JPS6239731Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は組立て式スチール製整理棚等に使用さ
れる板金製棚板に関する。

一般に、組立て式のスチール製整理棚は、四隅
に立設したアングル形の支柱間に矩形な天板の周
縁に補強用側板を形成してなる板金製の棚板を複
数段に配設し、これら各棚板の隅部を前記支柱に
ボルトを介して固定するようにしている。

ところで、このような整理棚でコストダウンを
図るには棚板を形成している鋼板の肉厚を可能な
限り薄くするのが効果的である。

しかし、必要以上に薄くすると棚板の剛性が低
下し、棚板としての機能が損なわれる。したがつ
て薄い鋼板で、かつ十分な剛性を確保するために
は棚板に適切な補強を施す必要がある。

そこで、例えば補強用側板の下縁部に一体に連
設し、かつ天板下面部方向に曲折させると共に、
天板下面部に添設し、補強用側板の内側部と天板
下面部とで形成される空間部に中空状の補強部を
形成し、棚板の剛性を高めるようにしたものがあ
る。

しかしながら、棚板の隅部では棚板を支柱に固
定するためのボルト挿通孔を補強用側板に穿設す
る必要があり、前述の補強部を棚板の隅部まで設
けることができない。これは、補強部を棚板の隅
部まで設けると、該補強部が中空状であるだけに
その補強部にボルト挿通孔を穿設することが比較
的手間を要し、しかも前記補強用側板から該補強
部に亘つて挿通させたボルトをナツトによつて締
付けても、前記補強部が中空状であるだけに強固
に締付け固定できないという不具合があるからで
ある。したがつて棚板の隅部では補強部を施して
ないものが一般的であつたが、しかしこのように
するとこの部分での強度が低下し、棚板に大きな
荷重がかゝるとボルト取付部が変形、或は破損す
る虞れがある等、棚板の全面に亘つて十分な強度
が得られるものでなかつた。

本考案は上記事情に鑑みてなされたもので、天
板の少くとも長辺縁部に設ける側板にその側板の
全長に亘つて補強部を形成するものであつて、肉
厚の薄い鋼板を使用しても十分な剛性が確保でき
ると共に、ボルト取付部が荷重によつて変形、或
は破損するような虞れもない板金製棚板を提供す
ることを目的とするものである。

以下、本考案の実施例を図面を参照し説明す
る。

矩形な天板１の長辺両縁部に側板２，２及び短
辺両縁部に側板３，３を設けている。上記側板２
は第２図に示すように前記天板１をその縁部で曲
折し、該天板１に連設して形成される外側板部４
と、その外側板部４の先端部で外側板部４の内側
にその全長に亘つて折返して形成される内側板部
５から構成される。そして上記内側板部５の先端
部全長を前記外側板部４の略上半部内面及び前記
天板１の内面に沿つて密接する断面Ｌ字形に形成
し、前記天板１との密接部をスポツト溶接６で接
合している。また前記内側板部５の基部８を前記
外側板部４の内面から内方向に突出する断面中空
角形状に形成して補強突条９としている。また前
記各側板２，２の両端部の前記外側板部４と内側
板部５との密接部７にボルト挿通孔１０…を穿設
している。

一方、前記側板３，３は前記側板２，２と同様
に、第３図に示すように前記天板１をその縁部で
曲折し、該天板１に連設して形成される外側板部
１０，１０と、その外側板部１０，１０の先端部
でその全長に亘つて折返し、該外側板部１０，１
０の内面側に密接して形成される内側板部１１，
１１から構成され、該内側板部１１，１１の先端
部を前記天板１の内面に沿つて曲折し、前記天板
１にスポツト溶接で接合している。

また、前記側板３，３の各両端部にボルト挿通
孔１４…を穿設している。

尚、前記天板１の内面中央部に天板１の長手方
向に沿つて補強部材１５が配設され、該補強部材
１５の両側部を前記天板１の内面にスポツト溶接
にて接合している。

このような構成によれば、側板２，２の全長に
亘つて外側板部４，４及び内側板部５，５に連接
する断面中空角形状の補強突条９を設けているの
で、天板１の長辺縁部での補強が効果的に行なわ
れる。

また側板２，２の補強突条９，９はボルト挿通
孔１０…に対するボルトの取付けを妨害しない位
置に設けられる為、その補強突条９，９を側板
２，２の全長に亘つて設けることができ、側板
２，２の両端部でも十分な強度を確保できる為、
天板１に大きな荷重がかゝつてもボルト取付部が
変形したり破損するようなこともない。したがつ
て、本考案に係る棚板では従来のものに比べより
肉厚の薄い鋼板を使用して製作できるものであ
り、かつ製作も容易である為、大巾なコストダウ
ンを図れるものである。

尚、前記内側板部５の基部８に設けた補強突条
９の形状は本実施例中に示す断面中空角形状のも
のに限るものでなく、第４図ａ，ｂに示すように
内側板部５の基部を所要中空形状に曲折し、外側
板部４の内面から内側方向に突出させるようにし
たものであればよい。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す斜視図、第２図
及び第３図は同実施例の天板の長辺縁部及び短辺
縁部に設ける側板の断面図、第４図は同実施例中
の基部の他の形状を示す断面図である。 １……天板、２，３……側板、４……外側板
部、５……内側板部、７……密接部、８……内側
板部の基部、１０……ボルト挿通孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 矩形な天板１の各辺縁部に側板を全長に亘つて
   設けたものであつて、少なくとも天板１の長辺縁
   部に設ける側板２，２は、前記天板１の長辺縁部
   に全長に亘つて連設する外側板部４と、その外側
   板部４の先端部に全長に亘つて内方側へ折返した
   内側板部５とを有するものとし、その内側板部５
   の先端部は前記外側板部４の少なくとも上半部内
   面及び前記天板１の内面に密接する断面Ｌ字形に
   形成すると共に、前記内側板部５の基部８は前記
   外側板部４の内面から内方に突出する断面中空形
   状に形成し、前記側板２，２両端部の内、外側板
   部５，４の密接部７にボルト挿通孔１０…を穿設
   していることを特徴とする板金製棚板。