JP3509343B2 - イオン源 - Google Patents
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ーピング装置(非質量分離型のイオン注入装置)やその
他のイオン注入装置等に用いられるイオン源に関し、よ
り具体的には、それから引き出すイオンビームのイオン
電流密度を低下させる手段に関する。
源と共に示す断面図である。
型の高周波イオン源であり、ガスが導入されそれを高周
波放電によって電離させてプラズマ14を生成するプラ
ズマソース部10と、このプラズマソース部10の出口
付近に設けられていてプラズマ14から電界の作用でイ
オンビーム28を引き出す引出し電極系20とを備えて
いる。
筒状)のプラズマ室容器4と、その背面部を絶縁碍子8
を介して蓋をする板状の高周波電極6とを備えており、
このプラズマ室容器4内に、この例では引出し電極系2
0を通して下流側からガスが導入されるが、ガスはプラ
ズマ室容器4内に直接導入される場合もある。また、こ
の例ではプラズマ室容器4が一方の高周波電極を兼ねて
おり、このプラズマ室容器4と高周波電極6との間に整
合回路18を介して高周波電源16から、例えば13.
56MHzの周波数の高周波電力が供給されるよう構成
されている。
数枚の互いに平行に配置された電極で構成されている。
具体的にはこの例では、最プラズマ側から下流側に向け
て配置された第1電極21、第2電極22、第3電極2
3および第4電極24で構成されている。26は絶縁碍
子である。各電極21〜24は、複数の孔を有する多孔
電極であるが、この孔は、丸孔に限らず、長孔またはス
リットの場合もある。
8のエネルギーを決める電極であり、加速電源31から
接地電位を基準にして正の高電圧が印加される。この第
1電極21とプラズマソース部10(より具体的にはそ
れを構成するプラズマ室容器4)とは、互いに接続され
て同電位にある。第2電極22は、第1電極21との間
に電位差を生じさせそれによる電界によってプラズマ1
4からイオンビーム28を引き出す電極であり、引出し
電源32から第1電極21の電位を基準にして負の電圧
が印加される。第3電極23は、下流側からの電子の逆
流を抑制する電極であり、抑制電源33から接地電位を
基準にして負の電圧が印加される。第4電極24は接地
されている。
6の上面には、この例では、プラズマ室内にプラズマ閉
じ込め用の磁場を発生させる複数の永久磁石12が配置
されている。
ズマソース部10内に所望のガスを導入し、高周波電極
6とプラズマ室容器4間に高周波電源16から高周波電
力を供給すると、高周波電極6とプラズマ室容器4間で
高周波放電が生じてそれによってガスが電離されてプラ
ズマ14が作られ、このプラズマ14から引出し電極系
20によってイオンビーム28が引き出される。
ば、質量分離を行うことなくそのまま基板(図示省略)
に照射されて、イオン注入(イオンドーピング)等に供
される。
イ製造や半導体製造等の分野において、より具体的には
例えば多結晶シリコン薄膜トランジスタを製造するよう
な場合、1012個/cm2 〜1013個/cm2 台の少量
注入(低ドーズ量注入)を行う必要がある。
いるためには、それから引き出すイオンビーム28のイ
オン電流密度を小さくしなければならないが、従来のイ
オン源2では当該イオン電流密度を小さくするには限界
があった。
たプラズマ14を構成する電子の移動速度の方がイオン
のそれよりも遙かに大きいため、多数の電子によってプ
ラズマ室容器4および第1電極21はプラズマ14に対
して負の電位になり、見方を変えればプラズマ14は第
1電極21に対して正の電位になるため、引出し電源3
2の出力電圧を例え0にしても、プラズマ14と第1電
極21との間に存在する上記電位差でイオンが引き出さ
れ、イオンビーム28のイオン電流密度を0にすること
はできないからである。そのため従来から、イオンビー
ム28のイオン電流密度を下げる際には、プラズマ14
の密度を下げることを併用しており、プラズマ14の密
度を下げるためにはプラズマ14への投入電力、即ち高
周波電源16からプラズマ14に供給する電力を下げる
必要があるが、あまり投入電力を下げるとプラズマ14
が維持できなくなったり不安定になったりするので、投
入電力には下限があり、従ってイオンビーム28のイオ
ン電流密度を小さくするには限界があった。
り小さくできないと、少量注入を行う場合に、注入時間
が例えば数秒あるいは1秒以下となり、所定量の注入を
行うための制御性および再現性が悪くなってしまう。
電流密度を従来の下限よりも更に小さくすることができ
