JPH057493A - 発酵法によるl−バリンの製造法 - Google Patents
発酵法によるl−バリンの製造法Info
- Publication number
- JPH057493A JPH057493A JP3229958A JP22995891A JPH057493A JP H057493 A JPH057493 A JP H057493A JP 3229958 A JP3229958 A JP 3229958A JP 22995891 A JP22995891 A JP 22995891A JP H057493 A JPH057493 A JP H057493A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- valine
- carbon source
- medium containing
- acid
- medium
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】L−バリンを工業的に安価に製造する。
【構成】コリネバクテリウム属またはブレビバクテリウ
ム属に属し、酢酸を唯一の炭素源として含む培地ではL
−バリンに対して耐性を示し、グルコースを唯一の炭素
源として含む培地ではピルビン酸アナログに対して感受
性を示し、かつL−バリン生産能を有する微生物を用い
ることを特徴とするL−バリンの製造法。
ム属に属し、酢酸を唯一の炭素源として含む培地ではL
−バリンに対して耐性を示し、グルコースを唯一の炭素
源として含む培地ではピルビン酸アナログに対して感受
性を示し、かつL−バリン生産能を有する微生物を用い
ることを特徴とするL−バリンの製造法。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、L−バリンの製造法に
関する。L−バリンは、主に栄養輸液及び総合アミノ酸
製剤等の医薬用に使用されているが、調味料、飼料とし
ての用途もある有用なアミノ酸である。
関する。L−バリンは、主に栄養輸液及び総合アミノ酸
製剤等の医薬用に使用されているが、調味料、飼料とし
ての用途もある有用なアミノ酸である。
【0002】
【従来の技術】従来、コリネバクテリウム属またはブレ
ビバクテリウム属などに属する、いわゆるコリネ型グル
タミン酸生産菌を用いるL−バリンの製造法としては、
D,L−アミノ酪酸に耐性を有する微生物を用いる方法
(特開昭63-160592)、チアゾールアラニンに耐性を有す
る微生物を用いる方法 (特公昭52-116) 、アミノエチル
システインに耐性を有する微生物を用いる方法 (特公昭
58-2678)などが知られている。
ビバクテリウム属などに属する、いわゆるコリネ型グル
タミン酸生産菌を用いるL−バリンの製造法としては、
D,L−アミノ酪酸に耐性を有する微生物を用いる方法
(特開昭63-160592)、チアゾールアラニンに耐性を有す
る微生物を用いる方法 (特公昭52-116) 、アミノエチル
システインに耐性を有する微生物を用いる方法 (特公昭
58-2678)などが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】近年、L−バリンの需
要は増大しており、より効率的にL−バリンを生産でき
る製造法の改善が望まれている。
要は増大しており、より効率的にL−バリンを生産でき
る製造法の改善が望まれている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、コリネバクテ
リウム属またはブレビバクテリウム属に属し、酢酸を唯
一の炭素源とする培地でL−バリンに対して耐性を有
し、グルコースを唯一の炭素源とする培地でピルビン酸
アナログに感受性を示すL−バリン生産能を有する微生
物を培地に培養し、培養物中にL−バリンを生成蓄積さ
せ、該培養物からL−バリンを採取することを特徴とす
るL−バリンの製造法を提供する。 以下に、本発明を
詳細に説明する。
リウム属またはブレビバクテリウム属に属し、酢酸を唯
一の炭素源とする培地でL−バリンに対して耐性を有
し、グルコースを唯一の炭素源とする培地でピルビン酸
アナログに感受性を示すL−バリン生産能を有する微生
