JPH0573881B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この発明は、冷凍装置の圧縮機などに使用する
スクロール形流体機械の軸受構造に関する。

（従来の技術） 従来この種スクロール形流体機械は、例えば特
開昭59−127212号公報に開示されているごとく、
密閉ケーシングの内方上部に、固定スクロールと
公転スクロールとを配設すると共に、前記ケーシ
ングの下部位置にモータを配設する一方、このモ
ータと前記公転スクロールとを架構に軸受支持し
た駆動軸で連結して、前記モータの駆動に伴う前
記駆動軸の回転により前記公転スクロールを前記
固定スクロールに対し公転駆動させ、これら両ス
クロール間において流体を圧縮するごとくしてい
る。

また前記架構に駆動軸を軸受支持する軸受構造
は、第３図に示すごとく、内輪６ａと外輪６ｂと
転動体６ｃとから成る軸受６を用い、該軸受６を
前記架構４に形成した軸受ハウジング４ａに、前
記外輪６ｂを圧入することにより内装固定すると
共に、前記内輪６ａに前記駆動軸５を圧入させ
て、該駆動軸５を回転自由に支持する一方、前記
軸受６の下部と前記ハウジング４ａの底面との間
にスラストプレート７を介装して、該プレート７
により前記軸受６に付与されるスラスト荷重を受
止めるごとくしている。

（発明が解決しようとする問題点） ところで前記のごとき軸受構造では、前記スラ
ストプレート７を固定するための有効な固定構造
が採用されていないことから、前記駆動軸５の駆
動に伴う前記内輪６ａの回転により、前記プレー
ト７が前記ハウジング４ａの底面に対し相対回転
するのである。

特に、前記軸受構造においては、前記プレート
７の上面に給油溝ａが形成され、該給油溝ａを介
して供給される潤滑油により、前記軸受６と前記
プレート７との対接面を潤滑することは可能であ
るが、該プレート７と前記ハウジング４ａの底面
との間には、給油手段が設けられておらず、潤滑
油の供給がないことから、前述したごとく前記プ
レート７が前記ハウジング４ａに対して相対回転
したようなとき、これらプレート７及びハウジン
グ４ａが摩耗して、早期劣化を招くなどの問題が
あつた。

本発明は以上のごとき問題に鑑みて成したもの
で、その目的は、前記軸受の前記ハウジングへの
固定時に、前記軸受の外輪を圧入することに着目
し、この外輪で前記スラストプレートを押圧して
固定することにより、該プレートの前記ハウジン
グに対する相対回転を阻止し、これらプレート及
びハウジングの摩耗を防止するようにした軸受構
造を提供することにある。

（問題点が解決するための手段） 本発明にかかるスクロール形流体機械の軸受構
造は、第１図及び第２図に示すごとく構成したも
ので、密閉ケーシング１の内方上部に固定スクロ
ール２と公転スクロール３とを架構４を介して支
持すると共に、該架構４に設けた軸受ハウジング
４ａに、内輪６ａと外輪６ｂ及び転動体６ｃとか
ら成るラジアル軸受６を、前記外輪６ｂの前記ハ
ウジング４ａへの圧入により内装固定し、かつ、
このハウジング４ａと前記ラジアル軸受６との間
にスラストプレート７を介装する一方、前記軸受
６により前記公転スクロール３を公転駆動する駆
動軸５を支持するごとくした軸受構造において、
前記スラストプレート７の外径を、前記軸受６の
外輪６ｂにおける内径より大径として、このプレ
ート７を前記ハウジング４ａの底面に配設し、前
記外輪６ｂの前記ハウジング４ａへの圧入によ
り、前記プレート７を押圧固定したことを特徴と
するものである。

（作 用） しかして前記スラストプレート７は、前記ハウ
ジング４ａに圧入される前記ラジアル軸受６の外
輪６ｂにより、前記ハウジング４ａの底面に押圧
固定されるのであり、従つて前記プレート７は前
記ハウジング４ａに対し相対回転することがな
く、前記プレート７とハウジング４ａとの摩耗が
防止されるのである。

（実施例） 以下本発明にかかるスクロール形流体機械の軸
受構造を図面の実施例によつて説明する。

第２図に示すスクロール形流体機械は、密閉ケ
ーシング１の内方上部に、固定スクロール２と公
転スクロール３とを架構４を介して支持し、かつ
前記ハウジング１の下部位置にモータＭを配置す
ると共に、前記架構４に上下方向に延びる駆動軸
５を回転自由に支持する一方、この駆動軸５の上
部を前記公転スクロール３に、また下部を前記モ
ータＭに連結して、該モータＭに伴う前記駆動軸
５の回転駆動により、前記公転スクロール３を前
記固定スクロール２に対し公転駆動させ、これら
固定スクロール２と公転スクロール３との間で流
体を圧縮するごとくしている。

