JPH0574559A

JPH0574559A - 電磁誘導加熱調理器

Info

Publication number: JPH0574559A
Application number: JP23588091A
Authority: JP
Inventors: Yasuhiro Ikenobou; 泰裕池防
Original assignee: Sharp Corp
Current assignee: Sharp Corp
Priority date: 1991-09-17
Filing date: 1991-09-17
Publication date: 1993-03-26

Abstract

(57)【要約】【目的】電磁誘導加熱調理器の加熱コイルを鍋の載置
プレートと一体に製作して、製造工程を簡略化し、イン
ダクタンス値のバラツキを小さくし、生産の歩留まりを
改善し、載置プレートと加熱コイルを接近させて加熱効
率を向上させると共に不要輻射を減少させ、さらに電磁
誘導加熱調理器を薄型、コンパクトにする。【構成】平板状の導電性材料を加工して渦巻状の加熱
コイル３を製作し、載置プレート２に張着してプレート
一体型加熱コイルを製作する。或いは、未焼成のセラミ
ツクプレートに銅粉末と接着剤を混合したものを渦巻状
に印刷し、セラミツクプレートと一緒に焼成して加熱コ
イル３を形成させてプレート一体型加熱コイルを製作す
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は電磁誘導加熱調理器に関
するもので、より詳しくは、鍋載置プレートと加熱コイ
ルとを一体にした電磁誘導加熱調理器に関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】図３は従来の電磁誘導加熱調理器の要部
断面斜視図である。

【０００３】図３において、１は被加熱物である金属
鍋、１２は金属鍋１を載置するための載置プレート、１
３は金属鍋１を誘導加熱するための高周波交番磁束を発
生させる加熱コイル、４は加熱コイル１３を保持するコ
イル取付板であり、上記加熱コイル１３によって発生さ
れた高周波交番磁束が金属鍋１の底面を透磁する際に発
生する渦電流のジュール熱損により、金属鍋１が加熱さ
れる。

【０００４】従来の加熱コイル１３は、銅線などの導体
上に絶縁層を設けた素線を撚り合わせて集合させたリッ
ツ線を用いて、平坦なコイル状に巻かれており、さらに
その加熱コイル１３をコイル取付板４にワニス等の接着
剤で固定していた。

【０００５】さらに、載置プレート１２は、電磁誘導加
熱調理器の天面に配設され、加熱コイル部は、電磁誘導
加熱調理器の内部に設置されており、両者の間には空間
があった。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】。

【０００７】しかし、従来の加熱コイルは、人間がリッ
ツ線を平坦なコイル状に手巻きし、さらにコイル取付板
に接着して製作しており、製造工程数が多く、また手巻
きしているため加熱コイルのインダクタンス値のバラツ
キが大きく、歩留りも悪く、生産性も低いという問題が
あった。

【０００８】そして、コイル巻作業を自動化した場合で
も、加熱コイルに使用しているリッツ線自体が撚り構造
をしているため、コイル巻工程でのわずかなリッツ線へ
のテンションの掛け方によりリッツ線が潰されてコイル
外径が微妙に変化し、加熱コイルのインダクタンス値が
変わるという問題点もあった。

【０００９】また、金属鍋と加熱コイルの間は、可能な
限り近づけた方が、磁気的結合が良くなり漏れ磁束が少
なくなる。しかし、従来の電磁誘導加熱調理器の構造で
は、金属鍋を載置する載置プレートと加熱コイルとは独
立して配設されており、構造的にも両者を近づけること
は困難であった。このため、加熱効率が低下し、さらに
不要輻射が増大という問題もあった。

【００１０】本発明はこのような問題点を解決するため
になされたものであって、載置プレートと平板状の導電
性材料を加工して製作された渦巻状の加熱コイルとを張
着若しくは、載置プレートに印刷、メッキ、蒸着或いは
エツチング等により渦巻状の加熱コイルを直接形成して
プレート一体型加熱コイルを形成し、インダクタンス値
のバラツキが小さく、生産性が良く、輻射損失が少なく
加熱効率の良い、コンパクト電磁誘導加熱調理器を提供
することを目的とする。