物を培地に培養し、培養物中にL−バリンを生成蓄積さ
せ、該培養物からL−バリンを採取することを特徴とす
るL−バリンの製造法を提供する。 以下に、本発明を
詳細に説明する。
【0005】本発明で用いられる微生物としては、コリ
ネ型グルタミン酸生産菌として知られているコリネバク
テリウム属またはブレビバクテリウム属に属する微生物
であって、L−バリン生産能を有し、かつ酢酸を唯一の
炭素源とする培地ではL−バリンに対して耐性を示し、
グルコースを唯一の炭素源とする培地ではピルビン酸ア
ナログに感受性を示す菌株であればいずれでもよい。こ
のような性質を有する微生物を誘導する際に親株として
用いるコリネ型グルタミン酸生産菌としては、例えば下
記に示す菌株をあげることができる。
ネ型グルタミン酸生産菌として知られているコリネバク
テリウム属またはブレビバクテリウム属に属する微生物
であって、L−バリン生産能を有し、かつ酢酸を唯一の
炭素源とする培地ではL−バリンに対して耐性を示し、
グルコースを唯一の炭素源とする培地ではピルビン酸ア
ナログに感受性を示す菌株であればいずれでもよい。こ
のような性質を有する微生物を誘導する際に親株として
用いるコリネ型グルタミン酸生産菌としては、例えば下
記に示す菌株をあげることができる。
【0006】 コリネバクテリウム・グルタミクム ATCC13032 コリネバクテリウム・アセトアシドフィルム ATCC13870 コリネバクテリウム・ハーキュリス ATCC13868 コリネバクテリウム・リリウム ATCC15990 ブレビバクテリウム・フラバム ATCC14067 ブレビバクテリウム・ラクトファーメンタム ATCC13869 ブレビバクテリウム・ディバリカツム ATCC14020 ブレビバクテリウム・チオゲニタリス ATCC19240 これらの菌株は酢酸を炭素源とした培地上で、L−バリ
ンによる生育阻害を受ける。
ンによる生育阻害を受ける。
【0007】本発明の微生物は、この特性を利用し、酢
酸を唯一の炭素源とし親株が感受性を示す濃度のL−バ
リンを含む培地でL−バリン非感受性となった変異株を
誘導した後、それら変異株の中から、グルコースを唯一
の炭素源とし親株が感受性を示さない濃度のピルビン酸
アナログに感受性を示す変異株を選択することにより取
得することができる。また逆に、グルコースを唯一の炭
素源とし親株が感受性を示さない濃度のピルビン酸アナ
ログに感受性を示す変異株を誘導した後、それら変異株
の中から、酢酸を唯一の炭素源として親株が感受性を示
す濃度のL−バリンを含む培地でL−バリン非感受性と
なった変異株を選択することによっても取得することが
できる。
酸を唯一の炭素源とし親株が感受性を示す濃度のL−バ
リンを含む培地でL−バリン非感受性となった変異株を
誘導した後、それら変異株の中から、グルコースを唯一
の炭素源とし親株が感受性を示さない濃度のピルビン酸
アナログに感受性を示す変異株を選択することにより取
得することができる。また逆に、グルコースを唯一の炭
素源とし親株が感受性を示さない濃度のピルビン酸アナ
ログに感受性を示す変異株を誘導した後、それら変異株
の中から、酢酸を唯一の炭素源として親株が感受性を示
す濃度のL−バリンを含む培地でL−バリン非感受性と
なった変異株を選択することによっても取得することが
できる。
【0008】具体的には、親株を紫外線照射やN−メチ
ル−N’−ニトロ−N−ニトロソグアニジン(以下 N
TGと略す)、亜硝酸などの化学処理など、通常用いら
れる変異処理方法により処理した後、酢酸を唯一の炭素
源とし、L−バリンを含有する培地上で生育してくる大
きなコロニーを採取するか、あるいはグルコースを唯一
の炭素源とする培地でピルビン酸アナログに感受性を示
すコロニーを採取し、さらに他方の形質を有するものを
選択することで本発明の微生物を得ることができる。本
発明でいうピルビン酸アナログとしては、β−フルオロ
ピルビン酸、β−ブロモピルビン酸、β−クロロピルビ
ン酸、β−シクロヘキシルピルビン酸、β−メルカプト
ピルビン酸、β−イミダゾリルピルビン酸、トリメチル
ピルビン酸、β−ハイドロキシピルビン酸、α−ケト酪
酸等がある。
ル−N’−ニトロ−N−ニトロソグアニジン(以下 N
TGと略す)、亜硝酸などの化学処理など、通常用いら
