JP6721486B2 - イオンビーム照射装置及び基板処理装置 - Google Patents

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Description

本開示は、イオンビーム照射装置及び基板処理装置に関する。
特許文献1には、低エネルギーの複数のイオンビームを照射するための電極構造が開示されている。この電極は、複数のアパーチャを有する3枚の金属電極板をイオンビームの照射方向に重ねて構成されている。
特開2007−173069号公報
特許文献1記載の電極構造のように、バケット型と呼ばれる大きなビームサイズ(例えば100mmφ〜500mmφ程度)を引き出すためのイオン源においては、素性の良いイオンビームを引き出すための様々な条件により、複数のアパーチャ(多孔)を用いたビーム引き出しが行われている。ここで、半導体デバイスの集積密度の向上に伴い、イオンビームの方向性を制御することが要求されている。イオンビームの方向性の制御は、単一のアパーチャ(単一の孔)から引き出した細いビームの場合には、ビームが通る空間に電場又は磁場を形成することにより実現することができる。
しかしながら、複数のアパーチャ(多孔)から引き出された複数のイオンビームからなる大きなビームの場合、イオンビーム全体の方向性の制御が困難となる。例えば、電場を利用する場合、それぞれのオンビームには引き出されたアパーチャの位置に応じた加減速の影響が与えられるため、イオンビーム全体の形状及び方向性の制御が困難である。これに対し、磁場を利用する場合、イオンビームが通る空間全体に均一な分布の磁場を形成することができれば、イオンビーム全体の方向性を制御することができる。しかしながら、周辺磁場を考慮しながらビームが通る空間全体に均一な分布の磁場を厳密に形成することは容易ではなく、コストもかかる。
さらに、半導体デバイスの集積密度の向上に伴い、イオンビームにより材料に励起される損傷を抑えることも要求されている。これに対して、低エネルギー(例えば30〜300eV)のイオンビームを用いることで材料の損傷を抑えることができる。しかしながら、低エネルギーのイオンビームは、高エネルギー(例えば1000ev以上)のイオンビームに比べて、残留ガスとの衝突、及び、イオン同士の斥力が与える影響などが顕著となり、イオンビームの方向性を制御することが困難である。つまり、上述した複数のアパーチャから引き出されたイオンビームを低エネルギーにする場合、イオンビーム全体の方向性の制御がより困難となる傾向にある。
本技術分野では、複数のアパーチャから引き出されたイオンビーム全体の方向性を簡易に制御することができるイオンビーム照射装置及び基板処理装置が望まれている。
本発明者は、複数のアパーチャから引き出されたイオンビーム全体の方向性を良好に制御するためには、プラズマからイオンビームを正確に引き出すこと、そして、正確に引き出したイオンビームに対してその方向性を制御することが重要であることを見出した。さらに、本発明者は、所定のグリッド電極のアパーチャの中心軸を他のグリッド電極のアパーチャの中心軸に対してビーム照射方向と直交する方向にオフセットさせ、オフセットさせたグリッド電極により電場を形成することにより、イオンビーム全体の方向を、オフセット方向とオフセット方向の逆方向との二方向にずらす(ステアリングする)ことができることを見出し、本発明をするに至った。
本発明の一側面に係るイオンビーム照射装置は、プラズマからイオンビームを引き出して照射するイオンビーム照射装置である。この装置は、複数の板状のグリッド電極、電源部、及び、制御部を備える。複数のグリッド電極は、ビーム照射方向に重ねて配置され、それぞれが複数のアパーチャを有する。電源部は、それぞれのグリッド電極へ電圧を印加する。制御部は、電源部によりそれぞれのグリッド電極へ印加される電圧を制御する。複数のグリッド電極は、プラズマからビーム照射方向に向けて1番目及び2番目に配置される第1グリッド電極及び第2グリッド電極、並びに、第2グリッド電極よりもビーム照射方向の下流側に配置された第3グリッド電極及び第4グリッド電極を順に有する。第1グリッド電極のアパーチャ及び第2グリッド電極のアパーチャの中心軸は、ビーム照射方向に沿って同軸である。第3グリッド電極のアパーチャの中心軸は、第1グリッド電極及び第2グリッド電極のアパーチャの中心軸に対してビーム照射方向と直交する方向にオフセットしている。
このイオンビーム照射装置では、プラズマ側に配置される第1グリッド電極及び第2グリッド電極のアパーチャの中心軸は同軸であるため、この装置は、第1グリッド電極及び第2グリッド電極のアパーチャの中心軸が一致しない場合に比べて良好な形状のビームを引き出すことができる。そして、この装置では、電圧印加が可能な第3グリッド電極のアパーチャの中心軸が第1グリッド電極及び第2グリッド電極のアパーチャの中心軸に対してビーム照射方向と直交する方向にオフセットしており、第3グリッド電極により形成される電場が制御部により制御される。このため、この装置は、良好な形状のビームを第3グリッド電極のオフセット方向とオフセット方向の逆方向との二方向にずらす(ステアリングする)ことができる。つまり、この装置は、複数のアパーチャからそれぞれ引き出されたイオンビームの収束特性に影響を与えることなく、かつ、電圧の制御のみでイオンビーム全体の方向性を制御することができる。よって、この装置は、複数のアパーチャから引き出されたイオンビーム全体の方向性を簡易に制御することができる。
