JPH0580467A - ハロゲン化銀カラー写真感光材料 - Google Patents

ハロゲン化銀カラー写真感光材料

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JPH0580467A
JPH0580467A JP26864091A JP26864091A JPH0580467A JP H0580467 A JPH0580467 A JP H0580467A JP 26864091 A JP26864091 A JP 26864091A JP 26864091 A JP26864091 A JP 26864091A JP H0580467 A JPH0580467 A JP H0580467A
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JP
Japan
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group
general formula
chemical
coupler
formula
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JP26864091A
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Keiji Obayashi
慶司 御林
Atsuhiro Okawa
敦裕 大川
Naoki Saito
直樹 斎藤
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、優れた写真性を与え、色像堅牢性
並びに画質を改良したナロゲン化銀カラー写真感光材料
及びその処理方法に関する。 【構成】 支持体上に少なくとも1層の感光性ハロゲン
化銀乳剤層を有するハロゲン化銀カラー写真感光材料で
あって、下記化1に示される現像抑制剤放出化合物(C
B−2)及びイエローカプラーY−16を含有する。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規な現像抑制剤放出化
合物とイエローカプラーを併用することにより、優れた
写真性を与え、色像堅牢性ならびに画質を改良したハロ
ゲン化銀カラー写真感光材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ハロゲン化銀カラー写真感光材料(以下
単に感光材料と略称する)、特に撮影用感光材料におい
ては高感度で安定した写真性能を与え、得られる色画像
の画質(色再現性、粒状性、鮮鋭性)や色像堅牢性に優
れた感光材料が要望されている。
【0003】画質を改良する手段としては、例えば特開
昭51−146828号、同60−218645号、同
61−156127号、同63−37346号、特開平
1−280755号、同1−219747号、同2−2
30139号、ヨーロッパ特許公開348139号、同
354532号および同403019号に記載されてい
る現像抑制性化合物を2個のタイミング基を介して放出
する化合物が知られている。
【0004】また、カラー写真画像を形成するイエロー
カプラーとしては、ベンゾイルアセトアニリド系および
ピバロイルアセトアニリド系に代表されるアシルアセト
アニリド型カプラーが一般に知られ、用いられている。
【0005】これらベンゾイルもしくはピバロイルアセ
トアニリド系のイエローカプラーを使用し、上述の現像
抑制性化合物を2個のタイミング基を介して放出する化
合物を用いて画質改良や画質を損うことなく他の性能
(例えば処理安定性)を改良することが、例えば特開平
1−107256号、同1−205163号、同1−2
19747号、同2−16541号および特公平3−3
6205号公報に提案されている。
【0006】確かにこれら化合物をベンゾイルもしくは
ピバロイルアセトアニリド系カプラーと用いることによ
り、層間効果やエッジ効果が向上して画質がある程度改
良されることは認められる。しかし実質的に現像抑制性
化合物の放出が1段であること、またはその放出するタ
イミングや拡散性が好ましくないことにより、その効果
はまだまだ不充分なものであった。
【0007】さらに、イエローカプラーについてみたと
き、ベンゾイルアセトアニリド系イエローカプラーはピ
バロイルアセトアニリド系イエローカプラーに比較して
一般に現像時の芳香族第1級アミン現像薬酸化体とのカ
ップリング活性が高く、かつ生成するイエロー色素の分
子吸光係数がやや大きいが、イエロー色素の分光吸収特
性に劣り、色画像の堅牢性も劣るという欠点を有してい
る。これに対しピバロイルアセトアニリド系イエローカ
プラーはベンゾイルアセトアニリド系イエローカプラー
に比べイエロー色素の分光吸収特性および色画像堅牢性
に優るものの発色現像時の芳香族第1級アミン現像薬酸
化体とのカップリング反応性が低く、生成するイエロー
色素の分子吸光係数が低いという欠点を有する。
【0008】なお、ここでカプラーの高いカップリング
反応性と生成する色素の大きい分子吸光係数は、高い感
度、高い階調及び高い発色濃度を可能にし、いわゆる高
い発色性をもたらす。またイエロー色画像における優れ
た分光吸収特性とは、例えば分光吸収の長波長側の吸収
濃度が低く、緑領域の不要吸収の少ない吸収特性を意味
する。
【0009】したがって、生成する色素の高い分子吸光
係数による高い発色濃度を与え、色画像の優れた分光吸
収特性、優れた色画像の堅牢性を兼備し、前述の現像抑
制性化合物を放出するいわゆるDIR化合物により優れ
た画質改良効果を示すイエローカプラーの開発が望まれ
ていた。
【0010】上述のアシルアセトアニリド型カプラーに
対し、本発明のイエローカプラーと類似のマロンジアミ
ド型カプラーとして、例えば仏国特許第1,558,4
52号に記載がみられるが、該特許に公示されているカ
プラーは活性位が酸素原子を介して離脱する基を有して
いる、いわゆるO−離脱型2当量カプラーであり、かつ
拡散性のカプラーを主とするものである。さらにマロン
ジアミド型カプラーで機能性カプラーとしては、現像抑
制剤放出型(DIR)カプラーが、例えば特開昭52−
69624号に、マロンジアニリド型で米国特許第4,
149,886号、同第4,477,563号、特開平
2−250053号に記載されている。しかし、米国特
許第4,149,886号、同第4,477,563号
には具体的な本発明にかかわる化合物の記載はない。ま
たこの中にあって、特開昭52−69624号では具体
的な効果の記載がみられない。特開平2−250053
号ではマロンジアニリド型DIRカプラーと上述のベン
ゾイルアセトアニリド系カプラーの組み合せが記載され
ているが、先に述べたように発色濃度が低く、色像堅牢
性や色相などまだまだ満足できるものではない。しかも
上述の各特許に記載されているカプラーについては、使
用したときに一部改良の効果は見られるものの画像保存
性、特に高温・高湿下に保存した場合に堅牢性の低下が
まだ大きいという問題があり、イエロー色素の長波長側
(緑色域)の吸収濃度が高く色再現性を劣化するという
問題がある。また、なかにはカップリング活性が低く、
使用が困難であるという問題のあることもわかった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
のイエローカプラーにおいてはカラー現像主薬の酸化体
とのカップリング反応によって得られる発色色素の分子
吸光係数が小さいがために発色濃度が低く、また、カッ
プリング活性、色像堅牢性、色相などを同時に満足でき
るカプラーではなかった。さらに機能性カプラーにおい
ても安定した写真性能を得ることが困難であったり、画
質改良効果が不充分などの問題があった。それにこれら
のカプラーを併用しても上述の問題は解決されるもので
はない。
【0012】従って、本発明は発色性に優れ、安定した
写真性能を示し、かつ得られる色画像の堅牢性および画
質の改良されたハロゲン化銀カラー写真感光材料を提供
することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題は以下に述べる
手段(1)〜(2)により解決できた。
【0014】即ち、 (1)支持体上に少なくとも1層の感光性ハロゲン化銀
乳剤層を有するハロゲン化銀カラー写真感光材料におい
て、下記化6に示す一般式(I)および/または下記化
7に示す一般式(II)で表わされる化合物を含有し、か
つ、下記化8に示す一般式(1)および/または下記化
9に示す一般式(2)で表わされるカプラーを含有する
ことを特徴とするハロゲン化銀カラー写真感光材料。
【0015】
【化6】 一般式(I)中Aはカプラー残基または酸化還元基を表
わし、L1 およびL3 は2価のタイミング基を表わし、
2 は3価もしくはそれ以上の結合手を有するタイミン
グ基を表わし、PUGは写真性有用基を表わす。jとn
はそれぞれ独立に0、1または2を表わし、mは1また
は2を表わし、sはL2 の価数から1を引いた数であり
2以上の整数を表わす。またL1 、L2 もしくはL3
分子内に複数個存在するとき、それらは全て同じであっ
ても異なっていても良い。また複数個存在するPUGは
全て同じであっても異なっていても良い。
【0016】
【化7】 一般式(II)中、AとPUGは一般式(I)と同義であ
る。L4 は−OCO−基、−OSO−基、−OSO2
基、−OCS−基、−SCO−基、−SCS−基または
−WCR1112−基を表わす。ここでWは酸素原子、硫
黄原子または3級アミノ基(−NR13−)を表わし、R
11およびR12はそれぞれ独立に水素原子または置換基を
表わし、R13は置換基を表わす。またR11、R12及びR
13の各々が2価基を表わし、連結して環状構造を形成す
る場合も含む。L5 は共役系に沿った電子移動によりP
UGを放出する基もしくはL4 で定義される基を表わ
す。
【0017】
【化8】
【0018】
【化9】 一般式(1)及び(2)中、X1 およびX2 は各々アル
キル基、アリール基または複数環基を表し、X3 は>N
−とともに含窒素複素環基を形成する有機残基を表し、
Yはアリール基または複素環基を表し、Zは該一般式で
示されるカプラーが現像主薬酸化体と反応したとき離脱
する基を表す。 (2)下記化10に示す一般式(PA)で表わされるカ
プラーを含有することを特徴とする(1)または(2)
に記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料。
【0019】
【化10】 一般式(PA)中、R121 は水素原子、炭素数1〜4個
のアルキル基または塩素を表わし、−D−は−COO
−、−CONR122 −、または置換もしくは無置換のフ
ェニル基を表わし、−E−は置換もしくは無置換のアル
キレン基、フェニレン基またはアラルキレン基を示し、
−F−は−CONR122 −、−NR122 CONR
122 −、−NR122 COO−、−NR122 CO−、−O
CONR122 −、−NR122 −、−COO−、−OCO
−、−CO−、−O−、−S−、−SO2 −、−NR
122 SO2 −、または−SO2 NR122 −を表わす。R
122 は水素原子または置換または無置換の脂肪族基また
はアリール基を表わす。R122 は同一分子中に2個以上
あるときは、同じでも異なっていてもよい。Tは5−ピ
ラゾロンマゼンタカプラー残基を表わす。p、q、rは
0または1を表わす。ただし、p、q、rが同時に0で
ある事はない。
【0020】以下、本発明について説明する。
【0021】初めに前記一般式(I)および一般式(I
I)で表わされる化合物について詳しく述べる。
【0022】一般式(I)においてAは詳しくはカプラ
ー残基または酸化還元基を表わす。
【0023】Aで表わされるカプラー残基としては、例
えばイエローカプラー残基(例えばアシルアセトアニリ
ド、マロンジアニリドなどの開鎖ケトメチレン型カプラ
ー残基)、マゼンタカプラー残基(例えば5−ピラゾロ
ン型、ピラゾロトリアゾール型またはイミダゾピラゾー
ル型などのカプラー残基)、シアンカプラー残基(例え
ばフェノール型、ナフトール型、ヨーロッパ公開特許第
249,453号に記載のイミダゾール型または同30
4,001号に記載のピラゾロピリミジン型などのカプ
ラー残基)および無呈色カプラー残基(例えばインダノ
ン型またはアセトフェノン型などのカプラー残基)が挙
げられる。また、米国特許第4,315,070号、同
4,183,752号、同4,174,969号、同
3,961,959号、同4,171,223号または
特開昭52−82423号に記載のヘテロ環型のカプラ
ー残基であってもよい。
【0024】Aが酸化還元基を表わすとき、酸化還元基
とは、現像主薬酸化体によりクロス酸化されうる基であ
り、例えばハイドロキノン類、カテコール類、ピロガロ
ール類、1,4−ナフトハイドロキノン類、1,2−ナ
フトハイドロキノン類、スルホンアミドフェノール類、
ヒドラジド類またはスルホンアミドナフトール類が挙げ
られる。これらの基は具体的には例えば特開昭61−2
30135号、同62−251746号、同61−27
8852号、米国特許第3,364,022号、同3,
379,529号、同3,639,417号、同4,6
84,604号またはJ.Org.Chem.29,5
88(1964)に記載されているものである。
【0025】一般式(I)において、L1 は好ましくは
以下のものが挙げられる。 (1)ヘミアセタールの開裂反応を利用する基 例えば米国特許第4,146,396号、特開昭60−
249148号および同60−249149号に記載が
あり下記一般式(T−1)で表わされる基である。ここ
で*印は一般式(I)で表わされる化合物のAまたはL
1 と結合する位置を表わし、**印はL1 またはL2
結合する位置を表わす。 一般式(T−1) *−(W−CR11(R12))t −** 一般式(T−1)中、Wは酸素原子、イオウ原子または
−NR13−基を表わし、R11およびR12は水素原子また
は置換基を表わし、R13は置換基を表わし、tは1また
は2を表わす。tが2のとき、2つの−W−CR11(R
12)は同じものもしくは異なるものを表わす。R11およ
びR12が置換基を表わすときおよびR13の代表的な例は
各々R15基、R15CO−基、R15SO2 −基、R15(R
16)NCO−基またはR15(R16)NSO2 −基が挙げ
られる。ここでR15は脂肪族基、芳香族基または複素環
基を表わし、R16は水素原子、脂肪族基、芳香族基また
は複素環基を表わす。R11、R12及びR13の各々が2価
基を表わし、連結し、環状構造を形成する場合も包含さ
れる。一般式(T−1)で表わされる基の具体的例とし
ては下記化11〜13に示すような基が挙げられる。
【0026】
【化11】
【0027】
【化12】
【0028】
【化13】 (2)分子中求核置換反応を利用して開裂反応を起こさ
せる基 例えば米国特許第4,248,292号に記載のあるタ
イミング基が挙げられる。下記一般式(T−2)で表わ
すことができる。 一般式(T−2) *−Nu−Link−E−** 一般式(T−2)中、Nuは求核基を表わし、酸素原子
またはイオウ原子が求核種の例であり、Eは求電子基を
表わし、Nuより求核攻撃を受けて**印との結合を開
裂できる基でありLinkはNuとEとが分子内求核置
換反応することができるように立体的に関係づける連結
基を表わす。一般式(T−2)で表わされる基の具体例
としては例えば下記化14〜15に示すものである。
【0029】
【化14】
【0030】
【化15】 (3)共役系に沿った電子移動反応を利用して開裂反応
を起こさせる基。
【0031】例えば米国特許第4,409,323号、
同第4,421,845号、特開昭57−188035
号、同58−98728号、同58−209736号、
同58−209737号、同58−209738号に記
載があり、下記化16に示す一般式(T−3)で表わさ
れる基である。
【0032】
【化16】 一般式(T−3)中、*印、**印、W、R11、R12
よびtは前記一般式(T−1)について説明したのと同
じ意味を表わす。ただし、R11とR12とが結合してベン
ゼン環または複素環の構成要素となってもよい。また、
11もしくはR12とWとが結合してベンゼン環または複
素環を形成してもよい。また、Z1 とZ2 はそれぞれ独
立に炭素原子または窒素原子を表わし、xとyは0また
は1を表わす。Z1 が炭素原子のときxは1であり、Z
1 が窒素原子のときxは0である。Z2 とyとの関係も
1 とxとの関係と同じである。また、tは1または2
を表わし、tが2のとき2つの−〔Z1 (R11x =Z
2 (R12y 〕−は同じでも異なっていてもよい。また
**印に隣接する−CH2 −基は炭素数1ないし6のア
ルキル基またはフェニル基で置換されても良い。
【0033】以下化17〜20に一般式(T−3)の具
体例を挙げる。
【0034】
【化17】
【0035】
【化18】
【0036】
【化19】
【0037】
【化20】 (4)エステルの加水分解による開裂反応を利用する
基。
【0038】例えば西独公開特許第2,626,315
号に記載のある連結基であり以下の基が挙げられる。式
中*印および**印は一般式(T−1)について説明し
たのと同じ意味である。 一般式(T−4) *−OCO−** 一般式(T−5) *−SCS−** (5)イミノケタールの開裂反応を利用する基。
【0039】例えば米国特許第4,546,073号に
記載のある連結基であり、下記化21に示す一般式(T
−6)で表わされる基である。
【0040】
【化21】 一般式(T−6)中、*印、**印およびWは一般式
(T−1)において説明したのと同じ意味であり、R14
はR13と同じ意味を表わす。一般式(T−6)で表わさ
れる基の具体例としては下記化22に示す基が挙げられ
る。
【0041】
【化22】 一般式(I)においてL1 として好ましくは一般式(T
−1)〜(T−5)で示されるものであり、特に好まし
くは一般式(T−1)、(T−3)および(T−4)で
ある。
【0042】一般式(I)においてjは好ましくは0ま
たは1である。
【0043】一般式(I)においてL2 で示される基は
3価以上のタイミング基を表わし、好ましくは次の一般
式(T−L1 )もしくは(T−L2 )で表わされるもの
である。 一般式(T−L1 ) *−W−〔Z1 −(R11x =Z2 (R12y t −CH2 −** 一般式(T−L1 )中W、Z1 、Z2 、R11、R12
x、yおよびtは一般式(T−3)について説明したの
と同じ意味を表わす。また*印は一般式(I)中のA−
(L1 j −と結合する位置を、**印は−(L3 n
−PUGと結合する位置を表わす。ただし複数個存在す
るR11またはR12のうちの少なくとも1つは置換もしく
は無置換のメチレン基で−(L3 n −PUGと結合す
る基を表わす。
【0044】一般式(T−L1 )において好ましくはW
が窒素原子を表わす場合であり、さらに好ましくはWと
2 が結合して5員環を形成する場合であり、特に好ま
しくはイミダゾール、もしくはピラゾール環を形成する
場合である。
【0045】一般式(T−L2 ) *−N−(Z3 −**)2 一般式(T−L2 )中、*印と**印は一般式(T−L
1 )と同義である。Z3 基は置換もしくは無置換のメチ
レン基を表わし、2つのZ3 基は同じであっても異なっ
ていても良い。また2つのZ3 基が結合して環を形成し
ても良い。
【0046】下記化23〜29に一般式(T−L1 )お
よび(T−L2 )の具体例を挙げるが本発明はこれらに
限定されるものではない。
【0047】
【化23】
【0048】
【化24】
【0049】
【化25】
【0050】
【化26】
【0051】
【化27】
【0052】
【化28】
【0053】
【化29】 但し、ここで具体例に挙げた基はさらに置換基を有して
いてもよく、そのような置換基としては、例えば、アル
キル基(例えば、メチル、エチル、イソプロピル、t−
ブチル、ヘキシル、メトキシメチル、メトキシエチル、
クロロエチル、シアノエチル、ニトロエチル、ヒドロキ
シプロピル、カルボキシエチル、ジメチルアミノエチ
ル、ベンジル、フェネチル)、アリール基(例えば、フ
ェニル、ナフチル、4−ヒドロキシフェニル、4−シア
ノフェニル、4−ニトロフェニル、2−メトキシフェニ
ル、2,6−ジメチルフェニル、4−カルボキシフェニ
ル、4−スルホフェニル)、ヘテロ環基(例えば2−ピ
リジル、4−ピリジル、2−フリル、2−チエチル、2
−ピロリル)、ハロゲン原子(例えばクロロ、ブロ
モ)、ニトロ基、アルコキシ基(例えばメトキシ、エト
キシ、イソプロポキシ)、アリールオキシ基(例えばフ
ェノキシ)、アルキルチオ基(例えばメチルチオ、イソ
プロピルチオ、t−ブチルチオ)、アリールチオ基(例
えばフェニルチオ)、アミノ基(例えばアミノ、ジメチ
ルアミノ、ジイソプロピルアミノ)、アシルアミノ基
(例えばアセチルアミノ、ベンゾイルアミノ)、スルホ
ンアミド基(例えばメタンスルホンアミド、ベンゼンス
ルホンアミド)、シアノ基、カルボキシル基、アルコキ
シカルボニル基(例えばメトキシカルボニル、エトキシ
カルボニル)、アリールオキシカルボニル基(例えばフ
ェノキシカルボニル)もしくはカルバモイル基(例えば
N−エチルカルバモイル、N−フェニルカルバモイル)
が挙げられる。
【0054】中でも好ましくはアルキル基、ニトロ基、
アルコキシ基、アルキルチオ基、アミノ基、アシルアミ
ノ基、スルホンアミド基、アルコキシカルボニル基、お
よびカルバモイル基である。
【0055】また一般式(T−L1 )で**印に隣接す
る−CH2 −基は炭素数1ないは6のアルキル基または
フェニル基で置換されていても良い。
【0056】一般式(I)においてmは好ましくは1で
ある。
【0057】一般式(I)においてL3 で表わされる基
はL1 と同義である。
【0058】一般式(I)においてnは好ましくは0ま
たは1であり、特に好ましくは0である。
【0059】一般式(I)においてPUGで表わされる
写真性有用基は詳しくは、例えば現像抑制剤、色素、カ
ブラセ剤、現像薬、カプラー、漂白促進剤、定着促進剤
である。好ましい写真性有用基の例は米国特許第4,2
48,962号に記載のある写真性有用基(該特許中、
一般式PUGで表わされるもの)、特開昭62−493
53号に記載のある色素(該明細書中、カプラーより放
出される離脱基の部分)、米国特許第4,477,56
3号に記載のある現像抑制剤、および特開昭61−20
1247および特開平2−55号等に記載のある漂白促
進剤(該明細書中、カプラーより放出される離脱基の部
分)が挙げられる。本発明において、写真性有用基とし
て特に好ましいものは現像抑制剤である。
【0060】現像抑制剤として好ましくは下記化30〜
35に示す一般式(INH−1)〜(INH−13)で
表わされる基である。
【0061】
【化30】
【0062】
【化31】
【0063】
【化32】 一般式(INH−6)中R21は水素原子または、置換も
しくは無置換の炭化水素基(例えばメチル、エチル、プ
