JPH0580238A - 光フアイバテープ心線の製造方法および製造装置 - Google Patents

光フアイバテープ心線の製造方法および製造装置

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JPH0580238A
JPH0580238A JP3267031A JP26703191A JPH0580238A JP H0580238 A JPH0580238 A JP H0580238A JP 3267031 A JP3267031 A JP 3267031A JP 26703191 A JP26703191 A JP 26703191A JP H0580238 A JPH0580238 A JP H0580238A
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resin
optical fiber
resin liquid
core wire
tape core
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JP3267031A
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Yutaka Kurosawa
豊 黒沢
Kazunaga Kobayashi
和永 小林
Shinji Araki
真治 荒木
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Fujikura Ltd
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Fujikura Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 複数の溝Dがその外周面の円周方向に並列に
形成されている筒状部材17および円盤状の側面部材1
6とからなる樹脂塗布ロール11と、この樹脂塗布ロー
ル11の内周面側にUV樹脂を供給して上記複数の溝D
から、UV樹脂を浸出させるUV樹脂供給装置13とを
備え、上記複数の溝Dの中に複数本の素線を配しこれら
を並列に整列させて素線束とし、この樹脂塗布ロール1
1を軸支する軸支柱12に備えられた管状のロール回転
軸18を通じてUV樹脂供給装置13から上記樹脂塗布
ロール11内にUV樹脂を供給し、上記複数の溝Dの表
面から適量のUV樹脂を浸出させて、上記素線束上にU
V樹脂を塗布する。 【効果】 UV樹脂被覆表面に突起の発生が見られず、
かつ各素線配列や素線間隔に乱れのないテープ心線を製
造できる。また、これにより製造された光ファイバテー
プ心線の光損失特性が良好となる。特に、薄型テープ心
線において有効である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、複数本の光ファイバ
上に紫外線硬化樹脂を塗布し、テープ状に形成した光フ
ァイバテープ心線の製造方法および製造装置に係り、特
に超多心高密度ケーブルを作製する際に用いられる薄型
の光ファイバテープ心線の作製時において、光ファイバ
テープ心線の被覆表面上に発生する突起や、テープ心線
中の光ファイバの配列の乱れなどの発生を抑制し、さら
に光損失特性の良好な光ファイバテープ心線が得られる
光ファイバテープ心線の製造方法および製造装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、光ファイバテープ心線(以下、テ
ープ心線と略記する。)を製造する際、例えば図7に示
すように、溝付き整形ロール2と、金属製のダイスポッ
ト3と、供給管4と、紫外線照射部5とから構成されて
いるテープ心線の製造装置が用いられている。この製造
装置を用いてテープ心線を作製するには、まず、複数本
