JPH057844Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、バス、トラツク等の車両に設けられ
る窓に関するものである。

（従来の技術） 車両用の窓は、バス、トラツク、乗用車等用途
別により様々な形態のものがあるが、その中で第
３図に示す構造を有する車両用窓がある。

同図において窓枠取付用ブラケツト１の上面は
車両ボデイ２にネジ３で、下面は窓枠４にネジ５
でそれぞれ長手方向に対して数箇所固着されてお
り、ボデイ２と窓枠４との隙間には雨水、ダスト
等の車内侵入防止用のウエザーストリツプ６が窓
枠４により圧縮された状態で全周に収まつてい
る。窓枠４下部のレール７には窓ガラス８が組込
まれた窓ガラス枠９が長手方向に摺動自在に嵌め
込まれており、窓ガラス枠９とレールとの隙間に
はウエザーストリツプ１０が充填されている。

上記車両用窓を組立る場合、作業者はまず窓枠
取付用ブラケツト１をボデイ２にネジ３で固着
し、次にウエザーストリツプ６を取付けた窓枠４
を車内側に押込み窓枠４のバカ孔と窓枠取付用ブ
ラケツト１下面のネジ孔を合わせながらネジ５に
より固着していた。

（考案が解決しようとする問題点） 上記車両用窓の部品である窓枠取付用ブラケツ
ト１、ボデイ２、窓枠４、ウエザーストリツプ６
の精度及びウエザーストリツプ６の持つ個々の反
発弾性力の違いによつては窓枠４はウエザースト
リツプ６からかなりの反力を受けることがあり、
その際には、作業者は窓枠４のバカ孔と窓枠取付
用ブラケツト１のネジ孔を合わせるためにかなり
の力で窓枠を車内側に押し付けながら、ネジ５を
締め付けるまでその力を維持していなければなら
ないので取付けが極めて困難であり、多人数作業
または専用工具を用いて取付けができる場合でも
作業能率が非常に悪かつた。

その上第４図に示すように窓枠４のネジ止めさ
れた部分ではネジの摩擦接合力またはネジのせん
断応力と窓枠取付用ブラケツト１の剛性とがとも
にウエザーストリツプ６からの反力より勝つてい
るので問題はないが、その他の部分、つまりネジ
とネジとの間の部分では、ウエザーストリツプ６
からの反力がアルミサツシユでできている窓枠４
の剛性より勝るために窓枠４は車外側に引張ら
れ、その結果レール７が蛇行し、窓の開閉に力を
要していた。

（問題点を解決するための手段） 本考案は上記問題点を解消するために窓枠取付
用ブラケツトと窓枠とにそれぞれフツクを有する
突起部を設けそのフツク同士を係合させることに
より窓枠の変形を防止し、かつ、孔の位置決めを
するようにしたものである。

（実施例） 以下本考案の実施例を図面を参照しながら説明
する。第１図に示すように窓枠取付用ブラケツト
１１には、フツク２０ａを有する突起部２０が窓
枠取付用ブラケツト１１の長手方向路ほぼ全域に
渡つて車外側に向つて装着されており、そのフツ
ク２０ａと係合可能なフツク２１ａを有する突起
部２１が一体物で窓枠１４の長手方向にも突起部
２０とほぼ同範囲に渡る長さで設けられている。
上記の窓枠取付用ブラケツト１１、窓枠１４の突
起部２０，２１以外の部位及びその他部品、つま
りボデイ２、ネジ３，５、ウエザーストリツプ６
等の構造は従来のものと全く同じである。ここで
突起部２０と２１の少くとも一方はフツク部を係
合状態にさせるために上下方向にある程度しなる
構造のものであり、窓枠１４のフツク係合部から
窓枠１４のネジ５挿入用のバカ孔からなるネジ孔
までの距離Ｌと窓枠取付用ブラケツト１１に装着
された突起部のフツク係合部から窓枠取付用ブラ
ケツト１１のネジ孔までの距離Ｈとは略同一であ
る。