ロピル、フェニル)を表わす。
【0064】
【化33】
【0065】
【化34】
【0066】
【化35】 式中*は一般式(I)で表わされる化合物のL2 もしく
はL3 で表わされる基と結合する位置を表わす。
【0067】また**は置換基と結合する位置を表わ
し、置換基としては、例えば置換もしくは無置換の脂肪
族基、アリール基、ヘテロ環基が挙げられ、写真処理時
に処理液中で分解する基がこれら置換基中に含まれてい
ることが好ましい。
【0068】具体的に脂肪族基としては、例えばメチ
ル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシル、デシル、イ
ソブチル、t−ブチル、2−エチルヘキシル、2−メチ
ルチオエチル、ベンジル、4−メトキシベンジル、フェ
ネチル、1−メトキシカルボニルエチル、プロピルオキ
シカルボニルメチル、メトキシカルボニル、フェノキシ
カルボニル、2−(プロピルオキシカルボニル)エチ
ル、ブチルオキシカルボニルメチル、ペンチルオキシカ
ルボニルメチル、2−シアノエチルオキシカルボニルメ
チル、2,2−ジクロロエチルオキシカルボニルメチ
ル、3−ニトロプロピルオキシカルボニルメチル、4−
ニトロベンジルオキシカルボニルメチル、2,5−ジオ
キソ−3,6−ジオキサデシル、−CO2 CH2 CO2
100 で表わされる基が挙げられる。
【0069】ここでR100 は炭素数1ないし8の無置換
アルキル基を表わす。またアリール基としては、例えば
フェニル、ナフチル、4−メトキシカルボニルフェニ
ル、4−エトキシカルボニルフェニル、2−メチルチオ
フェニル、3−メトキシカルボニルフェニル、4−(2
−シアノエチルオキシカルボニル)−フェニルが挙げら
れる。
【0070】またヘテロ環基としては、例えば4−ピリ
ジル、3−ピリジル、2−ピリジル、2−フリル、2−
テトラヒドロピラニルが挙げられる。
【0071】これらの中でINH(現像抑制剤)として
好ましくは一般式(INH−1)、一般式(INH−
2)、一般式(INH−3)、一般式(INH−4)、
一般式(INH−9)および一般式(INH−12)で
表される基であり、特に好ましくは一般式(INH−
1)、一般式(INH−2)および一般式(INH−
3)で表される基である。
【0072】またINHと結合する置換基として好まし
くは脂肪族基または置換もしくは無置換のフェニル基で
ある。
【0073】一般式(I)においてsは好ましくは2で
ある。
【0074】一般式(I)で表わされる化合物として特
に好ましくは下記一般式(Ia)もしくは(Ib)で表
わされる化合物である。
【0075】一般式(Ia) A−(L1 j −W−〔Z1 (R11x =Z2 (R12y t −CH2 −PUG 一般式(Ib) A−L1 −N(Z3 −PUG)2 式中の記号は一般式(I)、(T−L1 )および(T−
2 )と同義である。一般式(Ia)においてjは0ま
たは1が好ましい。一般式(Ia)および(Ib)にお
いてL1 としては−OC(=O)−基が好ましく、また
PUGとしては現像抑制剤が好ましい。
【0076】但し複数の写真性有用基が異なる機能のも
のである場合、タイミング基は分子内求核置換を利用す
るものではない。
【0077】またここで写真性有用基の機能とは現像抑
制剤,色素、カブラセ剤、現像薬、カプラー、漂白促進
剤もしくは定着剤等が示す機能を意味する。
【0078】さらに、同一化合物中から放出される2つ
以上のPUGは同一現像抑制剤であることが特に好まし
い。
【0079】次に一般式(II)で表わされる化合物につ
いて説明する。一般式(II)においてAとPUGは一般
式(I)と同義である。L4 は−OCO−基、−OSO
−基、−OSO2 −基、−OCS−基、−SCO−基、
−SCS−基または−WCR1112−基を表わす。ここ
でW、R11およびR12は一般式(I)で表わされる化合
物のL1 の説明における一般式(T−1)中の定義と同
義である。
【0080】L4 が−WCR1112−基を表わすときの
好ましい例としてはWが酸素原子または3級アミノ基を
表わすときであり、さらに好ましくはL4 が−OCH2
−基またはWとR11もしくはR12が環を形成する基を表
わす場合である。
【0081】またL4 が−WCR1112−以外の基を表
わす場合好ましくは−OCO−基、−OSO−基、−O
SO2 −基であり、特に好ましくは−OCO−基であ
る。
【0082】L5 で表わされる基、共役系に沿った電子
移動でPUGを放出する基もしくはL4 で定義される基
を表わす。共役系に沿った電子移動によりPUGを放出
する基は一般式(I)のL1 の説明の中の一般式(T−
3)で表わされる基と同義である。L5 として好ましく
は共役系に沿った電子移動によりPUGを放出する基で
あり、さらに好ましくは窒素原子でL4 と結合しうる基
である。
【0083】一般式(II)で表わされる化合物のうち好
ましいものは下記化36に示す一般式(III)もしくは化
37に示す一般式(IV)で表わされる化合物である。
【0084】
【化36】 一般式(III)中Aは一般式(I)と同義である。R101
とR102 はそれぞれ独立に水素原子もしくは置換基を表
わす。R103 とR104 はそれぞれ独立に水素原子もしく
は置換基を表わす。INHは現像抑制能を有する基を表
わす。R105 は無置換のフェニル基もしくは1級アルキ
ル基またはアリール基以外の基で置換された1級アルキ
ル基を表わす。但しR101 〜R104 のうち少なくとも1
つは水素原子以外の置換基である。
【0085】
【化37】 一般式(IV)中、A、INH、およびR105 は一般式
(III)と同義である。
【0086】R111 、R112 およびR113 はそれぞれ水
素原子もしくは有機残基を表わし、R111 、R112 およ
びR113 の任意の2つが2価基となって連結し環を形成
しても良い。
【0087】まず、一般式(III)で表わされる化合物に
ついて更に詳しく説明する。
【0088】一般式(III)においてAは一般式(I)と
同義である。R101 およびR102 はそれぞれ独立に水素
原子もしくは置換基を表わす。置換基として具体的には
例えば、アリール基(例えばフェニル、ナフチル、p−
メトキシフェニル、p−ヒドロキシフェニル、p−ニト
ロフェニル、o−クロロフェニル)、アルキル基(例え
ばメチル、エチル、イソプロピル、プロピル、tert−ブ
チル、tert−アミル、イソブチル、sec-ブチル、オクチ
ル、メトキシメチル、1−メトキシエチル、2−クロロ
エチル)、ハロゲン原子(例えばフルオロ、クロロ、ブ
ロモ、ヨード)、アルコキシ基(例えばメトキシ、エト
キシ、イソプロピルオキシ、プロピルオキシ、tert−ブ
チルオキシ、イソブチルオキシ、ブチルオキシ、オクチ
ルオキシ、2−メトキシエトキシ、2−クロロエトキ
シ、ニトロメチル、2−シアノエチル、2−カルバモイ
ルエチル、または2−ジメチルカルバモイルエチル)、
アリールオキシ基(例えばフェノキシ、ナフトキシ、ま
たはp−メトキシフェノキシ)、アルキルチオ基(例え
ばメチルチオ、エチルチオ、イソプロピルチオ、プロピ
ルチオ、tert−ブチルチオ、イソブチルチオ、sec-ブチ
ルチオ、オクチルチオまたは2−メトキシエチルチ
オ)、アリールチオ基(例えばフェニルチオ、ナフチル
チオ、またはp−メトキシフェニルチオ)、アミノ基
(例えばアミノ、メチルアミノ、フェニルアミノ、ジメ
チルアミノ、ジエチルアミノ、ジイソプロピルアミノ、
またはフェニルメチルアミノ)、カルバモイル基(例え
ばカルバモイル、メチルカルバモイル、ジメチルカルバ
モイル、ジエチルカルバモイル、ジイソプロピルカルバ
モイル、エチルカルバモイル、イソプロピルカルバモイ
ル、tert−ブチルカルバモイル、フェニルカルバモイル
またはフェニルメチルカルバモイル)、スルファモイル
基(例えばスルファモイル、メチルスルファモイル、エ
チルスルファモイル、イソプロピルスルファモイル、フ
ェニルスルファモイル、オクチルスルファモイル、ジメ
チルスルファモイル、ジエチルスルファモイル、ジイソ
プロピルスルファモイル、ジヘキシルスルファモイル、
またはフェニルメチルスルファモイル)、アルコキシカ
ルボニル基(例えばメトキシカルボニル、プロピルオキ
シカルボニル、イソプロピルオキシカルボニル、tert−
ブチルオキシカルボニル、tert−アミルオキシカルボニ
ル、またはオクチルオキシカルボニル)、アリールオキ
シカルボニル基(例えばフェノキシカルボニルまたはp
−メトキシフェノキシカルボニル)、アシルアミノ基
(例えばアセチルアミノ、プロパノイルアミノ、ペンタ
ノイルアミノ、N−メチルアセチルアミノ、またはベン
ゾイルアミノ)、スルホンアミド基(例えばメタンスル
ホンアミド、エタンスルホンアミド、ペンタンスルホン
アミド、ベンゼンスルホンアミドまたはp−トルエンス
ルホンアミド)、アルコキシカルボニルアミノ基(例え
ばメトキシカルボニルアミノ、イソプロピルオキシカル
ボニルアミノ、tert−ブトキシカルボニルアミノまたは
ヘキシルオキシカルボニルアミノ)、アリールオキシカ
ルボニルアミノ基(例えばフェノキシカルボニルアミ
ノ)、ウレイド基(例えば3−メチルウレイド、または
3−フェニルウレイド)、シアノ基もしくはニトロ基が
挙げられる。
【0089】R101 とR102 は同じでも異なっていても
良いが、両者の式量の和が120未満であることが好ま
しい。また好ましい置換基としてはアルキル基、ハロゲ
ン原子、アルコキシ基が挙げられ、特に好ましくはアル
キル基である。
【0090】一般式(III)においてR103 とR104で表
わされる基はそれぞれ独立に水素原子もしくはアルキル
基を表わす。アルキル基としては例えばメチル、エチ
ル、イソプロピル、tert−ブチル、イソブチル、ヘキシ
ル、または2−メトキシエチルが挙げられる。R103
よびR104 として好ましくは水素原子、メチル基、もし
くはエチル基であり、特に好ましくは水素原子である。
【0091】一般式(III)においてR105 で表わされる
基は無置換のフェニル基もしくは1級アルキル基、また
はアリール基以外の基で置換された1級アルキル基を表
わす。アルキル基としては例えばエチル、プロピル、ブ
チル、イソブチル、ペンチル、イソペンチル、2−メチ
ルブチル、ヘキシル、2−メチルペンチル、3−メチル
ペンチル、4−メチルペンチル、2−エチルブチル、ヘ
プチル、またはオクチルが挙げられる。置換基として、
例えばハロゲン原子、アルコキシ基、アルキルチオ基、
アミノ基、カルバモイル基、スルファモイル基、アルコ
キシカルボニル基、アシルアミノ基、スルホンアミド
基、アルコキシカルボニルアミノ基、ウレイド基、シア
ノ基、ニトロ基、もしくは−CO2 CH2 CO2 106
で表わされる基が挙げられ、それぞれの基の具体例とし
ては例えばR101 およびR102 の置換基で挙げられるも
のの中でアリール基を含む基を除いたものが挙げられ
る。
【0092】ここでR106 は炭素数3ないし6の無置換
アルキル基(例えばプロピル、ブチル、イソブチル、ペ
ンチル、イソペンチル、ヘキシル)を表わす。
【0093】さらにR105 は2種類以上の置換基で置換
されていてもよい。R105 の置換基として好ましくはフ
ルオロ、クロロ、アルコキシ基、カルバモイル基、アル
コキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基、もしくは−
CO2 CH2 CO2 106 である。これらのうちで特に
好ましくはアルコキシカルボニル基、もしくは−CO2
CH2 CO2 106 基である。
【0094】またR105 として好ましくはフェニル基、
もしくは炭素数2ないし6の1級無置換アルキル基、ま
たは先程R105 の好ましい置換基として挙げた基により
置換された1級アルキル基である。特に好ましくは炭素
数3ないし5の1級無置換アルキル基またはアルコキシ
カルボニル基で置換された1級アルキル基である。
【0095】一般式(III)においてINHで表わされる
基は現像抑制能を有する基を表わし、その具体例は一般
式(I)のPUGの説明で挙げた一般式(INH−1)
〜(INH−13)である。その好ましい範囲等も一般
式(I)と同じである。
【0096】次に一般式(IV)で表わされる化合物につ
いて詳しく説明する。
【0097】まずR111 、R112 およびR113それぞれ
が水素原子もしくは1価の有機基を表わす場合について
説明する。
【0098】R112 およびR113 が1価の有機基を表わ
す場合、有機基としてはアルキル基(例えばメチル、エ
チル)もしくはアリール基(例えばフェニル)が好まし
い。R112 およびR113 として好ましくは少なくともい
ずれかが水素原子である場合であり、特に好ましくはR
112 とR113 が水素原子であるときである。
【0099】R111 は有機基を表わし、好ましくは、ア
ルキル基(例えばメチル、イソプロピル、ブチル、イソ
ブチル、tert−ブチル、sec-ブチル、ネオペンチル、ヘ
キシル)、アリール基(例えばフェニル)、アシル基
(例えばアセチル、ベンゾイル)、スルホニル基(例え
ばメタンスルホニル、ベンゼンスルホニル)、カルバモ
イル基(例えばエチルカルバモイル、フェニルカルバモ
イル)、スルファモイル基(例えばエチルスルファモイ
ル、フェニルスルファモイル)、アルコキシカルボニル
基(例えばエトキシカルボニル基、ブトキシカルボニ
ル)、アリールオキシカルボニル基(例えばフェノキシ
カルボニル、4−メチルフェノキシカルボニル)、アル
コキシスルホニル基(例えばブトキシスルホニル、エト
キシスルホニル)、アリールオキシスルホニル基(例え
ばフェノキシスルホニル、4−メトキシフェノキシスル
ホニル)、シアノ基、ニトロ基、ニトロソ基、チオアシ
ル基(例えばチオアセチル、チオベンゾイル)、チオカ
ルバモイル基(例えばエチルチオカルバモイル)、イミ
ドイル基(例えばN−エチルイミドイル基)、アミノ基
(例えばアミノ、ジメチルアミノ、メチルアミノ)、ア
シルアミノ基(例えばホルミルアミノ、アセチルアミ
ノ、N−メチルアセチルアミノ)、アルコキシ基(例え
ばメトキシ、イソプロピルオキシ)、またはアリールオ
キシ基(例えばフェノキシ)である。
【0100】またこれらの基は更に置換基を有していて
もよく、置換基としてはR111 として挙げた基のほか例
えばハロゲン原子(例えばフルオロ,クロロ,ブロ
モ)、カルボキシル基,スルホン基が挙げられる。
【0101】R111 としては水素原子以外の原子の数が
15以下であることが好ましい。
【0102】またR111 として更に好ましくは置換もく
しは無置換のアルキル基もしくはアリール基であり、特
に好ましくは置換もしくは無置換のアルキル基である。
【0103】次にR111 、R112 およびR113で表わさ
れる基において、これらのうち任意の2つが2価基とな
って連結し環を形成する場合について説明する。
【0104】形成する環の大きさとしては4ないし8員
環が好ましく、より好ましくは4ないし6員環を形成す
る場合である。
【0105】2価基として好ましくは、−C(=O)−
N(R114 )−、−SO2 −N(R114 )−、−(CH
2 3 −、−(CH2 4 −、−(CH25 −、−C
(=O)−(CH2 2 −、−C(=O)−N
(R114 )−C(=O)−、−SO2 −N(R114 )−
C(=O)−、−C(=O)−C(R114)(R115
−、−(CH2 2 −O−CH2 である。
【0106】ここでR114 およびR115 は水素原子もし
くはR111 が1価の有機基を表わす場合と同義であり、
114 とR115 は同じであっても、異なっていてもよ
い。
【0107】R111 、R112 、R113 のうち2価基とし
て参与しない残りの基は水素原子もしくは1価の有機基
を表わし、有機基の具体例等は環を形成しない場合に示
したR111 、R112 、R113 の場合と同じである。
【0108】R111 、R112 、R113 のうちの任意の2
つが結合し環を形成する場合、好ましくはR112 とR
113 のいずれかが水素原子であり、残りのR112 ないし
113 がR111 と環を形成する場合であり、更に好まし
くは先ほど挙げた2価基の左端が一般式(I)の窒素原
子と結合し、右端が炭素原子と結合する場合である。
【0109】またR111 、R112 、R113 として好まし
くは環を形成せず、それぞれが水素原子もしくは1価の
有機基を表わす場合である。
【0110】一般式(I)および(II)においてAとP
UGで表わされる基を除いた残基の式量は64以上24
0以下であることが好ましく、更に好ましくは70以上
200以下であり、特に好ましくは90以上180以下
である。
【0111】以下化38〜72に本発明の一般式(I)
〜(IV)で表わされる化合物の具体例を示すが本発明は
これらによって限定されるものではない。
【0112】なお、一般式(I)においてAがカプラー
残基を表わすものについては(CA)を頭につけた番号
で、一般式(II)〜(IV)においてAがカプラー残基を
表わすものについては(CB)を頭につけた番号で、一
般式(I)〜(IV)においてAが酸化還元基を表わすも
のについては(SA)を頭につけた番号で示した。
【0113】
【化38】
【0114】
【化39】
【0115】
【化40】
【0116】
【化41】
【0117】
【化42】
【0118】
【化43】
【0119】
【化44】
【0120】
【化45】
【0121】
【化46】
【0122】
【化47】
【0123】
【化48】
【0124】
【化49】
【0125】
【化50】
【0126】
【化51】
【0127】
【化52】
【0128】
【化53】
【0129】
【化54】
【0130】
【化55】
【0131】
【化56】
【0132】
【化57】
【0133】
【化58】
【0134】
【化59】
【0135】
【化60】
【0136】
【化61】
【0137】
【化62】
【0138】
【化63】
【0139】
【化64】
【0140】
【化65】
【0141】
【化67】
【0142】
【化68】
【0143】
【化69】
【0144】
【化70】
【0145】
【化71】
【0146】
【化72】 本発明の化合物の合成は例えば米国特許第484738
3号、同4770990号、同4684604号、同4
886736号、特開昭60−218645号、同61
−230135号、特願平2−37070号、同2−1
70832号、および同2−251192号に記載の方
法もくしは類似の方法を利用することができる。
【0147】以下に具体的合成例について述べる。 (合成例1) 例示化合物(CA−1)の合成 下記化73に示す合成ルートにより合成した。
【0148】
【化73】 CA−1a(3.40g)を塩化チオニル(30ml)中
60℃で1時間反応させた後、過剰の塩化チオニルを減
圧下留去した。この残渣をCA−1b(7.48g)と
ジイソプロピルエチルアミン(10.5ml)のジメチル
ホルムアミド溶液(0℃)に加え1時間攪拌した。その
後この溶液を水(500ml)中にあけ、生じた結晶を濾
取することによりCA−1cを粗結晶として9.8g得
た。構造はNMRにより確認した。
【0149】CA−1c(3.20g)とCA−1d
(1.38g)を1,2−ジクロロエタン(30ml)中
で1時間反応させた。そこに、CA−1e(3.20
g)の酢酸エチル(20ml)溶液を水冷下加え、続いて
ジイソプロピルエチルアミン(4.5ml)を加えた後1
時間攪拌した。
【0150】1規定塩酸で反応を止め、クロロホルム
(30ml)を加え反応液を希釈した。その後反応液を水
で3回水洗し、有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥した。
有機溶媒を留去して得られた油状物をシリカゲルカラム
クロマトグラフィー(酢酸エチル−ヘキサン=1:5)
にて精製することにより例示化合物CA−1を1.20
g得た。構造はNMRにより確認した。m.p.133.0
〜134.0℃。 (合成例2) 例示化合物(CA−12)の合成 下記化74に示す合成ルートにより合成した。
【0151】
【化74】 CA−12a(10.7g)と37%ホルマリン水溶液
(30ml)を酢酸(100ml)中、70℃で5時間反応
させた後、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィー(酢酸エチル−ヘキサン 2:
1)にて精製することによりCA−12bを6.4g
(収率53%)得た。
【0152】次にCA−12b(3.2g)とCA−1
2c(2.1g)をクロロホルム(40ml)に懸濁さ
せ、そこにヨウ化亜鉛(5.7g)を加え、室温で2時
間反応させた。1N塩酸で反応を止め、クロロホルム4
0mlで希釈した後、反応液を水で2回洗浄した。有機層
を硫酸ナトリウムで乾燥、濃縮後、得られた残渣をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル−ヘキサ
ン 1:4)にて精製することにより、例示化合物(C
A−12)を4.1g(収率25%)得た。構造はNM
R、マス、元素分析により確認した。 (合成例3) 例示化合物(CB−2)の合成 下記化75に示す合成ルートにより合成した。
【0153】
【化75】 CB−2a(10mmol)をクロロホルム(30ml)に、
懸濁させ、そこに塩化チオニル(20mmol)を加え50
℃で1時間反応させた後溶媒を留去する。ここで得られ
た残渣をCB−2b(10mmol)とジイソプロピルエチ
ルアミン(20mmol)のジメチルホルムアミド(30m
l)溶液に加え、1時間反応させた後、氷水(200m
l)中にあける。クロロホルム50mlに加え、攪拌した
後、水相を分離し、有機層を水(100ml)で更に2回
洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥し濃縮することによ
りCB−2cを得た。
【0154】得られたCB−2cをクロロホルム(30
ml)に溶かし、そこにクロロ炭酸ニトロフェニル(10
mmol)を加え1時間反応させた後、CB−2d(10mm
ol)の酢酸エチル(50ml)溶液を加え、更にジイソプ
ロピルエチルアミン(50mmol)を加えた後1時間反応
させる。1N塩酸(10ml)を加え、反応を止めた後、
酢酸エチル(10ml)で希釈する。有機層を水で洗浄
後、硫酸ナトリウムで乾燥、濃縮する。得られた残渣を
シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液:酢酸エ
チル−ヘキサン1:3)にて精製することにより例示化
合物CB−2を1.94g(23%収率)得る。m.p.1
01.5〜102.5℃。 (合成例4) 例示化合物CB−3の合成 下記化76に示す合成ルートにより合成した。
【0155】
【化76】 (CB−3a)を原料として例示化合物CB−2と同様
の方法により合成することができる。収率31%。m.p.
