JPH0577545A - 画像形成媒体 - Google Patents

画像形成媒体

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JPH0577545A
JPH0577545A JP3239905A JP23990591A JPH0577545A JP H0577545 A JPH0577545 A JP H0577545A JP 3239905 A JP3239905 A JP 3239905A JP 23990591 A JP23990591 A JP 23990591A JP H0577545 A JPH0577545 A JP H0577545A
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acid
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image
forming medium
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JP3239905A
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English (en)
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Yuji Kondo
祐司 近藤
Tetsuro Fukui
哲朗 福井
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Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 光エネルギーを利用して解像度、諧調性に優
れた多色画像を形成しうる画像形成媒体を提供する。 【構成】 支持体1上に、少なくとも無職または淡色の
ロイコ染料、顕色剤、塩基性重合性化合物及び光重合開
始剤を含有する画像記録層2及び酸素バリヤー層3を順
次積層してなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光照射のみにより着色画
像を形成することのできる画像形成媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、感熱記録方式は、ノンインパクト
で記録時無騒音、装置の小型軽量化ができる、機器の保
守管理が簡単等の利点から、ファクシミリ、コンピュー
ター端末機、電卓用プリンター、自動券売機、医療用、
工業用計測機器等に広く使用されている。
【0003】これは、電気的情報を熱に変換して、その
熱エネルギーにより記録するものである、発色反応に
は、有機酸金属塩と還元剤の反応を用いたいわゆる金属
キレート型及び電子供与性物質(例えばロイコ染料等の
発色剤)と電子受容性物質(例えば、フェノール性化合
物のような固体酸等の顕色剤)との反応を用いた染料発
色型があるが、現在は後者が主流となっている。
【0004】通常この染料発色型の感熱記録体は、発色
剤、顕色剤等がサンドミル等により数μmの大きさに分
散され、高分子バインダーと共に支持体上に塗布されて
おり、熱エネルギーの印加により、顕色剤と発色剤とが
熱融解し拡散接触することにより発色する。
【0005】この感熱記録体の画像記録は、通常熱ペ
ン、サーマルヘッド等によりなされており、その画質
(解像度)は、少なくとも熱ペン、サーマルヘッド等の
素子の大きさにより制限され、それ以下の微小ドットを
形成することは難しい。
【0006】これに対して、光エネルギーを用いて画像
(潜像)記録を行なうものが検討されている。これは、
光硬化型マイクロカプセルに発色剤、顕色剤の少なくと
もどちらか一方を内包させ、光エネルギーによりマイク
ロカプセルを硬化させ、更に加熱加圧により、硬化して
いないマイクロカプセルを破裂させて発色剤と顕色剤と
が接触して発色し記録されるものである。更に、光エネ
ルギー量により、マイクロカプセルの硬化度が変化し、
マイクロカプセルの破裂の度合いが変わる為、発色濃度
に諧調性をもたせることも可能である。例えば、ミード
社のサイカラー(ミード社所有の登録商標)が、この方
式であり、雑誌「TRIggER ,1988年,8月号,p5
2〜53,日刊工業新聞社発行」に記載されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の感熱記録体は、高解像度化に難点がある。その他、
その製造において、基材にロイコ化合物と顕色剤をあら
かじめバインダーに混合しておき塗布する際、有機溶剤
を用いると発色するため、水溶系溶剤以外は使えないと
いう問題点があり、バインダーは、水溶性樹脂などに限
定されるため、性能や目的用途など応用分野への適用が
困難であった。
【0008】また、上記光硬化性のカプセルを用いた画
像記録方式は、確かに熱エネルギーのみによる発熱記録
方式にくらべ、光を使った記録であることから高精細に
なる可能性を有しているが、むしろ感圧方式の記録とし
てとらえることができ、マイクロカプセルを使うことの
欠点が種々ある。即ち、例えば、 (1)マイクロカプセルを破裂させる際、その加圧状態
により、マイクロカプセルから流出するロイコ染料量が
変動し、安定に良好な画像を得るのが困難である。 (2)マイクロカプセルが破裂し、流出したロイコ染料
量が広がり易く解像度の低下が生じる。 (3)マイクロカプセルを破裂させるのに高い圧力を必
要とする為に装置に大きな負荷がかかる。 (4)転写すべきでないマイクロカプセルが転写してし
まうことがある。 等を挙げることができる。
【0009】そこで、本発明の課題は、上述の種々の問
題点を解決することにあり、、特にマイクロカプセルを
使うことなく、光エネルギーを利用して解像度、諧調性
に優れ、色かぶりのない画像を形成し得る画像形成媒体
