JPH0578603B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、合成樹脂の発泡ブロツクを積み重ね
て成る発泡ブロツク構築物において、発泡ブロツ
クと土圧作用端面の境界に充填される裏込め材に
関する。

（従来技術） 軟弱の地盤上に合成樹脂の発泡ブロツクを積み
重ね、その上に道路を敷設する工法が現在試みら
れている。この工法によると、発泡ブロツクの軽
量性により地盤沈下を防止でき、且つ迅速な施工
が可能となる。

又、段差のある土地において、下側の土地に発
泡ブロツクを積み重ね、擁壁の傾斜を垂直に近付
けて上場の土地の有効利用を図つた工法も、本発
明者等によつて提案されている。

（発明が解決しようとする問題点） ところが、上記発泡ブロツクによる道路盛土に
おいて、土圧作用端面と人工的な発泡ブロツク
は、力学的・物理的性質を異にし、これらを直接
隣接させると不都合が生じる。

そこで、本発明の目的は、発泡ブロツク構築物
において、発泡ブロツクと土圧作用面との境界に
充填され、両者の性質の差異による不都合を減ず
る発泡ブロツク裏込め材を提供することにある。

（問題点を解決するための手段） 上記目的を達成するために、本発明では、自然
土砂と合成樹脂の発泡粒の混合物から構成された
裏込め材を提供している。

（実施例） 以下に、本発明の一実施例を図に基づいて説明
する。

発泡ブロツクによる構築物として第１図に道路
盛土を例示している。しかし、本発明が適用され
る発泡ブロツク構築物はこれに限定されない。

軟弱の地盤１上に発泡ブロツク２が積み重ねら
れ、その上に道路３が敷設される。ここで、発泡
ブロツク２は、発泡ポリスチレン、発泡ポリエチ
レン、発泡ウレタンなどの合成樹脂のブロツク成
形品であるが、特に発泡ポリエチレン（発泡スチ
ロール）は低廉であり、望ましい。

この施工は、次のように行なわれる。

コンクリートブロツク４Ａが地盤１に奥行方向
に突合わされて据えられ、その上に透水性の砂質
土層５が敷設される。

この砂質土層５の上に、発泡ブロツク２が積み
重ねられる。発泡ブロツク２は、相互に緊結具６
により緊結されている。緊結具６は、金属板の縁
に爪７が折曲げられ、この爪７を発泡ブロツク２
に食い込ませて使用される。

発泡ブロツク２の背後には、土圧作用端面８が
ある。ところが、自然土砂８と人工的な発泡ブロ
ツク２は、力学的・物理的性質を異し、これらを
直接隣接させると不都合が生じる。そこで、第２
図に示すような自然土砂９と合成樹脂の発泡粒１
０の混合物を作る。この混合物は土圧作用端面８
と発泡ブロツク２の中間的性質を有するものであ
り、これを発泡ブロツク裏込材１１として発泡ブ
ロツク２と土圧作用端面８の境界に充填する。

発泡ブロツク２などの合成樹脂発泡材は、次の
ように製造される。発泡剤を含むポリエチレンな
どの粒子（これをビーズという）を一次発泡させ
た後熟成させ、次にこれを型に入れ水蒸気により
加熱再発泡させた後熟成させて個々のビーズを融
着一体化し、冷却する。前記の発泡粒子１０は、
この生産過程における一次発泡粒である。

発泡粒１０は自然土砂９と比べて比重がきわめ
て小さいので、自然土砂９と混合する場合には、
発泡粒１０を湿潤状態にして比重を大きくするこ
とが必要である。発泡粒１０をセエントミルクに
どぶ漬けし、その後に乾燥すれば、混合がより容
易になる。

又、混合を容易にするには、自然土砂９の含水
状態も大切となる。自然土砂９が乾きすぎても濡
れすぎても発泡粒１０と分離するので、最適の含
水状態にすることが望ましい。

発泡ブロツク裏込め材１１の排水を良好とする
ため、自然土砂９と発泡粒１０の粒度とその相互
関係を適宜のものに選択する必要がある。

土中排水量の多い場所では、発泡ブロツク裏込
め材１１の充填された部分に、排水用の合成樹脂
製のフイルターパイプ（図示省略）を併設しても
よい。

発泡ブロツク２を中間高さまで積み重ねた段階
において、積み重ねられた発泡ブロツク２の外側
の壁面１２で発泡ブロツク２がはみ出したり、飛
び出したりするのを防止するため、次のようなア
ンカー装置が設けられる。