の光ファイバ素線(以下、素線と略記する。)1を、各
々溝付き整形ロール2の外周に形成されている複数の溝
に導き、これらの複数本の素線1を並列させて配列を整
える。次に、これら並列に並べられた複数本の素線1
は、金属製のダイスポット3内に導入する。この時、ダ
イスポット3内は、紫外線硬化樹脂(以下、UV樹脂と
略記する。)の供給管4からUV樹脂を供給し、上記の
並列に並べられた複数本の素線1上にUV樹脂を被覆す
る。さらに、上記複数本の素線1上に被覆されたUV樹
脂は、金属製のダイス口6において余剰のUV樹脂を取
り除かれるとともにテープ状に成型される。さらに、こ
の成型された未硬化のテープ心線7は、紫外線照射部5
においてその表面にUVを照射され、UV樹脂が硬化さ
れる。
【0003】なお、上記方法を用いて作製されるテープ
心線のテープ厚は、ダイスポット3のダイス口6のダイ
ス厚Aにより決定される。従って、テープ心線のテープ
厚を薄くしたい場合は、ダイス厚Aをできるだけ小さく
する必要がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のテープ心線の製造方法にあっては、先に述べたよう
に、テープ厚の薄いテープ心線を作製するためにダイス
厚Aを小さくすると、ダイス口6の縁と素線1との間の
クリアランスが極めて少なくなるため、素線1と金属製
のダイス口6の縁とが接触して素線が断線したり、素線
1表面を損傷したりすることがあり、これにより製造し
たテープ心線の光損失特性が悪くなってしまうという問
題があった。
【0005】また、上記製造方法にあっては、多量のU
V樹脂が供給されたダイスポット3内に、上記複数本の
素線1を導入してこれら複数本の素線1上に多量のUV
樹脂Bを被覆した後、ダイス口6で余剰のUV樹脂Bを
除去する構成となっているため、上記ダイス口6で余剰
のUV樹脂Bを除去する際、図8で示すように、ダイス
ポット3内の圧力によって各素線1上に形成された被覆
表面にダイスポット3内の余剰のUV樹脂が押し出され
てしまい、このため図9に示すように、製造したテープ
心線8のUV樹脂被覆表面の長手方向に突起Cが発生し
てしまうという問題があった。
【0006】また、複数本の素線1が整形ロール2から
ダイスポット3まで走行する間に、これら素線1の走行
による微小振動が発生し、これにより整形ロール2で整
列された上記複数本の素線1の配列に乱れが起こり易く
なり、さらに複数本の素線1が、上記のように配列の乱
れたままUV樹脂Bで被覆されてしまうため、図10に
示すように、製造したテープ心線8の素線配列や各素線
ピッチLが乱れてしまうという問題があった。
【0007】本発明は、上記事情に鑑みなされたもの
で、光損失特性が良好で、かつUV樹脂被覆表面に突起
の発生が見られず、各素線配列や素線間隔に乱れのない
テープ心線を製造できるテープ心線の製造方法および製
造装置の提供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】かかる課題は、ボビン状
をなし、複数の溝がその外周面の円周方向に並列に形成
されているボビン状ロールと、該ボビン状ロールの内周
面側にUV樹脂からなる樹脂液を供給して上記複数の溝
から、該樹脂液を浸出させる樹脂液供給手段とを備えた
樹脂液塗布手段によって、複数本の光ファイバを並列に
整列させた光ファイバ束上に、該樹脂液を塗布する第1
の工程と、該光ファイバ束に塗布された樹脂液の余剰分
を、弾性材料からなる成型口部によって除去すると共
に、心線をテープ状に成型する第2の工程と、上記光フ
ァイバ束上に塗布された樹脂液を硬化させる第3の工程
とから構成とすることにより解決される。
【0009】また、上記方法においては、ボビン状をな
し、複数の溝がその外周面の円周方向に並列に形成され
ているボビン状ロールと、該ボビン状ロールの内周面側