を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者たちは、上述し
た課題を解決すべく鋭意検討した結果、従来の感熱材
料、即ちロイコ染料と顕色剤に例えばN−ビニルピロリ
ドンのような塩基性を有する重合性化合物を添加するこ
とにより、有機溶剤に溶解しても発色せず、また記録層
形成後重合性化合物の未重合状態では、発色しないが、
重合状態において発色反応が生じ、更に重合度に応じ
て、発色濃度を制御し得るという事実を見出し、上記課
題を解決できるという知見に至り、本発明の画像形成媒
体を完成するに至った。
【0011】上記発色の機構については明らかではない
が、塩基性を有する重合性化合物の未重合状態におい
て、ロイコ染料と顕色剤との発色反応は、該重合性化合
物の塩基性により抑制されており発色しないが、重合状
態において、該重合性化合物は重合及び/又は架橋によ
り、ミクロ的運動ができなくなり、ロイコ染料と顕色剤
の発色反応を抑制できず、反応し発色すると推定してい
る。
【0012】そこで、上述課題を解決するための本発明
は、支持体上に、少なくとも無色又は淡色のロイコ染
料、該ロイコ染料を加熱時、発色させる顕色剤、塩基性
重合性化合物及び光重合開始剤を含有する画像記録層を
積層してなる画像形成媒体である。
【0013】以下、本発明の画像形成媒体の構成につい
て説明する。
【0014】図1は、本発明の画像形成媒体の層構造の
一例を示す模式的断面図である。
【0015】図中、1は支持体、2は画像記録層であ
る。該画像形成媒体は、必要によりバインダーと共に溶
剤に溶解した上記必須成分を支持体上に塗工乾燥して得
ることができる。また、バインダー自体が充分な強度を
有する場合には、支持体1を用いなくても良い。更に重
合性化合物の重合時に生じるラジカルが酸素によりクエ
ンチされるのを防ぐ為にポリビニルアルコール、ポリエ
チレンテレフタレートフィルム等の酸素バリヤー層3を
画像記録層上に設けることが好ましい。
【0016】以下、本発明の画像形成媒体を構成する材
料について説明する。
【0017】支持体としては、広範囲の材料から選択す
ることができる。例えば、アルミニウム、亜鉛、銅、ニ
ケッル、しんちゅう等の金属材料;ポリエチレンテレフ
タレート,ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート等のプラ
スチック材料;紙、樹脂コート紙、アルミニウムや銅等
の金属箔の張られた紙;ゴム、ガラス、更にそれらの複
合体等を用いることができる。
【0018】バインダーとしては、広範囲の樹脂から選
択することができるが、具体的には、例えばニトロセル
ロース、リン酸セルロース、硫酸セルロース、酢酸セル
ロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、ミ
リスチン酸セルロース、パルミチン酸セルロース、酢酸
・プロピオン酸セルロース、酢酸・酪酸セルロースなど
のセルロースエステル類;例えばメチルセルロース、エ
チルセルロース、プロピルセルロース、ブチルセルロー
スなどのセルロースエーテル類;例えばポリスチレン、
ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラー
ト、ポリビニルアセタール、ポリビニルアルコール、ポ
リビニルピロリドンなどのビニル樹脂類;例えばスチレ
ン−ブタジエンコポリマー、スチレン−アクリロニトリ
ルコポリマー、スチレン−ブタジエン−アクリロニトリ
ルコポリマー、塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマーなど
の共重合樹脂類;例えばポリメチルメタクリレート、ポ
リメチルアクリレート、ポリブチルアクリレート、ポリ
アクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリルアミド、
ポリアクリロニトリルなどのアクリル樹脂類;例えばポ
リエチレンテレフタレートなどのポリエステル類;例え
ば、ポリ(4,4−イソプロピリデン、ジフェニレン−
コ−1,4−シクロヘキシレンジメチレンカーボネー
ト)、ポリ(エチレンジオキシ−3,3’−フェニレン
チオカーボネート)、ポリ(4,4’−イソプロピリデ
ンジフェニレンカーボネート−コ−テレフタレート)、
ポリ(4,4’−イソプロピリデンジフェニレンカーボ
ネート)、ポリ(4,4’−sec −ブチリデンジフェニ
レンカーボネート)、ポリ(4,4’−イプロピリデン
ジフェニレンカーボネート−ブロック−オキシエチレ
ン)などのポリアリレート樹脂類;ポリアミド類;エポ
キシ樹脂類;フェノール樹脂類;例えばポリエチレン、
ポリプロピレン、塩素化ポリエチレンなどのポリオレフ
ィン類;およびゼラチンなどの天然高分子などを挙げる
ことができる。
【0019】以上、挙げたバインダーは、以下に示す重
合性化合物がバインド(層形成)機能を有する場合は特
に必要とされない。
【0020】画像記録層を構成するロイコ染料として
は、従来より感圧紙や感熱紙に対して用いられてきたも
のが、いずれも適用できる。
【0021】具体的には例えば、3,3−ビス(p−ジ
メチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリ
ド、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)フタ
リド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−
(1,2−ジメチルインドール−3−イル)フタリド、
3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−メチ
ルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス
(1,2−ジメチルインドール−3−イル)−5−ジメ