68.0−69.0℃。 (合成例5) 例示化合物(CB−11)の合成 下記化77に示す合成ルートにて合成した。
【0156】
【化77】 (CB−11a)200gと(CB−11b)34.7
gを酢酸エチル(500ml)に溶解し、そこにジイソプ
ロピルエチルアミン(142ml)を加え4時間攪拌し
た。析出した結晶を濾取し酢酸エチルで洗浄することに
より(CB−11c)を176g(75%)得た。
【0157】(CB−11c)53.6gとパラホルム
アルドヒド(27.9g)を1,2−ジクロロエタン
(500ml)と酢酸(54ml)の混合液中還流下4時間
反応させた。室温に冷却後反応液を水洗し、無水硫酸ナ
トリウムで乾燥後濃縮した。得られた残渣をクロロホル
ムを溶出液とするシリカゲルカラムクロマトグラフィー
により精製することにより(CB−11d)を23.2
g(41.2%)得た。
【0158】(CB−11d)23.2gと(CB−1
1e)6.78gをクロロホルム(250ml)に溶解
し、そこに沃化亜鉛26.88gを加え3時間攪拌し
た。1N塩酸を加えた後反応液を水洗した。有機層を無
水硫酸ナトリウムで乾燥、濃縮後、得られた残渣をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル−ヘキサ
ン1:4)にて精製することにより例示化合物(CB−
11)を7.0g得た(23.9%)。m.p.117.0
〜118.5℃。 (合成例6) 例示化合物(CB−13)の合成 合成例5と同様の方法により合成したm.p.61.5−6
3.0℃。 (合成例7) 例示化合物CB−19の合成 特開昭60−218645号の合成例2と同様の方法に
より合成することができる。収率7% m.p.115℃。 (合成例8) 例示化合物SA−5の合成 下記化78に示す合成ルートにより合成した。
【0159】
【化78】 SA−5a(特開昭61−230135号に記載の方法
と同様の方法にて合成した)の11.6gを水冷下塩化
チオニル30mlに加え50℃で更に1時間反応させた。
過剰の塩化チオニルを減圧下留去し、析出した結晶を少
量の氷冷したクロロホルムで洗浄することによりSA−
5bを粗結晶として得た。次にSA−5b 13.1g
をSA−5c 7.2gとトリエチルアミン12.1g
のN,N−ジメチルホルムアミド(100ml)溶液に0
℃で加え、その後室温で1時間さらに反応させた。
【0160】2N塩酸60mlと氷水300mlの水溶液に
反応混合物をあけ、更に酢酸エチル300mlを加え攪拌
した。その液を分液ロートに移し油層をとり、水で数回
洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥、濃縮
後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精
製(酢酸エチル−ヘキサン=1/4〜1/1(v/v)
を溶出液として用いた)することにより例示化合物SA
−5をアモルファスとして3.7g得た。
【0161】本発明の一般式(I)または(II)で表わ
される化合物は感光材料中のいかなる層に添加してもよ
いが、感光性乳剤層および/またはその隣接層に添加す
ることが好ましく、赤感光性乳剤層および/または緑感
光性乳剤層に添加することが特に好ましい。同一の感色
性層が感度の異なる2層以上に分かれている場合には、
最高度層,最低感度層および中間感度層のいずれの層に
添加してもよい。
【0162】またその感光材料中への総添加量は0.0
01〜1.0g/m2 であり、好ましくは0.010〜
0.5g/m2 、より好ましくは0.020〜0.40
g/m2 、更に好ましくは0.030〜0.30g/m
2 である。
【0163】本発明の一般式(I)または一般式(II)
で表わされる化合物は、支持体上に少なくとも3つの異
なる分光感度を有するハロゲン化銀カラー写真感光材料
に、主として画質(色再現性、粒状性、鮮鋭性)の改良
および感光材料の経時保存性向上を目的に使用するもの
である。
【0164】ハロゲン化銀カラー写真感光材料は通常支
持体上に赤感性乳剤層,緑感性乳剤層および青感性乳剤
層を各々少なくとも1層有する。これらの層の順序は必
要に応じて任意に選ぶことができる。
【0165】本発明の一般式(I)または一般式(II)
で表わされる化合物はこれらの乳剤層もしくはその隣接
層の非感光性層に用いられる。また、本発明の一般式
(I)または(II)の化合物は同一感色性乳剤層の高感
度層、低感度層あるいは中感度層など任意の乳剤層に用
いることができる。
【0166】本発明の一般式(I)または一般式(II)
で表わされる化合物の添加量は化合物の構造により異な
るが、添加する乳剤層もしくは隣接層に存在する銀1モ
ル当り1×10-6〜0.5モルの範囲である。好ましく
は1×10-5〜1×10-1モルの範囲である。
【0167】一般式(I)と一般式(II)の化合物を併
用する場合、その混合割合は任意に選ぶことができ、特
にその制限はない。また、一般式(I)または一般式
(II)の化合物と本発明以外の現像抑制剤放出型化合物
を目的に応じて併用することもできる。
【0168】次に、本発明の一般式(1)および一般式
(2)で表わされるカプラーについて詳しく述べる。
【0169】X1 およびX2 がアルキル基を表すとき、
炭素数1〜30、好ましくは1〜20の、直鎖、分岐、
環状、飽和、不飽和、置換または無置換のアルキル基で
ある。アルキル基の例としてはメチル、エチル、プロピ
ル、ブチル、シクロプロピル、アリル、t−オクチル、
i−ブチル、ドデシル、2−ヘキシルデシルが挙げられ
る。
【0170】X1 およびX2 が複素環基を表すとき、こ
の複素環基は、炭素数が1〜20、好ましくは1〜10
であり、ヘテロ原子として例えば窒素原子、酸素原子ま
たは硫黄原子を少なくとも一個以上含む、3〜12、好
ましくは5もしくは6員環の、飽和もしくは不飽和、置
換もしくは無置換、並びに単環もしくは縮合環の複素環
基である。複素環基の例としては、3−ピロリジニル、
1,2,4−トリアゾール−3−イル、2−ピリジル、
4−ピリミジニル、3−ピラゾリル、2−ピロリル、
2,4−ジオキソ−1,3−イミダゾリジン−5−イル
またはピラニルが挙げられる。
【0171】X1 およびX2 がアリール基を表すとき、
炭素数6〜20、好ましくは6〜10の置換または無置
換のアリール基を表す。アリール基の例としてはフェニ
ル、ナフチルが代表的である。
【0172】X3 が>N−とともに形成する含窒素複素
環基を表すとき、この複素環基は、炭素数が1〜20、
好ましくは1〜15であり、ヘテロ原子として窒素原子
以外に、例えば酸素原子または硫黄原子を含んでもよ
い、3〜12員環、好ましくは5もしくは6員環の、置
換もしくは無置換、飽和もしくは不飽和、並びに単環も
しくは縮合環の複素環基である。この複素環基の例とし
ては、ピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ、1−ピペ
ラジニル、1−インドリニル、1,2,3,4−テトラ
ヒドロキノリン−1−イル、1−イミダゾリジニル、1
−ピラゾリル、1−ピロリニル、1−ピラゾリジニル、
2,3−ジヒドロ−1−インダゾリン、2−イソインド
リニル、1−インドリル、1−ピロリル、4−チアジン
−S,S−ジオキソ−4−イルまたはベンズオキサジン
−4−イルが挙げられる。
【0173】前記X1 およびX2 が置換基を有するアル
キル、同アリールもしくは同複素環基を表すとき、およ
び、X3 が>N−とともに形成する含窒素複素環基が置
換基を有するとき、それらの置換基の例としては次のも
のが挙げられる。ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩
素)、アルコキシカルボニル基(炭素数2〜30、好ま
しくは2〜20。例えばメトキシカルボニル、ドデシル
オキシカルボニル、ヘキサデシルオキシカルボニル)、
アシルアミノ基(炭素数2〜30、好ましくは2〜2
0。例えばアセトアミド、テトラデカンアミド、2−
(2,4−ジ−t−アミルフェノキシ)ブタンアミド、
ベンズアミド)、スルホンアミド基(炭素数1〜30、
好ましくは1〜20。例えばメタンスルホンアミド、ド
デカンスルホンアミド、ヘキサデシルスルホンアミド、
ベンゼンスルホンアミド)、カルバモイル基(炭素数1
〜30、好ましくは1〜20。例えばN−ブチルカルバ
モイル、N,N−ジエチルカルバモイル)、N−スルホ
ニルカルバモイル基(炭素数1〜30、好ましくは1〜
20。例えばN−メシルカルバモイル、N−ドデシルス
ルホニルカルバモイル)、スルファモイル基(炭素数1
〜30、好ましくは1〜20。例えばN−ブチルスルフ
ァモイル、N−ドデシルスルファモイル、N−ヘキサデ
シルスルファモイル、N−3−(2,4−ジ−t−アミ
ルフェノキシ)ブチルスルファモイル、N,N−ジエチ
ルスルファモイル)、アルコキシ基(炭素数1〜30、
好ましくは1〜20。例えばメトキシ、ヘキサデシルオ
キシ、イソプロポキシ)、アリールオキシ基(炭素数6
〜20、好ましくは6〜10。例えばフェノキシ、4−
メトキシフェノキシ、3−t−ブチル−4−ヒドロキシ
フェノキシ、ナフトキシ)、アリールオキシカルボニル
基(炭素数7〜21、好ましくは7〜11。例えばフェ
ノキシカルボニル)、N−アシルスルファモイル基(炭
素数2〜30、好ましくは2〜20。例えばN−プロパ
ノイルスルファモイル、N−テトラデカノイルスルファ
モイル)、スルホニル基(炭素数1〜30、好ましくは
1〜20。例えばメタンスルホニル、オクタンスルホニ
ル、4−ヒドロキシフェニルスルホニル、ドデカンスル
ホニル)、アルコキシカルボニルアミノ基(炭素数2〜
30、好ましくは2〜20。例えばエトキシカルボニル
アミノ)、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、ヒド
ロキシル基、スルホ基、アルキルチオ基(炭素数1〜3
0、好ましくは1〜20。例えばメチルチオ、ドデシル
チオ、ドデシルカルバモイルメチルチオ)、ウレイド基
(炭素数1〜30、好ましくは1〜20。例えばN−フ
ェニルウレイド、N−ヘキサデシルウレイド)、アリー
ル基(炭素数6〜20、好ましくは6〜10。例えばフ
ェニル、ナフチル、4−メトキシフェニル)、複素環基
(炭素数1〜20、好ましくは1〜10。ヘテロ原子と
して、例えば窒素、酸素または硫黄を少なくとも一個以
上含み、3〜12、好ましくは5もしくは6員環の、単
環もしくは縮合環。例えば2−ピリジル、3−ピラゾリ
ル、1−ピロリル、2,4−ジオキソ−1,3−イミダ
ゾリジン−1−イル、2−ベンズオキサゾリル、モルホ
リノ、インドリル)、アルキル基(炭素数1〜30、好
ましくは1〜20の、直鎖、分岐もしくは環状、並びに
飽和もしくは不飽和アルキル、例えばメチル、エチル、
イソプロピル、シクロプロピル、t−ペンチル、t−オ
クチル、シクロペンチル、t−ブチル、s−ブチル、ド
デシル、2−ヘキシルデシル)、アシル基(炭素数2〜
30、好ましくは2〜20。例えばアセチル、ベンゾイ
ル)、アシルオキシ基(炭素数2〜30、好ましくは2
〜20。例えばプロパノイルオキシ、テトラデカノイル
オキシ)、アリールチオ基(炭素数6〜20、好ましく
は6〜10。例えばフェニルチオ、ナフチルチオ)、ス
ルファモイルアミノ基(炭素数0〜30、好ましくは0
〜20。例えばN−ブチルスルファモイルアミノ、N−
ドデシルスルファモイルアミノ、N−フェニルスルファ
モイルアミノ)またはN−スルホニルスルファモイル基
(炭素数1〜30、好ましくは1〜20。例えばN−メ
シルスルファモイル、N−エタンスルホニルスルファモ
イル、N−ドデカンスルホニルスルファモイル、N−ヘ
キサデカンスルホニルスルファモイル)が挙げられる。
上記の置換基はさらに置換基を有してもよい。その置換
基の例としてはここで挙げた置換基が挙げられる。
【0174】上記の中で好ましい置換基としては、アル
コキシ基、ハロゲン原子、アルコキシカルボニル基、ア
シルオキシ基、アシルアミノ基、スルホニル基、カルバ
モイル基、スルファモイル基、スルホンアミド基、ニト
ロ基、アルキル基またはアリール基が挙げられる。
【0175】一般式(1)および(2)においてYがア
リール基を表すとき、Yは炭素数6〜20、好ましくは
6〜10の置換または無置換のアリール基である。例え
ばフェニル基およびナフチル基がその代表的な例であ
る。
【0176】一般式(1)および(2)においてYが複
素環基を表すとき、Yは、上述のX1 またはX2 が複素
環基を表すときの説明と同じ意味を有する。
【0177】上記Yが置換アリール基または置換複素環
基を表すとき、置換基の例としては、例えば、前記X1
が置換基を有するときの例として列挙した置換基が挙げ
られる。Yが有する置換基として好ましい例としては、
その置換基の一個が、ハロゲン原子、アルコキシカルボ
ニル基、スルファモイル基、カルバモイル基、スルホニ
ル基、N−スルホニルスルファモイル基、N−アシルス
ルファモイル基、アルコキシ基、アシルアミノ基、N−
スルホニルカルバモイル基、スルホンアミド基またはア
ルキル基であるときである。
【0178】Yとして特に好ましい例は、少なくとも一
個の置換基がオルト位にあるフェニル基である。
【0179】一般式(1)および(2)においてZで示
される基としては、従来知られているカップリング離脱
基のいずれであってもよい。好ましいZとしては、窒素
原子でカップリング位と結合する含窒素複素環基、アリ
ールオキシ基、アリールチオ基、複素環オキシ基、複素
環チオ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、ア
ルキルチオ基またはハロゲン原子が挙げられる。
【0180】これらの脱離基は、非写真性有用基または
写真性有用基もしくはその前駆体(例えば現像抑制剤、
現像促進剤、脱銀促進剤、カブラセ剤、色素、硬膜剤、
カプラー、現像主薬酸化体スカベンジャー、蛍光色素、
現像主薬または電子移動剤)のいずれであってもよい。
【0181】Zが写真性有用基であるとき、従来知られ
ているものが有用である。例えば米国特許第42489
62号、同4409323号、同4438193号、同
4421845号、同4618571号、同46525
16号、同4861701号、同4782012号、同
4857440号、同4847185号、同44775
63号、同4438193号、同4628024号、同
4618571号、同4741994号、ヨーロッパ公
開特許第193389A号、同348139A号または
同272573A号に記載の写真性有用基もしくはそれ
を放出するめたの離脱基(例えばタイミング基)が用い
られる。
【0182】Zがカップリング位と窒素原子で結合する
含窒素複素環基を表すとき、この含窒素複素環基は、炭
素数が1〜15、好ましくは1〜10である、5もしく
は6員環の、置換もしくは無置換、飽和もしくは不飽
和、並びに単環もしくは縮合環の複素環基であることが
好ましい。ヘテロ原子としては、窒素原子以外に、酸素
原子または硫黄原子を含んでもよい。複素環基の好まし
い具体例としては、1−ピラゾリル、1−イミダゾリ
ル、ピロリノ、1,2,4−トリアゾール−2−イル、
1,2,3−トリアゾール−1−イル、ベンゾトリアゾ
リル、ベンズイミダゾリル、イミダゾリジン−2,4−
ジオン−3−イル、オキサゾリジン−2,4−ジオン−
3−イル、1,2,4−トリアゾリジン−3,5−ジオ
ン−4−イル、イミダゾリジン−2,4,5−トリオン
−3−イル、2−イミダゾリノン−1−イル、3,5−
ジオキソモルホリノまたは1−インダゾリルが挙げられ
る。これらの複素環基が置換基を有するとき、その置換
基としては、前記X1 で示される基が有してもよい置換
基として列挙した置換基がその例として挙げられる。好
ましい置換基としては、置換基の一個のアルキル基、ア
ルコキシ基、ハロゲン原子、アルコキシカルボニル基、
アリールオキシカルボニル基、アルキルチオ基、アシル
アミノ基、スルホンアミド基、アリール基、ニトロ基、
カルバモイル基、シアノ基またはスルホニル基であると
きである。
【0183】Zがアリールオキシ基を表すとき、好まし
くは炭素数6〜10の置換または無置換のアリールオキ
シ基である。特に好ましくは置換または無置換のフェノ
キシ基である。置換基を有するとき、置換基の例として
は、前記X1で示される基が有してもよい置換基として
列挙した置換基がその例として挙げられる。その中で好
ましい置換基としては、少なくとも1個の置換基が電子
吸引性置換基である場合であり、その例としてはスルホ
ニル基、アルコキシカルボニル基、スルファモイル基、
ハロゲン原子、カルバモイル基、ニトロ基、シアノ基ま
たはアシル基が挙げられる。
【0184】Zがアリールチオ基を表すとき、好ましく
は炭素数6〜10の置換または無置換のアリールチオ基
である。特に好ましくは置換または無置換のフェニルチ
オ基である。置換基を有するとき、置換基の例として
は、前記X1 で示される基が有してもよい置換基として
列挙した置換基がその例として挙げられる。その中で好
ましい置換基としては、少なくとも一個の置換基が、ア
ルキル基、アルコキシ基、スルホニル基、アルコキシカ
ルボニル基、スルファモイル基、ハロゲン原子、カルバ
モイル基、またはニトロ基であるときである。
【0185】Zが複素環オキシ基を表すとき、複素環基
の部分は、炭素数が1〜20、好ましくは1〜10であ
り、ヘテロ原子として例えば窒素原子、酸素原子または
硫黄原子を少なくとも1個以上含む、3〜12、好まし
くは5もしくは6員環の、置換もしくは無置換、飽和も
しくは不飽和、並びに単環もしくは縮合環の複素環基で
ある。複素環オキシ基の例としては、ピリジルオキシ
基、ピラゾリルオキシ基、またはフリルオキシ基が挙げ
られる。置換基を有するとき、置換基の例としては、前
記X1 で示される基が有してもよい置換基として列挙し
た置換基がその例として挙げられる。その中で好ましい
置換基としては、置換基の一個のアルキル基、アリール
基、カルボキシル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ア
ルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、
アルキルチオ基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、
ニトロ基、カルバモイル基、またはスルホニル基である
ときである。
【0186】Zが複素環チオ基を表すとき、複素環基の
部分は、炭素数が1〜20、好ましくは1〜10であ
り、ヘテロ原子として例えば窒素原子、酸素原子または
硫黄原子を少なくとも一個以上含む、3〜12、好まし
くは5もしくは6員環の、置換もしくは無置換、飽和も
しくは不飽和、並びに単環もしくは縮合環の複素環基で
ある。複素環チオ基の例としては、テトラゾリルチオ
基、1,3,4−チアジアゾリルチオ基、1,3,4−
オキサジアゾリルチオ基、1,3,4−トリアゾリルチ
オ基、ベンゾイミダゾリルチオ基、ベンゾチアゾリルチ
オ基、または2−ピリジルチオ基が挙げられる。置換基
を有するとき、置換基の例としては、前記X 1 で示され
る基が有してもよい置換基として列挙した置換基がその
例として挙げられる。その中で好ましい置換基として
は、置換基の少なくとも一個がアルキル基、アリール
基、カルボキシル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ア
ルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、
アルキルチオ基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、
ニトロ基、カルバモイル基、ヘテロ環基またはスルホニ
ル基であるときである。
【0187】Zがアシルオキシ基を表すとき、このアシ
ルオキシ基は、好ましくは炭素数が6〜10であり、単
環もしくは縮合環である。置換もしくは無置換のアリー
ルアシルオキシ基、または炭素数が2〜30、好ましく
は2〜20である置換もしくは無置換のアルキルアシル
オキシ基である。これらが置換基を有するとき、置換基
の例としては、前記X1 で示される基が有してもよい置