るイオン源を提供することを主たる目的とする。
め、この発明のイオン源は、前記引出し電極系を構成す
る最プラズマ側の第1電極の上部付近に当該第1電極に
ほぼ平行に、前記プラズマソース部と同電位であって多
孔のプラズマフィルタを配置したことを特徴とする。
成されたプラズマは、プラズマフィルタの孔を通して第
1電極に達し、そこに達したプラズマ中のイオンが引出
し電極系によってイオンビームとして引き出される。こ
の第1電極に達するプラズマの量は、プラズマフィルタ
によって制限されるので、第1電極に達するプラズマの
密度は、プラズマフィルタがない場合に比べて減少す
る。その結果、イオンビームのイオン電流密度を従来の
下限よりも更に小さくすることができる。
の一例をその電源と共に示す断面図である。図6の従来
例と同一または相当する部分には同一符号を付し、以下
においては当該従来例との相違点を主に説明する。
ラズマソース部10の出口付近に、即ち引出し電極系2
0を構成する最プラズマ側の第1電極21の上部付近
に、当該第1電極21にほぼ平行に、プラズマソース部
10(より具体的にはそれを構成するプラズマ室容器
4)と同電位であって多孔のプラズマフィルタ38を配
置している。このプラズマフィルタ38の平面的な大き
さは、少なくとも第1電極21の孔21aが設けられた
領域を覆う大きさをしていれば良いが、この実施例では
第1電極21とほぼ同じ大きさをしている。
実施例では固定であるが、可動にしても良く、可動にす
る場合は図3〜図5を参照して後述する。このプラズマ
フィルタ38は、プラズマ室容器4に固定しても良い
し、プラズマ室容器4のフランジ48に固定しても良い
し、その下の高電圧フランジ50に固定しても良い。
例のように多数の孔38aを有する多孔板でも良いし、
メッシュ(網)でも良い。メッシュも、多数の小孔を有
しているので多孔と言える。多孔板の場合の孔38a
は、丸孔に限らず、長孔またはスリットでも良い。この
孔38aは、後述する実施例の場合と違って、その位置
や形状等を必ずしも第1電極21の孔21aと対応させ
る必要はないが、プラズマフィルタ38の面内にできる
だけ一様に配置するのが好ましく、そのようにすれば第
1電極21に均一性良くプラズマ14を到達させること
ができる。
ると、プラズマソース部10で生成されたプラズマ14
は、プラズマフィルタ38の孔38aを通して第1電極
21に達し、そこに達したプラズマ14中のイオンが引
出し電極系20によってイオンビーム28として引き出
される。この第1電極21に達するプラズマ14の量
は、プラズマフィルタ38によって制限されるので、第
1電極21に達するプラズマ14の密度は、プラズマフ
ィルタ38がない場合に比べて減少する。具体的には、
第1電極21に到達するプラズマ14の量は、プラズマ
フィルタ38の開口率、および、プラズマフィルタ38
の各孔38aから見た第1電極21の各孔21aの立体
角によって調整することができる。例えば、プラズマフ
ィルタ38の開口率を小さく、かつ上記立体角を小さく
するほど、第1電極21に達するプラズマ14の密度を
小さくすることができる。従ってこのようなプラズマフ
ィルタ38を設けることによって、イオン源2aから引
き出すイオンビーム28のイオン電流密度を従来の下限
よりも更に小さくすることができる。
少量注入を行う場合に注入時間を長くすることができる
ので、所定量の注入を行う場合の制御性および再現性が
向上する。
示した構造のイオン源2aにおいて、プラズマフィルタ
38として開口率が約50%のメッシュを使用し、イオ
ン源ガスに5%PH3/H2 を用い、引出し電源32の
出力電圧を500Vにし、イオンビーム28を70ke
Vのエネルギーで引き出した場合のイオン電流密度の高
周波電力依存性を測定した結果を図2に示す。同図中の
従来例は、プラズマフィルタ38を設けない以外は上記
実施例と同条件下の測定結果を示す。
て、イオン電流密度がほぼ半減していることが分かる。
また、図2中の破線は、投入電力が小さ過ぎてイオンビ
ーム28の引出しが不安定または困難になる領域を示し
ており、実施例では、従来例の下限よりも更に小さいイ
オン電流密度で安定してイオンビーム28を引き出すこ
とができることが分かる。
電圧を上述したように500Vにしたが、それを更に小
さくすれば、イオン電流密度を更に小さくすることがで
きる。
実施例を図3〜図5を参照して説明する。
は、第1電極21の孔21aに対応する、即ち孔21a
と同じ配置かつ平面形状がほぼ同形状の孔38aを有す
るものを用いる。そのようにするのは、プラズマフィル