チルアミノフタリド、3,3−ビス(1,2−ジメチル
インドール−3−イル)−6−ジメチルアミノフタリ
ド、3,3−ビス(9−エチルカルバゾール−3−イ
ル)−6−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(2
−フェニルインドール−3−イル)−6−ジメチルアミ
ノフタリド、3−p−ジメチルアミノフェニル−3−
(1−メチルピロール−3−イル)−6−ジメチルアミ
ノフタリド等のトリアリールメタン系、4,4’−ビス
−ジメチルアミノベンズヒドリルベンジルエーテル、N
−ハロフェニル−ロイコオーラミン、N−2,4,5−
トリクロロフェニルロイコオーラミン等のジフェニルメ
タン系、ベンゾイルロイコメチレンブルー、p−ニトロ
ベンゾイルロイコメチレンブルー等のフェノチアジン
系、3−メチル−スピロ−ジナフトピラン、3−エチル
−スピロ−ジナフトピラン、3−フェニル−スピロ−ジ
ナフトピラン、3−ベンジル−スピロ−ジナフトピラ
ン、3−メチル−ナフト(6’−メトキシベンゾ)スピ
ロピラン、3−プロピル−スピロ−ジベンゾピラン等の
スピロピラン系、ローダミン−Bアニリノラクタム、ロ
ーダミン(p−ニトロアニリノ)ラクタム、ローダミン
(o−クロロアニリノ)ラクタム等のローダミンラクタ
ム系、3−ジメチルアミノ−7−メトキシフルオラン、
3−ジエチルアミノ−6−メトキシフルオラン、3−ジ
エチルアミノ−7−メトキシフルオラン、3−ジエチル
アミノ−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−
6−メチル−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミ
ノ−6,7−ジメチルフルオラン、3−(N−エチル−
p−トルイジノ)−7−メチルフルオラン、3−ジエチ
ルアミノ−7−N−アセチル−N−メチルアミノフルオ
ラン、3−ジエチルアミノ−7−N−メチルアミノフル
オラン、3−ジエチルアミノ−7−ジベンジルアミノフ
ルオラン、3−ジエチルアミノ−7−N−メチル−N−
ベンジルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−
N−クロロエチル−N−メチルアミノフルオラン、3−
ジエチルアミノ−7−N−ジエチルアミノフルオラン、
3−(N−エチル−p−トルイジノ)−6−メチル−7
−フェニルアミノフルオラン、3−(N−エチル−p−
トルイジノ)−6−メチル−7−(p−トルイジノ)フ
ルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−フェ
ニルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(2
−カルボメトキシ−フェニルアミノ)フルオラン、3−
(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)−6−メチ
ル−7−フェニルアミノフルオラン、3−ピロリジノ−
6−メチル−7−フェニルアミノフルオラン、3−ピペ
リジノ−6−メチル−7−フェニルアミノフルオラン、
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−キシリジノフル
オラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−クロロフェニ
ルアミノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−7−(o
−クロロフェニルアミノ)フルオラン、3−ピロリジノ
−6−メチル−7−p−ブチルフェニルアミノフルオラ
ン、3−ジエチルアミノ−7−(o−フルオロフェニル
アミノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−7−(o−
フルオロフェニルアミノ)フルオラン、3−(N−メチ
ル−N−n−アミル)アミノ−6−メチル−7−フェニ
ルアミノフルオラン、3−(N−エチル−N−n−アミ
ル)アミノ−6−メチル−7−フェニルアミノフルオラ
ン、3−(N−エチル−N−iso アミル)アミノ−6−
メチル−7−フェニルアミノフルオラン、3−(N−メ
チル−N−n−ヘキシル)アミノ−6−メチル−7−フ
ェニルアミノフルオラン、3−(N−エチル−N−n−
ヘキシル)アミノ−6−メチル−7−フェニルアミノフ
ルオラン、3−(N−エチル−N−β−エチルヘキシ
ル)アミノ−6−メチル−7−フェニルアミノフルオラ
ン等のフルオラン系が挙げられる。なお、これらのロイ
コ染料は必要に応じて二種類以上を使用することができ
る。
【0022】また、顕色剤としては、上記ロイコ染料と
接触して発色する無機又は有機の酸性物質が挙げられ
る。具体的には、例えば、4−tert−ブチルフェノー
ル、α−ナフトール、β−ナフトール、4−アセチルフ
ェノール、4−フェニルフェノール、ハイドロキノン、
4,4’−イソプロピリデンジフェノール(ビスフェノ
ールA)、2,2’−メチレンビス(4−クロルフェノ
ール)、4,4’−シクロヘキシリデンジフェノール、
1,3−ジ[2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プ
ロピル)−ベンゼン、4,4’−ジヒドロキシジフェニ
ルサルファイド、ビス−(3−アリル−4−ヒドロキシ
フェニル)−スルホン、4−ヒドロキシフェニル−4’
−iso −プロピルオキシフェニルスルホン、ヒドロキノ
ンモノベンジルエーテル、4−ヒドロキシベンゾフェノ
ン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,4,
4’−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4,
4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、4−ヒドロキ
