JP2011146188A - 誘導加熱コイルとそれを使用した誘導加熱調理器 - Google Patents
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Abstract
【課題】高周波抵抗を低減しつつ、簡単な構成で、加工性を大幅に向上させる誘導加熱コイルとそれを使用した安価な誘導加熱調理器を提供することを目的とする。
【解決手段】誘導加熱コイル24は、リボン状銅箔線29を用いることで、うず巻状に巻回してコイル状に形成しやすく、簡単な構成で、加工性を大幅に向上させ、安価な誘導加熱コイル24を提供することができるようになる。また、マイカ31(スペース手段)と磁性体層44の相乗効果で、近接効果で生じる高周波抵抗を低減するとともに、コンパクトに、誘導加熱コイル24を形成することができ、さらに、磁性体層44を薄くできるので、塗布または印刷、転写等によって容易に表面に形成できるとともに、磁性材料を曲がりやすく構成でき、うず巻状に巻回してコイル状に形成しやすく、加工性が大幅に向上する。
【選択図】図1
【解決手段】誘導加熱コイル24は、リボン状銅箔線29を用いることで、うず巻状に巻回してコイル状に形成しやすく、簡単な構成で、加工性を大幅に向上させ、安価な誘導加熱コイル24を提供することができるようになる。また、マイカ31(スペース手段)と磁性体層44の相乗効果で、近接効果で生じる高周波抵抗を低減するとともに、コンパクトに、誘導加熱コイル24を形成することができ、さらに、磁性体層44を薄くできるので、塗布または印刷、転写等によって容易に表面に形成できるとともに、磁性材料を曲がりやすく構成でき、うず巻状に巻回してコイル状に形成しやすく、加工性が大幅に向上する。
【選択図】図1
Description
本発明は、損失を低減し、冷却性を向上させた誘導加熱コイルを容易に製造できる構成にした誘導加熱調理器に関するものである。
誘導加熱は電磁誘導を利用して加熱することで、近年、これを利用した新しい調理器具の加熱方式として、誘導加熱調理器は家庭の中でも普及しつつある。
上述の誘導加熱の原理は、導線に交流電流を流すと、その周りに向き、強度の変化する磁力線が発生する。その近くに電気を通す物質(通常は金属)を置くとこの変化する磁力線の影響を受けて、金属の中に渦電流が流れる。金属には通常電気抵抗があるため、金属に電流が流れると 電力=電流の2乗×抵抗分のジュール熱が発生して金属が加熱される現象をいう。
実際の誘導加熱調理器は、高周波インバータ電源が誘導加熱コイルに高周波電流を供給すると、誘導加熱コイルで高周波磁界が発生し、これが鍋に加わり、鍋(金属製)が直接発熱する仕組みを用いている。
ここで、高周波電流が誘導加熱コイルを構成する導体を流れる時、電流密度が導体の表面で高く、表面から離れると低くなる現象、即ち、表皮効果が生じ、抵抗が増加して、温度上昇が大きくなり効率が低下する等の課題がある。
従来、この種の誘導加熱コイルは、この防止策として、導体の細分化によって導体表面積を大きくする方法があり、細いエナメル線を複数本撚り合せたリッツ線をうず巻状に巻回して誘導加熱コイルを形成したものが主流となっている。
しかしながら、リッツ線は、形成するそれぞれの線が細いため、誘導加熱コイルの製作時に、引っかかりなど何らかの理由で、捻れて傷ついたり、断線したりするなど損傷を受けやすく、取り扱いに注意を要する上に、リッツ線を形成するそれぞれの線に絶縁のためのエナメル処理をしてあり、コストアップになってしまう課題があった。
そこで、簡素かつ容易な工法でかつ従来誘導加熱コイルの同様以下の損失となる誘導加熱コイルを実現し、冷却性能等に余裕を持たせ、結果安価な誘導加熱装置を提供するために、誘導加熱装置用誘導加熱コイルで渦巻き状の電気導体の間に磁性体を挿入する構成がある(例えば、特許文献1参照)。
