JPH057945A - プレスのダイクツシヨン装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 成形過程に応じたクッション作用がサーボモ
ータを制御することにより得られるようにする。 【構成】 プレスのベッド２内に、複数のクッションピ
ンを介して下型を下方より支持するパッド３を設けると
共に、上記パッド３を、サーボモータ１０を速度制御す
ることによりクッション作用が得られるようにしたクッ
ション機構４により下方から支持したもので、サーボモ
ータ１０を速度制御することにより、成形過程に応じて
任意なクッション作用が得られるようになる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明はサーボモータによりク
ッション作用を得るようにしたプレスのダイクッション
装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来プレスによりワークを絞り成形する
ような場合、ダイクッション装置を使用している。従来
のダイクッション装置は、図４に示すようにパッドａを
弾性支持する複数段のエアシリンダｂと、下降速度を制
御する油圧シリンダｃより構成されていて、油圧シリン
ダｃより排出される油圧をＮＣ制御することにより、成
形に合せて任意な下降速度が得られるように構成されて
いる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし上記従来のダイ
クッション装置では、油圧回路にサーボ弁ｄなどを必要
として、装置全体が複雑かつ高価となる不具合がある。
この発明は上記従来の不具合を改善する目的でなされた
もので、サーボモータによりクッション作用が得られる
ようにしたプレスのダイクッション装置を簡単な構成で
提供しようとするものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】この発明は上記目的を達
成するために、プレスのベッド内に、複数のクッション
ピンを介して下型を下方より支持するパッドを設けると
共に、上記パッドを、サーボモータを速度制御すること
によりクッション作用が得られるようにしたクッション
機構により下方から支持するようにしたものである。

【０００５】

【作 用】上記構成により、予め成形に応じて入力し
たデータによりサーボモータを制御するだけで、成形過
程に応じたクッション作用が得られるようになる。

【０００６】

【実 施 例】この発明の一実施例を図１ないし図３に
示す図面を参照して詳述する。図において１は図示しな
いプレスのベッド２内に設けられたこの装置の本体で、
上部に複数のクッションピンを介して下型（ともに図示
せず）を下方に支持するパッド３を有している。そして
このパッド３の下方に複数、例えば４基のクッション機
構４が設置されている。

【０００７】上記クッション機構４は上端部が上記パッ
ド３に固着された一対の支持杆５を有しており、これら
支持杆５の下端は、ベッド２に固定されたギヤケース６
に上下摺動自在に支承されたラック杆７の上端に接続さ
れている。上記ラック杆７にはギヤケース６内において
対向する面に歯７ａが形成されていて、減速ギヤ列８の
初段ギヤ８ａが噛合されている。

【０００８】また減速ギヤ列８の中間ギヤ８ｂ間は連動
ギヤ８ｃにより互に連動されていると共に、終段ギヤ８
ｄの回転軸８ｅには、ギヤケース６の側方に設置された
２基のサーボモータ１０が継手９を介して接続されてい
て、これらサーボモータ１０は予め入力されたデータに
基づいて図示しない制御装置により速度制御されるよう
になっている。

【０００９】次に作用を説明する。プレスに装着された
図示しない上型と下型の間でワークを絞り成形するに当
って、まず上型が下降して、下型の周囲に設けられたブ
ランクホルダと上型の間でワークの周辺部が挟着される
が、このときタッチ音が発生して騒音の原因となる。そ
こで上型がブランクホルダと衝突する直前にサーボモー
タ１０を回転してラック杆７を下降させ、パッド３を下
方へ予備加速する。この予備加速はワークや金型の種類
などに応じて予め入力されたデータを基に行われる。

【００１０】その後上型とブランクホルダの間でワーク
の周辺が挟着された状態でさらに上型が下降されること
により、上型と下型の間で絞り成形が行われる共に、絞
り成形の進行とともにサーボモータ１０の回転が制御装
置により制御され、絞り成形に必要なクッション作用が
パッド３に得られるようにしてパッド３がさらに下降さ
れる。そしてプレスの図示しないスライドが下死点に達
して成形が終了すると、スライドの上昇とともにサーボ
モータ１０が逆転され、パッド３も上昇を開始する。

【００１１】このとき成形によっては、パッド３の上昇
を一時停止させるロッキングを行うことがあるが、サー
ボモータ１０を停止させることによりこのロッキング動
作が簡単に得られるようになる。また成形の終了したワ
ークをトランスファフィーダにより搬出する場合、トラ
ンスファフィーダの搬送高さで一時ワークを停止させる
予備リフトを行うが、サーボモータ１０の回転を制御す
ることにより、この予備リフトや予備リフト量の設定な
どが容易に行える。

【００１２】以上のようにしてサーボモータ１０を制御
するだけで、パッド３のクッション作用が得られるよう
になる。またワークがアルミニウムのような金属の場
合、局部的にシワが発生することがある。このような場
合４個所に設けられたクッション機構４のサーボモータ
１０を個々に制御することにより、シワが発生するのを
防止できるため、品質のよい製品が得られるようにな
る。

【００１３】

【発明の効果】この発明は以上詳述したように、パッド
を支持するクッション機構に設けられたサーボモータを
速度制御することにより、成形過程に応じて任意なクッ
ション作用が得られるようにしたことから、従来の油圧
をＮＣ制御されるサーボ弁で制御するものに比べて装置
全体が簡単かつ小型に構成できると共に、価格も１／３
程度に低減できる。また油圧に比べて応答性や信頼性が
高く、かつ段取りに要する時間も大幅に短縮できるた
め、作業能率の向上が図れると共に、上型が下型にタッ
チする前に下型を下方へ予備加速することにより、タッ
チ音を小さくすることができるため騒音の低減なども図
れるようになる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の一実施例になるプレスのダイクッシ
ョン装置を示す断面図である。

【図２】図１のＡ−Ａ線に沿う断面図である。

【図３】図１のＢ−Ｂ線に沿う断面図である。

【図４】従来のプレスのダイクッション装置を示す説明
図である。

【符号の説明】

２ ベッド、３ パッド、４ クッション機構、１０
サーボモータ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 【請求項１】 プレスのベッド２内に、複数のクッショ
   ンピンを介して下型を下方より支持するパッド３を設け
   ると共に、上記パッド３を、サーボモータ１０を速度制
   御することによりクッション作用が得られるようにした
   クッション機構４により下方から支持してなるプレスの
   ダイクッション装置。