JPH0573695B2 - - Google Patents

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JPH0573695B2
JPH0573695B2 JP59268458A JP26845884A JPH0573695B2 JP H0573695 B2 JPH0573695 B2 JP H0573695B2 JP 59268458 A JP59268458 A JP 59268458A JP 26845884 A JP26845884 A JP 26845884A JP H0573695 B2 JPH0573695 B2 JP H0573695B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、粒径が0.07〜0.5μと微細で比表面積
が小さく、粒度分布が狭い、球形状の新規なチタ
ン酸バリウムの製造法に関するものである。さら
には、低温焼結可能である新規なチタン酸バリウ
ム粉末の製造法に関するものである。
(従来の技術) これまでチタン酸バリウム・ストロンチウム固
溶体粉末およびチタン酸バリウム粉末は大粒径の
ものや、小粒径ではあるが分散性が悪く、粒径や
形状が不均一な粉末のみが知られていた。大粒径
のものや、強度に凝集したものは見かけ上一個の
粒子として挙動するため、焼結開始温度が1100℃
以上で、相対密度を90%以上にするには、1300℃
以上の高温を必要とする。また、分散性が悪いも
の、粒径および形状が不均一の粉は、均一な充填
構造をとる事が難しく、焼結も均一に進行せず、
寸法精度や物性のバラツキの原因となつている。
さらに、粒径が0.05μ精度以下の超微粉ではハ
ンドリング性が非常に悪く、均一な成形体を得る
事が難かしく信頼性の高い焼結体が得られ難いと
いう欠点を有していた。
現在、チタン酸バリウム・ストロンチウム固溶
体およびチタン酸バリウムは、コンデンサー、
PTC素子、半導体等として、電子部品分野で広
く応用されている。
近年、電子部品はますます小型化の傾向にあ
る。例えば、コンデンサーもその類にたがわず、
小型化高容量化が望まれており、これを実現する
ものとして、積層コンデンサーが注目を集めてい
る。現在、積層コンデンサーではさらに電極間距
離を10〜20μと小さくして高容量化を促進する傾
向にある。この要求を満足し、コンデンサーの性
能および信頼性を保証するため、かかるセラミツ
クコンデンサーでは、電極間で焼結体を構成する
粒子をできるだけ数多く、均一に存在させる事が
望ましい。しかし、例えば焼結に1300℃以上を要
することは、高価な貴金属内部電極を必要とする
為、電極コストを引き上げる原因となり、さら
に、焼結体中の粒子も粒生長により大きくなるた
め、電極間距離を短かくできず、高容量化を阻害
する原因となり、また、物性や寸法精度がバラツ
クことは、歩留まり低下をもたらし、コスト高の
原因となる。この為、上記欠点は改善されること
が強く望まれていた。また、この事は積層コンデ
ンサー以外の電子部品についても強く要望されて
いた。しかし、これらの諸要求を満足させるチタ
ン酸バリウム・ストロンチウム固溶体粉末およ
び、チタン酸バリウム粉末の合成方法は、従来知
られていなかつた。
従来より工業的には、チタン酸バリウム・スト
ロンチウム固溶体粉末およびチタン酸バリウム粉
末は固相反応法により製造されている。固相反応
法とは、炭酸ストロンチウムおよび/または炭酸
バリウムと二酸化チタンを混合し、各々1000℃以
上の高温で反応させ、チタン酸バリウム・ストロ
ンチウム固溶体およびチタン酸バリウムを合成す
る方法である。しかしながら、この方法は、高温
で反応を行なうため、粉末製造時に既に焼結が始
まり、粉体同志の固着および粒成長が生じ、本質
的に微細で均一粒径を有するチタン酸バリウム・
ストロンチウム固溶体またはチタン酸バリウムを
得ることは困難であるという欠点を有している。
一方、最近シユウ酸法、アルコキシド法、水酸