図7は、特許文献1に記載された従来の誘導加熱装置用誘導加熱コイルを示すものである。図7に示すように、電気導体51で渦巻き状に形成し、磁性体52で電気導体51の内周部の電気導体51の間に挿入されている。また、中周部及び外周部の前記電気導体51間は、空間を空けて構成されている。
一般的に、近接した電気導体に平行に電流が流れると互いの電気導体から発生する磁界の影響で電流が流れにくくなるという近接効果が発生する。上述の近接効果についてリッツ線を用いたもので詳述する。
図8は近接するコイル周辺の電磁環境摸式図を示すものである。
図8において、電気導体53のコイル線から生じる磁束54を示している。図8中、コイル線53には、紙面手前から向こう側に電流が流れるものとしている。コイル線53の電流は、近接する互いのコイル線から生じる磁束54により、近接するコイル線より遠ざかる方向へ分布が偏る。
図8中、コイル線53の色の濃淡は、電流密度を表しており、濃い部分では電流密度が高いことを示している。この電流分布の偏りを生じさせる一連の現象を一般的に近接効果と呼ぶ。
この近接効果により、誘導加熱コイルの抵抗(特に高周波電流を流したときの高周波抵抗)が大きくなり、誘導加熱コイルの発熱損失が増加する。
従来、この問題を解決するために、図7に示すように電気導体51のターン間に磁性体52を挿入することで、電気導体51に電流が流れた際に磁界が発生し、電気導体51に磁束が影響しようとするが、電気導体51のターン間に設けられた磁性体52の方に磁束が作用することで、近接効果を低減でき、結果として誘導加熱コイルの抵抗が低減し、誘導加熱コイルの発熱損失が低減することになる。
しかしながら、前記従来の構成では、渦巻き状にした電気導体51のターン間に磁性体52を挿入するという構成なので、製造が難しいという課題を有していた。
特に磁性体52を渦巻き状に加工して電気導体51の間に挿入することが難しく、例えば、粉状の磁性体52を用いて、渦巻き状の電気導体51の間に挿入することは、磁性体52が粉状であるため、その性質上、均等に形成することは難しく、もしできたとしても、その状態を維持することは困難で、極めて製作しにくいものであった。
また、磁性体52の無い、即ち、電気導体51間が空間だけの箇所の寸法を所定の値に維持することも困難であった。さらに、磁性体52は基本的に導電性があり、電気導体52間の絶縁性を確保することも難しかった。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、高周波抵抗を低減しつつ、簡単な構成で、加工性を大幅に向上させて、安価に生産できる誘導加熱コイルと、それを使用した誘導加熱調理器を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の誘導加熱コイルは、銅箔やアルミ箔などの金属製導体箔をリボン状に形成したリボン状導線を円板状になるようにうず巻状に巻回し形成し、且つ、うず巻状に巻回した隣り合う前記リボン状導線間に間隔を設けるスペース手段を配設するとともに、前記スペース手段あるいはリボン状導線にフェライトなど磁性材料の磁性体層を表面に形成する磁性体層形成手段を配設し、うず巻状に巻回した隣り合う前記リボン状導線間に磁性体層を配設した構成としたものである。
これによって、銅箔やアルミ箔などの金属製導体箔をリボン状に形成したリボン状導線を円板状になるようにうず巻状に巻回し形成してあるので、捻れて傷ついたり、断線しに
くくなり、取り扱いが容易になり、また、断面形状が扁平状の長方形であるため、うず巻状に巻回してコイル状に形成しやすく、加工性が大幅に向上する。
くくなり、取り扱いが容易になり、また、断面形状が扁平状の長方形であるため、うず巻状に巻回してコイル状に形成しやすく、加工性が大幅に向上する。
さらに、銅箔やアルミ箔などの金属製導体箔をリボン状に形成したリボン状導線の断面積は、従来のリッツ線の細いエナメル線を複数本撚り合せたものの断面積に相当し、簡単な構成で、加工性を大幅に向上させることができる。
