JPH0579586A - 管継手と管との接続部構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】ゴムパッキング方式の簡易作業性、可撓性並び
に小型性を充分に保持し得、しかも充分な耐引き抜き力
を保証できる管継手と管との接続部構造を提供する。 【構成】管継手１のパッキング装着溝１１と管端部２と
の間にゴムパッキング３を装着し、パッキング押え金具
５によりパッキングを圧縮してなる管継手と管端部との
接続部において、ゴムパッキングの内面の一部に管端部
外面に噛止する抜け止め部材４を固着したことを特徴と
する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は給水管、給湯管、冷温水
管または排水管等の接続に使用する管継手と管との接続
部構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】給水管、給湯管または排水管等を接続す
る場合、図６に示すように、テ−パ内面のパッキング装
着溝１１’を有する管継手１’のそのパッキング装着溝
１１’と管端部２’との間にゴムパッキング３’を装着
し、該ゴムパッキング３’を袋ナット５’で締め付ける
ことが知られている。

【０００３】このパッキング方式においては、ねじ溝加
工、接着剤の塗布作業等を必要とせず接続作業が簡単で
ある、ある程度の可撓性が期待できる（パッキング３’
を支点としてのある程度の傾動が期待できる）等の利点
がある。

【０００４】配管工事においては、配管条件の如何によ
って、管の接続部に相当に大なる耐引き抜き力を付与し
なければならないことがある（例えば、水道配管におい
て、管にスラスト荷重が作用する場合）。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
パッキング方式を使用した管継手と管との接続部におい
ては、圧縮状態のパッキングと管端部との間の摩擦力の
みで管をその引き抜き力から支持するだけであり、耐引
き抜き力が小であって、比較的小さな引張り力で管端部
がパッキングから脱出してしまい、耐引き抜き力の点か
ら使用が制限されることがある。

【０００６】従来、ゴムパッキングによって管継手と管
端部との間を止水し、管継手内に抜け止め部材を納め管
継手内面と管端部との間をこの抜け止め部材により係止
して耐引き抜き力を増大することが知られているが、部
品数が増加し、接続構造の複雑化が避けられない。

【０００７】また、管継手端部と管端部とにそれぞれ締
結用部材を取付け、これら締結用部材の間をボルト等に
よって締結することも知られているが、この場合は、部
品数の増大に加え、管接続部の大型化や管接続部の可撓
性低下等の不具合が余儀なくされる。

【０００８】本発明の目的は、ゴムパッキング方式の簡
易作業性、可撓性並びに小型性を充分に保持し得、しか
も充分な耐引き抜き力を保証できる管継手と管との接続
部構造を提供することにある。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明の管継手と管との
接続部構造は、管継手のパッキング装着溝と管端部との
間にゴムパッキングを装着し、パッキング押え金具によ
りパッキングを圧縮してなる管継手と管端部との接続部
において、ゴムパッキングの内面の一部に管端部外面に
噛止する抜け止め部材を固着したことを特徴とする構成
である。

【００１０】

【作用】ゴムパッキングの圧縮により発生する当該ゴム
パッキングと管端部との間の界面圧力のために抜け止め
部材が管端部外面に噛止し、引張り力に対する管端部の
ゴムパッキング内での固定強度が強化されて接続部の耐
引き抜き力が増大する。

【００１１】

【実施例】以下、図面により本発明の実施例を説明す
る。図１は本発明の実施例の一部断面図を示している。

【００１２】図１において、１は管継手であり、管端部
挿入口には、テ−パ内面のパッキング装着溝１１を設け
てある。２は管継手１に挿入した管端部である。３はゴ
ムパッキングであり、図２の（イ）にも示すように、内
面の一部に抜け止め部材４を埋着し、その抜け止め部材
４の前側並びに後側に内側シ−ル面３１並びに３２を設
け、外側にテ−パシ−ル面３３を設けてある。４１は抜
け止め部材４の内面に設けた歯である。

【００１３】５は袋ナット型のパッキング押え金具であ
り、管継手端部に螺合するねじ溝５１を有し、管継手１
のパッキング装着溝１１と管端部２との間に装着したゴ
ムパッキング３を圧縮している。

【００１４】図１において、パッキング押え金具５によ
るゴムパッキング３の圧縮により、当該ゴムパッキング
３に圧縮応力が発生し、この圧縮応力によって抜け止め
部材４が管端部２の外面に加圧され、抜け止め部材４の
歯４１が管端部外面に噛止している。

【００１５】この場合、抜け止め部材４の歯４１が食い
込む管端部外面部分の面積を抜け止め部材４の外周側面
積（ゴムパッキングの圧縮応力を受圧面積）に較べ充分
に小さくして抜け止め部材４の歯４１の食い込み力を充
分に大きくできるので、ゴムパッキング３の通常の圧縮
応力で抜け止め部材４を管端部外面に噛止させることが
できる。

【００１６】また、図１において、ゴムパッキング３の
内側シ−ル面３１，３２と管端部外面との接触界面並び
にゴムパッキング３の外側シ−ル面３３とパッキング装
着溝１１との接触界面に、上記したゴムパッキング３の
圧縮応力が作用して管継手１と管２との間が止水されて
いる。

【００１７】上記において、管Ｐに引張り力が作用する
と、管端部２と抜け止め部材４との間、抜け止め部材４
とゴムパッキング３との間並びにゴムパッキング３とパ
ッキング押え金具５との間のそれぞれに大きさｆの反力
が作用する。

