は、ガス導入管55の開放端に限られない。ガス導入管55の両端がガス導排出可能に密閉され、ガス導入管55の内外を貫通する給電部と接続して電源線58、59が導出されてもよい。
光電子放出体53は、絶縁基板56を介して電子源筐体51に設けられている。光電子放出体53は、電子源筐体51と電気的に絶縁されている。光電子放出体53は、電子源筐体51の各面部51a〜51cに沿うように延びている五つの面部を有している。光電子放出体53は、五つの面部の内側表面が、光電子の放出面となる。すなわち、電子源筐体51の開口部51dに対応する位置が開口している。光電子放出体53の五つの面部は、ガス導入管55を介して、エネルギー線源52を囲むように位置している。光電子放出体53は、電子源筐体51に設けられている電流導入端子54と電気的に接続されている。光電子放出体53は、電子源筐体51に対し、着脱自在に設けられている。これにより、光電子放出体53の交換が可能となる。光電子放出体53の面部は五つに限らず、光電子が処理室部21側に放出されやすい構造の多面体でよい。
光電子放出体53は、大気に曝される環境下においても劣化が少なく、かつ、エネルギー線源52から出射されるエネルギー線(たとえば、UV光又はVUV光など)に対して量子効率が高い材料が用いられ、当該材料として、たとえは、Au、Ni、ステンレス鋼、Al、ダイヤモンド薄膜、DLC(diamond−like carbon)薄膜、又はAl2O3薄膜などが挙げられる。UV光又はVUV光に対し、量子効率が高い材料は、Auが一般的である。VUV光に対しては、Al、Al2O3薄膜、又はダイヤモンド薄膜が、量子効率が比較的高い材料である。各薄膜は、金属基体の表面に成膜される。光電子放出体53の光電子の放出面は、鏡面処理が施されていてもよい。
電極部40は、電子源筐体51の開口部51dを覆うように、当該開口部51dに設けられている。電極部40は、電子源筐体51とは絶縁され、かつ、所望の電位が供給されるように、たとえば絶縁部材を介して電子源筐体51に固定されると共に、電極部40への給電経路が設けられていることが好ましい。所望の電位の値によっては、電極部40は、電子源筐体51と同電位になるように、電子源筐体51と直接固定されていてもよい。電極部40は、光電子放出体53に供給される電位との差により、光電子放出体53にて発生した光電子を処理部20に向けて加速させる加速電界を電子源部3内に形成する。電極部40は、処理対象物POと処理室部21との電位差に対応する電界を電子源部3と処理部20との境界近傍まで形成する。また、電極部40は、電子源部3内に形成される加速電界と、処理対象物POと処理室部21及び電極部40との電位差に対応する電界と、が互いに影響し合うのを抑制する。
本実施形態では、電子源部3は、所定波長のエネルギー線を出射するエネルギー線源52と、所定波長のエネルギー線の入射により光電子を外部に放出する光電子放出体53と、を含んでいる。これにより、帯電処理装置(電子源筐体51)内の雰囲気(圧力及び真空度など)によって性能及び寿命などに影響を受けることの少ない、密封構造のエネルギー線源(たとえばランプなど)を用いることができる。この結果、帯電処理装置C1内の雰囲気に対して安定度の高い電子発生源を実現することができる。
本実施形態では、電子源部3が、平面視で長手方向と短手方向とを有しており、エネルギー線源52は、電子源部3の長手方向に沿って延びている。これにより、処理対象物POが長尺状の物体又は面積が大きな物体であっても、当該処理対象物POを確実に所望の電位に帯電させることができる。
図16及び図17を参照して、電子源部3の更なる変形例を説明する。図16及び図17は、電子源部の更なる変形例を示す断面図である。図16及び図17に示された断面構成は、電子源部3の短手方向に直交する面で切断した際の断面構成に相当する。図16及び図17に示された電子源部3は、図9の(c)に示された帯電処理装置C1が備える電子源部3のように、全体が処理筐体2内に位置している。いずれの変形例においても、電極部40は、電子源筐体51とは絶縁され、かつ、所望の電位が供給されるように、たとえば絶縁部材を介して電子源筐体51に固定されると共に、電極部40への給電経路が設けられていることが好ましい。所望の電位の値によっては、電極部40は、電子源筐体51と同電位になるように、電子源筐体51と直接固定されていてもよい。
図16に示された電子源部3では、ガス導入部57は、ガス導入管55の他端部に設けられている。ガス導入部57は、ガス導入空間を画成するフランジ57aを有している。フランジ57aには、電源線58が電気的に接続されている電流導入端子60が気密に設けられている。電源線59は、フランジ57aと電気的に接続され、接地されている。電源線59も電源線58と同様に電流導入端子に接続されていてもよく、当該電流導入端子を通して接地以外の電位が電源線59に供給されてもよい。電流導入端子60は、電源線61を通して、電流導入端子62と電気的に接続されている。電流導入端子62は、フランジ63に気密に設けられている。フランジ63は、処理筐体2に着脱自在でかつ気密に設けられる。フランジ63には、ガス導入管64を介してガス導入部57に接続されるガス導入口65が配置されている。
ガス導入管55の一端部には、ガス排出管66を介してガス排出口67に接続されているガス排出部68が設けられている。ガス排出口67は、フランジ69に気密に設けられている。フランジ69は、処理筐体2に着脱自在でかつ気密に設けられる。ガスは、ガス導入口65から導入され、ガス導入管64、ガス導入部57、ガス導入管55、ガス排出部68、及びガス排出管66を通り、ガス排出口67から排出される。フランジ69には、電源線70を通して電流導入端子54と電気的に接続されている電流導入端子71が配置されている。