れる変異処理方法により処理した後、酢酸を唯一の炭素
源とし、L−バリンを含有する培地上で生育してくる大
きなコロニーを採取するか、あるいはグルコースを唯一
の炭素源とする培地でピルビン酸アナログに感受性を示
すコロニーを採取し、さらに他方の形質を有するものを
選択することで本発明の微生物を得ることができる。本
発明でいうピルビン酸アナログとしては、β−フルオロ
ピルビン酸、β−ブロモピルビン酸、β−クロロピルビ
ン酸、β−シクロヘキシルピルビン酸、β−メルカプト
ピルビン酸、β−イミダゾリルピルビン酸、トリメチル
ピルビン酸、β−ハイドロキシピルビン酸、α−ケト酪
酸等がある。
【0009】本発明の微生物は、酢酸を唯一の炭素源と
する培地でL−バリン耐性を示し、かつグルコースを唯
一の炭素源とする培地でピルビン酸アナログに感受性を
有することを特徴とするが、この形質に加えて、従来、
L−バリン生産性を与えることが知られているアミノ酸
の栄養要求性、アミノ酸アナログ耐性などの形質を共有
していてもよい。これらの多重変異株は各変異を順次付
与することによって、あるいは各変異を個別に有する菌
株間のプロトプラスト融合を介した交雑により取得する
ことができる。
する培地でL−バリン耐性を示し、かつグルコースを唯
一の炭素源とする培地でピルビン酸アナログに感受性を
有することを特徴とするが、この形質に加えて、従来、
L−バリン生産性を与えることが知られているアミノ酸
の栄養要求性、アミノ酸アナログ耐性などの形質を共有
していてもよい。これらの多重変異株は各変異を順次付
与することによって、あるいは各変異を個別に有する菌
株間のプロトプラスト融合を介した交雑により取得する
ことができる。
【0010】本発明の微生物によるL−バリンの生産
は、通常の培養法で実施可能である。使用培地として
は、炭素源、窒素源、無機物その他使用菌株の必要とす
る微量の栄養素を程よく含有するものならば合成培地ま
たは天然培地いずれも使用可能である。 炭素源として
はグルコース、グリセロール、フラクトース、シューク
ロース、マルトース、マンノース、澱粉、澱粉加水分解
物、糖蜜などの炭水化物、ポリアルコール、ピルビン
酸、フマール酸、乳酸、酢酸などの各種有機酸が使用で
きる。さらに微生物の資化性によって、炭化水素、アル
コール類なども用いられる。
は、通常の培養法で実施可能である。使用培地として
は、炭素源、窒素源、無機物その他使用菌株の必要とす
る微量の栄養素を程よく含有するものならば合成培地ま
たは天然培地いずれも使用可能である。 炭素源として
はグルコース、グリセロール、フラクトース、シューク
ロース、マルトース、マンノース、澱粉、澱粉加水分解
物、糖蜜などの炭水化物、ポリアルコール、ピルビン
酸、フマール酸、乳酸、酢酸などの各種有機酸が使用で
きる。さらに微生物の資化性によって、炭化水素、アル
コール類なども用いられる。
【0011】窒素源としてはアンモニアまたは塩化アン
モニウム、硫酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、酢酸
アンモニウムなどの各種無機及び有機アンモニウム塩類
あるいは尿素および他の窒素含有物質ならびにペプト
ン、NZ−アミン、肉エキス、酵母エキス、コーン・ス
チープ・リカー、カゼイン加水分解物、フィッシュミー
ルまたはその消化物など種々のものが使用可能である。
モニウム、硫酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、酢酸
アンモニウムなどの各種無機及び有機アンモニウム塩類
あるいは尿素および他の窒素含有物質ならびにペプト
ン、NZ−アミン、肉エキス、酵母エキス、コーン・ス
チープ・リカー、カゼイン加水分解物、フィッシュミー
ルまたはその消化物など種々のものが使用可能である。
【0012】さらに無機物としては、リン酸第一水素カ
リウム、リン酸第二水素カリウム、硫酸アンモニウム、
塩化アンモニウム、硫酸マグネシウム、塩化ナトリウ
ム、硫酸第一鉄、硫酸マンガンおよび炭酸カルシウムな
どを使用する。培養は、振とう培養または通気培養など
の好気的条件下に行う。培養温度は、一般に20〜40
℃が好適である。培地のpHは中性付近に維持すること
