JPH0581607A - 磁気記録装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ディジタルパルスデータを記録するものにお
いて、テープを効率良く使う。 【構成】 データ記録の前段階にて所定のディジタルパ
ルスデータをテープデッキ部の書き込みヘッドに送って
書き込みを行なうと同時にこのディジタルパルスデータ
を読出しヘッドによって読みだして前記ピーク検出復調
部へ送り、このピーク検出復調部から得たパルスデータ
より前記テープデッキ部の磁気記録用モータの回転数を
変化させ、隣り合った単独パルス波形の干渉が生じない
磁気記録スピードに設定する磁気記録スピードコントロ
ール部を設けた。 【効果】 実際にディジタルデータを記録するときに
は、磁気ヘッド及びテープの性能に応じて適切なテープ
速度を設定出来、ピークシフト現象の原因によるデータ
エラーを抑え、テープを効率よく使う事が出来る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、磁気テープなどの磁気
媒体へのディジタルデータ記録に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】図２の従来例（磁気テープ記録）のブロ
ック図を、図３の各部の信号波形を用いて説明する。ま
ず図２の制御部１１から記録するライトデータ（ディジ
タルパルスデータ）(a)が、ＦＭ方式（ＦＭ変調 , ＭＦ
Ｍ変調）によりフリップ・フロップ等により実記録デー
タ(b)にディジタルデータ変調部１２にて変調される。
そして書込み回路部１３は実記録データ(b)に対応して
テープデッキ部１４内の記録ヘッドに定電流(c)を流す
（＋／ー 方向）。

【０００３】この結果、テープデッキ部１４では磁気テ
ープ上にデータを書込み、テープ上には、テープ残留磁
気(d)が残る。この磁気テープを再生すると(e)に示すよ
うなヘッド読み出し電圧が出力される。このヘッド読み
出し電圧(e)は読み出し回路部１５に入力され増幅され
る。またライトデータ(a)より分かるように(e)のピーク
値がディジタルデータ(a)に対応しており、このため増
幅された読み出し電圧がピーク検出復調部１６に入力さ
れ、ここで(e)の増幅電圧を微分し、微分器出力(f)を得
さらにこの微分器出力(f)を０Ｖにてコンパレートした
出力が、コンパレート出力(g)である。このコンパレー
ト出力(g)の変化点にパルスを再現したものがリードデ
ータ(h)であり、このデータ(h)は制御部１１に伝わる。

【０００４】また以上の事により、隣接した書込みパル
スによるピークシフト現象を図４にしめす。図４は、記
録データが比較的短いパルス幅の方形波であり、この立
ち上がりと立ち下がりによって生じる単独パルス波形を
再生した場合の例である。図４において、読出し波形図
の中の破線で示す波形は、先のパルスデータと後のパル
スデータを個々に読んだ場合の仮想出力波形であり、実
線で示す波形が現実の読出し波形である。このように現
実の読出し波形は、隣の磁化反転が接近しているでこれ
との干渉が生じ、この二つの再生パルスのピークの間隔
が互いに広がるようにシフトする。例えばテープスピー
ドが遅く、テープ上の単位長さ当りの磁化反転数が多い
と、このような干渉が生じ易い。

【０００５】従来より、ディジタルデータ記録において
発生するピークシフト現象にたいしては、記録時にシフ
ト量に対応した補正を行なう方法があることは公知であ
る。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
たピークシフト補正方法は、一つのパルスディジタルデ
ータに対応した波形を完全に認識した上で様々なデータ
列におけるシフト量を把握しなければならず、さらにテ
ープの種類等による記録密度の違いも補正量が簡単に決
まらない要因となっており、実記録データに対する理想
的な補正が正しくできないという問題点を有していた。
この問題点は図４に示した例のピークシフト現象からも
理解出来る。