上記突起部を有する窓枠取付用ブラケツト１１
と窓枠１４とを用いて車両用窓を組立てる場合、
作業者は従来と同様に窓枠取付用ブラケツト１１
をボデイ２にネジ３で数箇所固着した後、ウエザ
ーストリツプ６を取付けた窓枠１４を車内側へ押
込むわけであるが、この際、窓枠取付用ブラケツ
ト１１と窓枠１４とは係合可能なフツク２０ａ，
２１ａを有する突起部２０，２１を有しているた
めに、作業者がウエザーストリツプ６から受ける
反力より勝る力で一瞬押せばフツク同志が係合状
態となり、以後窓枠１４を車内側へ押込まなくて
も良い。その上前述したように窓枠１４のフツク
係合部から窓枠１４のネジ挿入用ネジ孔までの距
離Ｌと窓枠取付用ブラケツト１１に装着された突
起部２０のフツク係合部から窓枠取付用ブラケツ
ト１１のネジ孔までの距離Ｈとが略同一になるよ
うに窓枠１４と窓枠取付用ブラケツト１１及び突
起部２０が製作されているために、フツクが係合
状態になると孔どうしがほぼぴつたり一致し、孔
合せをする必要がなく簡単にネジ５を締付けるこ
とができる。ここでＬ＝Ｈなる関係は非常に重要
である。

さらに、窓枠取付け用ブラケツト１１は第２図
に示す如く窓枠１４の強度的に一番弱い略中央部
にｄの幅を持つて配置されており、その幅ｄほぼ
全域に渡つて窓枠１４の突起部２１のフツク２１
ａが窓枠取付用ブラケツト１１に装着された突起
部２０のフツク２０ａと係合しているために、ｄ
の範囲内では窓枠１４の剛性がアツプされ、その
結果従来起つていたレールの蛇行が防止される。
ここで言う係合幅ｄは窓枠の長手方向の長さ、ネ
ジ３，５の個数及び位置による変数でレールの蛇
行が実際に起らないように決められる長さであ
る。

上記実施例において、窓枠取付用ブラケツト１
１とブラケツト１１に装着されたフツク２０ａを
有する突起部２０及び窓枠１４のフツク２１ａを
有する突起部２１の長手方向長さは全てほぼ等し
くなつているが実際にレールの蛇行が起きなけれ
ばそれらの長さ関係はどのようであつても良い。
また窓枠取付用ブラケツト１１とそれに装着され
た突起部２０とは一体物で形成されていても良
く、窓枠１４とその突起部２１とは強度的に問題
なければ一体物でなくて接着剤等で一体化しても
良い。さらには、窓枠取付用ブラケツト側の突起
部２０と窓枠１４の突起部２１の形状は上記実施
例に限られるものではなく種々の変形が可能であ
る。

（考案の効果） 以上のように本考案によればレールの蛇行が防
止されるので窓ガラスの開閉がスムーズになり、
かつ窓枠取付用ブラケツトのネジ孔と窓枠のネジ
孔との孔合せ作業が省略できるので大幅な工数低
減が可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の要部のみを示す概
略断面図、第２図は窓枠に対する突起部の係合幅
を示す概略図、第３図は従来技術の要部のみを示
す概略断面図、第４図はレールの蛇行状態を示す
図である。 １，１１……窓枠取付用ブラケツト、２……ボ
デイ、３，５……ネジ、４，１４……窓枠、２
０，２１……突起部、２０ａ，２１ａ……フツ
ク。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ボデイにネジ挿入用孔を通してネジ止めされる
   窓枠取付用ブラケツトと、前記窓枠取付用ブラケ
   ツトに一端がネジ挿入用孔を通してネジ止めさ
   れ、他端がウエザーストリツプを介して前記ボデ
   イに取付けられる窓枠とにおいて、前記窓枠取付
   用ブラケツトにその外側に突出したフツクを設
   け、一方前記フツクと係合可能な内側に突出した
   フツクを前記窓枠に設け、前記両フツクを互いに
   係合させたとき、その係合部から前記窓枠のネジ
   挿入用孔までの距離と、上記係合部から前記ブラ
   ケツトのネジ挿入用孔までの距離とを等しく定め
   たことを特徴とする車両用窓。