JP2003057817A - 光重合性組成物及びそれを用いた記録材料 - Google Patents

光重合性組成物及びそれを用いた記録材料

Info

Publication number
JP2003057817A
JP2003057817A JP2001246705A JP2001246705A JP2003057817A JP 2003057817 A JP2003057817 A JP 2003057817A JP 2001246705 A JP2001246705 A JP 2001246705A JP 2001246705 A JP2001246705 A JP 2001246705A JP 2003057817 A JP2003057817 A JP 2003057817A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
compound
color
general formula
acid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001246705A
Other languages
English (en)
Inventor
Takekatsu Sugiyama
武勝 杉山
Hirotaka Matsumoto
浩隆 松本
Tadahisa Sato
忠久 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP2001246705A priority Critical patent/JP2003057817A/ja
Publication of JP2003057817A publication Critical patent/JP2003057817A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 可視〜赤外光に対して高感度の光重合性組成
物、該光重合性組成物を含み、高感度で鮮明な高コント
ラスト画像を形成し得る記録材料を提供する。 【解決手段】 重合可能な化合物と、下記一般式(I)
又は一般式(II)で表される化合物の少なくとも1種
と、を含有することを特徴とする光重合性組成物。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インキ、ホログラ
ム、プルーフ、封止剤、接着剤、平板印刷、樹脂凸版、
フォトレジスト等の広い分野で使用できる光重合性組成
物及び記録材料に関し、詳しくは、紫外光のみならず可
視光〜赤外光に対しても感応しうる光重合性組成物、及
びドライ処理系で画像を形成しうる記録材料に関する。
【0002】
【従来の技術】光重合性組成物は、基本的に光重合開始
剤と分子中にエチレン性不飽和結合を2個以上有する付
加重合可能な化合物(以下、「多官能モノマー」と称す
る。)からなり、光を照射すると硬化し、粘着性が低下
し溶媒に不溶化する。これらの性質を利用して、写真、
印刷、金属表面加工、インキ等に広く利用されている。
光重合性組成物の機能や応用例は多くの成書に記載され
ている。例えば、J.Kosar著「Light Se
nsitive Systems」(J.Wiley
& Sons,New York,1965年,158
〜193頁)や、K.I.Jacobson & R.
E.Jacobson著「ImagingSystem
s」(J.Wiley & Sons,New Yor
k,1976年,181〜222頁)等に詳しい。
【0003】また、近年、光重合性組成物を利用した画
像形成法として、光重合性組成物をマイクロカプセルに
内包した感光性マイクロカプセル利用の画像形成システ
ムが提案されている。例えば、特開昭57−12434
3号、特開昭57−179836号、特開昭57−19
7538号の各公報には、ビニル化合物及び光重合開始
剤よりなる光重合性組成物と色素を含むマイクロカプセ
ルを塗設した発色シートを、露光後受像シートと重ねて
全体に圧力を加えることによる色素画像の形成方法が開
示されている。
【0004】更に、特開平3−87827号公報及び特
開平4−211252号公報には、2成分を含有する感
光感熱発色記録材料が記載され、2成分のうち一方をマ
イクロカプセルに内包し、他方を光硬化性組成物の硬化
性化合物とするか、或いは他方を光硬化性組成物ととも
にマイクロカプセル外に含有させる記録材料が開示され
ている。また、後者の記録材料では、電子供与性の無色
染料を内包するマイクロカプセルと、該マイクロカプセ
ルの外部に電子受容性化合物、重合性ビニルモノマー及
び光重合開始剤を含有する光硬化性組成物とを含有する
記録層を設けた感光感熱記録材料が例示されている。
【0005】上記のように、光重合性組成物を利用した
記録材料は、現像液等を用いる必要がなく完全なドライ
方式で画像記録が可能であり、廃棄物の発生がない点
で、環境上非常に好ましいものである。ところで、感光
性記録材料を画像記録する場合に、UV光、短波可視光
のみならず、安価な赤外レーザーや緑色〜赤色光を利用
できれば有利である。しかしながら、光重合性組成物を
利用した記録材料では、紫外光には感光するが、可視光
〜赤外光には感光しない、或いは感光してもその感度が
十分でないものが多く、その結果、形成画像が不鮮明と
なったり、画像部と非画像部のコントラストが低下する
場合があり、更なる高感度化が望まれている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来に
おける諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課
題とする。即ち、本発明は、紫外光のみならず可視光〜
赤外光に対しても高感度に感応しうる光重合性組成物を
提供することを目的とする。また、本発明は、現像液等
の使用が不要で、従って廃棄物が発生しない完全にドラ
イな処理系において、紫外光のみならず可視光〜赤外光
を用いた高感度な画像記録が可能で、且つ鮮明で高コン
トラストな白黒乃至カラーの画像を形成し得る記録材料
を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記の課題を解決するた
めの本発明の手段は、以下の通りである。 <1> 重合可能な化合物と、下記一般式(I)又は一
般式(II)で表される化合物の少なくとも1種と、を含
有することを特徴とする光重合性組成物。
【化3】 〔一般式(I)及び一般式(II)中、R1〜R12は夫々
独立に水素原子、置換基を有してもよい飽和又は不飽和
のアルキル基、アラルキル基、アリール基、飽和又は不
飽和のアルキルオキシ基、アラルキルオキシ基、アリー
ルオキシ基、飽和又は不飽和のアルキルチオ基、アラル
キルチオ基、アリールチオ基、アミノ基、ジアルキルア
ミノ基、ジアリールアミノ基、ハロゲン原子を表す。R
1〜R12は更に不飽和の含窒素複素環基を表し、環内窒
素原子がベンゼン環と結合する。またR1〜R12の基
は、各々隣接する基と共に飽和乃至不飽和の環を形成し
てもよい。X、Y、Zは夫々独立に酸素原子、硫黄原子
又は一置換窒素原子を表す。P及びL1〜L3は、置換基
を有してもよい芳香環又は複素芳香環からなる2価の連
結基を表す。Qは1,3,5−ベンゼントリイル基又は
窒素原子を表す。nは1以上の整数を表す。a、b、c
は0及び1以上の整数を表すが、Qが窒素原子のとき
は、1以上の整数を表す。〕
【0008】<2> 重合可能な化合物と、一般式
(I)又は一般式(II)で表される化合物の少なくとも
1種と、一般式(I)又は一般式(II)で表される化合
物の少なくとも1種と相互作用してラジカル又はカチオ
ンを発生し得る化合物と、を含有することを特徴とする
上記<1>に記載の光重合性組成物。 <3> 前記ラジカル又はカチオンを発生し得る化合物
が、有機ホウ素化合物、ヨードニウム塩、スルホニウム
塩、鉄アレン錯体、S−トリアジン誘導体、有機過酸化
物、チタノセン、トリアリールイミダゾール二量体及び
アジニウム塩より選択される少なくとも一種である上記
<2>に記載の光重合性組成物。 <4> 前記ラジカル又はカチオンを発生し得る化合物
が、トリアリールイミダゾール二量体及び/又は有機ホ
ウ素化合物である上記<2>に記載の光重合性組成物。
【0009】<5> 前記重合可能な化合物がエチレン
性不飽和結合を有する重合可能な化合物であり、前記ラ
ジカル又はカチオンを発生し得る化合物が、トリアリー
ルイミダゾール二量体及び/又は有機ホウ素化合物であ
る上記<2>に記載の光重合性組成物。 <6> 前記有機ホウ素化合物が、下記一般式(A)で
表される化合物である上記<3>から<5>のいずれか1項
に記載の光重合性組成物。
【化4】 〔一般式(A)中、Ra1〜Ra4は、夫々独立に脂肪族
基、芳香族基、複素環基、又は−Si(Ra5)(Ra6)−R
a7を表し、Ra5〜Ra7は、夫々独立に脂肪族基、芳香族
基を表す。G+は、陽イオンを形成し得る基を表す。〕 <7> 支持体上に、少なくとも、発色成分Aと、該発
色成分Aと反応して発色させる部位を有する発色成分B
と、上記<1>から<6>のいずれか1項に記載の光重合性
組成物と、を含有する記録層が設けられたことを特徴と
する記録材料。
【0010】<8> 重合可能な化合物の少なくとも一
つが、前記発色成分Bである上記<7>に記載の記録材
料。 <9> 重合可能な化合物の少なくとも一つが、同一分
子内に前記発色成分Aと発色成分Bとの反応を抑制する
部位を有する発色抑制化合物である上記<7>に記載の記
録材料。 <10> 前記発色成分Aが、マイクロカプセルに内包
されている上記<7>から<9>のいずれか1項に記載の記
録材料。 <11> 中心波長λ1の光に感光する第1の記録層、
中心波長λ2の光に感光し第1の記録層と異なる色に発
色する第2の記録層、………、中心波長λiの光に感光
し第1、第2、・・・、及び第i−1の記録層と異なる
色に発色する第iの記録層の順に積層された多層記録層
構造を有する上記<7>から<10>のいずれか1項に記載
の記録材料。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の光重合性組成物において
は、重合可能な化合物と、分光増感色素として、以下に
示す一般式(I)又は一般式(II)で表される化合物の
少なくとも1種と、を含有することを特徴とする。ま
た、本発明の記録材料においては、支持体上に設けられ
た記録層が、発色成分等と共に該本発明の光重合性組成
物を含有することを特徴とする。以下、本発明の光重合
性組成物、及び記録材料について詳細に説明する。
【0012】(光重合性組成物)本発明の光重合性組成
物は、重合可能な化合物と、一般式(I)又は一般式
(II)で表される化合物の少なくとも1種と、を含有し
てなり、必要に応じて、他の成分を含有することができ
る。
【0013】(重合可能な化合物)本発明の前記重合可
能な化合物としては、特に制限はなく、構造中に重合可
能な部位を有する低分子量(モノマー性)〜高分子量
(オリゴマー性)のいずれであってもよく、目的に応じ
て適宜選択することができる。具体的には、例えば、分
子中に少なくとも1つのエチレン性不飽和二重結合を有
する化合物、エポキシ化合物、環状エーテル化合物、オ
キセタン化合物、環状チオエーテル化合物、スピロオル
ソエステル化合物、スピロオルソカーボネート化合物等
が挙げられる。
【0014】これらの中でも、分子中に少なくとも1つ
のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物が好まし
く、例えば、アクリル酸エステル類、アクリルアミド類
等のアクリル酸及びその塩、メタクリル酸エステル類、
メタクリルアミド類等のメタクリル酸及びその塩、無水
マレイン酸、マレイン酸エステル類、イタコン酸、イタ
コン酸エステル類、スチレン類、ビニルエーテル類、ビ
ニルエステル類、N−ビニル複素環類、アリールエーテ
ル類、アリルエステル類、マレイミド類等が挙げられ
る。
【0015】このようなエチレン性不飽和二重結合を有
するモノマーとしては、例えば、メチルアクリレート、
エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチル
ヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレ
ート、イソボルニルアクリレート、メチルメタクリレー
ト又はエチルメタクリレート等のアルキル若しくはヒド
ロキシアルキルアクリレート又はメタクリレートなどが
挙げられる。また、シリコーンアクリレートも有利であ
る。そのほか、アクリロニトリル、アクリルアミド、メ
タクリルアミド、N−置換された(メタ)アクリルアミ
ド、酢酸ビニルのようなビニルエステル、イソブチルビ
ニルエーテルのようなビニルエーテル、スチレン、アル
キル−及びハロスチレン、N−ビニルピロリドン、塩化
ビニル又は塩化ビニリデンなどが挙げられる。
【0016】2個又はそれ以上のエチレン性不飽和二重
結合を含むモノマーとしては、例えば、エチレングリコ
ール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコー
ル、ヘキサメチレングリコール又はビスフェノールAな
どのジアクリレート、及び4,4’−ビス(2−アクリ
ロイルオキシエトキシ)ジフェニルプロパン、トリメチ
ロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトー
ルトリアクリレート又はテトラアクリレート、ビニルア
クリレート、ジビニルベンゼン、ジビニルスクシネー
ト、ジアリルフタレート、トリアリルホスフェート、ト
リアリルイソシアヌレート又はトリス(2−アクリロイ
ルエチル)イソシアヌレート等が挙げられる。
【0017】比較的高分子量(オリゴマー性)の多不飽
和化合物の例としては、(メタ)アクリル基を有するエ
ポキシ樹脂、(メタ)アクリル基を有するポリエステ
ル、ビニルエーテル又はエポキシ基を含むポリエステ
ル、ポリウレタン及びポリエーテルが挙げられる。更
に、不飽和オリゴマーの例として、不飽和ポリエステル
樹脂であって、通常マレイン酸、フタル酸及び1種又は
それ以上のジオールから製造され、約500〜3000
の分子量を有するものが挙げられる。加えて、ビニルエ
ーテルモノマー及びオリゴマー、及びポリエステル、ポ
リウレタン、ポリエーテル、ポリビニルエーテル及びエ
ポキシ主鎖を有するマレート終末されたオリゴマーを用
いることも可能である。特に適したものは、ビニルエー
テル基を有するオリゴマーとWO90/01512に記
載のポリマーの組合わせである。また、ビニルエーテル
及びマレイン酸官能化されたモノマーのコポリマーもま
た適している。この種の不飽和オリゴマーはプレポリマ
ーとして属することもできる。
【0018】特に適したものの例としては、エチレン性
不飽和カルボン酸及びポリオール又はポリエポキシドの
エステル、及び主鎖又は側鎖においてエチレン性不飽和
基を有するポリマー、例えば不飽和ポリエステル、ポリ
アミド、ポリウレタン及びそれらのコポリマー、アルキ
ド樹脂、ポリブタジエン及びブタジエンコポリマー、ポ
リイソプレン及びイソプレンコポリマー、側鎖において
(メタ)アクリル基を含むポリマー及びコポリマー、並
びに、1種又はそれ以上のそのようなポリマーの混合物
である。
【0019】前記エチレン性不飽和カルボン酸として
は、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、
イタコン酸、ケイ皮酸、及びリノール酸若しくはオレイ
ン酸のような不飽和脂肪酸等が挙げられる。中でも、ア
クリル酸、メタクリル酸が好ましい。
【0020】前記ポリオールとしては、芳香族及び、特
に脂肪族及び環式脂肪族ポリオールが好適である。その
ほか、好適なポリオールとして、ポリマー鎖又は側鎖に
おいてヒドロキシル基を含むポリマー及びコポリマー
(例えば、ポリビニルアルコール及びそれらのコポリマ
ー又はポリヒドロキシアルキルメタアクリレート又はそ
れらのコポリマー)、ヒドロキシル末端基を有するオリ
ゴエステル等が挙げられる。前記ポリエポキシドとして
は、例えば、上記ポリオール、特に芳香族ポリオール、
及びエピクロロヒドリンをベースとするものが挙げられ
る。
【0021】前記芳香族ポリオールとしては、例えば、
ヒドロキノン、4,4’−ジヒドロキシジフェニル、
2,2−ジ(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ノボ
ラック及びレゾルシンが挙げられる。
【0022】前記脂肪族及び環式脂肪族ポリオールの例
としては、好ましくは2〜12個の炭素原子を有するア
ルキレンジオール(例えば、エチレングリコール、1,
2−又は1,3−プロパンジオール、1,2−、1,3
−又は1,4−ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘ
キサンジオール、オクタンジオール、ドデカンジオー
ル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール
等)が挙げられ、より好ましくは200〜1500の分
子量を有する、ポリエチレングリコール、1,3−シク
ロペンタンジオール、1,2−、1,3−又は1,4−
シクロヘキサンジオール、1,4−ジヒドロキシメチル
シクロヘキサン、グリセロール、トリス(β−ヒドロキ
シエチル)アミン、トリメチロールエタン、トリメチロ
ールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリス
リトール、ソルビトール等が挙げられる。
【0023】ポリオールは、1種のカルボン酸で又は異
なる不飽和カルボン酸で部分的に又は完全にエステル化
されることができ、そして部分エステルにおいて遊離ヒ
ドロキシル基は変性されることができ、例えば他のカル
ボン酸でエーテル化又はエステル化され得る。
【0024】エステルとしては、例えば、以下のものが