が望ましい。培養期間は、通常1〜5日間である。
リウム、リン酸第二水素カリウム、硫酸アンモニウム、
塩化アンモニウム、硫酸マグネシウム、塩化ナトリウ
ム、硫酸第一鉄、硫酸マンガンおよび炭酸カルシウムな
どを使用する。培養は、振とう培養または通気培養など
の好気的条件下に行う。培養温度は、一般に20〜40
℃が好適である。培地のpHは中性付近に維持すること
が望ましい。培養期間は、通常1〜5日間である。
【0013】培養液からL−バリンを採取する方法は、
培養終了後、菌体を除去して濃縮晶析する方法、活性炭
処理あるいはイオン交換樹脂処理などの公知の方法によ
って行われる。以下に実施例をあげて、本発明を具体的
に説明する。
培養終了後、菌体を除去して濃縮晶析する方法、活性炭
処理あるいはイオン交換樹脂処理などの公知の方法によ
って行われる。以下に実施例をあげて、本発明を具体的
に説明する。
【0014】
実施例1 コリネバクテリウム・グルタミクムATCC13032 を完全培
地 (粉末ブイヨン20g、酵母エキス5gを水1リット
ルに含み、pH7.2に調整した培地)で30℃、16時
間培養した菌体を集め、0.05Mトリス−マレイン酸緩
衝液(pH6.0)で洗浄後、菌体の濃度が約109 細胞
/mlになるように同緩衝液に懸濁し、これにNTGを終
濃度が500 mg/l になるように加え、30℃、20分間
保持して変異処理を行った。この変異処理菌体を同緩衝
液で洗浄後、その菌体を第1表に示す組成の最少培地に
L−バリンを0.5g/l含有する平板寒天培地に塗布し
た。
地 (粉末ブイヨン20g、酵母エキス5gを水1リット
ルに含み、pH7.2に調整した培地)で30℃、16時
間培養した菌体を集め、0.05Mトリス−マレイン酸緩
衝液(pH6.0)で洗浄後、菌体の濃度が約109 細胞
/mlになるように同緩衝液に懸濁し、これにNTGを終
濃度が500 mg/l になるように加え、30℃、20分間
保持して変異処理を行った。この変異処理菌体を同緩衝
液で洗浄後、その菌体を第1表に示す組成の最少培地に
L−バリンを0.5g/l含有する平板寒天培地に塗布し
た。
【0015】
【表1】
【0016】30℃で2〜4日間培養し、該平板培地に
生育するコロニーのうち大きいコロニーを釣菌した。そ
れらの株の中から、第1表の酢酸ナトリウムの代わりに
グルコース5g/lを炭素源として含み、かつβ−フル
オロピルビン酸(以下βFPと略す)6mg/lを含む最
少寒天培地で生育の遅い株を選択した。このような変異
株の中からL−バリン生産性の高い菌株として、コリネ
バクテリウム・グルタミクムAV1を得た。
生育するコロニーのうち大きいコロニーを釣菌した。そ
れらの株の中から、第1表の酢酸ナトリウムの代わりに
グルコース5g/lを炭素源として含み、かつβ−フル
オロピルビン酸(以下βFPと略す)6mg/lを含む最
少寒天培地で生育の遅い株を選択した。このような変異
株の中からL−バリン生産性の高い菌株として、コリネ
バクテリウム・グルタミクムAV1を得た。
【0017】本菌株は、平成2年7月12日付で工業技
術院微生物工業技術研究所(微工研)にFERM BP-3006と
して寄託されている。第2表に、親株ATCC13032 と変異
株AV1のL−バリンに対する感受性及びβFPに対す
る感受性を示した。L−バリン感受性は、0.5g/lの
L−バリンを含む第1表に示した最少寒天培地、またβ
FP感受性は6mg/lのβFPを含み酢酸ナトリウムの
代わりにグルコース5g/lを炭素源とした最少寒天培
地に両菌株を塗布し、30℃、2日間培養後の生育度合
で判定した。
術院微生物工業技術研究所(微工研)にFERM BP-3006と
して寄託されている。第2表に、親株ATCC13032 と変異
株AV1のL−バリンに対する感受性及びβFPに対す
る感受性を示した。L−バリン感受性は、0.5g/lの
L−バリンを含む第1表に示した最少寒天培地、またβ
FP感受性は6mg/lのβFPを含み酢酸ナトリウムの
代わりにグルコース5g/lを炭素源とした最少寒天培
地に両菌株を塗布し、30℃、2日間培養後の生育度合
で判定した。
【0018】実施例2 ブレビバクテリウム・ラクトファーメンタム ATCC1386
9 を完全培地で30℃、16時間培養した菌体を集め、