シフタル酸ジメチル、4−ヒドロキシ安息香酸メチル、
4−ヒドロキシ安息香酸エチル、4−ヒドロキシ安息香
酸プロピル、4−ヒドロキシ安息香酸−sec −ブチル、
4−ヒドロキシ安息香酸ペンチル、4−ヒドロキシ安息
香酸フェニル、4−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、4−
ヒドロキシ安息香酸トリル、4−ヒドロキシ安息香酸ク
ロロフェニル、4−ヒドロキシ安息香酸フェニルプロピ
ル、4−ヒドロキシ安息香酸フェネチル、4−ヒドロキ
シ安息香酸−p−クロロベンジル、4−ヒドロキシ安息
香酸−p−メトキシベンジル、ノボラック型フェノール
樹脂、フェノール重合体等のフェノール性化合物、安息
香酸、p−tert−ブチル安息香酸、トリクロル安息香
酸、テレフタル酸、3−sec −ブチル−4−ヒドロキシ
安息香酸、3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ安息香
酸、3,5−ジメチル−4−ヒドロキシ安息香酸、サリ
チル酸、3−イソプロピルサリチル酸、3−tert−ブチ
ルサリチル酸、3−ベンジルサリチル酸、3−(α−メ
チルベンジル)サリチル酸、3−クロル−5−(α−メ
チルベンジル)サリチル酸、3,5−ジ−tert−ブチル
サリチル酸、3−フェニル−5−(α,α−ジメチルベ
ンジル)サリチル酸、3,5−ジ−α−メチルベンジル
サリチル酸等の芳香族カルボン酸、及びこれらフェノー
ル性化合物、芳香族カルボン酸と例えば亜鉛、マグネシ
ウム、アルミニウム、カルシウム、チタン、マンガン、
スズ、ニッケル等の多価金属との塩等の有機酸性物質等
が挙げられる。
【0023】なお、これらの顕色剤も勿論必要に応じて
二種以上を併用することができる。
【0024】本発明に用いられる塩基性を有する重合性
化合物とは、一分子中に反応性ビニル基を少なくとも1
個有し、かつ塩基性不対電子対を有する原子を少なくと
も1個有する化合物である。例えば、反応性ビニル基含
有単量体、反応性ビニル基含有オリゴマー及び反応性ビ
ニル基含有ポリマーであり、かつ、アミノ結合及び/又
はエーテル結合を分子内に有するものからなる群より選
択した1種以上を用いることができる。重合性化合物の
反応性ビニル基としては、例えばスチレン系ビニル基、
アクリル酸系ビニル基、メタクリル酸系ビニル基、アリ
ル系ビニル基、ビニルエーテルなどの他に酢酸ビニルな
どのエステル系ビニル基など重合反応性を有する置換も
しくは非置換のビニル基が挙げられる。
【0025】好ましい塩基性を有する重合性化合物の具
体例としては、例えば、メトキシスチレン、ジメチルア
ミノスチレン、アミノスチレン、シアノスチレン、ニト
ロスチレン、ビニルピリジン、N−ビニルピロリドン、
N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルイミダゾール、
2−ビニルイミダゾール、N−メチル−2−ビニルイミ
ダゾール、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエー
テル、イソブチルビニルエーテル、β−クロロエチルビ
ニルエーテル、フェニルビニルエーテル、p−メチルフ
ェニルビニルエーテル、p−クロロフェニルビニルエー
テル、メタクリル酸−t−ブチルアミノエチル、アクリ
ル酸−2−シアノエチル、アクリル酸−2−エトキシエ
チル、メタクリル酸−2−エトキシエチル、グリシジル
アクリレート、グリシジルメタクリレート、アクリル酸
−N,N−ジエチルアミノエチル、メタクリル酸−N,
N−ジエチルアミノエチル、アクリル酸−N,N−ジメ
チルアミノエチル、メタクリル酸−N,N−ジメチルア
ミノエチル、アクリル酸モルホニル、アクリル酸テトラ
ヒドロフルフリル、メタクリル酸テトラヒドロフルフリ
ル、カプロラクトン変性アクリル酸テトラヒドロフルフ
リルなどの一価の単量体;例えば、1,4−フェニレン
ビス(オキシエチルアクリレート)、1,4−ビス(ア
クリロイルオキシエトキシ)シクロヘキサン、1,4−
ビス(アクリロイルオキシメチルエトキシカルバモイ
ル)ベンゼン、イソシアヌル酸ビス(アクリロイルエチ
ル)ヒドロキシエチルなどの二価の単量体;例えば、シ
アヌル酸トリアクリレート、シアヌル酸トリメタクレー
ト、シアヌル酸トリ(エチルアクリレート)、シアヌル
酸トリ(エチルビニルエーテル)、イソシアヌル酸トリ
(アクリロイルエチル)、カプロラクトン変性イソシア
ヌル酸トリ(アクリロイルエチル)、イソシアヌル酸ト
リ(メタクリロイルエチル)などの三価の単量体など、
更には、オリゴマー又はポリマーの末端に反応性ビニル
基を残して塩基性を有する重合性化合物、あるいはオリ
ゴマー又はポリマーの側鎖に反応性ビニル基をつけた塩
基性を有する重合性化合物などを挙げることができる。
これらのなかでも特に好ましいものは、ビニルピリジ
ン、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタ
ム、N−ビニルイミダゾール、2−ビニルイミダゾー
ル、N−メチル−2−ビニルイミダゾールである。尚、
これらの重合性化合物を2種以上組み合わせて用いるこ
とも可能である。
【0026】上記の塩基性を有する重合性化合物に加え
て、塩基性を有しない重合性化合物も添加して用いるこ
ともできる。このような重合性化合物は一分子中に反応
性ビニル基を少なくとも1個持つ化合物が利用でき、例
えば、反応性ビニル基含有単量体、反応性ビニル基含有
オリゴマー及び反応性ビニル基含有ポリマーからなる群
より選択した1種以上を用いることができる。重合性化
合物の反応性ビニル基としては、例えばスチレン系ビニ
ル基、アクリル酸系ビニル基、メタクリル酸系ビニル
基、アリル系ビニル基、ビニルエーテルなどの他に酢酸
ビニルなどのエステル系ビニル基など重合反応性を有す
