JPH058048Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 考案の目的 （産業上の利用分野） この考案は、砥石を成形用金型等のワークにお
ける成形面等の加工面に沿つて一方向へ往復移動
させて、その加工面を研磨するようにした研磨機
にかかり、特にその研磨機における砥石の支持装
置に関するものである。

（従来の技術） 一般に、この種の研磨機においては、常に砥石
の研磨面がワークの加工面に沿うように、砥石が
それを往復移動させるための移動部材に対して傾
動し、かつ、研磨面と直交する軸線の回りで回動
可能に支持されている。

（考案が解決しようとする問題点） ところが、この砥石の傾動支持構成において、
砥石がその研磨面と直交する軸線の回りで回動さ
れると、特に、研磨面が四角形等の多角形である
砥石を使用している場合には、その砥石の回動に
伴い研磨面の角部が移動方向の前方に位置してワ
ークの加工面に局部的に接合し、砥石の移動に大
きな抵抗が加わつて、その移動に支障をきたすと
いう問題があつた。

考案の構成 （問題点を解決するための手段） この考案は、前記のような問題点に着目してな
されたものであつて、研磨機の移動体に取付けら
れた丸棒状体の支持棒の先端を、砥石支持台に刻
設した規制溝に嵌合するとともに、前記支持棒を
板ばねで押圧して規制溝内に弾性的に挾圧保持さ
せ、砥石をワークの加工面に対して傾動可能とな
し、かつ、砥石がその研磨面と直交する軸線のま
わりで回動するのを規制したものである。

（作用） 従つて、この考案においては、研磨面が四角形
などの多角形である砥石を使用した場合でも、そ
の砥石が研磨面と直交する軸線の回りで回動する
ことがなく、研磨面の角部がワークの加工面に局
部的に接合するのを確実に防止することができ、
しかも、砥石の研磨面がワークの加工面にそつた
状態で、砥石を支障なく円滑に傾動させることが
できる。

（第１実施例） 以下、この考案の第一実施例を第１〜３図に従
つて詳細に説明する。

さて、この実施例において支持アーム１は、図
示しない研磨機のフレームに適宜の支持機構を介
して左右方向、前後方向及び上下方向に移動可能
に装着されている。支持アーム１には支持筒２が
一対のピン３により傾動可能に支持され、その上
部にはエアモータ４が取付けられるとともに、下
部には下面を開放した箱体５が固定されている。
支持筒２内には回転軸６が軸受７を介して挿通支
持され、その上端にはエアモータ４のモータ軸４
ａが嵌合する嵌合孔６ａが形成されるとともに、
下端には一対の偏心ピン６ｂ，６ｃが突設されて
いる。

前記箱体５内の下端両側には前後一対のガイド
レール８が固定され、それらのガイドレール８間
には左右一対の移動体９，１０がそれぞれ同一方
向へ移動可能に支持されている。各移動体９，１
０上には作動アーム１１，１２がそれらの外端に
おいてピン１３，１４により回動可能に取付けら
れ、それらの内端には前記偏心ピン６ｂ，６ｃが
回転可能に嵌合されている。

前記各移動体９，１０の下部には丸棒状体の支
持棒１５が、移動体９，１０の移動方向に沿つて
延びるとともに中央において互いに交差するよう
に突設され、それらの先端には球体１６が固定さ
れている。

砥石１７は従来と同様砥石支持台としての貼着
台１７Ｂに貼着支持され、貼着台１７Ｂの上面に
は前記球体１６を収納する球面状凹部１８と、こ
の球面状凹部１８に連なる規制溝２０が凹設され
ている。この球面状凹部１８に前記した球体１６
を遊合させるとともに規制溝２０内に支持棒１５
の先端部分を嵌合し、貼着台１７Ｂに取付けた板
ばね１９で球体１６を押圧することにより、球体
１６と支持棒１５とは球面状凹部１８と規制溝２
０内に弾性的に挾圧保持されている。従つてこの
実施例では、砥石１７がその研磨面１７ａと直交
する軸線の回りで第４図の矢印方向へ回動するの
を規制され、又ワークの加工面に沿わせるように
傾動加工となつている。

次に、前記のように構成された研磨機について
作用を説明する。さて、この研磨機において支持
アーム１がフレーム上において任意の方向に移動
され、一対の砥石１７の研磨面１７ａがワーク上
の所定の加工面に対向された状態で、エアモータ
４の駆動に伴い回転軸６が回転されると、偏心ピ
ン６ｂ，６ｃの作用により作動アーム１１，１２
を介して両移動体９，１０がガイドレール８に沿
い互いに接近及び離間する方向へ往復移動され
る。その移動に伴い支持棒１５を介して一対の砥
石１７が左右対称的に接離移動され、それらの研
磨面１７ａによりワークの加工面を広範囲にわた
り効率的に研磨することができる。