【０００７】本発明は以上の課題に鑑みてなされたもの
であり、このピークシフト現象の発生を抑える為にテー
プスピードを制御し、エラー率の低いディジタル記録を
提供することを目的としている。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、所定のディジタルパルスデータを発生する
制御部と、このディジタルパルスデータを実記録データ
に変調するためのディジタルデータ変調部と、変調され
た前記実記録データを基にテープデッキ部の記録ヘッド
に書き込み電流を流す書込み回路部と、実際に前記記録
ヘッドにより磁気媒体にデータを記録するテープデッキ
部と、前記テープデッキ部からの記録データの読み出し
を行う読み出し回路部と、読み出された波形からピーク
検出及びパルスデータに復調するピーク検出復調部とを
備えたものにおいて、データ記録の前段階にて前記所定
のディジタルパルスデータをテープデッキ部の書き込み
ヘッドへ送って書き込みを行なうと同時にこのディジタ
ルパルスデータを読出しヘッドによって読みだして前記
ピーク検出復調部へ送り、このピーク検出復調部から得
たパルスデータより前記テープデッキ部の磁気記録用モ
ータの回転数を変化させ、磁気記録スピードをコントロ
ールし、隣り合った単独パルス波形の干渉が生じない磁
気記録スピードに設定する磁気記録スピードコントロー
ル部を設けたものである。

【０００９】

【作用】本発明は上記構成により、データ記録の前段階
にて磁気記録スピードが隣り合った単独パルス波形の干
渉が生じない程度の速度に固定され、テープの性能に応
じて無駄の無い適切な記録密度を確保する事が出来ると
ともに、ピークシフト量を減らし、エラー率を低下させ
る事が出来る。

【００１０】具体的には図４に示した要因で図５のよう
な結果をしめす。そこで図５を用いてせつめいすると
(A)に示した単独波形で(T)に示したような実記録データ
を記録すると(B)の実線で示したような再生波形となり
ピーク検出復調されたディジタルビットデータは(F)の
ようにピークシフト現象が起こり(T)で示されたビット
の位置より広がってしまう。

【００１１】そこでピークシフトの原因となっている単
独波形の干渉を少なくするため、テープスピードをコン
トロールし単独波形を(A)から(C)になるようにしてその
結果実記録データ(T)に対して(D)のような読みだし波形
にして、最終的に取出されたディジタルビットデータが
(E)のように(T)に対応するようにテープスピードを決め
るものである。

【００１２】

【実施例】以下本発明の一実施例について、図面を参照
しながら説明する。図１は本発明の一実施例における磁
気記録装置の主要部の構成図である。

【００１３】図１に於いて、１はピークシフトの最も発
生しやすい特定パターンを発生させる制御部、２はディ
ジタルビットデータを実記録に適した信号となるように
変調するディジタルデータ変調部、３は変調された実記
録データ信号に応じた定電流ドライブをヘッドに行なう
書込み回路部、４はテープに記録再生を行なうテープデ
ッキ部、５は再生データを増幅する読み出し回路部、６
はピーク検出および復調を行なうピーク検出復調部、７
は復調データより記録スピードを調整するための記録ス
ピードコントロール部である。８はタイムドメインフィ
ルタである。

【００１４】以上のように構成された磁気記録装置につ
いて、以下マイクロカセットによる記録再生動作を例に
その主動作を説明する。

【００１５】まず最適テープスピードを設定するため、
マイクロカセットの標準スピード（2.4 cm/S）にて制御
部１より最小間隔のディジタルパルスパターンがディジ
タルデータ変調部２に入力される。

【００１６】ディジタルデータ変調部２ではディジタル
ビットデータから実記録ディジタルデータに変調され書
込み回路部３に伝わり書込み回路部３では変調されたデ
ータに応じてテープデッキ部４のヘッドに定電流を流
す。又、書き込まれた信号は同時にテープデッキ部４の
再生ヘッドによって読み出され、読み出された信号は読
み出し回路部５にて増幅される。

【００１７】読み出し回路部５から出力されたビットパ
ルス波形は図６及び図７の(A)に示したようなピーク値
に対して50%出力における幅がほぼ136μsとなる。図６
はマイクロカセットによる2.4cm/Sと4.8cm/Sのテープス
ピード記録波形（単独波形）を示す波形図、図７はビッ
トパルスのパルス幅による再生データの違いを示す説明
図である。

【００１８】図７の(B)は実記録波形の一例を示す。前
述同様に標準スピード（2.4 cm/s）でこの図７の(B)に
示した実記録波形を記録すれば、(D)のような再生波形
が読み出し回路部５より得られる。そしてピーク検出復
調部６にて微分され(E)の微分波形が得られ、最終的に
は(F)に表わされた信号が得られる。もしピークシフト
が生じた場合、図７の(F)に示すパルス波にはこのピー
クシフトの影響が残っている。

