JPH0578487B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、無端状に連結されたトレーを垂直循
環経路にそつて循環移動可能に支持した回転棚、
特に前記トレーを循環駆動させるための駆動チエ
ンのテークアツプ機構に関するものである。

（従来の技術及びその問題点） 上記のような垂直循環回転棚では、前記トレー
を回動させる駆動チエンを前記垂直循環経路の下
端側で掛張する歯輪が、固定フレームに上下位置
調整可能に支持させた可動フレームに軸支され、
前記駆動チエンに弛みが生じた場合、前記可動フ
レームの上下位置を調整して駆動チエンを適度に
緊張させることが出来るように構成されているの
であるが、従来のこの種の回転棚では、前記可動
フレームの上下位置調整、即ち駆動チエンのテン
シヨン調整操作を、回転棚の側面外装板を外して
回転棚の側面から手を差し入れて行える側面メン
テ方式に構成するか又は、回転棚の正面外装板を
外して回転棚の正面から手を差し入れて行える正
面メンテ方式に構成していた。

而るに、側面メンテ方式に限定されていると、
回転棚の側面に空間を確保しておく必要があるの
で複数台の回転棚を横方向に隣接設置することが
出来ない欠点があり、正面メンテ方式に限定され
ている場合は、回転棚の側面に空間が確保出来る
状態であつても、側面メンテ方式と比較して操作
が困難な正面からの駆動チエンテンシヨン調整を
行わなければならない欠点がある。

（問題点を解決するための手段） 本発明は上記のような従来の問題点を解決し得
る垂直循環回転棚を提案するものであつて、その
特徴は、前記のような回転棚に於いて、前記駆動
チエンを前記垂直循環経路の下端側で掛張する歯
輪を、固定フレームに昇降のみ可能に保持された
可動フレームに軸支し、この可動フレームと前記
固定フレームとの間に前記可動フレームの上下位
置調整用ボルトを介装すると共に、このボルトの
片側に位置する前記固定フレーム部分にボルト操
作窓を設け、前記固定フレームに隣接する側面外
装板と正面外装板とは、前記固定フレームの内外
何れからも前記ボルトを操作し得るように着脱自
在に構成した点にある。

（発明の作用） 前記駆動チエンに弛みが生じた場合には、前記
可動フレームの上下位置調整用ボルトを操作して
可動フレームを下降させ、前記歯輪の位置を下げ
て駆動チエンを緊張させるのであるが、回転棚の
側面に作業者が入り込める空間が確保されている
場合には、側面外装板を外して回転棚の側面から
手を差し入れて前記ボルトを操作することが出来
る。又、この回転棚が横方向に複数台隣接設置さ
れているために前記のような作業者の入り込める
空間がない場合は、正面外装板を外して回転棚の
正面から内部に手を差し入れ、前記ボルトを操作
することが出来る。

この側面メンテ方式によるボルト操作時と正面
メンテ方式によるボルト操作時の何れかに於い
て、当該ボルトの操作は前記固定フレームに設け
られたボルト操作窓を通じて行われることにな
る。

（実施例） 以下に本発明の一実施例を添付の例示図に基づ
いて説明する。

第１図及び第２図に示す垂直循環回転棚１は、
垂直循環経路にそつて回動する多数のトレー２
と、開閉自在な扉３を備えた物品出し入れ口４と
を有する。前記各トレー２は、上部遊転歯輪５と
駆動軸６に取り付けられた下部駆動歯輪７との間
に掛張される左右一対の無端駆動チエン８に夫々
吊り下げリンク９を介して一定間隔置きに連結さ
れており、各トレー２の左右両端には、一定角度
に固定されたガイドリンク１０を介してガイドロ
ーラー１１が軸支され、このガイドローラー１１
が遊嵌する無端状のガイドレール１２が、前記ト
レー２の垂直循環経路の左右両側に架設されてい
る。従つて、駆動軸６を回転させて両無端チエン
８を回動させることにより、各トレー２は常に正
立姿勢に保持されながら垂直循環経路にそつて回
動することになる。

