JPH0574642B2

JPH0574642B2 -

Info

Publication number: JPH0574642B2
Application number: JP62109456A
Authority: JP
Inventors: Shigeru Nagaho; Akio Tanaka; Yoshiro Nagai; Haruo Shimizu; Ei Nakajima; Tooru Nanba; Shozo Yamaguchi
Original assignee: Kubota Corp
Current assignee: Kubota Corp
Priority date: 1987-05-02
Filing date: 1987-05-02
Publication date: 1993-10-18
Also published as: JPS63277309A

Description

【発明の詳細な説明】産業上の利用分野本発明は湾岸等において波浪を吸収する消波壁
に関する。

従来の技術従来、テトラポツド（登録商標）として知られ
ている消波ブロツクを複数積み上げることにより
り堤体を構築して消波壁とすることが一般的であ
る。

発明が解決しようとする問題点ところが、このような従来のブロツクで構築さ
れる消波壁では、波浪がブロツクに衝突すること
によりエネルギが吸収されて消波が行なわれる
が、これに伴つて波の飛沫が生じ、この飛沫が陸
地にまで達するという問題点があつた。また、テ
トラポツドの組み合せに手間がかかり、消波壁と
しての堤体の構築に時間がかかる問題があつた。

本発明は上記問題点を解決するもので、波の飛
沫の発生を防止できるとともに、構築作業を簡単
に行なえる消波構造体および消波壁を提供するこ
とを目的とする。

問題点を解決するための手段上記問題点を解決するため、本発明の消波構造
体は、両端の開口より流路断面積を小さく形成さ
れた狭路部と、狭路部よりも流路断面を大きく形
成された遊水部とを有し、全体として流路断面積
が変化する消波管の両端に、外面を囲んでコンク
リートブロツクを設けた構成としたものである。
また、本発明の消波壁は、両端の開口より流路断
面積を小さく形成された狭路部と、狭路部よりも
流路断面を大きく形成された遊水部とを有し、全
体として流路断面積が変化する消波管の両端に、
外面を囲んでコンクリートブロツクを設けてなる
複数の消波構造体を、消波管の一端開口を波浪の
伝播してくる方向に向けるとともに、コンクリー
トブロツクどうしを重ね合わせて上下方向および
左右方向に積み重ね、積み重ねたコンクリートブ
ロツクの端面で壁面を形成した構成としたもので
ある。

作用上記構成において、消波構造体は、コンクリー
トブロツクどうしを上下方向および左右方向で重
ね合わせて積み重なるだけで、コンクリートブロ
ツクの端面により消波壁の壁面を形成するととも
に、コンクリートブロツクにより消波管および消
波管の開口を一定間隔に保持して、消波壁を構成
することができる。そして、消波構造体は波浪を
消波管内において、流路断面積の変化により減衰
させて消波する。また、消波構造体は消波管の両
端にコンクリートブロツクを設けるだけであるた
めに製造が容易であるとともに、重量的に取扱い
が容易なものとなる。

また、消波壁は、上述したように消波構造体を
積み重ねて構築されるので、構築する作業が容易
なものとなる。

実施例以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明
する。第１図〜第２図において、消波壁１は、消
波構造体２の複数を上下方向および左右方向に積
み重ねて構築されている。そして、消波構造体２
は、消波管３の両端の外周に断面矩形のコンクリ
ートブロツク４ａ，４ｂを形成されており、消波
管３は鋳鉄管より成り、両端の開口５ａ，５ｂよ
り流路断面積を小さく形成された狭路部６ａ，６
ｂと、この狭路部６ａ，６ｂよりも流路断面積を
大きく形成された遊水部７とを有し、全体として
流路断面積が変化する形状に形成されている。そ
して、消波構造体２は、コンクリートブロツク４
ａ，４ｂどうしを上下方向および左右方向で重ね
合わせて積み重ねられており、この積み重ねられ
た消波構造体２の消波管３の間は、固定用コンク
リート８で埋固められてている。そして、固定用
コンクリート８で一体化された複数の消波構造体
２は、一端側の開口４ａを波浪９の伝播してくる
方向に向けて配置されている。また、固定用コン
クリート８の流し込みは、第３図に示すように、
仮枠１０を形成し、この仮枠１０内に消波構造体
２を積み重ねて配置して行なつてもよく、また第
４図に示すように、断面Ｕ字状のケイソン枠１１
内に消波構造体２を配置し、ケイソン枠１１を消
波構造体２と一体に、固定用コンクリート８で埋
固めてもよい。この時、固定用コンクリート８の
かわりに砂あるいは砕石を用いてもよい。尚、消
波構造体２は、消波管３の両端だけではなく、中
ほどにコンクリートブロツク４ａ，４ｂと同形状
の支持部１２を形成してもよい。