る置換もしくは非置換のビニル基が挙げられる。
【0027】好ましい重合性化合物の具体例は次のとお
りである。
【0028】例えば、スチレン、メチルスチレン、クロ
ルスチレン、ブロモスチレン、ヒドロキシスチレン、カ
ルボキシスチレン、アクリル酸、アクリル酸メチル、ア
クリル酸エチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル
アミド、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリ
ル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸フェ
ニル、メタクリル酸シクロヘキシルなどの一価の単量
体;例えばジビニルベンゼン、シュウ酸ジスチリル、マ
ロン酸ジスチリル、コハク酸ジスチリル、グルタル酸ジ
スチリル、アジピン酸ジスチリル、マレイン酸ジスチリ
ル、フマル酸ジスチリル、β,β−ジメチルグルタル酸
ジスチリル、2−ブロモグルタル酸ジスチリル、α,
α’−ジクロログルタル酸ジスチリル、テレフタル酸ジ
スチリル、シュウ酸ジ(エチルアクリレート)、シュウ
酸ジ(メチルエチルアクリレート)、マロン酸ジ(エチ
ルアクリレート)、マロン酸ジ(メチルエチルアクリレ
ート)、コハク酸ジ(エチルアクリレート)、グルタル
酸ジ(エチルアクリレート)、アジピン酸ジ(エチルア
クリレート)、マレイン酸ジ(ジエチルアクリレー
ト)、フマル酸ジ(エチルアクリレート)、β,β−ジ
メチルグルタル酸ジ(エチルアクリレート)、エチレン
ジアクリルアミド、プロピレンジアクリルアミド、1,
4−フェニレンジアクリルアミド、シュウ酸ジ(エチル
メタクリレート)、シュウ酸ジ(メチルエチルメタクリ
レート)、マロン酸ジ(エチルメタクリレート)、マロ
ン酸ジ(メチルエチルメタクリレート)、コハク酸ジ
(エチルメタクリレート)、コハク酸ジ(メチルエチル
メタクリレート)、グルタル酸ジ(エチルメタクリレー
ト)、アジピン酸ジ(エチルメタクリレート)、マレイ
ン酸ジ(エチルメタクリレート)、フマル酸ジ(エチル
メタクリレート)、フマル酸ジ(メチルエチルメタクリ
レート)、β,β’−ジメチルグルタル酸ジ(エチルメ
タクリレート)などの二価の単量体;例えばペンタエリ
スリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールト
リメタクリレート、ペンタエリスリトールトリ(ヒドロ
キシスチレン)、1,1,1−トリメチロールプロパン
トリアクリレート、1,1,1−トリメチロールプロパ
ントリメタクリレート、1,1,1−トリメチロールプ
ロパントリ(エチルアクリレート)、1,1,1−トリ
メチロールプロパンと3倍モルのトルエンジイソシアネ
ートとの反応物とヒドロキシエチルアクリレートとの縮
合物、1,1,1−トリメチロールプロパンと3倍モル
のヘキサンジイソシアネートとの反応物とp−ヒドロキ
シスチレンとの縮合物などの三価の単量体;例えばエチ
レンテトラアクリルアミド、プロピレンテトラアクリル
アミド、ペンタエリスリトールテトラアクリレートなど
の四価の単量体;ジペンタエリスリトールモノヒドロキ
シペンタアクリレートなどの五価の単量体;ジペンタエ
リスリトールヘキサアクリレートなどの六価の単量体な
ど、更にはオリゴマー又はポリマーの末端に反応性ビニ
ル基を残した重合性化合物、あるいはオリゴマー又はポ
リマーの側鎖に反応性ビニル基をつけた重合性化合物な
どを挙げることができる。なお、これらの重合性化合物
を2種以上組み合わせて用いることも可能である。
【0029】本発明に用いられる光重合開始剤として
は、例えばカルボニル化合物、イオウ化合物、ハロゲン
化合物、レドックス系光重合開始剤等が挙げられる。
【0030】具体的にはカルボニル化合物としては、例
えばベンジル、4,4−ジメトキシベンジル、ジアセチ
ル、カンファーキノンなどのジケトン類;例えば4,
4’−ジエチルアミノベンゾフェノン、4,4’−ジメ
トキシベンゾフェノンなどのベンゾフェノン類;例えば
アセトフェノン、4−メトキシアセトフェノンなどのア
セトフェノン類;例えばベンゾインアルキルエーテル
類;例えば2−ジクロロチオキサントン、2−5−ジエ
チルチオキサントン、チオキサントン−3−カルボン酸
−β−メトキシエチルエステルなどのチオキサントン
類;ジアルキルアミノ基を有するカルコン類およびスチ
リルケトン類;3,3’−カルボニルビス(7−メトキ
シクマリン)、3,3’−カルボニルビス(7−ジエチ
ルアミノクマリン)などのクマリン類などが挙げられ
る。
【0031】イオウ化合物としてはジベンゾチアゾリル
スルフィド、デシルフェニルスルフィドなどのジスルフ
ィド類などが挙げられる。
【0032】ハロゲン化合物としては、例えば四臭化炭
素、キノリンスルホニルクロライド、トリハロメチル基
を有するS−トリアジン類などが挙げられる。
【0033】レドックス系の光重合開始剤としては、三
価の鉄イオン化合物(例えばクエン酸第2鉄アンモニウ
ム)と過酸化物などを組み合わせて用いるものや、リボ
フラビン、メチレンブルーなどの光還元性物質とトリエ
タノールアミン、アスコルビンなどの還元剤を組み合わ
せて用いるものなどが挙げられる。
【0034】また以上に述べた光重合開始剤において、
2種以上を組み合わせてより効率の良い光重合反応を得
ることもできる。
【0035】この様な重合開始剤の組み合わせとして
は、ジアルキルアミノ基を有するカルコンおよびスチリ
ルスチリルケトン類、クマリン類とトリハロメチル基を
有するS−トリアジン類、カンファーキノンとの組み合
わせなどが挙げられる。又、この他にカチオン染料のボ
レート塩が挙げられる。この場合、カチオン染料として
は光退色し易いトリアリールメタン系染料、シアニン染
料、メロシアニン染料、フェノチアジン染料が好まし
い。
【0036】上記光重合開始剤において、塩基性の不対
