JPH0576625U - ムービングボルスタの給電装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ムービングボルスタに電力を供給するケーブ
ルに過大な張力を加えることなく、ムービングボルスタ
のクロス走行を可能にする。 【構成】 プレス本体１の前後方向及び横方向へクロス
走行自在なムービングボルスタ２を有するトランスファ
プレスにおいて、上記ムービングボルスタ２の横方向に
横行用ケーブルベア１０をまた縦行方向に縦行用ケーブ
ルベア１２を設けて、これら横行用ケーブルベア１０及
び縦行用ケーブルベア１２内に配設されたケーブルを介
して上記ムーブビングボルスタ２へ給電するようにした
もので、ムービングボルスタ２がクロス走行しても各ケ
ーブルベア１０，１２が伸縮してケーブルを処理するた
め、ケーブルに過大な張力が作用することがない。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案はプレスに設けられたムービングボルスタの給電装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来プレスには、金型交換を容易とするため、プレス本体に対して出入れ自在 なムービングボルスタを設けたものがある。 上記ムービングボルスタは自走用の電動機を備えていて、ケーブルによりこの 電動機へ電力を供給したり、ボルスタや金型になどに設けられた検出器からの信 号を伝送するためムービングボルスタには、複数本のケーブルが接続されている 。

【０００３】 また上記ムービングボルスタはプレス本体より引出された後金型交換ステーシ ョンまで移動（クロス走行）するため、ムービングボルスタに接続されたケーブ ルが走行の邪魔になったり、切断されないように、従来では図１に示すような滑 車ａと重錘ｂを使用したケーブル処理装置によりケーブルを処理したり、一方向 のみ走行するムービングボルスタでは、図２に示すように、ピットｃ内にケーブ ルベアｄを設けて、このケーブルベアｄによりケーブルを処理していた。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかし前者のケーブル処理装置によりケーブルを処理するようにしたものでは 、ムービングボルスタの走行中にケーブルにケーブルが緩まないよう絶えずケー ブルに張力を加える必要があり、これにさらに引張力が加わるため、ケーブルの 最小曲げ半径を考慮すると使用できるケーブルは５０芯程度となり、１００芯以 上のケーブルを必要とするムービングボルスタにあっては、ケーブル数が多くな って処理装置が複雑となる不具合がある。 また長距離を走行するムービンフボルスタではケーブルの長さも長くなること から、滑車の移動ストロークが長くなってピット内へ収納できないなどの不具合 もあった。

【０００５】 一方後者のケーブルベアを使用したものでは、一方向へ走行するムービングボ ルスタには適用できるがクロス走行するムービングボルスタには適用できないな どの不具合がある。 この考案は上記不具合を改善するためになされたもので、クロス移動するムー ビングボルスタへ容易に給電できるようにしたムービングボルスタの給電装置を 提供することを目的とするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

この考案は上記目的を達成するために、プレス本体の前後方向及び横方向へク ロス走行自在なムービングボルスタを有するトランスファプレスにおいて、上記 ムービングボルスタの横行方向に横行用ケーブルベアを、また縦行方向に縦行用 ケーブルベアを設けて、これら横行用ケーブルベア及び縦行用ケーブルベア内に 配設されたケーブルを介して上記ムービングボルスタへ給電するようにしたもの である。

【０００７】

【作 用】

上記構成によりムービングボルスタに接続されたケーブルに過大な張力を加え ることなくムービングボルスタの移動が可能なる。

【０００８】

【実 施 例】

この考案の一実施例を図３以下に示す図面を参照して詳述する。 図３はトランスファプレスの全体的な斜視図、図４は同平面図、図５は正面図 、図６は同側面である。 これら図において１はトランスファプレスの本体で、複数本、例えば６本のア プライト１ａが前後に配置されており、これらアプライト１ａの間に２基のムー ビングボルスタ２が前後方向により出入れできるようになっている。 なおムービングボルスタ２はプレス稼動中に金型交換を可能とするため、予め ４基が用意されていて、２基ずつ交互に使用するようになっている。

【０００９】 上記各ムービングボルスタ２上には１基ないし複数基の金型３が載置されてい ると共に、各ムービングボルスタ２はプレス本体１の前後方向に布設された縦行 用レール４上をプレス本体１の前後方向へ自走し、またプレス本体１の前後で上 記縦行用レール４と交差する横行用レール５上を金型交換ステーション６まで自 走自在となっている。