一実施形態において、制御部は、複数のグリッド電極のうち、第3グリッド電極よりもビーム照射方向の上流側であって第3グリッド電極に最も近いグリッド電極と、第3グリッド電極との間に第1電位差を与えることにより、複数のアパーチャから照射される複数のイオンビームを第3グリッド電極のオフセット方向又はオフセット方向の逆方向に傾斜させてもよい。この場合、この装置は、第3グリッド電極に最も近い上流側のグリッド電極と、第3グリッド電極との間の第1電位差をパラメータとして、複数のアパーチャから引き出されたイオンビーム全体の方向を第3グリッド電極のオフセット方向又はオフセット方向の逆方向に制御することができる。
一実施形態において、制御部は、複数のイオンビームを第3グリッド電極のオフセット方向又はオフセット方向の逆方向に傾斜させる際の傾斜目標角度が大きいほど第1電位差を大きく制御してもよい。この場合、制御部は、複数のアパーチャから引き出されたイオンビーム全体の傾斜角度を、第1電位差をパラメータとして制御することができる。
一実施形態において、制御部は、イオンビームを第3グリッド電極のアパーチャの中心軸のオフセット方向に傾ける場合には、第1電位差を負とし、イオンビームを第3グリッド電極のアパーチャの中心軸のオフセット方向の逆方向に傾ける場合には、第1電位差を正としてもよい。この場合、制御部は、複数のアパーチャから引き出されたイオンビーム全体の傾斜方向を、第1電位差の正負をパラメータとして制御することができる。
一実施形態において、第4グリッド電極よりもビーム照射方向の下流側に配置された第5グリッド電極をさらに備え、第4グリッド電極のアパーチャの中心軸は、第1グリッド電極及び第2グリッド電極のアパーチャの中心軸に対してビーム照射方向と直交する方向であって、第3グリッド電極のアパーチャの中心軸のオフセット方向と交差する方向にオフセットしてもよい。この場合、第3グリッド電極のオフセット方向及び逆方向への傾斜方向制御だけでなく、第4グリッド電極のオフセット方向及び逆方向へ傾斜方向制御をすることができる。第4グリッド電極のオフセット方向は、第3グリッド電極のオフセット方向とは異なる方向であるため、この装置は、複数のアパーチャから引き出されたイオンビーム全体の傾斜方向を、ビーム照射方向と直交する平面内で自在に制御することができる。
一実施形態において、制御部は、複数のグリッド電極のうち、第4グリッド電極よりもビーム照射方向の上流側であって第4グリッド電極に最も近いグリッド電極と、第4グリッド電極との間に第2電位差を与えることにより、複数のアパーチャから照射される複数のイオンビームを第4グリッド電極のオフセット方向又はオフセット方向の逆方向に傾斜させてもよい。この場合、この装置は、第4グリッド電極に最も近い上流側のグリッド電極と、第4グリッド電極との間の第2電位差をパラメータとして、複数のアパーチャから引き出されたイオンビーム全体の方向を第4グリッド電極のオフセット方向又はオフセット方向の逆方向に制御することができる。
一実施形態において、制御部は、複数のイオンビームを第4グリッド電極のオフセット方向又はオフセット方向の逆方向に傾斜させる際の傾斜目標角度が大きいほど第2電位差を大きく制御してもよい。この場合、制御部は、複数のアパーチャから引き出されたイオンビーム全体の傾斜角度を、第2電位差をパラメータとして制御することができる。
一実施形態において、制御部は、イオンビームを第4グリッド電極のアパーチャの中心軸のオフセット方向に傾ける場合には、第2電位差を負とし、イオンビームを第4グリッド電極のアパーチャの中心軸のオフセット方向の逆方向に傾ける場合には、第2電位差を正としてもよい。この場合、制御部は、複数のアパーチャから引き出されたイオンビーム全体の傾斜方向を、第1電位差の正負をパラメータとして制御することができる。
本発明の他の側面に係る基板処理装置は、上述したイオンビーム照射装置と、イオンビーム照射装置のビーム照射方向に配置され、基板を保持する載置面を有する載置台と、を備える。この場合、この基板処理装置は、上述したイオンビーム照射装置と同一の効果を奏する。
一実施形態において、グリッド電極における複数のアパーチャが形成される領域は、載置面の面積よりも小さく、一方向に長い四角形であってもよい。この装置は、上述のとおり、イオンビームの照射方向を任意の方向に制御することができる。アパーチャが形成される領域を載置台全体に移動させることにより、任意の大きさの基板を処理することができる。
本発明の種々の側面及び一実施形態によれば、複数のアパーチャから引き出されたイオンビーム全体の方向性を簡易に制御することができるイオンビーム照射装置及び基板処理装置が提供される。
