JPH0573033B2 - - Google Patents

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JPH0573033B2
JPH0573033B2 JP59210299A JP21029984A JPH0573033B2 JP H0573033 B2 JPH0573033 B2 JP H0573033B2 JP 59210299 A JP59210299 A JP 59210299A JP 21029984 A JP21029984 A JP 21029984A JP H0573033 B2 JPH0573033 B2 JP H0573033B2
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Hideo Suzuki
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Yamaha Corp
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は楽音信号発生装置に関し、特に楽音
を構成する基本波(基音)及びその高調波(倍
音)に対応する各次数成分を発生させ、これらの
各成分をそれぞれ対応する振幅係数によつて重み
付けした後それらを合成することにより楽音信号
を発生するようにした高調波合成方式の楽音信号
発生装置に関する。
〔背景技術とその問題点〕
この種の高調波合成方式の楽音信号発生装置
は、基本波及びその高調波の各次数成分(以下、
高調波成分という)の振幅をそれぞれ制御する振
幅係数(以下、高調波係数という)を適宜設定す
るだけで種々の音色の楽音信号を発生できる点で
非常に優れている。
ところで、各高調波成分に対する高調波係数を
それぞれ時間の経過に従つて変化させることによ
り、自然楽器音のように音色が時間的に変化する
楽音信号を発生するようにすることが従来から提
案されており、例えば、特公昭58−20039号公報
に開示されている。
しかしながら、この従来技術においては、各高
調波係数を時間の経過に従つて変化させるため
に、各高調波成分に対応してそれぞれエンベロー
プメモリ(アタツク/デイケイメモリ)を設けて
いるので、高調波成分の数と同数のエンベロープ
メモリが必要となり、しかもこの複数のエンベロ
ープメモリの組を音色の時間変化の態様ごとにそ
れぞれ用意しておく必要があり、従つて全体とし
て非常に大容量のメモリを用意しなければなら
ず、構成が大規模になるとともにコストが非常に
高くなつてしまう不都合がある。
〔発明の目的〕 この発明は以上の点を考慮してなされたもの
で、音色が時間的に変化する際に、全ての高調波
係数が常に変化するとは限らず、高調波係数の一
部に発音の途中で変化しないものがあることに着
目して、従来技術に比較して格段的にメモリ容量
を小容量化して簡単な構成で、かつ低コストで音
色が時間変化する楽音信号を発生し得るようにし
た高調波合成方式の楽音信号発生装置を提案しよ
うとするものである。
〔発明の概要〕
高調波合成方式の楽音信号発生装置において、
音色が時間的に変化する楽音信号を発生するため
には、上述したように各高調波係数をそれぞれ時
間の経過に従つて変化させる必要があるが、この
発明は次のような原理に基づいてそれぞれ時間的
に変化する高調波係数を形成するようにしてい
る。
すなわち、形成すべき高調波係数の連続した係
数値を離散的に(飛び飛びに)サンプリングして
抽出し、この順次抽出したサンプリング値のう
ち、係数値が変化する次数だけについて差の係数
データを記憶手段に用意しておくようにする。そ
して高調波係数を形成する際に、係数値が変化す
る次数については当該差の係数データに基づいて
演算することにより変化後の新たな係数値を求
め、これに対して係数値が変化しない次数につい
ては演算をしないですでに求めた係数値を使うよ
うにする。
このような原理に基づきなされたこの発明の特
徴を具体的に説明する。なお、以下では、理解を
容易にするために、具体例を挙げて説明するもの
であり、この発明は以下に説明するものに限定さ
れるものではない。
(1) まず、この発明は、発生すべき楽音信号につ
いて第2図にその振幅値を規格化(振幅エンベ
ロープを取り除いて振幅値を一定としたもの)
して示すように、楽音信号の発生から終了まで
を複数のフレームに分ける。すなわち、この楽
音信号は、時間と共に楽音波形MWが変化する
ものであるため、この楽音波形MWに含まれて
いる各次数の高調波成分の振幅の比率も、時間
の経過と共に変化するが、この場合比較的短い
時間の間は音色の極端な変化はないので、楽音
信号の発生から終了までの全期間のうち所定の