図17に示された電子源部3では、エネルギー線源52の電極に接続された電源線58,59は、ガス導入管64を構成するフレキシブルチューブ内を通り、処理筐体2(処理部20)外に導出されている。ガス排出部68は、ガス導入部57と同様に、ガス導入空間を画成するフランジ68aを有している。ガス排出部68には、ガス排出管66を構成するフレキシブルチューブが接続されている。ガス導入口65、電流導入端子71、及びガス排出口67は、処理筐体2に着脱可自在でかつ気密に設けられる一つのフランジ72に設けられている。このように、フレキシブルチューブを使用することで、電子源部3の配置の自由度を高め、たとえば処理室部21により近接させて電子源部3を配置することができる。電子源部3は、フランジ72を介することなく、処理筐体2に直接固定されていてもよい。
図18〜図20を参照して、電子源部3の更なる変形例を説明する。図18〜図20は、電子源部の更なる変形例を示す断面図である。図18〜図20に示された断面構成は、電子源部3の長手方向に直交する面で切断した際の断面構成に相当する。電極部40は、電子源筐体51とは絶縁され、かつ、所望の電位が供給されるように、たとえば絶縁部材を介して電子源筐体51に固定されると共に、電極部40への給電経路が設けられていることが好ましい。所望の電位の値によっては、電極部40は、電子源筐体51と同電位になるように、電子源筐体51と直接固定されていてもよい。
図18に示された変形例では、エネルギー線源52は、一方の側面部51b側に配置されている。すなわち、エネルギー線源52は、電子源部3から処理部20への光電子入射軸A1と、エネルギー線源52のエネルギー線出射軸A2とが同軸とならないように、より詳細には光電子入射軸A1とエネルギー線出射軸A2とが略直交するように、配置されている。一方の側面部51b及び光電子放出体53における一方の側面部51bに対向する面には、エネルギー線源52からのエネルギー線を、光電子放出体53の内側空間に導くための開口が形成されている。光電子放出体53は、電子源部3の長手方向に直交する断面において、光電子が開口部51dに向けて放出されるように傾斜面を有している。すなわち、光電子放出体53は、エネルギー線源52のエネルギー線出射軸A2に対して傾斜する傾斜面を含んでいる。傾斜面は、それぞれ角度が異なる複数の傾斜面からなっていてもよい。
電子源部3は、メッシュ状の電極部73を含んでいる。電極部73は、エネルギー線源52と光電子放出体53との間に配置され、光電子放出体53と同じ電位とされる。本変形例では、電極部73は、光電子放出体53に設けられている。電極部73は、たとえば、Au又はAlなどの光電子放出特性が高い材料からなる。電極部73は、たとえば、ステンレス鋼からなり、表面にAu、Al、又はAl2O3などからなる薄膜が形成されているメッシュであってもよい。電子源部3は、必ずしも電極部73を含んでいる必要はなく、電子源部3は、電極部73を含んでいなくてもよい。
本変形例では、電極部73により、光電子放出体53から放出された光電子が、エネルギー線源52側に向かうのを抑制し、光電子を処理部20(図18では不図示)に向けて効率よく導くことができる。また、電極部73により、エネルギー線源52などの帯電を防ぐことができる。
図18に示された電子源部3では、エネルギー線源52が、一つの側面部51b側に配置され、かつ、光電子入射軸A1とエネルギー線出射軸A2とが同軸とならないよう、より詳細には光電子入射軸A1とエネルギー線出射軸A2とが略直交するように、配置されているので、エネルギー線源52から放出されたエネルギー線が、処理部20(図18では不図示)に直接照射され難い。このため、処理部20におけるエネルギー線が照射された部位にて、物質の解離などが生じるのを抑制することができる。さらに、光電子放出体53は、電子源部3の長手方向に直交する断面において、光電子が開口部51dに向けて放出されるように傾斜面を有している。すなわち、光電子放出体53は、エネルギー線源52のエネルギー線出射軸A2に対して傾斜する傾斜面を含んでいるので、効率よく発生した光電子を処理部20へ導くことができる。
図19に示された変形例では、電子源部3は、窓材74を含んでいる。窓材74は、エネルギー線源52と光電子放出体53との間に配置され、かつ、所定波長のエネルギー線を透過する。エネルギー線源52がたとえば軟X線源である場合には、窓材74は、Be又はTiの薄膜といったX線透過性材料などからなる。エネルギー線源52がたとえばUV光源又はVUV光源である場合には、窓材74は、石英ガラス又はMgF2などからなる。
窓材74により、電子源部3(電子源筐体51)における光電子放出体53が収容されている空間が気密に封止される。窓材74は、Oリング75を介して、電子源筐体51に設けられている。エネルギー線源52は、電子源筐体51に着脱可自在でかつ気密に設けられる収容部76内に収容されている。窓材74は、収容部76を電子源筐体51に取り付けることにより、収容部76と電子源筐体51とで挟持されることにより、電子源筐体51に設けられる。収容部76の内部空間には、エネルギー線源52の冷却及びエネルギー線量の低下を抑制するため、たとえば窒素ガスといった不活性ガスを流通させることが好ましい。
本変形例でも、電極部73により、光電子を処理部20に向けて効率よく導くことができると共に、エネルギー線源52及び窓材74などの帯電を防ぐことができる。