換基として列挙した置換基がその例として挙げられる。
【0188】Zがカルバモイルオキシ基を表すとき、こ
のカルバモイルオキシ基は、炭素数1〜30、好ましく
は1〜20の、アルキル、アリール、複素環、置換もし
くは無置換のカルバモイルオキシ基である。例えばN,
N−ジエチルカルバモイルオキシ、N−フェニルカルバ
モイルオキシ、1−イミダゾリルカルボニルオキシまた
は1−ピロロカルボニルオキシが挙げられる。これらが
置換基を有するとき、置換基の例としては、前記X1
示される基が有してもよい置換基として列挙した置換基
がその例として挙げられる。
【0189】Zがアルキルチオ基を表すとき、このアル
キルチオ基は、炭素数が1〜30、好ましくは1〜20
である、直鎖、分岐もしくは環状、飽和もしくは不飽
和、並びに置換もしくは無置換のアルキルチオ基であ
る。置換基を有するとき、置換基の例としては、前記X
1 で示される基が有してもよい置換基として列挙した置
換基がその例として挙げられる。
【0190】次に一般式(1)および(2)で表わされ
るカプラーの特に好ましい範囲について以下に述べる。
【0191】一般式(1)においてX1 で示される基
は、好ましくはアルキル基である。特に好ましくは炭素
数1〜10のアルキル基である。
【0192】一般式(1)および(2)においてYで示
される基は、好ましくはアリール基である。特に好まし
くは、オルト位に置換基を少なくとも一個有するフェニ
ル基である。置換基の説明は前記Yがアリール基である
時有してもよい置換基として列挙したものが挙げられ
る。好ましい置換基の例も同じである。
【0193】一般式(1)および(2)においてZで示
される基は、好ましくは5〜6員の、窒素原子でカップ
リング位と結合する含窒素複素環基、アリールオキシ
基、5〜6員の複素環オキシ基、または5〜6員の複素
環チオ基が挙げられる。
【0194】一般式(1)または(2)で表わされるカ
プラーにおいて好ましいカプラーは下記化79〜81に
示す一般式(3)、(4)または(5)で示されるカプ
ラーである。
【0195】
【化79】
【0196】
【化80】
【0197】
【化81】 式中Zは一般式(1)における説明と同じ意味を表し、
4 はアルキル基を表し、X5 はアルキル基もしくはア
リール基を表し、Arはオルト位に少なくとも一個の置
換基を有するフェニル基を表し、X6 は−C(R
1 2 )−N<とともに含窒素複素環基(単環または縮
合環)を形成する有機残基を表し、X7 は−C(R3
=C(R4 )−N<とともに含窒素複素環基(単環また
は縮合環)を形成する有機残基を表し、R1 、R2 、R
3 およびR4 は水素原子または置換基を表す。
【0198】一般式(3)〜(5)においてX4 〜X7
およびZで示される基の詳しい説明および好ましい範囲
については、一般式(1)および(2)で述べた説明の
なかで、該当する基の説明と同じ意味である。R1 〜R
4 が置換基を表すとき、前記X1 が有してもよい置換基
として列挙したものがその例として挙げられる。
【0199】上記の一般式の中で特に好ましいカプラー
は、一般式(4)または(5)で表されるカプラーであ
る。
【0200】一般式(1)〜(5)で示されるカプラー
は、X1 〜X7 、Y、Ar、R1 〜R4 およびZで示さ
れる基において2価またはそれ以上の基を介して互いに
結合する2量体またはそれ以上の多量体(例えばテロマ
ーまたはポリマー)を形成してもよい。この場合、前記
の各置換基において示した炭素原子数範囲の規定外とな
ってもよい。
【0201】一般式(1)〜(5)で示されるカプラー
は、耐拡散型カプラーであることが好ましい。耐拡散型
カプラーとは、添加した層に分子を不動化させるため
に、十分に分子量を大きくする基(耐拡散基)を分子中
に有するカプラーのことである。耐拡散基としては、通
常、総炭素数8〜30、好ましくは10〜20のアルキ
ル基または総炭素数4〜20の置換基を有するアリール
基が用いられる。これらの耐拡散基は分子中のいずれに
置換されていてもよく、また複素個有していてもよい。
【0202】以下化82〜103に一般式(1)〜
(5)で示されるイエローカプラーの具体例を示すが、
本発明はこれらに限定されるものではない。
【0203】
【化82】
【0204】
【化83】
【0205】
【化84】
【0206】
【化85】
【0207】
【化86】
【0208】
【化87】
【0209】
【化88】
【0210】
【化89】
【0211】
【化90】
【0212】
【化91】
【0213】
【化92】
【0214】
【化93】
【0215】
【化94】
【0216】
【化95】
【0217】
【化96】
【0218】
【化97】
【0219】
【化98】
【0220】
【化99】
【0221】
【化100】
【0222】
【化101】
【0223】
【化102】
【0224】
【化103】 なお、化100におけるY−56およびY−57、化1
01におけるY−58、化102におけるY−63並び
に化103におけるY−64において「 }」は置換基
がベンゾトリアゾリル基の5位または6位に置換してい
ることを示す。
【0225】一般式(1)〜(5)で表わされる、本発
明に用いられるイエローカプラーは、以下の化104に
示すルートによって合成できる。 合成例−1
【0226】
【化104】 中間体Bの合成 化合物A357.5g(3.0モル)、化合物B39
6.3g(3.0モル)を酢酸エチル1.2リットル、
ジメチルホルムアミド0.6リットルに溶解した。攪拌
しながら、ジシクロヘキシルカルボジイミド631g
(3.06モル)のアセトニトリル(400ml)溶液を
15〜35℃で滴下した。20〜30℃で2時間反応さ
せた後、析出したジシクロヘキシル尿素を濾取した。濾
液に酢酸エチル500ml、水1リットルを入れ、水層を
除去した。次に、有機層を水1リットルで2回水洗し
た。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、酢酸エ
チルを減圧留去し、油状物として中間体Aを692g
(98.9%)得た。
【0227】中間体A692g(2.97モル)をエチ
ルアルコール3リットルに溶解し、攪拌しながら、75
〜80℃で30%水酸化ナトリウム430gを滴下し
た。滴下後、同温度にて30分間反応させた後、析出し
た結晶を濾取した。(収量658g)この結晶を水5リ
ットルに懸濁し、攪拌しながら40〜50℃で濃塩酸3
00mlを滴下した。1時間、同温度で攪拌した後、結晶
を濾取し、中間体Bを579g(95%)得た。(分解
点127℃) 中間体Dの合成 中間体B45.1g(0.22モル)、化合物C86.
6g(0.2モル)を酢酸エチル400ml、ジメチルア
セトアミド200mlに溶解した。攪拌しながら、ジシク
ロヘキシルカルボジイミド66g(0.32モル)のア
セトニトリル(100ml)溶液を15〜30℃で滴下し
た。20〜30℃で2時間反応させた後、析出したジシ
クロヘキシル尿素を濾取した。
【0228】濾液に酢酸エチル400ml、水600mlを
入れ、水層を除去した後、有機層を2回水洗した。有機
層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、酢酸エチルを減
圧留去し、油状物を162g得た。
【0229】この油状物を酢酸エチル100ml、n−ヘ
キサン300mlから結晶化させ、中間体Dを108g
(87.1%)得た。(融点132〜134℃)中間体
Dの元素分析値を下記表1に示す。
【0230】
【表1】 例示カプラーY−7の合成 中間体D49.6g(0.08モル)をジクロロメタン
300mlに溶解した。この溶液に塩化スルフリル11.
4g(0.084モル)を10〜15℃で攪拌しながら
滴下した。
【0231】同温度で30分間反応させた後、反応混合
物に5%の重炭酸ナトリウム水溶液200gを滴下し
た。有機層を分取した後、200mlの水で洗い、無水硫
酸ナトリウムで乾燥した。ジクロロメタンを減圧留去
し、油状物を47g得た。
【0232】この油状物47gをアセトニトリル200
mlに溶解し、これに化合物D28.4g(0.22モ
ル)とトリエチルアミン22.2g(0.22モル)を
攪拌しながら加えた。40〜50℃で4時間反応させた
後、水300mlに注加し、析出した油状物を酢酸エチル
300mlで抽出した。有機層を5%水酸化ナトリウム水
溶液200gで洗浄した後、更に2回水300mlで水洗
した。有機層を希塩酸で酸性にした後、2回水洗し、減
圧濃縮して残渣を得た。(収量70g)得られた油状物
質を酢酸エチル50ml、n−ヘキサン100mlの混合溶
媒で結晶化させ、例示カプラーY−7を47.8g(8
0%)得た。(融点145〜7℃)例示カプラーY−7
の元素分析値を下記表2に示す。
【0233】
【表2】 合成例−2
【0234】
【化105】 中間体Eの合成 中間体B90.3g(0.44モル)、化合物E187
g(0.4モル)を酢酸エチル500ml、ジメチルホル
ムアミド300mlに溶解した。攪拌しながら、ジシクロ
ヘキシルカルボジイミド131.9g(0.64モル)
のアセトニトリル(200ml)溶液を15〜30℃で滴
下した。
【0235】20〜30℃で2時間反応させた後、析出
したジシクロヘキシル尿素を濾取した。濾液に酢酸エチ
ル500ml、水600mlを入れ、水層を除去した後、有
機層を2回水洗した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾
燥した後、酢酸エチルを減圧留去し、油状物を281g
得た。
【0236】これをn−ヘキサン1.5リットルで加熱
溶解し、不溶物を濾過して除いた。n−ヘキサン溶液を
水冷し、析出した中間体Eを濾取した。収量243.4
g(93%)融点103〜5℃ 中間体Eの元素分析値を下記表3に示す。
【0237】
【表3】 例示カプラーY−16の合成 中間体E39.3g(0.06モル)をジクロロメタン
200mlに溶解した。この溶液に塩化スルフリル8.7
g(0.064モル)を10〜15℃で攪拌しながら滴
下した。
【0238】同温度で30分間反応させた後、反応混合
物に4%の重炭酸水素ナトリウム水溶液200gを滴下
した。有機層を分取した後、200mlの水で洗い、無水
硫酸ナトリウムで乾燥した。ジクロロメタンを減圧留去
し、油状物を41.3g得た。
【0239】この油状物41.3gをアセトニトリル1
00ml、ジメチルアセトアミド200mlに溶解し、攪拌
しながら化合物D20.8g(0.16モル)とトリエ
チルアミン16.2gを加えた。30〜40℃で3時間
反応させた後、水400mlに注加し、析出した油状物を
酢酸エチル300mlで抽出した。有機層を2%水酸化ナ
トリウム水溶液300gで洗浄した後、更に2回水洗し
た。有機層を希塩酸で酸性にした後、2回水洗し、減圧
濃縮して残渣を42g得た。
【0240】これをメタノール200mlで結晶化させ、
例示カプラーYー16を39.8g(85%)得た。
(融点110〜112℃)例示カプラーY−16の元素
分析値を下記表4に示す。
【0241】
【表4】 合成例−3
【0242】
【化106】 中間体Fの合成 中間体B104.7g(0.51モル)、化合物F18
7.5g(0.5モル)を酢酸エチル1リットル、ジメ
チルホルムアミド400mlに溶解した。攪拌しながら、
ジシクロヘキシルカルボジイミド107.3g(0.5
25モル)のジメチルホルムアミド(100ml)溶液を
15〜30℃で滴下した。20〜30℃で1時間反応さ
せた後、酢酸エチル500mlを加え、50〜60℃に加
熱し、ジシクロヘキシル尿素を濾取した。
【0243】濾液に水500mlを入れ、水層を除去した
後、更に2回水洗した。有機層を無水硫酸ナトリウムで
乾燥した後、酢酸エチルを減圧留去し、油状物を290
g得た。この油状物を酢酸エチル1リットル、メタノー
ル2リットルで加熱し、不溶解物を濾過して除き、濾液
を水冷すると中間体Fの結晶が析出したので濾取した。
収量267g(95%)、融点163〜4℃ 中間体Fの元素分析値を下記表5に示す。
【0244】
【表5】 中間体Gの合成 中間体F114.0g(0.2モル)をジクロロメタン
500mlに溶解した。この溶液に塩化スルフリル28.
4g(0.21モル)を10〜15℃で攪拌しながら滴
下した。
【0245】同温度で30分間反応させた後、反応混合
物に6%の重炭酸水素ナトリウム水溶液500gを滴下
した。有機層を分取した後、500mlの水で洗い、無水
硫酸ナトリウムで乾燥した。ジクロロメタンを減圧留去
すると、中間体Gが結晶として析出したので濾取した。
収量108.6g(91%) 例示カプラーY−12の合成 中間体G29.8g(0.05モル)をジメチルホルム
アミド80mlに溶解し、化合物D12.9g(0.1モ
ル)を入れ、次にトリエチルアミン10.1g(0.1
0モル)を20〜30℃で攪拌しながら滴下した。40
〜45℃で1時間反応させた後、酢酸エチル300mlと
水200mlを入れた。有機層を2%の水酸化ナトリウム
水溶液400gで2回洗浄した後、更に1回水洗した。
有機層を希塩酸で酸性にした後、2回水洗し、減圧濃縮
して残渣を34g得た。これを酢酸エチル50ml、n−
ヘキサン150mlの混合溶媒で結晶化させ、例示カプラ
ーY−12を19g得た。
【0246】この結晶を酢酸エチル/n−ヘキサン=1
/3容積比の混合溶媒120mlで再結晶し、例示カプラ
ーY−12を15g(43.5%)得た。(融点135
〜6℃)例示カプラーY−12の元素分析値を下記表6
に示す。
【0247】
【表6】 合成例−4
【0248】
【化107】 例示カプラーY−49の合成 化合物G27.0g(0.15モル)、トリエチルアミ
ン15.2g(0.15モル)をジメチルホルムアミド
50mlに溶解した。この混合物に中間体G29.8g
(0.05モル)のジメチルホルムアミド(30ml)溶
液を攪拌しながら滴下した。
【0249】30〜40℃で4時間反応させた後、酢酸
エチル400mlで水300mlを入れた。有機層を2%水
酸化ナトリウム水溶液400gで洗浄した後、更に2回
水洗した。有機層を希塩酸で酸性にした後、2回水洗
し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。酢酸エチルを減圧
留去し、残渣を54g得た。
【0250】これを酢酸エチル/メタノール(1/2容
積比)混合溶媒300mlで結晶化させ、例示カプラーY
−49を濾取した。得られた結晶を酢酸エチル/メタノ
ール(1/2容積比)混合溶媒200mlで再結晶し、例
示カプラーY−49を28.8g(77.8%)得た。
融点190〜191℃ 例示カプラーY−49の元素分析値を下記表7に示す。
【0251】
【表7】 本発明において、一般式(1)〜(5)で表わされるイ
エローカプラーは、ハロゲン化銀1モル当たり、1.0
〜1.0×10-3モルの範囲で使用することができる。
好ましくは、5.0×10-1〜2.0×10-2モルであ
り、より好ましくは4.0×10-1〜5.0×10-2
ルの範囲である。
【0252】本発明において、一般式(1)〜(5)で
表わされるイエローカプラーは、主カプラーとして用い
る場合は、青感性ハロゲン化銀乳剤層またはその隣接非
感光層に添加することが好ましい。写真性有用基を放出
するカプラーであるときは、目的に応じてハロゲン化銀
感光層や非感光性層に添加する。
【0253】本発明において、一般式(1)〜(5)で
表わされるイエローカプラーは、2種以上を併用するこ
ともできるし、他の公知のカプラーと併用することがで
きる。
【0254】本発明において、一般式(1)〜(5)で
表わされるカプラーは、種々の公知の分散方法により、
カラー感光材料に導入することができる。
【0255】公知分散方法の1つである水中油滴分散方
法では、低沸点の有機溶媒(例えば、酢酸エチル、酢酸
ブチル、メチルエチルケトン、イソプロパノール)を使
用して、微細な分散物を塗布し、乾膜中に実質的に低沸
点有機溶媒が残留しない方法を用いることができる。ま
た、高沸点有機溶媒を使用する場合には、常圧での沸点
が175℃以上のもののいずれを用いてもよく、1種ま
たは2種以上を任意に混合して用いることができる。一
般式(1)〜(5)で表わされるカプラーとこれら高沸
点有機溶媒との比は広範囲にとりえるが、カプラー1g
当たり5.0以下の重量比の範囲である。好ましくは0
〜2.0であり、より好ましくは0.01〜1.0の範
囲である。
【0256】また、後述のラテックス分散法も適用する
ことができる。
【0257】さらに、後に記載されている種々のカプラ
ーや化合物とも混合もしくは共存させて使用することが
できる。
【0258】次に、一般式(PA)で表わされるカプラ
ーについて詳しく説明する。
【0259】一般式(PA)においてTは下記化108
に示す一般式(PB)で表わされる5−ピラゾロンマゼ
ンタカプラーのカプラー残基である。
【0260】
【化108】 *印は一般式(PA)のD、EもしくはFのいずれかを
介してビニル部分と結合する結合手を表す。
【0261】一般式(PB)中Ar11は5−ピラゾロン
カプラーの1位における周知の型の置換基を表わし、例
えばアルキル基、置換アルキル基(例えばフルオロアル
キルの如きハロアルキル、シアノアルキル、ベンジルア
ルキル)、置換もしくは無置換の複素環基(例えば、4
−ピリジル、2−チアゾリル)、置換もしくは無置換の
アリール基〔複素環基およびアリール基の置換基として
はアルキル基(例えばメチル、エチル)、アルコキシ基
(例えばメトキシ、エトキシ)、アリールオキシ基(例
えばフェニルオキシ)、アルコキシカルボニル基(例え
ばメトキシカルボニル)、アシルアミノ基(例えばアセ
チルアミノ)、カルバモイル基、アルキルカルバモイル
基(例えばメチルカルバモイル、エチルカルボニル)、
ジアルキルカルバモイル基(例えばジメチルカルバモイ
ル)、アリールカルバモイル基(例えばフェニルカルバ
モイル)、アルキルスルホニル基(例えばメチルスルホ
ニル)、アリールスルホニル基(例えばフェニルスルホ
ニル)、アルキルスルホンアミド基(例えばメタンスル
ホンアミド)、アリールスルホンアミド基(例えばフェ
ニルスルホンアミド)、スルファモイル基、アルキルス
ルファモイル基(例えばエチルスルファモイル)、ジア
ルキルスルファモイル基(例えばジメチルスルファモイ
ル)、アルキルチオ基(例えばメチルチオ)、アリール
チオ基(例えばフェニルチオ)、シアノ基、ニトロ基、
ハロゲン原子(例えばフッ素、塩素、臭素)が挙げら
れ、この置換基が2個以上あるときは同じでも異っても
よい。特に好ましい置換基としてはハロゲン原子、アル
キル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、シア
ノ基が挙げられる〕を表わす。
【0262】一般式(PB)中Z11は水素原子又は芳香
族第一級アミン発色現像主薬の酸化体とのカップリング
反応時に離脱可能な基を表わし、具体的には、水素原
子、ハロゲン原子(例えば、塩素、臭素)、酸素原子で
連結するカップリング離脱基(例えばアセトキシ、プロ
パノイルオキシ、ベンゾイルオキシ、エトキシオキザロ
イルオキシ、ピルビニルオキシ、シンナモイルオキシ、
フェノキシ、4−シアノフェノキシル、4−チタンスル
ホンアミドフェノキシ、αーナフトキシ、4−シアノキ
シル、4−メタンスルホンアミド−フェノキシ、αーナ
フトキシ、3−ペンタデシルフェノキシ、ベンジルオキ
シカルボニルオキシ、エトキシ、2−シアノエトキシ、
ベンジルオキシ、2−フェネチルオキシ、2−フェノキ
シ−エトキシ、5−フェニルテトラゾリルオキシ、2−
ベンゾチアゾリルオキシ)、窒素原子で連結するカップ
リング離脱基(例えば特開昭59−99437号)に記
載されているもの、具体的にはベンゼンスルホンアミ
ド、N−エチルトルエンスルホンアミド、ヘプタフルオ
ロブタンアミド、2,3,4,5,6−ペンタフルオロ
ベンズアミド、オクタンスルホンアミド、p−シアノフ
ェニルウレイド、N,N−ジエチルスルファモイルアミ
ノ、1−ピペリジル、5,5−ジメチル−2,4−ジオ
キソ−3−オキソゾリジニル、1−ベンジル−5−エト
キシ−3−ヒダントイニル、2−オキソ−1,2−ジヒ