化物法などによるチタン酸バリウム粉末やチタン
酸ストロンチウム粉末の新しい合成法が提案され
ており、上記欠点についてかなりの改善が見られ
るが、本発明の特性の粉末は得られていない。例
えば、P.K.Gallagherらは“J.Am.Ceram.Soc.,
46,359〜365(1963)”で、0.09μから0.73μまでの
範囲で様々な粒径を持つチタン酸バリウム粉末を
シユウ酸法で合成したことを報告している。ま
た、K.S.Mazdiyasniらは“J.Am.Ceram.Soc.,
52,523〜526(1969)”で、アルコキシド法により
粒径50Å〜150Åの高純度チタン酸バリウムを合
成したことを報告している。
しかし、シユウ酸法は、シユウ酸塩を600℃以
上で焼結してチタン酸塩を合成する方法であるた
め、固相反応法に近いものになり、粉体の凝集が
生じ易く、また多量に使うシユウ酸を回収、再使
用できない為コストが高い欠点がある。また、ア
ルコキシド法は、原料が非常に高価であり、工業
的には問題がある。
一方、水酸化物法は、未だ確立された技術では
ないが、製造プロセスが簡単で、また、原料も安
価であり、得られた粉は焼結性も高いという点で
注目されている。しかし、水酸化物法で本発明の
チタン酸バリウム・ストロンチウム固溶体および
チタン酸バリウムが生成することは従来知られて
いなかつた。
例えば、松岡らは“高知大学水熱化学実験所報
告Vol.2,No.15(1978)”において、酸化チタンと
水酸化バリウムをバリウムとチタンの元素の比が
1.2となるように混合し、攪拌型オートクレーブ
中、110℃〜370℃でチタン酸バリウムを合成して
いる。該研究では、比較的粒子の大きい酸化チタ
ンを原料に使用したため、反応率を100%にする
には、高温高圧(300℃,85気圧以上)を必要と
し、生成したチタン酸バリウム粒子基づいて粗い
ものであつた。該研究で松岡らは、酸化チタンと
水酸化バリウムの混合の際に水を加えると、反応
率が低下することも指摘している。また、久保ら
は“工業化学雑誌71巻1号(1968)”において、
含水率95重量%の含水酸化チタンと水酸化バリウ
ムを、バリウムとチタンの比が2〜3となるよう
機械的に混合し、100℃に加熱することにより、
反応率100%で粒径が約300Å程度のチタン酸バリ
ウムを得たことを報告している。しかし、久保ら
の方法で得られたチタン酸バリウムは、その形状
が含水酸化チタンと非常によく似た角ばつた形を
しており、また、細孔を有しているため比表面積
が40.2m2/gと大きく、凝集粒子が見られ、粒径
分布は不均一であり、粒子形状、粒子の凝集性、
粒径分布等については依然不満足であつた。
上平らは特開昭59−39726号公報および特開昭
59−39728号公報において、チタン化合物の加水
分解生成物と水溶性バリウム塩または水溶性スト
ロンチウム塩とを強アルカリ水溶液中で反応さ
せ、チタン酸バリウムまたはチタン酸ストロンチ
ウムを得ている。該特許に開示されている方法で
は、得られるチタン酸バリウムの粒径は200〜300
Å、チタン酸ストロンチウムの粒径は100〜200Å
と小さいものである。
(発明が解決しようとする問題点) 久保らの方法および上平らの方法は、100℃と
いう低温で収率良くチタン酸バリウムを合成でき
るという優れた特徴を有するものの、得られる粉
末の粒径は100〜300Å程度と非常に小さいため粉
自体の凝集性が強く、例えば該粉末を用いてグリ
ーンシート化を行ない、積層コンデンサーを作ろ
うとした場合、ペースト中で凝集粒子が十分な分
散状態にならない為、密度が大きく、十分な強度
を持つたシートが得られず積層コンデンサーへの
組立てが困難であり、さらに該シートを焼結した
場合、凝集粒子の部分にボイドなどの欠陥が生
じ、信頼性の高いコンデンサーが得られ難いなど
の欠点を有している。
このように、水酸化物法の研究では、未だ実用
的に満足できるチタン酸バリウムは得られておら
ず、また、その研究では、反応率を上げるため、