電子対を有する原子を少なくとも1個、1分子中に有す
るもの、即ちアミノ結合、エーテル結合を有する光重合
開始剤を用いるのが本発明においては好ましいが、重合
性化合物100重量部に対して、0.1重量部〜40重
量部、更に0.3重量部〜25重量部程度の量が好まし
く使われる量であり、重合性化合物にくらべると少量で
あり、本発明の未発色/発色の機構に寄与する程度は低
く、特に塩基性を有する光重合開始剤を用いる必要はな
く、換言すれば、塩基性を有しない光重合開始剤も十分
用いることができる。
【0037】更に、光重合効率を向上させる為に、光重
合開始助剤を上記光重合開始剤と共に用いることができ
る。具体的には、例えば、トリエタノールアミン、アセ
チルエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、ト
リイソプロパノールアミン、n−ブチルアミン、N−メ
チルジエタノールアミン、ジエチルアミノエチルメタク
リレートなどの樹脂族アミン;ミヒラーケトン、4,
4’−ジエチルアミノフェノン、4−ジメチルアミノ安
息香酸、4−ジメチルアミノ安息香酸(n−ブトキシ)
エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルなどの
芳香族アミンなどを挙げることができる。これらの光重
合開始助剤は、通常アミン系の化合物が使用され、塩基
性を有しているので、本発明の本発色/発色の機構に対
しては好ましいが、光重合開始剤と同程度の少量しか使
用されない為、光重合開始剤同様、本発色/発色の機構
への寄与の程度は低い。
【0038】また、本発明の画像形成媒体における前述
の各成分の好ましい配合比は次の通りである。
【0039】ロイコ染料の量は、記録層の10重量%〜
90重量%、更には20重量%〜70重量%が好まし
い。
【0040】顕色剤の量は記録層の10重量%〜90重
量%、更には20重量%〜70重量%が好ましい。ここ
で顕色剤の量はロイコ染料の量と同程度にする必要はな
く、ロイコ染料と顕色剤の比率は、その種類によっても
異なり、特に限定するものではないが、一般にはロイコ
染料1モルに対して顕色剤は1モル〜20モル、好まし
くは2モル〜10モルが使用される。
【0041】重合性化合物の量は、記録層の10重量%
〜80重量%、更には20重量%〜60重量%が好まし
い。ここでの重合性化合物とは、塩基性を有するものと
有しないものの合計量であり、重合性化合物中に占める
塩基性を有する重合性化合物の割合は、特に限定はない
が、ロイコ染料より過剰量になっていることが好まし
く、ロイコ染料1モルに対して1モル〜1000モル、
好ましくは2モル〜700モル、更に5モル〜500モ
ルが望ましく、また、顕色剤より過剰量になることが良
い。
【0042】この他にも必要に応じて光変色防止剤、固
体溶媒、熱重合禁止剤、界面活性剤、帯電防止剤、ワッ
クス類、増感剤、紫外線吸収剤などを本発明の画像形成
媒体に添加することもできる。
【0043】ところで、記録層の層厚は、解像度、発色
濃度、かぶり等を考慮すると、0.1μm〜2mm、好
ましくは0.5μm〜0.5mm、更に好ましくは1μ
m〜0.1mm程度が適している。
【0044】また、本発明の画像形成媒体の形状として
は、平板状、円筒状、ロール状など特に限定されるもの
ではない。
【0045】次に本発明の画像形成媒体を用いた画像形
成方法について説明する。画像形成は、本発明の画像形
成媒体に、媒体の含有しうる光重合開始剤の吸収する波
長領域を含む光を照射することにより達成できる。以下
にその方法について図面を用いて詳細に説明する。
【0046】まず、図1に示すような支持体1上に少な
くとも必須成分であるロイコ染料、顕色剤、塩基性を有
する重合性化合物及び光重合開始剤を含有する記録層
2、更に酸素バリヤー層3が順に積層された画像形成媒
体を用意する。
【0047】次いで、図2に示すように適当なマスク4
を介して記録層の含有する光重合開始剤の吸収波長領域
を含む光により露光して、記録層の含有する塩基性を有
する重合性化合物を重合させ、マスク4の画像パターン
に応じて、重合部aと未重合部bを形成する。ここでの
重合は架橋の場合も含んでいる。また、露光は、透明支
持体を用いた場合、マスク4を介して支持体側から行な
うこともできる。
【0048】上記の露光前の画像形成媒体の記録層及び
未重合部b(両者とも未重合という点で同一状態であ
る)は、塩基性重合性化合物が、ロイコ染料と顕色剤と
の反応を妨げ、未発色(又は消色)状態であるが、重合
部aにおいては、発色反応が生じ着色する。この機構に
ついては、前記のように明らかではないが、塩基性を有
する重合性化合物が重合及び/又は架橋により、その動
きがトラップされる。もしくは未重合状態においてロイ
コ染料、顕色剤近傍に存在した塩基性を有する重合性化
合物が重合及び/又は架橋により、それらの近傍より離
れ、即ち近傍での存在量が減少することによりロイコ染
料と顕色剤の発色反応が進み、着色すると推定してい
る。
【0049】従来、ロイコ染料は光ラジカル発生剤によ
る酸化反応で発色することがよく知られており、ここで
の画像形成においても光重合開始剤から生成するラジカ
ルや重合性化合物が重合生長していく際のラジカルが発
色に寄与していることも十分考えられる。しかしなが
ら、このようなラジカル発色において、発色濃度を高く
するには、多量の光重合開始剤を画像形成媒体中に含有
させる必要があり、その場合、光重合開始剤自身により
画像形成媒体が着色してしまうことがしばしば起こり、
光重合開始剤、光源、露光装置等の選択範囲が限られて
しまう。
【0050】上記問題を解消するには、光重合開始剤を
多量に使用しないことが好ましく、本発明のように主と
してビスフェノールAのようなロイコ染料と顕色剤の反
応により発色させ色濃度を高めていくのが良い。この反
応において、アミン系化合物等の塩基性物質が反応を阻
害し、消色させることは、従来からよく知られている。