ドロ−1−ピリジニル、イミダゾリル、ピラゾリル、
3,5−ジエチル−1,2,4−トリアゾール−1−イ
ル、5−または6−ブロモ−ベンゾトリアゾール−1−
イル、5−メチル−1,2,3,4−トリアゾール−1
−イル基、ベンズイミダゾリル)、イオウ原子で連結す
るカップリング離脱基(例えばフェニルチオ、2−カル
ボキシフェニルチオ、2−メトキシ−5−オクチルフェ
ニルチオ、4−メタンスルホニルフェニルチオ、4−オ
クタンスルホンアミドフェニルチオ、ベンジルチオ、2
−シアノエチルチオ、5−フェニル−2,3,4,5−
テトラゾリルチオ、2−ベンゾチアゾリル)を表わす。
【0263】好ましくは窒素原子で連結するカップリン
グ離脱基であり、特に好ましくはピラゾリル基である。
【0264】一般式(PA)において−E−は炭素数1
〜10個の無置換もしくは置換のアルキレン基、アラル
キレン基、またはフェニレン基を表わし、アルキレン基
は直鎖でも分岐でもよい。アルキレン基としては例えば
メチレン、メチルメチレン、ジメチルメチレン、ジメチ
レン、トリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレ
ン、ヘキサメチレン、デシルメチレン、アラルキレン基
としては例えばベンジリデン、フェニレン基としては例
えばp−フェニレン、m−フェニレン、メチルフェニレ
ンがある。
【0265】また−E−で表わされるアルキレン基、ア
ラルキレン基またはフェニレン基の置換基としては例え
ばアリール基(例えばフェニル)、ニトロ基、水酸基、
シアノ基、スルホ基、アルコキシ基(例えばメトキ
シ)、アリールオキシ基(例えばフェノキシ)、アシル
オキシ基(例えばアセトキシ)、アシルアミノ基(例え
ばアセチルアミノ)、スルホンアミド基(例えばメタン
スルホンアミド)、スルファモイル基(例えばメチルス
ルファモイル)、ハロゲン原子(例えばフッ素、塩素、
臭素)、カルボキシ基、カルバモイル基(例えばメチル
カルバモイル)、アルコキシカルボニル基(例えばメト
キシカルボニル)、スルホニル基(例えばメチルスルホ
ニル)が挙げられる。この置換基が2つ以上あるときは
同じでも異ってもよい。
【0266】−E−は好ましくはアルキレン基またはフ
ェニレン基である。
【0267】一般式(PA)においてR121 は好ましく
は水素原子及び炭素数1〜4個のアルキル基である。特
に好ましくは水素原子及びメチル基である。
【0268】一般式(PA)において−D−は好ましく
は−COO−及び−CONR122 −であり、特に好まし
くは−CONR122 −である。R122 は水素原子及びア
ルキル基が好ましく、特に水素原子が好ましい。
【0269】一般式(PA)において−F−は好ましく
は−CONR122−、−NR122 CONR122 −、−N
122 −及び−SO2 NR122 −である。特に好ましく
は−CONR122 −である。R122 は水素原子及びアル
キル基が好ましく、特に水素原子が好ましい。
【0270】一般式(PA)においてp、q、rは好ま
しくはp=q=1、r=0;p=0、q=r=1;p=
1、q=r=0;p=q=0、r=1である。特に好ま
しくはp=1、q=r=0の場合である。
【0271】一般式(PA)で表わされる5−ピラゾロ
ンマゼンタ発色の付加重合性エチレン型不飽和化合物
(単量体)は単独もしくは非発色性(芳香族第1級アミ
ン現像薬の酸化体とカップリング反応しない)エチレン
型単量体との共重合体のポリマーカプラーを形成させ
る。好ましくは非発色性エチレン型単量体との共重合体
であるポリマーカプラーである。この非発色性エチレン
型単量体としては、例えば、アクリル酸エステル、メタ
クリル酸エステル、クロトン酸エステル、ビニルエステ
ル、マレイン酸ジエステル、フマル酸ジエステル、イタ
コン酸ジエステル、アクリルアミド類、メタクリルアミ
ド類、ビニルエーテル類、スチレン類が挙げられる。
【0272】これらの単量体について更に具体例を示す
と、アクリル酸エステルとしては例えばメチルアクリレ
ート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレー
ト、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレー
ト、イソブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレー
ト、ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリ
レート、アセトキシエチルアクリレート、フェニルアク
リレート、2−メトキシアクリレート、2−エトキシア
クリレート、2−(2−メトキシエトキシ)エチルアク
リレートが挙げられる。メタクリル酸エステルとしては
例えばメチルメタクリレート、エチルメタクリレート、
n−プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレー
ト、tert−ブチルメタクリレート、シクロヘキシルメタ
クリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2
−エトキシエチルメタクリレートが挙げられる。クロト
ン酸エステルとしては例えばクロトン酸ブチル、クロト
ン酸ヘキシルが挙げられる。ビニルエステルとしては例
えばビニルアセテート、ビニルプロピオネート、ビニル
ブチレート、ビニルメトキシアセテート、安息香酸ビニ
ルが挙げられる。マレイン酸ジエステルとしては例えば
マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸
ジブチルが挙げられる。フマル酸ジエステルとしては例
えばフマル酸ジエチル、フマル酸ジメチル、フマル酸ジ
ブチルが挙げられる。イタコン酸ジエステルとしては例
えばイタコン酸ジエチル、イタコン酸ジメチル、イタコ
ン酸ジブチルが挙げられる。アクリルアミド類としては
例えばアクリルアミド、メチルアクリルアミド、エチル
アクリルアミド、プロピルアクリルアミド、n−ブチル
アクリルアミド、tert−ブチルアクリルアミド、シクロ
ヘキシルアクリルアミド、2−メトキシエチルアクリル
アミド、ジメチルアクリルアミド、ジエチルアクリルア
ミド、フェニルアクリルアミドが挙げられる。メタクリ
ルアミド類としては例えば、メチルメタクリルアミド、
エチルメタクリルアミド、n−ブチルメタクリルアミ
ド、tert−ブチルメタクリルアミド、2−メトキシメタ
クリルアミド、ジメチルメタクリルアミド、ジエチルメ
タクリルアミドが挙げられる。ビニルエーテル類として
は例えばメチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテ
ル、ヘキシルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエ
ーテル、ジメチルアミノエチルビニルエーテルが挙げら
れる。スチレン類としては、例えばスチレン、メチルス
チレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチ
ルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、
クロルメチルスチレン、メトキシスチレン、ブトキシス
チレン、アセトキシスチレン、クロルスチレン、ジクロ
ルスチレン、ブロムスチレン、ビニル安息香酸メチルエ
ステル、2−メチルスチレンが挙げられる。
【0273】その他の単量体の例としては例えばアリル
化合物(例えば酢酸アリル)、ビニルケトン類(例えば
メチルビニルケトン)、ビニル複素環化合物(例えばビ
ニルピリジン)、グリシジルエステル類(例えばグリシ
ジルアクリレート)、不飽和ニトリル類(例えばアクリ
ロニトリル)、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン
酸、マレイン酸、イタコン酸モノアルキル(例えばイタ
コン酸モノメチル)、マレイン酸モノアルキル(例えば
マレイン酸モノメチル)、シトラコン酸、ビニルスルホ
ン酸、アクリロイルオキシアルキルスルホン酸(例え
ば、アクリロイルオキシメチルスルホン酸)、アクリル
アミドアルキルスルホン酸(例えば2−アクリルアミド
−2−メチルエタンスルホン酸)が挙げられる。これら
の酸はアルカリ金属(例えばNa、K)またはアンモニ
ウムイオンの塩であってもよい。
【0274】これらの単量体のうち、好ましく用いられ
るコモノマーにはアクリル酸エステル、メタクリル酸エ
ステル、スチレン類、マレイン酸エステル、アクリルア
ミド類、メタクリルアミド類が含まれる。
【0275】これらの単量体は2種以上を併用してもよ
い。2種以上を併用する場合の組合せとしては例えば、
n−ブチルアクリレートとスチレン、n−ブチルアクリ
レートとブチルスチレン、t−ブチルメタクリルアミド
とn−ブチルアクリレートが挙げられる。
【0276】上記マゼンタポリマーカプラー中に占める
一般式(PA)で表わされる5−ピラゾロンマゼンタカ
プラー部分の割合は通常5〜80重量%が望ましいが、
色再現性、発色性、処理依存性および安定性の点では3
0〜70重量%が好ましい。この場合の当分子量(1モ
ルの単量体カプラーを含むポリマーのグラム数)は約2
50〜4,000であるがこれに限定するものではな
い。
【0277】マゼンタポリマーカプラーはカプラー単量
体を基準として、ハロゲン化銀と同一層の場合には銀1
モル当り0.005モル〜0.5モル好ましくは0.0
3〜0.25モル添加するのが良い。
【0278】また、マゼンタポリマーカプラーを非感光
層に用いる場合の塗布量は、0.01g/m2 〜1.0
g/m2 、好ましくは0.1g/m2 〜0.5g/m2
の範囲である。
【0279】本発明に用いられるポリマーカプラーは前
記したように単量体カプラーの共重合で得られた親油性
ポリマーカプラーを有機溶媒に溶かしたものをゼラチン
水溶液中にラテックスの形で乳化分散して作ってもよ
く、あるいは直接乳化重合法で作ってもよい。
【0280】親油性ポリマーカプラーをゼラチン水溶液
中にラテックスの形で乳化分散する方法については米国
特許3,451,820号に、乳化重合については米国
特許4,080,211号、同3,370,952号及
び欧州特許第341,088A2号に記載されている方
法を用いることが出来る。
【0281】上記マゼンタポリマーカプラーの合成は重
合開始剤、重合溶媒として特開昭56−5543、特開
昭57−94752、特開昭57−176038、特開
昭57−204038、特開昭58−28745、特開
昭58−10738、特開昭58−42044、特開昭
58−145944に記載されている化合物を用いて行
う。
【0282】重合温度は生成するポリマーの分子量、開
始剤の種類などと関連して設定する必要があり、0℃以
下から100℃以上まで可能であるが通常30℃〜10
0℃の範囲で重合する。
【0283】次に本発明において用いることのできるマ
ゼンタポリマーカプラーの具体例を下記化109〜11
6に挙げるが、これに限定されるものではない。(添数
字は、モル比を表わす。)
【0284】
【化109】
【0285】
【化110】
【0286】
【化111】
【0287】
【化112】
【0288】
【化113】
【0289】
【化114】
【0290】
【化115】
【0291】
【化116】 本発明の一般式(PA)で表わされるマゼンタ発色部を
有するポリマーカプラーは緑感性乳剤層および/または
その隣接層、好ましくは緑感性乳剤層に添加・使用され
る。感光材料への導入は先の一般式(1)および一般式
(2)で表わされるカプラーのところで記載した方法に
準じて行うことができる。
【0292】本発明の一般式(PA)で表わされるマゼ
ンタ発色部分を有するポリマーカプラーを、先に述べた
本発明の一般式(I)および/または一般式(II)で表
わされる化合物、かつ、一般式(1)および/または一
般式(2)で表わされるカプラーを含有する感光材料に
用いることによって感光材料としてさらに安定した写真
性能、得られる色画像の画質、色像堅牢性の向上を図る
ことができる。
【0293】本発明の感光材料は、支持体上に青感色性
層、緑感色性層、赤感色性層のハロゲン化銀乳剤層の少
なくとも1層が設けられていればよく、ハロゲン化銀乳
剤層および非感光性層の層数および層順に特に制限はな
い。典型的な例としては、支持体上に、実質的に感色性
は同じであるが感光度の異なる複数のハロゲン化銀乳剤
層から成る感光性層を少なくとも1つ有するハロゲン化
銀写真感光材料であり、該感光性層は青色光、緑色光、
および赤色光の何れかに感色性を有する単位感光性層で
あり、多層ハロゲン化銀カラー写真感光材料において
は、一般に単位感光性層の配列が、支持体側から順に赤
感色性層、緑感色性層、青感色性の順に設置される。し
かし、目的に応じて上記設置順が逆であっても、また同
一感色性層中に異なる感光性層が挟まれたような設置順
をもとり得る。
【0294】上記のハロゲン化銀感光性層の間および最
上層、最下層には各種の中間層等の非感光性層を設けて
もよい。
【0295】該中間層には、特開昭61−43748
号、同59−113438号、同59−113440
号、同61−20037号、同61−20038号明細
書に記載されるようなカプラー、DIR化合物等が含ま
れていてもよく、通常用いられるように混色防止剤を含
んでいてもよい。
【0296】各単位感光性層を構成する複数のハロゲン
化銀乳剤層は、西独特許第1,121,470号あるい
は英国特許第923,045号に記載されるように高感
度乳剤層、低感度乳剤層の2層構成を好ましく用いるこ
とができる。通常は、支持体に向かって順次感光度が低
くなる様に配列するのが好ましく、また各ハロゲン乳剤
層の間には非感光性層が設けられていてもよい。また、
特開昭57−112751号、同62−200350
号、同62−206541号、62−206543号等
に記載されているように支持体より離れた側に低感度乳
剤層、支持体に近い側に高感度乳剤層を設置してもよ
い。
【0297】具体例として支持体から最も遠い側から、
低感度青感光性層(BL)/高感度青感光性層(BH)
/高感度緑感光性層(GH)/低感度緑感光性層(G
L)/高感度赤感光性層(RH)/低感度赤感光性層
(RL)の順、またはBH/BL/GL/GH/RH/
RLの順、またはBH/BL/GH/GL/RL/RH
の順等に設置することができる。
【0298】また特公昭55−34932号公報に記載
されているように、支持体から最も遠い側から青感光性
層/GH/RH/GL/RLの順に配列することもでき
る。また特開昭56−25738号、同62−6393
6号明細書に記載されているように、支持体から最も遠
い側から青感光性層/GL/RL/GH/RHの順に配
列することもできる。
【0299】また特公昭49−15495号公報に記載
されているように上層を最も感光度の高いハロゲン化銀
乳剤層、中層をそれよりも低い感光度のハロゲン化銀乳
剤層、下層を中層よりも更に感光度の低いハロゲン化銀
乳剤層を配置し、支持体に向かって感光度が順次低めら
れた感光度の異なる3層から構成される配列が挙げられ
る。このような感光度の異なる3層から構成される場合
でも、特開昭59−202464号明細書に記載されて
いるように、同一感色性層中において支持体より離れた
側から中感度乳剤層/高感度乳剤層/低感度乳剤層の順
に配置されてもよい。
【0300】その他、高感度乳剤層/低感度乳剤層/中
感度乳剤層、あるいは低感度乳剤層/中感度乳剤層/高
感度乳剤層などの順に配置されていてもよい。また、4
層以上の場合にも、上記の如く配列を変えてよい。
【0301】色再現性を改良するために、米国特許第
4,663,271号、同第4,705,744号、同
第4,707,436号、特開昭62−160448
号、同63−89850号の明細書に記載の、BL,G
L,RLなどの主感光層と分光感度分布が異なる重層効
果のドナー層(CL)を主感光層に隣接もしくは近接し
て配置することが好ましい。
【0302】上記のように、それぞれの感光材料の目的
に応じて種々の層構成・配列を選択することができる。
【0303】本発明に用いられる写真感光材料の写真乳
剤層に含有される好ましいハロゲン化銀は約30モル%
以下のヨウ化銀を含む、ヨウ臭化銀、ヨウ塩化銀、もし
くはヨウ塩臭化銀である。特に好ましいのは約2モル%
から約10モル%までのヨウ化銀を含むヨウ臭化銀もし
くはヨウ塩臭化銀である。
【0304】写真乳剤中のハロゲン化銀粒子は、立方
体、八面体、十四面体のような規則的な結晶を有するも
の、球状、板状のような変則的な結晶形を有するもの、
双晶面などの結晶欠陥を有するもの、あるいはそれらの
複合形でもよい。
【0305】ハロゲン化銀の粒径は、約0.2μm以下
の微粒子でも投影面積直径が約10μmに至るまでの大
サイズ粒子でもよく、多分散乳剤でも単分散乳剤でもよ
い。
【0306】本発明に使用できるハロゲン化銀写真乳剤
は、例えばリサーチ・ディスクロージャー(RD)N
o.17643(1978年12月),22〜23頁,
“I.乳剤製造(Emulsion preparat
ion and types)”、および同No.18
716(1979年11月),648頁、同No.30
7105(1989年11月),863〜865頁、お
よびグラフキデ著「写真の物理と化学」,ポールモンテ
ル社刊(P.Glafkides,Chemieet
Phisique Photographique,P
aulMontel,1967)、ダフィン著「写真乳
剤化学」,フォーカルプレス社刊(G.F.Duffi
n,Photographic Emulsion C
hemistry(Focal Press,196
6))、ゼリクマンら著「写真乳剤の製造と塗布」、フ
ォーカルプレス社刊(V.L.Zelikman et
al.,Making and Coating Ph
otographicEmulsion,Focal
Press,1964)などに記載された方法を用いて
調製することができる。
【0307】米国特許第3,574,628号、同3,
655,394号および英国特許第1,413,748
号などに記載された単分散乳剤も好ましい。
【0308】また、アスペクト比が約3以上であるよう
な平板状粒子も本発明に使用できる。平板状粒子は、ガ
トフ著、フォトグラフィック・サイエンス・アンド・エ
ンジニアリング(Gutoff,Photograph
ic Science and Engineerin
g)、第14巻、248〜257頁(1970年);米
国特許第4,434,226号、同4,414,310
号、同4,433,048号、同4,439,520号
および英国特許第2,112,157号などに記載の方
法により簡単に調製することができる。
【0309】結晶構造は一様なもので、内部と外部とが
異質なハロゲン組成からなるものでもよく、層状構造を
なしていてもよい。また、エピタキシャル接合によって
組成の異なるハロゲン化銀が接合されていてもよく、ま
た例えばロダン銀、酸化鉛などのハロゲン化銀以外の化
合物と接合されていてもよい。また種々の結晶形の粒子
の混合物を用いてもよい。
【0310】上記の乳剤は潜像を主として表面に形成す
る表面潜像型でも、粒子内部に形成する内部潜像型でも
表面と内部のいずれにも潜像を有する型のいずれでもよ
いが、ネガ型の乳剤であることが必要である。内部潜像
型のうち、特開昭63−264740号に記載のコア/
シェル型内部潜像型乳剤であってもよい。このコア/シ
ェル型内部潜像型乳剤の調製方法は、特開昭59−13
3542号に記載されている。この乳剤のシェルの厚み
は、現像処理等によって異なるが、3〜40nmが好ま
しく、5〜20nmが特に好ましい。
【0311】ハロゲン化銀乳剤は、通常、物理熟成、化
学熟成および分光増感を行ったものを使用する。このよ
うな工程で使用される添加剤はリサーチ・ディスクロー
ジャーNo.17643、同No.18716および同
No.307105に記載されており、その該当箇所を
後掲の表にまとめた。
【0312】本発明の感光材料には、感光性ハロゲン化
銀乳剤の粒子サイズ、粒子サイズ分布、ハロゲン組成、
粒子の形状、感度の少なくとも1つの特性の異なる2種
類以上の乳剤を、同一層中に混合して使用することがで
