JPH057666U - 加工食品の包装体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 通気性及び内面が耐水性、耐油性、熱接着性
を有する紙基材内面に吸水紙を熱接着した包装用シ−ト
を用いて、電子レンジの調理に適し、しかもゴミの量と
しても少なく、焼却に際しても有害物質を発生させない
加工食品の包装体を得る。 【構成】 包装体(６)で包装された加工食品を電子レン
ジで加熱すると、加工食品より水蒸気が発生するが、紙
基材(１)は通気性を有しているので、水蒸気は外部へ逃
がされ、加工食品の表面がベタツクことはない。また加
工食品の加熱により流れ出る水分、油分は、紙基材(１)
の内面に熱接着(３)された吸水紙(２)により吸収され、
紙基材(１)の内面は耐水性、耐油性を有しているので、
これらが紙基材(１)に浸透し、外部へしみ出るようなこ
とはない。これによりより加工食品は、ふっくらと仕上
がり、加工食品の味覚が損なわれることはない。さらに
包装体(６)は紙基材(１)で形成されているので、ゴミの
量としても少なく、焼却処理も容易に行うことができ
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、電子レンジによる加熱調理に適した、ハンバ−ガ−等の加工食品の 包装体に関する。

【０００２】

【従来の技術】

近年、電子レンジの家庭への普及に伴い、種々の加工食品(ハンバ−ガ−、シ ュ−マイ等)が販売されている。

【０００３】 従来、これら加工食品の販売には、その包装に食品用ラップフィルムや発泡ポリ スチレンシ−トの成形容器が用いられていた。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、加工食品を食品用ラップフィルムで包装されたものは、電子レ ンジで加熱する時、フィルム内面に食品より発生した水蒸気が結露して、ベタツ キを生じ、食品の味覚を損なうという問題があった。

【０００５】 また加工食品の包装に発泡ポリスチレンシ−トの成形容器を用いたものも、上 記と同様な問題が生じていた。

【０００６】 したがって従来では、加工食品を電子レンジで調理するには、その包装をいっ たん解いて、加工食品を電子レンジ用の皿等に移しかえて加熱していたので、そ の手間が大変であった。

【０００７】 さらに発泡ポリスチレンシ−トの成形容器にあっては、嵩張るため容器輸送コ ストやゴミによる環境破壊の問題があって改善が望まれていた。

【０００８】 本考案は、従来の技術が有するこのような問題点に鑑み、電子レンジの調理に 適し、しかもゴミの量としても少なく加工食品の包装体を提供することを目的と している。

【０００９】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するため、本考案の加工食品の包装体は、通気性及び内面が耐 水性、耐油性、熱接着性を有する紙基材の内面に吸水紙を熱接着した包装用シ− トの、その中央部で折り曲げた際に重なり合う辺を熱シ−ルして加工食品の挿入 部を設けたことを特徴としている。

【００１０】

【作用】

本考案の包装体を用いて包装された加工食品を電子レンジで加熱すると、加工 食品より水蒸気が発生するが、紙基材は通気性を有しているので、水蒸気は外部 へ逃がされ、加工食品の表面がベタツクことはない。

【００１１】 また加工食品の加熱により流れ出る水分、油分は、紙基材の内面に熱接着され た吸水紙により吸収され、紙基材の内面は耐水性、耐油性を有しているので、こ れらが紙基材に浸透し、外部へしみ出るようなことはない。

【００１２】 これらにより加工食品は、ふっくらと仕上がり、加工食品の味覚が損なわれる ことはない。

【００１３】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。 図１において、(１)は通気性を備え、内面に例えば、アイオノマー等の熱接着 性樹脂のエマルジョンを、通気性を損なわないように塗布および低温乾燥するこ とにより(溶融、造膜させない)、耐水性、耐油性、熱接着性を付与した紙基材で ある。紙基材としては、例えば、商品名「ＭＦＤ」(三島製紙(株)製)、商品名「 通気性ヒ−トシ−ル紙ＫＨ−６０」((株)興人製)を用いることができる。

【００１４】 紙基材(１)の内面には、紙基材(１)の約１／４の幅にわたる吸水紙(２)が、そ の両側端部にて熱接着(３)されており、これにより包装用シ−ト(４)が形成され る。

【００１５】 包装用シ−ト(４)には、その中央部で折り曲げられた後、幅方向に８mm程度の 熱シ−ル(５)が行われる。そして熱シ−ル(５)の端部で切断することにより本考 案の包装体(６)が得られる。