にUV樹脂からなる樹脂液を供給して上記複数の溝か
ら、該樹脂液を浸出させる樹脂液供給手段とを備え、複
数本の光ファイバを並列に整列させた光ファイバ束上
に、該樹脂液を塗布する樹脂液塗布手段と、該樹脂液塗
布手段の光ファイバ走行方向の後方側に配置され、弾性
材料からなる成型口部を有し、かつ該成型口部を通過さ
せて上記光ファイバ束上に塗布された該樹脂液の余剰分
を除去する余剰樹脂除去手段と、該余剰樹脂除去手段の
光ファイバ走行方向の後方側に配置され、上記光ファイ
バ束上に塗布された樹脂液を硬化させる樹脂硬化手段と
を備えたことを特徴とするテープ心線の製造装置を用い
るのが望ましい。
【0010】また、上記テープ心線の製造装置のボビン
状ロール外周面上に形成された複数の溝の深さは、テー
プ心線作製に使用する光ファイバの外径以上であること
が望ましい。
【0011】
【作用】本発明のテープ心線の製造方法によれば、上記
したように、第1の工程において、複数本の光ファイバ
を並列に整列させる操作と、これら複数の光ファイバを
並列に整列させた光ファイバ束上にUV樹脂からなる樹
脂液を塗布する操作が同時に行われるので、従来のよう
に、光ファイバの走行による微小振動に起因する、各光
ファイバの配列や間隔の乱れが起こらない。
【0012】また、請求項2に記載した本発明のテープ
心線の製造装置にあっては、ボビン状をなし、複数の溝
がその外周面の円周方向に並列に形成されているボビン
状ロールと、該ボビン状ロールの内周面側にUV樹脂か
らなる樹脂液を供給して上記複数の溝から、該樹脂液を
浸出させる樹脂液供給手段とを備え、複数本の光ファイ
バを並列に整列させた光ファイバ束上に、該樹脂液を塗
布する樹脂液塗布手段を備えた構成としたので、上記溝
付き整形ロールによって整列させた複数本の光ファイバ
には、所望のテープ心線を作製するのに必要最小量の樹
脂液しか被覆されない。従って、樹脂液の余剰分が極め
て少ないので、成型口部で余剰の樹脂液を除去する際、
各光ファイバ間の部分に発生する余剰樹脂液のはみ出し
が抑制される。
【0013】また、複数の光ファイバに被覆されたUV
樹脂からなる樹脂液の余剰分を除去する余剰樹脂除去手
段の成型口部が、弾性材料から構成されているので、従
来の金属製成型口部のように、金属製成型口部の縁と光
ファイバとの接触による光ファイバの断線や、光ファイ
バ表面の損傷などの不都合の発生が抑制される。
【0014】また、上記テープ心線の製造装置の溝付き
ボビン状ロール上に形成された複数の溝の深さを、テー
プ心線作製に使用する光ファイバの外径以上とすると、
テープ心線作製時、複数の光ファイバを上記ボビン状ロ
ールの溝に沿って走行させて該複数の光ファイバを整列
させる際、それら光ファイバの走行状態が安定化する。
【0015】以下、本発明を詳細に説明する。図1は本
発明のテープ心線の製造方法において好適に用いられる
テープ心線の製造装置の一例を示すものである。
【0016】上記テープ心線の製造装置は、複数の素線
を整列させると同時に、それら複数の素線にUV樹脂を
被覆する樹脂塗布ロール11と、この樹脂塗布ロール1
1を軸支する軸支柱12と、樹脂塗布ロール11内部に
UV樹脂を供給するUV樹脂供給装置13と、樹脂塗布
ロール11で複数の素線上に被覆されたUV樹脂の余剰
分を除去するとともに、テープ状に成型する成型ダイス
14と、ダイス14でテープ状に被覆されたUV樹脂に
UVを照射し、これを硬化させる紫外線照射装置15
(以下、UV照射装置15と略記する。)とから構成さ
れている。
【0017】上記樹脂塗布ロール11は、図2に示すよ
うにボビン状をなすロールで、2枚の円盤状の側面部材
16と、円筒状の溝付き筒状部材17から成っている。
また、図3に示すように、上記樹脂塗布ロール11に
は、この樹脂塗布ロール11を軸支する軸支柱12に備