挙げられる。即ち、トリメチロールプロパントリアクリ
レート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリ
メチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロー
ルエタントリメタクリレート、テトラメチレングリコー
ルジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタク
リレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、
ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリ
トールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラ
アクリレート、ジペンタエリスリトールジアクリレー
ト、ジペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペン
タエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリス
リトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトール
ヘキサアクリレート、トリペンタエリスリトールオクタ
アクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレー
ト、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ジペン
タエリスリトールジメタクリレート、ジペンタエリスリ
トールテトラメタクリレート、
【0025】トリペンタエリスリトールオクタメタクリ
レート、ペンタエリスリトールジイタコネート、ジペン
タエリスリトールトリスイタコネート、ジペンタエリス
リトールペンタイタコネート、ジペンタエリスリトール
ヘキサイタコネート、エチレングリコールジアクリレー
ト、1,3−ブタンジオールジアクリレート、1,3−
ブタンジオールジメタクリレート、1,4−ブタンジオ
ールジイタコネート、ソルビトールトリアクリレート、
ソルビトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトー
ル−変性トリアクリレート、ソルビトールテトラメタク
リレート、ソルビトールペンタアクリレート、ソルビト
ールヘキサアクリレート、オリゴエステルアクリレート
及びメタクリレート、グリセロールジアクリレート及び
トリアクリレート、1,4−シクロヘキサンジアクリレ
ート、200〜1500の分子量を有するポリエチレン
グリコールのビスアクリレート及びビスメタクリレー
ト、又はそれらの混合物。
【0026】また、前記重合可能な化合物として適した
ものは、同一の又は異なる不飽和カルボン酸と、好まし
くは2〜6個、特に2〜4個のアミノ基を有する芳香
族、環式脂肪族及び脂肪族ポリアミンとのアミドであ
る。そのようなポリアミンの例としては、エチレンジア
ミン、1,2−又は1,3−プロピレンジアミン、1,
2−、1,3−又は1,4−ブチレンジアミン、1,5
−ペンチレンジアミン、1,6−ヘキシレンジアミン、
オクチレンジアミン、ドデシレンジアミン、1,4−ジ
アミノシクロヘキサン、イソフォロンジアミン、フェニ
レンジアミン、ビスフェニレンジアミン、ジ−β−アミ
ノエチルエーテル、ジエチレントリアミン、トリエチレ
ンテトラミン、ジ(β−アミノエトキシ)−又はジ(β
−アミノプロポキシ)エタンである。その他、好ましく
は側鎖においてさらなるアミノ基を有するポリマー及び
コポリマー、及びアミノ末端基を有するオリゴアミドが
好適である。そのような不飽和アミドの例はメチレンビ
スアクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビスアクリ
ルアミド、ジエチレントリアミントリスメタクリルアミ
ド、ビス(メタクリルアミドプロポキシ)エタン、β−
メタクリルアミドエチルメタクリレート及びN−[(β
−ヒドロキシエトキシ)エチル]アクリルアミドなどで
ある。
【0027】適した不飽和ポリエステル及びポリアミド
は、例えば、マレイン酸から及びジオール又はジアミン
から誘導される。マレイン酸のいくつかは他のジカルボ
ン酸に置き換えることができる。それらはエチレン性不
飽和コモノマー、例えばスチレンと一緒に使用されるこ
とができる。ポリエステル及びポリアミドは、ジカルボ
ン酸から、エチレン性不飽和ジオール又はジアミンか
ら、特に相対的に長鎖、例えば、6〜20個の炭素原子
を有するものから誘導され得る。ポリウレタンの例とし
ては、飽和又は不飽和ジイソシアネート及び不飽和、又
はそれぞれ飽和のジオールから構成されるものが挙げら
れる。
【0028】ポリブタジエン及びポリイソプレン及びそ
れらのコポリマーは既知である。適したコモノマーの例
は、オレフィン、例えばエチレン、プロペン、ブテン及
びヘキセン、(メタ)アクリレート、アクリロニトリ
ル、スチレン又は塩化ビニルである。側鎖において(メ
タ)アクリレート基を有するポリマーも同様に既知であ
る。例えば、ノボラックをベースとするエポキシ樹脂と
(メタ)アクリル酸との反応生成物として得ることがで
き、又はビニルアルコール若しくは(メタ)アクリル酸
とエステル化されたそのヒドロキシアルキル誘導体との
ホモ−若しくはコポリマーであることができ、又はヒド
ロキシアルキル(メタ)アクリレートでエステル化され
た(メタ)アクリレートのホモ−若しくはコポリマーで
あり得る。
【0029】前記重合可能な化合物は、光重合性組成物
の用途に応じて、その構造中に他の機能を発現する部位
を有する化合物であってもよく、例えば光重合性組成物
を記録材料に利用する場合には、記録層を構成している
発色成分の発色反応を促進する部位や、発色を抑制する
部位を有していてもよい。これらについては後程詳しく
述べる。
【0030】前記エチレン性不飽和結合を有する化合物
の含有量としては、光重合性組成物の全質量中、通常、
10〜99質量%であり、30〜95質量%が好まし
い。
【0031】(一般式(I)又は一般式(II)で表され
る化合物)本発明の光重合性組成物は、分光増感色素と
して、下記一般式(I)又は一般式(II)で表される化
合物の少なくとも1種を含有してなる。該分光増感色素
は、ラジカル又はカチオンを発生し得る化合物(ラジカ
ル又はカチオン発生剤)を分光増感する機能を有してい
る。従って、該分光増感色素の吸収に対応した可視〜赤
外光を照射すると、この領域に吸収を有しないラジカル
又はカチオン発生剤を含有する場合であっても、該発生
剤からのラジカルやカチオンの発生を促進することがで
きる。
【0032】
【化5】
【0033】上記一般式(I)及び一般式(II)中、R
1〜R12は夫々独立に水素原子、置換基を有してもよい
飽和又は不飽和のアルキル基、アラルキル基、アリール
基、飽和又は不飽和のアルキルオキシ基、アラルキルオ
キシ基、アリールオキシ基、飽和又は不飽和のアルキル
チオ基、アラルキルチオ基、アリールチオ基、アミノ
基、ジアルキルアミノ基、ジアリールアミノ基、ハロゲ
ン原子を表す。R1〜R1 2は更に不飽和の含窒素複素環
基を表し、環内窒素原子がベンゼン環と結合する。また
1〜R12の基は、各々隣接する基と共に飽和乃至不飽
和の環を形成してもよい。X、Y、Zは夫々独立に酸素
原子、硫黄原子又は一置換窒素原子を表す。P及びL1
〜L3は、置換基を有してもよい芳香環又は複素芳香環
からなる2価の連結基を表す。Qは1,3,5−ベンゼ
ントリイル基又は窒素原子を表す。nは1以上の整数を
表す。a、b、cは0及び1以上の整数を表すが、Qが
窒素原子のときは、1以上の整数を表す。
【0034】R1〜R12が表す前記飽和アルキル基とし
ては、直鎖状、分岐状、環状のアルキル基が挙げられ、
炭素数としては1〜30が好ましく、1〜20がより好
ましい。このようなアルキル基の例として、メチル基、
エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、2−エチル
へキシル基、シクロヘキシル基、オクタデシル基等が挙
げられる。
【0035】R1〜R12が表す前記アルキル基が置換基
を有する場合、該置換基としては、カルボキシル基、ス
ルホ基、シアノ基、ハロゲン原子(例えば、フッ素原
子、塩素原子、臭素原子)、ヒドロキシ基、炭素数30
以下のアルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカル
ボニル基、エトキシカルボニル基、ベンジルオキシカル
ボニル基)、炭素数30以下のアルキルスルホニルアミ
ノカルボニル基、アリールスルホニルアミノカルボニル
基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、炭
素数30以下のアシルアミノスルホニル基、炭素数30
以下のアルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ
基、ベンジルオキシ基、フェノキシエトキシ基、フェネ
チルオキシ基等)、炭素数30以下のアルキルチオ基
(例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、メチルチオエ
チルチオエチル基等)、炭素数30以下のアリールオキ
シ基(例えば、フェノキシ基、p−トリルオキシ基、1
−ナフトキシ基、2−ナフトキシ基等)、ニトロ基、炭
素数30以下のアルキル基、アルコキシカルボニルオキ
シ基、アリールオキシカルボニルオキシ基;
【0036】炭素数30以下のアシルオキシ基(例え
ば、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基等)、炭
素数30以下のアシル基(例えば、アセチル基、プロピ
オニル基、ベンゾイル基等)、カルバモイル基(例え
ば、カルバモイル基、N,N−ジメチルカルバモイル
基、モルホリノカルボニル基、ピペリジノカルボニル基
等)、スルファモイル基(例えば、スルファモイル基、
N,N−ジメチルスルファモイル基、モルホリノスルホ
ニル基、ピペリジノスルホニル基等)、炭素数30以下
のアリール基(例えば、フェニル基、4−クロロフェニ
ル基、4−メチルフェニル基、α−ナフチル基等)、置
換アミノ基(例えば、アミノ基、アルキルアミノ基、ジ
アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ジアリールアミ
ノ基、アシルアミノ基等)、置換ウレイド基、置換ホス
ホノ基、複素環基等が挙げられる。ここで、カルボキシ
ル基、スルホ基、ヒドロキシ基、ホスホノ基は、塩の状
態であってもよい。
【0037】R1〜R12が表す不飽和のアルキル基とし
ては、直鎖状、分岐状、環状のアルケニル基が挙げら
れ、該アルケニル基の炭素原子数は、2〜30が好まし
く、2〜20がより好ましい。また、該アルケニル基
は、置換基を有する置換アルケニル基、無置換のアルケ
ニル基のいずれであってもよく、置換アルケニル基のア
ルケニル部分の炭素原子数の好ましい範囲は上記アルケ
ニル基の場合と同様である。置換アルケニル基の置換基
としては、前記置換アルキル基の場合と同様の置換基が
挙げられる。
【0038】更に、R1〜R12が表す不飽和のアルキル
基としては、直鎖状、分岐状、環状のアルキニル基が挙
げられ、該アルキニル基の炭素原子数は、2〜30が好
ましく、2〜20がより好ましい。また、該アルキニル
基は、置換基を有する置換アルキニル基、無置換のアル
キニル基のいずれであってもよく、置換アルキニル基の
アルキニル部分の炭素原子数の好ましい範囲は上記アル
キニル基の場合と同様である。置換アルキニル基の置換
基としては、前記置換アルキル基の場合と同様の置換基
が挙げられる。
【0039】R1〜R12が表す前記アラルキル基として
は、直鎖状、分岐状、環状のアラルキル基が挙げられ、
炭素数としては7〜30が好ましく、7〜20がより好
ましい。具体例としては、ベンジル基、フェネチル基等
が挙げられる。また、該アラルキル基は、置換基を有す
る置換アラルキル基、無置換のアラルキル基のいずれで
あってもよい。
【0040】R1〜R12が表す前記アリール基として
は、炭素数6〜30が好ましく、6〜20がより好まし
い。このようなアリール基の例として、フェニル基、α
−ナフチル基、β−ナフチル基等が挙げられる。
【0041】R1〜R12が表す前記飽和アルキルオキシ
基としては、炭素数1〜30が好ましく、1〜20がよ
り好ましい。このようなアルキルオキシ基としては、メ
トキシ基、エトキシ基、2−エチルへキシルオキシ基、
フェノキシエトキシ基等が挙げられる。また、不飽和ア
ルキルオキシ基としては、アルケニルオキシ基及びアル
キニルオキシ基が挙げられ、該アルケニル基及びアルキ
ニル基は前述の不飽和アルキル基のものと同義である。
【0042】R1〜R12が表す前記アラルキルオキシ基
としては、炭素数7〜12が好ましく、7〜10がより
好ましい。このようなアラルキルオキシ基としては、ベ
ンジルオキシ基、フェネチルオキシ基等が挙げられる。
【0043】R1〜R12が表す前記アリールオキシ基と
しては、炭素数6〜30が好ましく、6〜20がより好
ましい。このようなアリールオキシ基の例として、フェ
ノキシ基、4−メチルフェノキシ基、α−ナフチルオキ
シ基等が挙げられる。
【0044】R1〜R12が表す前記飽和アルキルチオ基
としては、炭素数1〜30が好ましく、1〜20がより
好ましい。このようなアルキルチオ基の例として、メチ
ルチオ基、エチルチオ基、n−ブチルチオ基、2−エチ
ルヘキシルチオ基等が挙げられる。また、不飽和アルキ
ルチオ基としては、アルケニルチオ基及びアルキニルチ
オ基が挙げられ、該アルケニル基及びアルキニル基は前
述の不飽和アルキル基のものと同義である。
【0045】R1〜R12が表す前記アラルキルチオ基と
しては、炭素数7〜30が好ましく、7〜20がより好
ましい。このようなアラルキルチオ基の例として、ベン
ジルチオ基、フェネチルチオ基等が挙げられる。
【0046】R1〜R12が表す前記アリールチオ基とし
ては、炭素数6〜30が好ましく、6〜20がより好ま
しい。このようなアリールチオ基の例として、フェニル
チオ基、4−メチルフェニルチオ基、α−ナフチルチオ
基等が挙げられる。
【0047】R1〜R12が表す前記ジアルキルアミノ基
は、前述したアルキル基の任意の2つが置換したアミノ
基であり、炭素数は1〜30が好ましい。このようなジ
アルキルアミノ基としては、ジメチルアミノ基、ジエチ
ルアミノ基、ジブチルアミノ基、ジオクチルアミノ基、
ジデシルアミノ基等が挙げられる。
【0048】R1〜R12が表す前記ジアリールアミノ基
は、前述したアリール基の任意の2つが置換したアミノ
基であり、炭素数は6〜30が好ましい。このようなジ
アリールアミノ基としては、ジフェニルアミノ基、ジト
リルアミノ基、ジキシリルアミノ基、ジ−α−ナフチル
アミノ基、ジ−β−ナフチルアミノ基等が挙げられる。
【0049】R1〜R12が表す前記ハロゲン原子として
は、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素
原子が挙げられる。
【0050】R1〜R12は更に不飽和の含窒素複素環基
を表し、環内窒素原子がベンゼン環と結合する。該含窒
素複素環は、置換基を有していてもよい5〜7員の不飽
和の含窒素複素環基であり、具体例を下記に示す。尚、
含窒素複素環の置換位置は、一般式(I)及び一般式
(II)中のR2、R3、R6、R7、R10、R11のいずれか
の位置が好ましい。また、好ましい置換基としては、ア
ルキル基、アリール基、アルコキシ基、ジアルキルアミ
ノ基、ジアリールアミノ基が挙げられる。
【0051】
【化6】
【0052】また、R1〜R12の基は、各々隣接する基
と共に飽和乃至不飽和の環を形成してもよい。このよう
な飽和乃至不飽和の環としては、例えばテトラヒドロキ
ノリン環、ジュロリジン環等が挙げられる。
【0053】X、Y、Zが表す前記一置換窒素原子は、
アルキル基又はアリール基が置換した窒素原子であり、
該窒素原子上のアルキル基及びアリール基は、R1〜R
12で表される前記アルキル基及びアリール基と同義であ
る。
【0054】P及びL1〜L3が表す置換基を有してもよ
い2価の芳香環基としては、下記に示す2価芳香環基が
挙げられる。
【0055】
【化7】
【0056】この中でも、特に下記に示す2価芳香環基
が好ましい。
【0057】
【化8】
【0058】また、P及びL1〜L3が表す置換基を有し
てもよい2価の複素芳香環基としては、下記に示す2価
複素芳香環基が挙げられる。
【0059】
【化9】
【0060】この中でも、特に下記に示す2価複素芳香
環基が好ましい。
【0061】
【化10】
【0062】ここで、上述の式中のR13、R15及びR16
は低級アルキル基を表し、R14は前述のR1〜R12で表
される基と同義である。
【0063】nは1以上の整数を表し、特に1、2、3
が好ましい。また、nが2以上の整数を表すときは、前
記Pは芳香環と複素芳香環の組み合わせでもよい。a、
b、cが1以上の整数を表すときは、L1〜L3が表す置
換基は各々異なっていてもよい。
【0064】以下に、前記一般式(I)又は一般式(I
I)で表される化合物の具体例(例示化合物No.1〜5
7)を示すが、本発明においてはこれらに限定されるも
のではない。
【0065】
【化11】
【0066】
【化12】
【0067】
【化13】
【0068】
【化14】
【0069】
【化15】
【0070】
【化16】
【0071】
【化17】
【0072】
【化18】
【0073】
【化19】
【0074】
【化20】
【0075】
【化21】
【0076】光重合性組成物中における、前記一般式
(I)又は一般式(II)で表される化合物の含有量とし
ては、後述するラジカル発生剤1質量部に対して、0.