第1実施形態に係る基板処理装置の構成を示す概略断面図である。 グリッド電極の一例である。 グリッド電極のアパーチャの位置関係を説明する図である。 図1の基板処理装置の制御装置の機能ブロック図である。 イオンビームのステアリングのシミュレーション結果である。 ステアリング角と電位差との関係を示すシミュレーション結果である。 低エネルギーのイオンビームのステアリングのシミュレーション結果である。 低エネルギーのイオンビームのステアリングのシミュレーション結果である。 低エネルギーのイオンビームのステアリングのシミュレーション結果である。 第2実施形態に係るグリッド電極のアパーチャの位置関係を説明する図である。 イオンビームの傾斜方向をビーム照射方向に直交する平面内で制御するための電圧制御の一例である。 図11に示す電圧で制御した場合のイオンビームの照射位置を説明する図である。 アパーチャが形成された領域と載置台の載置面との関係を説明する図である。
以下、図面を参照して種々の実施形態について詳細に説明する。なお、各図面において同一又は相当の部分に対しては同一の符号を附すこととする。
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係る基板処理装置の構成を示す概略断面図である。図1に示される基板処理装置1は、基板にイオンビームを照射してエッチング処理をする装置である。基板処理装置1は、略円筒状の処理容器10を備えている。処理容器10は、例えば、その表面が陽極酸化処理されたアルミニウムから構成されている。この処理容器10は保安接地されている。処理容器10の内部空間は、仕切り11によって2つの空間に区画されている。上部の空間はプラズマが生成されるプラズマ室S1、下部の空間は、基板が処理される処理室S2である。処理容器10の下部には、処理容器10の内部を減圧する排気装置12が接続されており、プラズマ室S1及び処理室S2の圧力が所定の圧力に調整される。排気装置12は、例えば、ターボ分子ポンプなどの真空ポンプである。プラズマ室S1の圧力は真空計13により測定され、処理室S2の圧力は真空計14により測定される。
処理容器10の天井部20は、誘電体で形成されている。天井部20には、図示しないプラズマ生成用のコイルが設けられている。コイルには、高周波電源21が整合器22を介して接続されている。プラズマ室S1には、プラズマ生成用ガスのガス源15がマスフローコントローラ16を介して接続されている。ガス源15からプラズマ室S1にプラズマ生成用ガスが供給され、高周波電源21により高周波バイアスがコイルに印加されることで、プラズマ室S1にプラズマが生成される。
処理室S2の底部には、載置台30が配置されている。載置台30は、基板Wを保持する載置面を有する。載置台30には、電源31が接続されている。電源31は、直流電源であってもよいし、交流電源であってもよい。載置台30に電圧が印加され、基板Wにイオンを引き込むための電場が発生する。
プラズマ室S1と処理室S2とを区画する仕切り11には、プラズマからイオンビームを引き出して基板Wへ照射するグリッド電極40が配置されている。グリッド電極40は、複数の板状のグリッド電極40a〜40eで構成されている。複数のグリッド電極40a〜40eは、ビーム照射方向にそれぞれ離間して配置される。ビーム照射方向とは、プラズマ室S1から処理室S2へ向かう方向である(Z方向)。複数のグリッド電極40a〜40eそれぞれには、対応する電源部41(電源41a〜41e)が接続されており、グリッド電極40a〜40eごとに印加する電圧を変更可能に構成されている。電源部41は、交流であってもよいし、直流であってもよい。なお、図中の接続はグリッド電極40cと電源41cとの接続のみ記載し、他は省略している。これらの接続により、各グリッド電極間の電位差が独立に調整される。プラズマから引き出されたイオンビームのイオンは、グリッド電極間における電位差に応じて、グリッド電極間の空間において加速又は減速される。これにより、イオンビームの照射条件が調整され、調整された照射条件でイオンビームが基板Wに向けて照射される。
次に、グリッド電極40の詳細について説明する。図2は、グリッド電極40の一例である。図2の(A)は、プラズマからビーム照射方向に向けて1番目に配置される第1グリッド電極40aである。図2の(B)は、プラズマからビーム照射方向に向けて2番目に配置される第2グリッド電極40bである。図2の(C)は、第2グリッド電極40bよりもビーム照射方向の下流側に配置される第3グリッド電極40cである。図2の(D)は、第3グリッド電極40cよりもビーム照射方向の下流側に配置される第4グリッド電極40dである。図2の(E)は、第4グリッド電極40dよりもビーム照射方向の下流側に配置される調整グリッド電極40eである。図2に示される第1グリッド電極40a、第2グリッド電極40b、第3グリッド電極40c、第4グリッド電極40d、及び調整グリッド電極40eが順に重ねられてグリッド電極40が構成されている。なお、調整グリッド電極40eは設けなくてもよく、グリッド電極40は少なくとも4枚の電極板から構成されていればよい。