【００１６】 吸水紙(２)の熱接着(３)、及び包装用シ−ト(４)の熱シ−ル(５)は、紙基材( １)の内面が熱接着性を有しているので、それらは容易に行われる。

【００１７】 包装体(６)は、図２に示す如く、その中央部で折り曲げた際に重なり合う一方 の側辺(７)を熱シ−ルして、上方、右方に加工食品の挿入部(８)が設けられる構 成となっている。

【００１８】 また図３に示す如く、包装体(６)を中央部で折り曲げた際に重なり合う上下辺 (９)、(10)を熱シ−ルして、左方、右方に加工食品の挿入部(８)が設けられる構 成としても良い。

【００１９】 なお図３に示す包装体(６)を形成するには、図１において紙基材(１)をその中 央部で折り曲げた際に重なり合う上下辺(９)、(10)を熱シ−ルして、その幅方向 に適宜間隔をおいて切断すれば良い。

【００２０】 次に、実施例の作用について説明する。 ここでは、加工食品の一例としてハンバ−ガ−(11)について説明するが、その 他シュ−マイ、ホットドック、中華まん等電子レンジで加熱調理できる加工食品 であれば何でも良い。

【００２１】 図４に示す如く、通常ハンバ−ガ−(11)は包装体(６)の挿入部(８)から挿入さ れ、包装されて販売されている。 包装されたハンバ−ガ−(11)を購入して家庭に持ち帰り、包装体(６)を解かず 電子レンジで加熱調理する。

【００２２】 加熱調理時、ハンバ−ガ−(11)からは水蒸気が発生するが、包装体(６)を構成 する紙基材(１)は通気性を有しているので、水蒸気は逃がされ、ハンバ−ガ−(1 1)の表面にベタツキが起こることはない。

【００２３】 またハンバ−ガ−(11)の加熱により流れ出る水分、油分は紙基材(１)の内面に 熱接着された吸水紙(２)により吸収され、紙基材(１)の内面は耐水性、耐油性を 有しているので、これらが紙基材(１)に浸透し、外部へしみ出るようなことはな い。

【００２４】 このように、本考案の包装体(６)で包装されたハンバ−ガ−(11)は家庭に持ち 帰っても、その包装を解かずに直接電子レンジで加熱調理できるので、手間がか からず、しかもその味覚は損なわれることはない。

【００２５】 さらに、紙基材(１)の内面は熱接着性を有しているので、吸水紙(２)の熱接着 、包装用シ−トの熱シ−ルを簡単に行うことができ、包装体(６)の加工性が良好 となる。

【００２６】 そのうえ包装体(６)は紙基材(２)で形成されているので、ゴミの量としても少 なく、焼却処理も容易に行うことができる。

【００２７】

【考案の効果】

本考案は上記した構成を有しているので、以下の様な効果を有している。

【００２８】 (１) 本考案の包装体に包装された加工食品は、直接電子レンジで加熱調理がで きるので、その手間が簡単である。

【００２９】 (２) 紙基材は通気性を有しているので、電子レンジでの加熱調理時、加工食品 から発生する水蒸気は逃がされ、これにより加工食品の表面にはベタツキが起こ らず、味覚が損なわれることはない。

【００３０】 (３) 紙基材の内面は耐水性、耐油性を有し、吸水紙を熱接着しているので、加 工食品から流れ出る水分、油分が紙基材に浸透し、外部へしみ出るようなことは ない。

【００３１】 (４) 紙基材の内面は熱接着性を有しているので、吸水紙の熱接着、熱シ−ルが 簡単に行え、包装体の加工性が良好となる。

【００３２】 (５) 包装体は紙基材で形成されているので、ゴミの量としても少なく、焼却処 理も容易に行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案包装体の実施例を示す紙基材の内面図で
ある。

【図２】本考案包装体の実施例を示す斜視図である。

【図３】本考案包装体の別の実施例を示す斜視図であ
る。

【図４】本考案包装体に加工食品を挿入する状態を示す
図である。

【符号の説明】

(１)紙基材 (２)吸水紙 (３)熱接着 (４)包装用シ−ト (５)熱シ−ル (６)包装体 (７)包装体の側辺 (８)加工食品の挿
入部 (９)包装体の上辺 (10)包装体の下辺 (11)ハンバ−ガ−

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 【請求項１】 通気性及び内面が耐水性、耐油性、熱接
   着性を有する紙基材の内面に吸水紙を熱接着した包装用
   シ−トの、その中央部で折り曲げた際に重なり合う辺を
   熱シ−ルして加工食品の挿入部を設けたことを特徴とす
   る加工食品の包装体。