001〜0.5質量部が好ましく、0.01〜0.3質
量部がより好ましい。該含有量を0.001〜0.5質
量部とすることにより、光重合感度を向上させることが
できる。また、前記一般式(I)又は一般式(II)で表
される化合物は、1種単独で用いてもよく、2種以上を
併用してもよい。
【0077】尚、本発明の光重合性化合物は、その効果
を損なわない範囲内であれば、感光波長を調整する目的
で、前記一般式(I)又は一般式(II)で表される化合
物以外の他の分光増感色素を含有していていもよい。該
分光増感色素としては、例えば、メチン色素、ポリメチ
ン色素、トリアリールメチン色素、インドリン色素、ア
ジン色素、キサンテン色素、シアニン色素、ヘミシアニ
ン色素、ローダミン色素、アゾメチン色素、アゾ色素、
オキソノール色素、メロシアニン色素、オキサジン色
素、アクリジン色素、クマリン色素等の公知の色素が挙
げられる。
【0078】以上のように、前記一般式(I)又は一般
式(II)で表される化合物の少なくとも1種を含有する
ことにより、光重合性組成物の光重合感度を向上させる
ことができ、紫外光のみならず可視〜赤外光に対する高
感度化を図ることができる。従って、後述するように、
現像液等を用いない完全ドライの処理系の記録材料に用
いた場合でも、鮮明で高コントラストな画像を形成する
ことができる。
【0079】(ラジカル又はカチオンを発生し得る化合
物)本発明の光重合性組成物においては、前記一般式
(I)又は一般式(II)で表される化合物(分光増感色
素)と相互作用してラジカルを発生し得る化合物(以
下、「ラジカル発生剤」ということがある。)及び一般
式(I)又は一般式(II)で表される化合物と相互作用
してカチオンを発生し得る化合物(以下、「カチオン発
生剤」ということがある。)より選択される少なくとも
一種を含有することができる(以下、両者を含めて「ラ
ジカル又はカチオン発生剤」ということがある。)。ラ
ジカル又はカチオン発生剤は、ラジカル及びカチオンの
少なくとも一方を発生し、両方を発生するものも含まれ
る。上記ラジカル又はカチオン発生剤は、その近傍に存
在する分光増感色素(一般式(I)又は一般式(II)で
表される化合物等)が光を吸収した場合に、該発生剤と
相互作用して効率良くラジカル又はカチオンを発生し、
近傍の重合可能な化合物の重合反応を開始させる機能を
有する。したがって、前記発生剤を分光増感色素と共存
させることにより、その分光吸収波長領域の照射光に敏
感に感応し高感度化が図れ、かつ可視〜赤外光領域にあ
る任意の光源を用いてラジカル又はカチオンの発生を制
御することができる。
【0080】上記発生剤の内、重合感度の優れる点で、
ラジカル発生剤の方が好ましい。該ラジカル発生剤は、
前記光重合性組成物に含有される重合可能な化合物の重
合を開始し得るラジカル発生剤の中から、1種又は2種
以上を選択して使用することができる。上記ラジカル発
生剤としては、例えば、以下の化合物が挙げられる。
【0081】ベンゾフェノン、カンファーキノン、4,
4−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4−メト
キシ−4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、4,4’
−ジメトキシベンゾフェノン、4−ジメチルアミノベン
ゾフェノン、4−ジメチルアミノアセトフェノン、ベン
ジルアントラキノン、2−tert−ブチルアントラキ
ノン、2−メチルアントラキノン、キサントン、チオキ
サントン、2−クロルチオキサントン、2,4−ジエチ
ルチオキサントン、フルオレノン、アクリドン、ビス
(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホス
フィンオキサイド等のビスアシルホスフィンオキサイド
類、Lucirin TPO等のアシルホスフィンオキ
サイド類、α−ヒドロキシ又はα−アミノアセトフェノ
ン類、α−ヒドロキシシクロアルキルフェニルケトン
類、ジアルコキシアセトフェノン類等の芳香族ケトン
類;
【0082】ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエ
チルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベン
ゾインフェニルエーテル等のベンゾイン及びベンゾイン
エーテル類;2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ
フェニルイミダゾール二量体、2−(o−クロロフェニ
ル)−4,5−ジ(m−メトキシフェニル)イミダゾー
ル二量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−ジ
フェニルイミダゾール二量体、2−(o−メトキシフェ
ニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−
(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダ
ゾール二量体等の2,4,6−トリアリールイミダゾー
ル二量体、その他米国特許第3784557号、同42
52887号、同4311783号、同4459349
号、同4410621号、同4622286号等に記載
の化合物;
【0083】四臭化炭素、フェニルトリブロモメチルス
ルホン、フェニルトリクロロメチルケトン等のポリハロ
ゲン化合物;特開昭59−133428号、特公昭57
−1819号、特公昭57−6096号、米国特許第3
615455号に記載の化合物;
【0084】2,4,6−トリス(トリクロロメチル)
−S−トリアジン、2−メトキシ−4,6−ビス(トリ
クロロメチル)−S−トリアジン、2−アミノ−4,6
−ビス(トリクロロメチル)−S−トリアジン、2−
(P−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロ
メチル)−S−トリアジン等の特開昭58−29803
号記載のトリハロゲン置換メチル基を有するS−トリア
ジン誘導体;
【0085】メチルエチルケトンパーオキサイド、シク
ロヘキサノンパーオキサイド、3,3,5−トリメチル
シクロヘキサノンパーオキサイド、ベンゾイルパーオキ
サイド、ジターシャリ−ブチルジパーオキシイソフタレ
ート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパー
オキシ)ヘキサン、ターシャリ−ブチルパーオキシベン
ゾエート、a,a’−ビス(ターシャリ−ブチルパーオ
キシイソプロピル)ベンゼン、ジクミルパーオキサイ
ド、3,3’,4,4’−テトラ−(ターシャリイブチ
ルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン等の特開昭5
9−189340号記載の有機過酸化物;
【0086】米国特許第4743530号に記載のアジ
ニウム塩;有機ホウ素化合物;フェニルグリオキサル酸
メチルエステル等のフェニルグリオキサル酸エステル
類;ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イ
ル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロー
ル−1−イル)−フェニル)チタニウム等のチタノセン
類;η5−シクロペンタジエニル−η6−クメニル−アイ
アン(1+)−ヘキサフルオロホスフェイト(1−)等
の鉄アレン錯体;ジフェニルヨードニウム塩等のジアリ
ールヨードニウム塩類などのヨードニウム塩;トリフェ
ニルスルホニウム塩等のトリアリールスルホニウム塩類
などのスルホニウム塩、等が挙げられる。
【0087】上記ラジカル発生剤のより詳細な化合物
例、及びその他別の種類のラジカル発生剤の例として
は、特開平10−45816号公報の段落[0067]
〜[0132]に記載のものを挙げることができる。ま
た、上記ラジカル発生剤のうち、スルホニウム塩、ヨー
ドニウム塩、鉄アレン錯体等は、ラジカルを発生すると
同時にカチオンも発生する化合物であることが知られて
いる。
【0088】また、前記ラジカル発生剤としては、二種
以上の化合物の組合わせからなる材料を使用することも
できる。例えば、2,4,5−トリアリールイミダゾー
ル二量体とメルカプトベンズオキサゾール等との組合
せ、米国特許第3427161号明細書に記載の4,
4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノンとベンゾ
フェノンとベンゾインメチルエーテルとの組合せ、米国
特許第4239850号明細書に記載のベンゾイル−N
−メチルナフトチアゾリンと2,4−ビス(トリクロロ
メチル)−6−(4’−メトキシフェニル)−トリアゾ
ールとの組合せ、特開昭57−23602号公報に記載
のジアルキルアミノ安息香酸エステルとジメチルチオキ
サントンとの組合せ、特開昭59−78339号公報に
記載の4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノ
ンとベンゾフェノンとポリハロゲン化メチル化合物との
三種組合わせ、等が挙げられる。
【0089】二種以上を組合せてなるラジカル発生剤の
場合、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノ
ンとベンゾフェノンとの組合せ、2,4−ジエチルチオ
キサントンと4−ジメチルアミノ安息香酸エチルとの組
合せ、又は4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフ
ェノンと2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体
との組合せ、クマリン化合物(一般式(I)で表される
化合物)と2,4,5−トリアリールイミダゾール二量
体との組合わせを用いるのが好ましい。さらには、クマ
リン化合物と、2,4,5−トリアリールイミダゾール
二量体と、有機ホウ素化合物との組合わせを用いるのが
特に好ましい。
【0090】上記ラジカル発生剤のうち、露光領域に、
色素と相互作用し効果的にラジカルを発生させることが
でき、より高感度化しうる点で、有機ホウ素化合物、ヨ
ードニウム塩、スルホニウム塩、鉄アレン錯体、トリハ
ロゲン置換メチル基を有するS−トリアジン誘導体、有
機過酸化物、チタノセン、2,4,5−トリアリールイ
ミダゾール二量体、又はアジニウム塩が好ましく、有機
ホウ素化合物が特に好ましい。また、該有機ホウ素化合
物は、前述のラジカル発生剤と併用してもよい。
【0091】有機ホウ素化合物としては、後述する一般
式(A)で表される化合物、及び「機能性色素の化学」
(1981年、CMC出版社、頁393〜416)や
「色材」(60〔4〕、頁212〜224、1987
年)等に記載のカチオン性色素をカチオン部として構造
内に有する分光増感色素系有機ホウ素化合物も挙げられ
る。前記分光増感色素系有機ホウ素化合物としては、特
開昭62−143044号、特開平1−138204
号、特表平6−505287号、特開平4−26140
6号等に記載の化合物が挙げられる。
【0092】前記分光増感色素としての有機ホウ素化合
物のカチオン部を構成している色素としては、300n
m以上の波長領域、好ましくは400〜1100nmの
波長領域に最大吸収波長を有するカチオン性色素を用い
ることができる。中でも、カチオン性のメチン色素、ポ
リメチン色素、トリアリールメタン色素、インドリン色
素、アジン色素、キサンテン色素、シアニン色素、ヘミ
シアニン色素、ローダミン色素、アゾメチン色素、オキ
サジン色素又はアクリジン色素等が好ましく、カチオン
性のシアニン色素、ヘミシアニン色素、ローダミン色素
又はアゾメチン色素がより好ましい。
【0093】前記有機ホウ素化合物の中でも、特に下記
一般式(A)で表される化合物が好ましい。
【化22】
【0094】一般式(A)中、Ra 1〜Ra 4は夫々独立に
脂肪族基、芳香族基、複素環基、又はSi(Ra 5)(Ra 6)
−Ra 7を表す。Ra 1〜Ra 4が脂肪族基を表す場合、該脂
肪族基としては、例えば、アルキル基、置換アルキル
基、アルケニル基、置換アルケニル基、アルキニル基、
置換アルキニル基、アラルキル基、又は置換アラルキル
基等が挙げられ、中でも、アルキル基、置換アルキル
基、アルケニル基、置換アルケニル基、アラルキル基、
又は置換アラルキル基が好ましく、アルキル基、置換ア
ルキル基が特に好ましい。また、前記脂肪族基は、環状
脂肪族基でも鎖状脂肪族基でもよい。鎖状脂肪族基は分
岐を有していてもよい。
【0095】前記アルキル基としては、直鎖状、分岐
状、環状のアルキル基が挙げられ、該アルキル基の炭素
原子数としては、1〜30が好ましく、1〜20がより
好ましい。置換アルキル基のアルキル部分の炭素原子数
の好ましい範囲については、アルキル基の場合と同様で
ある。また、前記アルキル基は、置換基を有するアルキ
ル基、無置換のアルキル基のいずれであってもよい。前
記アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル
基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロペンチ
ル基、ネオペンチル基、イソプロピル基、イソブチル
基、シクロヘキシル基、オクチル基、2−エチルヘキシ
ル基、デシル基、ドデシル基、オクタデシル基等が挙げ
られる。
【0096】前記置換アルキル基の置換基としては、カ
ルボキシル基、スルホ基、シアノ基、ハロゲン原子(例
えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子)、ヒドロキシ
基、炭素数30以下のアルコキシカルボニル基(例え
ば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、ベ
ンジルオキシカルボニル基)、炭素数30以下のアルキ
ルスルホニルアミノカルボニル基、アリールスルホニル
アミノカルボニル基、アルキルスルホニル基、アリール
スルホニル基、炭素数30以下のアシルアミノスルホニ
ル基、炭素数30以下のアルコキシ基(例えば、メトキ
シ基、エトキシ基、ベンジルオキシ基、フェネチルオキ
シ基等)、炭素数30以下のアルキルチオ基(例えば、
メチルチオ基、エチルチオ基、ドデシルチオ基等)、炭
素数30以下のアリールオキシ基(例えば、フェノキシ
基、p−トリルオキシ基、1−ナフトキシ基、2−ナフ
トキシ基等)、ニトロ基、炭素数30以下のアルキル
基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカ
ルボニルオキシ基、
【0097】炭素数30以下のアシルオキシ基(例え
ば、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基等)、炭
素数30以下のアシル基(例えば、アセチル基、プロピ
オニル基、ベンゾイル基等)、カルバモイル基(例え
ば、カルバモイル基、N,N−ジメチルカルバモイル
基、モルホリノカルボニル基、ピペリジノカルボニル基
等)、スルファモイル基(例えば、スルファモイル基、
N,N−ジメチルスルファモイル基、モルホリノスルホ
ニル基、ピペリジノスルホニル基等)、炭素数30以下
のアリール基(例えば、フェニル基、4−クロロフェニ
ル基、4−メチルフェニル基、α−ナフチル基等)、置
換アミノ基(例えば、アミノ基、アルキルアミノ基、ジ
アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ジアリールアミ
ノ基、アシルアミノ基等)、置換ウレイド基、置換ホス
ホノ基、複素環基等が挙げられる。ここで、カルボキシ
ル基、スルホ基、ヒドロキシ基、ホスホノ基は、塩の状
態であってもよい。その際、塩を形成するカチオンとし
ては、後述のG+等が挙げられる。
【0098】前記アルケニル基としては、直鎖状、分岐
状、環状のアルケニル基が挙げられ、該アルケニル基の
炭素原子数としては、2〜30が好ましく、2〜20が
より好ましい。置換アルケニル基のアルケニル部分の炭
素原子数の好ましい範囲については、アルケニル基の場
合と同様である。また、前記アルケニル基は、置換基を
有するアルケニル基、無置換のアルケニル基のいずれで
あってもよい。前記置換アルケニル基の置換基として
は、前記置換アルキル基の場合と同様の置換基が挙げら
れる。
【0099】前記アルキニル基としては、直鎖状、分岐
状、環状のアルキニル基が挙げられ、該アルキニル基の
炭素原子数としては、2〜30が好ましく、2〜20が
より好ましい。置換アルキニル基のアルキニル部分の炭
素原子数の好ましい範囲については、アルキニル基の場
合と同様である。また、前記アルキニル基は、置換基を
有するアルキニル基、無置換のアルキニル基のいずれで
あってもよい。置換アルキニル基の置換基としては、前
記置換アルキル基の場合と同様の置換基が挙げられる。
【0100】前記アラルキル基としては、直鎖状、分岐
状、環状のアラルキル基が挙げられ、該アラルキル基の
炭素原子数としては、7〜35が好ましく、7〜25が
より好ましい。置換アラルキル基のアラルキル部分の炭
素原子数の好ましい範囲については、アラルキル基の場
合と同様である。また、前記アラルキル基は、置換基を
有するアラルキル基、無置換のアラルキル基のいずれで
あってもよい。置換アラルキル基の置換基としては、前
記置換アルキル基の場合と同様の置換基が挙げられる。
【0101】前記Ra 1〜Ra 4が芳香族基アルキル基を表
す場合、該芳香族基としては、例えば、アリール基、置
換アリール基が挙げられる。アリール基の炭素原子数と
しては、6〜30が好ましく、6〜20がより好まし
い。置換アリール基のアリール部分の好ましい炭素原子
数の範囲としては、アリール基と同様である。前記アリ
ール基としては、例えば、フェニル基、α−ナフチル
基、β−ナフチル基等が挙げられる。置換アリール基の
置換基としては、前記置換アルキル基の場合と同様の置
換基が挙げられる。
【0102】Ra 1〜Ra 4が複素環基を表す場合、該複素
環基としては、置換基を有する複素環基、無置換の複素