本発明の塩基性を有する重合性化合物の代わりに単なる
塩基性物質を用いる場合(勿論、光重合開始剤は画像形
成媒体が着色しない程度の量又はそれ以下を使用す
る)、光照射を行なうと上記のようにラジカルが発生
し、わずかに着色する可能性はあるが、それ以上に色濃
度は増加しない。あるいは、一時的に高濃度で着色する
が経時的に消色する。それは、塩基性物質による消色作
用の為である。ところが、本発明のように塩基性を有す
る重合性化合物を用いると、上記説明したような推定さ
れる理由により、顕色剤とロイコ染料の発色反応に作用
する重合性化合物の塩基性は、重合に従い弱まり、その
結果発色する。
【0051】即ち、本発明において、本発色/発色の変
化は系中に多く存在する塩基性を有する重合性化合物の
未重合/重合による動き易さの変化が効果的に働いた結
果であると思われる。
【0052】即ち、本発明においては、画像形成媒体中
に重合性と塩基性の両方を合わせ持つ化合物を用いるこ
とが最大の特徴である。本発明の画像形成媒体は重合に
より、塩基性を制御することにより、画像を形成すると
言える。
【0053】ところで、露光の過程において、上記のよ
うなマスク露光以外のアナログ露光、デジタル露光を行
なっても良い。また、露光と加熱を同時に行ない、重合
速度を速めることもできる。ただし、加熱を行なう場合
には、媒体が含有するロイコ染料及び顕色剤の拡散温度
よりも低い温度で加熱することが好ましい。
【0054】なお、この過程において、露光を行なう場
合には、その光源として、例えば太陽光、タングステン
ランプ、水銀灯、ハロゲンランプ、キセノンランプ、蛍
光灯などを挙げることができる。また、ネガマスクを用
いないで露光をパターン状に行なうことができるダイレ
クト露光光源としては、例えば液晶シャッターアレイ、
CRT、オプティカルファイバーチューブ、LED、レ
ーザー光源等を挙げることができる。露光光源にレーザ
ーを用いる場合、非線形光学素子(SHG素子)を用い
てレーザー光を短波長化することは非常に有効である。
【0055】またマスクは、透過部と非透過部のみから
なるマスクに限られるものではなく、写真ネガフィルム
等のような半透過部をも有する諧調マスクを用いても良
く、そのようなマスクを用いてアナログ露光を行なえ
ば、そのマスクパターンに応じた諧調的重合が行なわ
れ、デジタル露光によっても、露光量強度を変える、露
光回数を変える等の手段により、諧調的重合が行なわれ
るが、こおような諧調的重合を行なった場合は、その重
合度及び/又は架橋度に応じて、着色濃度の異なる、諧
調性を有する画像が得られる。
【0056】この理由についても明らかではあるが、塩
基性を有する重合性化合物が諧調的重合及び/又は架橋
に応じ、ロイコ染料と顕色剤の発色反応に作用する塩基
性が、前記に推定した発色の機構と同様の状態が生じる
ことにより、制御され、諧調性を有する画像が得られる
ものと考えている。
【0057】以上説明してきたように露光のみにより色
画像を形成することができるが、更に、露光後加熱を行
なうことにより、色濃度を高めることができる。ここで
の加熱手段としては、特に限定はないが、ホットプレー
ト、ヒートロール、サーマルヘッド、更には、支持体に
発熱素子を設け、それに通電して加熱する方法、高周波
誘電加熱、赤外線光源またはレーザ光照射による加熱方
法などが利用できる。また、ここでの加熱手段は、前記
の露光時の加熱手段としても使える。
【0058】また、加熱温度は、ロイコ染料、顕色剤の
種類、重合性化合物のTg温度、加熱時間等種々の条件
に応じて異なるが、60〜220℃、好ましくは90〜
150℃である。
【0059】上記説明してきた過程により、色画像は形
成されるが、この画像の着色していない部分、即ち未重
合部は、経時的に塩基性を有する重合性化合物が重合
し、着色する場合がある為、未重合部を除去することが
好ましい。未重合部を除去する方法としては、例えば重
合部は溶解せず、未重合部のみが溶解する適当な溶剤、
例えばエタノール等のアルコール系溶剤を用いて未重合
部を溶解除去する方法、あるいは、特開昭55−502
46号、特開昭57−58141号、特公昭54−56
84号、特公昭38−9663号、特公昭53−192
05号記載の方法、即ち重合部と未重合部において生じ
る粘着性の差を利用して、未重合部を本発明において
は、支持体あるいは酸素バリヤー層とともに重合部から
剥離除去するいわゆるピールアパート処理方法等を挙げ
ることができる。
【0060】また、本発明は単色の色画像のみならず、
多色画像の形成においても使用することができる。以
下、多色画像形成の方法を幾つか示すが、これに限られ
るものではない。
【0061】例えば、図1に示される画像形成媒体にお
いて、赤色光を吸収する光重合開示剤とシアンに発色す
るロイコ染料とを含有させる。同様に、緑色光を吸収す
る光重合開示剤とマゼンタに発色するロイコ染料との組
み合わせ、及び青色光を吸収する光重合開示剤とイエロ
ーに発色するロイコ染料との組み合わせを有する画像形
成媒体を用意する。これらを前記手順で発色させた後重
ね合わせ多色画像を得る。あるいは、各色を呈し得る記
録層を同一支持体上に予め積層し(この場合、酸素バリ
ヤー層は最上層のみで良い)、露光により各層独立した
重合部を形成させ多色画像を得る。
【0062】あるいは更に、各色を呈し得る記録層成分
を各々マイクロカプセル化し、支持体上にランダムに分
散させ、それに対して前記画像形成方法により発色させ
多色画像を形成することもできる。
【0063】上記説明してきた本発明の画像形成媒体
は、従来の感熱記録体のように分散液を塗工乾燥して得
られるものとは異なり、ロイコ染料及び顕色剤を溶媒に
溶解させ均一溶液として塗工乾燥し得られるので、透明
性に優れるため光による画像記録に適している。
【0064】また、従来の例えばサーマルヘッドを用い
た感熱記録方式にくらべ、光のみによる画像記録方式