図2に示されるように、グリッド電極40a〜40eは、略円板状を呈し、それぞれ7つの貫通孔(アパーチャ)が形成されている。グリッド電極40a〜40eのアパーチャは円形である。図3は、グリッド電極のアパーチャの位置関係を説明する図である。図3に示されるように、複数のグリッド電極40a〜40eは、それぞれのアパーチャがビーム照射方向(Z方向)に重なるように配置されている。第1グリッド電極40aのアパーチャ及び第2グリッド電極40bのアパーチャの中心軸L3は、ビーム照射方向に沿って同軸である。ただし、図2に示されるように、第3グリッド電極40cのみ、照射方向に直交する平面内(XY平面内)において、他のグリッド電極に対してオフセットしている。図2の(B)〜(E)には、図2の(A)に示される第1グリッド電極40aの中心点を線L1及び線L2の交点で示している。第3グリッド電極40cは、第1グリッド電極40aに対してX方向に距離Kだけオフセットされている。また、調整グリッド電極40eとターゲットまでの距離は、5mm〜100mmに設定されている。
また、一実施形態においては、基板処理装置1は、制御装置100を更に備え得る。図4は、基板処理装置1の制御装置100の機能ブロック図である。図4に示されるように、制御装置100は、プロセッサなどの制御部101、メモリなどの記憶部102、入力装置、表示装置などの入出力部103、ネットワークカードなどの通信部などを備えるコンピュータであり、基板処理装置1の各部、例えば電源系やガス供給系、駆動系及び電源系等を、制御する。この制御装置100では、入力装置を用いて、オペレータが基板処理装置1を管理するためにコマンドの入力操作等を行うことができ、また、表示装置により、基板処理装置1の稼働状況を可視化して表示することができる。さらに、制御装置100の記憶部102には、基板処理装置1で実行される各種処理をプロセッサにより制御するための制御プログラムや、処理条件に応じて基板処理装置1の各構成部に処理を実行させるためのプログラム、即ち、処理レシピが格納される。
制御部101は、電源部41によりそれぞれのグリッド電極40a〜40eへ印加される電圧を制御する。第1グリッド電極40aは、プラズマ室に面しているため、プラズマ室S1と同電位とされる。第2グリッド電極40bは、プラズマ室S1からイオンビームを引き出すために、イオンが加速する電位差が第1グリッド電極40aと第2グリッド電極40bとの間で発生するように、電圧が印加される。形状の良好なイオンビームを引き出すための印加電圧は、プラズマ密度・電極の形状などによって決定される。
制御部101は、第3グリッド電極40cに印加する電圧を制御することで、第2グリッド電極(第3グリッド電極よりもビーム照射方向の上流側であって第3グリッド電極に最も近いグリッド電極の一例)と第3グリッド電極との間の電位差(第1電位差)を制御する。オフセットされた第3グリッド電極に電圧を印加して第1電位差を与えると、第2グリッド電極40bと第3グリッド電極40cとのアパーチャの中心がオフセットしているため、イオンビームに対して斜めに力が働く。これにより、イオンビームを傾斜させることができる。なお、第1電位差が大きいほどイオンビームに対して斜めに働く力も大きくなる。このため、制御部101は、複数のイオンビームを第3グリッド電極40cのオフセット方向又はオフセット方向の逆方向に傾斜させる際の傾斜目標角度が大きいほど第1電位差を大きく制御する。
制御部101は、イオンビームを第3グリッド電極40cのアパーチャの中心軸のオフセット方向に傾ける場合には、第1電位差を負とし、イオンビームを第3グリッド電極のアパーチャの中心軸のオフセット方向の逆方向に傾ける場合には、第1電位差を正とする。つまり、制御部101は、第1電位差の制御のみで、イオンビームの照射位置をオフセット方向に沿って一次元で制御することができる。なお、制御部101は、第4グリッド電極40d、調整グリッド電極40e及び載置台30へは、イオンビームに適宜の加減速を与える電圧を印加する。
上述したグリッド電極40、電源部41及び制御部101によって、イオンビーム照射装置が構成されている。
上述した知見を説明するために行ったシミュレーション結果を説明する。図5は、イオンビームのステアリングのシミュレーション結果である。図5では、第1グリッド電極40aのアパーチャ直径を3.5mmφ、第2グリッド電極40bのアパーチャ直径を4.0mmφ、第3グリッド電極40cのアパーチャ直径を5.2mmφ、第4グリッド電極40dのアパーチャ直径を5.2mmφ、調整グリッド電極40eのアパーチャ直径を8.0mmφとした。また、第1グリッド電極40aと第2グリッド電極40bとの間を2.5mm、第2グリッド電極40bと第3グリッド電極40cとの間を2.0mm、第3グリッド電極40cと第4グリッド電極40dとの間を2.0mmとした。プラズマ密度は1×1010/cm、プラズマ電位は26V、電子温度は2eV、第1グリッド電極40aへの印加電圧は0V、第2グリッド電極40bへの印加電圧は−600V、第4グリッド電極40dへの印加電圧は−500V、調整グリッド電極40eへの印加電圧は−700V、ターゲットへの印加電圧は−500Vとした。このときのイオンビームのエネルギーは500eVである。また、第3グリッド電極40cのオフセット量は、X方向に0.4mmとした。上記条件で、第3グリッド電極40cの電圧を変化させてイオンビームの方向性を検証した。