えられた管状のロール回転軸18を通じてUV樹脂供給
装置13が接続され、樹脂塗布ロール11内にUV樹脂
が供給されるようになっている。また、上記筒状部材1
7は、UV樹脂浸出材料から成り、さらにこの筒状部材
17の外周には、その円周方向に並列した複数の溝部D
が一定のピッチで形成されている。
【0018】なお、上記筒状部材17を成すUV樹脂浸
出材料としては、例えば、ポリオレフィン系の多孔質材
などが好適である。また、筒状部材17の外周に形成す
る溝部の深さは、テープ心線作製に使用する素線の外径
以上とするのが望ましい。
【0019】また、本発明のテープ心線の製造方法並び
に製造装置においては、一般の光通信分野において使用
される光ファイバ素線等が使用される。この素線は、石
英系単一モードファイバ(光ファイバ裸線)の外周にU
V樹脂等からなる被覆が形成されたもので、素線ではフ
ァイバ径125μm,素線外径250μmのものが一般
的であり、さらに細径化したものとして、素線外径20
0μm以下の細径素線も使用可能である。
【0020】上記樹脂塗布ロール11の後方側には、弾
性体材料(例えば、ゴムなど)からなるダイス口14a
を備え、樹脂塗布ロール11で複数の素線上に被覆され
たUV樹脂の余剰分を上記ダイス口14aにより除去す
る成型ダイス14が配置されている。さらにこの成型ダ
イス14の後方側には、UV照射装置15が配置され、
このUV照射装置15内部に備えられているUVランプ
から発射されるUVを、この装置内に導入されてくる未
硬化テープ心線のUV樹脂被覆に照射して硬化させるよ
うになっている。
【0021】本例のテープ心線の製造装置は、上記した
ように、2枚の円盤状の側面部材16,16と、UV樹
脂浸出材料から成り、かつその外周に複数の溝部Bが一
定のピッチで形成された円筒状の溝付き筒状部材17か
ら成るボビン状の、樹脂塗布ロール11を備え、かつこ
の樹脂塗布ロール11を軸支する軸支柱12に備えられ
た管状のロール回転軸18を通じてUV樹脂供給装置1
3が接続して上記樹脂塗布ロール11内にUV樹脂が供
給されるような構成としたので、テープ心線を作製する
際、複数本の素線を並列に整列させる操作と、これら複
数の素線をUV樹脂で一括被覆する操作を同時に行うこ
とができる。従って、テープ心線を構成する素線の配列
や、各素線間隔の乱れの少ない高品質のテープ心線の作
製が可能となる。
【0022】また、UV樹脂供給装置13を操作して樹
脂塗布ロール11内に供給されるUV樹脂の量を調節し
て、上記複数の溝Dの表面から浸出するUV樹脂の量
を、所望のテープ心線を作製する必要最小量に調節する
ことができるので、ダイス口14aで除去するべき余剰
のUV樹脂量を極めて少なくすることができる。従っ
て、ダイス口14aで余剰のUV樹脂を除去する際、テ
ープ心線の被覆表面の各素線間部分に発生する余剰UV
樹脂のはみ出しが抑制される。
【0023】また、複数の素線に被覆されたUV樹脂の
余剰分を除去するダイス14のダイス口14aが、弾性
材料から構成されているので、従来の金属製成型口部の
ように、金属製成型口部の縁と素線との接触による素線
の断線や、素線表面の損傷などの発生が抑制される。
【0024】次に、上述したテープ心線の製造装置を用
いた、本発明のテープ心線の製造方法の一例を示す。
【0025】まず、複数の素線を、樹脂塗布ロール11
に形成された複数の溝Dの中にそれぞれ配して複数本の
素線を並列に整列させた素線束とした後、上記樹脂塗布
ロール11を軸支する軸支柱12に備えられた管状のロ
ール回転軸18を通じてUV樹脂供給装置13から上記
樹脂塗布ロール11内にUV樹脂を供給し、上記複数の
溝Dの表面から適量のUV樹脂を浸出させて、上記素線
束上にUV樹脂を塗布する。この操作により複数本の素
線は並列に整列されるとともに、UV樹脂を塗布され