【００１９】図７の(F)に示すパルス波は、最小間隔デ
ィジタルビットデータにピーク検出復調部６で復調され
た上で記録スピードコントロール部７へ送られる。

【００２０】ところで、記録テープのスピードを増加さ
せていくと、次のような現象が生じる。例えばテープス
ピードが倍速スピード4.8cm/sにした時点で、図６及び
図７(a)で示したような波形すなわちピーク値に対して5
0%で91μsの幅を持つ単独波形となる。そして(d)に示し
たような波形すなわち両側のビットパルス波の影響を受
けない傾きのない部分が出来、その結果(e)に示したよ
うに２箇所のピークの間にサドル波形が生じた微分波形
が得られる。

【００２１】記録スピードコントロール部７では、上記
サドル波形に起因するパルス波、すなわち図７(f)にて
斜線に示したようなパルス波ｍの有無を検知している。
つまり、このパルス波ｍの発生が両パルス波の干渉がき
わめて小さくなったのを示す事に着目し、記録スピード
コントロール部７においてはこのパルス波ｍを検知し、
その検知出力に基づいて磁気記録用モータの回転速度制
御を行なっている。

【００２２】次に磁気記録用モータの回転速度制御につ
いて説明する。すなわち、起動後間もなくは比較的低速
で回転させ、パルス波ｍの有無を調べながら回転速度を
上げていく。つまりパルス波ｍが検出されていないなら
ばテープスピードを速くしていき、パルス波ｍが検出さ
れた時点にてテープスピードの増加を止め、テープスピ
ードを一定にし、以降のデータ読み書きの際にはこのよ
うに決定されたテープスピードで行なう。このように本
実施例は、再生パルスデータを監視しながら磁気記録ス
ピード（テープスピード）をコントロールする。

【００２３】またピーク検出復調部６で復調された復調
データ(f)はタイムドメインフィルタ８へ送られ、この
タイムドメインフィルタ８により斜線に示したパルス波
ｍが取り除かれ、(g)に示すディジタルビットデータが
得られる。

【００２４】

【発明の効果】以上のように本発明は、データ記録の前
段階にて所定のディジタルパルスデータをテープデッキ
部の書き込みヘッドに送って書き込みを行なうと同時に
このディジタルパルスデータを読出しヘッドによって読
みだして前記ピーク検出復調部へ送り、このピーク検出
復調部から得たパルスデータより前記テープデッキ部の
磁気記録用モータの回転数を変化させ、隣り合った単独
パルス波形の干渉が生じない磁気記録スピードに設定す
る磁気記録スピードコントロール部を設けたので、実際
にディジタルデータを記録するときには、磁気ヘッド及
びテープの性能に応じて適切なテープ速度を設定出来、
その結果最小間隔のデータにおいてもデータどうしの干
渉が殆ど出ない様にでき、ピークシフト現象の原因によ
るデータエラーを抑え、エラー率の低いディジタル記録
が可能となり、しかもテープ速度を適正に抑えて効率よ
く記録を行なう事が出来る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例の磁気記録装置の主要部の構
成を示すブロック図

【図２】従来の磁気記録装置の例を示すブロック図

【図３】読み書き時の各部信号波形図

【図４】干渉によるピークシフト例を示す波形図

【図５】磁気記録スピードの違いによるピークシフトの
違いを示す説明図

【図６】本発明の実施例のマイクロカセツトによるテー
プスピード記録波形を示す波形図

【図７】同実施例のビットパルスのパルス幅による再生
データを示す説明図

【符号の説明】

１ 制御部 ２ ディジタルデータ変調部 ３ 書込み回路部 ４ テープデッキ部 ５ 読み出し回路部 ６ ピーク検出復調部 ７ 記録スピードコントロール部 ８ タイムドメインフィルタ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 所定のディジタルパルスデータを発生す
   る制御部と、ディジタルパルスデータを実記録データに
   変調するためのディジタルデータ変調部と変調された前
   記実記録データに対して記録ヘッドに定電流を流す書込
   み回路部と実際に前記記録ヘッドにより磁気媒体にデー
   タを記録する記録部と前記 記録部からの記録データの
   読み出しを行う読み出し回路部と読み出された波形から
   ピーク検出及びパルスデータに復調するピーク検出復調
   部と前記ピーク検出復調部からのパルスデータより前記
   記録部の磁気記録スピードをコントロールし隣り合っ
   た単独波形の干渉が生じない磁気記録スピードに設定す
   る記録スピードコントロール部を有することを特徴とす
   る磁気記録装置。