図19に示された電子源部3では、エネルギー線源52と光電子放出体53との間に配置され、かつ、所定波長のエネルギー線を透過する窓材74を更に含んでおり、窓材74により、電子源部3における光電子放出体53が収容されている空間が気密に封止されている。このため、エネルギー線源52に関する交換や保守といった作業を、処理部20内の所定の圧力雰囲気に影響を与えることなく、容易に行うことができる。また、エネルギー線源52が一つの側面部51b側に配置されているので、エネルギー線源52から放出されたエネルギー線が、処理部20に直接照射され難い。このため、処理部20におけるエネルギー線が照射された部位にて、物質の解離などが生じるのを抑制することができる。
図20に示された変形例では、窓材74は、光電子放出体53に設けられている。窓材74は、収容部76を電子源筐体51に取り付けることにより、収容部76と光電子放出体53とで挟持されることにより、光電子放出体53に設けられる。収容部76は、Oリング75を介して、電子源筐体51に設けられている。光電子放出体53は、電子源部3の長手方向に直交する断面において、光電子が開口部51dに向けて放出されるように湾曲面を有している。
窓材74における光電子放出体53側の面に、透過型光電面を構成し、かつ、導電性を有する薄膜77が形成されている。薄膜77は、たとえば、厚みが数nm〜数百nmであり、かつ、Au、Al、又はAl2O3などからなる。薄膜77は、窓材74が光電子放出体53に設けられている状態で、光電子放出体53と同等の電位となるように接触している。すなわち、窓材74は、薄膜77と光電子放出体53とが接触するように、エネルギー線源52と光電子放出体53との間に配置されている。薄膜77は、光電子放出体53との接触により、光電子放出体53と同じ電位とされる。薄膜77と光電子放出体53とは、物理的に接触することなく、導電部材などを介して電気的に接触させて同電位としてもよく、別途設けた給電部材によって光電子放出体53と同じ電位を薄膜77に供給してもよい。また、必要に応じて光電子放出体53と薄膜77の電位を変えてもよい。この場合、放出される光電子の分布を変えることができる。
本変形例では、薄膜77からも光電子が放出されるため、処理部20に導かれる光電子の量が増加する。薄膜77により、光電子を処理部20に向けて効率よく導くことができる。これらの結果、本変形例によれば、帯電処理の効果を高めることができる。
図21〜図23を参照して、電子源部3の更なる変形例を説明する。図21は、電子源部を示す斜視図である。図22は、図20に示された電子源部の断面図である。図23は、光電子放出体を示す斜視図である。
電子源部3は、電子源筐体51、エネルギー線源52、光電子放出体53、及び電極部40を含んでいる。エネルギー線源52は、たとえば、エキシマランプ又は重水素ランプなどが用いられる。エネルギー線源52は、発光部組立体78とガラス製の密封容器79とを備えている。密封容器79は、発光部組立体78を収容する側管部79aと、側管部79aから突出すると共に側管部79aに連通する突出部79bと、を有している。突出部79bの先端は、エネルギー線(VUV光)を出射する光出射窓によって封止されている。
電子源筐体51は、両端が開口した筒形状を呈している。電子源筐体51の一方の端部には、真空フランジVFが設けられている。電極部40は、真空フランジVFの開口を覆うように真空フランジVFに設けられている。電極部40は、電子源筐体51とは絶縁され、かつ、所望の電位が供給されるように、たとえば絶縁部材を介して電子源筐体51に固定されると共に、電極部40への給電経路が設けられていることが好ましい。所望の電位の値によっては、電極部40は、電子源筐体51と同電位になるように、電子源筐体51と直接固定されていてもよい。
電子源筐体51の他方の端部には、他方の端部の開口を塞ぐように、電気絶縁性の基板80が配置されている。電子源筐体51の他方の端部は、基板80が配置された状態で、クイックカップリング(Quick-release Coupling)81により気密に封止されている。クイックカップリング81は、クランプ81aを有している。基板80には、電流導入端子82が気密に設けられている。電流導入端子82は、たとえば、溶接などにより、基板80に固定される。基板80は、クイックカップリング81のブランクフランジとして機能する。
光電子放出体53は、電子源筐体51内に配置されている。光電子放出体53は、図23にも示されるように、胴部53aと底部53bとを有しており、底部53bと対向する一端が開口した有底筒形状を呈している。胴部53aは、断面が円形の円筒形状を呈している。胴部53aの断面は、円形に限られず、多角形であってもよい。底部53bの内側面は、平面とされている。光電子放出体53は、固定基板83及び絶縁性基板84を介して、基板80に設けられている。固定基板83は、導電性を有している。固定基板83は、ねじ止めなどにより、絶縁性基板84に着脱自在に設けられる。絶縁性基板84は、ねじ止めなどにより、基板80に着脱自在に設けられる。
光電子放出体53は、底部53bに形成された突部が固定基板83と螺合することにより、固定基板83に固定される。すなわち、光電子放出体53は、固定基板83に着脱自在に設けられる。これにより、光電子放出体53の交換を容易に行うことができる。電流導入端子82の先端には、スリーブ85が設けられている。光電子放出体53は、スリーブ85が螺合などにより固定基板83に設けられることにより、固定基板83及びスリーブ85を介して、電流導入端子82に電気的に接続される。