て、未硬化心線となる(第1の工程)。
【0026】次に、上記未硬化心線をダイス14内に導
入し、テープ状に成型するとともに、ダイス口14aで
余剰のUV樹脂を除去する。この操作により未硬化心線
はテープ状に成型されて、未硬化テープ心線となる(第
2の工程)。
【0027】最後に、上記未硬化テープ心線をUV照射
装置15内に導入し、同時にこのUV照射装置15内部
に備えられているUVランプからUVを発射して、上記
未硬化テープ心線のUV樹脂被覆に照射してこれを硬化
させる。この操作により目的のテープ心線(硬化済み)
が作製される(第3の工程)。
【0028】
【実施例】
(実施例1)上述したテープ心線の製造装置および製造
方法を用いて、実際にテープ心線を製造した。なお、本
実施例において用いた成型ロール11並びにダイス14
の仕様を以下に示す。 樹脂塗布ロール11 ・側面部材16材質…テフロン ・筒状部材17材質…ポリオレフィン系多孔質材 ・形成溝数…8本 ・溝深さ(K)=0.26mm ・溝ピッチ(L)=0.26mm ダイス4 ・ダイス口14a材質…シリコーン系ゴム ・ダイス口14a寸法…0.26mm×2.08mm
【0029】まず、φ0.26mmの非分離インク着色
素線8本を用意し、これらを上記仕様の樹脂塗布ロール
11に形成された8本の溝中にそれぞれ配して複数本の
素線を並列に整列させた素線束とした後、この樹脂塗布
ロール11を軸支する軸支柱12に備えられた管状のロ
ール回転軸18を通じて、UV樹脂供給装置13から上
記樹脂塗布ロール11内にUV樹脂を供給し、上記複数
の溝Dの表面から適量のUV樹脂を浸出させて、上記素
線束上にUV樹脂を塗布して未硬化心線を作成した。
【0030】次に、上記未硬化心線を上述した仕様のダ
イス14内に導入し、テープ状に成型するとともに、ダ
イス口14aで余剰のUV樹脂を除去して未硬化テープ
心線を作成した。
【0031】次に、上記未硬化テープ心線をUV照射装
置15内に導入し、同時にこのUV照射装置15内部に
備えられているUVランプを点灯してUVを上記未硬化
テープ心線のUV樹脂被覆に照射してこれを硬化させ
た。また、以上の操作を連続的に行って、図4に示す構
造および仕様(テープ厚(M)=0.26mm、テープ
幅(N)=2.08mm、8心)のテープ心線を10k
m作製した。
【0032】(比較例1)先に述べた図7に示す従来の
テープ心線の製造装置を用いて、上記実施例1と同じ仕
様(テープ厚(M)=0.26mm、テープ幅(N)=
2.08mm、8心)のテープ心線を作製した。なお、
本比較例1において用いた整形ロール2並びにダイスポ
ット3の仕様を以下に示す。 整形ロール2 ・形成溝数…8本 ・溝深さ(K)=0.26mm ・溝ピッチ(L)=0.26mm ダイスポット3 ・ダイス口6材質…金属 ・ダイス口14a寸法…0.26mm×2.08mm
【0033】まず、φ0.26mmの非分離インク着色
素線8本を用意し、これらを、各々溝付き整形ロール2
の外周に形成されている8本の溝に導き、これらの8本
の素線1を並列させて配列を整えた。次に、これら並列
に並べた8本の素線を束ねた素線束を、金属製のダイス
ポット3内に導入し、同時に、このダイスポット3内
に、UV樹脂を供給して、上記素線束上にUV樹脂を塗
布して未硬化心線を作製した。さらに、上記未硬化心線
の余剰のUV樹脂を、金属製のダイス口6において取り
除き、かつテープ状に成型して未硬化テープ心線を作製
した。さらに、この未硬化テープ心線を、紫外線照射部
5内に導入し、この紫外線照射部5内に備えたUVラン
プを点灯して、未硬化テープ心線のUV樹脂被覆を硬化
した。以上の操作を連続的に行って、上記実施例1と同
じ構造、同じ仕様のテープ心線の作製を試みた。
【0034】(比較例2)ダイスポット3のダイス口の