きる。
【0313】米国特許第4,082,553号に記載の
粒子表面をかぶらせたハロゲン化銀粒子、米国特許第
4,626,498号、特開昭59−214852号に
記載の粒子内部をかぶらせたハロゲン化銀粒子、コロイ
ド銀を感光性ハロゲン化銀乳剤層および/または実質的
に非感光性の親水性コロイド層に好ましく使用できる。
粒子内部または表面をかぶらせたハロゲン化銀粒子と
は、感光材料の未露光部および露光部を問わず、一様に
(非像様に)現像が可能となるハロゲン化銀粒子のこと
をいう。粒子内部または表面をかぶらせたハロゲン化銀
粒子の調製法は、米国特許第4,626,498号、特
開昭59−214852号に記載されている。
【0314】粒子内部がかぶらされたコア/シェル型ハ
ロゲン化銀粒子の内部核を形成するハロゲン化銀は、同
一のハロゲン組成をもつものでも異なるハロゲン組成を
もつものでもよい。粒子内部または表面をかぶらせたハ
ロゲン化銀としては、塩化銀、塩臭化銀、沃臭化銀、塩
沃臭化銀のいずれをも用いることができる。これらのか
ぶらされたハロゲン化銀粒子の粒子サイズには特別な限
定はないが、平均粒子サイズとしては0.01〜0.7
5μm、特に0.05〜0.6μmが好ましい。また、
粒子形状については特に限定はなく、規則的な粒子でも
よく、また、多分散乳剤でもよいが、単分散(ハロゲン
化銀粒子の重量または粒子数の少なくとも95%が平均
粒子径の±40%以内の粒子径を有するもの)であるこ
とが好ましい。
【0315】本発明には、非感光性微粒子ハロゲン化銀
を使用することが好ましい。非感光性微粒子ハロゲン化
銀とは、色素画像を得るための像様露光時においては感
光せずに、その現像処理において実質的に現像されない
ハロゲン化銀微粒子であり、あらかじめカブラされてい
ないほうが好ましい。
【0316】微粒子ハロゲン化銀は、臭化銀の含有率が
0〜100モル%であり、必要に応じて塩化銀および/
または沃化銀を含有してもよい。好ましくは沃化銀を、
0.5〜10モル%含有するものである。
【0317】微粒子ハロゲン化銀は、平均粒径(投影面
積の円相当直径の平均値)が0.01〜0.5μmが好
ましく、0.02〜0.2μmがより好ましい。
【0318】微粒子ハロゲン化銀は、通常の感光性ハロ
ゲン化銀と同様の方法で調製できる。この場合、ハロゲ
ン化銀粒子の表面は、光学的に増感される必要はなく、
また分光増感も不要である。ただし、これを塗布液に添
加するのに先立ち、あらかじめトリアゾール系、アザイ
ンデン系、ベンゾチアゾリウム系、もしくはメルカプト
系化合物または亜鉛化合物などの公知の安定剤を添加し
ておくことが好ましい。この微粒子ハロゲン化銀粒子含
有層に、コロイド銀を好ましく含有させることができ
る。
【0319】本発明の感光材料の塗布銀量は、6.0g
/m2 以下が好ましく、4.5g/m2 以下が最も好ま
しい。
【0320】本発明に使用できる公知の写真用添加剤も
上記の3つのリサーチ・ディスクロージャーに記載され
ており、下記の表に関連する記載箇所を示した。
【0321】 添加剤の種類 RD17643 RD18716 RD307105 1.化学増感剤 23頁 648頁右欄 866頁 2.感度上昇剤 648頁右欄 3.分光増感剤、 23〜24頁 648頁右欄 866 〜868 頁 強色増感剤 〜649 頁右欄 4.増 白 剤 24頁 647頁右欄 868頁 5.かぶり防止 24〜25頁 649頁右欄 868 〜870 頁 剤、安定剤 6.光吸収剤、 25〜26頁 649頁右欄 873頁 フィルター染料、 〜650 頁左欄 紫外線吸収剤 7.ステイン 25頁右欄 650頁左欄 872頁 防止剤 〜右欄 8.色素画像 25頁 650頁左欄 872頁 安定剤 9.硬 膜 剤 26頁 651頁左欄 874 〜875 頁 10.バインダー 26頁 651頁左欄 873 〜874 頁 11.可塑剤、潤滑剤 27頁 650頁右欄 876頁 12.塗布助剤、 26〜27頁 650頁右欄 875 〜876 頁 表面活性剤 13.スタチック 27頁 650頁右欄 876 〜877 頁 防止剤 14.マット剤 878 〜879 頁 また、ホルムアルデヒドガスによる写真性能の劣化を防
止するために、米国特許4,411,987号や同第
4,435,503号に記載されたホルムアルデヒドと
反応して、固定化できる化合物を感光材料に添加するこ
とが好ましい。
【0322】本発明の感光材料に、米国特許第4,74
0,454号、同第4,788,132号、特開昭62
−18539号、特開平1−283551号に記載のメ
ルカプト化合物を含有させることが好ましい。
【0323】本発明の感光材料に、特開平1−1060
52号に記載の、現像処理によって生成した現像銀量と
は無関係にかぶらせ剤、現像促進剤、ハロゲン化銀溶剤
またはそれらの前駆体を放出する化合物を含有させるこ
とが好ましい。
【0324】本発明の感光材料に、国際公開WO88/
04794号、特表平1−502912号に記載された
方法で分散された染料またはEP317,308A号、
米国特許4,420,555号、特開平1−25935
8号に記載の染料を含有させることが好ましい。
【0325】本発明には種々のカラーカプラーを使用す
ることができ、その具体例は前出のリサーチ・ディスク
ロージャーNo.17643、VII−C〜G、および
同No.307105、VII−C〜Gに記載された特
許に記載されている。
【0326】イエローカプラーとしては、本発明の一般
式(1)及び(2)で表されるカプラーの他に、例えば
米国特許第3,933,501号、同第4,022,6
20号、同第4,326,024号、同第4,401,
752号、同第4,248,961号、特公昭58−1
0739号、英国特許第1,425,020号、同第
1,476,760号、米国特許第3,973,968
号、同第4,314,023号、同第4,511,64
9号、欧州特許第249,473A号、等に記載のもの
が好ましい。
【0327】マゼンタカプラーとしては、本発明の一般
式(PA)で表されるカプラーの他に、5−ピラゾロン
系及びピラゾロアゾール系の化合物が好ましく、米国特
許第4,310,619号、同第4,351,897
号、欧州特許第73,636号、米国特許第3,06
1,432号、同第3,725,067号、リサーチ・
ディスクロージャーNo.24220(1984年6
月)、特開昭60−33552号、リサーチ・ディスク
ロージャーNo.24230(1984年6月)、特開
昭60−43659号、同61−72238号、同60
−35730号、同55−118034号、同60−1
85951号、米国特許第4,500,630号、同第
4,540,654号、同第4,556,630号、国
際公開WO88/04795号等に記載のものが特に好
ましい。
【0328】シアンカプラーとしては、フェノール系及
びナフトール系カプラーが挙げられ、米国特許第4,0
52,212号、同第4,146,396号、同第4,
228,233号、同第4,296,200号、同第
2,369,929号、同第2,801,171号、同
第2,772,162号、同第2,895,826号、
同第3,772,002号、同第3,758,308
号、同第4,334,011号、同第4,327,17
3号、西独特許公開第3,329,729号、欧州特許
第121,365A号、同第249,453A号、米国
特許第3,446,622号,同第4,333,999
号、同第4,775,616号、同第4,451,55
9号、同第4,427,767号、同第4,690,8
89号、同第4,254,212号、同第4,296,
199号、特開昭61−42658号等に記載のものが
好ましい。さらに、特開昭64−553号、同64−5
54号、同64−555号、同64−556号に記載の
ピラゾロアゾール系カプラーや、米国特許第4,81
8,672号に記載のイミダゾール系カプラーも使用す
ることができる。
【0329】本発明の一般式(PA)で表されるカプラ
ーの他に、ポリマー化された色素形成カプラーの典型例
は、米国特許第3,451,820号、同第4,08
0,211号、同第4,367,282号、同第4,4
09,320号、同第4,576,910号、英国特許
2,102,137号、欧州特許第341,188A号
等に記載されている。
【0330】発色色素が適度な拡散性を有するカプラー
としては、米国特許第4,366,237号、英国特許
第2,125,570号、欧州特許第96,570号、
西独特許(公開)第3,234,533号に記載のもの
が好ましい。
【0331】発色色素の不要吸収を補正するためのカラ
ード・カプラーは、リサーチ・ディスクロージャーN
o.17643号のVII−G項、同No.30710
5のVII−G項、米国特許第4,163,670号、
特公昭57−39413号、米国特許第4,004,9
29号、同第4,138,258号、英国特許第1,1
46,368号に記載のものが好ましい。また、米国特
許第4,774,181号に記載のカップリング時に放
出された蛍光色素により発色色素の不要吸収を補正する
カプラーや、米国特許第4,777,120号に記載の
現像主薬と反応して色素を形成しうる色素プレカーサー
基を離脱基として有するカプラーを用いることも好まし
い。
【0332】カップリングに伴って写真的に有用な残基
を放出する化合物もまた本発明で好ましく使用できる。
現像抑制剤を放出するDIRカプラーは、本発明の前記
一般式(I)及び一般式(II)もしくは一般式(1)
及び一般式(2)で表される化合物のほかに、目的に応
じて、前述のRD17643、VII−F項及び同N
o.307105、VII−F項に記載された特許、特
開昭57−151944号、同57−154234号、
同60−184248号、同63−37346号、同6
3−37350号、米国特許4,248,962号、同
4,782,012号に記載されたものが好ましい。
【0333】R.D.No.11449、同2424
1、特開昭61−201247号等に記載の漂白促進剤
放出カプラーは、漂白能を有する処理工程の時間を短縮
するのに有効であり、特に、前述の平板状ハロゲン化銀
粒子を用いる感光材料に添加する場合に、その効果が大
である。現像時に画像状に造核剤もしくは現像促進剤を
放出するカプラーとしては、英国特許第2,097,1
40号、同第2,131,188号、特開昭59−15
7638号、同59−170840号に記載のものが好
ましい。また、特開昭60−107029号、同60−
252340号、特開平1−44940号、同1−45
687号に記載の現像主薬の酸化体との酸化還元反応に
より、かぶらせ剤、現像促進剤、ハロゲン化銀溶剤等を
放出する化合物も好ましい。
【0334】その他、本発明の感光材料に用いることの
できる化合物としては、米国特許第4,130,427
号等に記載の競争カプラー、米国特許4,283,47
2号、同第4,338,393号、同第4,310,6
18号等に記載の多当量カプラー、特開昭60−185
950号、特開昭62−24252号等に記載のDIR
レドックス化合物放出カプラー、DIRカプラー放出カ
プラー、DIRカプラー放出レドックス化合物もしくは
DIRレドックス放出レドックス化合物、欧州特許第1
73,302A号、同第313,308Aに記載の離脱
後復色する色素を放出するカプラー、米国特許第4,5
55,477号等に記載のリガンド放出カプラー、特開
昭63−75747号に記載のロイコ色素を放出するカ
プラー、米国特許第4,774,181号に記載の蛍光
色素を放出するカプラー等が挙げられる。
【0335】本発明に使用するカプラーは、種々の公知
分散方法により感光材料に導入できる。
【0336】水中油滴分散法に用いられる高沸点溶媒の
例は米国特許第2,322,027号などに記載されて
いる。水中油滴分散法に用いられる常圧での沸点が17
5℃以上の高沸点有機溶剤の具体例としては、フタル酸
エステル類(例えば、ジブチルフタレート、ジシクロヘ
キシルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレー
ト、デシルフタレート、ビス(2,4−ジ−t−アミル
フェニル)フタレート、ビス(2,4−ジ−t−アミル
フェニル)イソフタレート、ビス(1,1−ジエチルプ
ロピル)フタレート)、リン酸またはホスホン酸のエス
テル類(例えば、トリフェニルホスフェート、トリクレ
ジルホスフェート、2−エチルヘキシルジフェニルホス
フェート、トリシクロヘキシルホスフェート、トリ−2
−エチルヘキシルホスフェート、トリドデシルホスフェ
ート、トリブトキシエチルホスフェート、トリクロロプ
ロピルホスフェート、ジ−2−エチルヘキシルフェニル
ホスホネート)、安息香酸エステル類(例えば、2−エ
チルヘキシルベンゾエート、ドデシルベンゾエート、2
−エチルヘキシル−p−ヒドロキシベンゾエート)、ア
ミド類(例えば、N,N−ジエチルドデカンアミド、
N,N−ジエチルラウリルアミド、N−テトラデシルピ
ロリドン)、アルコール類またはフェノール類(例え
ば、イソステアリルアルコール、2,4−ジ−tert
−アミルフェノール)、脂肪族カルボン酸エステル類
(例えば、ビス(2−エチルヘキシル)セバケート、ジ
オクチルアゼレート、グリセロールトリブチレート、イ
ソステアリルラクテート、トリオクチルシトレート)、
アニリン誘導体(例えば、N,N−ジブチル−2−ブト
キシ−5−tert−オクチルアニリン)、炭化水素類
(例えば、パラフィン、ドデシルベンゼン、ジイソプロ
ピルナフタレン)などが挙げられる。また補助溶剤とし
ては、沸点が約30℃以上、好ましくは50℃以上約1
60℃以下の有機溶剤などが使用でき、典型例としては
酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸エチル、メチル
エチルケトン、シクロヘキサノン、2−エトキシエチル
アセテート、ジメチルホルムアミドなどが挙げられる。
【0337】ラテックス分散法の工程、効果および含浸
用のラテックスの具体例は、米国特許第4,199,3
63号、西独特許出願(OLS)第2,541,274
号および同第2,541,230号などに記載されてい
る。
【0338】本発明のカラー感光材料中には、フェネチ
ルアルコールや特開昭63−257747号、同62−
272248号、および特開平1−80941号に記載
の1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、n−ブチ
ル p−ヒドロキシベンゾエート、フェノール、4−ク
ロル−3,5−ジメチルフェノール、2−フェノキシエ
タノール、2−(4−チアゾリル)ベンズイミダゾール
等の各種の防腐剤もしくは防黴剤を添加することが好ま
しい。
【0339】本発明は種々のカラー感光材料に適用する
ことができる。一般用もしくは映画用のカラーネガフィ
ルム、スライド用もしくはテレビ用のカラー反転フィル
ム、カラーペーパー、カラーポジフィルムおよびカラー
反転ぺーパーなどを代表例として挙げることができる。
【0340】本発明に使用できる適当な支持体は、例え
ば、前述のRD.No.17643の28頁、同No.
18716の647頁右欄から648頁左欄、および同
No.307105の879頁に記載されている。
【0341】本発明の感光材料は、乳剤層を有する側の
全親水性コロイド層の膜厚の総和が28μm以下である
ことが好ましく、23μm以下がより好ましく、18μ
m以下が更に好ましく、16μm以下が特に好ましい。
また膜膨潤速度T1/2 は30秒以下が好ましく、20秒
以下がより好ましい。膜厚は、25℃相対湿度55%調
湿下(2日)で測定した膜厚を意味し、膜膨潤速度T
1/2 は、当該技術分野において公知の手法に従って測定
することができる。例えば、エー・グリーン(A.Gr
een)らによりフォトグラフィック・サイエンス・ア
ンド・エンジニアリング(Photogr.Sci.E
ng.),19巻、2号,124〜129頁に記載の型
のスエロメーター(膨潤計)を使用することにより、測
定でき、T1/2 は発色現像液で30℃、3分15秒処理
した時に到達する最大膨潤膜厚の90%を飽和膜厚と
し、飽和膜厚の1/2に到達するまでの時間と定義す
る。
【0342】膜膨潤速度T1/2 は、バインダーとしての
ゼラチンに硬膜剤を加えること、あるいは塗布後の経時
条件を変えることによって調整することができる。ま
た、膨潤率は150〜400%が好ましい。膨潤率と
は、さきに述べた条件下で最大膨潤膜厚から、式:(最
大膨潤膜厚−膜厚)/膜厚、に従って計算できる。
【0343】本発明の感光材料は、乳剤層を有する側の
反対側に、乾燥膜厚の総和が2μm〜20μmの親水性
コロイド層(バック層と称す)を設けることが好まし
い。このバック層には、前述の光吸収剤、フィルター染
料、紫外線吸収剤、スタチック防止剤、硬膜剤、バイン
ダー、可塑剤、潤滑剤、塗布助剤、表面活性剤等を含有
させることが好ましい。このバック層の膨潤率は150
〜500%が好ましい。
【0344】本発明に従ったカラー写真感光材料は、前
述のRD.No.17643の28〜29頁、同No.
18716の651左欄〜右欄、および同No.307
105の880〜881頁に記載された通常の方法によ
って現像処理することができる。
【0345】本発明においては、特に、カラー現像処理
工程の発色現像処理工程の前に、pH8.0以上の緩衝
能を有する前浴の処理工程を行うときに、連続処理に伴
う写真性能の変動が低減できる。
【0346】この発色現像処理工程の前に行う前浴処理
工程はpH8.0以上の緩衝能を有する処理浴であり、
pHは好ましくは8.0〜12.0の範囲であり、より
好ましくは8.5〜11.0の範囲である。緩衝能を賦
与させるためにはアルカリ金属のホウ酸塩、炭酸塩、リ
ン酸塩を用いることができる。これら塩の濃度として
は、1.0×10-2〜5.0×10-1モル/リットルの
範囲であればよい。
【0347】また、前浴処理液中には処理液中での感光
材料の膜質を調製するために、アルカリ金属の硫酸塩
(例えば硫酸ナトリウムや硫酸カリウム)や硝酸塩(例
えば硝酸ナトリウムや硝酸カリウム)など緩衝能を大き
く変えることのない中性塩を1×10-1〜1.0モル/
リットルの範囲で添加してもよい。
【0348】本発明の前浴の処理工程の後には水洗もし
くはリンスの工程が続いて行われ、その後、発色現像処
理工程を行うことができる。
【0349】本発明の感光材料の現像処理に用いる発色
現像液は、好ましくは芳香族第一級アミン系発色現像主
薬を主成分とするアルカリ性水溶液である。この発色現
像主薬としては、アミノフェノール系化合物も有用であ
るが、p−フェニレンジアミン系化合物が好ましく使用
され、その代表例としては3−メチル−4−アミノ−
N,N−ジエチルアニリン、3−メチル−4−アミノ−
N−エチル−N−β−ヒドロキシエチルアニリン、3−
メチル−4−アミノ−N−エチル−N−β−メタンスル
ホンアミドエチルアニリン、3−メチル−4−アミノ−
N−エチル−β−メトキシエチルアニリン及びこれらの
硫酸塩、塩酸塩もしくはp−トルエンスルホン酸塩など
が挙げられる。これらの中で、特に、3−メチル−4−
アミノ−N−エチル−N−β−ヒドロキシエチルアニリ
ン硫酸塩が好ましい。これらの化合物は目的に応じ2種
以上併用することもできる。
【0350】発色現像液は、アルカリ金属の炭酸塩、ホ
ウ酸塩もしくはリン酸塩のようなpH緩衝剤、塩化物
塩、臭化物塩、沃化物塩、ベンズイミダゾール類、ベン
ゾチアゾール類もしくはメルカプト化合物のような現像
抑制剤またはカブリ防止剤などを含むのが一般的であ
る。また必要に応じて、ヒドロキシルアミン、ジエチル
ヒドロキシルアミン、亜硫酸塩、N,N−ビスカルボキ
シメチルヒドラジンの如きヒドラジン類、フェニルセミ
カルバジド類、トリエタノールアミン、カテコールスル
ホン酸類の如き各種保恒剤、エチレングリコール、ジエ
チレングリコールのような有機溶剤、ベンジルアルコー
ル、ポリエチレングリコール、四級アンモニウム塩、ア
ミン類のような現像促進剤、色素形成カプラー、競争カ
プラー、1−フェニル−3−ピラゾリドンのような補助
現像主薬、粘性付与剤、アミノポリカルボン酸、アミノ
ポリホスホン酸、アルキルホスホン酸、ホスホノカルボ
ン酸に代表されるような各種キレート剤、例えば、エチ