光電子放出体53の胴部53aには、図23にも示されるように、エネルギー線源52が備える密封容器79の突出部79bが挿通される開口が形成されている。突出部79bは、電子源筐体51に一体的に形成された筒状部86にも挿通されており、Oリング87を介して、筒状部86に気密に設けられている。エネルギー線源52は、電子源筐体51に着脱自在に設けられている。エネルギー線源52からのエネルギー線が胴部53aの開口を介して光電子放出体53内に導入され、その光電子放出面に照射できれば、光電子放出体53の胴部53aの開口に密封容器79の突出部79bを挿通しなくてもよい。また、電子源筐体51は、胴部53aの開口を臨む位置に、エネルギー線を透過する窓材を備えていてもよい。この場合、エネルギー線源52は電子源筐体51の内部雰囲気外に配置される。
光電子放出体53は、エネルギー線源52からのエネルギー線が照射されると、光電子を放出する。このとき、電子源部3内に加速電界(たとえば、200V)が形成されていると、図24に示されるように、放出された光電子が、電子源部3から放出される。図24は、電子源部からの光電子の放出を説明するための図である。図24では、光電子の飛行軌跡が示されている。光電子は、広範囲に拡がりながらも、処理室部21の中央部に向けて集中するように飛行している。ただし、実際には、光電子は、荷電粒子形成用ガスの分子に衝突することにより、処理対象物POには殆ど到達しない。
本変形例では、光電子放出体53からの光電子の放出及び放出された光電子の処理部20側への移動が効率よく行われる。また、図22に示された電子源部3では、エネルギー線源52の突出部79bが光電子放出体53の胴部53aに形成された開口に挿通されているため、エネルギー線源52から放出されたエネルギー線が、処理部20に直接照射され難い。このため、処理部20におけるエネルギー線が照射された部位にて、物質の解離などが生じるのを抑制することができる。
図25及び図26を参照して、光電子放出体53の変形例を説明する。図25は、光電子放出体の変形例を示す斜視図である。図26は、電子源部からの光電子の放出を説明するための図である。
図25の(a)に示された光電子放出体53では、底部53bの内側面は、胴部53aの内径より小さい直径を有する平面部分と、胴部53aの端から胴部53aの平面部分にテーパ状に傾斜している傾斜面部分と、を含んでいる。すなわち、底部53bの内側面により形成される空間は、円錐台形状を呈する。図25の(b)に示された光電子放出体53では、底部53bの内側面は、凹状球面を呈している。
図25の(a)に示された光電子放出体53が用いられた場合、図26の(a)に示されるように、図23に示された光電子放出体53が用いられた場合よりも、光電子は、処理筐体2の中央部に向けてより集中するように飛行する。図25の(b)に示された光電子放出体53が用いられた場合、図26の(b)に示されるように、図23に示された光電子放出体53が用いられた場合よりも、光電子は、処理筐体2の中央部のより広い範囲に向けて飛行する。
図25の(c)に示された光電子放出体53は、複数の電極部分(本変形例では、第一〜第三電極部分88a,88b,88c)を有している。第一電極部分88aは、光電子放出部を備えており、光電子放出体53の本体部である。第一電極部分88aと第二電極部分88bとの間には、電気絶縁体89aが配置されており、第一電極部分88aと第二電極部分88bとは、電気絶縁体89aにより電気的に絶縁されている。第二電極部分88bと第三電極部分88cとの間には、電気絶縁体89bが配置されており、第二電極部分88bと第三電極部分88cとは、電気絶縁体89bにより電気的に絶縁されている。たとえば、第一電極部分88aと第三電極部分88cとが負の電位とされ、第二電極部分88bがグラウンド電位(接地電位)とされる。第二電極部分88bは、メッシュ形状を呈していてもよい。第一電極部分88aには、エネルギー線源52が備える密封容器79の突出部79bが挿通される開口が形成されている。第一電極部分88aの底部には、固定基板83と螺合する突部が形成されている。
図25の(c)に示された光電子放出体53が用いられた場合、図26の(c)に示されるように、図23並びに図25の(a)及び(b)に示された光電子放出体53が用いられた場合によりも、処理筐体2の中央部に向けて全体的に集中するように飛行する。図25の(c)に示された光電子放出体53は、図26の(c)に示されるように、電子源部3が、処理筐体2の本体部分から突出する突出部に設けられる構成において、有用である。この場合、突出部での光電子の吸収などが抑制され、光電子を効率よく、電子源部3に導くことができる。すなわち、光電子放出体53の本体部である第一電極部分88aと電極部40との間に、光電子を制御するための光電子制御部としての第二電極部分88b及び第三電極部分88cが配置されているので、処理部20内における光電子の入射範囲を制御することができる。また、第一〜第三電極部分88a,88b,88cの電位を変更することにより、光電子を集中させることなく、発散するように飛行させることができる。
次に、図27を参照して、電子源部3の更なる変形例を説明する。図27は、電子源部の更なる変形例が適用された帯電処理装置を示す斜視図である。
図27に示された変形例の電子源部3では、電子源筐体51、光電子放出体53、及び電極部40を含む構造体4と、エネルギー線源52と、が別体に構成されている。エネルギー線源52と構造体4とは、互いに対向するように、処理筐体2に設けられている。すなわち、エネルギー線源52と構造体4(光電子放出体53)とは、処理室部21を挟むように、互いに離間し、かつ、対向するように配置されている。エネルギー線源52から出射されたエネルギー線は、処理部20(処理室部21)内を通り、構造体4に入射して、光電子放出体53に照射される。
