JPH057905Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、サイドメンバーに係り、特に、車輌
のフロアを構成する屈曲部分を有するサイドメン
バーに関する。

（従来の技術） 車輌のフロアは、車輌の長手方向に沿つて略平
行に配置された２本のサイドメンバーによつて支
承されている。

このサイドメンバーの一種に、たとえば第４図
に示すように、エンジンなどの他部品との干渉を
回避するための屈曲部分Ａを有するサイドメンバ
ー１がある。

この種のサイドメンバー１は、それに荷重が加
わつた場合、その屈曲部分Ａに応力集中が生じる
ことが知られている。

このため、従来のサイドメンバー１は、屈曲部
分Ａの応力集中による強度低下、特に、サイドメ
ンバーインナーの下部フランジの変形を防止する
ために、たとえば第５図に示すように、サイドメ
ンバーアウター１ａと、サイドメンバーインナー
１ｂとの間に、屈曲部分Ａに沿う形状に形成され
たリンフオース２を配設していた（第６図参照）。

（考案が解決しようとする問題点） ところで、上述のような従来のサイドメンバー
１は、リンフオース２が、サイドメンバー１の屈
曲部分Ａに沿う形状に形成されていたため、この
屈曲部分Ａにおいて、リンフオース２自体にも応
力集中が生じ、リンフオース２を配設した効果が
十分に発揮されなくなる問題があつた。

（問題点を解決するための手段） 上記問題点を解決するため、本考案は、リンフ
オース２の腹部に、サイドメンバー１の長手方向
に沿う直線状の凸条を形成したリンフオースを屈
曲部分Ａに配設する。

（作用） このリンフオースが配設されたサイドメンバー
１は、リンフオースの腹部に形成した凸条が直線
状に形成されているので、リンフオース自体の応
力集中が解消され、このリンフオースが、サイド
メンバー１の屈曲部分Ａの応力集中を緩和させる
ように作用する。

（実施例） 以下、本考案の実施例を図面に基づいて詳細に
説明する。

第１図、第２図および第３図に示すように、サ
イドメンバー１は、サイドメンバーアウター１
ａ、サイドメンバーインナー１ｂ、およびリンフ
オース２によつて構成されている。

サイドメンバーアウター１ａは、サイドメンバ
ーインナー１ｂに沿つて略平板状に形成されてい
る。

サイドメンバーインナー１ｂは、断面コ字状に
形成されており、その長手方向の両端縁部分に、
それぞれ外方に向けてＬ字状に折曲されたフラン
ジ１ｃが形成されている。

サイドメンバーアウター１ａは、フランジ１ｃ
に、ビス止め、もしくはスポツト溶接などの固定
手段により取り付けられている。

リンフオース２は、サイドメンバーアウター１
ａの取り付けに先立つて、サイドメンバーインナ
ー１ｂの屈曲部分Ａの内側面に沿つて配設され
る。このリンフオース２の腹部には、サイドメン
バー１の長手方向に沿う直線状の凸条２ａが形成
されている。

リンフオース２の長手方向の両端縁部分は、そ
れぞれサイドメンバーインナー１ｂの内側面に沿
つて折曲形成されており、特に、下部の端縁部分
にはフランジが形成されている。これらの端縁部
分とサイドメンバーインナー１ｂとを固定するこ
とにより、リンフオース２がサイドメンバーイン
ナー１ｂに取り付けられる。また必要に応じて、
凸条２ａの頂部がサイドメンバーインナー１ｂに
固定される。

上述のように構成されたサイドメンバー１は、
リンフオース２の腹部に形成した凸条２ａが直線
状に形成されているのでリンフオース自体の応力
集中が解消され、サイドメンバー１の屈曲部分Ａ
に対する応力集中が緩和される。また、図示のよ
うに、サイドメンバーインナー１ｂの屈曲部分Ａ
の下側面が、リンフオース２の凸条２ａの下側面
に対して当接するように構成することによつて、
サイドメンバー１の曲げ応力によるサイドメンバ
ーインナー１ｂの屈曲部分Ａの下側面の上昇が凸
条２ａの下側面によつて阻止され、サイドメンバ
ーインナー１ｂの変形が防止される。

なお、上記実施例では、凸条２ａの断面形状を
コ字状に形成した例を示したが、この凸条２ａの
断面形状は半円状、波形、もしくは三角形状など
であつてもよい。また、凸条２ａは、その頂部が
サイドメンバーアウター１ａがわに突出するよう
に形成してもよい。さらに、リンフオース２の下
部にフランジを形成することにより、サイドメン
バーインナー１ｂの下部フランジが強化されその
変形が防止されるとともに、リンフオース自体の
強度が増大される。

（考案の効果） 本考案によるサイドメンバーは、その屈曲部分
の応力集中による強度低下を防止することができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の要部破断部分側面
図、第２図は第１図の−断面図、第３図は上
記実施例におけるリンフオースの斜視図、第４図
は従来のサイドメンバーの部分側面図、第５図は
第４図のＹ−Ｙ断面図、第６図は上記従来のサイ
ドメンバーの要部の分解斜視図である。 １……サイドメンバー、１ａ……サイドメンバ
ーアウター、１ｂ……サイドメンバーインナー、
１ｃ……フランジ、２……リンフオース、２ａ…
…凸条、Ａ……屈曲部分。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. サイドメンバーの屈曲部分の強化のために、上
   記屈曲部分に沿つてリンフオースを配設したサイ
   ドメンバーにおいて、上記リンフオースの腹部
   に、上記サイドメンバーの長手方向に沿う直線状
   の凸条を形成したことを特徴とするサイドメンバ
   ー。