JPH0577741B2 - - Google Patents

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JPH0577741B2
JPH0577741B2 JP62183455A JP18345587A JPH0577741B2 JP H0577741 B2 JPH0577741 B2 JP H0577741B2 JP 62183455 A JP62183455 A JP 62183455A JP 18345587 A JP18345587 A JP 18345587A JP H0577741 B2 JPH0577741 B2 JP H0577741B2
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Japan
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temperature
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Makoto Kumakawa
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JFE Steel Corp
Dai Ichi High Frequency Co Ltd
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Dai Ichi High Frequency Co Ltd
Kawasaki Steel Corp
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【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕 本発明は脱スケール性の向上を目的としたテン
シヨンレベラーロールとして、耐摩耗性、耐食性
及び耐スポーリング性の大きいスケールブレーカ
ー用ロールに関するものである。 〔従来の技術〕 一般に、鋼材を高温で成形加工すると、加工時
に空気に接触して鋼材表面に鉄酸化物の硬い被膜
即ちスケールが生成する。このスケールは従来、
通常酸洗により科学的に除去されているが、最近
の鋼板、鋼帯の酸洗ラインでは、酸洗の軽減、高
能率化などの目的から、酸洗の前処理として、鋼
板、鋼帯に繰返し曲げ加工を施すことにより、ス
ケール層に多数の亀裂を生ぜしめるスケールブレ
ーキングが実施されるようになつてきた。 このスケールブレーカとしては、被処理材の形
状矯正をかねて、多数のロールにより構成される
レベラタイプのものが一般的である。 而して、スケールブレーカー用ロールは被処理
材の変形抵抗が高いため、耐摩耗性、耐酸化性及
び耐スポーリング性を有することが要求されてお
り、従来は1〜3%Cr鍛鋼ロール、5〜9Crの肉
盛ロールが使用されていた。 〔発明が解決しようとする課題〕 然し乍ら、スケールブレーカー用ロールは、繰
返し曲げ加工を施される鋼板の曲げ圧力による大
きな面圧と高硬度スケールのデスケーリングの水
冷のために、1〜3%Cr程度の鍛鋼ロールでは
熱処理硬さがHS90以上であるが、摩耗及び腐食
が早く、短期間で組替えられる。 また、5〜9%Cr肉盛ロールの場合は、肉盛
層の組織及び硬さが不均一となり、特にビード重
なり部分の偏摩耗が著しくなり、所謂ビードマー
クが生じて、製品の商品価値を低落せしめ、スポ
ーリングが発生し、短期間で組替えられるという
問題点がある。 〔課題を解決するための手段〕 本発明は上述のような従来技術の問題点を解決
し、優れた耐摩耗性、耐食性及び耐スポーリング
性を有するスケールブレーカー用ロールを提供す
ることを目的としてなされたもので、その構成
は、重量%で、C:1.2〜1.6%、Cr:11.0〜13.0
%、Mo:1.5〜3.0%、V:0.5〜1.5%、Co:1.5
〜3.0%、Si:0.6%以下、Mn:0.6%以下を含有
し、残部Fe及び不純物からなる鋼を、圧延又は
鍛造によりロール状に形成すると共に、熱処理後
の表面硬さをHS85〜90(Hv750〜820)、硬化深さ
を表面より5〜10mm深さの範囲でHS85(Hv750)
以上、それ以上の深さではHS85(Hv750)以下乃
至は母材の硬さに保持したことを特徴とするもの
である。 〔発明の作用〕 即ち、本発明スケールブレーカー用ロールは、
適量の合金成分を添加して合金炭化物形成したこ
とにより耐摩耗性、耐食性が良好となり、且つ適
正な熱処理を施して表面硬さをHS85〜90(Hv750