【００１１】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
この発明は、金属鍋を載置する載置プレートと、高周波
交番磁束により金属鍋に渦電流を発生させて加熱する加
熱コイルとを備えた電磁誘導加熱調理器において、上記
加熱コイルを平板状の導電性材料を加工して渦巻状に形
成し、この加熱コイルを上記載置プレートに張着してプ
レ−ト一体型加熱コイルとしたことを特徴とする。

【００１２】また、上記渦巻状の加熱コイルを、上記載
置プレートに印刷、メッキ、蒸着或いはエツチング等の
方法により直接形成し、プレート一体型加熱コイルとし
たことを特徴とする。

【００１３】また、上記プレート一体型加熱コイルの加
熱コイルの上に絶縁板を張着し、この絶縁板の上にさら
に上記渦巻状の加熱コイルを形成し、これらの加熱コイ
ルを直列または並列に接続し、多段式プレート一体型加
熱コイルとしたことを特徴とする。

【００１４】

【作用】上記構成において、載置プレートに加熱コイル
を一体に形成することにより製造工程が簡略化できる。
また、インダクタンス値のバラツキも小さくなり、歩留
りも良くなる。そして、載置プレートと加熱コイルが一
体構造であるため、加熱コイルと金属鍋の距離が近づ
き、発生した高周波交番磁束のほとんどが載置プレート
上の金属鍋を透磁する。この結果、漏れ磁束が少なくな
り、加熱効率が良くなると同時に、不要輻射の発生も小
さくなる。さらに、加熱コイルが載置プレートと一体型
であるため、電磁誘導加熱調理器本体も小型、薄型化で
きる。

【００１５】また、載置プレートに印刷、メッキ、蒸着
或いはエツチング等により加熱コイルを形成すれば、一
層製造工程が簡略化できる。

【００１６】また、上記のような方法で製作されたプレ
ート一体型加熱コイルを重ねて多段化すれば、加熱コイ
ルの厚みをあまり増やすことなく電磁誘導加熱調理器の
出力を大きくすることができる。

【００１７】

【実施例】以下、本発明の実施例を示す図を用いて詳細
に説明する。

【００１８】図１(ａ)は本発明の電磁誘導加熱調理器の
一実施例であるプレート一体型加熱コイルを加熱コイル
側から見た平面図、図１(ｂ)は図１(ａ)のＡ−Ａ断面図
である。

【００１９】図１(ａ)及び図１(ｂ)において、２は載置
プレート、３は加熱コイルである。この加熱コイル３
は、導電性材料である銅板等をプレスで渦巻状に打抜く
か、或いはＮＣ又はレーザー加工などで渦巻状に切抜い
てコイルとする。そして、できた加熱コイル３を、載置
プレート２に接着剤などで張着する。このため、従来使
用していたコイル取付板４が不要になる。

【００２０】また、加熱コイル３の隣同士の導体間耐圧
は、加熱コイル３両端にかかる電圧を加熱コイル３のタ
ーン数で割った値になり、通常は数十Ｖであるから導体
間の距離を０.５mm以上離していれば問題なく、特に導
体表面に絶縁物を設ける必要はない。このため、従来の
リッツ線のように素線に絶縁層を設ける必要がなく、載
置プレート２からの熱による温度上昇で、絶縁層が破壊
する恐れもない。

【００２１】また、平板状の加熱コイル３に高周波の電
流を流すため、導体表面にしか電流が流れない表皮効果
の問題がある。このため加熱コイル３に用いる銅板の厚
みを、厚くしても導体抵抗は小さくならない。通常、加
熱コイル３に流す高周波電流は、２０kHz程度であり、
この周波数での表皮効果による表皮深さは、約０.４７m
mである。このため、銅板の厚みは、この表皮深さの２倍
が最適値であり約０.９４mmとする。加熱コイル３の出
力によっては、この厚みでは許容電流値が小さくて、出
力が得られない場合がある。

【００２２】上記加熱コイル３の製作方法としては、上
記平板状の導電性材料から製作する方法のの他に、載置
プレート上に直接加熱コイルを作成する方法もある。

【００２３】第１の方法としては、載置プレート２は、
通常セラミック材料で製作されることが多いので、未焼
成のセラミックプレートに銅粉末と接着剤を混合した材
料を渦巻状に印刷し、セラミックプレートと一緒に焼成
して加熱コイル２を形成する方法がある。