材質をシリコーン系ゴムから成る弾性体とした以外は、
全て上記比較例1と同じ装置および同じ操作を用いて、
上記比較例1と同様、実施例1と同じ構造、同じ仕様の
テープ心線を作製した。
【0035】(実験例1)上述した3種類のテープ心線
(実施例1・比較例1・比較例2)各々の、(1)テー
プ心線長尺安定性並びに(2)損失特性についての評価
を行った。なお、(1)テープ心線長尺安定性について
は、テープ心線のUV樹脂被覆表面に発生した突起の
有無(テープ厚)、テープ心線を構成する素線の断線
の有無、テープ心線を構成する素線配列の配列の乱れ
の有無などをもってこれを評価した。一方(2)損失特
性については、各々のテープ心線についてテープ化後
ボビン巻き状態での損失、束(500m)損失、低
温保持(−40℃)による損失などの測定、およびヒ
ートサイクル試験を行ってこれを評価した。結果を以
下、表1に示す。
【表1】
【0036】(実施例2)樹脂塗布ロールの11の仕様
の内、溝ピッチ(L)=0.36mmとし、ダイス14
の仕様の内、ダイス口14a寸法を0.26mm×2.7
8mmとした以外は、上述した実施例1と同じ装置およ
び同じ操作により、図5に示す構造および仕様(テープ
厚(M)=0.26mm、テープ幅(N)=2.78m
m、8心)のテープ心線を10km作製した。
【0037】(比較例3)先の比較例1,2で使用した
のと同じ従来のテープ心線の製造装置を用い、かつ比較
例1,2と同様の操作を行って、上記実施例2と同じ仕
様(テープ厚(M)=0.26mm、テープ幅(N)=
2.78mm、8心)のテープ心線を作製した。なお、
本比較例3において用いた整形ロール2並びにダイスポ
ット3の仕様を以下に示す。 整形ロール2 ・形成溝数…8本 ・溝深さ(K)=0.26mm ・溝ピッチ(L)=0.36mm ダイスポット3 ・ダイス口6材質…金属 ・ダイス口14a寸法…0.26mm×2.78mm
【0038】(比較例4)ダイスポット3のダイス口の
材質をシリコーン系ゴムから成る弾性体とした以外は、
全て上記比較例3と同じ装置および同じ操作を用いて、
上記比較例3と同様、実施例2と同じ構造、同じ仕様の
テープ心線の作製を行った。
【0039】(実験例2)上述した実験例1と同様に、
3種類のテープ心線(実施例2・比較例3・比較例4)
各々の、(1)テープ心線長尺安定性並びに(2)損失
特性についての評価を行った。結果を以下、表2に示
す。
【表2】
【0040】(実施例3)樹脂塗布ロールの11の仕様
の内、溝ピッチ(L)=0.31mmとし、ダイス14
の仕様の内、ダイス口14a寸法を0.26mm×2.4
3mmとした以外は、上述した実施例1,2と同じ装置
および同じ操作により、図6に示す構造および仕様(テ
ープ厚(M)=0.26mm、テープ幅(N)=2.43
mm、8心)のテープ心線を10km作製した。
【0041】(比較例5)先の比較例3,4で使用した
のと同じ従来のテープ心線の製造装置を用い、かつ同様
の操作を行って、上記実施例3と同じ仕様(テープ厚
(M)=0.26mm、テープ幅(N)=2.43mm、
8心)のテープ心線を作製した。なお、本比較例5にお
いて用いた整形ロール2並びにダイスポット3の仕様を
以下に示す。 整形ロール2 ・形成溝数…8本 ・溝深さ(K)=0.26mm ・溝ピッチ(L)=0.31mm ダイスポット3 ・ダイス口6材質…金属 ・ダイス口14a寸法…0.26mm×2.43mm
【0042】(比較例6)ダイスポット3のダイス口の
材質をシリコーン系ゴムから成る弾性体とした以外は、
全て上記比較例5と同じ装置および同じ操作を用いて、
上記比較例5と同様、実施例3と同じ構造、同じ仕様の
テープ心線の作製を行った。
【0043】(実験例3)上述した実験例1と同様に、
3種類のテープ心線(実施例3・比較例5・比較例6)
各々の、(1)テープ心線長尺安定性並びに(2)損失