【００１８】而るに、抜け止め部材４とゴムパッキング
３との間は、抜け止め部材４の表面積の増大、接着剤の
使用等により充分強固に固着でき、また、パッキング押
え金具５によるゴムパッキング３の固定はゴムパッキン
グ３が圧壊強度に達するまで保持できるから、抜け止め
部材４の歯４１の噛止箇所が管Ｐに作用する引張り力で
剪断破壊されない限り、管２を管継手１に対して固定し
ておくことが可能であって、管接続部に抜け止め部材４
の歯４１の噛止力（歯又は歯が食い込んだ管端部外面が
剪断破断するときの管引き抜き力）で制される耐引き抜
き力を付与できる。

【００１９】上記において、抜け止め部材４の後端をパ
ッキング押え金具５に当接させるように、図２の（ロ）
に示すとおり、抜け止め部材４の後端面４２をパッキン
グ３の後端面３４に表出させることができる。

【００２０】上記図において、パッキング押え金具５の
管挿通部５０の長さを小とし、同管挿通部５０と管端部
２外面との間にクリアランスを設けることにより（ゴム
パッキング３の脱出を排除し得るに足る間隙）、管Ｐに
作用する回転モ−メントに対しゴムパッキング３を回転
支点として作用させ得、管接続部にある程度の可撓性を
付与できる。

【００２１】上記において、ゴムパッキング３には圧縮
力を大きくでき、かつ、圧壊強度の大なるものを使用す
るが、図２の（ロ）に示すゴムパッキングを使用する場
合は特に圧壊強度を問題とする必要はない。

【００２２】上記の抜け止め部材４には、内側面に歯４
１を有し、縮径によってその歯４１を管端部外面に噛止
させ得るものであればよく、例えば、図３の（イ）に示
すように、縮径用のスリット４３を有するもの、また
は、図３の（ロ）に示すように完全な分割構造のものを
使用できる。この抜け止め部材４には、通常銅、鉄、こ
れらの合金等の金属を使用するが、管Ｐの硬度、設定す
る耐引き抜き力によっては、エンジニァリングプラスチ
ック、繊維強化プラスチック（例えば、ボロンファィバ
−強化ナイロン）等の使用も可能である。

【００２３】上記において、管Ｐには合成樹脂管の他、
金属管、金属と合成樹脂との複合管等も使用でき、内面
に合成樹脂層を被覆した内面樹脂ライニング金属管の場
合は、図４に示すように、管継手１内に樹脂コア１０を
射出成形し、管端部２内面の樹脂ライニング２０と樹脂
コア１０との間を密接させて管先端端面ｅを管内通水か
ら遮断することが好ましい。図４において、３は内面に
抜け止め部材４を埋着したゴムパッキングを、５はパッ
キング押え金具をそれぞれ示している。

【００２４】上記において、管継手１並びにパッキング
押え金具５には鋼、銅、これらの合金等の金属を使用
し、必要に応じ防食コ−ティング（例えば、エポキシ樹
脂粉体塗装）を施すことができる。

【００２５】上記において、パッキング押え金具５に
は、図５の（イ）に示すようなねじ込み方式、図５の
（ロ）に示すようなボルト締め付け方式等を使用するこ
ともできる。

【００２６】

【発明の効果】本発明の管継手と管との接続部構造は上
述した通りの構成であり、管継手のパッキング装着溝と
管端部との間に抜け止め部材埋着ゴムパッキングを装着
し、このゴムパッキングをパッキング押え金具で圧縮す
ることにより組み立て得るから、ゴムパッキング方式と
同様、簡易な作業で組み立てることができる。

【００２７】また、ゴムパッキングの内面側の一部に抜
け止め部材を埋着してあるから、ゴムパッキングの圧縮
により抜け止め部材を管端部外面に噛止でき、管接続部
の耐引き抜き力を充分に大になし得、しかも、ゴムパッ
キングによる管接続部の可撓性をよく保持できる。従っ
て、地震等の外圧に対し、管接続部での漏水を良好に防
止できる。

【００２８】更に、上記耐引き抜き力の増大にもかかわ
らず、部品数をゴムパッキング方式と実質上同じにで
き、また、管接続部の外側に抜け止め具を付設する場合
とは異なり、接続部寸法の小型化を保持できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例を示す一部断面図である。

【図２】本発明において使用する抜け止め部材埋着ゴム
パッキングの異なる例を示す一部断面図である。

【図３】図３の（イ）は上記ゴムパッキングに埋着する
抜け止め部材の一例を示す一部断面側面図、図３の
（ロ）は同抜け止め部材の別例を示す側面図である。

【図４】本発明の上記とは別の実施例を示す一部断面図
である。

【図５】本発明において使用するパッキング押え金具の
上記とは別の異なる例を示す一部断面図である。

【図６】従来例を示す一部断面図である。

【符号の説明】

１ 管継手 １１ パッキング装着溝 ２ 管端部 ３ ゴムパッキング ４ 抜け止め部材 ５ パッキング押え金具

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】管継手のパッキング装着溝と管端部との間
   にゴムパッキングを装着し、パッキング押え金具により
   パッキングを圧縮してなる管継手と管端部との接続部に
   おいて、ゴムパッキングの内面の一部に管端部外面に噛
   止する抜け止め部材を固着したことを特徴とする管継手
   と管との接続部構造。