JP3002228U - 電子レンジ調理用食品の収納体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目 的】 電子レンジに入れて直接加熱しても破裂す
ることがないうえ、流通過程で食品が乾燥したり、湿気
を帯びて変質するようなことがなく、また食品の水分や
油分が滲み出たり、ソースやケチャップなどの調味液が
漏れ出ることのない電子レンジ調理用食品の収納体を提
供する。 【構 成】 ポリエチレンなどによる不通気性シート１
を袋状に形成して、上面中央に蒸発水分調節孔２を二カ
所形成し、アルミ箔よりなるシール材３を剥離可能に貼
付する。裏側にはセルロース系繊維よりなる不織布４を
積層し、加熱時に発生する水蒸気を吸着する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、肉まん、あんまん、ぎょうざ、たこ焼き、焼きそば、チキンナゲッ ト、ハンバーグ等の電子レンジ調理用食品の収納体に関する。

【０００２】

【従来技術】

近年、手軽に利用できる食品として、電子レンジで加熱することによってすぐ に食べられる電子レンジ調理用食品が多用されるようになってきた。これらの食 品は通常、収納体に入れられ、電子レンジで加熱調理するときには、そのまゝ電 子レンジに入れることも多い。しかしながら、食品が真空包装された食品である 場合にはことに、そのまゝ電子レンジに入れて加熱すると、内圧上昇により破裂 し、電子レンジ内で食品が飛散するようになる。そこで、こうした食品では、包 装体の一部につま楊枝等で孔を開けるか、収納体から一旦取出して他の容器に移 し、その上よりフィルムを被せてラップしたのち、電子レンジに入れている。

【０００３】 電子レンジで直接加熱される食品の収納体に破砕防止のため、予め孔を開けて おいたものも知られる（特開昭６２−２７５４１５号）。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

電子レンジで直接加熱するため、収納体に孔を開けるのは、つま楊枝等孔を開 けるための道具が必要で、孔の開け方が不十分であると、調理中に内圧が上昇し て破裂するおそれがある。 また、収納体に予め孔を開けておくのも、流通過程で食品が乾燥したり、食品 の水分や油分が滲み出たり、ソースやケチャップなどの調味液が漏れ出たりする おそれがある。

【０００５】 本考案は、上記の問題を解消した電子レンジ調理用食品の収納体を提供するこ とを目的とする。

【０００６】

【課題の解決手段及び作用】

本考案の電子レンジ調理用食品の収納体はそのため、不通気性シートからなり 、適所に一ないし複数の蒸発水分調節孔を設けると共に、該孔に剥離可能なシー ル材を貼付したことを特徴とする。 本考案によれば、収納体が不通気性シートからなり、しかも蒸発水分調節孔は シール材でシールされているため、流通過程で食品が乾燥したり、湿気を帯びて べと付くようなことがなく、また真空包装が可能で、食品の変質を防ぐこともで きる。

【０００７】 電子レンジで直接加熱するときには、シール材を剥がすことにより、水蒸気が 放散されて食品のべと付きがなくなり、破裂も防止される。 本考案において、蒸発水分調節孔は、食品の種類や大きさに応じて数やサイズ が調節される。 収納体は袋物であってもよいし、箱状又は円筒状であってもよく、その形態を 問わない。

【０００８】 本考案の収納体に用いられる不通気性シートとしては、例えば薄葉紙などの紙 にポリエチレンやポリプロピレンを薄くラミネートしたもの、ポリエチレン、ポ リプロピレン、ポリエステルなどの単独又は積層フィルムなどを用いることがで きる。 シール材にも上述するような不通気性シートを使用できるほか、紙やアルミ箔 を使用することもでき、シート状で不通気性シートに貼付可能なものであればよ く、その材質を問わない。加熱調理するときには、シール材は剥がされるため、 電子レンジ加熱できない材質でも何等差し支えがない。こうしたシール材は、好 ましくは表面に印刷をするか、或いは紙やアルミ箔のように不通気性シートより の区別が容易で、目立ち易いものが使用される。

【０００９】 シール材はまた、好ましくは剥がすときに指で摘み易いように耳片が形成され る。 蒸発水分調節孔は、加熱調理時に発生する水蒸気が放散され易いように、収納 体の上面中央部に或いは上面の一部に偏ることなく形成するのが望ましい。 別の電子レンジ調理用食品の収納体では、上述する収納体の不通気性シートの 裏側（食品側）に紙や不織布等よりなる吸水性シートが積層される。

