JPH0576021U

JPH0576021U - インダクタンス部品用ボビン

Info

Publication number: JPH0576021U
Application number: JP2387992U
Authority: JP
Inventors: 時夫只野; 正三井
Original assignee: TDK Corp
Current assignee: TDK Corp
Priority date: 1992-03-21
Filing date: 1992-03-21
Publication date: 1993-10-15

Abstract

(57)【要約】（修正有）【目的】ボビンの開口部に対してコアの中央脚部を容
易に位置合せさせて簡単に嵌挿でき、また、中央脚部の
基部がアール部を呈するときでも開口部の両側から組付
けられるコアの端面間を確実に面合せさせて対接できる
よう構成する。【構成】コアの少なくとも中央脚部１１が嵌挿される
開口部２の縁部に、当該縁部全長を斜めに面取り成形し
たテーパ面９ａ，９ｂを設ける。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、一対のコアをボビンに組付けて構成されるインダクタンス部品用ボビンの改良に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

一般に、インダクタンス部品はコイルをボビンの巻軸部に巻装し、そのコイルの端部をボビンの端子台から導出される端子片の軸部に絡げ付けることによりコイルをボビンに組付け、また、このボビンの巻軸部中央に設けられた開口部に中央端部を嵌装すると共に、その巻軸部の両端部に位置する各鍔部の側方に両外脚部を配置させて一対のコアをボビンに組付けることにより構成されている。

【０００３】このインダクタンス部品用のボビンにおいては、コアの中央脚部を嵌挿する巻軸部中央の開口部が縁部より口内全面に亘って同一面で中央脚部の横断面形状と略一致する空間を持って貫通するよう形成されている。そのボビンに対してコアを組付けるとき、各コアを中央脚部でボビンの開口部に位置合せさせて当該中央脚部を口内に嵌挿すると共に、両外脚部を巻軸部の両端部に位置する鍔部の側方に配置することにより組立てられている。

【０００４】このボビンの開口部に対する中央脚部の嵌装時に、開口部が縁部より口内全面に亘って同一面で形成されているところから、中央脚部の端面縁が開口部の口縁に引掛って位置合せし難い。また、コアにあっては両外脚部との間隔内に位置する中央脚部の基部側が直角の適正な角度で面取り成形されていればよいものの、当該基部が加工上からアール形状に形成されているものもある。この場合、ボビンとコアとの該当寸法の余裕度を大きくして設計しなければならない。斯くしなければ、コアの中央脚部をボビンの開口部に嵌挿させた状態で基部のアール部が開口部の口縁に当たることにより中央脚部を開口部の口内に完全に嵌挿できず、ボビンの開口部を介して両側から組付けられるコアの端面間に隙間を生ずるおそれもある。その各コアの端面間に隙間が生ずると、磁気的特性をバラ付かせ或いは低下させることになる。また、該当寸法の余裕度を大きくすることは磁気的特性は安定するが、ボビンとコアとのガタ付きが大きくなることから本来好ましくない。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、ボビンの開口部に対してコアの中央脚部を容易に位置合せさせて簡単に嵌挿でき、また、中央脚部の基部がアール部を呈するときでも寸法の余裕度を小さくして開口部の両側から組付けられるコアの端面間を確実に面合せさせて対接可能なインダクタンス部品用のボビンを提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案の請求項１に係るインダクタンス部品用ボビンにおいては、コアの少なくとも中央脚部が嵌挿される開口部の縁部に、当該縁部全長を斜めに面取り成形したテーパ面を設けることにより構成されている。また、同請求項２に係るインダクタンス部品用ボビンにおいては、テーパ面をコアの中央脚部が嵌挿される開口部の縁部と共に、コイル巻軸部の両端部に位置する各鍔部の両側縁部にも設けることにより構成されている。

【０００７】

【作用】

本考案の請求項１に係るインダクタンス部品用ボビンにおいては、縁部全長を斜めに面取り成形したテーパ面を開口部の縁部に設けるから、その開口部の口縁に対して中央脚部の端面縁が多少位置ズレすることにより位置合せされてもテーパ面で口内に嵌挿案内でき、また、中央脚部の基部がアール部を呈するときでもテーパ面が逃げ部として作用することにより中央脚部を開口部の口内に完全に嵌挿させることができる。

【０００８】同請求項２に係るインダクタンス部品用ボビンでは鍔部の横幅と両外脚部の内面側の間隔とが略同じボビンであっても、上述した中央脚部が開口部の口内に嵌挿案内させるのに伴って両外脚部の端面縁も鍔部のテーパ面でガイドされることによりコア全体を容易に組付けできる。また、両外脚部の内面基部がアール部を呈するものでも、鍔部のテーパ面が上述したと同様に作用することによりコアがガタ付かないよう確実に組付けできる。