特性についての評価を行った。結果を以下、表3に示
す。
【表3】
【0044】
【発明の効果】以上述べたように、本発明のテープ心線
の製造方法によれば、第1の工程において、複数本の光
ファイバを並列に整列させる操作と、これら複数の光フ
ァイバを並列に整列させた光ファイバ束上にUV樹脂か
らなる樹脂液を塗布する操作が同時に行われるので、従
来のように、光ファイバの走行による微小振動に起因す
る、各光ファイバの配列や間隔の乱れが起こらない。従
って、本発明のテープ心線の製造方法によって作製した
テープ心線は、それを構成する各光ファイバが、乱れる
ことなく整然と配列されているため、その分、光損失特
性に優れたものとなる。特に、薄型テープ心線の作製に
おいては有効である。
【0045】また、請求項2に記載した本発明のテープ
心線の製造装置にあっては、ボビン状をなし、複数の溝
がその外周面の円周方向に並列に形成されているボビン
状ロールと、該ボビン状ロールの内周面側にUV樹脂か
らなる樹脂液を供給して上記複数の溝から、該樹脂液を
浸出させる樹脂液供給手段とを備え、複数本の光ファイ
バを並列に整列させた光ファイバ束上に、該樹脂液を塗
布する樹脂液塗布手段を備えた構成としたので、上記溝
付き樹脂塗布ロールによって整列させた複数本の光ファ
イバには、所望の薄さを要するテープ心線を作製するの
に必要最小量のUV樹脂しか塗布されないようになる。
これによりUV樹脂の余剰量は極めて少ないものとな
り、成型口部でこの余剰のUV樹脂を除去する際、各光
ファイバ間の部分に発生する余剰UV樹脂のはみ出しが
抑制される。従って、この余剰UV樹脂のはみ出しに起
因して、作製したテープ心線の被覆表面の各素線間部分
などに見られる突起の発生を防ぐことができる。
【0046】また、複数の光ファイバに塗布されたUV
樹脂からなる樹脂液の余剰分を除去する余剰樹脂除去手
段の成型口部が、弾性材料から構成されているので、従
来の金属製成型口部のように、金属製成型口部の縁と光
ファイバとの接触による光ファイバの断線や、光ファイ
バ表面の損傷などの不都合の発生が抑制される。特に、
薄型テープ心線においてはこの効果が顕著である。従っ
て、本発明のテープ心線の製造装置を用いることによ
り、光ファイバの断線や光ファイバ表面の損傷等の欠陥
のないテープ心線が得られ、このためそれらの欠陥に起
因する光損失の抑制も図ることができる。また、これら
の方法を用いることにより薄型テープでも損失特性の良
好なものを得ることが可能である。
【0047】また、上記テープ心線の製造装置の溝付き
樹脂塗布ロール上に形成された複数の溝の深さを、テー
プ心線作製に使用する光ファイバの外径以上とすると、
テープ心線作製時、複数の光ファイバを上記樹脂塗布ロ
ールの溝に沿って走行させて該複数の光ファイバを整列
させる際、それら光ファイバの樹脂塗布ロール上におけ
る走行状態を安定化させることができ、これにより上記
複数の光ファイバの樹脂塗布ロール走行時における溝か
らの脱線等のトラブルを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)は、本発明のテープ心線の製造方法に
おいて、好適に用いられるテープ心線の製造装置の一例
を示す側面図である。(b)は、(a)に示すテープ心
線の製造装置の平面図である。
【図2】 図1中符号11で表されている樹脂塗布ロー
ルの斜視図である。
【図3】 図2に示されている樹脂塗布ロール11の断
面図である。
【図4】 実施例1、および比較例1,2において作製
されたテープ心線の構造並びに使用を説明するための断
面図である。
【図5】 実施例2、および比較例3,4において作製
されたテープ心線の構造並びに使用を説明するための断
面図である。
【図6】 実施例3、および比較例5,6において作製