【００１０】 この収納体によれば、加熱調理時に食品から出た水蒸気が紙や不織布等の吸水 性シートに吸収されるようになり、加熱調理後の冷却により水蒸気が収納体内壁 に結露し、これが食品に付着して食品表面が水濡れ状態となるのを防ぐことがで き、また油脂食品の場合、油のべと付きを防ぐことができる。 こゝで用いられる吸水性シートは、吸水性を有するものであれば、例えば合成 繊維を親水化処理したものであってもよいが、食品の安全性、衛生上の面から添 加剤や処理剤を含まず、吸水性や保水性を有するパルプ、繊維又は再生セルロー ス繊維などのセルロース系繊維の乾式法又は湿式法で製造された不織布よりなる ものが好ましい。

【００１１】 この収納体において、蒸発水分調節孔は、不通気性シートに吸水性シートを積 層後に開け、両シートに形成されるようにしてもよいし、不通気性シートに開け たのち、吸水性シートを積層し、不通気性シートのみに形成されるようにしても よい。

【００１２】

【実施例】

図１に示す食品収納体は、ポリエチレンよりなる不通気性シート１を袋状に形 成し、上面中央部に蒸発水分調節孔２を二カ所開け、アルミ箔よりなるシール材 ３を剥離可能に貼付して両孔を塞いだものである。 図２は、蒸発水分調節孔２を上面の対称位置に形成し、シール材３をそれぞれ 貼付してなるものである。

【００１３】 図３に示す食品収納体は、図１に示す収納体の不通気性シート１の裏側（食品 側）に吸水性シートとしてセルロース系繊維よりなる不織布シート４を積層した ものである。

【００１４】

【考案の効果】

本考案は以上のように構成され、次のような効果を奏する。 請求項１記載の収納体によれば、シール材を貼付した状態においては、不通気 性を有するため、流通過程で食品が乾燥したり、湿気を帯びるようなことがなく 、食品の品質を長期に亘って維持することができるうえ、食品の水分や油分が滲 み出たり、ソースやケチャップなどの調味液が漏れ出たりするようなおそれがな く、また、電子レンジにそのまゝ入れて加熱調理するときには、シール材を剥が すことにより、加熱時の水蒸気が飛散されて調理後、冷却したときの結露が少な くなり、結露水による食品のべと付きが少ないうえ、収納体の破裂防止をするこ とができる。

【００１５】 請求項２記載の収納体において、加熱調理時に食品から出た水蒸気が吸水性シ ートに吸収されるため、調理後、冷却したときの結露を防ぐことができ、これに より食品表面が水や脂でべと付くのを防ぐことができる。 請求項３記載の収納体においては、食品の種類やサイズに適した数やサイズの 蒸発水分調節孔が形成されるため、調節孔が不十分で、加熱調理時に水蒸気の飛 散が十分でなくなって、食品表面がべと付いたり、収納体が破裂するおそれがな くなるばかりか、調節孔が必要以上に大きくなって水蒸気が必要以上に放散され 、食品がぱさぱさとするようなこともない。

【００１６】 請求項４記載の収納体においては、シール材を容易に区別することができ、シ ール材の有無を容易に確認することができる。 請求項５記載の収納体においては、耳片を設けたことによりシール材を容易に 剥がすことができる。 請求項６記載の収納体においては、加熱しても食品の安全や衛生に何等問題を 生じない。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案に係る収納体の断面図。

【図２】 本考案に係る別の収納体の断面図。

【図３】 本考案に係る更に別の収納体の断面図。

【符号の説明】

１・・・不通気性シート ２・・・蒸発水
分調節孔 ３・・・シール材 ４・・・不織布
シート

Claims (6)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 不通気性シートからなり、適所に一ない
   し複数の蒸発水分調節孔を設けると共に、該孔に剥離可
   能なシール材を貼付したことを特徴とする電子レンジ調
   理用食品の収納体。
2. 【請求項２】 不通気性シートの裏側に吸水性シートが
   積層される請求項１記載の電子レンジ調理用食品の収納
   体。
3. 【請求項３】 蒸発水分調節孔は、食品の種類及び大き
   さによって数及びサイズが変えられる請求項１記載の電
   子レンジ調理用食品の収納体。
4. 【請求項４】 シール材は、印刷或いは材質により識別
   が容易に形成される請求項１又は２記載の電子レンジ調
   理用食品の収納体。
5. 【請求項５】 シール材には指で摘むことのできる耳片
   が形成される請求項１又は２記載の電子レンジ調理用食
   品の収納体。
6. 【請求項６】 吸水性シートは、紙又は不織布である請
   求項１又は２記載の電子レンジ調理用食品の収納体。