【０００９】

【実施例】

以下、添付図面を参照して説明すると、図１，２で示すボビンは表面実装型のインダクタンス部品を組立てるものとして構成されている。そのボビンはコイルの巻軸部１と、巻軸部１の中央横方向に貫通成形された開口部２と、巻軸部１の両端部に位置する鍔部３，４と、巻軸部１を橋絡支持する端子台部５，６と、各端子台部５，６から複数本導出された端子片７…，８…とから形成されている。また、このボビンは一般的なＥＩ，ＥＥ型のフェライトコアを組付けるものとして形成され、巻軸部１の開口部２は端子台部５，６寄りで底面が端子台部５，６の平面と同一面上に位置するよう設けられている。

【００１０】そのインダクタンス部品用ボビンにおいては、縁部全長を斜めに面取り成形したテーパ面９ａ，９ｂが開口部２の両側縁部に設けられている。このテーパ面９ａ，９ｂは、上述した如く開口部２の底面が端子台５，６の平面と同一面上に位置させて設けられているところから、開口部２の両側縁部に設ければ足りる。その両側縁部と共に開口部２の上縁部に設けてもよく、或いは開口部２の底面が端子台部５，６の平面と同一面にないものの場合には開口部２の全周縁部に設けるとよい。

【００１１】このように構成するボビンでは、図３で示すようにコアの中央脚部１１がボビンの開口部２に対して位置ズレすることによりコアがボビンの端子台部５，６上に載置されて鍔部３，４に押し付けられると、中央脚部１１の端面縁が開口部２のテーパ面９ａまたは９ｂに突き当る。そのとき、中央脚部１１の端面縁が位置ズレを修正するよう開口部２のテーパ面９ａまたは９ｂで案内されるから、中央脚部１１を開口部２の口内に容易に嵌挿でき且つ両外脚部１２，１３を鍔部３，４の側方に配置させることによりコアをボビンに簡単に組付けできる。

【００１２】また、コアのボビンに対する組付状態では、図４で示すように中央脚部１１の基部１４ａ，１４ｂがアール部に形成されていても、そのアール部の逃げ空間としてテーパ面９ａ，９ｂが作用するから、中央脚部１１を開口部２の口内に完全に嵌挿できる。このため、開口部２の両側から組付けられるコアの各端面を確実に面合せさせて対接するようにできる。

【００１３】このボビンにおいては、開口部２の口縁部と共に各鍔部３，４の両側縁部にも同様なテーパ面１０ａ，１０ｂが設けられている。通常、その鍔部３，４の両側縁部とコアの両外脚部の内面との間には多少のギャップを隔てるよう設計されている。このため、ボビンの開口部２とコアの中央脚部１１とを位置合せする際に多少位置ズレしているだけならば、外脚部１２，１３の端面縁が鍔部３，４の側縁に当接するのを当該ギャップで防げる。然し、そのギャップを越えて位置ズレした場合にはテーパ面１０ａ，１０ｂが鍔部３，４の両側縁部に設けられていると、上述したコアの中央脚部１１が開口部２のテーパ面９ａ，９ｂで口内に嵌挿案内されるのに伴って容易に位置修正できることから、コア全体の組付けを容易にすることができる。

【００１４】

【考案の効果】

以上の如く、本考案に係るインダクタンス部品用ボビンに依れば、コアを容易に組付けできると共に、一対組付けられる各コアの端面間を正確に面合せさせて組付けることを可能にするものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係るインダクタンス部品用ボビンを正
面で示す説明図である。

【図２】同ボビンを側面で示す説明図である。

【図３】同ボビンに対するコアの組付け前で示す部分説
明図である。

【図４】同ボビンに対するコアの組付け状態で示す部分
説明図である。

【符号の説明】

２ボビンの開口部３，４ボビンの鍔部９ａ，９ｂ開口部のテーパ面１０ａ，１０ｂ鍔部のテーパ面１１コアの中央脚部

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】コアの少なくとも中央脚部が嵌挿される
開口部の縁部に、当該縁部全長を斜めに面取り成形した
テーパ面を設けてなることを特徴とするインダクタンス
部品用ボビン。
【請求項２】上記テーパ面をコアの中央脚部が嵌挿さ
れる開口部の縁部と共に、コイル巻軸部の両端部に位置
する各鍔部の両側縁部にも設けてなることを特徴とする
請求項１のインダクタンス部品用ボビン。