【００２４】次に、第２の方法としては、載置プレート
２上に直接メッキ、蒸着或いはスパッタリングにより渦
巻状の加熱コイル３を形成する方法がある。

【００２５】また、第３の方法としては、載置プレート
２に銅板等の導電性材料を張着し、エツチングにより渦
巻状の加熱コイル３を製作する方法がある。

【００２６】図２(ａ)は本発明の電磁誘導加熱調理器の
一実施例である多段式プレート一体型加熱コイルを加熱
コイル側から見た平面図、図２(ｂ)は図２(ａ)のＢ−Ｂ
断面図である。

【００２７】多段式プレート一体型加熱コイルを作る場
合は、図２に示すように、プレートに形成された加熱コ
イル３の上に絶縁板５を張り付け、さらにその上に加熱
コイル３と同様の方法で平板状の導電性材料から製作し
た渦巻状の加熱コイル３ａを張着する方法や、完成した
セラミツク焼成方式のプレート一体型加熱コイルの加熱
コイル上にもう一度未焼成のセラミックプレートを載
せ、その上にもう一度銅粉末と接着剤の混合物を印刷
し、焼成する方法等がある。

【００２８】できた多段式プレート一体型加熱コイルの
加熱コイル３と３ａとを並列に接続する。これにより、
加熱コイルの許容電流を増やすことができ、加熱コイル
の大出力化に対応できる。出力の関係で２段構成にして
も、許容電流が、不足する場合は、さらに３段、４段と
段数を重ねた多段式一体型加熱コイルとすれば対応する
ことができる。

【００２９】また、加熱コイルに電流を流すインバータ
回路の構成によっては、インダクタンス値を大きくする
必要があり、この場合は上記の加熱コイルを、直列に接
続してインダクタンス値を増やして対応する。

【００３０】このように多段式の加熱コイルでは、並列
や直列に接続することにより、加熱コイルのインダクタ
ンス値を自由に変更できる。

【００３１】

【発明の効果】本発明の電磁誘導加熱調理器は以上のよ
うに構成されたものであるので、プレート一体型加熱コ
イルでは、加熱コイルを線材の巻き作業で製作するので
はなく、銅板等の打抜などの方法で製作するため、加熱
コイルのインダクタンス値のバラツキを抑えることがで
き、歩留まりを良くすることができ、品質並びに性能の
安定化が図れ、生産性を高めることができ、大量生産が
可能となって安価に製作できる。

【００３２】また、載置プレートと加熱コイルが一体構
造であるため、金属鍋と加熱コイルの距離を最小限に近
づけることができ、加熱効率が向上し、さらに不要輻射
も減らすことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】同図(ａ)は本発明の電磁誘導加熱調理器の一実
施例であるプレート一体型加熱コイルを加熱コイル側か
ら見た平板図、同図(ｂ)は同図(ａ)のＡ−Ａ断面図であ
る。

【図２】同図(ａ)は本発明の電磁誘導加熱調理器の一実
施例である多段式プレート一体型加熱コイルを加熱コイ
ル側から見た平板図、同図(ｂ)は同図(ａ)のＢ−Ｂ断面
図である。

【図３】従来の電磁誘導加熱調理器の要部断面斜視図で
ある。

【符号の説明】

２：載置プレート３，３ａ：加熱コイル５：絶縁板

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】金属鍋を載置する載置プレートと、高周波
交番磁束により金属鍋に渦電流を発生させて加熱する加
熱コイルとを備えた電磁誘導加熱調理器において、上記加熱コイルを平板状の導電性材料を加工して渦巻状
に形成し、この加熱コイルを上記載置プレートに張着し
てプレ−ト一体型加熱コイルとしたことを特徴とする電
磁誘導加熱調理器。
【請求項２】上記渦巻状の加熱コイルを、上記載置プレ
ートに印刷、メッキ、蒸着或いはエツチング等の方法に
より直接形成し、プレート一体型加熱コイルとしたこと
を特徴とする特許請求の範囲第１項記載の電磁誘導加熱
調理器。
【請求項３】上記プレート一体型加熱コイルの加熱コイ
ルの上に絶縁板を張着し、この絶縁板の上にさらに上記
渦巻状の加熱コイルを形成し、これらの加熱コイルを直
列または並列に接続し、多段式プレート一体型加熱コイ
ルとしたことを特徴とする特許請求の範囲第１項及び第
２項記載の電磁誘導加熱調理器。