図5の(A)は、第3グリッド電極40cの電圧が0Vのときのイオンビームのシミュレーション結果である。図5の(A)では、第2グリッド電極40bを基準とした電位差は−600Vである。つまり、イオンが減速する電位差である。このとき、イオンビームは、オフセット方向に傾斜することが確認された。
図5の(B)は、第3グリッド電極40cの電圧が−200Vのときのイオンビームのシミュレーション結果である。図5の(B)では、第2グリッド電極40bを基準とした電位差は−400Vである。つまり、イオンが減速する電位差である。このとき、イオンビームは、オフセット方向に傾斜することが確認された。
図5の(C)は、第3グリッド電極40cの電圧が−400Vのときのイオンビームのシミュレーション結果である。図5の(C)では、第2グリッド電極40bを基準とした電位差は−200Vである。つまり、イオンが減速する電位差である。このとき、イオンビームは、オフセット方向に傾斜することが確認された。
図5の(D)は、第3グリッド電極40cの電圧が−600Vのときのイオンビームのシミュレーション結果である。図5の(D)では、第2グリッド電極40bを基準とした電位差は0Vである。つまり、イオンが加減速しない電位差である。このとき、イオンビームは、傾斜しないことが確認された。
図5の(E)は、第3グリッド電極40cの電圧が−800Vのときのイオンビームのシミュレーション結果である。図5の(E)では、第2グリッド電極40bを基準とした電位差は+200Vである。つまり、イオンが加速する電位差である。このとき、イオンビームは、オフセット方向の逆方向に傾斜することが確認された。
図5の(F)は、第3グリッド電極40cの電圧が−1000Vのときのイオンビームのシミュレーション結果である。図5の(F)では、第2グリッド電極40bを基準とした電位差は+400Vである。つまり、イオンが加速する電位差である。このとき、イオンビームは、オフセット方向の逆方向に傾斜することが確認された。
図6は、ステアリング角(傾斜角度)と電位差との関係を示すシミュレーション結果である。図6は、図5の傾斜角度と電位差とを一つのグラフに纏めた結果である。図6に示されるように、イオンビームを第3グリッド電極40cのアパーチャの中心軸のオフセット方向に傾ける場合には、第1電位差を負とし、イオンビームを第3グリッド電極40cのアパーチャの中心軸のオフセット方向の逆方向に傾ける場合には、第1電位差を正とすればよいことが確認された。さらに、電位差が大きくなるほど、傾斜角度が大きくなることが確認された。
図6のシミュレーション結果は、イオンビームのエネルギーが526eVのときの結果である。さらに低エネルギーのイオンビームにおいても、同様の傾向のシミュレーション結果となるか否かを検証した。図7〜図9は、低エネルギーのイオンビームのステアリングのシミュレーション結果である。図7〜図9では、グリッド電極40のアパーチャ直径、グリッド電極40の間隔、及び、第3グリッド電極40cのオフセット量は、図5のシミュレーションと同一とした。プラズマ密度は0.7×1010/cm、プラズマ電位は26V、電子温度は2eV、第1グリッド電極40aへの印加電圧は0V、第2グリッド電極40bへの印加電圧は−500V、第4グリッド電極40dへの印加電圧は−350V、調整グリッド電極40eへの印加電圧は−300V、ターゲットへの印加電圧は−70Vとした。このときのイオンビームのエネルギーは96eVである。上記条件で、第3グリッド電極40cの電圧を−300V、−100V及び−900Vとし、イオンビームの方向性を検証した。
図7の(A)は、第3グリッド電極40cの電圧を−300Vとしたときのイオンビームのシミュレーション結果、図7の(B)は、試料面(XY平面)におけるビーム電流密度(A/m)の分布であり、ビーム電流密度(0.00000A/m〜0.80000A/m)を等高線で示している。基準線SL1,SL2は、第1グリッド電極40aのアパーチャ直径の中心点を、試料面において示す線である。基準線SL1,SL2の交点が、第1グリッド電極40aのアパーチャ直径の中心点を試料面に投影した点に対応する。図7では、第2グリッド電極40bを基準とした電位差は−200Vである。つまり、イオンが減速する電位差である。このとき、図7の(A)に示されるように、イオンビームは、僅かであるがオフセット方向(X正方向)に傾斜することが確認された。また、図7の(B)に示されるように、ビーム電流密度分布によって表現されるビームスポット位置についても、基準線SL1よりも僅かにオフセット方向(X正方向)に位置していることが確認された。