また前記架構４に対する前記駆動軸５の軸受構
造は、前記架構４の上方中心部を下方に凹陥させ
て、上部が開放された軸受ハウジング４ａを形成
し、該ハウジング４ａに内輪６ａと外輪６ｂ及び
転動体６ｃとから成るラジアル軸受６を、前記外
輪６ｂを圧入することにより内装固定すると共
に、前記軸受６の内輪６ａに前記駆動軸５を圧入
して、該駆動軸５を前記ハウジング４ａに回転自
由に支持する一方、前記軸受６の下部と前記ハウ
ジング４ａの底面との間に、ドーナツ形状をなす
スラストプレート７を介装させて、該プレート７
により前記軸受６に付与されるスラスト荷重を受
止めるごとくしている。

しかして前記のごとき駆動軸５の軸受構造にお
いて、第１図に詳しく示すごとく、前記ハウジン
グ４ａの底面と前記ラジアル軸受６との間に介装
するスラストプレート７の外径を、前記軸受６を
構成する外輪６ｂの内径より大径として、該外輪
６ｂの前記ハウジング４ａへの圧入により、前記
外輪６ｂでもつて前記プレート７を押圧固定する
ごとくしたのである。

具体的には、前記スラストプレート７の内径を
前記駆動軸５の外径より大径として、該駆動軸５
による前記プレート７への干渉を阻止するごとく
なし、つまり前記駆動軸５の回転駆動時に前記プ
レート７が追従回転しないように形成すると共
に、前記プレート７の外径を前記ハウジング４ａ
の内径とほぼ同径に形成して、ハウジング４ａの
内部で前記駆動軸５の外周囲に、前記プレート７
を嵌装させるのである。

また前記ラジアル軸受６の外輪６ｂを断面コ形
状に形成して、該外輪６ｂの内部に前記内輪６ａ
と対接する転動体６ｃを支持ピン６ｄを介して転
動自由に支持する。

そして前記ハウジング４ａへの前記ラジアル軸
受６の圧入固定時に、該軸受６における外輪６ｂ
の下面部で前記スラストプレート７を前記ハウジ
ング４ａの底面に押圧固定して、このハウジング
４ａに対する前記プレート７の相対回転を阻止す
るごとくなすのである。

第１図の実施例では、前記プレート７の上面
で、前記ラジアル軸受６における転動体６ｃの保
持器６ｄとの対向位置に、環状溝７ａを形成し、
前記保持器６ｄの前記プレート７に対する干渉を
阻止するごとくしている。

（発明の効果） 以上説明したごとく本発明にかかるスクロール
形流体機械の軸受構造では、前記スラストプレー
ト７の外径を、前記ラジアル軸受６を構成する外
輪６ｂの内径より大径として、このプレート７の
前記架構４に設けたハウジング４ａの底面に配設
し、前記外輪６ｂの前記ハウジング４ａへの圧入
により、前記外輪６ｂでもつて前記プレート７を
押圧固定するごとくしたから、前記ハウジング４
ａに対する前記スラストプレート７の相対回転を
確実に阻止することができ、前記ハウジング４ａ
及びスラストプレート７の摩耗を防止できるに至
つたのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の軸受構造を示す断面図、第２
図は同軸受構造を実施したスクロール形流体機械
の一部切欠側面図、第３図は従来例を示す断面図
である。 ２……固定スクロール、３……公転スクロー
ル、４……架構、４ａ……軸受ハウジング、５…
…駆動軸、６……ラジアル軸受、６ａ……内輪、
６ｂ……外輪、７……スラストプレート。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 上方に固定スクロール２と公転スクロール３
   とを配設し、前記公転スクロール３を駆動する駆
   動軸５を上下方向に配設して、軸受ハウジング４
   ａをもつた架構４の前記軸受ハウジング４ａに、
   内輪６ａ及び外輪６ｂをもつたラジアル軸受６
   を、前記外輪６ｂの圧入により内装固定すると共
   に、スラストプレート７を内装し、前記駆動軸５
   を回転自由に支持するようにした軸受構造であつ
   て、前記スラストプレート７の外径を、前記ラジ
   アル軸受６の外輪６ｂにおける内径より大径とし
   て、該スラストプレート７を前記軸受ハウジング
   ４ａの底面に配設し、前記ラジアル軸受６におけ
   る前記外輪６ｂの軸受ハウジング４ａへの圧入に
   より、前記スラストプレート７を固定したことを
   特徴とするスクロール形流体機械の軸受構造。