0.05Mトリス−マレイン酸緩衝液(pH6.0)で洗浄
後、菌体の濃度が約109 細胞/mlになるように同緩衝
液に懸濁し、これにNTGを終濃度が500mg/lにな
るように加え、30℃、20分間保持して変異処理を行
った。この変異処理菌体を同緩衝液で洗浄後、その菌体
を第1表に示す組成の最少培地にL−バリンを0.5g/
l含有する平板寒天培地に塗布した。
9 を完全培地で30℃、16時間培養した菌体を集め、
0.05Mトリス−マレイン酸緩衝液(pH6.0)で洗浄
後、菌体の濃度が約109 細胞/mlになるように同緩衝
液に懸濁し、これにNTGを終濃度が500mg/lにな
るように加え、30℃、20分間保持して変異処理を行
った。この変異処理菌体を同緩衝液で洗浄後、その菌体
を第1表に示す組成の最少培地にL−バリンを0.5g/
l含有する平板寒天培地に塗布した。
【0019】30℃で2〜4日間培養し、該平板培地に
生育するコロニーのうち大きいコロニーを釣菌した。そ
れらの株の中から、第1表の酢酸ナトリウムの代わりに
グルコース5g/lを炭素源として含み、かつβFP
6mg/lを含む最少寒天培地で生育の遅い株を選択し
た。このような変異株の中からL−バリン生産性の高い
菌株として、ブレビバクテリウム・ラクトファーメンタ
ムAV11を得た。
生育するコロニーのうち大きいコロニーを釣菌した。そ
れらの株の中から、第1表の酢酸ナトリウムの代わりに
グルコース5g/lを炭素源として含み、かつβFP
6mg/lを含む最少寒天培地で生育の遅い株を選択し
た。このような変異株の中からL−バリン生産性の高い
菌株として、ブレビバクテリウム・ラクトファーメンタ
ムAV11を得た。
【0020】本菌株は、平成2年7月12日付で微工研
に FERM BP-3007として寄託されている。第2表に、親
株ATCC13869 と変異株AV11のL−バリンに対する感
受性及びβFPに対する感受性を示した。L−バリン感
受性及びβFPに対する感受性試験は、実施例1と同様
に行った。
に FERM BP-3007として寄託されている。第2表に、親
株ATCC13869 と変異株AV11のL−バリンに対する感
受性及びβFPに対する感受性を示した。L−バリン感
受性及びβFPに対する感受性試験は、実施例1と同様
に行った。
【0021】
【表2】
【0022】実施例3 実施例1及び2で取得した変異株コリネバクテリウム・
グルタミクム AV1(FERM BP-3006) 、ブレビバクテ
リウム・ラクトファーメンタムAV11(FERMBP-3007)
及びそれらの親株を、3mlの種培地(グルコース1%、
粉末ブイヨン2%、酵母エキス0.5%、pH7.2)を含
む試験管に接種し、30℃で24時間振とう培養した。
この種培養液1mlを、下記の発酵培地20mlを含む30
0ml容三角フラスコに接種して、48時間30℃で振と
う培養した。培養後、培養濾液をペーパークロマトグラ
フィーにかけ、ニンヒドリン発色後、比色定量してL−
バリンの生成量を測定した。
グルタミクム AV1(FERM BP-3006) 、ブレビバクテ
リウム・ラクトファーメンタムAV11(FERMBP-3007)
及びそれらの親株を、3mlの種培地(グルコース1%、
粉末ブイヨン2%、酵母エキス0.5%、pH7.2)を含
む試験管に接種し、30℃で24時間振とう培養した。
この種培養液1mlを、下記の発酵培地20mlを含む30
0ml容三角フラスコに接種して、48時間30℃で振と
う培養した。培養後、培養濾液をペーパークロマトグラ
フィーにかけ、ニンヒドリン発色後、比色定量してL−
バリンの生成量を測定した。
【0023】その結果を第3表に示す。 発酵培地の組成:グルコース8%、KH2 PO4 0.1
%、硫酸マグネシウム0.1%、硫酸アンモニウム5%、
尿素0.2%、チアミン塩酸塩120μg /l、ビオチン
180μg /l、FeSO4 ・7H2 O 12mg/l、
MnSO4 ・4〜6H2O 12mg/l、コーン・スチ
ープ・リカー1%、炭酸カルシウム2%(pH7.2)
%、硫酸マグネシウム0.1%、硫酸アンモニウム5%、
尿素0.2%、チアミン塩酸塩120μg /l、ビオチン
180μg /l、FeSO4 ・7H2 O 12mg/l、