レンジアミン四酢酸、ニトリロ三酢酸、ジエチレントリ
アミン五酢酸、シクロヘキサンジアミン四酢酸、ヒドロ
キシエチルイミノジ酢酸、1−ヒドロキシエチリデン−
1,1−ジホスホン酸、ニトリロ−N,N,N−トリメ
チレンホスホン酸、エチレンジアミン−N,N,N,N
−テトラメチレンホスホン酸、エチレンジアミン−ジ
(o−ヒドロキシフェニル酢酸)及びそれらの塩を代表
例として挙げることができる。
【0351】また反転処理を実施する場合は通常黒白現
像を行なってから発色現像する。この黒白現像液には、
ハイドロキノンなどのジヒドロキシベンゼン類、1−フ
ェニル−3−ピラゾリドンなどの3−ピラゾリドン類ま
たはN−メチル−p−アミノフェノールなどのアミノフ
ェノール類など公知の黒白現像主薬を単独であるいは組
み合わせて用いることができる。これらの発色現像液及
び黒白現像液のpHは9〜12であることが一般的であ
る。またこれらの現像液の補充量は、処理するカラー写
真感光材料にもよるが、一般に感光材料1平方メートル
当たり3L以下であり、補充液中の臭化物イオン濃度を
低減させておくことにより500ml以下にすることも
できる。補充量を低減する場合には処理槽の空気との接
触面積を小さくすることによって液の蒸発、空気酸化を
防止することが好ましい。
【0352】処理槽での写真処理液と空気との接触面積
は、以下の定義する開口率で表わすことができる。即
ち、 開口率=処理液と空気との接触面積(cm2 )÷処理液
の容量(cm3 ) 上記の開口率は、0.1以下であることが好ましく、よ
り好ましくは0.001〜0.05である。このように
開口率を低減させる方法としては、処理槽の写真処理液
面に浮き蓋等の遮蔽物を設けるほかに、特開平1−82
033号に記載された可動蓋を用いる方法、特開昭63
−216050号に記載されたスリット現像処理方法を
挙げることができる。開口率を低減させることは、発色
現像及び黒白現像の両工程のみならず、後続の諸工程、
例えば、漂白、漂白定着、定着、水洗、安定化などの全
ての工程において適用することが好ましい。また、現像
液中の臭化物イオンの蓄積を抑える手段を用いることに
より補充量を低減することもできる。
【0353】発色現像処理の時間は、通常2〜5分の間
で設定されるが、高温高pHとし、かつ発色現像主薬を
高濃度に使用することにより、更に処理時間の短縮を図
ることもできる。
【0354】発色現像後の写真乳剤層は通常漂白処理さ
れる。漂白処理は定着処理と同時に行なわれてもよいし
(漂白定着処理)、個別に行なわれてもよい。更に処理
の迅速化を図るため、漂白処理後漂白定着処理する処理
方法でもよい。さらに二槽の連続した漂白定着浴で処理
すること、漂白定着処理の前に定着処理すること、又は
漂白定着処理後漂白処理することも目的に応じ任意に実
施できる。漂白剤としては、例えば鉄(III)などの
多価金属の化合物、過酸類、キノン類、ニトロ化合物等
が用いられる。代表的漂白剤としては鉄(III)の有
機錯塩、例えばエチレンジアミン四酢酸、ジエチレント
リアミン五酢酸、シクロヘキサンジアミン四酢酸、メチ
ルイミノ二酢酸、1,3−ジアミノプロパン四酢酸、グ
リコールエーテルジアミン四酢酸、などのアミノポリカ
ルボン酸類もしくはクエン酸、酒石酸、リンゴ酸などの
錯塩などを用いることができる。これらのうちエチレン
ジアミン四酢酸鉄(III)錯塩、及び1,3−ジアミ
ノプロパン四酢酸鉄(III)錯塩を始めとするアミノ
ポリカルボン酸鉄(III)錯塩は迅速処理と環境汚染
防止の観点から好ましい。さらにアミノポリカルボン酸
鉄(III)錯塩は漂白液においても、漂白定着液にお
いても特に有用である。これらのアミノポリカルボン酸
鉄(III)錯塩を用いた漂白液又は漂白定着液のpH
は通常4.0〜8であるが、処理の迅速化のためにさら
に低いpHで処理することもできる。
【0355】漂白液、漂白定着液及びそれらの前浴に
は、必要に応じて漂白促進剤を使用することができる。
有用な漂白促進剤の具体例は、次の明細書に記載されて
いる:米国特許第3,893,858号、西独特許第
1,290,812号、同2,059,988号、特開
昭53−32736号、同53−57831号、同53
−37418号、同53−72623号、同53−95
630号、同53−95631号、同53−10423
2号、同53−124424号、同53−141623
号、同53−28426号、リサーチ・ディクロージャ
ーNo.17129号(1978年7月)などに記載の
メルカプト基またはジスルフィド基を有する化合物;特
開昭50−140129号に記載のチアゾリジン誘導
体;特公昭45−8506号、特開昭52−20832
号、同53−32735号、米国特許第3,706,5
61号に記載のチオ尿素誘導体;西独特許第1,12
7,715号、特開昭58−16,235号に記載の沃
化物塩;西独特許第966,410号、同2,748,
430号に記載のポリオキシエチレン化合物類;特公昭
45−8836号記載のポリアミン化合物;その他特開
昭49−40,943号、同49−59,644号、同
53−94,927号、同54−35,727号、同5
5−26,506号、同58−163,940号記載の
化合物;臭化物イオン等が使用できる。なかでもメルカ
プト基またはジスルフィド基を有する化合物が促進効果
が大きい観点で好ましく、特に米国特許第3,893,
858号、西独特許第1,290,812号、特開昭5
3−95,630号に記載の化合物が好ましい。更に、
米国特許第4,552,834号に記載の化合物も好ま
しい。これらの漂白促進剤は感材中に添加してもよい。
撮影用のカラー感光材料を漂白定着するときにこれらの
漂白促進剤は特に有効である。
【0356】漂白剤や漂白定着液には上記の化合物の他
に、漂白ステインを防止する目的で有機酸を含有させる
ことが好ましい。特に好ましい有機酸は、酸解離定数
(pKa)が2〜5である化合物で、具体的には酢酸、
プロピオン酸、ヒドロキシ酢酸などが好ましい。
【0357】定着液や漂白定着液に用いられる定着剤と
してはチオ硫酸塩、チオシアン酸塩、チオエーテル系化
合物、チオ尿素類、多量の沃化物塩等をあげることがで
きるが、チオ硫酸塩の使用が一般的であり、特にチオ硫
酸アンモニウムが最も広範に使用できる。また、チオ硫
酸液とチオシアン酸塩、チオエーテル系化合物、チオ尿
素などの併用も好ましい。定着液や漂白定着液の保恒剤
としては、亜硫酸塩、重亜硫酸塩、カルボニル重亜硫酸
付加物あるいは欧州特許第294769A号に記載のス
ルフィン酸化合物が好ましい。更に、定着液や漂白定着
液には液の安定化の目的で、各種アミノポリカルボン酸
類や有機ホスホン酸類の添加が好ましい。
【0358】本発明において、定着液または漂白定着液
には、pH調整のためにpKaが6.0〜9.0の化合
物、好ましくは、イミダゾール、1−メチルイミダゾー
ル、1−エチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール
の如きイミダゾール類を0.1〜10モル/L添加する
ことが好ましい。
【0359】脱銀工程の時間の合計は、脱銀不良が生じ
ない範囲で短い方が好ましい。好ましい時間は1分〜3
分、更に好ましくは1分〜2分である。また、処理温度
は25℃〜50℃、好ましくは35℃〜45℃である。
好ましい温度範囲においては、脱銀速度が向上し、かつ
処理後のステイン発生が有効に防止される。
【0360】脱銀工程においては、撹拌ができるだけ強
化されていることが好ましい。撹拌強化の具体的な方法
としては、特開昭62−183460号に記載の感光材
料の乳剤面に処理液の噴流を衝突させる方法や、特開昭
62−183461号の回転手段を用いて撹拌効果を上
げる方法、更には液中に設けられたワイパーブレードと
乳剤面を接触させながら感光材料を移動させ、乳剤表面
を乱流化することによってより撹拌効果を向上させる方
法、処理液全体の循環流量を増加させる方法が挙げられ
る。このような撹拌向上手段は、漂白液、漂白定着液、
定着液のいずれにおいても有効である。撹拌の向上は乳
剤膜中への漂白剤、定着剤の供給を速め、結果として脱
銀速度を高めるものと考えられる。また、前記の撹拌向
上手段は、漂白促進剤を使用した場合により有効であ
り、促進効果を著しく増加させたり漂白促進剤による定
着阻害作用を解消させることができる。
【0361】本発明の感光材料に用いられる自動現像機
は、特開昭60−191257号、同60−19125
8号、同60−191259号に記載の感光材料搬送手
段を有していることが好ましい。前記の特開昭60−1
91257号に記載のとおり、このような搬送手段は前
浴から後浴への処理液の持込みを著しく削減でき、処理
液の性能劣化を防止する効果が高い。このような効果は
各工程における処理時間の短縮や、処理液補充量の低減
に特に有効である。
【0362】本発明のハロゲン化銀カラー写真感光材料
は、脱銀処理後、水洗及び/又は安定工程を経るのが一
般的である。水洗工程での水洗水量は、感光材料の特性
(例えばカプラー等使用素材による)、用途、更には水
洗水温、水洗タンクの数(段数)、向流、順流等の補充
方式、その他種々の条件によって広範囲に設定し得る。
このうち、多段向流方式における水洗タンク数と水量の
関係は、Journal of the Societ
y of Motion Picture and T
elevision Engineers、第64巻、
P.248〜253(1955年5月号)に記載の方法
で、求めることができる。前記文献に記載の多段向流方
式によれば、水洗水量を大幅に減少し得るが、タンク内
における水の滞留時間の増加により、バクテリアが繁殖
し、生成した浮遊物が感光材料に付着する等の問題が生
じる。本発明のカラー感光材料の処理において、このよ
うな問題の解決策として、特開昭62−288,838
号に記載のカルシウムイオン、マグネシウムイオンを低
減させる方法を極めて有効に用いることができる。ま
た、特開昭57−8,542号に記載のイソチアゾロン
化合物やサイアベンダゾール類、塩素化イソシアヌール
酸ナトリウム等の塩素系殺菌剤、その他ベンゾトリアゾ
ール等、堀口博著「防菌防黴剤の化学」(1986年)
三共出版、衛生技術会編「微生物の滅菌、殺菌、防黴技
術」(1982年)工業技術会、日本防菌防黴学会編
「防菌防黴剤事典」(1986年)に記載の殺菌剤を用
いることもできる。
【0363】本発明の感光材料の処理における水洗水の
pHは、4〜9であり、好ましくは5〜8である。水洗
水温、水洗時間も、感光材料の特性、用途等で種々設定
し得るが、一般には、15〜45℃で20秒〜10分、
好ましくは25〜40℃で30秒〜5分の範囲が選択さ
れる。更に、本発明の感光材料は、上記水洗に代り、直
接安定液によって処理することもできる。このような安
定化処理においては、特開昭57−8543号、同58
−14834号、同60−220345号に記載の公知
の方法はすべて用いることができる。
【0364】また、前記水洗処理に続いて、更に安定化
処理する場合もあり、その例として、撮影用カラー感光
材料の最終浴として使用される、色素安定化剤と界面活
性剤を含有する安定浴を挙げることができる。色素安定
化剤としては、ホルマリンやグルタルアルデヒドなどの
アルデヒド類、N−メチロール化合物、ヘキサメチレン
テトラミンあるいはアルデヒド亜硫酸付加物などを挙げ
ることができる。この安定浴にも各種キレート剤や防黴
剤を加えることもできる。
【0365】上記水洗及び/又は安定液の補充に伴うオ
ーバーフロー液は脱銀工程等他の工程において再利用す
ることもできる。
【0366】自動現像機などを用いた処理において、上
記の各処理液が蒸発により濃縮化する場合には、水を加
えて濃縮補正することが好ましい。
【0367】本発明のハロゲン化銀カラー感光材料には
処理の簡略化及び迅速化の目的で発色現像主薬を内蔵し
ても良い。内蔵するためには、発色現像主薬の各種プレ
カーサーを用いるのが好ましい。例えば米国特許第3,
342,597号記載のインドアニリン系化合物、同第
3,342,599号、リサーチ・ディスクロージャー
No.14,850及び同No.15,159に記載の
シッフ塩基型化合物、同13,924号記載のアルドー
ル化合物、米国特許第3,719,492号記載の金属
塩錯体、特開昭53−135628号記載のウレタン系
化合物を挙げることができる。
【0368】本発明のハロゲン化銀カラー感光材料は、
必要に応じて、発色現像を促進する目的で、各種の1−
フェニル−3−ピラゾリドン類を内蔵しても良い。典型
的な化合物は特開昭56−64339号、同57−14
4547号、および同58−115438号等に記載さ
れている。
【0369】本発明における各種処理液は10℃〜50
℃において使用される。通常は33℃〜38℃の温度が
標準的であるが、より高温にして処理を促進し処理時間
を短縮したり、逆により低温にして画質の向上や処理液
の安定性の改良を達成することができる。
【0370】
【実施例】以下本発明を実施例により更に詳細に説明す
るが本発明はこれらに限定されるものではない。
【0371】実施例 1 下塗りを施した三酢酸セルロースフィルム支持体上に、
下記に示すような組成の各層よりなる多層カラー感光材
料である試料101を作成した。 (感光層の組成)塗布量はハロゲン化銀およびコロイド
銀については銀のg/m2 単位で表した量を、またカプ
ラー、添加剤およびゼラチンについてはg/m2 単位で
表した量を、また増感色素については同一層内のハロゲ
ン化銀1モルあたりのモル数で示した。 第1層(ハレーション防止層) 黒色コロイド銀 0.15 ゼラチン 1.90 ExM−1 5.0×10-3 第2層(中間層) ゼラチン 2.10 UV−1 3.0×10-2 UV−2 6.0×10-2 UV−3 7.0×10-2 ExF−1 4.0×10-3 Solv−2 7.0×10-2 第3層(低感度赤感乳剤層) 沃臭化銀乳剤(AgI2モル%、内部高AgI型、球相当径0.3μm、 球相当径の変動係数20%、正常晶、双晶混合粒子、直径/厚み比2.5) 銀塗布量 0.50 ゼラチン 1.50 ExS−1 1.0×10-4 ExS−2 3.0×10-4 ExS−3 1.0×10-5 ExC−1 0.11 ExC−3 0.11 ExC−4 3.0×10-2 ExC−7 1.0×10-2 Solv−1 7.0×10-3 第4層(中感度赤感乳剤層) 沃臭化銀乳剤(AgI4モル%、内部高AgI型、球相当径0.55μm、 球相当径の変動係数17%、正常晶、双晶混合粒子、直径/厚み比1.0) 銀塗布量 0.85 ゼラチン 2.00 ExS−1 1.0×10-4 ExS−2 3.0×10-4 ExS−3 1.0×10-5 ExC−1 0.16 ExC−2 8.0×10-2 ExC−3 0.17 ExC−7 1.5×10-2 ExY−1 2.0×10-2 ExY−2 1.0×10-2 Cpd−10 1.0×10-4 Solv−1 0.10 第5層(高感度赤感乳剤層) 沃臭化銀乳剤(AgI10モル%、内部高AgI型、球相当径0.7μm、 球相当径の変動係数18%、双晶混合粒子、直径/厚み比4.0) 銀塗布量 0.70 ゼラチン 1.60 ExS−1 1.0×10-4 ExS−2 3.0×10-4 ExS−3 1.0×10-5 ExC−5 7.0×10-2 ExC−6 8.0×10-2 ExC−7 1.5×10-2 Solv−1 0.15 Solv−2 8.0×10-2 第6層(中間層) ゼラチン 0.50 P−2 0.17 Cpd−1 0.10 Cpd−4 0.17 Solv−1 5.0×10-2 第7層(低感度緑感乳剤層) 沃臭化銀乳剤(AgI2モル%、内部高AgI型、球相当径0.3μm、 球相当径の変動係数18%、正常晶、双晶混合粒子、直径/厚み比2.5) 銀塗布量 0.40 ゼラチン 0.50 ExS−4 5.0×10-4 ExS−5 2.0×10-4 ExS−6 0.3×10-4 ExM−1 3.0×10-2 ExM−2 0.10 (P−13) 0.12 ExY−1 3.0×10-2 Cpd−11 7.0×10-3 Solv−1 0.22 第8層(中感度緑感乳剤層) 沃臭化銀乳剤(AgI4モル%、内部高AgI型、球相当径0.55μm、 球相当径の変動係数20%、正常晶、双晶混合粒子、直径/厚み比4.0) 銀塗布量 0.70 ゼラチン 1.00 ExS−4 5.0×10-4 ExS−5 2.0×10-4 ExS−6 3.0×10-5 ExM−1 3.0×10-2 ExM−2 0.12 (P−13) 0.15 ExM−3 1.5×10-2 ExY−1 4.0×10-2 Cpd−11 9.0×10-3 Solv−1 0.22 第9層(高感度緑感乳剤層) 沃臭化銀乳剤(AgI10モル%、内部高AgI型、球相当径0.7μm、 球相当径の変動係数20%、正常晶、双晶混合粒子、直径/厚み比5.0) 銀塗布量 0.50 ゼラチン 0.90 ExS−4 2.0×10-4 ExS−5 2.0×10-4 ExS−6 2.0×10-5 ExS−7 3.0×10-4 ExM−1 1.0×10-2 ExM−4 3.9×10-2 ExM−5 2.6×10-2 ExY−1 0.5×10-2 Cpd−2 1.0×10-2 Cpd−9 2.0×10-4 Cpd−10 2.0×10-4 Solv−1 0.20 Solv−2 5.0×10-2 第10層(イエローフィルター層) ゼラチン 0.90 黄色コロイド 5.0×10-2 Cpd−1 0.20 Solv−1 0.15 第11層(低感度青感乳剤層) 沃臭化銀乳剤(AgI4モル%、内部高AgI型、球相当径0.5μm、 球相当径の変動係数15%、8面体粒子) 銀塗布量 0.40 ゼラチン 1.00 ExS−8 2.0×10-4 比較カプラー(a) 7.3×10-2 比較カプラー(A) 0.90 Cpd−2 1.0×10-2 Solv−1 0.24 第12層(高感度青感乳剤層) 沃臭化銀乳剤(AgI10モル%、内部高AgI型、球相当径1.1μm、 球相当径の変動係数22%、正常晶、双晶混合粒子、直径/厚み比6.5) 銀塗布量 0.50 ゼラチン 0.60 ExS−8 1.0×10-4 比較カプラー(a) 1.0×10-2 比較カプラー(A) 0.12 Cpd−2 1.0×10-3 Solv−1 3.3×10-2 第13層(第1保護層) 微粒子沃臭化銀(平均粒径0.07μm、AgI 1モル%) 0.20 ゼラチン 0.80 UV−2 0.10 UV−3 0.10 UV−4 0.20 Solv−3 4.0×10-2 P−2 9.0×10-2 第14層(第2保護層) ゼラチン 0.90 B−1(直径1.5μm) 0.10 B−2(直径1.5μm) 0.10 B−3 2.0×10-2 H−1 0.40 更に、保存性、処理性、圧力耐性、防黴・防菌性、帯電
防止性、及び塗布性をよくするために、下記のCpd−
3、Cpd−5、Cpd−6、Cpd−7、Cpd−
8、P−1、W−1、W−2、W−3を添加した。
【0372】上記の他に、n−ブチル−p−ヒドロキシ
ベンゾエートが添加された。さらにB−4、F−1、F
−4、F−5、F−6、F−7、F−8、F−9、F−
10、F−11、および、鉄塩、鉛塩、金塩、白金塩、
イリジウム塩、ロジウム塩が含有されている。
【0373】次に本発明に用いた化合物の化学構造式ま
たは化学名を下記化117〜130に示した。
【0374】
【化117】
【0375】
【化118】
【0376】
【化119】
【0377】
【化120】
【0378】
【化121】
【0379】
【化122】
【0380】
【化123】
【0381】
【化124】
【0382】
【化125】
【0383】
【化126】
【0384】
【化127】
【0385】
【化128】
【0386】
【化129】
【0387】
【化130】 続いて、試料101の第11層および第12層に用いた
比較カプラー(a)、比較カプラー(A)を後掲の表
8,表9および表10に示すように他の比較カプラーま
たは前記本発明の一般式(I)、(II)で表わされる化
合物あるいは一般式(1)、(2)で表わされるカプラ
ーに等モル量置き換えて試料102〜128を作製し
た。
【0388】但し、試料115〜117に用いた本発明
のCA−1、CA−12およびSA−5については0.
