JPH057504U - 車軸懸架装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 構造簡単かつ安価で走行安全性が優れたエア
スプリング式懸架装置を提供する。 【構成】 一端を車台フレームに枢着した左右一対のト
レーリングメンバ上にアクスルハウジングの車巾方向両
端部分を装架すると共に、同トレーリングメンバと車台
フレームとの間にエアスプリング装置を介装する。ま
た、上記トレーリングメンバの自由端部に夫々コネクテ
イングメンバの一端を枢着し、各コネクテイングメンバ
の他端を、シヤツクルリンクを介して車台フレームに枢
着する。上記コネクテイングメンバを設けることによつ
て、アクスルハウジングの車巾方向の変位を抑制し、走
行安定性を確保する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、トラツク等におけるエアスプリング装置を使用した車軸懸架装置に 関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来のトラツク等におけるエアスプリング式車軸懸架装置の典型的な構成を、 図３の要部斜視図を参照して説明する。図中符号１０は車体前後方向に延在する 断面形状が溝型をなす左右一対のサイドレール１２と、車巾方向に延在し夫々の 両端を上記サイドレールに固着された複数のクロスメンバ（図示せず）とからな る車台フレーム、１４は車巾方向に配設されその両端に後輪１６を装架したアク スルハウジング、１８はその一端（図示の場合は前端）の目玉部２０を支持ブラ ケツト２２を介して上記車台フレームのサイドレール１２に枢着されたトレーリ ングメンバであつて、図示の場合リーフスプリングが用いられている。 上記トレーリングメンバ１８の他端自由端部（図示の場合は後端）と上記車台 フレームのサイドレール１２との間に自体周知のエアスプリング装置２４が介装 され、同エアスプリング装置２４と上記目玉部２０との間において上記トレーリ ングメンバ１８にアクスルハウジング１４の両端付近が夫々Ｕボルト２６等の固 着具によつて支持されている。

【０００３】 車両の走行中に、車台フレーム１０に対してアクスルハウジング１４が上下に 相対変位すると、トレーリングメンバ１８がその一端目玉部２０を回転中心とし て廻動し、同トレーリングメンバ１８の他端とサイドレール１２との間に介装さ れたエアスプリング装置２４が作動する。 技術上良く知られているように、エアスプリング装置２４は上下方向に柔らか いばねとして作用し乗り心地を効果的に改善することができるが、旋回走行時等 に生起するアクスルハウジング１４の車台フレーム１０に対する車巾方向の相対 変位を拘束することができないので、走行安定性を確保するために、同アクスル ハウジング１４の車巾方向の変位を抑制する必要がある。 上記アクスルハウジング１４の車巾方向の変位を抑制するために、従来はサイ ドレール１２に固着されたブラケツト２８にその一端をゴムブツシユを介して枢 着された車巾方向に延在するラテラルロツド３０が設けられ、同ラテラルロツド ３０はその他端をアクスルハウジング１４に固着されたブラケツト３２にゴムブ ツシユを介して枢着されている。

【０００４】 上記ラテラルロツド３０を設けることによつて、アクスルハウジング１４の車 巾方向の変位を抑制しエアスプリング装置２４の欠点を補つて走行安定性を確保 することができる。しかしながら、車両の直進走行時におけるアクスルハウジン グ１４の上下動によつて上記ラテラルロツド３０がその両端枢支点の何れかを回 転中心として円運動を行なうため、同ラテラルロツド３０の両端をブラケツト２ ８及び３２に支持するゴムブツシユにその都度車巾方向の大きな力が作用し、こ れらゴムブツシユの早期損耗を招く欠点があり、また構造が複雑になり製造コス トが増大する不具合がある。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、上記事情に鑑み創案されたもので、従来のラテラルロツドを廃止し て構造の簡素化を図りながら、アクスルハウジングの車巾方向の変位を効果的に 抑制して走行安定性を確保することができるエアスプリング式車軸懸架装置を提 供することを目的とするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、本考案は、一端を車台フレームに枢支されて車体 前後方向に延在した左右一対のトレーリングメンバ、同トレーリングメンバの自 由端部と上記車台フレームとの間に介装されたエアスプリング装置、その車巾方 向両端部分を上記トレーリングメンバに装架されたアクスルハウジング、及び一 端を上記トレーリングメンバの自由端部に枢着され他端をシヤツクルリンクを介 して上記車台フレームに枢着されたコネクテイングメンバを具備してなるこを特 徴とする車軸懸架装置を提案するものである。