そして、うず巻状に巻回した隣り合う前記リボン状導線間に間隔を設けるスペース手段を配設するとともに、前記スペース手段あるいはリボン状導線にフェライトなど磁性材料の磁性体層を表面に形成する磁性体層形成手段を配設し、うず巻状に巻回した隣り合う前記リボン状導線間に磁性体層を配設してあるので、スペース手段と磁性体層の相乗効果で、近接効果で生じる高周波抵抗を低減できる。
特に、近接効果で生じる高周波抵抗の低減は、スペース手段と磁性体層の相乗効果で、スペース手段で設けるうず巻状に巻回した隣り合うリボン状導線間に間隔を大きくする必要もなく、また、磁性体層形成手段で表面に形成するフェライトなど磁性材料の磁性体層の厚さもさほど必要なく、結果的にコンパクトに、誘導加熱コイルを形成することができ、結果として誘導加熱コイルの抵抗が低減し、誘導加熱コイルの発熱損失が低減することができる。
また、磁性体層形成手段で形成する磁性体層の厚さはさほど必要ないので、フェライトなど磁性材料を塗布または印刷、転写等によって容易に表面に形成することができるとともに、磁性体層の厚さが薄いため、曲がりやすく構成でき、うず巻状に巻回してコイル状に形成しやすく、加工性を大幅に向上することができる。
本発明の誘導加熱コイルは、リボン状導線を用いることで、うず巻状に巻回してコイル状に形成しやすく、簡単な構成で、加工性を大幅に向上させることができるようになる。また、スペース手段と磁性体層の相乗効果で、近接効果で生じる高周波抵抗の低減をできるとともに、コンパクトに、誘導加熱コイルを形成することができ、さらに、磁性体層を薄くできるので、塗布または印刷、転写等によって容易に表面に形成できるとともに、磁性材料を曲がりやすく構成でき、うず巻状に巻回してコイル状に形成しやすく、高周波抵抗を低減しつつ、加工性が大幅に向上させ、安価な誘導加熱コイルを提供することができる。
第1の発明は、被加熱調理容器を加熱する略円形状の誘導加熱コイルと、前記誘導加熱コイルを保持するコイルベースとを備え、前記誘導加熱コイルは、銅箔やアルミ箔などの金属製導体箔をリボン状に形成したリボン状導線を円板状になるようにうず巻状に巻回し形成し、且つ、うず巻状に巻回した隣り合う前記リボン状導線間に間隔を設けるスペース
手段を配設するとともに、前記スペース手段あるいはリボン状導線にフェライトなど磁性材料の磁性体層を表面に形成する磁性体層形成手段を配設し、うず巻状に巻回した隣り合う前記リボン状導線間に磁性体層を配設した構成としている。
手段を配設するとともに、前記スペース手段あるいはリボン状導線にフェライトなど磁性材料の磁性体層を表面に形成する磁性体層形成手段を配設し、うず巻状に巻回した隣り合う前記リボン状導線間に磁性体層を配設した構成としている。
これによって、銅箔やアルミ箔などの金属製導体箔をリボン状に形成したリボン状導線を円板状になるようにうず巻状に巻回し形成してあるので、捻れて傷ついたり、断線しにくくなり、取り扱いが容易になり、また、断面形状が扁平状の長方形であるため、うず巻状に巻回してコイル状に形成しやすく、加工性が大幅に向上する。
さらに、銅箔やアルミ箔などの金属製導体箔をリボン状に形成したリボン状導線の断面積は、従来のリッツ線の細いエナメル線を複数本撚り合せたものの断面積に相当し、簡単な構成で、加工性を大幅に向上させることができる。
そして、うず巻状に巻回した隣り合う前記リボン状導線間に間隔を設けるスペース手段を配設するとともに、前記スペース手段あるいはリボン状導線にフェライトなど磁性材料の磁性体層を表面に形成する磁性体層形成手段を配設し、うず巻状に巻回した隣り合う前記リボン状導線間に磁性体層を配設してあるので、スペース手段と磁性体層の相乗効果で、近接効果で生じる高周波抵抗を低減することができる。