１３は各トレー２を回動させるための駆動手段
であつて、モーター１４が結合された減速機１５
と、この減速機１５の出力軸と前記駆動軸６とを
連動連結する歯輪１６，１７及びチエン１８から
構成されている。

第３図〜第７図に示すように、前記駆動軸６の
両端部は、左右一対の固定フレーム１９の夫々に
昇降のみ可能に保持された可動フレーム２０に軸
受２１を介して支承されている。前記固定フレー
ム１９は、前後一対の支柱１９ａ間に板材１９ｂ
を張設したものであり、前記可動フレーム２０
は、前記固定フレーム１９の外側に昇降可能に嵌
合する本体部分２０ａと、この本体部分２０ａか
ら連設された前後突出部分２０ｂ及び下向き突出
部分２０ｃによつて構成されている。

前記ガイドレール１２の垂直直線部１２ａから
切り離された下端Ｕターン部１２ｂは、その両上
端部が前記可動フレーム２０の前後突出部分２０
ｂの内側に固着されると共に、最下端部が前記可
動フレーム２０の下向き突出部分２０ｃの内側に
固着されている。このガイドレール１２の垂直直
線部１２ａと下端Ｕターン部１２ｂとは、この下
端Ｕターン部１２ｂが一定範囲内で昇降移動して
もガイドローラー１１の案内を支障なく行えるよ
うに、垂直方向伸縮可能に嵌合している。

可動フレーム２０の本体部分２０ａには上下方
向の長孔２２が複数個設けられ、第８図に示すよ
うに各長孔２２を貫通するボルト２３の螺軸部２
３ａを固定フレーム１９の内側に固着したナツト
２４に螺合締結している。このとき可動フレーム
２０が締め付けられて昇降運動が不能とならない
ように、前記ボルト２３には長孔２２に遊嵌し且
つ可動フレーム２０の板厚より若干長い大径軸部
２３ｂが設けられ、この大径軸部２３ｂで固定フ
レーム１９のみを締結するように構成している。
尚、第３図に示すように上記と同様の手段２５に
より前記可動フレーム２０の前後突出部分２０ｂ
をガイドレール１２の垂直直線部１２ａの下端部
に対し昇降のみ可能に結合することが出来る。

第３図、第６図及び第７図に示すように、前記
可動フレーム２０の下向き突出部分２０ｃは、固
定フレーム１９の板材１９ｂに設けられた上下方
向の切り欠き孔２６から固定フレーム１９の内側
に突出しており、この下向き突出部分２０ｃより
下方で前記切り欠き孔２６を横断するように固定
フレーム板材１９ｂの内側に固着された部材２７
には、可動フレーム上下位置調整用ボルト２８が
上向きに回転可能に貫通し、このボルト２８の先
端部が前記可動フレーム２０の下向き突出部分２
０ｃの下端部２０ｄに螺合している。２９は前記
ボルト２８に螺嵌するロツクナツトである。従つ
て前記ボルト２８及びロツクナツト２９は固定フ
レーム１９の内側からは勿論のこと、外側からも
前記切り欠き孔２６によつて形成されたボルト操
作窓３０を通じて操作することが出来る。

尚、前記減速機１５は、固定フレーム１９の下
端を支持する下部フレーム３１から突設された支
持板３２に上下位置調整可能に固定されており、
この減速機１５の高さ調整により、前記チエン１
８の張りを調整することが出来る。又、前記固定
フレーム１９の外側に隣接する回転棚側面外装板
３３（第４図及び第５図参照）と、物品出し入れ
口４より下側の回転棚正面外装板３４（第３図及
び第５図参照）は、着脱自在に構成されている。

モーター１４を稼動させてその回転力を減速機
１５、歯輪１７，１６、及びチエン１８を介して
駆動軸６に伝達し、駆動歯輪７を介して駆動チエ
ン８を回動させることにより、各トレー２を垂直
循環経路に於いて循環移動させ、任意のトレー２
を物品出し入れ口４に呼び出すことが出来るもの
であるが、駆動チエン８に弛みが生じた場合に
は、回転棚側面外装板３３を外して回転棚側面よ
り内部に手を差し入れ、固定フレーム１９のボル
ト操作窓３０を通じてロツクナツト２９を弛緩さ
せると共にボルト２８を締結方向に回転操作する
ことにより、可動フレーム２０を固定フレーム１
９に沿つて下方へ引き降ろし、この可動フレーム
２０に支承されている前記駆動軸６を下降させて
駆動チエン８を緊張させることが出来る。このと
きの可動フレーム２０は、固定フレーム１９と複
数本のボルト２３（大径軸部２３ｂ）をガイドに
して下方へスライドする。