MnSO4 ・4〜6H2O 12mg/l、コーン・スチ
ープ・リカー1%、炭酸カルシウム2%(pH7.2)
【0024】
【表3】
【0025】
【発明の効果】本発明によれば、L−バリンを工業的に
安価に製造することができる。
安価に製造することができる。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項1】 コリネバクテリウム属またはブレビバク
テリウム属に属し、酢酸を唯一の炭素源として含む培地
ではL−バリンに対して耐性を示し、グルコースを唯一
の炭素源として含む培地ではピルビン酸アナログに対し
て感受性を示し、かつL−バリン生産能を有する微生物
を培地に培養し、培養物中にL−バリンを生成蓄積さ
せ、該培養物からL−バリンを採取することを特徴とす
るL−バリンの製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22995891A JP3006929B2 (ja) | 1990-09-18 | 1991-09-10 | 発酵法によるl−バリンの製造法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24855090 | 1990-09-18 | ||
JP2-248550 | 1990-09-18 | ||
JP22995891A JP3006929B2 (ja) | 1990-09-18 | 1991-09-10 | 発酵法によるl−バリンの製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH057493A true JPH057493A (ja) | 1993-01-19 |
JP3006929B2 JP3006929B2 (ja) | 2000-02-07 |
Family
ID=26529081
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP22995891A Expired - Fee Related JP3006929B2 (ja) | 1990-09-18 | 1991-09-10 | 発酵法によるl−バリンの製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3006929B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7244608B2 (en) | 2000-12-26 | 2007-07-17 | Cheil Jedang Corporation | Microorganism producing 5′-inosinic acid and process for producing 5′-inosinic acid using the same |
CN116731933A (zh) * | 2023-08-03 | 2023-09-12 | 欧铭庄生物科技(天津)有限公司滨海新区分公司 | 一种谷氨酸棒杆菌及其在生产缬氨酸中的应用 |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011067095A (ja) | 2008-01-10 | 2011-04-07 | Ajinomoto Co Inc | 発酵法による目的物質の製造法 |
WO2009093703A1 (ja) | 2008-01-23 | 2009-07-30 | Ajinomoto Co., Inc. | L-アミノ酸の製造法 |
WO2011013707A1 (ja) | 2009-07-29 | 2011-02-03 | 味の素株式会社 | L-アミノ酸の製造法 |
JP2012223091A (ja) | 2009-08-25 | 2012-11-15 | Ajinomoto Co Inc | L−アミノ酸の製造法 |
JP5831669B2 (ja) | 2013-05-13 | 2015-12-09 | 味の素株式会社 | L−アミノ酸の製造法 |
-
1991