タ38を後述するように駆動することによって、プラズ
マフィルタ38の各孔38aから見た、第1電極21の
当該孔38aに対応する孔21aの立体角を大小に変化
させることができるからである。その場合、プラズマフ
ィルタ38の各孔38aは、第1電極21の各孔21a
より幾分大き目にしておくのが好ましく、その理由につ
いては後述する。
を、図3〜図5中に矢印Aで示すように、第1電極21
に対してほぼ平行状態を保ったままで斜め方向に上下さ
せるフィルタ駆動機構40を設けている。
ィルタ38を支持する支持金具42と、この支持金具4
2に接続されていてプラズマ室容器4のフランジ48を
斜めに貫通している軸44と、この軸44が貫通する部
分を真空シールするパッキン45と、軸44を矢印Aに
示すようにその軸方向にスライドさせる駆動源46とを
備えている。
良いけれども、エアシリンダを用いるのが好ましい。こ
れは、駆動源46はプラズマソース部10と同電位の高
電位部に設置されることになるが、エアシリンダ用の空
気系統の電気絶縁は、電気系統よりも簡単に行うことが
できるからである。
て、プラズマフィルタ38を第1電極21に対してほぼ
平行状態を保ったままで斜め方向に上下させることによ
って、例えば図5に示すように、プラズマフィルタ38
の孔38aの中心から見た、第1電極21の当該孔38
aに対応する孔21aの立体角を連続して変化させるこ
とができる。
例えば図5中に実線で示すように、プラズマフィルタ3
8の孔38aと第1電極21の孔21aとの平面的な重
なりが大きくなり、プラズマフィルタ38の孔38aか
ら見た第1電極21の孔21aの立体角は大きくなる。
その結果、プラズマフィルタ38の孔38aを通過して
第1電極21の孔21aに到達するプラズマは多くなる
ので、高電流密度のイオンビーム28を引き出すことが
可能になる。
ルタ38の各孔38aを第1電極21の各孔21aより
幾分大き目にしておくと(図5参照)、プラズマフィル
タ38をそれが第1電極21に重なる程度に下げた場
合、プラズマフィルタ38がその下の第1電極21の孔
21aを全く塞がなくなり、上のプラズマソース部10
からのプラズマ14が第1電極21の孔21aに到達す
るのを殆ど妨げなくなるので、プラズマフィルタ38を
設けていない場合と同程度に高い電流密度のイオンビー
ム28を引き出すことが可能になる。
図5中に2点鎖線で示すように、プラズマフィルタ38
の孔38aと第1電極21の孔21aとの平面的な重な
りが小さくなり、プラズマフィルタ38の孔38aから
見た第1電極21の孔21aの立体角は小さくなる。そ
の結果、プラズマフィルタ38の孔38aを通過して第
1電極21の孔21aに到達するプラズマは少なくなる
ので、図1に示した実施例の場合と同様に、低電流密度
のイオンビーム28を引き出すことが可能になる。
ルタ38を上記のように駆動することによって、同じイ
オン源で、低電流密度から高電流密度までのイオンビー
ムの引出しが可能になる。
般的に、高密度注入で1015個/cm2 〜1016個/c
m2 、少量注入で1012個/cm2 〜1013個/cm2
である。従って、同じイオン源を用いて、同程度の注入
時間で、高濃度注入および少量注入を行うためには、イ
オンビームのイオン電流密度を3桁程度変化させる必要
があるが、そのためには、単純には、プラズマを生成す
るための投入電力をWオーダーからkWオーダーまで変
化させ、しかもいずれの状態においてもプラズマを安定
に維持することが必要であり、これは通常は極めて困難
である。
マフィルタ38を上記のように上下させることと、プラ
ズマ生成のための投入電力を増減させることとを併用す
ることができるので、同じイオン源で、高濃度注入から
少量注入まで、例えば上述したように3桁程度の注入量
の変化に、容易に対応することができる。従って、使用
目的を容易に切り替えることができる。
電流密度用(高濃度注入用)と低電流密度用(少量注入
用)とに複数台使用している場合に、上記のようにイオ
ン電流密度を容易に切り替えることができるので、各イ
オン源を相互にバックアップ用として使用することがで
きる。
ように高周波放電によってガスを電離させてプラズマ1
4を生成する方式のものに限定されるものではなく、そ
れ以外の方式のもの、例えばマイクロ波放電によってガ
スを電離させてプラズマを生成する方式のもの、あるい
は直流のアーク放電によってガスを電離させてプラズマ
を生成する方式のもの等でも良い。
ので、次のような効果を奏する。
第1電極に達するプラズマの量をプラズマフィルタによ
って制限して、第1電極に達するプラズマの密度を減少
