JPH0575410U - バルブのスプリットカラーの脱落防止装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 バルブスプリングがセット力を失ったときで
もスプリットカラーの脱落を防止する。 【構成】 アッパシート内周面に円周方向の第１の溝
と、該溝の上側から上面に至る一対の第２の溝と、下側
の一対の凹部とを形成し、スプリットカラーに前記凹部
に係合する突部を形成する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、バルブステムの上端に２つ割りのスプリットカラーを介してアッパ シートを取付け、アッパシートでバルブスプリングを座着させたバルブのスプリ ットカラーの脱落防止装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、バルブスプリングのセット構造は、図３に示すように、バルブスプリン グ８のアッパシート１Ａをバルブステム９にスプリットカラー５Ａを介して固定 して行っている。なお、図中の符号１１はロッカアームである。

【０００３】 そのスプリットカラー５Ａは、２つ割りに形成され、内周面には、バルブステム ９に刻設された環状溝１０に係合する環状突部７が形成されている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

従来構造においてはオーバラン又はエキゾーストブレーキ時の異常開弁時に、 バルブスプリング８のサージング等によりセット力が失われると、スプリットカ ラー５Ａが脱落し、その結果、バルブ系の機能が損われる不具合がある。

【０００５】 これに対し本出願人が実開昭５７−１１４１１５号公報で開示したスプリット カラーの脱落を防止する技術は、フランジ付のバルブステムキャップと、そのフ ランジ部を係止するストッパとを要し、構造が複雑でコスト高になる。

【０００６】 本考案は、バルブスプリングがセット力を失ったときでもスプリットカラーの 脱落を防止する構造簡単なバルブのスプリットカラーの脱落防止装置を提供する ことを目的としている。

【０００７】

【課題を解決するための手段】 本考案によれば、バルブステムの上端に２つ割りのスプリットカラーを介して アッパシートを取付け、アッパシートでバルブスプリングを座着させたバルブの スプリットカラーの脱落防止装置において、アッパシートの内周面に円周方向に 延びる第１の溝と、アッパシートの上面からその第１の溝に通ずる直径方向に対 向して設けた１対の第２の溝と、その第１の溝の下側に直径方向に対向して設け た一対の凹部とを形成し、スプリットカラーにそれぞれ前記凹部と係合する突部 を設けている。

【０００８】

【作用】

上記のように構成されたバルブのスプリットカラーの脱落防止装置においては 、スプリットカラーをバルブシートの第２の溝から第１の溝に入れ、次いで凹部 に入れる。したがって、スプリットカラーとアッパシートとは、実質的に一体化 され、脱落が確実に防止される。また、入れるのが容易で外れにくい。

【０００９】

【実施例】

以下図面を参照して本考案の実施例を説明する。

【００１０】 なお、図１において図３に対応する部分については、同じ符号を付して重複説 明を省略する。

【００１１】 図１及び図２において、アッパシート１の内周面には、中央よりやや上よりに 円周方向に延びる第１の溝２が形成されている。この第１の溝２の上側には、ア ッパシート１の上面から第１の溝２に連通する直径方向に対向する１対の第２の 溝３が傾斜して形成されている。そして、第１の溝２の下側には、第１の溝２に 連通する直径方向に対向した１対の凹部４が形成されている。

【００１２】 他方、スプリットカラー５には、第２の溝３、３及び第１の溝２を介して凹部 ４、４にそれぞれ係合する一対の突部６が形成されている。

【００１３】 バルブスプリング８のセットに際し、バルブスプリング８の頂部にアッパシー ト１を載置し、図示しない工具でアッパシート１を押し下げ、バルブスプリング ８を圧縮してバルブステム９の頂部を露出させる。次いで、スプリットカラー５ の環状突部７をステム９の環状溝１０に係合してスプリットカラー５をステム９ に取付け、更に突部６、６をアッパシート１の第２の溝３、３に合せる。次いで 、工具によるバルブスプリング８の圧縮を解除すると、アッパシート１が押し上 げられ、スプリットカラー５に係止される。この際、図２に矢印で示すように、 突部６、６が第２の溝３、３と第１の溝２にガイドされ、凹部４、４に係合され 、図１の状態にセットされる。この状態では、スプリットカラー５とアッパシー ト１とは、実質的に一体化されるので、バルブスプリング８のサージング等によ りセット力が失われても、スプリットカラーの脱落が防止される。

【００１４】

【考案の効果】

本考案は、以上説明したように構成されているので、スプリットカラーの脱落 を防止し、バルブ系の機能を確保することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す側断面図。

【図２】アッパシート内周面及びスプリットカラー外周
面を対応させて示した展開図。

【図３】従来のバルブスプリングのセット構造の一例を
示す側断面図。

【符号の説明】

１、１Ａ・・・アッパシート ２・・・第１の溝 ３・・・第２の溝 ４・・・凹部 ５、５Ａ・・・スプリットカラー ６・・・突部 ７・・・環状突部 ８・・・バルブスプリング ９・・・バルブステム １０・・・環状溝 １１・・・ロッカーアーム

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 バルブステムの上端に２つ割りのスプリ
   ットカラーを介してアッパシートを取付け、アッパシー
   トでバルブスプリングを座着させたバルブのスプリット
   カラーの脱落防止装置において、アッパシートの内周面
   に円周方向に延びる第１の溝と、アッパシートの上面か
   らその第１の溝に通ずる直径方向に対向して設けた１対
   の第２の溝と、その第１の溝の下側に直径方向に対向し
   て設けた一対の凹部とを形成し、スプリットカラーにそ
   れぞれ前記凹部と係合する突部を設けたことを特徴とす
   るバルブのスプリットカラーの脱落防止装置。