特に、近接効果で生じる高周波抵抗の低減は、スペース手段と磁性体層の相乗効果で、スペース手段で設けるうず巻状に巻回した隣り合うリボン状導線間に間隔を大きくする必要もなく、また、磁性体層形成手段で表面に形成するフェライトなど磁性材料の磁性体層の厚さもさほど必要なく、結果的にコンパクトに、誘導加熱コイルを形成することができ、結果として誘導加熱コイルの抵抗が低減し、誘導加熱コイルの発熱損失を低減することができる。
また、磁性体層形成手段で形成する磁性体層の厚さはさほど必要ないので、フェライトなど磁性材料を塗布または印刷、転写等によって容易に表面に形成することができるとともに、磁性体層の厚さが薄いため、曲がりやすく構成でき、うず巻状に巻回してコイル状に形成しやすく、加工性を大幅に向上することができる。
第2の発明は、特に、第1の発明の磁性体層形成手段はリボン状導線にフェライトなど磁性材料を塗布または印刷、転写等によって表面に形成するように構成したものてある。
これによって、磁性体層形成手段はリボン状導線にフェライトなど磁性材料を塗布または印刷、転写等によって表面に形成してあるので、リボン状導線と磁性体層が一体形成されて、位置ずれ等の心配がなくなり、経年的にも磁性体層にひび割れ等を生じても脱落しなければ影響は少なく、リボン状導線に対する磁性体層の効果を安定化することができる。また、磁性体層は強度を有するリボン状導線に一体化されているので、取り扱いが容易で、うず巻状に巻回してコイル状に形成しやすく、加工性を大幅に向上することができる。
第3の発明は、特に、第1または第2の発明の磁性体層形成手段によってリボン状導線にフェライトなど磁性材料を塗布または印刷、転写等によって表面に形成される磁性体層は、磁性材料とバインダーとなる接着成分からなり、磁性材料を接着成分で包み込むように形成して、磁性体層に絶縁性を付与するようにしたものである。
これによって、磁性材料を接着成分で包み込むように形成して、磁性体層に絶縁性を付与するようにしてあるので、リボン状導線を他の手段で絶縁しなくてもよくなり、加工工程を簡素化でき、加工性を大幅に向上するとともに安価にすることができる。
第4の発明は、特に、第2または第3の発明のスペース手段はマイカあるいはポリテトラフルオロエチレンなどの誘電損失の低く耐熱性の高い材料を前記リボン状導線間に挿入して形成したものである。
これによって、スペース手段はマイカあるいはポリテトラフルオロエチレンなどの誘電損失の低く耐熱性の高い材料を前記リボン状導線間に挿入して形成してあるので、前記リボン状導線間の漏れ電流による損失を低減することができる。
第5の発明は、特に、第1〜3のいずれか1つの発明のコイルベースにうず巻状のスペース形成溝を形成して、前記リボン状導線を挿入し、前記スペース形成溝を形成する壁でうず巻状に巻回した隣り合う前記リボン状導線間に間隔を設けるように形成したものである。
これによって、コイルベースにうず巻状のスペース形成溝を形成して、前記リボン状導線を挿入し、前記スペース形成溝を形成する壁でうず巻状に巻回した隣り合う前記リボン状導線間に間隔を設けるように形成してあるので、マイカあるいはポリテトラフルオロエチレンなどの他の部品を必要にすることなく、構成が簡単になり安価に構成できるとともに、リボン状導線の熱をコイルベースに伝熱して、リボン状導線の温度低下をさせることができ、リボン状導線の熱劣化を低減することができる。
第6の発明は、特に、第5の発明のスペース形成溝を形成したコイルベースの表面にフェライトなど磁性材料を塗布または印刷、転写等によって表面に形成し、磁性体層を設けたものである。
これによって、スペース形成溝を形成したコイルベースの表面にフェライトなど磁性材料を塗布または印刷、転写等によって表面に形成し、磁性体層を設けてあるので、磁性体層はコイルベースの表面に固定化されるため、リボン状導線に磁性体層を設けたものに比べ、誘導加熱コイル製作時に曲げ等の力がかからず、磁性体層の劣化の心配がなく、また、構造を簡素化でき、加工性を大幅に向上させ、安価に生産することができる。