本変形例では、エネルギー線源52が、構造体4と離間して、処理筐体2に設けられている。このため、エネルギー線源52及び光電子放出体53を、機能上、好ましい位置に配置することができる。たとえば、エネルギー線源52が、処理筐体2の外側に配置されていれば、エネルギー線源52の発熱による処理筐体2の内部空間や光電子放出体53への影響を抑制しつつ、エネルギー線源52の放熱を容易に行うと共に、エネルギー線源52の交換を容易に行うことができる。なお、本変形例では、エネルギー線源52と光電子放出体53とが離間しているので、エネルギー線源52からは指向性の高いエネルギー線を放出することが好ましい。この場合、集光のための光学レンズ系又は導光部材が配置されていてもよく、エネルギー線源52が、高い指向性を有するエネルギー線源、たとえばUVレーザ光源であってもよい。
エネルギー線源52は、上述した配置に限られない。エネルギー線源52は、光電子放出体53を配置した面と直交する面に設けられることにより、互いに離間し、かつ、対向するように配置してもよい。この場合、たとえば、図21〜図23に示される変形例のように、電子源筐体51及び光電子放出体53の側面部に開口を設け、当該開口が処理筐体2と処理部20の間の空間に位置するように構造体4を配置し、開口を介して光電子放出体53内にエネルギー線を照射してもよい。
(第4実施形態)
次に、図28及び図29を参照して、第4実施形態に係る除電処理装置NAの構成を説明する。図28は、第4実施形態に係る除電処理装置を示す斜視図である。図29は、電子源部の一例を示す斜視図である。除電処理装置NAは、帯電処理装置において、特に、正又は負の電位に帯電した処理対象物POの帯電を中和する、いわゆる除電するための装置である。
次に、図28及び図29を参照して、第4実施形態に係る除電処理装置NAの構成を説明する。図28は、第4実施形態に係る除電処理装置を示す斜視図である。図29は、電子源部の一例を示す斜視図である。除電処理装置NAは、帯電処理装置において、特に、正又は負の電位に帯電した処理対象物POの帯電を中和する、いわゆる除電するための装置である。
除電処理装置NAは、筐体部1を備えている。筐体部1は、電子源部3と、処理筐体2と、給気部30、及び排気部33を有している。除電処理装置NAでは、処理筐体2が処理室部21としても機能する。電子源部3には、処理筐体2の開口部2aを覆うように配置される電極部40が設けられている。除電処理装置NAは、処理筐体2(少なくともその内表面)及び電極部40が所望の帯電中和レベル(たとえば、グラウンド電位)に設定されるように、構成されている。これにより、除電処理装置NAによれば、正負いずれに帯電した処理対象物POであっても、所望の帯電中和レベル(たとえば、グラウンド電位)にすることができる。除電処理とは、所望の帯電中和レベルへの帯電処理であり、除電処理装置NAの動作機構は前述の帯電処理装置C1の動作機構と同様である。電極部40は、処理筐体2の内表面と同電位であるため、開口部2aを覆うように処理筐体2に直接設けられていてもよい。所望の帯電中和レベルがグラウンド電位である場合には、電極部40は、電子源筐体7又は真空フランジVFに直接設けられていてもよい。
(第5実施形態)
次に、図30を参照して、第5実施形態に係る帯電処理装置C3の構成を説明する。図30は、第5実施形態に係る帯電処理装置を示す斜視図である。第5実施形態に係る帯電処理装置C3は、処理部20の構成に関して、第2実施形態に係る帯電処理装置C2と相違する。
次に、図30を参照して、第5実施形態に係る帯電処理装置C3の構成を説明する。図30は、第5実施形態に係る帯電処理装置を示す斜視図である。第5実施形態に係る帯電処理装置C3は、処理部20の構成に関して、第2実施形態に係る帯電処理装置C2と相違する。
帯電処理装置C3は、図30に示されるように、筐体部1と、電極部40と、を備えている。帯電処理装置C3も、帯電処理装置C1,C2と同じく、帯電していない処理対象物を正又は負の電位に帯電させることが可能である。帯電処理装置C3は、正又は負の電位に帯電している処理対象物を除電すること又は所望の電位に変えることも可能である。
処理部20(処理室部21)は、処理対象物POを処理部20(処理室部21)に導入する開口部(導入部)24と、処理対象物を処理部20(処理室部21)から導出する開口部(導出部)25と、を有している。一対の開口部24,25は、互いに対向するように位置している。本実施形態では、一対の開口部24,25は、処理室部21における対向する一対の面にそれぞれ設けられている。帯電処理装置C3では、一対の開口部24,25の間において、連続した処理対象物PO、又は、連続した台座(図示せず)に搭載された処理対象物POを移動させてもよい。これにより、処理対象物POの帯電処理を連続して行うことができる。
開口部24,25の大きさ(開口面積)は、処理対象物POの大きさに極力近い大きさに設定することが好ましい。処理対象物POが台座に搭載される場合には、開口部24,25の大きさは、上記台座を含んだ大きさに極力近い大きさに設定することが好ましい。これにより、開口部24,25から処理部20(処理室部21)内に、処理部20の周辺に存在する別の電界が浸入し、処理部20内の処理領域の電界に影響を与えることを抑制することができる。
開口部24,25の数は、一対に限られない。処理部20(処理室部21)は、複数対の開口部24,25を有していてもよい。複数対の開口部24,25は、処理対象物POの導入方向(導出方向)から見て、左右に並ぶように位置させることかできる。この場合、複数の処理対象物POを並列して帯電処理することができる。
(第6実施形態)