環基が挙げられる。置換基を有する複素環基の置換基と
しては、Ra 1〜Ra 4が置換基を有するアリール基を表す
場合に例示した置換基と同様の置換基が挙げられる。中
でも、Ra 1〜Ra 4が表す複素環基としては、フラン環、
ピロール環、イミダゾール環、オキサゾール環、チアゾ
ール環、ピリジン環等の窒素原子、硫黄原子、又は酸素
原子を含む複素環基が好ましい。
【0103】Ra 1〜Ra 4が−Si(Ra 5)(Ra 6)−Ra 7
表す場合、Ra 5、Ra 6、及びRa 7は、夫々独立に脂肪族
基、芳香族基を表す。該脂肪族基、芳香族基は、Ra 1
a 4が表す脂肪族基、芳香族基と各々同義であり、好ま
しい例も同様である。
【0104】前記一般式(A)中、Ra 1〜Ra 4の内の2
以上が直接又は置換基を介して連結し、環を形成してい
てもよい。環を形成している場合、該環としては、下記
の(C1)〜(C3)の環より選ばれるいずれかの環が
好ましく、中でも、(C2)の環が好ましい。
【0105】
【化23】
【0106】前記(C1)における環において、R
bは、以下に示す2価の基を表す。
【化24】
【0107】前記一般式(A)で表される有機ホウ素化
合物の中でも、そのRa 1〜Ra 4の少なくとも1つがアル
キル基であるものが好ましく、高感度化と保存性の向上
の観点から、1つがアルキル基であり、他の3つがアリ
ール基であるトリアリールアルキル型の有機ホウ素化合
物が更に好ましい。特に、アリール基に電子吸引性基が
置換したトリアリールアルキル型の有機ホウ素化合物が
好ましく、中でも、3つのアリール基上の置換基(電子
吸引性基)のHammet(σ)値の合計が+0.36
〜+2.58のものがより好ましい。前記電子吸引性基
としては、ハロゲン原子、トリフルオロメチル基が好ま
しく、特にフッ素原子、塩素原子がより好ましい。
【0108】電子吸引性基が置換したアリール基として
は、3−フルオロフェニル基、4−フルオロフェニル
基、2−フルオロフェニル基、3−クロロフェニル基、
4−クロロフェニル基、3−トリフルオロメチルフェニ
ル基、4−トリフルオロメチルフェニル基、3,5−ジ
フルオロフェニル基、4−ブロモフェニル基、3,4−
ジフルオロフェニル基、5−フルオロ−2−メチルフェ
ニル基、5−フルオロ−4−メチルフェニル基、5−ク
ロロ−2−メチルフェニル基、5−クロロ−4−メチル
フェニル基等が挙げられる。
【0109】前記一般式(A)のアニオン部としては、
例えば、テトラメチルボレート、テトラエチルボレー
ト、テトラブチルボレート、トリイソブチルメチルボレ
ート、ジ−n−ブチル−ジ−t−ブチルボレート、トリ
−m−クロロフェニル−n−ヘキシルボレート、トリフ
ェニルメチルボレート、トリフェニルエチルボレート、
トリフェニルプロピルボレート、トリフェニル−n−ブ
チルボレート、トリメシチルブチルボレート、トリトリ
ルイソプロピルボレート、トリフェニルベンジルボレー
ト、テトラ−m−フルオロベンジルボレート、トリフェ
ニルフェネチルボレート、トリフェニル−p−クロロベ
ンジルボレート、トリフェニルエテニルブチルボレー
ト、ジ(α−ナフチル)−ジプロピルボレート、トリフ
ェニルシリルトリフェニルボレート、トリトルイルシリ
ルトリフェニルボレート、トリ−n−ブチル(ジメチル
フェニルシリル)ボレート、ジフェニルジヘキシルボレ
ート、トリ−m−フルオロフェニルヘキシルボレート、
トリ(5−クロロ−4−メチルフェニル)ヘキシルボレ
ート、トリ−m−フルオロフェニルシクロヘキシルボレ
ート、トリ−(5−フルオロ−2−メチルフェニル)ヘ
キシルボレート等が挙げられる。
【0110】前記一般式(A)中、G+は陽イオンを形
成し得る基を表す。中でも、有機カチオン性化合物、遷
移金属配位錯体カチオン(特許2791143号公報に
記載の化合物等)又は金属カチオン(例えば、Na+
+、Li+、Ag+、Fe2+、Fe3+、Cu+、Cu2+
Zn2+、Al3+、1/2Ca2+等)が好ましい。前記有
機カチオン性化合物としては、例えば、4級アンモニウ
ムカチオン、4級ピリジニウムカチオン、4級キノリニ
ウムカチオン、ホスホニウムカチオン、ヨードニウムカ
チオン、スルホニウムカチオン、色素カチオン等が挙げ
られる。
【0111】前記4級アンモニウムカチオンとしては、
テトラアルキルアンモニウムカチオン(例えば、テトラ
メチルアンモニウムカチオン、テトラブチルアンモニウ
ムカチオン)、テトラアリールアンモニウムカチオン
(例えば、テトラフェニルアンモニウムカチオン)等が
挙げられる。前記4級ピリジニウムカチオンとしては、
N−アルキルピリジニウムカチオン(例えば、N−メチ
ルピリジニウムカチオン)、N−アリールピリジニウム
カチオン(例えば、N−フェニルピリジニウムカチオ
ン)、N−アルコキシピリジニウムカチオン(例えば、
4−フェニル−N−メトキシ−ピリジニウムカチオ
ン)、N−ベンゾイルピリジニウムカチオン等が挙げら
れる。前記4級キノリニウムカチオンとしては、N−ア
ルキルキノリニウムカチオン(例えば、N−メチルキノ
リニウムカチオン)、N−アリールキノリニウムカチオ
ン(例えば、N−フェニルキノリニウムカチオン)等が
挙げられる。前記ホスホニウムカチオンとしては、テト
ラアリールホスホニウムカチオン(例えば、テトラフェ
ニルホスホニウムカチオン)等が挙げられる。前記ヨー
ドニウムカチオンとしては、ジアリールヨードニウムカ
チオン(例えば、ジフェニルヨードニウムカチオン)等
が挙げられる。前記スルホニウムカチオンとしては、ト
リアリールスルホニウムカチオン(例えば、トリフェニ
ルスルホニウムカチオン)等が挙げられる。
【0112】更に、前記G+の具体的な例として、特開
平9−188686号公報の段落[0020]〜[00
38]に記載の化合物等も挙げることができる。
【0113】上記に例示した各カチオン性化合物(例示
化合物)において、そのアルキル基としては、炭素数が
1〜30のアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、
エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ヘ
キシル基等の無置換アルキル基や、Ra 1〜Ra 4が表す前
記置換アルキル基が好ましい。中でも特に、炭素数1〜
12のアルキル基が好ましい。また、上記に例示した各
カチオン性化合物において、そのアリール基としては、
例えば、フェニル基、ハロゲン原子(例えば、塩素原
子)置換フェニル基、アルキル(例えば、メチル基)置
換フェニル基、アルコキシ(例えば、メトキシ基)置換
フェニル基が好ましい。
【0114】前記一般式(A)で表される有機ホウ素化
合物の具体例としては、米国特許第3,567,453
号明細書、同4,343,891号明細書、特開昭62
−143044号公報、特開昭62−150242号公
報、特開平9−188684号公報、特開平9−188
685号公報、特開平9−188686号公報、特開平
9−188710号公報、特公平8−9643号公報、
特開平11−269210号公報に記載されている化合
物、及び以下に例示する化合物が挙げられる。有機ホウ
素化合物は、後述のラジカル発生剤と併用してもよい。
但し、本発明に用いられる前記有機ホウ素化合物は、こ
れに限定されるものではない。
【0115】
【化25】
【0116】
【化26】
【0117】
【化27】
【0118】
【化28】
【0119】
【化29】
【0120】光重合性組成物中におけるラジカル又はカ
チオン発生剤の含有量としては、前記重合可能な化合物
の含有量に対して、0.01〜20質量%が好ましく、
0.1〜10質量%がより好ましい。但し、好ましい範
囲は、併用する「エチレン性不飽和結合を有する重合可
能な化合物」の種類に応じて変動するので、これに限定
されるものではない。
【0121】(他の成分)本発明の光重合性組成物にお
いては、効果を害しない範囲内で、目的に応じてその他
の成分として適宜選択した公知の添加剤等を含有しても
よい。上記その他の成分としては、例えば、光重合開始
剤、酸素除去剤、熱重合阻害剤、紫外線吸収剤、蛍光増
白剤、連鎖移動剤、酸化防止剤等、及びこれらのプレカ
ーサー等が挙げられ、これらは、光重合性組成物の全重
量基準で、0.01〜20質量%添加されるのが好まし
く、0.2〜15質量%添加されるのがより好ましく、
0.5〜10質量%添加されるのが特に好ましい。
【0122】前記連鎖移動剤や酸化防止剤等の添加剤の
具体例としては、特開平10−45816号公報の段落
[0135]〜[0141]、特開平9−188686
号公報の段落[0087]〜[0096]、特開平10
−182621号公報の段落[0079]〜[011
8]、特開平9−95487号公報の段落[0080]
〜[0089]等が挙げられ、更に特開平1−1314
0号、同1−13141号、同1−13143号、同1
−13144号、同1−17048号、同1−2290
03号、同1−298348号、同10−138638
号、同11−269210号、同2−187762号等
の各公報に記載の化合物が挙げられる。
【0123】本発明の光重合性組成物には、バインダを
含有することもできる。特に、光重合性組成物が液体又
は粘稠物質である場合に都合がよい。前記バインダの含
有量としては、総固形分含有量に対して、5〜95質量
%が好ましく、10〜90質量%がより好ましく、15
〜85質量%が最も好ましい。前記バインダの選択は、
適用分野及びその分野のために必要とされる特性、例え
ば、水系若しくは有機溶媒系における現像能力、基材へ
の接着及び酸素への感度に依存してなされる。
【0124】前記バインダとしては、約5000〜20
00000、好ましくは10000〜1000000の
分子量を有するポリマーが望ましい。例えば、アクリレ
ート及びメタクリレートのホモ若しくはコポリマー(例
えば、メチルメタクリレート/エチルアクリレート/メ
タクリル酸のコポリマー、ポリ(アルキルメタクリレー
ト)、ポリ(アルキルアクリレート)等)、セルロース
エステル又はセルロールエーテル(例えば、セルロース
アセテート、セルロースアセトブチレート、メチルセル
ロース、エチルセルロース等)、ポリビニルブチラル、
ポリビニルホルマル、環化ゴム、ポリエーテル(例え
ば、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、
ポリテトラヒドロフラン)、ポリスチレン、ポリカーボ
ネート、ポリウレタン、塩素化ポリオレフィン、ポリ塩
化ビニル、塩化ビニル/ビニリデンコポリマー、塩化ビ
ニリデンとアクリロニトリルのコポリマー、メチルメタ
クリレート、酢酸ビニル、ポリ酢酸ビニル、コポリ(エ
チレン/酢酸ビニル)、ポリカプロラクタム、ポリ(ヘ
キサメチレンアジパミド)、ポリエステル(例えば、ポ
リ(エチレングリコールテレフタレート)、ポリ(ヘキ
サメチレングリコールスクシネート)等)、ポリアミ
ド、ポリウレアなどが挙げられる。
【0125】また、ゼラチン類、(変性)ポリビニルア
ルコール、ポリビニルピロリドン、スチレン−マレイン
酸共重合体加水分解物、ポリスチレンスルホン酸ソー
ダ、アルギン酸ソーダ等の水溶性高分子も挙げられる。
更に、スチレン−ブタジエンゴムラテックス、アクリロ
ニトリル−ブタジエンゴムラテックス、アクリル酸メチ
ル−ブタジエンゴムラテックス等のラテックス類を用い
てもよい。
【0126】不飽和化合物も、非光重合性フィルム形成
成分との混合物として使用でき、例えば、物理的に乾燥
したポリマー、又は有機溶媒中のポリマー溶液であっ
て、例えば、ニトロセルロース、又はセルロースアセト
ブチレートが挙げられる。しかし、それらは化学的に、
及び/又は、熱的に硬化性(熱硬化性)樹脂、例えば、
ポリイソシアネート、ポリエポキシド、メラミン樹脂、
並びに、ポリイミド前駆体であってもよい。同時に熱硬
化性樹脂を使用することは、第一段階において光重合さ
れそして第二段階において熱後処理によって架橋される
ハイブリッド系として既知である系における使用のため
に重要である。また、重合性基を有するバインダも使用
可能である。
【0127】その他、添加剤の例としては、特開平11
−269210号公報に記載のものを挙げることができ
る。
【0128】画像様に露光する際に使用可能な光源とし
ては、可視〜赤外領域に光源波長を有する公知の光源の
中から適宜選択することができ、中でも、最大吸収波長
が300〜1000nmの光源が好ましく、装置の簡易
小型化、低コスト化の点で、青色、緑色、赤色等の(半
導体)レーザー光源又はLEDがより好ましい。尚、よ
り高い感度を得るには、分光増感色素等の光吸収材料の
吸収波長に適合した波長を持つ光源を適宜選択すること
が好ましい。
【0129】上記のように、分光増感色素として前記一
般式(I)で表される化合物を用いることにより、紫外
光のみならず、可視光〜赤外光を用いた場合でも高感度
に画像形成することができる。
【0130】(記録材料)本発明の記録材料は、支持体
上に記録層を有してなり、かつ該記録層が、発色成分A
と、該発色成分Aと反応して発色させる部位を有する発
色成分Bと、既述の本発明の光重合性組成物と、を少な
くとも含有してなり、必要に応じて、下引き層、中間
層、光吸収層、保護層、バックコート層等の他の層を有
していてもよい。
【0131】本発明の記録材料の基本的な構成態様とし
ては、特に制限されるものではなく適宜目的に応じて構
成することができる。基本的態様として、例えば、本発
明の記録材料を、発色成分Aが熱応答性のマイクロカプ
セルに内包された、ポジ型の感光感熱記録材料に適用し
た場合の画像形成を一例に示す。即ち、本態様のポジ型
の感光感熱記録材料では、画像様に光を照射すると、光
照射部の光重合性組成物に含まれるラジカル発生剤から
ラジカルが発生すると共に前記重合可能な化合物の重合
反応が開始され硬化して、光重合性組成物はその場に固
定され、潜像が形成される。前記マイクロカプセルは常
温下では物質非透過性であり、マイクロカプセルに内包
される発色成分Aと該発色成分Aと反応して発色させる
部位を分子内に有する発色成分Bとは接触せず、非発色
状態にある。
【0132】その後、感光感熱記録材料の全面に熱を供
与されると、マイクロカプセルが物質透過性に転移して
非光照射部の発色成分Bはマイクロカプセル内に浸透し
(及び/又は発色成分Aがマイクロカプセル外に放出さ
れ)、発色成分AとBとが反応して、非光照射部におい
てのみ発色する。一方、光照射部においては、光重合性
組成物が重合反応して硬化、固定された状態にあるた
め、発色成分A及びBは共に不動化されて接触しえず、
光照射部では発色しない。その後、さらに前記感光感熱
記録材料を全面露光することにより未重合であった領域
も重合(定着)する。
【0133】また、本発明の記録材料は、下記に示す態
様(第一及び第二の態様)の記録材料であってもよく、
その画像形成方法も各態様に応じて適宜選択できる。即
ち、第一の態様の記録材料は、光重合性組成物中に含ま
れる重合可能な化合物の少なくとも一つが、前記発色成
分B自体である態様であって、記録層は、発色成分A
と、該発色成分Aを発色させる発色成分Bを含む本発明
の光重合性組成物とを少なくとも含有してなる。ここ
で、上述した基本的態様のポジ型の感光感熱記録材料を
例に当てはめると、発色成分Bは、既述の通り、発色成
分Aを発色させる部位を有すると共にエチレン性不飽和
結合をも有し、画像様に光照射すると、該発色成分Bが
重合反応を開始し硬化して、該発色成分Bはその場で固
定され潜像を形成する。従って、光照射部では、発色成
分Bは不動化されて発色成分Aと接触できず、光照射部
では発色しない。
【0134】本発明の第二の態様の記録材料は、その記
録層が、発色成分Aと、該発色成分Aと反応して発色さ
せる発色成分Bと、前記本発明の光重合性組成物とを少
なくとも含有し、前記光重合性組成物に含まれるエチレ
ン性不飽和結合を有する重合可能な化合物(重合可能な
化合物)が、同一分子内に前記発色成分Aと発色成分B
との反応を抑制する部位(反応抑制部位)を有する発色
抑制化合物である態様である。
【0135】第二の態様の記録材料を、発色成分Aが熱
応答性のマイクロカプセルに内包された、ネガ型の感光
感熱記録材料に適用した場合の画像形成を一例として以
下に示す。本態様のネガ型の感光感熱記録材料において
は、上記第一の態様と同様、マイクロカプセルは常温下
では物質非透過性であり、発色成分AとBとは接触せ
ず、非発色状態にある。この感光感熱記録材料に対して
画像様に光を照射すると、光照射部の重合可能な化合物
の重合反応が開始し硬化して、重合可能な化合物はその
場に固定され潜像が形成される。その後、感光感熱記録
材料の全面に熱が供与されると、マイクロカプセルが物
質透過性に転移して発色成分Bはマイクロカプセル内に
浸透する(及び/又は発色成分Aがマイクロカプセル外
に放出される)が、それと同時に、非光照射部では重合
可能な化合物も発色抑制化合物としてマイクロカプセル
内に浸透し、発色成分AとBとの発色反応は抑制され
る。従って、非光照射部は非発色状態に維持される。一
方、光照射部の重合可能な化合物(発色抑制化合物)
は、重合反応によりその場に固定されているので、発色
成分A及びBの反応には関与せず発色反応が進行し、光
照射部においてのみ発色する。
【0136】本発明の記録材料による画像形成に用いる
光源としては、前記本発明の光重合性組成物の露光に使
用可能な光源と同様の光源を用いることができる。以下
に、本発明の記録材料に用いる構成成分について説明す
る。
【0137】(光重合性組成物)前記光重合性組成物
は、1)重合可能な化合物、2)一般式(I)で表され
る化合物を少なくとも含有してなり、必要に応じて、
3)前記2)の色素と相互作用してラジカル又はカチオ
ンを発生し得る化合物(ラジカル又はカチオン発生
剤)、4)他の成分を含有してなる。具体的には、本発
明の記録材料においては、既述の本発明の光重合性組成
物を含んで構成され、前記3)を含んで構成される態様
が好ましい。前記光重合性組成物に光を照射すると、前
記分光増感色素が光を吸収して前記ラジカル発生剤と相
互作用し、ラジカル発生剤はラジカルを発生する。この
ラジカルによって、前記重合可能な化合物がラジカル重