は、高解像度、高精細画像を得ることができる。しかも
本発明の画像形成媒体は、塩基性を有する重合性化合物
の重合度及び/又は架橋度により、ロイコ染料と顕色剤
との発色反応量を調整できるので、諧調性を有する画像
を形成することも可能な極めて優れた画像形成媒体であ
る。
【0065】
【実施例】以下に本発明を実施例により更に具体的に説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
また以下の記載において、「部」は重量部を表わす。 実施例1 上記組成からなる液を調整し、その液を50μm厚のポ
リエチレンテレフタレートフィルム(商品名ルミラー
T,東レ(株)製)上に乾燥膜厚5〜6μmになるよう
にアプリケータを用いて塗工し、記録層を得た。次い
で、記録層上に6μmのポリエチレンテレフタレートフ
ィルム(商品名ルミラーT,東レ(株)製)をラミネー
ト(ニップ圧5kgf /cm2 ,ロール温度30℃)して、
本発明の画像形成媒体を得た。
【0066】この画像形成媒体に対して、マスクを会し
て380nmに蛍光ピークを有する蛍光灯を用い、約3
cmの距離から20秒間露光を行なったところ、マスクに
対応した青色画像が得られその光学濃度は0.88であ
った。
【0067】また、マスクとして10本/mmまでの解像
度チャートを用いたところ、青色画像は10本/mmの解
像度を示した。 実施例2 実施例1の画像形成媒体に対する露光過程で、露光と同
時にホットプレートを用いて93℃に加熱したところ、
青色画像の光学濃度は1.15であった。 実施例3 上記組成からなる液を調整し、実施例1と同様に画像形
成媒体を作製し、次いで画像を形成したところ、光学濃
度0.9の黒色画像が得られた。
【0068】また更に、光学濃度0.9の黒色画像を1
00℃のヒートロール(ニップ圧5kgf /cm2 )に通し
たところ、光学濃度は1.09になった。 実施例4 上記組成からなる液を調整し、実施例1と同様に画像形
成媒体を作製し、次いで画像を形成したところ、光学濃
度0.95の緑色画像が得られた。更に、該画像形成媒
体をエタノール中に浸漬して、酸素バリヤー層を剥離し
緑色に着色していない未重合部を洗い流した。 実施例5 上記組成からなる液を調整し、その液を6μm厚のポリ
エチレンテレフタレートフィルム(商品名ルミラーT,
東レ(株)製)上に実施例1と同様に塗工乾燥した。次
いで、別個に用意したポリビニルアルコール(商品名ゴ
ーセノールNH−18,日本合成化学工業(株)製)が
10μm厚に塗工された合成紙(商品名ユポFPG#1
10,王子油化合成紙(株)製)に対して、記録層とポ
リビニルアルコール層が対接するようにして、45℃に
加熱したヒートロール(ニップ圧5kgf /cm2 )を用い
てラミネートして、本発明の画像形成媒体を得た。
【0069】次いで、マスクを介して、超高圧水銀灯
(500W,ミカサ(株)製)を用いて、約5cmの距離
から10秒間露光を行なったところ、マスクに対応した
青色画像が得られた。
【0070】更に、合成紙/ポリビニルアルコール層か
ら記録層/ポリエチレンテレフタレートフィルムをピー
ルアパートしたところ、記録層の青色に着色していない
未重合部分は、ポリビニルアルコール層に接着したまま
で剥離され、ポリエチレンテレフタレート支持体上には
記録層の青色に着色した重合部が残留し、未重合部の除
去された青色画像が得た。
【0071】ここで、青色画像の光学濃度は0.95で
あり、また、800dpiの解像度を有する画像を得る
ことができた。
【0072】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の画像形成
媒体は、光により記録を行なうため、解像度に優れ、ま
た塩基性を有する重合性化合物の重合度及び/又は架橋
度により感熱材料の発色反応量を調整できるため、諧調
性に優れた色画像を形成することができるという効果を
有する。
【0073】また、記録層は単一層で形成されるので製
造上の簡便さも有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成媒体の層構造の一例を示す模
式的断面図である。
【図2】本発明の画像形成媒体を用いた画像形成方法の
一例を示す模式的説明図である。
【符号の説明】
1 支持体 2 画像記録層 3 酸素バリヤー層 4 マスク a 重合部(着色部) b 未重合部(未着色部)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03F 7/028 9019−2H

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に、少なくとも無色又は淡色の
    ロイコ染料、該ロイコ染料を加熱時、発色させる顕色
    剤、塩基性重合性化合物及び光重合開始剤を含有する画
    像記録層を積層してなる画像形成媒体。
JP3239905A 1991-09-19 1991-09-19 画像形成媒体 Pending JPH0577545A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001029837A1 (en) * 1999-10-15 2001-04-26 Trid Store Ip, Llc Medium for fluorescent read-only multilayer optical information carrier and its manufacturing method
JP2011203232A (ja) * 2010-03-03 2011-10-13 Jsr Corp マイクロアレイ用基板の製造方法、感放射線性組成物、マイクロアレイ用基板の隔壁、バイオチップの製造方法及びバイオチップ

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