鋼棒、帯鉄などから成る引張部材１３が上下の
発泡ブロツク２の間に奥行方向に一定間隔に水平
に配置される。土圧作用端面８に杭１４が打ち込
まれ、この杭１４に引張部材１３の一端に形成さ
れた鉤状の地山定着部１５が定着される。一方、
引張部材１３の他端１６は壁面１２から突出して
いる。そして、緊結具６が他端１６に通され、そ
の爪７が隣接する発泡ブロツク２に食い込んでい
る。次に、多端１６にスペーサー１７が通され、
該他端１６は壁面１２を覆う後記カバー１８を貫
通して通され、カバー１８の外側からナツト１９
が螺着される。こうして、引張部材１３が、発泡
ブロツク２を背後から引張り壁面１２を安定させ
る。

このアンカー装置の上に更に発泡ブロツク２が
積み重ねられ、発泡ブロツク２の縁に型枠２０が
設置され、この型枠２０を埋め殺しして鉄筋入り
のコンクリート版２１が現場打ちされる。このコ
ンクリート版２１により発泡ブロツク２の一体性
が向上する。

このコンクリート版２１の縁には、前記コンク
リートブロツク４Ａと同じコンクリートブロツク
４Ｂが、コンクリートブロツク４Ａとは縦横逆に
して図の奥行方向に突合わされて据えられボルト
２２によりコンクリート版２１に定着される。

上のコンクリートブロツク４Ｂと下のコンクリ
ートブロツク４Ａの間には、鉄製波板から成るカ
バー１８が、ボルト２３，２４により固定され
る。このカバー１８は、壁面１２を被覆して発泡
ブロツク２に紫外線が当たらないようにして、発
泡ブロツク２の劣化を防止するものである。

コンクリート版２１及びコンクリートブロツク
４Ｂの上には、透水性の砂質土層２５が敷設さ
れ、更にその上にコンクリート又はアスフアルト
などから舗装された道路３が敷設される。

発泡ブロツク２の下面に敷設されている前記砂
質土層５及び発泡ブロツク２の上場に敷設されて
いる砂質土層２５は、排水用に設けられたもので
ある。上の砂質土層２５の排水がコンクリートブ
ロツク４Ｂの水抜き２６が流出し壁面１２とカバ
ー１８の隙間２７から落ち、発泡ブロツク裏込め
材１１を通つて下に流れ下の砂質土層５を透過し
た排水とともにコンクリートブロツク４Ａの水抜
き２７から排出される。

尚、上記実施例に本発明は限定されない。例え
ば、発泡ブロツク構築物は、道路盛土に限らず、
擁壁、又は構造物の側に配置されて構造物に作用
する土圧を軽減するものなど広く発泡ブロツクに
よる構築物一般をいうものとする。

（発明の効果） 本発明は、自然土砂と合成樹脂の発泡粒の混合
物を発泡ブロツク裏込め材とする。

自然土砂と発泡ブロツクとが直接接触すると、
偏土圧や間隙が生ずる。又、発泡ブロツクは非透
水性であるから、排水性が不良である。

そこで、自然土砂と発泡ブロツクとの間に自然
土砂と合成樹脂との混合物からなる裏込め材を配
置し、自然土砂と合成樹脂とに材質的に連続性を
持たせたものである。

従つて、土圧作用端面と合成樹脂の発泡ブロツ
クが直接隣接するために生じる不都合がなくなる
効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は、発泡ブロツク構築物の断面図であ
る。第２図は、本発明の一実施例に係る発泡ブロ
ツク裏込め材の拡大図である。 ２：発泡ブロツク、８：土圧作用端面、９：自
然土砂、１０：発泡粒、１１：発泡ブロツク裏込
め材。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 軟弱地盤あるいは段差のある土地等に発泡ブ
   ロツクを積み重ねて設け、垂直方向あるいは水平
   方向の土圧を低減して上場を利用するようにした
   工法において、 自然土砂と合成樹脂の発泡粒の混合物から成
   り、発泡ブロツク構築物と土圧作用端面の境界に
   充填されることを特徴とする発泡ブロツク構築物
   の発泡ブロツク裏込め材。