合して硬化し像形成する。
【0138】前記重合可能な化合物の詳細については、
既述の通りであり、光重合性組成物中に複数種含有させ
ることもできる。前記第一の態様の記録材料のように、
その少なくとも一つが、発色成分Aを発色させる部位を
有する発色成分Bであってもよく、この場合は後述のよ
うに同一分子内にエチレン性不飽和結合(重合性基)を
有する発色成分を用いる。一方、前記第二の態様の記録
材料のように、重合可能な化合物は、発色抑制化合物と
しての機能をも兼ねるものであってもよく、同一分子内
に、発色成分Aと該発色成分Aを発色させる発色成分B
との反応を抑制する部位を有する重合性化合物を用い
る。これらの重合可能な化合物については、記録層中に
含有される発色成分(A及びB)等とともに後述する。
【0139】記録層中における、前記光重合性組成物の
含有量としては、0.1〜50g/m2が好ましく、1
〜30g/m2がより好ましい。
【0140】(発色成分)本発明の記録材料において
は、記録層は、光重合性組成物と共に、発色源として前
記発色成分Aと発色成分Bとを含有する。前記第一の態
様の記録材料の場合には、光重合性組成物と共に発色成
分Aを含有し、該光重合性組成物側に重合可能な化合物
として含まれる発色成分Bが前記発色成分Aと反応して
発色する。画像部を構成する発色源としての発色成分A
と発色成分Bとの組合わせとしては、下記(ア)〜
(テ)の組合わせが挙げられる。尚、下記組合わせは、
発色成分A、発色成分Bの順に示した。
【0141】(ア)電子供与性染料前駆体と電子受容性
化合物との組合せ。 (イ)ジアゾ化合物とカップリング成分(以下、適宜
「カプラー化合物」と称する。)との組合せ。 (ウ)ベヘン酸銀、ステアリン酸銀等の有機酸金属塩
と、プロトカテキン酸、スピロインダン、ハイドロキノ
ン等の還元剤との組合せ。 (エ)ステアリン酸第二鉄、ミリスチン酸第二鉄等の長
鎖脂肪酸鉄塩と、タンニン酸、没食子酸、サリチル酸ア
ンモニウム等のフェノール類との組合せ。 (オ)酢酸、ステアリン酸、パルミチン酸等のニッケ
ル、コバルト、鉛、銅、鉄、水銀、銀塩のような有機酸
重金属塩と、硫化カルシウム、硫化ストロンチウム、硫
化カリウム等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属硫化
物との組合せ、又は前記有機酸重金属塩と、s−ジフェ
ニルカルバジド、ジフェニルカルバゾン等の有機キレー
ト剤との組合せ。
【0142】(カ)銀、鉛、水銀、ナトリウム等の硫酸
塩等の重金属硫酸塩と、ナトリウムテトラチオネート、
チオ硫酸ソーダ、チオ尿素等の硫黄化合物との組合せ。 (キ)ステアリン酸第二鉄等の脂肪族第二鉄塩と、3,
4−ヒドロキシテトラフェニルメタン等の芳香族ポリヒ
ドロキシ化合物との組合せ。 (ク)シュウ酸銀、シュウ酸水銀等の有機酸金属塩と、
ポリヒドロキシアルコール、グリセリン、グリコール等
の有機ポリヒドロキシ化合物との組合せ。 (ケ)ペラルゴン酸第二鉄、ラウリン酸第二鉄等の脂肪
酸第二鉄塩と、チオセシルカルバミドやイソチオセシル
カルバミド誘導体との組合せ。 (コ)カプロン酸鉛、ペラルゴン酸鉛、ベヘン酸鉛等の
有機酸鉛塩と、エチレンチオ尿素、N−ドデシルチオ尿
素等のチオ尿素誘導体との組合せ。
【0143】(サ)ステアリン酸第二鉄、ステアリン酸
銅等の高級脂肪族重金属塩とジアルキルジチオカルバミ
ン酸亜鉛との組合せ。 (シ)レゾルシンとニトロソ化合物との組合せのような
オキサジン染料を形成するもの。 (ス)ホルマザン化合物と還元剤及び/又は金属塩との
組合せ。 (セ)保護された色素(又はロイコ色素)プレカーサと
脱保護剤との組合せ。 (ソ)酸化型発色剤と酸化剤との組合せ。 (タ)フタロニトリル類とジイミノイソインドリン類と
の組合せ。(フタロシアニンが生成する組合せ。) (チ)イソシアナート類とジイミノイソインドリン類と
の組合せ(着色顔料が生成する組合せ)。 (ツ)顔料プレカーサーと酸又は塩基との組合せ(顔料
が形成する組合せ)。 (テ)パラフェニレンジアミン誘導体又はパラアミノフ
ェノール誘導体の酸化体前駆体と、カップリング成分
(カプラー化合物)との組合せ。
【0144】前記発色源としての二成分の組合せとして
は、(ア)電子供与性染料前駆体と電子受容性化合物と
の組合せ、(イ)ジアゾ化合物とカップリング成分(以
下、適宜「カプラー化合物」と称する。)との組合せ、
(セ)保護された色素(又はロイコ色素)プレカーサと
脱保護剤との組合せ、及び(テ)パラフェニレンジアミ
ン誘導体又はパラアミノフェノール誘導体の酸化体前駆
体と、カップリング成分(カプラー化合物)との組合せ
が好ましい。即ち、発色成分Aとしては、電子供与性染
料前駆体、ジアゾ化合物、色素プレカーサ又は酸化体前
駆体が好ましく、発色成分Bとしては、電子受容性化合
物、カプラー化合物又は脱保護剤が好ましい。
【0145】発色成分Aとして電子供与性無色染料前駆
体を用いる場合、電子供与性無色染料前駆体としては、
感熱紙や感圧紙等で既知の、フタリド系化合物、フルオ
ラン系化合物、フェノチアジン系化合物、インドリルフ
タリド系化合物、ロイコオーラミン系化合物、ローダミ
ンラクタム系化合物、トリフェニルメタン系化合物、ト
リアゼン系化合物、スピロピラン系化合物、ピリジン
系、ピラジン系化合物、フルオレン系化合物等の各種化
合物を挙げることができる。
【0146】フタリド系化合物としては、例えば、米国
再発行特許第23,024号、米国特許第3,491,
111号、同第3,491,112号、同第3,49
1,116号及び同第3,509,174号に記載の化
合物が挙げられ、具体的には、3,3−ビス(p−ジメ
チルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、
3,3−ビス(p−ジエチルアミノフェニル)フタリ
ド、3,3−ビス(2−メチル−1−オクチルインドー
ル−3−イル)フタリド、3−(4−ジプロピルアミノ
−2−アセチルアミノフェニル)−3−(2−メチル−
1−オクチルインドール−3−イル)−4−アザフタリ
ド、3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニ
ル)−3−(2−メチル−1−オクチルインドール−3
−イル)フタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−エ
トキシフェニル)−3−(2−メチル−1−オクチルイ
ンドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(4−
ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)−3−(1−エ
チル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフ
タリド、3,3−ビス(4−ジエチルアミノ−2−ブチ
ルオキシフェニル)−4−アザフタリド、3−(4−ジ
エチルアミノ−2−ブチルオキシフェニル)−3−(2
−メチル−1−ペンチルインドール−3−イル)−4−
アザフタリド等が挙げられる。
【0147】フルオラン系化合物としては、例えば、米
国特許第3,624,107号、同第3,627,78
7号、同第3,641,011号、同第3,462,8
28号、同第3,681,390号、同第3,920,
510号、同第3959,571号に記載の化合物が挙
げられ、具体的には、2−アニリノ−3−メチル−6−
ジエチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル
−6−ジブチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−
メチル−6−N−エチル−N−イソアミルアミノフルオ
ラン、2−アニリノ−3−メチル−6−N−メチル−N
−シクロヘキシルアミノフルオラン、2−アニリノ−3
−メチル−6−N−エチル−N−イソプチルアミノフル
オラン、2−アニリノ−6−ジブチルアミノフルオラ
ン、2−アニリノ−3−メチル−6−N−メチル−N−
テトラヒドロフルフリルアミノフルオラン等が挙げられ
る。
【0148】チアジン系化合物としては、例えば、ベン
ゾイルロイコンメチレンブルー、p−ニトロベンジルロ
イコメチレンブルー等が挙げられる。ロイコオーラミン
系化合物としては、例えば、4,4’−ビス−ジメチル
アミノベンズヒドリンベンジルエーテル、N−ハロフェ
ニル−ロイコオーラミン、N−2,4,5−トリクロロ
フェニルロイコオーラミン等が挙げられる。ローダミン
ラクタム系化合物としては、ローダミン−B−アニリノ
ラクタム、ローダミン−(p−ニトリノ)ラクタム等が
挙げられる。
【0149】スピロピラン系化合物としては、例えば、
米国特許第3,971,808号に記載の化合物が挙げ
られ、具体的には、3−メチル−スピロ−ジナフトピラ
ン、3−エチル−スピロ−ジナフトピラン3,3’−ジ
クロロ−スピロ−ジナフトピラン、3−ベンジルスピロ
−ジナフトピラン、3−メチル−ナフト−(3−メトキ
シ−ベンゾ)スピロピラン、3−プロピル−スピロ−ジ
ベンゾピラン等が挙げられる。
【0150】ピリジン系、ピラジン系化合物類として
は、例えば、米国特許第3,775,424号、同第
3,853,869号、同第4,246,318号に記
載の化合物が挙げられる。フルオレン系化合物として
は、例えば、特願昭61−240989号等に記載の化
合物が挙げられる。
【0151】シアン、マゼンタ、イエローを発色する色
素前駆体としては、米国特許第4,800,149号等
に記載の各色素前駆体を使用することができる。さら
に、イエロー発色色素用電子供与性染料前駆体として
は、米国特許第4,800,148号、同512623
3号、特公平7−88105号公報等に記載の染料前駆
体も使用することができ、シアン発色色素用電子供与性
染料前駆体としては、特開平63−53542号等に記
載の染料前駆体も使用することができる。
【0152】前記電子供与性染料前駆体を用いる場合、
該電子供与性染料前駆体を発色させる発色成分Bとして
電子受容性化合物を用いる。前記電子受容性化合物とし
ては、感熱紙や感圧紙等で既知の、フェノール誘導体、
サリチル酸誘導体、芳香族カルボン酸の金属塩、酸性白
土、ベントナイト、ノボラック樹脂、金属処理ノボラッ
ク樹脂、金属錯体等の電子受容性化合物が挙げられる。
具体的には、特公昭40−9309号、特公昭45−1
4039号、特開昭52−140483号、特開昭48
−51510号、特開昭57−210886号、特開昭
58−87089号、特開昭59−11286号、特開
昭60−176795号、特開昭61−95988号等
に記載されている。
【0153】上記のうち、例えば、フェノール誘導体と
しては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロ
パン、1,1−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェ
ニル)シクロヘキサン、4−ヒドロキシフェニル−4’
−イソプロピルオキシフェニルスルホン、ビス(3−ア
リル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、α,α’−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,4−ジイソプロ
ピルベンゼン、p−ヒドロキシ安息香酸ベンジル等を挙
げることができる。
【0154】サリチル酸誘導体としては、4−ペンタデ
シルサリチル酸、3,5−ジ(α−メチルベンジル)サ
リチル酸、3,5−ジ(tert−オクチル)サリチル
酸、5−オクタデシルサリチル酸、5−α−(p−α−
メチルベンジルフェニル)エチルサリチル酸、3−α−
メチルベンジル−5−tert−オクチルサリチル酸、
5−テトラデシルサリチル酸、4−ヘキシルオキシサリ
チル酸、4−シクロヘキシルオキシサリチル酸、4−デ
シルオキシサリチル酸、4−ドデシルオキシサリチル
酸、4−ペンタデシルオキシサリチル酸、4−オクタデ
シルオキシサリチル酸等、及びこれらの亜鉛、アルミニ
ウム、カルシウム、銅塩等を挙げることができる。
【0155】前記第一の態様の記録材料では、発色成分
Bがエチレン性不飽和結合を有する重合可能な化合物と
しても機能するものである。従って、第一の態様の記録
材料の重合可能な化合物の少なくとも一つは電子受容性
化合物であって、その分子内には電子受容性基とエチレ
ン性不飽和結合(以下、「重合性基」という。)とを含
む。この場合の発色成分Bとしては、例えば、特開平4
−226455号に記載の3−ハロ−4−ヒドロキシ安
息香酸、特開昭63−173682号に記載のヒドロキ
シ基を有する安息香酸のメタアクリロキシエチルエステ
ル、アクリロキシエチルエステル、同59−83693
号、同60−141587号、同62−99190号に
記載のヒドロキシ基を有する安息香酸とヒドロキシメチ
ルスチレンとのエステル、欧州特許29323号に記載
のヒドロキシスチレン、特開昭62−167077号、
同62−16708号に記載のハロゲン化亜鉛のN−ビ
ニルイミダゾール錯体、同63−317558号に記載
の電子受容性化合物等を参考にして合成できる化合物等
が挙げられる。
【0156】これらの電子受容性基と重合性基とを同一
分子内に有する化合物の内、下記一般式で表される3−
ハロ−4−ヒドロキシ安息香酸誘導体が好ましい。
【0157】
【化30】
【0158】前記式中、Xはハロゲン原子を表し、中で
も塩素原子が好ましい。Yは重合性エチレン基を有する
1価の基を表し、中でもビニル基を有するアラルキル
基、アクリロイルオキシアルキル基又はメタクリロイル
オキシアルキル基が好ましく、炭素数5〜11のアクリ
ロイルオキシアルキル基又は炭素数6〜12のメタクリ
ロイルオキシアルキル基がより好ましい。Zは、水素原
子、アルキル基又はアルコキシ基を表す。
【0159】前記3−ハロ−4−ヒドロキシ安息香酸と
しては、例えば、3−クロロ−4−ヒドロキシ安息香酸
エステルビニルフェネチルエステル、3−クロロ−4−
ヒドロキシ安息香酸ビニルフェニルプロピルエステル、
3−クロロ−4−ヒドロキシ安息香酸−(2−アクリロ
イルオキシエチル)エステル、3−クロロ−4−ヒドロ
キシ安息香酸−(2−メタクリロイルオキシエチル)エ
ステル、3−クロロ−4−ヒドロキシ安息香酸−(2−
アクリロイルオキシプロピル)エステル、3−クロロ−
4−ヒドロキシ安息香酸−(2−メタクリロイルオキシ
プロピル)エステル、3−クロロ−4−ヒドロキシ安息
香酸−(3−アクリロイルオキシプロピル)エステル、
3−クロロ−4−ヒドロキシ安息香酸−(3−メタクリ
ロイルオキシプロピル)エステル;
【0160】3−クロロ−4−ヒドロキシ安息香酸−
(4−アクリロイルオキシブチル)エステル、3−クロ
ロ−4−ヒドロキシ安息香酸−(4−メタクリロイルオ
キシブチル)エステル、3−クロロ−4−ヒドロキシ安
息香酸−(2−アクリロイルオキシエチル)エステル、
3−クロロ−4−ヒドロキシ安息香酸−(5−アクリロ
イルオキシペンチル)エステル、3−クロロ−4−ヒド
ロキシ安息香酸−(5−メタクリロイルオキシペンチ
ル)エステル、3−クロロ−4−ヒドロキシ安息香酸−
(6−アクリロイルオキシヘキシル)エステル、3−ク
ロロ−4−ヒドロキシ安息香酸−(6−メタクリロイル
オキシヘキシル)エステル、3−クロロ−4−ヒドロキ
シ安息香酸−(8−アクリロイルオキシオクチル)エス
テル、3−クロロ−4−ヒドロキシ安息香酸−(8−メ
タクリロイルオキシオクチル)エステル等が挙げられ
る。
【0161】さらには、例えば、スチレンスルホニルア
ミノサリチル酸、ビニルベンジルオキシフタル酸、β−
メタクリロキシエトキシサリチル酸亜鉛、β−アクリロ
キシエトキシサリチル酸亜鉛、ビニロキシエチルオキシ
安息香酸、β−メタクリロキシエチルオルセリネート、
β−アクリロキシエチルオルセリネート、β−メタクリ
ロキシエトキシフェノール、β−アクリロキシエトキシ
フェノール;
【0162】β−メタクリロキシエチル−β−レゾルシ
ネート、β−アクリロキシエチル−β−レゾルシネー
ト、ヒドロキシスチレンスルホン酸−N−エチルアミ
ド、β−メタクリロキシプロピル−p−ヒドロキシベン
ゾエート、β−アクリロキシプロピル−p−ヒドロキシ
ベンゾエート、メタクリロキシメチルフェノール、アク
リロキシメチルフェノール、メタクリルアミドプロパン
スルホン酸、アクリルアミドプロパンスルホン酸、β−
メタクリロキシエトキシ−ジヒドロキシベンゼン、β−
アクリロキシエトキシ−ジヒドロキシベンゼン、γ−ス
チレンスルホニルオキシ−β−メタクリロキシプロパン
カルボン酸;
【0163】γ−アクリロキシプロピル−α−ヒドロキ
シエチルオキシサリチル酸、β−ヒドロキシエトキニル
フェノール、β−メタクリロキシエチル−p−ヒドロキ
シシンナメート、β−アクリロキシエチル−p−ヒドロ
キシシンナメート、3,5ジスチレンスルホン酸アミド
フェノール、メタクリロキシエトキシフタル酸、アクリ
ロキシエトキシフタル酸、メタクリル酸、アクリル酸、
メタクリロキシエトキシヒドロキシナフトエ酸、アクリ
ロキシエトキシヒドロキシナフトエ酸;
【0164】3−β−ヒドロキシエトキシフェノール、
β−メタクリロキシエチル−p−ヒドロキシベンゾエー
ト、β−アクリロキシエチル−p−ヒドロキシベンゾエ
ート、β’−メタクリロキシエチル−β−レゾルシネー
ト、β−メタクリロキシエチルオキシカルボニルヒドロ
キシ安息香酸、β−アクリロキシエチルオキシカルボニ
ルヒドロキシ安息香酸、N,N’−ジ−β−メタクリロ
キシエチルアミノサリチル酸、N,N’−ジ−β−アク
リロキシエチルアミノサリチル酸、N,N’−ジ−β−
メタクリロキシエチルアミノスルホニルサリチル酸、
N,N’−ジ−β−アクリロキシエチルアミノスルホニ
ルサリチル酸、及びこれらの金属塩(例えば、亜鉛塩
等)等も好適に挙げることができる。
【0165】発色成分Aとして電子供与性染料前駆体
を、発色成分Bとして電子受容性化合物を使用する場
合、記録層中における、前記電子供与性染料前駆体の含
有量としては、0.05〜5g/m2が好ましく、0.