以下、上記構成における作用について説明す
る。まず、消波壁１の構築にあたつては、消波構
造体２を、上下方向および左右方向で両端のコン
クリートブロツク４ａ，４ｂどうしが重ね合わさ
るように積み重ねるだけで、コンクリートブロツ
ク４ａ，４ｂの開口側の端面により消波壁１の壁
面が形成されるとともに、コンクリートブロツク
４ａ，４ｂにより消波管３および消波管３の開口
５ａ，５ｂが一定間隔に配置される。また、消波
管３の間に固定用コンクリート８を流し込み、一
度に複数の消波構造体２を一体化するので、消波
構造体２の固定が簡単である。よつて、消波壁１
の構築作業が容易なものとなる。そして、消波壁
１に伝播する波浪９は、各消波構造体２の消波管
３内を通過するうちに、消波管３の流路断面積が
変化することから、波力を圧力損失および流動圧
力の減少として吸収され、減衰されて消波され
る。よつて、波の飛沫の発生が防止される。ま
た、消波構造体２を持ち上げようとする波浪９の
波力に対しては、消波管の間を埋固めた固定用コ
ンクリート８が重しとなつて作用し、消波壁１の
安定が図られる。

発明の効果以上述べたことく、本発明の消波構造体によれ
ば、コンクリートブロツクによつて消波管を一定
間隔に保持するとともに、コンクリートブロツク
の端面によつて消波壁の壁面を形成できるので、
積み重ねるだけの簡単な作業によつて消波壁を構
築することが出来る。また、本発明の消波壁によ
れば、上述したように消波構造体を積み重ねて構
築されるので構築作業が容易なものとなるととも
に、波浪が各消波管内を通過するうちに、流路断
面積の変化により減衰されて消波されるので、波
の飛沫の発生を防止出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す全体構成図、
第２図は消波構造体の全体斜視図、第３図は仮枠
による消波壁の構築を示す図、第４図はケイソン
枠による消波壁の構築を示す図である。１……消波壁、２……消波構造体、３……消波
管、４ａ，４ｂ……コンクリートブロツク、５
ａ，５ｂ……開口、６ａ，６ｂ……狭路部、７…
…遊水部、８……固定用コンクリート、９……波
浪、１０……仮枠、１１……ケイソン枠、１２…
…支持部。

Claims

【特許請求の範囲】１両端の開口より流路断面積を小さく形成され
た狭路部と、狭路部よりも流路断面を大きく形成
された遊水部とを有し、全体として流路断面積が
変化する消波管の両端に、外面を囲んでコンクリ
ートブロツクを設けたことを特徴とする消波構造
体。２両端の開口より流路断面積を小さく形成され
た狭路部と、狭路部よりも流路断面を大きく形成
された遊水部とを有し、全体として流路断面積が
変化する消波管の両端に、外面を囲んでコンクリ
ートブロツクを設けてなる複数の消波構造体を、
消波管の一端開口を波浪の伝播してくる方向に向
けるとともに、コンクリートブロツクどうしを重
ね合わせて上下方向および左右方向に積み重ね、
積み重ねたコンクリートブロツクの端面で壁面を
形成したことを特徴とする消波壁。３積み重ねた消波構造体の消波管の間をコンク
リートで埋固めたことを特徴とする特許請求の範
囲第２項記載の消波壁。