〜820)とし、硬化深さを表面から5〜10mm深さ
の範囲でHS85(Hv750)以上、それ以上の深さで
HS85(Hv750)以下乃至は母材の硬さに保持した
ことにより、ロール表面における耐衝撃性とロー
ル内部における靭性による衝撃緩和作用とが相俟
つてロール全体として耐スポーリング性が増大さ
れた。尚、残留オーステナイト量は15%以下が望
ましい。 而して、本発明において適用される鋼の成分組
成を限定する理由について説明すれば、次の通り
である。 CrはCr炭化物を形成して、マトリツクス中に
分散することにより、耐摩耗性、耐腐食性を向上
させ、且つCrの一部は固溶して焼入性を増加す
るのに寄与するものであるが、Crが11%より少
ないと耐食性が減少し、13%以上になると脆くな
つて靭性が低下し、耐スポーリング性が減少しや
すいので、Crは11〜13%の範囲内にする必要が
ある。 Cは金属炭化物を形成して、耐摩耗性を向上さ
せると共に焼入性の増加に寄与するものである
が、Crが11〜13%と高Cr材であるので、Cr炭化
物をつくるため、C量が通常のCr鋼より多くい
る。このため、1.2%以下では耐摩耗性が低く、
1.6%以上になると逆に焼入性が低下し、且つ靭
性も低下し、残留オーステナイト量が増加するた
め、Cは1.2〜1.6%の範囲内にする必要がある。 MoはMo炭化物を形成して焼入性を増し、耐
摩耗性を向上させ、また、加熱の際に結晶粒子の
成長を抑える力が大きいので靭性を付与し、耐ス
ポーリング性を向上させるものであるが、この
Moはその量が1.5%より少ないと、その硬化は少
なく、3%以上になつても耐スポーリング性はさ
ほど向上しない。Moは1.5〜3%の範囲内が良
い。 VはV炭化物を形成して極めて硬くなり、耐摩
耗性を向上させるばかりででなく、マトリツクス
中に固溶して結晶粒子を微細ならしめ、加熱時の
結晶の成長を阻止することができるが、その量は
0.5%より少ないと、その効果が少なく、耐摩耗
性を減少させ、また、その量が1.5%より多くな
ると、C量とV量の増加は靭性を低くし、且つV
炭化物が多くなつてマトリツクス中に固溶するC
の量が低くなり、焼入硬さが低くなつて耐摩耗性
が減少するので、Vは0.5〜1.5%の範囲内にする
必要がある。 更に、CのFeへの溶解度を高め、炭化物のマ
トリツクスに固溶する量を増大し、焼戻し硬さ、
高温硬さを増加させるためにCoを添加する。 Coは炭化物を作らずにマトリツクス中に固溶
しやすいので、溶融開始温度が上昇し、加熱時に
過熱組織を生じることが少ない。特に軟化開始温
度が上がるから、高温硬さが高くなり、高温にお
ける耐摩耗性を増すためにCoを含有させると好
結果が得られる。 Coの量が1.5%以下だと高温における耐摩耗性
の増加はなく、また、3.0%以上では炭化物偏析
を助長して脆くする。従つて、Coの量は1.5〜3.0
%の範囲が良い。 次に、熱処理後の表面硬さと硬化深さについて
説明する。 表面硬さがHS85以下では耐摩耗性が低く、
HS90以上では使用時に加工硬化しやすく、耐ス
ポーリング生が低下するので、表面硬さはHS85
〜90の範囲にすることが必要である。 また、硬化深さは、表面から5mm以下の場合は
耐スポーリング性が低下し、10mm以上の場合は熱
処理時の変形が生じやすく、加工が困難であり、
スケールブレーキング時の曲げ応力、衝撃に対し
て靭性が少ないので、硬化深さは5〜10mmの範囲
が必要である。勿論、その範囲の硬さは上記によ
りHS85以上が必要である。 本発明ロールにおいて、上記の熱処理後の表面
硬さと硬化深さは本発明者が開発した熱処理方法
により容易に調整することができる。 次に、上記の熱処理について説明をする。 本発明ロールに使用される鋼(高速度鋼)の一
般的な焼入れには、従来、ソルドバス焼入法や真
空炉焼入れ法が使用されているが、これらの従来
焼入法は、製品の中心部まで焼入(硬化)される
いわゆる(ズブ焼入れ」であるため、上記のよう
に表面側と内部の硬度が大幅に異なる本発明ロー
ルに上記の従来焼入れ法を適用することはできな
い。この点、高周波焼入れは必要部分のみの焼入
が可能であるので、本発明ロールの焼入れに適用
できると考えられるが、これまでは次の(a)〜(c)の
問題があつて工業的に利用されたことはなかつ
た。 (a) 適正温度と保持時間との設定、制御が困難で
あること。 高速度網に対するソルトバス焼入法、真空炉
焼入法は、これまでの経験から適正温度(1220
〜1250℃)とその制御技術が確立されている
が、本発明のスケールブレーカロールに適用す
る高周波焼入では、前記ロールの表面側の硬さ