第7の発明は、特に第1〜6のいずれか1つの発明の誘導加熱コイルを用いた誘導加熱調理器とすることにより、上記した第1〜6のいずれか1つの発明の作用効果が得られ、高周波抵抗を低減しつつ、簡単な構成で、加工性を大幅に向上させて、安価に生産できる誘導加熱コイルを用いた誘導加熱調理器を得ることができるようになる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は本発明の第1の実施の形態における誘導加熱調理器の要部断面図、図2は本発明の第1の実施の形態における誘導加熱コイルの要部拡大断面図、図3は本発明の第1の実施の形態における誘導加熱調理器の要部平面図、図4は本発明の第1の実施の形態における誘導加熱調理器の制御ブロック図である。
図1は本発明の第1の実施の形態における誘導加熱調理器の要部断面図、図2は本発明の第1の実施の形態における誘導加熱コイルの要部拡大断面図、図3は本発明の第1の実施の形態における誘導加熱調理器の要部平面図、図4は本発明の第1の実施の形態における誘導加熱調理器の制御ブロック図である。
図1〜図4に示すように、本体21の天面は鍋などの被加熱調理容器22を載置する天板23で形成され、その一部に操作部21a(図3)が設けてあり、天板23の内側には被加熱調理容器22を加熱する略円形状の加熱コイル24と、上記誘導加熱コイル24の運転や電源供給するインバータ部25を制御する制御部26が配置されていて、制御部26が、インバータ部25のスイッチング半導体をオン,オフしてインバータ部25の高周
波発振を制御するとともに発振動作の起動,停止も制御している。
波発振を制御するとともに発振動作の起動,停止も制御している。
上記インバータ部25は、周波数変換装置の一つで、電源整流器,フィルタコンデンサ,共振コンデンサ,スイッチング半導体などを含み、商用電源27を高周波電流に変換し、この高周波電流を誘導加熱コイル24に供給して、誘導加熱コイル24は被加熱調理容器22の近傍で高周波磁界を発生し被加熱調理容器22の底を加熱するようになっている。
また、誘導加熱コイル24は、耐熱樹脂性のコイルベース28上に載置されており、2枚のリボン状銅箔線29にフェライトなど磁性材料を印刷によって表面に磁性体層30を形成したものを円板状になるようにうず巻状に巻回し形成し、且つ、うず巻状に巻回した隣り合うリボン状銅箔線29間に間隔を設けるようにマイカ31をリボン状銅箔線29間に挿入して形成してある。
さらに、リボン状銅箔線29の表面に形成した磁性体層30は、磁性材料とバインダーとなる接着成分からなり、磁性材料を微細粉として接着成分で包み込むように形成して、磁性体層30に絶縁性を付与するようにしてある。
以上のように構成された加熱調理器について、以下その動作、作用を説明する。
本体21の天面は鍋などの被加熱調理容器22を載置して、使用者が操作部21aを操作して、所定の条件で加熱を開始すると、制御部が、インバータ部25を稼働させて高周波電流を誘導加熱コイル24に供給し、誘導加熱コイル24は被加熱調理容器22の近傍で高周波磁界を発生して、被加熱調理容器22の底を加熱するようになっている。
本体21の天面は鍋などの被加熱調理容器22を載置して、使用者が操作部21aを操作して、所定の条件で加熱を開始すると、制御部が、インバータ部25を稼働させて高周波電流を誘導加熱コイル24に供給し、誘導加熱コイル24は被加熱調理容器22の近傍で高周波磁界を発生して、被加熱調理容器22の底を加熱するようになっている。
ここで、誘導加熱コイル24はリボン状銅箔線29を円板状になるようにうず巻状に巻回し形成してあるので、捻れて傷ついたり、断線しにくくなり、取り扱いが容易になり、また、断面形状が扁平状の長方形であるため、うず巻状に巻回してコイル状に形成しやすく、加工性が大幅に向上する。
