JPH0575245U - プリンタの給紙装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本考案は、用紙補給時に、用紙積載プレート
と分離爪14との間に用紙３の先端部を確実に挿入し、重
送や紙ジャムを防止することを目的とするものである。 【構成】 用紙積載プレートを給紙ローラから開離させ
るためのカムシャフト18に、用紙アップダウンカム18と
逆の位相で動作する爪アップダウンカム20を取り付け、
用紙積載プレートが下動したときに、爪用レバー19を介
して分離爪14を押し上げ、用紙積載プレートと分離爪14
との間の間隔を広げるようにした。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、用紙積載プレート上の用紙を分離爪により１枚ずつ分離してプリ ンタ本体に給紙するプリンタ、即ち爪分離方式のプリンタの給紙装置に関するも のである。

【０００２】

【従来の技術】

図６は例えば実開昭６２−１８１５３０号公報等に示されたものと同様の従来 のプリンタの給紙装置の概略の断面図である。図において、１は断面略Ｄ字状の 給紙ローラ、２は給紙ローラ１の下方に設けられ、用紙３の束が積載されている 用紙積載プレートであり、この用紙積載プレート２は、支点２ａを中心に回動す ることにより、給紙ローラ１に接離するようになっている。

【０００３】 ４は用紙積載プレート２の給紙ローラ１に対向する部分、即ち先端部を給紙ロ ーラ１側へ向けて付勢する用紙接圧スプリング、５は用紙３の先端部に係合して いる分離爪であり、この分離爪５は、給紙時に用紙３を１枚ずつ分離する。

【０００４】 次に、動作について説明する。図６の状態から給紙ローラ１を図の時計方向に １回転させることにより、給紙ローラ１に接する用紙３が図の左方へ給紙される 。このとき、用紙３の先端部に係合している分離爪５により、束の最も上の用紙 ３のみが分離されて給紙される。また、用紙積載プレート２は、用紙接圧スプリ ング４により付勢されているので、用紙３が給紙されて行くに従って、図７に示 すように、用紙３の束は給紙ローラ１側へ押し上げられる。これにより、分離爪 ５が用紙３に常に係合するとともに、給紙ローラ１と用紙３との均一な接圧が確 保されて、安定した給紙が行われる。

【０００５】 このようにして、用紙３が給紙されて不足した場合、図８に示すように、用紙 積載プレート２の後端部（図の右端部）を持ち上げることにより、用紙接圧スプ リング４に逆らって用紙積載プレート２の先端部を給紙ローラ１から開離させ、 給紙ローラ１と用紙積載プレート２との間の間隔を広げて、新しい用紙３の束を 補給する。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

上記のように構成された従来のプリンタの給紙装置においては、用紙３の束を 補給する際、用紙積載プレート２と分離爪５との間の間隔が不十分であるため、 分離爪５の下に用紙３の束の先端部を挿入しにくく、特に温度，湿度などの環境 や外的要因により用紙３に反りや変形があった場合には、一部の用紙３が分離爪 ５の上に出てしまい、重送や紙ジャムの原因となるなどの問題点があった。

【０００７】 この考案は、上記のような問題点を解決することを課題としてなされたもので あり、用紙の補給時に、より確実かつ簡単に用紙の先端部を用紙積載プレートと 分離爪との間に挿入することができ、これにより重送や紙ジャムを防止すること ができるプリンタの給紙装置を得ることを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

この考案に係るプリンタの給紙装置は、用紙積載プレートの給紙ローラからの 開離動作に連動して分離爪を上動させて用紙積載プレートから開離させる分離爪 開離手段を設けたものである。

【０００９】

【作用】

この考案においては、用紙の挿入時に用紙積載プレートから分離爪を開離させ 、両者の間隔を広げることにより、より確実かつ簡単に分離爪の下に用紙を挿入 する。

【００１０】

【実施例】

以下、この考案の実施例を図について説明する。図１はこの考案の一実施例に よるプリンタの給紙装置を示す斜視図、図２は図１の用紙幅方向中央部における 断面図である。

【００１１】 図において、11は断面円形の給紙ローラ、12はプリンタ内の給紙ローラ11の下 方に設けられている用紙トレイ、13は用紙トレイ12の底部に回動自在に取り付け られ、用紙３の束が積載されている用紙積載プレート、14は用紙トレイ12の両側 面に回動自在に取り付けられ、用紙３の先端部に係合している分離爪である。

【００１２】 15はプリンタ内に回動自在に取り付けられ、一端部が用紙積載プレート13の下 面に当接しているプレート用レバー、16はレバー15の他端部に取り付けられ、用 紙積載プレート13を押し上げる方向にプレート用レバー15を付勢する用紙接圧ス プリング、17は給紙ローラ11の回転軸と平行に設けられているカムシャフト、18 はカムシャフト17に固着されている用紙アップダウンカムであり、この用紙アッ プダウンカム18は、カムシャフト17の回転によりプレート用レバー15の他端部を 押圧し、用紙接圧スプリング16に逆らって用紙積載プレート13を下動させる。