次に、図31を参照して、第6実施形態に係る帯電処理装置C4の構成を説明する。図31は、第6実施形態に係る帯電処理装置を示す斜視図である。第6実施形態に係る帯電処理装置C4は、処理部20の構成に関して、第2及び第5実施形態に係る帯電処理装置C2,C3と相違する。
次に、図31を参照して、第6実施形態に係る帯電処理装置C4の構成を説明する。図31は、第6実施形態に係る帯電処理装置を示す斜視図である。第6実施形態に係る帯電処理装置C4は、処理部20の構成に関して、第2及び第5実施形態に係る帯電処理装置C2,C3と相違する。
帯電処理装置C4は、図31に示されるように、筐体部1と、電極部40と、を備えている。帯電処理装置C4も、帯電処理装置C1〜C3と同じく、帯電していない処理対象物を正又は負の電位に帯電させることが可能である。帯電処理装置C4は、正又は負の電位に帯電している処理対象物を除電すること又は所望の電位に変えることも可能である。
処理部20(処理室部21)は、互いに離間して配置された二つの部材26,27を有している。二つの部材26,27は、たとえば、一面が開口した箱状の部材であり、同電位とされる。帯電処理装置C4では、二つの部材26,27間において、連続した処理対象物PO、又は、連続した台座に搭載された処理対象物POを移動させる。すなわち、二つの部材26,27間に処理対象物POを位置させることにより、二つの部材26,27で処理対象物POを包囲する。これにより、より大きなサイズを有する処理対象物POの帯電処理を連続して行うことができる。
二つの部材26,27の間隔(二つの部材26,27間の空間の厚み)は、処理対象物POの大きさ(厚み)に極力近い大きさに設定することが好ましい。処理対象物POが台座に搭載される場合には、二つの部材26,27の間隔は、上記台座を含んだ大きさ(厚み)に極力近い大きさに設定することが好ましい。これにより、二つの部材26,27間の空間から処理部20(処理室部21)内に、処理部20の周辺に存在する別の電界が浸入し、処理部20内の処理領域の電界に影響を与えることを抑制することができる。また、処理対象物POの幅に対し、二つの部材26,27の幅を大きく設定することも好ましい。筐体部1(処理筐体2)からの電界の影響が処理部20に及び難くするために、筐体部1と処理部20(二つの部材26,27)との間の距離を十分に空けることが好ましい。二つの部材26,27間の空間において、複数の処理対象物POを横方向に並べて、同時に帯電処理してもよい。
(第7実施形態)
次に、図32を参照して、第7実施形態に係る帯電処理装置C5の構成を説明する。図32は、第7実施形態に係る帯電処理装置を示す斜視図である。第7実施形態に係る帯電処理装置C5は、処理部20の構成に関して、第1及び第6実施形態に係る帯電処理装置C1,C4と相違する。
次に、図32を参照して、第7実施形態に係る帯電処理装置C5の構成を説明する。図32は、第7実施形態に係る帯電処理装置を示す斜視図である。第7実施形態に係る帯電処理装置C5は、処理部20の構成に関して、第1及び第6実施形態に係る帯電処理装置C1,C4と相違する。
帯電処理装置C5は、図32に示されるように、筐体部1と、電極部40と、を備えている。帯電処理装置C5も、帯電処理装置C1〜C4と同じく、帯電していない処理対象物を正又は負の電位に帯電させることが可能である。帯電処理装置C5は、正又は負の電位に帯電している処理対象物を除電すること又は所望の電位に変えることも可能である。
処理部20(処理室部21)は、互いに離間して配置された二つの部材28,29を有している。二つの部材28,29は、メッシュ状部を有する平板状の電極であり、同電位とされる。二つの部材28,29は、互いに対向するように位置している。帯電処理装置C5では、二つの部材28,29間において、連続した処理対象物PO、又は、連続した台座に搭載された処理対象物POを移動させる。すなわち、二つの部材28,29間に処理対象物POを位置させることにより、二つの部材28,29で処理対象物POを包囲する。二つの部材28,29間の空間が、処理空間となる。これにより、処理対象物のサイズに対応させて適切な処理空間を形成することができる。
二つの部材28,29の間隔(二つの部材28,29間の空間の厚み)は、処理対象物POの大きさ(厚み)に極力近い大きさに設定することが好ましい。処理対象物POが台座に搭載される場合には、二つの部材28,29の間隔は、上記台座を含んだ大きさ(厚み)に極力近い大きさに設定することが好ましい。これにより、二つの部材28,29間の空間から処理部20(処理室部21)内に、処理部20の周辺に存在する別の電界が浸入し、処理部20内の処理領域の電界に影響を与えることを抑制することができる。また、処理対象物POの幅に対し、二つの部材28,29の幅を大きく設定することも好ましい。筐体部1(処理筐体2)からの電界の影響が処理部20に及び難くするために、筐体部1と処理部20(二つの部材28,29)との間の距離を十分に空けることが好ましい。
二つの部材28,29は、移動可能であってもよい。たとえば、部材28,29全体を移動させてもよい。また、部材28,29は、レンズシャッターのように、複数の羽根状の部材から構成されていてもよく、複数の羽根状の部材が、中心軸で放射状に開閉してもよい。この場合、複数の羽根状の部材それぞれに、メッシュ状の開口が設けられる。二つの部材28,29が移動可能であることにより、処理対象物POの帯電処理に加え、他の処理を行うことができる。他の処理には、たとえば荷電粒子処理などがある。荷電粒子処理では、処理対象物POの周辺に処理部20の電磁界が影響しない状態を形成する。