1〜3g/m2がより好ましい。また、前記電子受容性
化合物の使用量としては、使用する電子供与性無色染料
1質量部に対して、0.5〜20質量部が好ましく、3
〜10質量部がより好ましい。前記使用量が、0.5質
量部未満であると、十分な発色濃度を得ることができな
いことがあり、20質量部を超えると、感度が低下した
り、塗布適性が劣化することがある。
【0166】一方、発色成分Aとして、ジアゾ化合物を
用いる場合には下記式で表される化合物を用いるのが好
ましい。 Ar−N2 + ・Y- 〔式中、Arは芳香族環基を表し、Y-は酸アニオンを
表す。〕
【0167】前記式において、Arは、置換又は無置換
のアリール基を表す。置換基としては、アルキル基、ア
ルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオ
キシ基、アリールチオ基、アシル基、アルコキシカルボ
ニル基、カルバモイル基、カルボアミド基、スルホニル
基、スルファモイル基、スルホンアミド基、ウレイド
基、ハロゲン基、アミノ基、ヘテロ環基、等が挙げら
れ、これら置換基は、更に置換されていてもよい。
【0168】また、アリール基としては、炭素原子数6
〜30のアリール基が好ましく、例えば、フェニル基、
2−メチルフェニル基、2−クロロフェニル基、2−メ
トキシフェニル基、2−ブトキシフェニル基、2−(2
−エチルヘキシルオキシ)フェニル基、2−オクチルオ
キシフェニル基、3−(2,4−ジ−t−ペンチルフェ
ノキシエトキシ)フェニル基、4−クロロフェニル基、
2,5−ジクロロフェニル基、2,4,6−トリメチル
フェニル基、3−クロロフェニル基、3−メチルフェニ
ル基、3−メトキシフェニル基、3−ブトキシフェニル
基、3−シアノフェニル基、3−(2−エチルヘキシル
オキシ)フェニル基、3,4−ジクロロフェニル基、
3,5−ジクロロフェニル基、3,4−ジメトキシフェ
ニル基、
【0169】3−(ジブチルアミノカルボニルメトキ
シ)フェニル基、4−シアノフェニル基、4−メチルフ
ェニル基、4−メトキシフェニル基、4−ブトキシフェ
ニル基、4−(2−エチルヘキシルオキシ)フェニル
基、4−ベンジルフェニル基、4−アミノスルホニルフ
ェニル基、4−N,N−ジブチルアミノスルホニルフェ
ニル基、4−エトキシカルボニルフェニル基、4−(2
−エチルヘキシルカルボニル)フェニル基、4−フルオ
ロフェニル基、3−アセチルフェニル基、2−アセチル
アミノフェニル基、4−(4−クロロフェニルチオ)フ
ェニル基、4−(4−メチルフェニル)チオ−2,5−
ブトキシフェニル基、4−(N−ベンジル−N−メチル
アミノ)−2−ドデシルオキシカルボニルフェニル基、
等が挙げられる。
【0170】また、これらの基は、さらに、アルキルオ
キシ基、アルキルチオ基、置換フェニル基、シアノ基、
置換アミノ基、ハロゲン原子、ヘテロ環基等により置換
されていてもよい。
【0171】発色成分Aとして、好適に使用し得るジア
ゾ化合物としては、例えば、特開平7−276808号
公報の第44段落欄〜第49段落欄に例示されるジアゾ
化合物が挙げられる。但し、本発明においては、これら
に化合物に限定されるものではない。
【0172】ジアゾ化合物の最大吸収波長λmax として
は、450nm以下であることが効果の点から好まし
く、290〜440nmであることがより好ましい。ま
た、ジアゾ化合物は、炭素原子数が12以上であって、
水に対する溶解度が1%以下であり、かつ酢酸エチルに
対する溶解度が5%以上であることが望ましい。尚、発
色成分Aとしてのジアゾ化合物は、単独で用いてもよい
し色相調整等の諸目的に応じて2種以上を併用してもよ
い。
【0173】前記ジアゾ化合物を使用する場合、発色成
分Bとしては、カプラー化合物(重合性基を有しない)
若しくは重合性基を有するカプラー化合物を用いる。前
記両カプラー化合物は、塩基性雰囲気及び/又は中性雰
囲気でジアゾ化合物とカップリングして色素を形成する
ものであり、色相調整等種々目的に応じて、複数種を併
用することが可能である。前記重合性基を有するカプラ
ー化合物の具体例としては、カルボニル基の隣にメチレ
ン基を有するいわゆる活性メチレン化合物、フェノール
誘導体、ナフトール誘導体、アゾール誘導体、ヘテロ縮
環アゾール誘導体などが挙げられる。これらは、本発明
の目的に合致する範囲で適宜、選択して使用される。
【0174】前記重合性基を有するカプラー化合物にお
けるカプラー骨格化合物(カプラー)としては、カルボ
ニル基の隣にメチレン基を有するいわゆる活性メチレン
化合物、フェノール誘導体、ナフトール誘導体、アゾー
ル誘導体、ヘテロ縮環アゾール誘導体等のカプラーを用
いるのが好ましい。具体的には、レゾルシン、フロログ
ルシン、2,3−ジヒドロキシナフタレン、2,3−ジ
ヒドロキシナフタレン−6−スルホン酸ナトリウム、1
−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸モルホリノプロピルアミ
ド、2−ヒドロキシ−3−ナフタレンスルホン酸ナトリ
ウム、2−ヒドロキシ−3−ナフタレンスルホン酸アニ
リド、2−ヒドロキシ−3−ナフタレンスルホン酸モル
ホリノプロピルアミド、2−ヒドロキシ−3−ナフタレ
ンスルホン酸−2−エチルヘキシルオキシプロピルアミ
ド、2−ヒドロキシ−3−ナフタレンスルホン酸−2−
エチルヘキシルアミド、5−アセトアミド−1−ナフト
ール;
【0175】1−ヒドロキシ−8−アセトアミドナフタ
レン−3,6−ジスルホン酸ナトリウム、1−ヒドロキ
シ−8−アセトアミドナフタレン−3,6−ジスルホン
酸ジアニリド、1,5−ジヒドロキシナフタレン、2−
ヒドロキシ−3−ナフトエ酸モルホリノプロピルアミ
ド、2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸オクチルアミド、
2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸アニリド、5,5−ジ
メチル−1,3−シクロヘキサンジオン、1,3−シク
ロペンタンジオン、5−(2−n−テトラデシルオキシ
フェニル)−1,3−シクロヘキサンジオン、5−フェ
ニル−4−メトキシカルボニル−1,3−シクロヘキサ
ンジオン、5−(2,5−ジ−n−オクチルオキシフェ
ニル)−1,3−シクロヘキサンジオン、N,N’−ジ
シクロヘキシルバルビツール酸、N,N’−ジ−n−ド
デシルバルビツール酸;
【0176】N−n−オクチル−N’−n−オクタデシ
ルバルビツール酸、N−フェニル−N’−(2,5−ジ
−n−オクチルオキシフェニル)バルビツール酸、N,
N’−ビス(オクタデシルオキシカルボニルメチル)バ
ルビツール酸、1−フェニル−3−メチル−5−ピラゾ
ロン、1−(2,4,6−トリクロロフェニル)−3−
アニリノ−5−ピラゾロン、1−(2,4,6−トリク
ロロフェニル)−3−ベンズアミド−5−ピラゾロン、
6−ヒドロキシ−4−メチル−3−シアノ−1−(2−
エチルヘキシル)−2−ピリドン、2,4−ビス−(ベ
ンゾイルアセトアミド)トルエン、1,3−ビス−(ピ
バロイルアセトアミドメチル)ベンゼン、ベンゾイルア
セトニトリル、テノイルアセトニトリル、アセトアセト
アニリド、ベンゾイルアセトアニリド、ピバロイルアセ
トアニリド、2−クロロ−5−(N−n−ブチルスルフ
ァモイル)−1−ピバロイルアセトアミドベンゼン、1
−(2−エチルヘキシルオキシプロピル)−3−シアノ
−4−メチル−6−ヒドロキシ−1,2−ジヒドロピリ
ジン−2−オン、1−(ドデシルオキシプロピル)−3
−アセチル−4−メチル−6−ヒドロキシ−1,2−ジ
ヒドロピリジン−2−オン、1−(4−n−オクチルオ
キシフェニル)−3−tert−ブチル−5−アミノピ
ラゾール等が挙げられる。
【0177】カプラー化合物の詳細は、特開平4−20
1483号、特開平7−223367号、特開平7−2
23368号、特開平7−323660号、特開平5−
278608号、特開平5−297024号、特開平6
−18669号、特開平6−18670号、特開平7−
316280号、特開平9−216468号、特開平9
−216469号、特開平9−319025号、特開平
10−035113号、特開平10−193801号、
特開平10−264532号公報等に記載されたものも
参照できる。
【0178】カプラー化合物は、塩基性雰囲気及び/又
は中性雰囲気でジアゾ化合物とカップリングして色素を
形成するものであり、色相調整等種々の目的に応じて、
複数種を併用して用いることができる。
【0179】以下に、重合性基を有するカプラーの具体
例を示すが、本発明においては、これらに限定されるも
のではない。
【0180】
【化31】
【0181】
【化32】
【0182】
【化33】
【0183】
【化34】
【0184】
【化35】
【0185】
【化36】
【0186】
【化37】
【0187】重合性基を有しないカプラー化合物として
は、前記重合性基を有するカプラー化合物において、カ
プラー骨格化合物として列挙した化合物が挙げられる。
【0188】発色成分Aとしてジアゾ化合物を、発色成
分Bとしてカプラーを使用する場合、記録層中における
前記ジアゾ化合物の含有量としては、0.02〜5.0
g/m2が好ましく、0.05〜3.0g/m2がより好
ましい。前記含有量が、0.02g/m2 未満である
と、十分な発色濃度を得ることができないことがあり、
5.0g/m2 を超えると、塗布液の塗布適性が劣化す
ることがある。
【0189】また、前記カプラー化合物の使用量として
は、前記ジアゾ化合物1質量部に対して、0.5〜20
質量部が好ましく、1〜10質量部がより好ましい。前
記使用量が、0.5質量部未満であると、十分な発色性
を得ることができないことがあり、20質量部を超える
と、塗布適性が劣化することがある。
【0190】発色成分Bとして用いるカプラー化合物
は、その他の成分と共に水溶性高分子を添加して、サン
ドミル等により固体分散して用いることもできるが、適
当な乳化助剤とともに乳化し、乳化物として用いること
もできる。ここで、固体分散又は乳化する方法として
は、特に限定されるものではなく、従来公知の方法を使
用することができる。これらの方法の詳細については、
特開昭59−190886号、特開平2−141279
号、特開平7−17145号に記載されている。
【0191】ジアゾ化合物とカプラーとのカップリング
反応を促進する目的で、第3級アミン類、ピペリジン
類、ピペラジン類、アミジン類、フォルムアミジン類、
ピリジン類、グアニジン類、モルホリン類等の有機塩基
を用いることが好ましい。前記有機塩基としては、例え
ば、N,N’−ビス(3−フェノキシ−2−ヒドロキシ
プロピル)ピペラジン、N,N’−ビス〔3−(p−メ
チルフェノキシ)−2−ヒドロキシプロピル〕ピペラジ
ン、N,N’−ビス〔3−(p−メトキシフェノキシ)
−2−ヒドロキシプロピル〕ピペラジン、N,N’−ビ
ス(3−フェニルチオ−2−ヒドロキシプロピル)ピペ
ラジン、N,N’−ビス〔3−(β−ナフトキシ)−2
−ヒドロキシプロピル〕ピペラジン、N−3−(β−ナ
フトキシ)−2−ヒドロキシプロピル−N’−メチルピ
ペラジン;
【0192】1,4−ビス{〔3−(N−メチルピペラ
ジノ)−2−ヒドロキシ〕プロピルオキシ}ベンゼンな
どのピペラジン類、N−〔3−(β−ナフトキシ)−2
−ヒドロキシ〕プロピルモルホリン、1,4−ビス
〔(3−モルホリノ−2−ヒドロキシ)プロピルオキ
シ〕ベンゼン、1,3−ビス〔(3−モルホリノ−2−
ヒドロキシ)プロピルオキシ〕ベンゼンなどのモルホリ
ン類、N−(3−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピ
ル)ピペリジン、N−ドデシルピペリジンなどのピペリ
ジン類、トリフェニルグアニジン、トリシクロヘキシル
グアニジン、ジシクロヘキシルフェニルグアニジン、4
−ヒドロキシ安息香酸2−N−メチル−N−ベンジルア
ミノエチルエステル、4−ヒドロキシ安息香酸2−N,
N−ジ−n−ブチルアミノエチルエステル、4−(3−
N,N−ジブチルアミノプロポキシ)ベンゼンスルホン
アミド、4−(2−N,N−ジブチルアミノエトキシカ
ルボニル)フェノキシ酢酸アミド等が挙げられる。これ
らの有機塩基は、単独で用いてよいし2種以上併用して
用いてもよい。
【0193】これらは、特開昭57−123086号、
特開昭60−49991号、特開昭60−94381
号、特願平7−228731号、特願平7−23515
7号、特願平7−235158号等に記載されている。
【0194】前記有機塩基を用いる場合、有機塩基とし
て、重合性基を有する有機塩基を使用してもよい。前記
第一の態様の記録材料に、重合性基を有する有機塩基を
使用する場合は、発色成分Aとしてジアゾ化合物とカプ
ラーとを共にマイクロカプセル内に含有させ、重合性基
を有する有機塩基を前記発色成分Bとして機能させるこ
ともできる。発色成分Aとしてジアゾ化合物とカプラー
をマイクロカプセルに内包させる場合は、ジアゾ化合物
とカプラーとを、塩基が存在しないと発色反応が起こら
ない組合わせで使用する。また、前記第一の態様の記録
材料において、前記発色成分Aとしてジアゾ化合物を使
用し、前記発色成分Bとして、重合性基を有するカプラ
ーと重合性基を有する有機塩基とを併用することも可能
である。
【0195】前記有機塩基の使用量としては、特に限定
されるものではないが、ジアゾ化合物1モルに対して、
1〜30モルの範囲で使用することが好ましい。
【0196】さらに、発色反応を促進させる目的で、発
色助剤を加えることもできる。発色助剤としては、フェ
ノール誘導体、ナフトール誘導体、アルコキシ置換ベン
ゼン類、アルコキシ置換ナフタレン類、ヒドロキシ化合
物、カルボン酸アミド化合物、スルホンアミド化合物等
が挙げられる。
【0197】次に、第二の態様の記録材料で用いる重合
可能な化合物について説明する。前記第二の態様の記録
材料では、その記録層に、重合可能な化合物として、発
色成分Aと該発色成分Aと反応して発色させる発色成分
Bとの反応を抑制する部位と、エチレン性不飽和結合と
を同一分子内に有する発色抑制化合物(以下、「重合可
能な発色抑制化合物」ということがある。)を含有す
る。前記発色成分Aとして電子供与性染料前駆体を、前
記発色成分Bとして重合性基を有しない電子受容性化合
物を用いる場合、前記重合可能な発色抑制化合物として
は、電子供与性染料前駆体と電子受容性化合物との反応
を抑制する部位と、分子内に少なくとも1つのビニル基
とを有する光重合性モノマー(以下、「光重合性モノマ
ーD1」という場合がある。)を用いるのが好ましい。
【0198】前記光重合性モノマーD1としては、具体
的には、アクリル酸及びその塩、アクリル酸エステル
類、アクリルアミド類;メタクリル酸及びその塩、メタ
クリル酸エステル類、メタクリルアミド類;無水マレイ
ン酸、マレイン酸エステル類;イタコン酸、イタコン酸
エステル類;スチレン類;ビニルエーテル類;ビニルエ
ステル類;N−ビニル複素環類;アリールエーテル類;
アリルエステル類等が挙げられる。
【0199】中でも、分子内に複数のビニル基を有する
化合物が好ましく、具体的には、トリメチロールプロパ
ンやペンタエリスリトール等の多価アルコール類のアク
リル酸エステルやメタクリル酸エステル;レゾルシノー
ル、ピロガロール、フロログルシノール等の多価フェノ
ール類やビスフェノール類のアクリル酸エステルやメタ
クリル酸エステル;アクリレート又はメタクリレート末
端エポキシ樹脂;アクリレート又はメタクリレート末端
ポリエステル等が好ましい。上記のうち、エチレングリ
コールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリ
レート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペ
ンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリ
スリトールヒドロキシペンタアクリレート、ヘキサンジ
オール−1,6−ジメタクリレート又はジエチレングリ
コールジメタクリレート等が特に好ましい。
【0200】前記光重合性モノマーD1としては、その
分子量が約100〜約5000のものが好ましく、約3
00〜約2000のものがより好ましい。
【0201】前記重合可能な発色抑制化合物として、上
記光重合性モノマーD1を用いる場合、その使用量とし
ては、重合性基を有しないカプラー化合物と組合わせて
使用される電子供与性化合物1質量部に対して、0.1
〜10質量部が好ましく、0.5〜5質量部がより好ま
しい。前記使用量が、0.1質量部未満であると、露光
工程で潜像を形成することができないことがあり、10
質量部を超えると、発色濃度が低下することがある。
【0202】前記発色成分Aとしてジアゾ化合物を、前
記発色成分Bとして重合性基を有しないカプラー化合物
を用いる場合、前記重合可能な発色抑制化合物として
は、ジアゾ化合物とカプラー化合物とのカップリング反
応を抑制する酸性基と、分子内に少なくとも1つのビニ
ル基とを有する光重合性モノマー(以下、「光重合性モ
ノマーD2」ということがある。)を用いるのが好まし
い。
【0203】前記光重合性モノマーD2としては、例え
ば、スチレンスルホニルアミノサリチル酸、ビニルベン
ジルオキシフタル酸、β−メタクリロキシエトキシサリ
チル酸亜鉛、β−アクリロキシエトキシサリチル酸亜
鉛、ビニロキシエチルオキシ安息香酸、β−メタクリロ