期間t0〜tNの間を時点t1,t2……tN-1で区切つて
N個のフレームF1,F2……FNを形成す
る。なお、時点tN以後は音色変化がほとんどな
いので、これに対応する最終フレームF(N+
1)を設ける。
ここで、第2図の時点t0,t1,t2……tNにお
ける楽音波形を構成する各高調波成分の相対的
振幅レベルがそれぞれ第3図A〜Dに示すよう
な値をとるものとする。第2図の第1フレーム
F1の開始時点t0において、第3図Aに示すよ
うなスペクトル分布曲線をもつ1次〜W次(W
は例えば64である)の1組の高調波係数データ
Q1を発生する。また、第2フレームF2の開
始時点t1において、第3図Bに示すようなスペ
クトル分布曲線をもつ1次〜W次の1組の高調
波係数データQ2を発生する。以下、同様にし
て時点t2〜tNにおいて高調波係数データQ3(第
3図C)〜Q(N+1)(第3図D)を発生す
る。
時点t0の高調波係数データQ1はそのまま発
生するが、時点t1,t2……tNの高調波係数デー
タQ2〜Q(N+1)は、差分係数メモリに記憶
されている差の係数データを読出し、この差の
係数データを用いて演算によつて発生する。
第1の実施例の場合、差分係数メモリは、例
えば第4図に示すように、順次隣合うフレーム
の最初の高調波係数データの差Q2−Q1(第4
図A)、Q3−Q2(第4図B)……Q(N+1)−
QN(第4図C)に基づいて決められた差の係
数データを記憶し、この差の係数データを時点
t1,t2……tNにおいてそれぞれ読出す。そして、
この読出した差の係数データを時点t0の高調波
係数データQ1に順次累算して高調波係数デー
タQ2,Q3……Q(N+1)を形成する。
ここで、この発明においては、高調波係数デ
ータの差Q2−Q1,Q3−Q2……Q(N+1)−
QNにおいて値がほぼ「0」の次数があれば、
当該次数については差分係数メモリにメモリエ
リアを設けないようにする。このようにするこ
とにより、差分係数メモリを小容量化し得る。
差分係数メモリは例えば第5図に示すものが
用いられる。すなわち、差分係数メモリは、第
1フレームについてのメモリエリアをもたない
(高調波係数データQ1は基本係数メモリから発
生される)。また、第2フレームF2の各次数
1,2……M……について、高調波係数値が第
1フレームと異なるとき、差分係数メモリはそ
の差の係数データQ2−Q1(=ΔSP21,ΔSP22
…ΔSP2M……)を対応する次数データと共に記
憶するが、第2フレームの係数値が第1フレー
ムの係数値と等しい次数Eがあるとき差分係数
メモリは、その次数Eに関する差の係数データ
を記憶しない(次数Eのメモリエリアをもたな
い)。すなわち、第3図A及びBに示すように、
第1及び第2フレームF1及びF2のE次の高
調波係数値L1E及びL2Eには変化がないので、差
分係数メモリの第2フレームF2のメモリエリ
アには、E次に関する差の係数データのメモリ
エリアが設けられていない。
しかしながら、差分係数メモリは各差の係数
データを対応する次数のデータと共に記憶して
いるので、各フレームについて、まず次数のデ
ータを読み取ることによりこのフレームについ
てメモリエリアが設定されていない次数が容易
に分かる。すなわち、第5図の例においては、
次数E(実際にはこのEのデータは記憶されて
いないが)の前後は、連続したメモリアドレス
に対して、……、E−2,E−1,E+1,E
+2,……、という次数データが記憶されてい
る。図中、次数Eに対して括弧をつけた(E)
は次数Eに関する次数データおよび差の係数デ
ータを記憶していないことを表す。
以下同様にして、第3〜第Nフレームの各次
数について、係数値が前のフレームと異なると
き差分係数メモリは、その差の係数データを対
応する次数データと共に記憶するが、前のフレ
ームと等しいとき差の係数データを記憶しな
い。そして、第(N+1)フレームについて
は、メモリエリアをもたない(第(N+1)フ
レームでは第Nフレーム終了時の高調波係数デ
ータがそのまま使用される)。
この場合、演算回路は、一例として、第2、
第3……第Nフレームに入る時点t1,t2……
tN-1において、全ての次数ではなく、差の係数
データが記憶されている次数について差分係数
メモリから読出された差の係数データを前のフ
レームの高調波係数データに加算して当該フレ
ームの高調波係数データQ2,Q3……QNとし
て得る。
そこで、例えばM次の高調波係数データにつ
いて説明すると、このデータは、第1、第2、
第3……第NフレームF1,F2,F3……FNの
開始時点t0,t1,t2……tN-1において、それぞ
れ、値L1M(第3図A)、L2M(第3図B)、L3M
(第3図C)……LNM(=L(N+1)M(第3図D)に