図8の(A)は、第3グリッド電極40cの電圧を−100Vとしたときのイオンビームのシミュレーション結果、図8の(B)は、試料面(XY平面)におけるビーム電流密度(A/m)の分布であり、ビーム電流密度(0.00000A/m〜1.10000A/m)を等高線で示している。基準線SL1,SL2は、第1グリッド電極40aのアパーチャ直径の中心点を、試料面において示す線である。基準線SL1,SL2の交点が、第1グリッド電極40aのアパーチャ直径の中心点を試料面に投影した点に対応する。図8では、第2グリッド電極40bを基準とした電位差は−400Vである。つまり、イオンが減速する電位差である。このとき、図8の(A)に示されるように、イオンビームは、オフセット方向(X正方向)に傾斜することが確認された。また、図8の(B)に示されるように、ビーム電流密度分布によって表現されるビームスポット位置についても、基準線SL1よりもオフセット方向(X正方向)に位置していることが確認された。
図9の(A)は、第3グリッド電極40cの電圧を−900Vとしたときのイオンビームのシミュレーション結果、図9の(B)は、試料面(XY平面)におけるビーム電流密度(A/m)の分布であり、ビーム電流密度(0.00000A/m〜1.20000A/m)を等高線で示している。基準線SL1,SL2は、第1グリッド電極40aのアパーチャ直径の中心点を、試料面において示す線である。基準線SL1,SL2の交点が、第1グリッド電極40aのアパーチャ直径の中心点を試料面に投影した点に対応する。図9では、第2グリッド電極40bを基準とした電位差は400Vである。つまり、イオンが加速する電位差である。このとき、図9の(A)に示されるように、イオンビームは、オフセット方向とは逆方向(X負方向)に傾斜することが確認された。また、図9の(B)に示されるように、ビーム電流密度分布によって表現されるビームスポット位置についても、基準線SL1よりもオフセット方向とは逆方向(X負方向)に位置していることが確認された。
図7〜図9に示されるように、低エネルギーの場合であっても、イオンビームを第3グリッド電極40cのアパーチャの中心軸のオフセット方向に傾ける場合には、第1電位差を負とし、イオンビームを第3グリッド電極40cのアパーチャの中心軸のオフセット方向の逆方向に傾ける場合には、第1電位差を正とすればよいことが確認された。
以上、第1実施形態に係るイオンビーム照射装置及び基板処理装置1では、プラズマ側に配置される第1グリッド電極40a及び第2グリッド電極40bのアパーチャの中心軸は同軸であるため、この装置は、第1グリッド電極40a及び第2グリッド電極40bのアパーチャの中心軸が一致しない場合に比べて良好な形状のビームを引き出すことができる。そして、この装置では、電圧印加が可能な第3グリッド電極40cのアパーチャの中心軸が第1グリッド電極及び第2グリッド電極のアパーチャの中心軸に対してビーム照射方向と直交する方向にオフセットしており、第3グリッド電極40cにより形成される電場が制御部101により制御される。このため、このイオンビーム照射装置は、良好な形状のビームを第3グリッド電極のオフセット方向とオフセット方向の逆方向との二方向にずらす(ステアリングする)ことができる。つまり、このイオンビーム照射装置は、複数のアパーチャからそれぞれ引き出されたイオンビームの収束特性に影響を与えることなく、かつ、電圧の制御のみでイオンビーム全体の方向性を制御することができる。よって、このイオンビーム照射装置は、複数のアパーチャから引き出されたイオンビーム全体の方向性を簡易に制御することができる。
また、第1実施形態に係るイオンビーム照射装置及び基板処理装置1によれば、第2グリッド電極40bと第3グリッド電極40cとの間の第1電位差をパラメータとして、複数のアパーチャから引き出されたイオンビーム全体の方向を第3グリッド電極のオフセット方向又はオフセット方向の逆方向に制御することができる。
また、第1実施形態に係るイオンビーム照射装置及び基板処理装置1によれば、複数のアパーチャから引き出されたイオンビーム全体の傾斜角度を、第1電位差をパラメータとして制御することができる。
また、第1実施形態に係るイオンビーム照射装置及び基板処理装置1によれば、複数のアパーチャから引き出されたイオンビーム全体の傾斜方向を、第1電位差の正負をパラメータとして制御することができる。
[第2実施形態]
第2実施形態に係るイオンビーム照射装置及び基板処理装置は、第1実施形態に係るイオンビーム照射装置及び基板処理装置1と比べてグリッド電極40にさらに1枚のグリッド電極が追加され、第3グリッド電極40cだけでなく、第4グリッド電極40dもオフセットしている点が相違する。以下では、第1実施形態との相違点を中心に説明し、重複する記載は省略する。
図10は、第2実施形態に係るグリッド電極40のアパーチャの位置関係を説明する図である。図10に示されるように、第4グリッド電極40dよりもビーム照射方向の下流側であって、調整グリッド電極40eよりも上流側に、第5グリッド電極40fが配置されている。そして、第4グリッド電極40dのアパーチャの中心軸は、第1グリッド電極40a及び第2グリッド電極40bのアパーチャの中心軸L3に対してビーム照射方向と直交する方向であって、第3グリッド電極のアパーチャの中心軸のオフセット方向(X方向)と交差する方向(Y方向)にオフセットしている。