さらに、リボン状銅箔線29の断面積は、従来のリッツ線の細いエナメル線を複数本撚り合せたものの断面積に相当し、構造を簡素化でき、生産性を大幅に向上させ、安価な誘導加熱コイルを提供できるようになる。例えば、従来のリッツ線では、径0.3mmの素線を34芯に束ねたものであれば、その断面積は2.4平方mmとなり、リボン状銅箔線29であれば、0.4mmの厚さで幅が3mmのものを2枚以上使えば、その断面積が同等以上となり、幅を広げることなどで、容易に断面積を大きくすることができる。
尚、誘導加熱調理器で使われる周波数20kHz〜100kHz対する表皮効果による電流の流れる深さを示す表皮深さは、材質が銅の場合、20kHzで0.467mm、100kHzで0.209mmであるので、板厚は0.4mm以下であれば表皮効果の影響を受けなく、材質がアルミの場合は、さらに表皮効果による表皮深さは、さらに深く100kHzで0.252mmとなり、板厚は0.5mm以下であれば表皮効果の影響を受けない。
従って、使われる周波数に対応する表皮効果による電流の流れる深さを示す表皮深さに応じて、リボン状導線の材質や、板厚を設定して、近接効果による高周波抵抗の増加分を考慮して、必要な抵抗成分つまり断面積から、板の幅や枚数を設定すればよい。
そして、うず巻状に巻回した隣り合うリボン状銅箔線29間に間隔を設けるマイカ31を配設するとともに、リボン状銅箔線29にフェライトなど磁性材料を印刷によって表面に磁性体層30を形成し、うず巻状に巻回した隣り合うリボン状銅箔線29間に磁性体層
30を配設してあるので、マイカ31による間隙と磁性体層30の相乗効果で、近接効果で生じる高周波抵抗を大幅に低減できる。
30を配設してあるので、マイカ31による間隙と磁性体層30の相乗効果で、近接効果で生じる高周波抵抗を大幅に低減できる。
特に、近接効果で生じる高周波抵抗の低減は、マイカ31による間隙と磁性体層30の相乗効果で、マイカ31による間隙を大きくする必要もなく、実験によれば、マイカ31による間隙を0.2〜0.5mm程度にすればよく、また、フェライトなど磁性材料の磁性体層30の厚さもさほど必要なく、実験によれば、磁性体層30の厚さが100μm程度あればよく、結果的にコンパクトに、誘導加熱コイルを形成することができ、結果として誘導加熱コイルの抵抗が低減し、誘導加熱コイルの発熱損失が低減することができるようになる。
また、磁性体層30形成手段で形成する磁性体層30の厚さはさほど必要ないので、フェライトなど磁性材料を塗布または印刷、転写等によって容易に表面に形成することができるとともに、磁性体層30の厚さが薄いため、曲がりやすく構成でき、うず巻状に巻回してコイル状に形成しやすく、加工性が大幅に向上する。
そして、磁性体層30形成手段はリボン状銅箔線29にフェライトなど磁性材料を塗布または印刷、転写等によって表面に形成してあるので、リボン状銅箔線29と磁性体層30が一体形成されて、位置ずれ等の心配がなくなり、経年的にも磁性体層30にひび割れ等を生じても脱落しなければ影響は少なくリボン状銅箔線29に対する磁性体層30の効果が安定化する。
また、磁性体層30は強度を有するリボン状銅箔線29に一体化されているので、取り扱いが容易で、うず巻状に巻回してコイル状に形成しやすく、加工性が大幅に向上する。
また、磁性材料を接着成分で包み込むように形成して、磁性体層30に絶縁性を付与するようにしてあるので、リボン状銅箔線29を他の手段で絶縁しなくてもよくなり、加工工程を簡素化でき、加工性が大幅に向上するとともに安価にすることができる。
尚、リボン状銅箔線29は、折り曲げて、その表面積が大きくなるように形成するか、あるいは、銅箔やアルミ箔などの金属製導体箔の薄板を短冊状に形成したものを絶縁処理して複数枚重ねて、その表面積が大きくなるように形成してもよい。
これによれば、リボン状銅箔線29は、折り曲げて、その表面積が大きくなるように形成するか、あるいは、銅箔やアルミ箔などの金属製導体箔の薄板を短冊状に形成したものを絶縁処理して複数枚重ねて、その表面積が大きくなるように形成してあるので、表面積が重ねた枚数分表面積が増え、表皮効果で生じる高周波抵抗を低減できるとともに、リボン状銅箔線29自身の抵抗も下げることができ、誘導加熱コイルの発熱損失をさらに低減することできるようになる。