- 1991-09-10 JP JP22995891A patent/JP3006929B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7244608B2 (en) | 2000-12-26 | 2007-07-17 | Cheil Jedang Corporation | Microorganism producing 5′-inosinic acid and process for producing 5′-inosinic acid using the same |
CN116731933A (zh) * | 2023-08-03 | 2023-09-12 | 欧铭庄生物科技(天津)有限公司滨海新区分公司 | 一种谷氨酸棒杆菌及其在生产缬氨酸中的应用 |
CN116731933B (zh) * | 2023-08-03 | 2023-10-03 | 欧铭庄生物科技(天津)有限公司滨海新区分公司 | 一种谷氨酸棒杆菌及其在生产缬氨酸中的应用 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3006929B2 (ja) | 2000-02-07 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JPH0488994A (ja) | 発酵法によるl―グルタミン酸の製造法 | |
JP2817155B2 (ja) | 発酵法によるl‐アルギニンの製造法 | |
US5188948A (en) | Process for producing L-valine by fermentation | |
JP2810697B2 (ja) | 芳香族アミノ酸の製造法 | |
KR950005133B1 (ko) | L-발린의 제조방법 | |
JPH06237779A (ja) | 発酵法によるl−グルタミン酸の製造法 | |
JPS6115695A (ja) | 発酵法によるl−イソロイシンの製造方法 | |
JP2876739B2 (ja) | 発酵法によるl―リジンの製造法 | |
JP3006929B2 (ja) | 発酵法によるl−バリンの製造法 | |
US5188947A (en) | Process and microorganism for producing l-ornithine by corynebacterium, brevibacterium, or athrobacter | |
JPS6224074B2 (ja) | ||
JP2578463B2 (ja) | 発酵法によるl−リジンの製造法 | |
JP2578474B2 (ja) | L−グルタミン酸の製造法 | |
JPS63248392A (ja) | 発酵法によるl−ロイシンの製造法 | |
JPH0665314B2 (ja) | 発酵法によるl−バリンの製造法 | |
EP0336387B1 (en) | Process for producing l-arginine | |
US5362636A (en) | Process for producing L-lysine by fermentation with a bacteria having selenalysine resistance | |
JP3100763B2 (ja) | 発酵法によるl−アルギニンの製造法 | |
HU215184B (hu) | Eljárás L-lizin és L-lizint termelő Brevibacterium és Corynebacterium nemzetségbeli muntáns törzsek előállítására | |
HU215248B (hu) | Eljárás L-lizin előállítására | |
JP2995816B2 (ja) | 発酵法によるl―リジンの製造法 | |
JPS6224075B2 (ja) | ||
JPS62265988A (ja) | 発酵法によるl−アルギニンの製造法 | |
JPH055476B2 (ja) | ||
JPH0211236B2 (ja) |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 19991110 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |