JPH088732Y2

JPH088732Y2 - 加熱調理用包装容器の蓋

Info

Publication number: JPH088732Y2
Application number: JP1990079802U
Authority: JP
Inventors: 喜八郎墨
Original assignee: スミ株式会社
Priority date: 1990-07-30
Filing date: 1990-07-30
Publication date: 1996-03-13
Anticipated expiration: 2005-07-30
Also published as: JPH0439604U

Description

【考案の詳細な説明】産業上の利用分野本考案は、加熱調理用包装容器の蓋に関し、さらに詳
しくは、蓋を容器本体にかぶせ食品を包装した状態でオ
ーブンおよびレンジ等の加熱調理機器で加熱することに
よって食品を調理するための包装容器の蓋に関する。

従来の技術、考案が解決しようとする問題点近年、オーブン、ガスレンジおよび電子レンジ等の加
熱調理機器が家庭内に普及するに至り、これに対応した
インスタント食品が数々販売されるようになった。

かかるインスタント食品は、熱可塑性合成樹脂等の包
装容器に包装された形態で販売され、蓋を除去した後、
内容物の食品は容器本体とともにオーブンおよびレンジ
等の加熱調理機器で加熱調理するようにされているのが
一般的である。

これに対し、最近、フィルム又はシート等の蓋を熱可
塑性合成樹脂製の容器本体にかぶせたまま加熱調理機器
で加熱調理すれば、すぐに食べられるようにされている
インスタント食品が販売されだした。

しかし、この場合、特に蓋が熱可塑性合成樹脂製の容
器本体にホッチキス、セロテープ等で固定されていたり
嵌合せしめられており、密閉されたものである場合、そ
のまま加熱調理機器で加熱すると、食品から発生する水
蒸気、内部に蓄積する熱、又は、空気の膨張等により、
容器の内圧が著しく上昇して容器の蓋が脱離するか乃至
は容器の変形が生じてしまい、そのために加熱も十分行
なえないときもある。また蓋が脱離した場合には、容器
内の水分のほとんどが蒸発して、食味を著しく損ね、甚
しい場合には内容物の食品が変質し、焼損する場合が多
い。

かかる加熱調理用包装容器の欠点を解消するために、
容器の蓋の上部に通気孔を１箇所又は数箇所穿孔し、加
熱時に生じる熱、水蒸気、膨張した空気を逃がすように
したものが提案されている。

しかし、容器の蓋に孔があいていると容器内部に常
に、塵埃、虫等の異物が混入するおそれがあり、又、外
気の自由な出入を許すため食品衛生・保存の見地からも
好ましくない。

そのため、販売時は前記の孔をシール等でふさいで、
加熱調理する前にこれを剥がすようにしたものも提案さ
れているが、該シールを剥がす手間がかかり、又、該シ
ールを剥がし忘れた場合は、やはり前記のような加熱調
理用包装容器の加熱時の容器の変形等と同様な問題が残
されてしまう。

問題点を解決するための手段、作用本考案者は、このような従来の包装容器の欠点を解決
すべく鋭意検討を重ねた結果、本考案に到達した。

すなわち、本考案は、それぞれが熱可塑性合成樹脂製
の容器本体と蓋とから成る加熱調理用の包装容器の蓋に
おいて、蓋の上面に２本の対向するスリットが設けら
れ、該スリットのうち少くとも一方のスリットが他方の
スリットの側（がわ）に湾曲せしめられていることを特
徴とする加熱調理用の包装容器の蓋である。

本考案において、スリットは、蓋の上面の材料を貫通
し、実質的に幅のない裂け目である。

他方のスリットの側に湾曲せしめられる一方のスリッ
ト（以下湾曲スリットと記す）は曲線が小さい−す
なわち、湾曲の程度の小さい曲線であってもよく、ま
た、この曲線の形状に沿うような複数の互に連接する直
線であってもよい。また前記の曲線は、たとえば、円、
楕円および長円などの周であってもよい。

２本のスリットをともに湾曲スリットとすることがで
きるが、この場合に２本のスリットは互に実質的に同じ
形状であってもよく、また互に相異していてもよい。

また、一方のスリットが直線であり、他方のスリット
が湾曲スリットであってもよい。

２本のスリットの両端間の距離（以下“全長”と記
す）は互に実質的に等しくされるのが、一般であるが、
互に相異していてもよい。

また、２本のスリットのそれぞれの両端を結ぶ直線々
分は、通常は実質的に平行とされるが、平行でなくても
よい。

２本のスリットで挟まれた部分は撥形片とされ、一般
にこの撥形片はその全長のほゞ中間部が最も狭い幅とさ
れている。

加熱調理用の包装容器をその内容物とともに加熱し
て、容器内の空気の膨張および内容物からの水蒸気の発
生などにより容器の内圧が上昇した際に、撥形片の最も
幅の狭い部分が持ち上げられて蓋の上面との間に間隙を
生じ、この間隙から容器内がほぼ常圧になるまで、容器
内の空気および水蒸気が排出される。

スリットの長さ、２本のスリット同士の間隔およびス
リットの曲率の大きさは、蓋の材質、厚さ、内容物の含
水率および量などにより適宜選択される。

本考案の包装容器の蓋は、通常、実用上、熱可塑性合
成樹脂シート、熱可塑性合成樹脂フィルム同士の積層シ
ートおよび熱可塑性合成樹脂フィルムと金属箔との積層
シートなどの熱可塑性合成樹脂系シートなどの熱可塑性
合成樹脂系材料から好ましくは真空又は圧空成形等のプ
レス成形法により製造される。

