JPH0577130U - スタッカの休止装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ブームの浮上りを簡単にかつ短時間で防止で
き、もって迅速にスタッカの休止状態に移行できるスタ
ッカの休止装置を提供する。 【構成】 旋回フレーム５上に俯仰可能に設けられたブ
ーム７を俯かせ、そのブーム７の先端を地上に設置した
休止架台２に旋回不能に嵌合させる。このときブーム７
の浮上りを防止するために、旋回フレーム５上にブロッ
ク１３を起倒自在に設け、このブロック１３によりブー
ム７の支点Ｏより後方部を支えるようにした。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、バラ物の積付けに使用されるスタッカの休止装置に係り、特に、休 止中のブームの浮上りを防止できるスタッカの休止装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

一般に、石炭等のバラ物を貯蔵ヤードに積上げるスタッカにおいては、長期間 作業を休止する場合、ブームが風を受けて旋回し積山と衝突することがないよう に、ブームの旋回を拘束しておく必要がある。従来、このような暴風対策として は、図５に示すように、予めスタッカ１から所定距離離れた地表面ｗ上に休止架 台２を設置し、この休止架台２上にブーム７を俯かせて、そのブーム７の先端を 架台２に旋回不能に嵌合させる方法が採られている。即ち、休止架台２は図６に 示す如く支柱２ａ，２ａ上に略コ字状のブロック２ｂを設けて構成されており、 このブロック２ｂの溝２ｃ内にブーム７の先端を上方より嵌合させることで、ブ ーム７の両側への移動を拘束する。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、通常、スタッカにおいては、俯仰用の油圧シリンダ８ (図５) が故 障等した場合でもブーム７が下って積山等と衝突しないように、ブーム７の重心 は俯仰中心 (支点) Ｏよりも後方に位置されている。そのため、ブーム７を油圧 シリンダ８により俯かせていても、そのシリンダ８のリークにより徐々にブーム ７が浮上り、ブーム７の先端が休止架台２から外れ、ブーム７の旋回を拘束でき なくなってしまう。

【０００４】 この問題を解消するため、ブーム７先端を休止架台２にロープｒ (図６) 等で 固縛してブーム７の浮上りを防止することがなされるが、このような作業は運転 席から離れた遠方での作業となるため、極めて煩雑で時間のかかる大変な作業で ある。

【０００５】 本考案は上記事情を考慮してなされたもので、その目的は、ブームの浮上りを 簡単にかつ短時間で防止でき、もって迅速にスタッカを休止できるスタッカの休 止装置を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、本考案は、旋回フレーム上に俯仰可能に設けられ たブームを俯かせ、そのブームの先端を地上に設置した休止架台に旋回不能に嵌 合させるスタッカの休止装置において、上記旋回フレーム上に、上記ブームの浮 上りを防止すべくそのブームの支点より後方部を支えうるブロックを起倒自在に 設けたものである。

【０００７】

【作用】

上記構成によれば、旋回フレーム上にブロックを起倒自在に設けたので、その ブロックを起立させブームの支点より後方部を支えるだけで、ブームの浮上りを 防止することができる。

【０００８】

【実施例】

以下、本考案の実施例を添付図面に基づいて詳述する。

【０００９】 図１に、本考案が適用されるスタッカの一例を示す。図において、３は地表面 ｗ上に敷設されたレールで、そのレール３，３の両側には石炭等のバラ物を貯蔵 するための貯蔵ヤードＹが区画されている。レール３，３上には、貯蔵ヤードＹ にバラ物を積込むためのスタッカ１が設けられ、このスタッカ１と所定距離離れ た位置には従来と同様の休止架台２が設置されている。

【００１０】 上記スタッカ１は、レール３，３上に走行自在に設けられた走行フレーム４と 、走行フレーム４上に旋回自在に設置された旋回フレーム５と、旋回フレーム５ 上に支持ピン６を介して俯仰自在に設けられたブーム７と、ブーム７を俯仰させ て所定の俯角乃至仰角を得る俯仰用油圧シリンダ８と、ブーム７上に設置されバ ラ物を搬送するブームコンベア９と、ブーム７の重心を俯仰中心よりも後方に位 置させるためのバラストタンク１０とから主に構成されている。

【００１１】 上記旋回フレーム５上には、図２及び図３に示すように、一対の棒状のブロッ ク１３，１３が設けられている。これらブロック１３，１３は、ブーム７の浮上 りを防止するためのもので、上記支持ピン６より後方側に起倒自在に設けられて いる。即ち、旋回フレーム５上には、軸受１４を介して連結シャフト１５が回転 自在に設けられ、その連結シャフト１５の両端部にブロック１３の基端が固定さ れる。連結シャフト１５は、上記支持ピン６と平行配置され、これによりブロッ ク１３をブーム７の俯仰方向と同方向に回動させる。各ブロック１３の側面には 、その回動を規制するためのエンドストッパ１６が取付けられる。このエンドス トッパ１６は、ブロック１３の軸線がブーム７の俯仰中心Ｏに対して描かれる仮 想円の接線方向に一致したとき、旋回フレーム５上に当接して回動を規制する。