させることができるので、イオンビームのイオン電流密
度を従来の下限よりも更に小さくすることができる。
注入を行う場合の注入時間を長くすることができるの
で、所定量の注入を行う場合の制御性および再現性が向
上する。
オンビーム引出しが可能になるだけでなく、プラズマフ
ィルタをフィルタ駆動機構によって前記のように駆動す
ることによって、同じイオン源で、低電流密度から高電
流密度までの広範囲なイオン電流密度のイオンビームの
引出しが可能になる。
ら少量注入までに容易に対応することができ、使用目的
を容易に切り替えることができる。また、この発明のイ
オン源を高電流密度用と低電流密度用とに複数台使用し
ている場合に、上記のようにイオン電流密度を容易に切
り替えることができるので、各イオン源を相互にバック
アップ用として使用することができる。
に示す断面図である。
密度の測定結果の一例を示す図である。
る。
の第1電極の孔とプラズマフィルタの孔との関係の一例
を拡大して示す断面図である。
面図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 ガスが導入されそれを放電によって電離
させてプラズマを生成するプラズマソース部と、このプ
ラズマソース部の出口付近に設けられていてプラズマソ
ース部内のプラズマからイオンビームを引き出すもので
あって1枚以上の多孔電極で構成された引出し電極系と
を備えるイオン源において、前記引出し電極系を構成す
る最プラズマ側の第1電極の上部付近に当該第1電極に
ほぼ平行に、前記プラズマソース部と同電位であって多
孔のプラズマフィルタを配置したことを特徴とするイオ
ン源。 - 【請求項2】 前記プラズマフィルタが前記第1電極の
孔と同じ配置かつ平面形状がほぼ同形状の孔を有してお
り、かつこのプラズマフィルタを前記第1電極に対して
ほぼ平行状態を保ったままで斜め方向に上下させるフィ
ルタ駆動機構を更に備える請求項1記載のイオン源。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30696895A JP3509343B2 (ja) | 1995-10-30 | 1995-10-30 | イオン源 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30696895A JP3509343B2 (ja) | 1995-10-30 | 1995-10-30 | イオン源 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH09129150A JPH09129150A (ja) | 1997-05-16 |
JP3509343B2 true JP3509343B2 (ja) | 2004-03-22 |
Family
ID=17963441
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP30696895A Expired - Fee Related JP3509343B2 (ja) | 1995-10-30 | 1995-10-30 | イオン源 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3509343B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100518528B1 (ko) * | 1999-06-15 | 2005-10-04 | 삼성전자주식회사 | 2차 전자의 영향을 감쇄시킬 수 있는 이온주입장치의 이온소오스부 |
JP4491797B2 (ja) * | 2007-06-01 | 2010-06-30 | 株式会社Ihi | イオン注入装置 |
JP2011065968A (ja) * | 2009-09-18 | 2011-03-31 | Ulvac Japan Ltd | イオンビーム照射装置 |
JP6721486B2 (ja) * | 2016-10-18 | 2020-07-15 | 東京エレクトロン株式会社 | イオンビーム照射装置及び基板処理装置 |
-
1995
- 1995-10-30 JP JP30696895A patent/JP3509343B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH09129150A (ja) | 1997-05-16 |
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