JPH0510270U - 食品包装体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本考案は、包装体で包装された食品を電子レ
ンジ等で加熱調理する際に、加熱時に食品から発生する
水蒸気を包装体の外部に発散させ、現出する油成分を包
装体で吸収するようにし、食品の味覚の低下を防止す
る。 【構成】 油成分が含有され且つ電子レンジ等で加熱可
能な食品３を包装する包装材１は透湿性を具備すると共
に、包装材１の内面側に吸油性シートを設けている。

Description

【考案の詳細な説明】 【産業上の利用分野】

本考案は、例えば、食品を包装したまま電子レンジ調理するのに最適な食品包 装体に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、例えば、カラアゲ、フライ及びハンバーガー等の油成分を含有する食品 は軟質のフィルム、紙材料からなるシート及び発泡ポリスチレン容器等の包装体 で包装されていた。 このような包装体で包装された食品を食する際には、食品を上記包装体にて包 装された状態で、電子レンジにて加熱調理されることがある。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記包装材により包装された状態で食品を電子レンジで加熱調 理する場合、食品のもつ水分が蒸発し、包装体内に充満すると共に、食品内の油 成分が活性化され、食品の表面に現出してくる。この結果、従来の包装体はこの 水蒸気を外部に発散できないことから、蒸発水分が包装体内で結露してべとつき が生じ、しかも、食品は油漬けされた状態となり、食品の味覚を損なってしまう という欠点があった。

【０００４】 本考案は、上記従来の問題点に鑑みてなされたもので、電子レンジ等にて食品 を加熱調理した際に、加熱調理時に発生する水蒸気を包装体外部に好適に発散さ せることにより、結露を防止すると共に、食品から現出する油分を吸収し、食品 の味覚を損なわないようにすることを課題とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案が、上記課題を解決するために講じた技術的手段は、油成分が含有され 且つ電子レンジ等で加熱可能な食品３を包装材１で包装するための包装体におい て、前記包装材１は食品３の加熱時に発生する水蒸気を外部に発散すべく透湿性 を具備すると共に、食品３から現出する油成分を吸収するための吸油性シート９ が包装材１の内面側に設けられてなることにある。

【０００６】 また、前記包装材１の透湿性を具備する手段は、該包装材１に多数穿設された 通気孔７からなる点にある。 更に、前記吸油性シート９は不織布からなることが好ましい。

【０００７】

【作用】

本考案の食品包装体において、食品３を包装材１で包装した状態で電子レンジ にて調理する際に、食品３から水蒸気が発生すると共に、含有されている油成分 が現出するが、発生した水蒸気は、包装材１が透湿性を具備することから、該包 装材１を介して外部に逃げ、結露するおそれはない。また、油成分は吸油性シー ト９に吸収され、食品３は油漬け状態になることはない。

【０００８】

【実施例】

以下、本考案の一実施例について図面に従って説明する。 図１（イ）において、１は電子レンジ等で加熱調理可能なカラアゲ、ハンバーグ 等の油成分が含有された食品３を包装するためのシート状の包装材を示し、該包 装剤１は熱融着性を有する上フィルム４と下フイルム５との縁部４ａ，５ａを融 着することにより、食品３の形状に応じて適宜袋状に形成さている。

【０００９】 ７は通気孔で、図１（ロ）に示す如く透湿性を有するように前記上フィルム４ で且つ食品３の上方部分に多数穿設されている。 ９は吸油性を有する吸油性シートで、該吸油性シート９は熱融着性を有する樹 脂等がコートされた不織布からなり、前記食品３下方の下フィルム５の内面側に 位置し、しかも、その縁部９ａは上下フィルム４，５に挟持されるように、熱融 着されている。

【００１０】 本考案の実施例は上記の構成からなり、次に上記食品３を電子レンジで調理す る場合について説明する。 先ず、前記包装材１で包装された食品３を電子レンジ内に収納した後に、電子 レンジを作動させると、電子レンジから発生するマイクロ波が食品３内に吸収さ れ、食品３が加熱される。この加熱時に、食品３より水蒸気が発生するが、その 水蒸気は、包装材１の通気孔７から適宜外部に放出、発散されることとなり、包 装材１内で結露するようなことはなく、食品３はべとつかない。 また、この加熱時には、食品３内部から油成分が現出してくるが、現出した油 成分は、吸油シート９に吸収されるので、食品３は油漬け状態になることはなく 、ふっくらとした状態に調理され、味覚を損なうことはない。