キシエチルオルセリネート、β−アクリロキシエチルオ
ルセリネート、β−メタクリロキシエトキシフェノー
ル、β−アクリロキシエトキシフェノール、β−メタク
リロキシエチル−β−レゾルシネート、β−アクリロキ
シエチル−β−レゾルシネート、ヒドロキシスチレンス
ルホン酸−N−エチルアミド、β−メタクリロキシプロ
ピル−p−ヒドロキシベンゾエート、β−アクリロキシ
プロピル−p−ヒドロキシベンゾエート、メタクリロキ
シメチルフェノール、アクリロキシメチルフェノール、
メタクリルアミドプロパンスルホン酸、アクリルアミド
プロパンスルホン酸、β−メタクリロキシエトキシ−ジ
ヒドロキシベンゼン、β−アクリロキシエトキシ−ジヒ
ドロキシベンゼン、γ−スチレンスルホニルオキシ−β
−メタクリロキシプロパンカルボン酸;
【0204】γ−アクリロキシプロピル−α−ヒドロキ
シエチルオキシサリチル酸、β−ヒドロキシエトキニル
フェノール、β−メタクリロキシエチル−p−ヒドロキ
シシンナメート、β−アクリロキシエチル−p−ヒドロ
キシシンナメート、3,5ジスチレンスルホン酸アミド
フェノール、メタクリロキシエトキシフタル酸、アクリ
ロキシエトキシフタル酸、メタクリル酸、アクリル酸、
メタクリロキシエトキシヒドロキシナフトエ酸、アクリ
ロキシエトキシヒドロキシナフトエ酸、3−β−ヒドロ
キシエトキシフェノール、β−メタクリロキシエチル−
p−ヒドロキシベンゾエート、β−アクリロキシエチル
−p−ヒドロキシベンゾエート;
【0205】β’−メタクリロキシエチル−β−レゾル
シネート、β−メタクリロキシエチルオキシカルボニル
ヒドロキシ安息香酸、β−アクリロキシエチルオキシカ
ルボニルヒドロキシ安息香酸、N,N−ジ−β−メタク
リロキシエチルアミノサリチル酸、N,N−ジ−β−ア
クリロキシエチルアミノサリチル酸、N,N−ジ−β−
メタクリロキシエチルアミノスルホニルサリチル酸、
N,N−ジ−β−アクリロキシエチルアミノスルホニル
サリチル酸等が好適に挙げられる。
【0206】前記重合可能な発色抑制化合物として、前
記光重合性モノマーD2を使用する場合、その使用量と
しては、重合性基を有しないカプラー化合物と組合わせ
て用いられるカプラー化合物1質量部に対して、0.1
〜10質量部が好ましく、0.5〜5質量部がより好ま
しい。前記使用量が、0.1質量部未満であると、露光
工程で潜像が形成できないことがあり、10質量部を超
えると、発色濃度が低下することがある。
【0207】(マイクロカプセル)本発明の記録材料に
おいては、前記記録層中に、発色成分Aをマイクロカプ
セルに内包させた状態で含有することが好ましい。マイ
クロカプセル化する方法としては、従来公知の方法を用
いることができる。例えば、米国特許第2800457
号、同28000458号に記載の親水性壁形成材料の
コアセルベーションを利用した方法、米国特許第328
7154号、英国特許第990443号、特公昭38−
19574号、同42−446号、同42−771号等
に記載の界面重合法、米国特許第3418250号、同
3660304号に記載のポリマー析出による方法、米
国特許第3796669号に記載のイソシアネートポリ
オール壁材料を用いる方法、米国特許第3914511
号に記載のイソシアネート壁材料を用いる方法、米国特
許第4001140号、同4087376号、同408
9802号に記載の尿素−ホルムアルデヒド系、尿素ホ
ルムアルデヒド−レゾルシノール系壁形成材料を用いる
方法、米国特許第4025455号に記載のメラミン−
ホルムアルデヒド樹脂、ヒドロキシブロビルセルロース
等の壁形成材料を用いる方法、特公昭36−9168
号、特開昭51−9079号に記載のモノマーの重合に
よるin situ法、英国特許第952807号、同
965074号に記載の電解分散冷却法、米国特許第3
111407号、英国特許第930422号に記載のス
プレードライング法等が挙げられる。
【0208】マイクロカプセル化する方法はこれらに限
定されるものではないが、特に、発色成分Aをカプセル
の芯となる疎水性の有機溶媒に溶解又は分散させ調製し
た油相を、水溶性高分子を溶解した水相と混合し、ホモ
ジナイザー等の手段により乳化分散した後、加温するこ
とによりその油滴界面で高分子形成反応を起こし、高分
子物質のマイクロカプセル壁を形成させる界面重合法を
採用することが好ましい。この方法によれば、短時間内
に均一な粒径のカプセルを形成することができ、生保存
性にすぐれた記録材料とすることができる。
【0209】高分子を形成するリアクタントは、油滴内
部及び/又は油滴外部に添加される。高分子物質の具体
例としては、ポリウレタン、ポリウレア、ポリアミド、
ポリエステル、ポリカーボネート、尿素−ホルムアルデ
ヒド樹脂、メラミン樹脂、ポリスチレン、スチレンメタ
クリレート共重合体、スチレン−アクリレート共重合体
等が挙げられる。中でも、ポリウレタン、ポリウレア、
ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネートが好まし
く、ポリウレタン、ポリウレアが特に好ましい。上記の
高分子物質は、2種以上併用して用いることもできる。
【0210】前記水溶性高分子としては、例えば、ゼラ
チン、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール等
が挙げられる。例えば、ポリウレタンをカプセル壁材と
して用いる場合には、多価イソシアネート及びそれと反
応してカプセル壁を形成する第2物質(例えば、ポリオ
ール、ポリアミン)を水溶性高分子水溶液(水相)又は
カプセル化すべき油性媒体(油相)中に混合し、これら
を乳化分散した後、加温することにより油滴界面で高分
子形成反応が生じ、マイクロカプセル壁を形成すること
ができる。
【0211】上記多価イソシアネート及びそれと反応す
る相手のポリオール、ポリアミンとしては、米国特許第
3281383号、同3773695号、同37932
68号、特公昭48−40347号、同49−2415
9号、特開昭48−80191号、同48−84086
号に記載されているものを使用することができる。
【0212】発色成分Aを含有するマイクロカプセルを
調製する際、マイクロカプセルに内包する発色成分A
は、該カプセル中に溶液状態で存在していても、固体状
態で存在していてもよい。発色成分Aをマイクロカプセ
ル中に溶液状態で内包させる場合、発色成分Aを疎水性
の有機溶媒に溶解した状態でカプセル化すればよい。有
機溶媒の使用量としては、発色成分A100質量部に対
して、1〜500質量部が好ましい。
【0213】前記疎水性の有機溶媒としては、一般に、
リン酸エステル、フタル酸エステル、アクリル酸エステ
ル、メタクリル酸エステル、その他のカルボン酸エステ
ル、脂肪酸アミド、アルキル化ビフェニル、アルキル化
ターフェニル、塩素化パラフィン、アルキル化ナフタレ
ン、ジアリルエタン、常温で固体の化合物、オリゴマー
オイル、ポリマーオイル等が挙げられる。具体的には、
特開昭59−178451〜同59−178455号、
同59−178457号、同60−242094号、同
63−85633号、特開平6−194825号、同7
−13310号〜同7−13311号、同9−1060
39号の各公報及び特願昭62−75409号明細書に
記載の有機溶剤が挙げられる。
【0214】また、カプセル化しようとする発色成分A
の前記有機溶媒に対する溶解性が劣る場合には、溶解性
の高い低沸点溶媒を補助的に併用することもできる。こ
の低沸点溶媒としては、例えば、酢酸エチル、酢酸プロ
ピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、メチレンクロラ
イド等が挙げられる。
【0215】一方、用いる水相には水溶性高分子を溶解
した水溶液を使用し、これに前記油相を投入後、ホモジ
ナイザー等の手段により乳化分散を行うが、該水溶性高
分子は分散を均一に、かつ容易にするとともに、乳化分
散した水溶液を安定化させる分散媒として作用する。こ
こで、更に均一に乳化分散し安定化させるためには、油
相あるいは水相の少なくとも一方に界面活性剤を添加し
てもよい。界面活性剤は周知の乳化用界面活性剤が使用
可能である。また、界面活性剤を添加する場合には、界
面活性剤の添加量は、油相の質量に対して0.1%〜5
%、特に0.5%〜2%であることが好ましい。
【0216】発色成分Aをマイクロカプセル化する場
合、マイクロカプセルの平均粒子径は、20μm以下が
好ましく、高解像度を得る観点から5μm以下であるこ
とがより好ましい。形成したマイクロカプセルが小さす
ぎると、一定固形分に対する表面積が大きくなり多量の
壁剤が必要となるため、上記平均粒子径は0.1μm以
上であることが好ましい。
【0217】本発明の光重合性組成物は、上述の本発明
の記録材料のほか、インキ、カラーフィルタ、ホログラ
ム、プルーフ、封止剤、接着剤、平板印刷、樹脂凸版、
フォトレジスト等をはじめとする広い分野に利用でき、
各々の用途に応じて、その他の成分を添加してもよい。
また、本発明の記録材料以外に利用する場合には、3)
重合可能な化合物は、上述のように発色成分B及び発色
抑制化合物として機能する必要はなく、エチレン性不飽
和結合を有する重合可能な化合物を広く利用することが
できる。
【0218】多色の記録材料の場合、支持体上に単色記
録層を複数積層して構成され、各記録層にそれぞれ発色
色相の異なる発色成分A(マイクロカプセルに内包され
ていてもよい。)と、各発色成分Aと反応して発色させ
る部位を分子内に有する発色成分B(重合性基を有して
いてもよい。)と、それぞれ異なる波長の光に感光し潜
像形成する光重合性組成物と、を含有させることにより
多色の記録材料とすることができる。即ち、光重合性組
成物にそれぞれ異なる吸収波長を有する分光増感色素を
使用することにより、異なる波長の光に感光する光重合
性組成物とすることができる。この場合、各単色の記録
層間に中間層を設けることもできる。
【0219】本発明の多色の多層記録材料の記録層は、
例えば、以下のようにして形成することができる。イエ
ロー発色する発色成分AYを内包するマイクロカプセル
と、発色成分AYを発色させる発色成分BYと、光源中心
波長λ1に感光し潜像形成する光重合性組成物とを含有
した第1の記録層を支持体上に設け、その層上に、マゼ
ンタ発色する発色成分AMを内包するマイクロカプセル
と、発色成分AMを発色させる発色成分BMと、光源中心
波長λ2に感光し潜像形成する光重合性組成物とを含有
した第2の記録層を設け、さらにその層上に、シアン発
色する発色成分ACを内包するマイクロカプセルと、発
色成分ACを発色させる発色成分BCと、光源中心波長λ
3に感光し潜像形成する光重合性組成物とを含有した第
3の記録層を設けて積層構造とした多層記録層α、さら
に必要に応じて、この多層記録層αの各層間に中間層を
設けた記録層β等により構成される。
【0220】前記多色の多層記録層を有する記録材料を
用いて画像形成する場合、画像様に露光する過程で、各
記録層の吸収波長に適合した、波長の異なる複数の光源
を用いて画像露光することにより、光源の吸収波長を有
する記録層が選択的にそれぞれ潜像を形成するため、多
色画像を高感度、かつ高鮮鋭に形成することができる。
【0221】(支持体)前記支持体としては、通常の感
圧紙や感熱紙、乾式や湿式のジアゾ複写紙などに用いら
れる紙支持体はいずれも使用することができる他、酸性
紙、中性紙、コート紙、プラスチックフィルムラミネー
ト紙、合成紙、プラスチックフィルムなどを使用するこ
とができる。
【0222】本発明の記録材料は、平版印刷、樹脂凸
板、プリント基盤作製用レジスト又はフォトマスク、白
黒又はカラーの転写発色用シート若しくは発色シート作
製等の用途に好適に用いられる。例えば、本発明の記録
材料を、感光感熱発色シートに応用する場合は、各成分
を、個々にあるいは数種類の成分を組合わせて、適当な
溶媒に溶解又は分散させて溶液又は分散液を調製し、こ
れを混合して塗布液として、紙やプラスチックフィルム
等の支持体上に塗布し、乾燥することにより作製するこ
とができる。例えば、所定の成分をマイクロカプセル化
する場合は、いずれかの成分が内包されたマイクロカプ
セル分散液を調製し、別途、他の成分を溶媒に分散又は
溶解させた液を調製して、これを混合して塗布液とする
ことができる。塗布液の調製においては、ホモジナイザ
ー等を用いて各成分を好ましい分散状態にすることがで
きる。尚、塗布及び乾燥の方法としては、従来公知の方
法にて行うことができる。
【0223】本発明の記録材料は、潜像を形成するため
の露光と同時に、或いは、露光後に、加熱現像処理を行
うことにより画像形成することができる。加熱現像処理
する際の加熱方法としては、従来公知の方法を用いるこ
とができ、一般に、その加熱温度としては、80〜20
0℃が好ましく、85〜130℃がより好ましい。加熱
時間としては、1秒〜5分が好ましく、3秒〜1分がよ
り好ましい。
【0224】加熱現像処理後、記録層全面を光照射する
ことにより、未重合であった領域も重合し形成画像を定
着し、かつ記録層中に残存する分光増感色素等の地肌部
の白色性を低下させる成分を消色、分解又は失活させる
ことが好ましい。本発明の記録材料は、従来のものと比
較してより短い画像定着処理で、地肌部の残色等を防止
し、地肌部の白色度をより向上させることができる。
【0225】また、上記方法により画像形成する際、上
記画像形成中に材料全面を発色温度未満の所定温度で均
一に予熱する過程を設けることにより、さらに感度を向
上することができる。また、前記記録方法のみならず、
公知の他の記録方法にも使用することができる。
【0226】上記のように、現像液等の使用が不要、か
つ廃棄物の発生のない完全ドライの処理系において、紫
外光のみならず可視光〜赤外光を用いた高感度な画像記
録が可能であり、鮮明で高コントラストな白黒乃至カラ
ーの画像を形成することができる。
【0227】
【実施例】以下に、本発明の実施例を説明するが、本発
明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
尚、以下の実施例において、特に断りのない限り、
「%」は「質量%」を意味する。
【0228】[実施例1〜13]下記に示す表1の通
り、前記例示の分光増感色素(一般式(I)又は一般式
(II)で表される化合物)及び有機ホウ素化合物を用
い、下記組成の光重合性組成物を調製した。 <光重合性組成物の組成> ・ペンタエリスリトールテトラアクリレート 1.41g ・メタクリル酸ベンジル/メタクリル酸 1.29g (モル比73/27共重合体) ・メチルエチルケトン 12g ・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 8.62g ・分光増感色素(表1に記載の例示化合物) 1×10-4モル ・有機ホウ素化合物(表1に記載の化合物) 6×10-4モル ・2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体 2×10-3モル ・メタノール 6g 尚、表1及び表2中のボレート(1)〜(3)は、下記
の有機ホウ素化合物である。
【0229】
【化38】
【0230】上記で調製した光重合性組成物の各々を、
厚さ100μmのPET(ポリエチレンテレフタレー
ト)フィルム上に塗布し100℃で5分間乾燥して、厚
さ2μmの塗膜を形成した。その上に、更に下記保護層
用塗布液(1)を塗布し100℃で2分間乾燥して、厚
さ1μmの塗膜を形成し、実施例1〜13に係わる感光
材料(1)〜(13)を作製した。
【0231】 <保護層用塗布液(1)の組成> ・水 98g ・ポリビニルアルコール 1.7g ・ヒドロキシプロピルメチルセルロース 1.7g ・ポリビニルピロリドン 8.7g
【0232】[比較例1〜3]実施例1で用いた分光増
感色素(例示化合物No.1)を、表1に示す通り、下
記に示す分光増感色素d−1〜d−3のいずれかに代え
たこと以外は、実施例1と同様にして比較例1〜3に係
わる感光材料(14)〜(16)を作製した。
【0233】
【化39】
【0234】<画像形成及び評価>上記で作製した実施例
1〜13の感光材料(1)〜(13)及び比較例1〜3
の感光材料(14)〜(16)を、それぞれ真空焼枠装
置を用いて露光した。感光材料への露光は、富士写真フ
イルム(株)製の「富士ステップガイドP」及び「SC
38フィルター」(380nm以下の光をカットするシ
ャープカットフィルター)を通して、500Wキセノン
ランプ(ウシオ(株)製)で10秒間光を照射すること
により、ステップウエッジ(濃度段差0.15、濃度段
数1〜15段)に行った。露光後、下記組成の現像液を
用いて、感光材料を各々現像した。
【0235】 <現像液の組成> ・無水炭酸ソーダ 10g ・ブチルセロソルブ 5g ・水 1l
【0236】上記現像により、ステップウエッジの高い
段数に相当する領域への露光量は少ないため、該領域の
光重合性組成物は現像液中に溶出し、ポリエチレンテレ
フタレート(PET)面が露出した。各々の実施例の感
光材料について、光重合性組成物が完全に溶出しPET
面が露出した領域を調べ、最も露光量の多かった領域に
相当するステップウェッジの段数(クリア段数)を求め
た。求めた段数が高い程、感光材料の感度が高いことを
意味する。結果を下記の表1に示す。ここで、感度が低
く露光したすべての領域に亙って光重合性組成物が現像
液中に溶出した場合は、表中に“流れ”と表示した。
尚、下記表1中の分光増感色素の欄の番号(No.)