なり、時点t0〜t1,t1〜t2,t2〜t3……tN-1〜tN
の間、値L1M,L2M,L3M……LNMを維持する。
かくして高調波係数データは、時点t1,t2
…tNにおいて、差分係数メモリに差の係数デー
タが記憶されている次数についてはステツプ的
に変化して行き、これに対して差の係数データ
が記憶されていない次数については変化しない
ことになる。
また第2の実施例においては、時点t0〜t1
t1〜t2……tN-1〜tNの間において発生する各高
調波係数データを、それぞれデータQ1からQ2
に、Q2からQ3に……QNからQ(N+1)に連
続的に変化するように補間演算を行うことによ
り求める。
この場合、差の係数データとして差分を各フ
レームにおける補間演算の繰返し回数で割つた
値を表すデータが用いられ、これがその次数を
表す次数データと共に、記憶手段に記憶され
る。そして演算手段によつて、基本係数データ
に対して差の係数データを各フレーム内の補間
演算タイミングに従つて順次累算し、かつこの
演算を次数データが表す次数についてそれぞれ
実行する。
差分係数メモリは、例えば第6図に示すよう
に、上述した差の係数データQ2−Q1,Q3−
Q2……QN−Q(N−1)をそれぞれ各フレー
ムF1〜FNにおける補間演算回数K1,K2……
KNで割つた値でなる差の係数データ(Q2−
Q1)/K1,(Q3−Q2)/K2……QN−Q(N−
1)/KNを各フレームF1〜FNごとに記憶
し、この差の係数データを各フレームF1〜
FNにおいてそれぞれ読出す。そして、この読
出した差の係数データを、演算回路において時
点t0の高調波係数データQ1に対して順次累算
することにより、各フレームF1〜FNにおい
て徐々に連続的に変化する高調波係数データを
形成する。
かくして、高調波係数データは、各フレーム
において各次数ごとに補間演算をすることによ
つて、当該フレームの開始時の係数値から次の
フレームの開始時の係数値に向つて細かいステ
ツプで滑らかに変化して行くことになる。
ここで、第6図を参照して、M次の高調波係
数データについて具体的に説明すると、第1フ
レームF1の開始時点t0における値L1M(第3図
A)から時点t1の値L2M(第3図B)に変化する
とすれば、差分係数メモリに記憶される差の係
数テータは差L2M−L1M(第4図A)を第1フレ
ームF1における補間演算回数K1で割つた値
(L2M−L1M)/K1になり、時点t0〜t1の間(す
なわち第1フレームF1の間)において補間演
算が繰返されるごとに、M次の高調波係数デー
タは値L1MからL2Mに向つて補間差分(L2M
L1M)/K1づつ変化して行き、時点t1で値L2M
になる。
同様にして,差分係数メモリには、時点t1
t2の第2フレームF2について、値L3M及びL2M
(第3図C及びB)の差(L3M−L2M)(第4図
B)を第2フレームF2における補間演算回数
K2で割つた値(L3M−L2M)/K2が差の係数デ
ータとして記憶され、………時点tN-1〜tNの第
NフレームFNについては値L(N+1)M及びLNM
差(L(N+1)M−LNM)を第NフレームFNにおけ
る補間演算回路KNで割つた値(L(N+1)M
LNM)/KNが差の係数データとして記憶され
る。
かくして、M次の高調波係数データは、第2
フレームF2において、時点t1における値L2M
ら補間差分(L3M−L2M)/K2づつ変化して時
点t2において値L3Mになり、………第Nフレー
ムFNにおいて、時点tN-1の値LNMから補間差分
(L(N+1)M−LNM)/KNづつ変化して時点tNにお
いて値L(N+1)Mになるように連続的に変化するこ
とになる。
(2) さらにこの発明は、上述したと同様にして、
現在処理しているフレームの高調波係数データ
を第1系列の高調波係数データとして発生する
と共に、これと同時に、当該フレームに続く次
のフレームの高調波係数データを第2系列の高
調波係数データとして発生するようにする。そ
して、これら2系列の高調波係数データを当該
フレームの間徐々に変化して行く重み付け係数
で重み付けし、これにより当該フレームが開始
してから終了するまでの間に第1系列の高調波
係数データの値から第2系列の高調波係数デー
タの値に徐々に切換わるように変化する高調波
係数データを得る。このようにすることによ
り、フレームが移る際に高調波係数を急激に変
化させないようにできる。
かくするにつきこの場合においても、互いに
隣り合うフレームについて高調波係数データ
Q1,Q2,Q3……Q(N+1)の間に変化がな
い次数があれば、当該次数に関する差の係数デ
ータは差分係数メモリに記憶しないようにする
ことにより、差分係数メモリを小容量化し得
る。
この場合、第1系列及び第2系列の高調波係