尚、前記駆動軸６の両端は夫々上記機構により
左右一対の固定フレーム１９に各別に支承されて
いるので、左右一対の駆動チエン８の張りの調整
は、左右交互に少しづつ行うのが望ましい。駆動
チエン８を適度に緊張させたならば、ロツクナツ
ト２９を締結してボルト２８を固定すれば良い。

若し、回転棚が複数台横方向に隣接設置されて
いるため、又は回転棚の側面に確保されている空
間が狭いため、回転棚側面からの上記操作が行え
ない場合には、回転棚正面外装板３４を外し、
（左右両端領域だけでも良い）、上下に隣接するト
レー２間の空間を利用して回転棚正面より固定フ
レーム１９の内側へ手を差し入れることにより、
上記と同様にロツクナツト２９及びボルト２８を
回転操作し、可動フレーム２０を引き降ろして駆
動チエン８を適度に緊張させることが出来る。

何れの場合も、可動フレーム２０を下降させて
駆動チエン８の張りを調整した場合、駆動手段１
３のチエン１８に弛みが生じるので、回転棚正面
外装板３４を外して減速機１５の取り付け高さを
下方へ変位させ、チエン１８の張りを調整しなけ
ればならない。

尚、上記実施例では、ボルト２８を固定フレー
ム１９の内側に配置したが、逆に外側に配置する
ことも出来る。この場合は、回転棚正面から手を
差し入れてボルト２８を操作する際に、固定フレ
ーム１９に設けられたボルト操作窓３０を利用す
ることになる。

（発明の効果） 以上のように本発明の垂直循環回転棚によれ
ば、回転棚の側面、正面、何れ側からでも駆動チ
エンの張りの調整を行うことが出来るので、回転
棚の側面に作業者が入り込める空間が確保されて
いる場合には、操作の容易な回転棚側面から駆動
チエンの張り調整を行い、若し回転棚が複数台横
方向に隣接設置されている場合のように回転棚側
面からの操作が出来ない状況では、回転棚正面か
ら駆動チエンの張り調整を行うことが出来る。換
言すれば、駆動チエンの張り調整作業を考慮せず
に回転棚を現場の状況に応じて任意に設置するこ
とが出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図は回転棚全体の構成を示す概略縦断側面
図、第２図は同横断平面図、第３図は要部の縦断
側面図、第４図は要部の縦断正面図、第５図及び
第６図は夫々第３図の要部拡大横断平面図、第７
図は第３図の要部格段縦断正面図、第８図は可動
フレームの固定手段を示す縦断正面図である。 ２……トレー、６……駆動軸、７……駆動歯
輪、８……無端駆動チエン、１４……モーター、
１５……減速機、１９……固定フレーム、２０…
…可動フレーム、２１……軸受、２６……切り欠
き孔、２８……可動フレーム上下位置調整用ボル
ト、２９……ロツクナツト、３０……ボルト操作
窓、３３……回転棚側面外装板、３４……回転棚
正面外装板。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 無端状に連結されたトレーを垂直循環経路に
   そつて循環移動可能に支持した回転棚に於いて、
   前記トレーを回動させる駆動チエンを前記垂直循
   環経路の下端側で掛張する歯輪を、固定フレーム
   に昇降のみ可能に保持された可動フレームに軸支
   し、この可動フレームと前記固定フレームとの間
   に前記可動フレームの上下位置調整用ボルトを介
   装すると共に、このボルトの片側に位置する前記
   固定フレーム部分にボルト操作窓を設け、前記固
   定フレームに隣接する側面外装板と正面外装板と
   は、前記固定フレームの内外何れからも前記ボル
   トを操作し得るように着脱自在に構成して成る垂
   直循環回転棚。