【００１３】 図３は図１の用紙幅方向一端部における断面図である。図において、19は一端 部が分離爪14の下部に接離可能に各分離爪14の近傍に回動自在に設けられている 爪用レバー、20はカムシャフト17に固着されている爪アップダウンカムであり、 この爪アップダウンカム20は、カムシャフト17の回転により用紙積載プレート13 が下動するとき、爪用レバー19の他端部を押圧して爪用レバー19を回動させ、分 離爪14の用紙３との係合部を給紙ローラ11の下端部より上まで上動させる。21は ２個の爪用レバー19及び２個の爪アップダウンカム20からなる分離爪開離手段で ある。

【００１４】 上記のような給紙装置では、図２に示すように、用紙アップダウンカム18をプ レート用レバー15の他端部から開離させ、回転する給紙ローラ11に用紙接圧スプ リング16のばね力で用紙３を押し付けることにより、用紙３が給紙される。この とき、図３に示すように、爪用レバー19は分離爪14の下部から開離しており、分 離爪14は用紙３の先端部に係合している。このため、給紙される用紙３は分離爪 14により１枚ずつ分離される。

【００１５】 このようにして用紙３が給紙されると、カムシャフト17が回動し、図４に示す ように、用紙アップダウンカム18によりプレート用レバー15の他端部が押圧され る。これにより、プレート用レバー15は、用紙接圧スプリング16に逆らって回動 し、用紙積載プレート13が下動して、回転する給紙ローラ11から用紙３が開離さ れる。このとき、図５に示すように、爪アップダウンカム20が爪用レバー19の他 端部を押圧することにより、分離爪14が爪用レバー19の一端部により押し上げら れている。

【００１６】 このようなプリンタの給紙装置では、図４のような待機状態、即ち用紙積載プ レート13が給紙ローラ11から開離した状態で用紙３が補給されるが、このとき分 離爪開離手段21により分離爪14が押し上げられ、用紙積載プレート13と分離爪14 との間の間隔が広げられているので、用紙３に反りや変形がある場合でも、より 確実かつ簡単に用紙３の束を分離爪14の下に挿入することができる。従って、用 紙３の重送や紙ジャムが未然に防止される。

【００１７】 また、この実施例では、この種のプリンタに従来から設けられている用紙アッ プダウン用のカムシャフト17に爪アップダウンカム20を設け、用紙アップダウン カム18と爪アップダウンカム20とを逆の位相で動作させるようにしたので、構造 が簡単で信頼性も高く、コストの増加も小さく抑えられる。

【００１８】 なお、上記実施例では断面円形の給紙ローラ11を示したが、従来例のような断 面略Ｄ字状の給紙ローラであってもよい。この場合、上記実施例のようなカムシ ャフト17は必要ないので、分離爪開離手段21は用紙積載プレートの動きに機械的 に連動して分離爪を上動させるものにすればよい。

【００１９】

【考案の効果】

以上説明したように、この考案のプリンタの給紙装置は、用紙積載プレートの 給紙ローラからの開離動作に連動して分離爪を上動させて用紙積載プレートから 開離させる分離爪開離手段を設け、用紙の挿入時に用紙積載プレートと分離爪と の間の間隔を広げるようにしたので、より確実かつ簡単に用紙の先端部を用紙積 載プレートと分離爪との間に挿入することができ、これにより重送や紙ジャムを 防止することができ、プリンタ全体の信頼性を向上させることができるなどの効 果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の一実施例によるプリンタの給紙装置
の給紙時の状態を示す斜視図である。

【図２】図１の給紙装置の用紙幅方向中央部における断
面図である。

【図３】図１の給紙装置の用紙幅方向一端部における断
面図である。

【図４】図２の待機状態を示す断面図である。

【図５】図３の待機状態を示す断面図である。

【図６】従来のプリンタの給紙装置の一例の断面図であ
る。

【図７】図６の用紙が減少した状態を示す断面図であ
る。

【図８】図６の給紙装置の用紙補給時の状態を示す断面
図である。

【符号の説明】

３ 用紙 １１ 給紙ローラ １３ 用紙積載プレート １４ 分離爪 ２１ 分離爪開離手段

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 給紙ローラと、この給紙ローラの下方に
   前記給紙ローラに接離可能に設けられ、複数枚の用紙が
   積載される用紙積載プレートと、給紙時に前記用紙の先
   端部に係合して前記用紙を１枚ずつ分離する上下動自在
   の分離爪と、前記用紙積載プレートの前記給紙ローラか
   らの開離動作に連動して前記分離爪を上動させて前記用
   紙積載プレートから開離させる分離爪開離手段とを備え
   ていることを特徴とするプリンタの給紙装置。