【００１２】 旋回フレーム５上には、また図４に示すように、取付台１７を介して油圧シリ ンダ１８が支持されている。この油圧シリンダ１８は、上記ブロック１３を起立 状態と倒伏状態とに切り替えるためのもので、ロッドに枢支されたアーム１９を 介して連結シャフト１５の中間部に連結されている。

【００１３】 図２に示すように、ブーム７の下部には、各ブロック１３に対応して棒状の受 け部２０が取付けられている。この受け部２０は、ブロック１３によるブーム７ の支持箇所となるもので、起立状態のブロック１３と一直線をなすように突出さ れる。

【００１４】 なお、図２中、２１は旋回フレーム５上に設けられブロック１３の倒伏状態を 検出するためのリミットスイッチ、２２は受け部２０の下端に取付けられブロッ ク１３の起立状態を検出するための近接スイッチである。

【００１５】 次に、上記構成における作用について述べる。

【００１６】 スタッカ１を休止する場合、まず、走行フレーム４を所定位置まで走行させ、 図１に二点鎖線で示す如く油圧シリンダ８によりブーム７を俯かせる。これによ りブーム７の先端が下がって休止架台２に嵌合すると、次に、図２及び図３に実 線矢で示す如くブロック１３，１３を起立させる。即ち、油圧シリンダ１８の往 動によりアーム１９を介して連結シャフト１５を回動させ、ブロック１３，１３ を起立方向に回動させる。ブロック１３，１３が所定角度状態で起立すると、エ ンドストッパ１６が旋回フレーム５上面に当接して回動が規制されると同時に、 その状態が近接スイッチ２２により検出されて油圧シリンダ１８の作動が停止さ れる。かくして、その後に俯仰用油圧シリンダ８のリークによりブーム７が浮上 してきても、ブロック１３に受け部２０が当接することによりブーム７の浮上り は阻止され、ブーム７の先端は常に休止架台２に嵌合した状態に保たれる。

【００１７】 逆に、スタッカを運転する場合には、俯仰用油圧シリンダ８によりブーム７を 若干俯かせる。これによりブーム７の後方部が上昇し、受け部２０がブロック１ ３から離反すると、ブロック１３，１３を図２に破線矢で示す如く倒伏させる。 即ち、油圧シリンダ１８の複動により連結シャフト１５を上述と逆に回転させ、 ブロック１３，１３を倒伏方向に回動させる。ブロック１３，１３が倒伏状態と なると、この状態がリミットスイッチ２１により検出されて、油圧シリンダ１８ の作動が停止される。かくして、ブーム７は俯仰可能状態となり、通常の貯蔵ヤ ードＹへのバラ物の積込作業が行えるようになる。

【００１８】 以上、本実施例によれば、旋回フレーム５上にブロック１３，１３を起倒自在 に設け、これらブロック１３，１３によりブーム７の後方部を支えるようにした ので、スタッカ１の休止に際し、両ブロック１３，１３を起立させるだけで、簡 単かつ迅速にブーム７の浮上りを防止することができ、ブーム７を旋回不能状態 でスタッカ１を休止させることができる。しかも、ブロック１３の起立・倒伏の 切替えは油圧シリンダ１８により行うようにしたので、スタッカ１の運転室１１ 内での遠隔操作が可能で、従来のような人手による作業は不要となり、安全確実 に休止状態に移行することができる。

【００１９】

【考案の効果】

以上要するに本考案によれば、旋回フレーム上にブロックを起倒自在に設け、 スタッカ休止時にブロックを起立させてブームの後方部を支えるようにしたので 、簡単かつ短時間でブームの浮上りを防止することができ、速やかにスタッカを 休止することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例が適用されるスタッカの概略
構成を示す正面図である。

【図２】図１の要部を拡大して示す正面図である。

【図３】図２のＡ−Ａ矢視平面図である。

【図４】図３のＢ−Ｂ矢視拡大断面図である。

【図５】従来のスタッカの休止装置の概略構成を示す図
である。

【図６】休止架台の概略構成を示す図である。

【符号の説明】

１ スタッカ ２ 休止架台 ４ 走行フレーム ５ 旋回フレーム ６ 支持ピン ７ ブーム １３ ブロック １５ 連結シャフト １８ 油圧シリンダ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 旋回フレーム上に俯仰可能に設けられた
   ブームを俯かせ、該ブームの先端を地上に設置した休止
   架台に旋回不能に嵌合させるスタッカの休止装置におい
   て、上記旋回フレーム上に、上記ブームの浮上りを防止
   すべくそのブームの支点より後方部を支えうるブロック
   を起倒自在に設けたことを特徴とするスタッカの休止装
   置。