第4グリッド電極40dは、第3グリッド電極40cとオフセット方向のみが異なり、電圧印加によるイオンビームの方向性の制御については第3グリッド電極40cと同一である。つまり、制御部101は、第3グリッド電極40cと第4グリッド電極40dとの間に第2電位差を与えることにより、複数のアパーチャから照射される複数のイオンビームを第4グリッド電極40dのオフセット方向又はオフセット方向の逆方向に傾斜させる。また、制御部101は、第4グリッド電極40dのオフセット方向又はオフセット方向の逆方向に傾斜させる際の傾斜目標角度が大きいほど第2電位差を大きく制御する。さらに、制御部101は、イオンビームを第4グリッド電極40dのアパーチャの中心軸のオフセット方向に傾ける場合には、第2電位差を負とし、イオンビームを第4グリッド電極40dのアパーチャの中心軸のオフセット方向の逆方向に傾ける場合には、第2電位差を正とする。このように、第5グリッド電極40fを追加することで、第4グリッド電極40dをオフセットさせて任意の電圧を印加させることができるので、第3グリッド電極40cとは異なる方向への制御が可能となる。つまり、イオンビームの照射方向を二次元上の任意の位置に設定することができる。
図11は、イオンビームの傾斜方向をビーム照射方向に直交する平面内で制御するための電圧制御の一例である。図11に示される破線は第3グリッド電極40cの印加電圧、実線は第4グリッド電極40dの印加電圧である。このようなプロファイルは、記憶部102に予め記憶される。図12は、図11に示す電圧で制御した場合のイオンビームの照射位置を説明する図である。イオンビームを傾斜させない場合には、イオンビームは照射位置B1に照射される。これに対して、図11に示す周期をずらしたサインカーブとなる電圧を印加して制御した場合には、イオンビームの照射位置B2を図中矢印で示す方向に回転させることができる。つまり、電圧の大きさや周期を制御することで、イオンビームの照射方向を二次元上の任意の位置に設定することができる。
以上、第1実施形態に係るイオンビーム照射装置及び基板処理装置では、第1実施形態に係るイオンビーム照射装置及び基板処理装置と同一の効果を奏するとともに、複数のアパーチャから引き出されたイオンビーム全体の傾斜方向を、ビーム照射方向と直交する平面内で自在に制御することができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、各請求項に記載した要旨を変更しない範囲で変形し、又は他のものに適用したものであってもよい。
[変形例1]
上述した第1実施形態では、グリッド電極40が円形である場合を説明した。しかしながら、グリッド電極は円形に限定されず、長方形や正方形であってもよい。図13は、グリッド電極におけるアパーチャが形成された領域と載置台の載置面との関係を説明する図である。図13に示すように、本発明に係るイオンビームの方向制御の機能を用いることにより、グリッド電極における複数のアパーチャが形成される領域を載置面の面積よりも小さくすることができる。領域の形状としては、例えば一方向に長い四角形である。このように構成することにより、複数のアパーチャが形成される領域を基板のサイズに合わせて拡大させる必要がない。したがって、プラズマ室の真空度を適切に保つことができるとともに、任意の大きさの基板に機器構成を変更することなく対応することができる。
[変形例2]
上述した実施形態では、第3グリッド電極40cがプラズマからビーム照射方向に向けて3番目に配置され、第4グリッド電極40dがプラズマからビーム照射方向に向けて4番目に配置される例を説明したが、これに限定されない。つまり、第2グリッド電極40bと第3グリッド電極40cとの間、及び、第3グリッド電極40cと第4グリッド電極40dとの間に、任意の枚数のグリッド電極を挿入してもよい。
1…基板処理装置、10…処理容器、30…載置台、40,40a〜40f…グリッド電極、41…電源部、100…制御装置、101…制御部、102…記憶部。

Claims (8)

  1. プラズマからイオンビームを引き出して照射するイオンビーム照射装置であって、
    ビーム照射方向に重ねて配置され、それぞれが複数の円形のアパーチャを有する複数の板状のグリッド電極と、
    それぞれの前記グリッド電極へ電圧を印加する電源部と、
    前記電源部によりそれぞれの前記グリッド電極へ印加される電圧を制御する制御部と、
    を備え、
    前記複数のグリッド電極は、プラズマからビーム照射方向に向けて1番目及び2番目に配置される第1グリッド電極及び第2グリッド電極、前記第2グリッド電極よりもビーム照射方向の下流側に配置された第3グリッド電極及び第4グリッド電極、並びに、前記第4グリッド電極よりもビーム照射方向の下流側に配置された第5グリッド電極を順に有し、
    前記第1グリッド電極の複数の円形のアパーチャ及び前記第2グリッド電極の複数の円形のアパーチャの中心軸は、ビーム照射方向に沿って同軸であり、
    前記第3グリッド電極の複数の円形のアパーチャの中心軸は、前記第1グリッド電極及び前記第2グリッド電極の複数の円形のアパーチャの中心軸に対してビーム照射方向と直交する方向にそれぞれオフセットしており