含水酸化チタンと水酸化バリウムの混合時には、
水を必要最小限に限定する傾向にある。
(問題点を解決するための手段) 本発明者らは、微細で均一な粒径を持つチタン
酸バリウムを製造するため、水酸化物法について
鋭意研究を重ねた結果、含水酸化チタンとバリウ
ムの塩化物および/または硝酸塩とアルカリ金属
水酸化物とを、比較的大量の水の存在下で混合し
つつ反応させ、粒径0.07〜0.5μと微細で、かつ均
一粒径を有し、ほぼ球形状を有し、さらには比表
面積が小さくほとんど凝集のない、新規な性状の
チタン酸バリウムが合成できることを見出し、こ
の知見に基づいて本発明をなすに至つた。
すなわち、本発明は、含水酸化チタンと、バリ
ウムの塩化物および/または硝酸塩と、アルカリ
金属水酸化物とを、チタン換算で120〜10000倍モ
ルの水の存在下で混合しつつ60℃〜110℃の温度
範囲で反応させるチタン酸バリウムの製造法であ
る。
本発明において、含水酸化チタンとしてはオル
トチタン酸、メタチタン酸、二酸化チタンのいず
れか一種類以上を用いるが、特にオルトチタン酸
は、その反応性の高さから最も好ましい。これら
は固体あるいはゲルの状態で使用できる。このよ
うな含水酸化チタン、たとえばオルトチタン酸
は、チタンの塩化物、硫酸塩、シユウ酸塩等をア
ルカリで処理することにより容易に得られるが、
特に塩化物は好ましい。また、メタンチタン酸お
よび二酸化チタンは、オルトチタン酸を加熱して
いけばオルトチタン酸の有する構造水が順次抜け
ていくため、順次容易に得られる。
本発明で用いられるバリウムの塩化物、硝酸塩
としては、無水物、水和物いずれのものも用いら
れ水酸化物に比べコスト面で有利である。これら
はそのまま用いてもよく、また水に溶かして用い
ても良い。
本発明で用いられるアルカリ金属水酸化物は、
リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、
セシウム、フランシウムの水酸化物から選ばれた
1種以上である。コスト、反応性の観点から好ま
しくは水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸
化カリウムから選ばれた1種以上であり、より好
ましくは水酸化ナトリウムである。
本発明の反応は、二酸化炭素の存在により阻害
される。したがつて、反応を行なう際に二酸化炭
素が存在しないよう充分注意を払うことはもちろ
ん、反応に供する含水酸化チタン、アルカリ金属
水酸化物およびこれらを分散、希釈する水等か
ら、あらかじめ二酸化炭素を除去しておくことが
望ましい。
本発明では、チタン換算で120〜10000倍モルの
量の水を存在させる事が必要である。120倍モル
より少なくなれば、反応系の流動性が保てなくな
り、球状で均一粒径を有する粉末を製造すること
が困難になるばかりでなく、含水酸化チタンとバ
リウムの塩化物、硝酸塩との反応性が高まるた
め、粒径が0.05μ以下と小さく、結晶子も小さく、
細孔を有し、比表面積が大きく、したがつて凝集
性の強い粉末が生成し始める。また、10000倍モ
ルを超えるほど多量に水を加えた場合、反応系全
体の濃度を低下させ反応性を落とし、もはや実質
的に反応を行なうことが困難となる。水の量はよ
り好ましくは200〜2000倍である。
本発明では、含水酸化チタンとバリウムの塩化
物および/または硝酸塩とのモル比を1以上、好
ましくは1〜5とする。モル比が1以下では未反
応の含水酸化チタンが混在した生成物が得られ
る。モル比を5以上にしても反応に及ぼす効果は
増大せず、コストアツプの要因となる。より好ま
しいモル比は1〜3である。
アルカリ金属水酸化物は、バリウムの塩化物お
よび/または硝酸塩1モルに対して好ましくは
2.1モル以上加えられる。モル比が2.1以下では未
反応の含水酸化チタンが混在した生成物が得られ
る。アルカリ金属水酸化物を2.1モル以上と過剰
に存在させた場合、反応に要する時間が短かくな
り、さらに粒径の大きさの制御も容易となる。ま