蓋と容器本体とは、たとえば、両者の開口周縁での相
互の嵌合、該周縁同士のホッチキスおよび粘着テープな
どによる係止ならびに該周縁に張り出しを設け、この張
り出し同士を接着や熱融着によって固着するなどによっ
て互に結合させて包装容器とされる。

なお、容器の気密度が高い場合、例えば蓋と容器本体
との結合が嵌合による場合に、本考案は最も効果的に使
用される。

なお、容器本体も、蓋と同様に加熱調理機器での加熱
に耐えうる熱可塑性合成樹脂系材料で製造されている。

実施例図面を参照しつつ、本考案の実施例を説明する。な
お、本考案はこれらの実施例に限定されるものではな
い。

第１図は、本考案の１実施態様を示すためのものであ
って、本考案の蓋を使用した加熱調理用の包装容器の斜
視図である。

すなわち、共に熱可塑性合成樹系シートをプレス成形
して得られた容器本体１および蓋２は、凹条の嵌合部３
で互に嵌合せめられて、加熱調理用の包装容器を構成す
る。なお、蓋２の上面は長方形の４隅が丸くされた形状
とされている。

蓋の上面には、２本の対向するスリット４、５が設け
られている。スリット４、５は互に相手方の側に、小さ
な曲率で湾曲せしめられた曲線である。

２本のスリットで挟まれた部分が撥形片６とされる。

この加熱調理用包装容器が、その内容物とともに加熱
されて、包器内の内圧が上昇すると撥形片６の中間部の
最も幅の狭い部分が持ち上げられて蓋の上面との間に間
隙７を生じ、容器内の内圧がほぼ常圧となるまで容器内
の水蒸気および空気がこの間隙７から放出される。

第２図はスリットの種々の態様を示すためのものであ
って、蓋の平面図である。

ここにおける蓋２の上面は４隅が丸くされた実質的な
正方形である。

第２図において（イ）（ハ）および（ホ）はいずれも
２本のスリットうちの一方が直線状のスリット８であ
り、他方のスリット５は８の側に湾曲せしめられている
湾曲スリットである。

また、（ロ）（ニ）および（ヘ）はいずれも２本のス
リット４、５はどちらも互に相手方に湾曲せしめられて
いる湾曲スリットであり、また、互に対称である。

（イ）および（ロ）において湾曲したスリット４およ
び５は、それぞれ大きな半径の−すなわち−曲率の小さ
い一円周である。

（ハ）および（ニ）において湾曲スリット４および５
は、それぞれ曲率の小さい曲線に沿うように、互に実質
的に等しい長さの２本の直線が連接されたものである。

（ホ）および（ヘ）において湾曲スリット４および５
は、それぞれ曲率の小さい曲線に沿うように、それぞれ
３本の直線が連接されている。このうち中間部の１本の
直線は、相手方のスリットの中間部の１本の直線と実質
的に平行とされ、他の２本の直線はこの中間部の１本の
直線に連接され、かつ、外方（相手方のスリットとは逆
の方向）に向けられている。

また、これらの２本のスリットはその全長は互に実質
的に等しく、かつ、互に実質的に平行である。

考案の効果以上詳述の通り、本考案によれば、加熱前は容器への
塵埃および虫などの異物の侵入を防ぎ、加熱時には内容
物の発生する熱、蒸気などの容器内での蓄積を防止して
容器の変形、ならびに内容物の変質、焼損および食味の
低下などを防ぐことができ、加熱調理用インスタント食
品の包装に特に好適な包装容器が提供される。

また本考案の蓋は、製造が容易であるとの利点をも有
する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の１実施態様を示すものであって、本考
案の蓋を使用した加熱調理用の包装容器の斜視図であ
る。第２図は線状のスリットの種々の態様を示すためのもの
であって、蓋の平面図である。図面において１……容器本体２……蓋３……嵌合部 4,5……湾曲スリット６……撥形片７……間隙８……直線状のスリット

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】それぞれが熱可塑性合成樹脂製の容器本体
と蓋とから成る加熱調理用の包装容器の蓋において、蓋
の上面に２本の対向するスリットが設けられ、該両スリ
ットは互いに離間せしめられ、また、該スリットのうち
の少なくとも一方のスリットが他方のスリットの側に湾
曲せしめられ、かつ、該両スリットの間には、その最も
幅の狭い部分が、容器の内圧の上昇時には持上げられ、
また常態では蓋の上面と実質的に同一な面とされる撥形
片が形成されて成ることを特徴とする加熱調理用包装容
器の蓋。
【請求項２】一方のスリットが１本の直線で、他方のス
リットが該一方のスリットの側に湾曲せしめられた請求
項（１）記載の加熱調理用包装容器の蓋。
【請求項３】２本のスリットが互いに相手方のスリット
の側に湾曲せしめられた請求項（１）記載の加熱調理用
包装容器の蓋。
【請求項４】湾曲せしめられたスリットが曲線である請
求項（１）記載の加熱調理用包装容器の蓋。
【請求項５】湾曲せしめられたスリットが複数の直線を
連接させた線である請求項（１）記載の加熱調理用包装
容器の蓋。
【請求項６】湾曲せしめられたスリットが２本の直線を
連接させた線である請求項（１）または請求項（５）記
載の加熱調理用包装容器の蓋。
【請求項７】湾曲せしめられたスリットが３本の直線を
連接させた線である請求項（１）または請求項（５）記
載の加熱調理用包装容器の蓋。