は、既述の一般式(I)又は一般式(II)で表される化
合物の番号(No.)に相当する。以下、表2において
も同様である。
【0237】
【表1】
【0238】上記表1の結果から、分光増感色素として
一般式(I)又は一般式(II)で表される化合物を用い
た本実施例の感光材料(1)〜(13)では、高感度に
画像形成することができた。一方、本発明で規定する上
記分光増感色素を用いなかった、比較例の感光感光材料
(14)〜(16)では、十分な感度を得ることはでき
なかった。
【0239】<感光感熱記録材料の作製> [実施例14] <電子供与性無色染料(1)内包マイクロカプセル液の
調製>酢酸エチル18.4gに、イエロー発色の下記電
子供与性無色染料(1)4.4gを溶解し、カプセル壁
剤(武田薬品工業(株)製の商品名「タケネートD−1
10N」)21部とカプセル壁剤(日本ポリウレタン工
業(株)製の商品名「ミリオネートMR200」)0.
7部とを添加した。得られた溶液を、8%のフタル化ゼ
ラチン52gと10%のドデシルベンゼンスルホン酸ナ
トリウム溶液0.3gとの混合液中に添加した後、温度
20℃で乳化分散し乳化液を得た。得られた乳化液に
1.1%テトラエチレンペンタミン水溶液54gを加
え、攪拌しながら60℃に加温し、2時間経過後、電子
供与性無色染料(1)を芯とする、平均粒径0.5μm
のマイクロカプセル液を得た。更に、固形分が25%と
なるように加水して調整した。
【0240】
【化40】
【0241】<光重合性組成物乳化液(1)の調製>重合
性基を有する下記電子受容性化合物(1)及び(2)の
混合物100.0g(混合比率は50:50)と、分光
増感色素(表2に記載の例示化合物)1.4×10-3
ルと、下記熱重合禁止剤(ALI)0.1gとを酢酸イ
ソプロピル(水への溶解度4.3%)125.0g中で
42℃にて溶解し混合溶液(I)とした。この混合溶液
(I)中に、下記ヘキサアリールビイミダゾール(1)
〔2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,
5,5’テトラフェニル−ビイミダゾール〕18.0g
を添加し42℃にて溶解し、混合溶液(II)とした。上
記混合溶液(II)を、8%ゼラチン水溶液300.0g
と、下記10%界面活性剤(1)水溶液17.4gとの
混合溶液中に添加し、ホモジナイザー(日本精機(株)
製)を用いて回転数10000回転で5分間乳化し、光
重合性組成物乳化液(1)を得た。その後、40℃で3
時間脱溶媒処理を行った後、固形分30%に調整した。
【0242】
【化41】
【0243】
【化42】
【0244】<記録層用塗布液(I)の調製>前記電子供
与性無色染料(1)内包マイクロカプセル液6.3部
と、前記光重合性組成物乳化液(1)9.5部と、15
%ゼラチン水溶液1.8部とを混合し、更に、水6.3
部を加え、記録層用塗布液(I)を調製した。
【0245】<保護層用塗布液の調製>18%ゼラチン水
溶液8.8部と、蒸留水7.0部と、下記2%界面活性
剤(2)水溶液0.4部と、下記2%界面活性剤(3)
水溶液1.2部と、2%ビニルスルホン系化合物(硬膜
剤)水溶液8.8部と、20%「ジュリマーAC10L
A」(日本純薬(株)製のポリアクリル酸)1.8部と
を混合し、保護層用塗布液を調製した。
【0246】
【化43】
【0247】厚さ198μmのWP支持体上に、コーテ
ィングバーを用いて塗布層全体の乾燥質量が、4.8g
/m2になるように、前記記録層用塗布液(I)を塗
布、乾燥させて記録層を形成した。この記録層上に、コ
ーティングバーを用いて塗布層の乾燥質量が2g/m2
になるように、前記保護層用塗布液(1)を積層塗布し
乾燥して、実施例14に係わる感光感熱記録材料(a)
を得た。
【0248】[実施例15〜19]実施例14で用いた
分光増感色素(例示化合物No.4)を、表2に示す通
り、各々前記例示の分光増感色素(一般式(I)又は一
般式(II)で表される化合物)に代えたこと、及び実施
例17を除き有機ホウ素化合物(表1に記載の化合物)
8.2×10-3モルを添加したこと以外、実施例14と
同様にして実施例15〜19に係わる感光感熱記録材料
(b)〜(f)を得た。
【0249】[比較例4〜6]表2に示す通り、実施例
14で用いた分光増感色素(例示化合物)を添加しなか
った、或いは前記分光増感色素d−3に代えたこと以外
は、実施例14と同様にして、比較例4〜6に係わる感
光感熱記録材料(g)〜(i)を得た。
【0250】上記より得られた感光感熱記録材料(a)
〜(i)について、以下のようにして画像形成した。こ
こでは、感光感熱記録材料(a)を例に記載する。前記
感光感熱記録材料(a)に対して、その保護層側から波
長405nmの半導体レ―ザー光を用いて、最大照射エ
ネルギーを12mJ/cm2とし順々に照射エネルギー
が変わるようにステップウェッジ状の画像形状に露光し
た(露光工程)。続いて、上記露光により潜像が形成さ
れた感光感熱記録材料(a)を、110℃の熱板上で1
0秒間加熱した後(発色工程)、更に38000lux
の蛍光灯照射機を用いて記録層の表面全体を30秒間光
照射した(定着工程)。すると、感光感熱記録材料
(a)〜(f)の記録層では、イエローが鮮明に発色
し、地肌部の白色性の高いステップウェッジ状のイエロ
ー画像が得られた。
【0251】<感度の評価>感度は、各感光記録材料の地
肌部を形成するまでに要するエネルギー(地肌部を形成
するまでのエネルギー)を算出し、感度を示す指標とし
た。該数値の小さい程、高感度であることを示す。以上
の評価結果を下記の表2に示す。
【0252】
【表2】
【0253】上記表2の結果から、分光増感色素として
一般式(I)又は一般式(II)で表される化合物を用い
た実施例14〜19の感光感熱記録材料(a)〜(f)
では、高感度が得られ、鮮明で高コントラストな画像を
形成することができた。一方、本発明で規定する上記分
光増感色素を用いなかった、比較例4〜6の感光感熱記
録材料(g)〜(i)では、高感度が得られなかった。
【0254】
【発明の効果】本発明によれば、紫外光のみならず可視
光〜赤外光に対して高感度に感応し得る光重合性組成物
を提供することができる。また、現像液等の使用が不要
で、且つ廃棄物の発生のない完全なドライ処理系で、紫
外光のみならず可視〜赤外光を用いた高感度な画像記録
が可能で且つ鮮明で高コントラストな白黒乃至カラー画
像を形成し得る記録材料を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 忠久 神奈川県南足柄市中沼210番地 富士写真 フイルム株式会社内 Fターム(参考) 2H025 AA01 AA02 AB09 AB20 AC01 AC08 AD03 BC13 BC42 BC83 BC84 CA18 CA28 CA37 CA39 CA48 CC14 CC20 DA10 4J011 QA02 QA03 QA05 QA06 QA08 QA09 QA13 QA22 QA23 QA26 QA34 QA39 QA42 QA43 QB04 QB12 QB13 QB15 QB17 QB19 QB24 SA74 SA76 SA78 SA83 SA86 SA89 UA02 WA01

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重合可能な化合物と、下記一般式(I)
    又は一般式(II)で表される化合物の少なくとも1種
    と、を含有することを特徴とする光重合性組成物。 【化1】 〔一般式(I)及び一般式(II)中、R1〜R12は夫々
    独立に水素原子、置換基を有してもよい飽和又は不飽和
    のアルキル基、アラルキル基、アリール基、飽和又は不
    飽和のアルキルオキシ基、アラルキルオキシ基、アリー
    ルオキシ基、飽和又は不飽和のアルキルチオ基、アラル
    キルチオ基、アリールチオ基、アミノ基、ジアルキルア
    ミノ基、ジアリールアミノ基、ハロゲン原子を表す。R
    1〜R12は更に不飽和の含窒素複素環基を表し、環内窒
    素原子がベンゼン環と結合する。またR1〜R12の基
    は、各々隣接する基と共に飽和乃至不飽和の環を形成し
    てもよい。X、Y、Zは夫々独立に酸素原子、硫黄原子
    又は一置換窒素原子を表す。P及びL1〜L3は、置換基
    を有してもよい芳香環又は複素芳香環からなる2価の連
    結基を表す。Qは1,3,5−ベンゼントリイル基又は
    窒素原子を表す。nは1以上の整数を表す。a、b、c
    は0及び1以上の整数を表すが、Qが窒素原子のとき
    は、1以上の整数を表す。〕
  2. 【請求項2】 重合可能な化合物と、一般式(I)又は
    一般式(II)で表される化合物の少なくとも1種と、一
    般式(I)又は一般式(II)で表される化合物の少なく
    とも1種と相互作用してラジカル又はカチオンを発生し
    得る化合物と、を含有することを特徴とする請求項1に
    記載の光重合性組成物。
  3. 【請求項3】 前記ラジカル又はカチオンを発生し得る
    化合物が、有機ホウ素化合物、ヨードニウム塩、スルホ
    ニウム塩、鉄アレン錯体、S−トリアジン誘導体、有機
    過酸化物、チタノセン、トリアリールイミダゾール二量
    体及びアジニウム塩より選択される少なくとも一種であ
    る請求項2に記載の光重合性組成物。
  4. 【請求項4】 前記ラジカル又はカチオンを発生し得る
    化合物が、トリアリールイミダゾール二量体及び/又は
    有機ホウ素化合物である請求項2に記載の光重合性組成
    物。
  5. 【請求項5】 前記重合可能な化合物がエチレン性不飽
    和結合を有する重合可能な化合物であり、前記ラジカル
    又はカチオンを発生し得る化合物が、トリアリールイミ
    ダゾール二量体及び/又は有機ホウ素化合物である請求
    項2に記載の光重合性組成物。
  6. 【請求項6】 前記有機ホウ素化合物が、下記一般式
    (A)で表される化合物である請求項3から5のいずれ
    か1項に記載の光重合性組成物。 【化2】 〔一般式(A)中、Ra1〜Ra4は、夫々独立に脂肪族
    基、芳香族基、複素環基、又は−Si(Ra5)(Ra6)−R
    a7を表し、Ra5〜Ra7は、夫々独立に脂肪族基、芳香族
    基を表す。G+は、陽イオンを形成し得る基を表す。〕
  7. 【請求項7】 支持体上に、少なくとも、発色成分A
    と、該発色成分Aと反応して発色させる部位を有する発
    色成分Bと、請求項1から6のいずれか1項に記載の光
    重合性組成物と、を含有する記録層が設けられたことを
    特徴とする記録材料。
  8. 【請求項8】 重合可能な化合物の少なくとも一つが、
    前記発色成分Bである請求項7に記載の記録材料。
  9. 【請求項9】 重合可能な化合物の少なくとも一つが、
    同一分子内に前記発色成分Aと発色成分Bとの反応を抑
    制する部位を有する発色抑制化合物である請求項7に記
    載の記録材料。
  10. 【請求項10】 前記発色成分Aが、マイクロカプセル
    に内包されている請求項7から9のいずれか1項に記載
    の記録材料。
  11. 【請求項11】 中心波長λ1の光に感光する第1の記
    録層、中心波長λ2の光に感光し第1の記録層と異なる
    色に発色する第2の記録層、………、中心波長λiの光
    に感光し第1、第2、・・・、及び第i−1の記録層と
    異なる色に発色する第iの記録層の順に積層された多層
    記録層構造を有する請求項7から10のいずれか1項に
    記載の記録材料。
JP2001246705A 2001-08-15 2001-08-15 光重合性組成物及びそれを用いた記録材料 Pending JP2003057817A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001246705A JP2003057817A (ja) 2001-08-15 2001-08-15 光重合性組成物及びそれを用いた記録材料

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001246705A JP2003057817A (ja) 2001-08-15 2001-08-15 光重合性組成物及びそれを用いた記録材料

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003057817A true JP2003057817A (ja) 2003-02-28

Family

ID=19076195

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001246705A Pending JP2003057817A (ja) 2001-08-15 2001-08-15 光重合性組成物及びそれを用いた記録材料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003057817A (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005257828A (ja) * 2004-03-10 2005-09-22 Okamoto Kagaku Kogyo Kk 感光性組成物およびそれを用いた感光性平版印刷版
WO2006016724A2 (en) * 2004-08-12 2006-02-16 Fujifilm Corporation Liquid-crystalline compounds, compositions and thin films
WO2006035807A1 (ja) * 2004-09-28 2006-04-06 Fujifilm Corporation パターン形成材料、並びにパターン形成装置及びパターン形成方法
JP2006249155A (ja) * 2005-03-08 2006-09-21 Fuji Photo Film Co Ltd インク組成物、インクジェット記録方法、印刷物、平版印刷版の作製方法及び平版印刷版
US7763883B2 (en) * 2005-04-13 2010-07-27 Fujifilm Corporation Image display device
US7763181B2 (en) 2005-09-07 2010-07-27 Fujifilm Corporation Optical compensation film, method of producing the same, and polarizing plate and liquid crystal display device using the same
US7989037B2 (en) 2006-10-06 2011-08-02 Fujifilm Corporation Composition, retardation plate, and liquid-crystal display device
US8025933B2 (en) 2004-09-27 2011-09-27 Fujifilm Corporation Retardation plate, elliptically polarizing plate and liquid crystal display

Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005257828A (ja) * 2004-03-10 2005-09-22 Okamoto Kagaku Kogyo Kk 感光性組成物およびそれを用いた感光性平版印刷版
JP4620369B2 (ja) * 2004-03-10 2011-01-26 岡本化学工業株式会社 感光性組成物およびそれを用いた感光性平版印刷版
US7696353B2 (en) 2004-08-12 2010-04-13 Fujifilm Corporation Compound, composition and thin film
WO2006016724A3 (en) * 2004-08-12 2006-03-30 Fuji Photo Film Co Ltd Liquid-crystalline compounds, compositions and thin films
WO2006016724A2 (en) * 2004-08-12 2006-02-16 Fujifilm Corporation Liquid-crystalline compounds, compositions and thin films
US8304554B2 (en) 2004-08-12 2012-11-06 Fujifilm Corporation Compound, composition and thin film
US8025933B2 (en) 2004-09-27 2011-09-27 Fujifilm Corporation Retardation plate, elliptically polarizing plate and liquid crystal display
WO2006035807A1 (ja) * 2004-09-28 2006-04-06 Fujifilm Corporation パターン形成材料、並びにパターン形成装置及びパターン形成方法
JPWO2006035807A1 (ja) * 2004-09-28 2008-05-15 富士フイルム株式会社 パターン形成材料、並びにパターン形成装置及びパターン形成方法
JP2006249155A (ja) * 2005-03-08 2006-09-21 Fuji Photo Film Co Ltd インク組成物、インクジェット記録方法、印刷物、平版印刷版の作製方法及び平版印刷版
JP4619833B2 (ja) * 2005-03-08 2011-01-26 富士フイルム株式会社 インクジェット記録用インク組成物、インクジェット記録方法、印刷物、平版印刷版の作製方法及び平版印刷版
US7763883B2 (en) * 2005-04-13 2010-07-27 Fujifilm Corporation Image display device
US7763181B2 (en) 2005-09-07 2010-07-27 Fujifilm Corporation Optical compensation film, method of producing the same, and polarizing plate and liquid crystal display device using the same
US7989037B2 (en) 2006-10-06 2011-08-02 Fujifilm Corporation Composition, retardation plate, and liquid-crystal display device

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2003114520A (ja) 光重合性組成物及びそれを用いた記録材料
US6713523B2 (en) Photopolymerizable composition and photosensitive thermal recording material
JP4068809B2 (ja) 光重合性組成物及び記録材料
JP2002363207A (ja) 光重合性組成物及びそれを用いた記録材料
JP2002363206A (ja) 光重合性組成物及びそれを用いた記録材料
JP2002363208A (ja) 光重合性組成物及びそれを用いた記録材料
JP2002363209A (ja) 光重合性組成物及びそれを用いた記録材料
JP4244274B2 (ja) 光重合性組成物及び記録材料
US7220529B2 (en) Photopolymerizable composition and recording material using the same
US20020051926A1 (en) Cyanine-based organic dyes, photopolymerizable compositions, and recording materials
JP2003057817A (ja) 光重合性組成物及びそれを用いた記録材料
JP2002293844A (ja) 光重合性組成物及び記録材料
JP2001209176A (ja) 光重合性組成物およびそれを用いた記録材料
US6824953B2 (en) Photopolymerizable composition and recording material
JP2002229195A (ja) 光重合性組成物及びそれを用いた記録材料
JP4237916B2 (ja) 光重合性組成物及びそれを用いた記録材料
JP2003076003A (ja) 記録材料
JP2002189295A (ja) 光重合性組成物及びそれを用いた記録材料
JP4369032B2 (ja) 光重合性組成物及び感光感熱記録材料
JP4173645B2 (ja) 光重合性組成物及び記録材料
JP2003076002A (ja) 記録材料
JP2002322207A (ja) 光重合性組成物及び記録材料
JP2004361557A (ja) 記録材料
JP2001226605A (ja) 光重合性組成物及び記録材料
JP2002293039A (ja) 画像形成材料および画像形成方法