されたテープ心線の構造並びに使用を説明するための断
面図である。
【図7】 従来のテープ心線の製造装置の一例を示す図
である。
【図8】 図7に示した従来のテープ心線の製造装置を
用いて、テープ心線を製造した時、製造したテープ心線
のUV樹脂被覆表面の長手方向に発生する突起の発生原
因を説明するための図である。
【図9】 図7に示した従来のテープ心線の製造装置を
用いて製造された、被覆表面にテープ心線長手方向に突
起を有するテープ心線の断面図である。
【図10】 図7に示した従来のテープ心線の製造装置
を用いて製造された、テープ心線を構成する素線配列に
乱れのあるテープ心線の断面図である。
【符号の説明】
11…樹脂塗布ロール、13…UV樹脂供給装置、14
…成型ダイス、14a…ダイス口、15…UV照射装
置、D…溝、K…溝深さ、L…溝ピッチ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ボビン状をなし、複数の溝がその外周面
    の円周方向に並列に形成されているボビン状ロールと、
    該ボビン状ロールの内周面側に紫外線硬化樹脂からなる
    樹脂液を供給して上記複数の溝から、該樹脂液を浸出さ
    せる樹脂液供給手段とを備えた樹脂液塗布手段によっ
    て、複数本の光ファイバを並列に整列させた光ファイバ
    束上に、該樹脂液を塗布する第1の工程と、該光ファイ
    バ束に塗布された樹脂液の余剰分を、弾性材料からなる
    成型口部によって除去すると共に、心線をテープ状に成
    型する第2の工程と、上記光ファイバ束上に塗布された
    樹脂液を硬化させる第3の工程とから構成されているこ
    とを特徴とする光ファイバテープ心線の製造方法。
  2. 【請求項2】 ボビン状をなし、複数の溝がその外周面
    の円周方向に並列に形成されているボビン状ロールと、
    該ボビン状ロールの内周面側に紫外線硬化樹脂からなる
    樹脂液を供給して上記複数の溝から、該樹脂液を浸出さ
    せる樹脂液供給手段とを備え、複数本の光ファイバを並
    列に整列させた光ファイバ束上に、該樹脂液を塗布する
    樹脂液塗布手段と、 該樹脂液塗布手段の光ファイバ走行方向の後方側に配置
    され、弾性材料からなる成型口部を有し、かつ該成型口
    部を通過させて上記光ファイバ束上に塗布された該樹脂
    液の余剰分を除去する余剰樹脂除去手段と、 該余剰樹脂除去手段の光ファイバ走行方向の後方側に配
    置され、上記光ファイバ束上に塗布された樹脂液を硬化
    させる樹脂硬化手段とを備えたことを特徴とする光ファ
    イバテープ心線の製造装置。
  3. 【請求項3】 上記複数の溝の深さが、テープ心線作製
    に使用する光ファイバの外径以上であることを特徴とす
    る請求項2記載の光ファイバテープ心線の製造装置。
JP3267031A 1991-09-18 1991-09-18 光フアイバテープ心線の製造方法および製造装置 Withdrawn JPH0580238A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003035851A (ja) * 2001-07-25 2003-02-07 Furukawa Electric Co Ltd:The 光ファイバテープ心線
JP2012252196A (ja) * 2011-06-03 2012-12-20 Fujikura Ltd 光ファイバテープ心線の製造方法
JP2016080849A (ja) * 2014-10-16 2016-05-16 古河電気工業株式会社 光ファイバテープ心線の製造方法、光ファイバテープ心線の製造装置

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