続いて、図33〜図35を参照して、本実施形態に係る帯電処理装置の適用例を説明する。図33〜図35は、帯電処理装置の適用例を説明するための図である。
図33では、本実施形態に係る帯電処理装置が、フィルムFの表面に機能性膜(たとえば、反射防止膜又はガスバリア膜など)を成膜する装置90に適用されている。装置90は、処理筐体2内に位置している。電子源部3と処理室部21とは、成膜部91の前段に配置されており、成膜前のフィルムFを除電する。
図34では、本実施形態に係る帯電処理装置が、スパッタリング装置92に適用されている。スパッタリング装置92は、ターゲットTを保持するターゲットホルダー93、磁場発生用のマグネット94、及び成膜対象物(たとえば、Siウェハなど)を保持する電極95を備えている。本実施形態に係る帯電処理装置は、スパッタリングを行う前に、成膜対象物を除電する。
図35では、本実施形態に係る帯電処理装置が、ハードディスクメディア用の基板96の除電処理装置97に適用されている。基板96は、たとえばAl又はガラスなどからなる。除電処理装置97では、基板96は、メディアホルダ98に保持されている。除電処理装置97で除電された基板96は、成膜装置により、磁性体などからなる薄膜が形成される。
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明は必ずしも上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
たとえば、電子源部3は、複数の電子発生源5を有していてもよい。筐体部1は、複数の電子源部3を備えていてもよい。電子発生源50は、複数のエネルギー線源52を含んでいてもよい。筐体部1は、必ずしも給気部30及び排気部33を有している必要はない。
図36に示されるように、電子源部3と処理部20とは、これらが一体化された帯電処理ユニットCUを構成していてもよい。図36は、帯電処理ユニットを示す斜視図である。処理部20の一端側には電子源部3が固定されるとともに、処理部20の他端側には開口部20aが形成されている。開口部20aは、処理対象物POを処理部20内に導入するための導入部となる。帯電処理ユニットCUは、たとえば、筐体部1内で用いられる。帯電処理は、たとえば、筐体部1内において処理対象物POが処理部20によって覆われるように、処理対象物POに処理部20が被せられた状態で行われる。
この場合、処理対象物POの周囲が処理部20と同電位であり、処理対象物POに処理部20を被せることで、開口部20aが処理部20と同電位の部材で覆われることが好ましい。たとえば、処理対象物POが処理部20と同電位である処理台上に配置され、その処理台に対して処理部20を被せてもよい。処理部20と処理台とは、処理部20内において電界が安定に形成できるように十分に近接していればよく、また、接触していてもよい。導入部となる開口部20aは、電子発生源5と対向する面に限らず、例えば側面等の電子源筐体7との接合部以外の部位に設けられていてもよい。この場合、電子発生源5と対向する面(図36における開口部20aに相当する面)は、処理部20と同電位の部材によって覆われているのが好ましい。
処理部20の内部空間が、荷電粒子形成用ガスを含む所定の圧力雰囲気下であるためには、帯電処理ユニットCUが配置される筐体部1の内部空間自体が所定の圧力雰囲気下とされていてもよく、また、図示しない荷電粒子形成用ガス供給部(及び排気部)によって処理部20内を所定の圧力雰囲気下とされていてもよい。前者の場合、処理部20は、筐体部1の内部空間と連通しやすいようにメッシュ部が設けられていることが好ましい。後者の場合、図36にも示されるように、処理部20は、処理部20の内側に筐体部1の内部空間とは区画された空間が形成されるように、内側空間を囲む壁状部材からなることが好ましい。
電極部40と処理部20とは同電位とされており、直接接触していてもよく、また、導電性部材を介することで電気的に接続されていてもよい。また、電極部40と処理部20とは、互いに個別の給電経路を通して同電位が供給されていてもよい。電極部40は、処理部20と一体に形成されることにより、電子源筐体7と接続されていてもよい。なお、電極部40及び処理部20は、電子源筐体7とは絶縁され、かつ、所望の電位が供給されるように、たとえば絶縁部材を介して電子源筐体7に固定されると共に、電極部40及び処理部20への給電経路が設けられていることが好ましい。所望の電位の値によっては、電極部40及び処理部20は、電子源筐体7と同電位になるように、電子源筐体7と直接固定されていてもよい。
電子源部3と処理部20とが互いに気密とされており、電子源部3と処理部20とで、荷電粒子形成用ガスを含む所定の圧力雰囲気下とされる空間が画成されるのであれば、筐体部1は、必ずしも必要ではない。帯電処理装置が筐体部1を備えない場合、処理部20(処理筐体2)は、帯電処理装置が設置される部位(以下、単に「設置部位」と称する)と電気的に絶縁されていることが好ましい。帯電処理装置が除電処理装置としてのみ用いられる場合、設置部位がグラウンド電位であるときには、処理部20(処理筐体2)は、設置部位と電気的に接続されていてもよい。
1…筐体部、2…処理筐体、2a…開口部、3…電子源部、5…電子発生源、6…カソード、20…処理部、21…処理室部、23…開口部、30…給気部、33…排気部、40…電極部、50…電子発生源、52…エネルギー線源、53…光電子放出体、73…電極部、74…窓材、77…薄膜、C1,C2,C3,C4,C5…帯電処理装置、NA…除電処理装置、CU…帯電処理ユニット、PO…処理対象物。
Claims (23)
- 処理対象物を所望の電位に帯電させる帯電処理装置であって、