    前記第4グリッド電極の複数の円形のアパーチャの中心軸は、前記第1グリッド電極及び前記第2グリッド電極の複数の円形のアパーチャの中心軸に対してビーム照射方向と直交する方向であって、前記第3グリッド電極の複数の円形のアパーチャの中心軸のオフセット方向と交差する方向にそれぞれオフセットしており、
    前記制御部は、前記複数のグリッド電極のうち、前記第4グリッド電極よりもビーム照射方向の上流側であって前記第4グリッド電極に最も近い前記グリッド電極と、前記第4グリッド電極との間に第2電位差を与えることにより、前記複数の円形のアパーチャから照射される複数のイオンビームを前記第4グリッド電極のオフセット方向又はオフセット方向の逆方向に傾斜させる、イオンビーム照射装置。
  2. 前記制御部は、前記複数のグリッド電極のうち、前記第3グリッド電極よりもビーム照射方向の上流側であって前記第3グリッド電極に最も近い前記グリッド電極と、前記第3グリッド電極との間に第1電位差を与えることにより、前記複数の円形のアパーチャから照射される複数のイオンビームを前記第3グリッド電極のオフセット方向又はオフセット方向の逆方向に傾斜させる、請求項1に記載のイオンビーム照射装置。
  3. 前記制御部は、複数のイオンビームを前記第3グリッド電極のオフセット方向又はオフセット方向の逆方向に傾斜させる際の傾斜目標角度が大きいほど前記第1電位差を大きく制御する請求項2に記載のイオンビーム照射装置。
  4. 前記制御部は、複数のイオンビームを前記第4グリッド電極のオフセット方向又はオフセット方向の逆方向に傾斜させる際の傾斜目標角度が大きいほど前記第2電位差を大きく制御する請求項に記載のイオンビーム照射装置。
  5. 前記制御部は、イオンビームを前記第4グリッド電極の複数の円形のアパーチャの中心軸のオフセット方向に傾ける場合には、前記第2電位差を負とし、イオンビームを前記第4グリッド電極の複数の円形のアパーチャの中心軸のオフセット方向の逆方向に傾ける場合には、前記第2電位差を正とする、請求項に記載のイオンビーム照射装置。
  6. 請求項1に記載のイオンビーム照射装置と、
    前記イオンビーム照射装置のビーム照射方向に配置され、基板を保持する載置面を有する載置台と、
    を備える基板処理装置。
  7. 前記グリッド電極における複数の円形のアパーチャが形成される領域は、前記載置台の前記載置面の面積よりも小さく、一方向に長い四角形である請求項に記載の基板処理装置。
  8. プラズマからイオンビームを引き出して照射するイオンビーム照射装置であって、
    ビーム照射方向に重ねて配置され、それぞれが複数のアパーチャを有する複数の板状のグリッド電極と、
    それぞれの前記グリッド電極へ電圧を印加する電源部と、
    前記電源部によりそれぞれの前記グリッド電極へ印加される電圧を制御する制御部と、
    を備え、
    前記複数のグリッド電極は、プラズマからビーム照射方向に向けて1番目及び2番目に配置される第1グリッド電極及び第2グリッド電極、前記第2グリッド電極よりもビーム照射方向の下流側に配置された第3グリッド電極及び第4グリッド電極、並びに、前記第4グリッド電極よりもビーム照射方向の下流側に配置された第5グリッド電極を順に有し、
    前記第1グリッド電極のアパーチャ及び前記第2グリッド電極のアパーチャの中心軸は、ビーム照射方向に沿って同軸であり、
    前記第3グリッド電極のアパーチャの中心軸は、前記第1グリッド電極及び前記第2グリッド電極のアパーチャの中心軸に対してビーム照射方向と直交する方向にそれぞれオフセットしており、
    前記第4グリッド電極の複数のアパーチャの中心軸は、前記第1グリッド電極及び前記第2グリッド電極の複数のアパーチャの中心軸に対してビーム照射方向と直交する方向であって、前記第3グリッド電極の複数のアパーチャの中心軸のオフセット方向と交差する方向にそれぞれオフセットしており、
    前記制御部は、前記複数のグリッド電極のうち、前記第3グリッド電極よりもビーム照射方向の上流側であって前記第3グリッド電極に最も近い前記グリッド電極と、前記第3グリッド電極との間に第1電位差を与えることにより、前記複数のアパーチャから照射される複数のイオンビームを前記第3グリッド電極のオフセット方向又はオフセット方向の逆方向に傾斜させ、
    前記制御部は、イオンビームを前記第3グリッド電極のアパーチャの中心軸のオフセット方向に傾ける場合には、前記第1電位差を負とし、イオンビームを前記第3グリッド電極のアパーチャの中心軸のオフセット方向の逆方向に傾ける場合には、前記第1電位差を正と
    前記制御部は、前記複数のグリッド電極のうち、前記第4グリッド電極よりもビーム照射方向の上流側であって前記第4グリッド電極に最も近い前記グリッド電極と、前記第4グリッド電極との間に第2電位差を与えることにより、前記複数のアパーチャから照射される複数のイオンビームを前記第4グリッド電極のオフセット方向又はオフセット方向の逆方向に傾斜させる、
    イオンビーム照射装置。
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