8倍モル量置換である。また、試料128については第
4層のExY−1を本発明のCB−10に、ExY−2
を同じくY−58に、第7層のExY−1を同じくCB
−9に、第8層のExY−1を同じくCB−6にそれぞ
れ等モル量置き換えて試料を作製した。
【0389】なお、他の比較カプラーについては下記化
131および化132に示した。
【0390】
【化131】
【0391】
【化132】 これら作製した試料101〜128は35mm巾に加工
し、以下の性能評価(1)〜(4)に応じた露光を与え
てから自動現像機を用い、処理を行った。このとき発色
現像液の累積補充量が母液タンク容量の3倍量になるま
で別途像様露光を与えた試料101を処理したのち、処
理を実施した。
【0392】処理工程および処理液を次に示す。
【0393】 処 理 工 程 工 程 処理時間 処理温度 補充量* タンク容量 発色現像 3分05秒 38.0℃ 600ml 5リットル 漂 白 50秒 38.0℃ 140ml 3リットル 漂白定着 50秒 38.0℃ − 3リットル 定 着 50秒 38.0℃ 420ml 3リットル 水 洗 30秒 38.0℃ 980ml 2リットル 安定(1) 20秒 38.0℃ − 2リットル 安定(2) 20秒 38.0℃ 560ml 2リットル 乾 燥 1分 60℃ *補充量は感光材料1m2 当たりの量 安定は(2)から(1)への向流方式であり、水洗水の
オーバーフロー液は全て定着浴へ導入した。漂白定着浴
への補充は、自動現像機の漂白槽の上部と漂白定着槽底
部並びに定着槽の上部と漂白定着槽底部とをパイプで接
続し、漂白槽、定着槽への補充液の供給により発生する
オーバーフロー液の全てが漂白定着浴に流入されるよう
にした。尚、現像液の漂白工程への持ち込み量、漂白液
の漂白定着工程への持ち込み量、漂白定着液の定着工程
への持ち込み量及び定着液の水洗工程への持ち込み量は
感光材料1m2 当たりそれぞれ65ml、50ml、50m
l、50mlであった。また、クロスオーバーの時間はい
づれも5秒であり、この時間は前工程の処理時間に包含
される。
【0394】以下に処理液の組成を示す。 (発色現像液) 母液(g) 補充液(g) ジエチレントリアミン五酢酸 2.0 2.2 1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホス ホン酸 3.3 3.3 亜硫酸ナトリウム 3.9 5.2 炭酸カリウム 37.5 39.0 臭化カリウム 1.4 0.4 ヨウ化カリウム 1.3mg − ヒドロキシルアミン硫酸塩 2.4 3.3 2−メチル−4−〔N−エチル−N−(β− ヒドロキシエチル)アミノ〕アニリン硫酸塩 4.5 6.0 水を加えて 1.0リットル 1.0リットル pH 10.05 10.15 (漂 白 液) 母液(g) 補充液(g) 1,3−プロピレンジアミン四酢酸第二鉄 アンモニウム一水塩 144.0 206.0 臭化アンモニウム 84.0 120.0 硝酸アンモニウム 17.5 25.0 ヒドロキシ酢酸 63.0 90.0 酢酸 54.2 80.0 水を加えて 1.0リットル 1.0リットル pH〔アンモニア水で調整〕 3.80 3.60 (漂白定着液母液) 上記の漂白液母液と下記定着液母液の15対85の混合液 (定 着 液) 母液(g) 補充液(g) 亜硫酸アンモニウム 19.0 57.0 チオ硫酸アンモニウム水溶液(700g/リットル) 280ml 840ml イミダゾール 28.5 85.5 エチレンジアミン四酢酸 12.5 37.5 水を加えて 1.0リットル 1.0リットル pH〔アンモニア水、酢酸で調整〕 7.40 7.45 (水洗水) 母液、補充液共通 水道水をH型強酸性カチオン交換樹脂(ロームアンドハ
ース社製アンバーライトIR−120B)と、OH型強
塩基性アニオン交換樹脂(同アンバーライトIRA−4
00)を充填した混床式カラムに通水してカルシウム及
びマグネシウムイオン濃度を3mg/リットル以下に処理
し、続いて二塩化イソシアヌール酸ナトリウム20mg/
リットルと硫酸ナトリウム150mg/リットルを添加し
た。この液のpHは6.5〜7.5の範囲であった。 (安定液) 母液、補充液共通 (単位g) ホルマリン(37%) 1.2ml p−トルエンスルフィン酸ナトリウム 0.3 ポリオキシエチレン−p−モノノニルフェニルエーテル (平均重合度10) 0.2 エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩 0.05 水を加えて 1.0リットル pH 7.2 性能評価は下記の項目について実施した。 (1)写真性 白光の階調露光を与え、上記処理を行ってから、青色
(B)光で濃度測定を行って得た特性曲線から、最小濃
度(Dmin)+0.3の濃度を与える露光量の逆数の対数
値を求め、これを感度(S)とし、試料101を基準に
とってその差(ΔS1 )を算出した。プラス値が大きい
程、高感であることを示す。
【0395】さらに、この感度点から logE=1.5の
高露光量のところの濃度値を読み取り、最小濃度を減じ
てその値(D)を求め、同じく試料101を基準にとっ
てその濃度比(D1 %)を算出した。100より大きい
値は高い発色濃度を与えることを示す。 (2)感度材料の経時安定性 各試料について2組を準備し、1つの組は45℃,70
%RHの条件下に7日間保存し、もう1つの組は5℃の
冷蔵庫中に保存し、保存期間終了後、上述の白光露光を
与え、これらの試料を同時に処理した。(1)と同様の
方法に従って最小濃度+0.5の濃度を与える露光量の
逆数の対数値を求め、同一試料間の差(ΔS2 )を算出
した。値は0に近い程経時による写真性の変動が小さい
ことを示し、好ましいことを表わす。 (3)色像堅牢性 白光の階調露光を与え上記処理を行った試料をB光で濃
度測定を行ってから、これらの試料を60℃,70%R
Hの条件下に5週間保存し、保存終了後再度B光で濃度
測定を行い、テスト開始前の濃度2.0を与える露光量
のところのテスト終了後の濃度を読み取り、テスト開始
前の濃度で除してその百分率を色像残存率(%)として
示した。値は大きい程(100に近い程)高い色像堅牢
性を表わす。 (4)画質 (a)色濁り 1 Lux・秒の緑色光の均一露光を与えてから、B光の階
調露光を与え、処理した試料についてB光で濃度測定を
行い、イエロー濃度が最小濃度+1.5の濃度を与える
露光量のところのマゼンタ濃度を測定して求め、イエロ
ー最小濃度におけるマゼンタ濃度を測定し、この値を先
のマゼンタ濃度から減じた値を色濁りとし、色再現性の
良否を決める尺度とした。値が小さい程色濁りが小さ
く、色再現性に優れることを示す。
【0396】(b)粒状性 白光の階調露光を与えて上記処理を行った後、最小濃度
+1.0のイエロー濃度を与えるところの粒状度を、直
径が48μmの口径のアパーチャーを用いてRMS値を
測定した。
【0397】(c)鮮鋭性 先に作製した試料102〜128のイエロー色像の階調
が試料101のイエロー色像の階調に合うように塗布量
を調整して試料を再作製した。これらの試料を用いて、
白光でMTF測定パターンを露光して処理した。処理し
て得られた試料は25サイクル/mmにおけるイエロー色
像のMTF値を測定した。MTF値は“The The
ory of the Photographic P
rocese”,3rd Ed.,(マックミラン社
刊,ミース著)に記載の方法にならって求めた。
【0398】これらの諸性能は同じく下記表8〜表10
に示す。
【0399】
【表8】
【0400】
【表9】
【0401】
【表10】 表から、本発明の前記一般式(I)、一般式(II)で表
わされる化合物と本発明の前記一般式(1)、(2)で
表わされるカプラーを使用した試料111〜128と、
比較試料の比較カプラーのみ(試料101〜106)、
あるいは本発明の前記一般式で表わされるカプラーと比
較カプラーを使用した試料(試料107〜110)とを
比べたとき、本発明の構成である試料111〜128は
写真性(感度、発色濃度)、感光材料の経時安定性、画
質(色濁り、粒状性、鮮鋭性)で明らかに優れているこ
とがわかるし、色像堅牢性でも改良の効果がみられる。
【0402】これら諸性能の改良効果は本発明の前記一
般式(I)、一般式(II)で表わされる化合物と本発明
の前記一般式(1)、(2)で表わされるカプラーの組
み合せによって顕著な効果を示すことも比較試料107
〜110との比較から明らかである。
【0403】なお、本発明の一般式(1)、一般式
(2)で表わされるカプラーにあっても、一般式(2)
で表わされるカプラーのほうが上記諸性能において優れ
ていることも試料123、124と試料125の比較か
らわかる。
【0404】さらに、試料113と試料114の比較か
ら、本発明の前記一般式(I)、一般式(II)で説明し
たように、AとPUGで表わされる基を除いた残基の式
量の小さいこと(240以下)が好ましいことが上記諸
性能の比較、特に画質色濁りからわかる。
【0405】実施例 2 実施例1で作製した試料101および試料111を基本
にして以下の試料を作製した。 (試料201〜204)試料101の第7層と第8層に
用いたマゼンタポリマーカプラーP−13を、同じ例示
カプラーP−2、P−5、P−9、P−15に、それぞ
れポリマーカプラー構成ユニットをもとに分子量を求
め、P−13と同モル量になるよう置き換えて試料を作
製した。 (試料205〜208)試料111を基本にして、上と
同様試料201〜204に対応する試料を作製した。 (試料209、210)試料111の第7層〜第9層に
用いたExY−1を表12に示すように本発明の前記一
般式(I)または一般式(II)或いは一般式(2)で表
わされる化合物に等モル量置き換えて試料を作製した。 (試料211、212)試料111の第7層および第8
層に使用したマゼンタポリマーカプラーを下記化133
に示すカプラー(C)および(D)にそれぞれ先と同様
の分子量換算で等モル量置き換えて試料を作製した。
【0406】
【化133】 これら作製した試料201〜212は加工したのち、実
施例1の試料101と111を同時に用い、以下の性能
評価を実施した。 (1)写真性 実施例1と同様の露光を与え、緑色(G)光で測定して
得た特性曲線から同様の方法で感度を求め、同時に処理
した試料101の感度を基準にとってその差(ΔS3
を算出した。 (2)画質 (a)色濁り (a)−1 実施例1の(4)−(a)と同様の方法で測定し色濁り
を求めた。
【0407】(a)−2 1 Lux・秒のB光の均一露光を与えてから、G光の階調
露光を与え、処理した試料についてG光で濃度測定を行
い、マゼンタ濃度が最小濃度+1.5の濃度を与える露
光量のところのイエロー濃度を測定し、マゼンタ最小濃
度におけるイエロー濃度値を求め、先のイエロー濃度か
らこのマゼンタ最小濃度におけるイエロー濃度値を減じ
た値をもう1つの色濁りとした。これにより、マゼンタ
色像中のイエロー濃度の多少がわかる。値が小さい程色
濁りが小さく、色再現性に優れることを示す。
【0408】(b)粒状性 (b)−1 実施例1の(4)−(b)と同様の方法でRMS値を測
定した。
【0409】(b)−2 白色の階調露光を与えて処理した試料の最小濃度+1.
0のマゼンタ濃度を与えるところの粒状度を、同じ直径
が48μmの口径のアパーチャーを用いてRMS値を求
めた。
【0410】(c)鮮鋭性 (c)−1 実施例1の(4)−(c)と同様の方法で25サイクル
/mmにおけるイエロー色像のMTF値を測定した。
【0411】(c)−2 上と同様の方法で同じ25サイクル/mmにおけるマゼン
タ色像のMTF値を求めた。
【0412】鮮鋭度を求めるのに際しては一部試料につ
いては試料101のイエロー色像とマゼンタ色像の階調
に合うように塗布量を調整して再塗布した試料を使用し
た。
【0413】上記の性能評価を実施するのに使用した処
理を以下に示す。但し、発色現像液の累積補充量が母液
タンク容量の3倍量になるまで別途試料101に像様露
光を与えて処理したのち、これらの性能評価を行う試料
の処理を行った。
【0414】 処 理 工 程 工 程 処理時間 処理温度 補充量* タンク容量 発色現像 3分15秒 38℃ 33ml 10リットル 漂 白 6分30秒 38℃ 25ml 20リットル 水 洗 2分10秒 24℃ 1200 ml 10リットル 定 着 4分20秒 38℃ 25ml 20リットル 水洗(1) 1分05秒 24℃ (2)から(1) への10リットル 向流配管方式 水洗(2) 1分00秒 34℃ 1200 ml 10リットル 安 定 1分05秒 38℃ 25ml 10リットル 乾 燥 4分20秒 55℃ * 補充量は35mm巾1m長さ当たりの量を示す。
【0415】次に、処理液の組成を記す。 (発色現像液) 母液(g) 補充液(g) ジエチレントリアミン五酢酸 1.0 1.1 1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホス ホン酸 3.0 3.2 亜硫酸ナトリウム 4.0 4.4 炭酸カリウム 30.0 37.0 臭化カリウム 1.4 0.7 沃化カリウム 1.5mg − ヒドロキシルアミン硫酸塩 2.4 2.8 4−〔N−エチル−N−(β−ヒドロキシ エチルアミノ〕−2−メチルアニリン硫酸塩 4.5 5.5 水を加えて 1.0リットル 1.0リットル pH 10.05 10.10 (漂 白 液) 母液(g) 補充液(g) エチレンジアミン四酢酸第二鉄ナトリウム 三水塩 100.0 120.0 エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩 10.0 10.0 臭化アンモニウム 140.0 160.0 硝酸アンモニウム 30.0 35.0 アンモニア水(27%) 6.5ml 4.0ml 水を加えて 1.0リットル 1.0リットル pH 6.0 5.7 (定 着 液) 母液(g) 補充液(g) エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩 0.5 0.7 亜硫酸ナトリウム 7.0 8.0 重亜硫酸ナトリウム 5.0 5.5 チオ硫酸アンモニウム水溶液(70%) 170.0ml 200.0ml 水を加えて 1.0リットル 1.0リットル pH 6.7 6.6 (安 定 液) 母液(g) 補充液(g) ホルマリン(37%) 2.0ml 3.0ml ポリオキシエチレン−p−モノノニルフェニル エーテル(平均重合度10) 0.3 0.45 エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩 0.05 0.08 水を加えて 1.0リットル 1.0リットル pH 5.0-8.0 5.0-8.0 得られた結果は下記表11および表12に示す。
【0416】
【表11】
【0417】
【表12】 表から、前記本発明の一般式(PA)で表わされるポリ
マーカプラーは、本発明の構成である前記一般式(I)
および/または一般式(II)で表わされる化合物と前記
一般式(1)および/または一般式(2)で表わされる
カプラーを使用した感光材料において、写真性の感度、
画質(色濁り、粒状性、鮮鋭性、イエロー色像、マゼン
タ色像ともに)が明らかに優れていることが試料10
1,201〜204と試料111、205〜208の比
較からわかる。
【0418】またマゼンタカプラーが前記一般式(P
A)で表わされるカプラーから、モノマーカプラーであ
るカプラー(C)および(D)に換えた試料211、2
12と試料111、205〜208とを比較したとき、
本発明の構成要件を満たしている感光材料であっても、
マゼンタカプラーは一般式(PA)で表わされるカプラ
ーのほうが上記の諸性能に優れることが明らかである。
【0419】さらに、緑感乳剤層のいわゆるDIRカプ
ラーをExY−1から本発明の前記一般式(I)または
一般式(II)、あるいは一般式(2)で表わされる化合
物に換えた試料209、210が試料111に比べ、先
の諸性能がさらに良化することが明らかであり、本発明
の前記一般式(PA)で表わされるカプラーは本発明の
前記一般式(I)または一般式(II)で表わされる化合
物、あるいは一般式(2)で表わされるDIRカプラー
との組み合せにおいても写真性、画質に優れた性能を示
すことがわかる。
【0420】実施例 3 実施例1で作製した試料101〜128を用い、以下に
示す処理で連続処理における写真性の変動について調べ
た。写真性の変動は連続処理開始前と発色現像液の累積
補充量が母液タンク容量の3倍量補充されるまで、別途
像様露光を与えた試料を連日各試料5m長さ処理して上
記累積補充量に到達してから処理を行い、実施例1−
(1)に示した方法に従って感度を求め、連続処理開始
前と連続処理してから後の処理の感度の差(ΔS4 )を
算出した。
【0421】さらに、この連続処理してから後の処理液
を用いて実施例1に記載の(3)色像堅牢性、(4)画
質についても調べた。なお画質の(C)鮮鋭性について
は階調を補正した再塗布試料を同じように使用した。
【0422】以下、本実施例の処理を示す。
【0423】 処 理 工 程 工 程 処理時間 温 度 補充量* タンク容量 前 浴 10秒 27℃ 13 ml 10リットル リンス(1) 10秒 38℃ − − 発色現像 3分00秒 41℃ 30 ml 20リットル 停 止 30秒 38℃ 20 ml 10リットル 促 進 30秒 27℃ 6.5ml 10リットル 漂 白 3分00秒 27℃ 6.5ml 10リットル 水洗 (1) 30秒 38℃ − 10リットル 水洗 (2) 30秒 38℃ 45 ml 10リットル 定 着 2分00秒 38℃ 20 ml 10リットル 水洗 (3) 40秒 38℃ − 10リットル 水洗 (4) 40秒 38℃ − 10リットル 水洗 (5) 40秒 38℃ 9 ml 10リットル リンス(2) 10秒 38℃ 13 ml 10リットル *補充量は35mm巾1m長さ当りの量を示す。
【0424】リンス(1)はスプレー方式で感光材料の
両面に直接、水を吹きつけ流し出する。30ml/35mm
巾1m。
【0425】水洗は(2)→(1)、(5)→(4)→
(3)への向流方式である。
【0426】以下に処理液の組成を示す。 (前 浴) 母液(g) 補充液(g) ほう砂(10水塩) 20.0 20.0 硫酸ナトリウム 100 100 水酸化ナトリウム 1.0 1.0 水を加えて 1リットル 1リットル pH 9.25 9.35 (発色現像) 母液(g) 補充液(g) アミノトリ(メチレンホスホン酸) −5−ナトリウム塩 1.5 2.0 亜硫酸ナトリウム 2.0 2.5 臭化ナトリウム 1.2 0.8 炭酸ナトリウム(無水) 25.6 25.0 重炭酸ナトリウム 2.7 0.6 N−エチル−N−β−メタンスルホン アミドエチル−3−メチル−4− アミノアニリンセスキサルフェート モノヒドレート 4.0 5.5 水を加えて 1リットル 1リットル pH 10.20 10.27 (停 止) 7.0N硫酸 50ml 水を加えて 1リットル(母液に同じ) pH 0.8〜1.5 (促 進) 母液(g) 補充液(g) メタ重亜硫酸ナトリウム 10.0 12.0 氷酢酸 25ml 30ml 酢酸ナトリウム 10.0 12.0 エチレンジアミン四酢酸 四ナトリウム 1.0 1.2 2−(2−N,N−ジメチルアミノエチル) イソチオ尿素二塩酸塩 3.0 3.6 水を加えて 1リットル 1リットル pH 2.3 3.8 (漂 白) 母液(g) 補充液(g) ゼラチン 0.5 0.5 過硫酸ナトリウム 35.0 55.0 塩化ナトリウム 15.0 20.0 第1リン酸ナトリウム 9.0 12.9 リン酸(85%) 2.5ml 2.5ml 水を加えて 1リットル 1リットル pH 2.3 2.4 (定 着) 母液(g) 補充液(g) アミノトリ(メチレンホスホン酸) −5−ナトリウム塩 1.5 2.1 チオ硫酸アンモニウム 水溶液(58wt%) 185ml 200ml 亜硫酸ナトリウム 10.0 22.0 重亜硫酸ナトリウム 8.4 4.0 水を加えて 1リットル 1リットル pH 6.5 7.2 (リンス(2)) 母液(g) 補充液(g) ホルムアルデヒド(37%) 1.0ml 1.5ml ドライウェル(富士フイルム(株)社製) 2.0ml 2.4ml 水を加えて 1リットル 1リットル 得られた結果については、試料101〜104、111
〜113、115〜122を代表させて下記表13に示
す。
【0427】
【表13】 表から、本発明の構成条件を満たす試料111〜11
3、115〜122は比較試料101〜104に比較し
て、連続処理における写真性の変動が小さく、色像堅牢
性、画質においても優れていることが明らかであり、実
施例1で実施して得られた結果(表8〜10)と対比し
たとき、本実施例の発色現像処理する前に前浴を行う処
理を行って得られる結果は比較試料に比べ改良効果の大
きいこともわかる。
【0428】さらに、上記処理工程のうち、停止のあと
の促進を水洗に替え、処理時間,温度,タンク容量は同
じにして補充量のみを45ml/35mm巾1m長さの1浴
にし、漂白は下記処理液組成にして処理時間、温度、補
充量、タンク容量は同じにして、他は変更することなし
に同様の連続処理を実施し、上記と同じ性能評価を行っ
た。 (漂 白) 母液(g) 補充液(g) フェリシアン化カリウム 40.0 55.0 臭化ナトリウム 25.0 35.0 水を加えて 1リットル 1リットル pH 6.5 8.0 上記処理を実施して得られた結果は、先に示した結果
(表13)と同じであり、本発明の構成要件を満たす試
料111〜113、115〜121が優れた性能を示す
ことが確認できた。
【0429】
【発明の効果】少なくとも1層に、本発明の前記一般式
(I)および/または一般式(II)で表わされる化合物
と一般式(1)および/または一般式(2)で表わされ
るカプラーを含有させることにより、高い発色性を与
え、安定した写真性、優れた色像堅牢性と画質を与える
ハロゲン化銀カラー写真感光材料を提供することができ
る。
【0430】さらに、前記一般式(PA)で表わされる
ポリマーカプラーを使用すること、また、発色現像処理
工程の前にアルカリ性の前浴処理を行うことにより、上
述の諸性能をさらに向上することができる。
【化66】

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に少なくとも1層の感光性ハロ
    ゲン化銀乳剤層を有するハロゲン化銀カラー写真感光材
    料において、下記化1に示す一般式(I)および/また
    は下記化2に示す一般式(II)で表わされる化合物を含
    有し、かつ下記化3に示す一般式(1)および/または
    下記化4に示す一般式(2)で表わされるカプラーを含
    有することを特徴とするハロゲン化銀カラー写真感光材
    料。 【化1】 一般式(I)中Aはカプラー残基または酸化還元基を表
    わし、L1 およびL3 は2価のタイミング基を表わし、
    2 は3価もしくはそれ以上の結合手を有するタイミン
    グ基を表わし、PUGは写真性有用基を表わす。jとn
    はそれぞれ独立に0、1または2を表わし、mは1また
    は2を表わし、sはL2 の価数から1を引いた数であり
    2以上の整数を表わす。またL1 、L2 もしくはL3
    分子内に複数個存在するとき、それらは全て同じであっ
    ても異なっていても良い。また複数個存在するPUGは
    全て同じであっても異なっていても良い。 【化2】 一般式(II)中、AとPUGは一般式(I)と同義であ
    る。L4 は−OCO−基、−OSO−基、−OSO2
    基、−OCS−基、−SCO−基、−SCS−基または
    −WCR1112−基を表わす。ここでWは酸素原子、硫
    黄原子または3級アミノ基(−NR13−)を表わし、R
    11およびR12はそれぞれ独立に水素原子または置換基を
    表わし、R13は置換基を表わす。またR11、R12及びR
    13の各々が2価基を表わし、連結して環状構造を形成す
    る場合も含む。L5 は共役系に沿った電子移動によりP
    UGを放出する基もしくはL4 で定義される基を表わ
    す。 【化3】 【化4】 一般式(1)及び(2)中、X1 およびX2 は各々アル
    キル基、アリール基または複数環基を表し、X3 は>N
    −とともに含窒素複素環基を形成する有機残基を表し、
    Yはアリール基または複素環基を表し、Zは該一般式で
    示されるカプラーが現像主薬酸化体と反応したとき離脱
    する基を表す。
  2. 【請求項2】 下記化5に示す一般式(PA)で表わさ
    れるカプラーを含有することを特徴とする請求項1また
    は2に記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料。 【化5】 一般式(PA)中、R121 は水素原子、炭素数1〜4個
    のアルキル基または塩素を表わし、−D−は−COO
    −、−CONR122 −、または置換もしくは無置換のフ
    ェニル基を表わし、−E−は置換もしくは無置換のアル
    キレン基、フェニレン基またはアラルキレン基を示し、
    −F−は−CONR122 −、−NR122 CONR
    122 −、−NR122 COO−、−NR122 CO−、−O
    CONR122 −、−NR122 −、−COO−、−OCO
    −、−CO−、−O−、−S−、−SO2 −、−NR
    122 SO2 −、または−SO2 NR122 −を表わす。R
    122 は水素原子または置換または無置換のアルキル基ま
    たはアリール基を表わす。R122 は同一分子中に2個以
    上あるときは、同じでも異なっていてもよい。Tは5−
    ピラゾロンマゼンタカプラー残基を表わす。p、q、r
    は0または1を表わす。ただし、p、q、rが同時に0
    である事はない。
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