(実施の形態2)
図5は本発明の第2の実施の形態における誘導加熱調理器の要部断面図、図6は本発明の第2の実施の形態における誘導加熱コイルの要部拡大断面図である。実施の形態1と同一部分は同一符号を付記して、その説明を省略し異なる部分のみを説明する。
図5は本発明の第2の実施の形態における誘導加熱調理器の要部断面図、図6は本発明の第2の実施の形態における誘導加熱コイルの要部拡大断面図である。実施の形態1と同一部分は同一符号を付記して、その説明を省略し異なる部分のみを説明する。
コイルベース41にうず巻状のスペース形成溝42を形成して、リボン状銅箔線43を挿入し、前記スペース形成溝42を形成する壁でうず巻状に巻回した隣り合う前記リボン状銅箔線43間に間隔を設けるように形成するとともに、スペース形成溝42を形成したコイルベース41の表面にフェライトなど磁性材料を塗布によって表面に形成した磁性体層44を設けてある。
ここで、コイルベース41にうず巻状のスペース形成溝42を形成して、前記リボン状銅箔線43を挿入し、前記スペース形成溝42を形成する壁でうず巻状に巻回した隣り合う前記リボン状銅箔線43間に間隔を設けるように形成してあるので、マイカ31あるいはポリテトラフルオロエチレンなどの他の部品を必要にすることなく、構成が簡単になり安価に構成できるとともに、リボン状銅箔線43の熱をコイルベース41に伝熱して、リボン状銅箔線43の温度低下をさせることができ、リボン状銅箔線43の熱劣化を低減できるようになる。
また、スペース形成溝42を形成したコイルベース41の表面にフェライトなど磁性材料を塗布または印刷、転写等によって表面に形成し、磁性体層44を設けてあるので、磁性体層44はコイルベース41の表面に固定化されるため、リボン状銅箔線43に磁性体層44を設けたものに比べ、誘導加熱コイル製作時に曲げ等の力がかからず、磁性体層44の劣化の心配がなく、また、構造を簡素化でき、生産性を大幅に向上させ、安価な誘導加熱コイルを提供することができる。
尚、スペース形成溝42を形成したコイルベース41の表面にフェライトなど磁性材料を塗布または印刷、転写等によって表面に形成し、磁性体層44を設けたものに、さらに、磁性体層44の表面に塗布または印刷、転写等によって絶縁層を形成してもよい。
これによれば、リボン状導線に絶縁性が不要となり、さらに、加工工程が簡素化でき、生産性を向上することができる。
以上のように、本発明にかかる誘導加熱コイルは、高周波抵抗を低減しつつ、簡単な構成で、加工性を大幅に向上させて、安価に生産できることが可能となるので、誘導加熱を利用した産業分野等の用途にも適用できる。
22 被加熱調理容器
24 誘導加熱コイル
28、41 コイルベース
29、43 リボン状銅箔線(リボン状導線)
30、44 磁性体層
31 マイカ(スペース手段)
42 スペース形成溝
24 誘導加熱コイル
28、41 コイルベース
29、43 リボン状銅箔線(リボン状導線)
30、44 磁性体層
31 マイカ(スペース手段)
42 スペース形成溝
Claims (7)
- 被加熱調理容器を加熱する略円形状の誘導加熱コイルと、前記誘導加熱コイルを保持するコイルベースとを備え、前記誘導加熱コイルは、銅箔やアルミ箔などの金属製導体箔をリボン状に形成したリボン状導線を円板状になるようにうず巻状に巻回し形成し、且つ、うず巻状に巻回した隣り合う前記リボン状導線間に間隔を設けるスペース手段を配設するとともに、前記スペース手段あるいはリボン状導線にフェライトなど磁性材料の磁性体層を表面に形成する磁性体層形成手段を配設し、うず巻状に巻回した隣り合う前記リボン状導線間に磁性体層を配設した誘導加熱コイル。