【００１０】 上記レール５の上方には、これらレール５に沿って架台８が布設されていて、 この架台８の下部に布設されたガイドレール８ａに複数のハンガ９がローラ９ａ を介して移動自在に吊り下げられている。 上記ハンガ９は図７に示すようにほぼ逆Ｌ字形をなしていて、上方に突設され た支持部材９ｂの上部に、横行用ケーブルベア１０の一端側が接続されている。 上記横行用ケーブルベア１０は、架台８上に例えば２列設けられていて、内部 に上記ムービングボルスタ２へ電力を供給するためのケーブルや信号伝送用のケ ーブル（何れも図示せず）が収容されており、これらケーブルの一端はケーブル ベア１０の他端よりプレス本体１内へ引込まれて電源や制御装置（何れも図示せ ず）などに接続されている。

【００１１】 一方架台８に吊り下げられた各ハンガ９の下端は、各ムービングボルスタ２の 側方に上記横行用ケーブルベア１０と直交するように設けられた縦行用ケーブル ベヤ１２の一端に接続されている。 縦行用ケーブルベア１２の他端は図６に示すようにムービングボルスタ２の前 部または後部に接続されていて、横行用ケーブルベア１０内に収容されたケーブ ルの他端は、ハンガ９内及び縦行用ケーブルベア１２内を経てムービングボルス タ２内へ引込まれ、ムービングボルスタ２内に設けられた電動機や検出器（何れ も図示せず）に接続されている。

【００１２】 次に作用を説明すると、プレス作業中は金型３の交換を終了したムービングボ ルスタ２がプレス本体１の前方または後方で待機しており、プレス作業の終了と ともに、いままで使用していたムービングボルスタ２がプレス本体１の前側また は後側へ自走しながら移動される。 このとき図６の仮想線で示すようにほぼＵ字型に屈曲されていた縦行用ケーブ ルベア１２が伸長し、縦行用ケーブルベア１２内に収容されたケーブルに無理な 張力が加わることがない。

【００１３】 またムービングボルスタ２が縦行用レール４と横行用レール５の交差点で横行 用レール５へ移載されて横行用を開始すると、ムービングボルスタ２の移動に伴 いハンガ９が架台８に沿って金型交換ステーション６方向へ移動し、これによっ ていままで架台８上に伸長されていた横行用ケーブルベア１０が図５の実線に示 すように屈曲されるため、横行用ケーブルベア１０内のケーブルにも無理な張力 が加わることがない。 以上のようにムービングボルスタ２のクロス走行に対して縦行用ケーブルベア １０と横行用ケーブルベア１２がムービングボルスタ２に接続されたケーブルを 処理するため、ムービングボルスタ２のクロス走行がケーブルに邪魔されること なく円滑に行えるようになる。

【００１４】

【考案の効果】

この考案は以上詳述したように、クロス走行するムービングボルスタの横行方 向に横行用ケーブルベアを、そして縦行方向に縦行用ケーブルベアを設けて、こ れらケーブルベア内に配設されたケーブルを介してムービングボルスタへ電力を 供給するようにしたもので、ムービングボルスタのクロス走行に際して各ケーブ ルベアが伸縮してケーブルを処理することから、ムービングボルスタの走行中に ケーブルに過大な張力が作用することがない。 これによって高張力用ケーブルを使用する必要がないため経済的であると共に 、ケーブルベア内に複数本のケーブルを同時に収容できることから、多芯のケー ブルを必要とするとムービングボルスタにも容易に対応することができる。 また横行用のケーブルベアを延長することにより長距離の移動も可能になるこ とから、プレス本体より離れた位置に金型交換ステーションを設置することもで きるようになる。

【図面の簡単な説明】

【図１】従来のケーブル処理装置を示す説明図である。

【図２】従来の給電装置を示す説明図である。

【図３】この考案の一実施例になる給電装置を採用した
トランスファプレスの斜視図である。

【図４】この考案の一実施例になる給電装置を採用した
トランスファプレスの平面図である。

【図５】この考案の一実施例になる給電装置を採用した
トランスファプレスの正面図である。

【図６】この考案の一実施例になる給電装置を採用した
トランスファプレスの側面図である。

【図７】図６のＸ円内の拡大図ある。

【符号の説明】

１…プレス本体、２…ムービングボルスタ、１０…横行
用ケーブルベア、１２…縦行用ケーブルベア。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 プレス本体１の前後方向及び横方向へク
   ロス走行自在なムービングボルスタ２を有するトランス
   ファプレスにおいて、上記ムービングボルスタ２の横行
   方向に横行用ケーブルベア１０を、また縦行方向に縦行
   用ケーブルベア１２を設けて、これら横行用ケーブルベ
   ア１０及び縦行用ケーブルベア１２内に配設されたケー
   ブルを介して上記ムービングボルスタ２へ給電するよう
   にしてなるムービングボルスタの給電装置。