た、均一な焼結組織、良好な誘電特性を与える粉
が、含水酸化チタンとバリウムの塩化物および/
または硝酸塩とのモル比の広い領域で合成可能と
なる。さらに好ましくは2.3〜5モル加えられる。
2.3モル以下ではアルカリ金属水酸化物の効果は
あまり顕著とならず、5モル以上加えても反応に
及ぼす効果は増大せず、コストアツプの原因とな
る。
本発明において、反応の温度範囲は60℃〜110
℃である。
反応温度が60℃よりも低ければ、反応速度が極
めて遅くなり実用的でないためであり、反応温度
が110℃以上であれば、水熱条件下での反応とな
り、装置上コスト高となるばかりでなく、生成す
る粒子が粒成長を起こし、微細かつ均一粒径を有
する粉末を製造することが困難となるためであ
る。
さらに、本発明において、混合を行なうことが
粉末形状を球状化し、粒径分布を均一化する上で
好ましい。反応時間は反応を完結するに必要な時
間以上与えられるならば、特に限定されるもので
はない。
このようにして得られたチタン酸バリウムは、
常法にしたがつて、水洗、過、乾燥後、場合に
よつては適当な温度で仮焼した後、弱酸で洗浄
し、水洗し、過し、乾燥される。
(効果) 本発明の方法は、含水酸化チタンとバリウムの
塩化物、硝酸塩との反応が温和に進行するため、
得られる粉末は粒径が0.07〜0.5μであり、結晶子
が大きく細孔がなく比表面積が小さく、ほとんど
凝集のないものとなること、及び反応時の流動化
が可能となり粒子形状が球状で、粒径分布が均一
なものとなる。また、該粉末を原料とした積層コ
ンデンサーは信頼性の高いものとなり、電極間の
誘電体層の厚みを十分に薄くすることも可能であ
る。
さらに、本発明で得られる粉末は積層コンデン
サ用原料のみでなく、各種コンデンサ、PTC半
導体等に使用する原料としても有効である。
また、本発明方法で得られるチタン酸バリウム
粉末は、従来の粉末に比べて、焼結温度が100℃
〜200℃低いため、エネルギーコストを低くでき
るほか、積層コンデンサのように電極焼付をコン
デンサの焼結と同時に行なう場合に、電極コスト
を大巾に低くすることが可能となる。
本発明の方法は、他の元素と共に、チタン酸バ
リウムを合成することを阻害するものではない。
(実施例) 以下、実施例によつて本発明をさらに詳細に説
明する。
参考例 1 含水率95%のゲル状オルトチタン酸0.5モルを
水1と共に反応器中へ入れた。この混合液中へ
窒素ガスを吹き込んで反応器中を窒素置換し、さ
らに窒素ガスを流しつつ20時間放置した。一方塩
化バリウム125gと塩化ストロンチウム31gと水酸
化ナトリウム96gを水2に溶解し、炭酸バリウ
ムを除去するため過し、液を空気に触れさせ
ないように窒素ガスの下で充分注意を払いつつ、
オルトチタン酸と水を入れて放置してある反応器
中へ入れた(水はチタンに対して420倍モル存在
する。)。この反応器に窒素ガスを流しながら、さ
らに攪拌混合しつつ、オイルバスで100℃、4時
間加熱して反応を行なつた。反応終了後、約5分
間放置し、上澄液を除去し、さらに熱水3を加
えて攪拌洗浄した後過した。この洗浄、過の
操作を3回繰り返し、合計9の熱水で洗浄した
後0.2N酢酸0.5で洗浄し、過した後さらに純
水で洗浄、過を3回繰り返した後、空気中100
℃で20時間乾燥した。この様にして得られた粉末
を走査型電子顕微鏡による観察およびX線回折に
よる解析を行なつた結果粒径0.1〜0.2μの球状で
分布が均一である、立方晶のチタン酸バリウムと
チタン酸ストロンチウムの均一な固溶体であつ
た。X線回折図のピーク位置から求めたバリウム
の量は約60%、ストロンチウムの量は約40%であ
つた。比表面積は9.0m2/gであつた。
実施例 1 含水率93%のゲル状オルトチタン酸1モルを水
2と共に反応器中へ入れ、窒素ガスを吹き込ん
で反応器中を窒素置換し、さらに窒素ガスを流し
つつ24時間放置した。一方、塩化バリウム310g
と水酸化ナトリウム170grを水2に溶解し、炭