- 前記磁性体層形成手段は前記リボン状導線にフェライトなど磁性材料を塗布または印刷、転写等によって表面に形成するように構成した請求項1に記載の誘導加熱コイル。
- 前記磁性体層形成手段によってリボン状導線にフェライトなど磁性材料を塗布または印刷、転写等によって表面に形成される磁性体層は、磁性材料とバインダーとなる接着成分からなり、磁性材料を接着成分で包み込むように形成して、磁性体層に絶縁性を付与するようにした請求項1または2に記載の誘導加熱コイル。
- 前記スペース手段はマイカまたはポリテトラフルオロエチレンを前記リボン状導線間に挿入して形成した請求項2または3に記載の誘導加熱コイル。
- 前記コイルベースにうず巻状のスペース形成溝を形成して、前記リボン状導線を挿入し、前記スペース形成溝を形成する壁でうず巻状に巻回した隣り合う前記リボン状導線間に間隔を設けるように形成した請求項1〜3のいずれか1項に記載の誘導加熱コイル。
- 前記スペース形成溝を形成したコイルベースの表面にフェライトなど磁性材料を塗布または印刷、転写等によって表面に形成し、磁性体層を設けた請求項5に記載の誘導加熱コイル。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の誘導加熱コイルを用いた誘導加熱調理器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010004725A JP2011146188A (ja) | 2010-01-13 | 2010-01-13 | 誘導加熱コイルとそれを使用した誘導加熱調理器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2010004725A JP2011146188A (ja) | 2010-01-13 | 2010-01-13 | 誘導加熱コイルとそれを使用した誘導加熱調理器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2011146188A true JP2011146188A (ja) | 2011-07-28 |
Family
ID=44460888
Family Applications (1)
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JP2010004725A Pending JP2011146188A (ja) | 2010-01-13 | 2010-01-13 | 誘導加熱コイルとそれを使用した誘導加熱調理器 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2011146188A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2021034707A (ja) * | 2019-08-23 | 2021-03-01 | Spiral Tech株式会社 | 高周波コイル部品、無線給電用コイル部品、無線給電装置および周波コイル部品の製造方法 |
-
2010
- 2010-01-13 JP JP2010004725A patent/JP2011146188A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2021034707A (ja) * | 2019-08-23 | 2021-03-01 | Spiral Tech株式会社 | 高周波コイル部品、無線給電用コイル部品、無線給電装置および周波コイル部品の製造方法 |
JP7373709B2 (ja) | 2019-08-23 | 2023-11-06 | Spiral Tech株式会社 | 高周波コイル部品、無線給電用コイル部品、無線給電装置および周波コイル部品の製造方法 |
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