電子を発生させる電子発生源を収容する電子源部と、前記電子源部と連通し、かつ、荷電粒子形成用ガスを含む所定の圧力雰囲気下で前記処理対象物を包囲する処理部と、を有する筐体部と、
前記電子源部と前記処理部とを仕切るように前記電子源部と前記処理部との間に配置されているメッシュ状の電極部と、を備え、
前記電子源部内には、前記電子発生源にて発生した電子を前記電極部に向けて加速させる加速電界が形成され、
前記処理部及び前記電極部の電位が、前記所望の電位とされる、帯電処理装置。 - 前記電子源部は、前記処理部と連通する開口部を含んでおり、
前記電極部は、前記開口部を覆うように前記電子源部に配置されている、請求項1に記載の帯電処理装置。 - 前記処理部は、少なくとも前記電子源部と対向する位置に開口部を含んでおり、
前記電極部は、前記開口部を覆うように前記処理部に配置されている、請求項1に記載の帯電処理装置。 - 前記筐体部は、前記処理部内を荷電粒子形成用ガスを含む所定の圧力雰囲気下とするための排気部を更に有している、請求項1〜3の何れか一項に記載の帯電処理装置。
- 前記電子源部は、平面視で長手方向と短手方向とを有しており、
前記電子発生源は、前記電子源部の長手方向に沿って延びている、請求項1〜4の何れか一項に記載の帯電処理装置。 - 前記処理部は、前記処理対象物を前記処理部に導入する導入部と、前記導入部と対向するように位置し、前記処理対象物を前記処理部から導出する導出部と、を有している、請求項1〜5の何れか一項に記載の帯電処理装置。
- 前記処理部は、互いに離間して配置された二つの部材を有し、
前記二つの部材の間に前記処理対象物を位置させることにより、前記二つの部材で前記処理対象物を包囲する、請求項1〜5の何れか一項に記載の帯電処理装置。 - 前記二つの部材は、互いに対向するように位置する平板状の電極である、請求項7に記載の帯電処理装置。
- 前記平板状の電極は、移動可能である、請求項8に記載の帯電処理装置。
- 前記電子発生源は、熱電子を放出するカソードを含んでいる、請求項1〜9のいずれか一項に記載の帯電処理装置。
- 前記カソードは、イリジウムを含む材料からなる基材部と、前記基材部の表面を覆う、イットリウム酸化物を含む材料からなる被覆部と、を含んでいる、請求項10に記載の帯電処理装置。
- 前記電子発生源は、所定波長のエネルギー線を出射するエネルギー線源と、前記所定波長のエネルギー線の入射により光電子を外部に放出する光電子放出体と、を含んでいる、請求項1〜9のいずれか一項に記載の帯電処理装置。
- 前記エネルギー線源は、前記電子発生源から前記処理部への光電子入射軸と前記エネルギー線源のエネルギー線出射軸とが同軸とならないように、配置されている、請求項12に記載の帯電処理装置。
- 前記エネルギー線源は、前記光電子入射軸と前記エネルギー線出射軸とが交わるように配置され、
前記光電子放出体は、前記エネルギー線出射軸に対して傾斜する傾斜面を含んでいる請求項13に記載の帯電処理装置。 - 前記所定波長のエネルギー線は真空紫外光を含んでいる、請求項12に記載の帯電処理装置。
- 前記電子源部は、前記エネルギー線源と前記光電子放出体との間に配置され、前記光電子放出体の電位と同等の電位とされるメッシュ状の電極部を更に含んでいる、請求項12に記載の帯電処理装置。
- 前記電子源部は、前記エネルギー線源と前記光電子放出体との間に配置され、かつ、前記所定波長のエネルギー線を透過する窓材を更に含んでおり、
前記窓材により、前記電子源部における前記光電子放出体が収容されている空間が気密に封止される、請求項12又は16に記載の帯電処理装置。 - 前記電子源部は、前記所定波長のエネルギー線を透過する窓材を更に含み、
前記窓材の一方の面には、透過型光電面を構成し、かつ、導電性を有する薄膜が形成されており、
前記窓材は、前記薄膜と前記光電子放出体とが同等の電位となるように、前記エネルギー線源と前記光電子放出体との間に配置されている、請求項12に記載の帯電処理装置。 - 前記光電子放出体は、胴部と底部とを有し、前記所定波長のエネルギー線を導入するための開口が形成された有底筒形状を呈している、請求項12に記載の帯電処理装置。
- 前記光電子放出体と前記電極部との間に配置されている、前記光電子を制御するための光電子制御部を更に備えている、請求項12に記載の帯電処理装置。
- 前記エネルギー線源と前記光電子放出体とが、互いに離間し、かつ、対向するように配置されている、請求項12に記載の帯電処理装置。
- 処理対象物を所望の電位に帯電させる帯電処理装置であって、
電子を発生させる電子発生源と、
荷電粒子形成用ガスを含む所定の圧力雰囲気下で前記処理対象物を包囲し、かつ、前記電子発生源にて発生される電子が導入される処理部と、
前記電子発生源と前記処理部との間に配置されているメッシュ状の電極部と、を備え、
前記電子発生源と前記電極部との間に、前記電子発生源にて発生した電子を前記電極部に向けて加速させる加速電界が形成され、
前記処理部及び前記電極部の電位が、前記所望の電位とされる帯電処理装置。 - 処理対象物を所望の電位に帯電させる帯電処理方法であって、
電子を発生させる電子発生源と、荷電粒子形成用ガスを含む所定の圧力雰囲気下で前記処理対象物を包囲し、かつ、前記電子発生源にて発生される電子が導入される処理部と、前記電子発生源と前記処理部との間に配置されているメッシュ状の電極部と、を用い、
前記電子発生源と前記電極部との間に、前記電子発生源にて発生した電子を前記電極部に向けて加速させる加速電界を形成すると共に、前記処理部及び前記電極部を前記所望の電位とする帯電処理方法。
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