この時、各砥石１７が支持棒１５に対し球体１
６を介して傾動可能に取着されているため、第１
図及び第２図に鎖線で示すように、各砥石１７の
研磨面１７ａがワークの加工面の傾斜状態におい
て任意の方向に傾斜し、常に研磨面１７ａがワー
クの加工面に沿つた状態に配置されて、研磨作業
を効率的に行うことができる。又、この実施例で
は、各砥石１７上の係合溝２０に支持棒１５の一
部が係合して、砥石１７が研磨面１７ａと直交す
る軸線の回りで回動されるのを阻止するようにな
つているため、第４図に鎖線で示すように、砥石
１７が回動されて研磨面１７ａの角部が移動方向
の前方に配置されるおそれは全くない。従つて、
研磨面１７ａの角部がワークの加工面に局部的に
接合することはなく、砥石１７が円滑に往復移動
されて、研磨作業をスムーズに行うことができ
る。

（第２実施例） 次に、この考案の第２実施例を第５図及び第６
図に従つて説明すると、この実施例においては支
持棒１５の下端に支持ブロツク２１が球体１６を
介して傾動可能に支持され、その支持ブロツク２
１に砥石１７を貼着した貼着台１７Ｂが一対のピ
ン２２を介して傾動可能に取着されるとともに、
支持ブロツク２１と砥石１７との間に中立位置保
持用の一対のばね２３が介装されており、前記支
持ブロツク２１と貼着台１７Ｂとにより本実施例
の砥石支持台が構成されている。そして、この実
施例では、球体１６を押圧するための板ばね１９
及び支持棒１５に係合する規制溝２０が支持ブロ
ツク２１上に設けられている。従つて、この実施
例においては、砥石１７が支持棒１５に対し一層
円滑に傾動されて、研磨作業を円滑且つ効率的に
行うことができるとともに、支持棒１５と規制溝
２０との係合により、砥石１７が研磨面１７ａと
直交する軸線の周りで回動するのを確実に防止す
ることができる。

（第３実施例） 次に、この考案の第３実施例を第７図及び第８
図に従つて説明すると、この実施例では砥石１７
上の規制溝２０内に支持棒１５の下端部が相対回
動可能に収容されている。そして、一対のストツ
プリング２４と係合溝２５との係合により支持棒
１５の軸線方向への相対移動が阻止されるととも
に、砥石１７上の板ばね１９により支持棒１５が
規制溝２０内に押圧保持されている。従つて、こ
の実施例においてはも、砥石１７が支持棒１５に
対し任意に傾動されて、研磨作業を円滑且つ効率
的に行うことができるとともに、砥石１７が研磨
面１７ａと直交する軸線の周りで回動されるのを
確実に防止することができる。

考案の効果 以上詳述したようにこの考案は、研磨面が四角
形などの多角形である砥石を使用した場合でも、
その砥石が研磨面と直交する軸線の周りで回動す
るおそれがなく、研磨面の角部がワークの加工面
に局部的に接合するのを確実に防止することがで
き、しかも、砥石の傾動によりその研磨面がワー
クの加工面に沿つた状態で、砥石を支承なく円滑
に移動させることができ、又前記のように構成が
簡単なため砥石の交換は板ばねを緩めて砥石支持
台を取り外せばよくきわめて容易に行なえるとい
う優れた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の第１実施例における研磨機
の砥石ヘツド部分の構成を示す部分断面図、第２
図は第１図のＡ−Ａ線における部分断面図、第３
図は第１図のＢ−Ｂ線における断面図、第４図は
砥石の支持構成を示す部分平面図、第５図はこの
考案の砥石支持装置の第２実施例を示す部分断面
図、第６図は第５図のＣ−Ｃ線における部分断面
図、第７図はこの考案の砥石支持装置の第３実施
例を示す部分断面図、第８図は第７図のＤ−Ｄ線
における断面図である。 １５……支持棒、１７Ｂ，２１……砥石支持
台、１９……板ばね、２０……規制溝。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 砥石１７をワークの加工面に沿つて一方向へ往
   復移動させて、その加工面を研磨するようにした
   研磨機において、 前記研磨機の移動体９，１０に取付けられた丸
   棒状体の支持棒１５の先端を、砥石支持台１７
   Ｂ，２１に刻設した規制溝２０に嵌合するととも
   に、前記支持棒１５を板ばね１９で押圧して規制
   溝２０内に弾性的に挾圧保持させ、砥石１７をワ
   ークの加工面に対して傾動可能となし、かつ、砥
   石がその研磨面１７ａと直交する軸線のまわりで
   回動するのを規制したことを特徴とする研磨機に
   おける砥石の支持装置。