酸バリウムを除去するため過し、液を空気に
触れさせないよう窒素ガスの下で充分注意を払い
つつ、オルトチタン酸と水を入れて放置してある
反応器中へ入れた(水はチタンに対して280倍モ
ル存在する。)。この反応器中へ窒素ガスを流しな
がら、さらに攪拌混合しつつ、オイルバスで100
℃、2時間加熱して反応を行なつた。反応終了
後、約5分間放置し、上澄液を除去し、さらに熱
水4を加えて攪拌洗浄後過した。この洗浄、
過の操作を3回繰り返し、合計12の熱水で洗
浄後、空気中、100℃で20時間乾燥して白色粉末
を得た。この粉末を空気中、800℃で2時間焼成
した後、0.2N酢酸1で洗浄し、過し、さら
に純水で洗浄、過を3回繰り返した。
このようにして得られた粉末について、走査型
電子顕微鏡による観察およびX線回折による解析
を行なつた結果、非常に分散性の良い粒径0.1〜
0.2μの均一球状粒子の立方晶チタン酸バリウム
で、さらにX線のピーク巾からシエラーの式を用
いて求めた結晶子径は約0.04μと極めて結晶性が
高いものであつた。さらに比表面積を測定したと
ころ、比表面積は9.1m2/gであり、これを球状
粒子と仮定して粒径を算出した結果、約0.11μと
なり、走査型電子顕微鏡による観察結果と良い一
致を示した。
この粉末を2ton/cm2の圧力でプレス成形し、
1200℃で1時間焼成した結果、相対密度93%と、
焼成温度が低いにもかかわらず、高い焼結密度が
得られた。また、焼結体を構成する粒子は約0.5μ
と極めて小さく、かつ均一な粒子径を有してい
た。
実施例2および比較例1 含水率93%のゲル状オルトチタン酸1モルを水
6と共に反応器中へ入れ、窒素ガスを5時間流
した後、硝酸バリウム365gと水酸化ナトリウム
160grとを水2に溶解し、炭酸バリウムを除去
するための過した後溶液を反応器に加えた(水
はチタンに対して510倍モル存在する。)。窒素を
流しながら100℃で4時間攪拌下で反応を行なわ
せた。得られたこれらの粉末を、実施例1と同様
にして洗浄、乾燥を行ない、800℃で2時間焼成
した後、0.2N酢酸1で洗浄し、過、純水洗
浄を行なつた後、乾燥し白色粉末を得た。また、
比較のため水酸化ナトリウム量を115gとした以
外は、上記方法と同様にしてチタン酸化バリウム
粉末を得た。このようにして得られた粉末につい
て、走査型電子顕微鏡による観察およびX線回折
による解析を行なつた。どちらの粉も粒径0.1〜
0.2μの立方晶チタン酸バリウムであつたが、水酸
化ナトリウムを多く加えたものの粒径は若干小さ
かつた。これらの粉末を実施例1と同様にして
1200℃1時間焼成した。どちらの粉も相対密度93
%と高い焼結密度が得られた。また、焼結体を構
成する粒子は、水酸化ナトリウムを多く加えたも
のでは約0.5μと極めて小さく、かつ均一な粒子径
を有していたが、水酸化ナトリウムが少ないもの
では10μ以上に成長した巨大粒子が存在してい
た。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 含水酸化チタンと、バリウムの塩化物およ
    び/または硝酸塩と、該バリウムの塩化物およ
    び/または硝酸塩1モルに対して2.1〜5モルの
    アルカリ金属水酸化物とを、チタン換算で120〜
    10000倍モルの水の存在下、60℃〜110℃で反応さ
    せることを特徴とするチタン酸バリウムの製造
    法。 2 含水酸化チタンに対するバリウムの塩化物お
    よび/または硝酸塩のモル比を1〜3とすること
    を特徴とする特許請求の範囲第1項に記載のチタ
    ン酸バリウムの製造法。 3 アルカリ金属水酸化物が、水酸化ナトリウ
    ム、水酸化カリウム、水酸化リチウムから選ばれ
    た少なくとも一種であることを特徴とする特許請
    求の範囲第1項または第2項記載のチタン酸バリ
    ウムの製造法。
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