【０００７】

【実施例】

以下本考案の実施例を図１及び図２について具体的に説明する。（なお、図３ に示した従前の車軸懸架装置と実質的に同一又は対応する部材及び部分には、同 一の符号を付し、重複に渉る説明は省略する。）図示のように、リーフスプリン グからなるトレーリングメンバ１８の自由端部即ち後端部にエアスプリング装置 ２４を支持するため車巾方向に延在して配設されたハツト型断面のクロスメンバ ３４の下側に取付プレート３６がボルト３８によつて共締め固着され、同取付プ レート３６の後端部にピン４０又はゴムブツシユ付枢軸を介してコネクテイング メンバ４２の前端の目玉部が枢着されている。この実施例では、コネクテイング メンバ４２はリーフスプリングによつて形成され、同コネクテイングメンバ４２ の後端はシヤツクルリンク４４を介してサイドレール１２に固着されたシヤツク ルブラケツト４６に枢着されている。 なお、図中符号４８は上記アクスルハウジング１４の車巾方向中央部分に設け られたデイフアレンシヤルケーシング、５０は上記エアスプリング装置２４に調 圧された圧縮空気を供給するエアパイプである。

【０００８】 上記構成によれば、アクスルハウジング１４を支持するトレーリングメンバ１ ８の後端部分が、コネクテイングメンバ４２及びシヤツクルリンク４４を介して 車台フレームのサイドレール１２に連結されているので、旋回走行時におけるア クスルハウジング１４の車台フレーム１０に対する車巾方向の相対変位が抑制さ れ、走行安定性を確保することができる。従つて、図３に示されている従前のラ テラルロツド３０及び協働するブラケツト２８、３０を省略することができ、構 造が簡素化されると共に製造コストが低減される。 また、走行中にアクスルハウジング１４が車台フレーム１０に対し上下に相対 変位する際には、トレーリングメンバ１８がその目玉部２０を中心に廻動すると 共に、コネクテイングメンバ４２がシヤツクルリンク４４の廻動によつて自在に 変位することができるので、エアスプリング装置２４の作動はいささかも妨げら れず、図３に示した従来の懸架装置と同様有効に作動する。また、このアクスル ハウジング１４の上下動に際してコネクテイングメンバ４２の両端枢着部に無理 な力が作用することがないので、優れた耐久性を確保することができる。

【０００９】 なお、上記実施例では、トレーリングメンバ１８及びコネクテイングメンバ４ ２が、何れもリーフスプリングによつて形成されているが、これらは必ずしもリ ーフスプリングである必要はなく、ロツドあるいはパイプ材によつて代替するこ とができる。

【００１０】

【考案の効果】

叙上のように本考案に係る車軸懸架装置は、一端を車台フレームに枢支されて 車体前後方向に延在した左右一対のトレーリングメンバ、同トレーリングメンバ の自由端部と上記車台フレームとの間に介装されたエアスプリング装置、その車 巾方向両端部分を上記トレーリングメンバに装架されたアクスルハウジング、及 び一端を上記トレーリングメンバの自由端部に枢着され他端をシヤツクルリンク を介して上記車台フレームに枢着されたコネクテイングメンバを具備してなるこ を特徴とし、構造が簡単で走行安定性が優れたエアスプリング式懸架装置を安価 に提供することができるので、実用上有益である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す要部側面図である。

【図２】図１に示した懸架装置の部分的平面図である。

【図３】従前のエアスプリング式懸架装置の要部斜視図
である。

【符号の説明】

１０ 車台フレーム １２ サイドレール １４ アクスルハウジング １６ 後輪 １８ トレーリングメンバ ２４ エアスプリング装置 ４２ コネクテイングメンバ

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 【請求項１】 一端を車台フレームに枢支されて車体前
   後方向に延在した左右一対のトレーリングメンバ、同ト
   レーリングメンバの自由端部と上記車台フレームとの間
   に介装されたエアスプリング装置、その車巾方向両端部
   分を上記トレーリングメンバに装架されたアクスルハウ
   ジング、及び一端を上記トレーリングメンバの自由端部
   に枢着され他端をシヤツクルリンクを介して上記車台フ
   レームに枢着されたコネクテイングメンバを具備してな
   るこを特徴とする車軸懸架装置