【００１１】 尚、本考案は上記実施例に限定されるものではなく、例えば、上記実施例にお いては、通気孔７を部分的に穿設し、包装材１の一部に水蒸気を発散させる部分 を設けたが、通気孔７は、包装材１の全面に設けて包装材１全面にわたって水蒸 気を発散させる構成にすることも可能であり、包装材１内の水蒸気の放出量は、 通気孔７の形成される面積を適宜決定することにより任意に調整可能である。

【００１２】 また、図２に示すように、前記包装材１は紙材料を基材にして熱融着性の樹脂 がコートされたものから構成し、その上フィルム４の内面には、通気孔７を覆う ように透湿且つ防水性を具備する微多孔性フィルム１０を融着しても良い。この 場合、該フィルム１０には、例えば、フィルム肉厚４０μ、透湿度５５／ｍ^２・ ｍｉｎ（ＪＩＳ Ｌ１００９９のＡ２法の９５°Ｃ）のポリプロピレン系のフィ ルムが好ましく、このフィルムを使用すれば、その孔は微小なため、包装材１の 通気孔７が多少大きくても塵やほこり等が包装材１内に侵入するのを好適に防止 することができる。

【００１３】 また、図３に示すように、食品３を吸油性シート９が敷設されたトレー１２に 収納し、該食品３及びトレー１２を不織布からなる包装材１で包装することも可 能である。この場合、不織布は、透湿、耐油及び熱融着性に優れた０．００２デ ニール程度の細かい長繊維から構成されているものを使用するのが好ましい。

【００１４】 その他、吸油性シート９の材料は上記実施例のものに限定されるものではなく 、例えば、吸油性シート９は紙材料から構成しても良く、その大きさも任意に設 定可能である。 また、前記包装材１は必ずしも熱融着性を具備したものでなくても良く、上下 フィルム４，５は接着剤等により一体に設けることも可能である。 更に、包装材１は、ポリエステル、ポリプロピレンのフィルムや紙のように耐 熱性を有するものが好ましい。

【００１５】

【考案の効果】

本考案は、油成分を有する食品を包装するための包装材は食品の加熱時に発生 する水蒸気を外部に発散すべく透湿性を具備するので、食品を電子レンジで加熱 調理する際に、該包装材を介してその内部に発生する水蒸気を外部に適宜放出し て水蒸気が包装材内で結露するのを好適に防止でき、水蒸気により食品がべとつ くことはない。

【００１６】 しかも、加熱時に食品から現出する油成分を吸収するための吸油性シートが包 装材の内面側に設けられているので、食品内部から現出する油成分を吸油性シー トが吸収し、従来のように食品が油漬けの状態にならず、従って、上記水蒸気の 結露を防止できることと相まって、食品の味覚の低下を好適に防止できるという 利点がある。

【００１７】 更に、吸油性シートは包装材の内面側に設けられていることから、吸油性シー トが油成分を吸収しても、包装材により吸油性シートに吸収された油成分が外部 に現出するのを防止できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示し、（イ）は包装材で食
品を包装した状態を示す全体断面図、（ロ）は包装材の
断面斜視図。

【図２】本考案の他の実施例を示す断面図。

【図３】本考案の更に他の実施例を示す全体断面図。

【符号の説明】

１…包装材 ３…食品、７…通気孔 ９…吸油性シート
（不織布）。

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】油成分が含有され且つ電子レンジ等で加熱
   可能な食品３を包装材１で包装するための包装体におい
   て、前記包装材１は食品３の加熱時に発生する水蒸気を
   外部に発散すべく透湿性を具備すると共に、食品３から
   現出する油成分を吸収するための吸油性シート９が包装
   材１の内面側に設けられてなることを特徴とする食品包
   装体。
2. 【請求項２】前記包装材１の透湿性を具備する手段は、
   該包装材１に多数穿設された通気孔７からなることを特
   徴とする請求項１に記載の食品包装体。
3. 【請求項３】前記吸油性シート９は不織布からなること
   を特徴とする請求項１に記載の食品包装体。 【０００１】