とその深さを実現するための最適温度とその保
持時間をどの程度にするかは末知であり確立さ
れていない。 因に、高周波焼入では、ロール表面温度が短
時間で上昇し過加熱になり易く、ロールにバー
ニングが生じ易いという問題がある。 (b) 加熱による酸化スケールの発生で実施温度の
測定が困難であること。 一般に高周波焼入は、酸化雰囲気下で加熱を
施すため、ロール表面に酸化スケールが発生し
て付着し、該ロール表面の実施温度の正確な測
定が困難となるので、正確な温度制御を行い難
い。 (c) 焼入により製品に曲り、歪みが発生し、温度
バランスが崩れて溶解等が発生し易いこと。 本発明スケールブレーカロールを形成するに当
り、本発明者らは上記問題点(a)〜(c)に対して、次
のような対策を確立して臨み、本発明スケールブ
レーカロールの製造に成功したのである。 即ち、上記の問題点(a)に対しては、高周波加熱
における設定温度(加熱最高温度)は、ソルトバ
ス及び真空炉加熱(1220〜1250℃)と異なり特別
な温度の設定が必要なことが試験の結果判つたの
で、狭い範囲で温度制御ができるようにするた
め、温度測定結果をフイードバツクして制御でき
る高周波加熱装置の開発をすると共に、新たな加
熱誘導子の開発によつて任意の加熱パターンの設
定ができるようにして加熱条件(設定温度、移動
時間、高周波出力等)の制御を確立することによ
り解決した。 上記(b)の問題点は、酸化スケールの発生防止の
ために、加熱時に不活性ガスを使用する高周波焼
入れ法を開発して解決した。 上記(c)の問題点に対しては、(イ)素材の前処理
(留応力除去)条件の確立、(ロ)加熱中の曲がり防
止治具の開発、(ハ)加熱後の冷却方法の確立により
解消できた。 なお、残留オーステナイトが15%以上あると、
ロール使用中に加工硬化しやすく、耐スポーリン
グ性が低下する。 また、本発明ロールの表面に窒化処理を施せ
ば、耐食性、耐摩耗性は更に向上する。 〔実施例〕 次に本発明の実施例について説明する。 第1図は本発明スケールブレーカー用ロールを
用いて構成したレベラを示すもので、1はスケー
ルブレーキングされる圧延鋼板、2はワークロー
ル、3はバツクアツプロールで、ワークロール2
及びバツクアツプロール3を1組とし、これらの
組を鋼板1を挟んで互いに対向するように複数組
配設した4重式レベラであり、本発明ロールは上
記のワークロール2に用いるのである。 このロールは、主化学成分として、C:1.5、
Cr:11.5、Mo:2.0、V:0.7、Co:2.0%を含有
させた鋼を鍛造してロールに形成し、上述の手法
による適正な熱処理を施し、表面硬さ86〜88、硬
化深さ7mmとしたものであり、これを用いてスケ
ールブレーキングを行ない、2カ月使用した後、
摩耗量を測定したところ、外径で0.3mmに過ぎな
かつた。 これに対し、従来の2%Cr鍛鋼ロールは1週
間の使用で、外径が3.0mm腐食、摩耗した。 また、Cr5%肉盛ロールは2週間の使用で、所
謂ビードマークが生じると共に、スポーリングが
発生した。
〔発明の効果〕
本発明は上述の通りであるから、耐摩耗性、耐
食性及び耐スポーリング性の著しく優れたスケー
ルブレーキング用ロールとして好適である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明スケールブレーキング用ロール
を用いた4重式レベラを示す図、第2図は本発明
ロールの断面硬さ分布を示す図表である。 1……圧延鋼板、2……ワークロール、3……
バツクアツプロール。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 重量%で、C:1.2〜1.6%、Cr:11.0〜13.0
    %、Mo:1.5〜3.0%、V:0.5〜1.5%、Co:1.5
    〜3.0%、Si:0.6%以下、Mn:0.6%以下を含有
    し、残部Fe及び不純物からなる鋼を、圧延又は
    鍛造によりロール状に形成すると共に、熱処理後
    の表面硬さをHS85〜90(Hv750〜820)、硬化深さ
    を表面より5〜10mm深さの範囲でHS85(Hv750)
    以上、それ以上の深さではHS85(Hv750)以下乃
    至は母材の硬さに保持したことを特徴とするスケ
    ールブレーカー用ロール。
JP18345587A 1987-07-24 1987-07-24 Roll for scale breaker Granted JPS6428344A (en)

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