数データを並列的に発生するためには、差の係
数データも2系列で発生する必要があり、この
ため差分係数メモリは、例えば第1及び第2系
列の差分係数メモリからなる。第1系列差分係
数メモリは、例えば第7図に示すように、第5
図と全く同様にして差の係数データを記憶して
いる。
これに対して、第2系列差分係数メモリは、
第7図に示すように、第1系列差分係数メモリ
のフレームF2〜FNに関する差の係数データ
をそれぞれフレームF1〜F(N−1)に対応
して記憶している。
なお、2組の差分係数メモリを設けることに
代え、その一方を省略すると共に、隣合う2つ
のフレームに関する差の係数データを時分割で
読出すようにしても同様の効果を得ることがで
きる。
また、第1系列及び第2系列の高調波係数デ
ータを重み付けして合成するのに代えて、第1
系列及び第2系列の高調波係数データを用いて
それぞれ形成して2系列の楽音信号を重み付け
して合成するようにしても同様の効果を得るこ
とができる。
(3) 以上のように構成すれば、次の作用が得られ
る。時間と共に変化する各次数の高調波係数を
発生するために必要なデータとして、楽音信号
発生開始時の1組(1次〜W次)の高調波係数
データと、各フレームにおいて用いられる1組
の差の係数データだけで済み、しかもこの差の
係数データは十分小さい値になるので、結局全
体としてのメモリ容量を十分に小容量化し得る
ことになる。これに加えて、隣合うフレームに
ついて、高調波係数に変化がある次数について
だけ、当該差の係数データを記憶するようにし
たことにより、記憶手段のメモリ容量をさらに
一段と小容量化し得る。
なお、フレームの分け方は、各次数について
同じにしても良く(上述の説明ではこのように
した)、又は各次数についてそれぞれ異ならせ
るようにしても良い。
〔実施例〕
第1実施例 第1図はこの発明による楽音信号発生装置を単
音電子楽器に適用した場合の実施例を示すもの
で、前述の第5図に示した差の係数データをフレ
ームが移るごとに累算演算することによつて、高
調波係数データを発生するようにしたものであ
る。
この実施例においては、鍵盤で押鍵されたキー
に対応する楽音信号(楽音波形)の順次サンプル
点qRの振幅値X0(qR)が、規則的時間間隔(サ
ンプリング時間)tXごとに、次の(1)式に従つて算
出される。
X0(qR)=Wn=1 A(t)Cosinπ/WnqR ……(1) ここで、qは各時間間隔tXごとに1,2,……
と増大する変数であり、nは基本波を含む各高調
波成分の次数を表わし、n=1は基本波(基音)、
n=2は第2高調波(第2倍音)、……n=Wは
第W高調波(第W倍音)を表わす。なお、この実
施例ではW=64としている。また、Rは楽音の基
本周波数(音高)に対応した数値(以下、周波数
ナンバと呼ぶ)を表わし、A(t)は楽音の振幅エン
ベロープを設定するエンベロープ関数を表わし、
Coはn次高調波成分に対する高調波係数を表わ
す。
第1図において、1はキースイツチ回路で、押
鍵されたキーに対応するキーデータKDが周波数
ナンバメモリ2に与えられ、押鍵されたキーの音
高に対応する数値を有する周波数ナンバRが読出
されてアキユムレータ3に送出される。アキユム
レータ3はそのクロツク端子CKに計算区間タイ
ミング信号tXが与えられるごとに周波数ナンバR
を累算し、この累算データqR(q=1,2,…
…)を楽音波形のサンプル点位相を指定する位相
データとして高調波成分発生回路4に送出する。
また、5はクロツク発振回路で、そのクロツク
信号tCが64モジユロ構成の次数カウンタ6に与え
られ、そのキヤリー出力端から計算区間タイミン
グ信号tXを送出する。かくして、第8図Aに示す
ように、64個のクロツク信号tCが発生するごとに
計算区間タイミング信号tX(第8図B)が得られ、
これにより計算区間タイミング信号tXの1周期
Ttxをクロツク信号tCによつて1次〜64次の各高
調波成分に対応する64個のタイムスロツトを形成
するようになされている。
高調波成分発生回路4は、クロツク信号tCによ
つて設定される各タイムスロツトにおいて1次〜
64次の各高調波信号成分について上述の(1)式のう
ち S1=sin(π/WnqR) ……(2) で表わされる正弦波形データS1を発生し、これ
を高調波振幅乗算回路11に与える。なお、高調
波成分発生回路4としては、例えば前述の特公昭
58−20039号公報、又は特開昭55−43552号公報に
開示のものを適用し得る。
高調波振幅乗算回路11には、上述の(1)式の高
調波係数Coに相当する高調波係数データS2が高
調波係数発生回路7から与えられ、正弦波形デー
タS1と高調波係数データS2とを乗算した乗算出
力データS3が楽音信号出力回路8に与えられる。
この楽音信号出力回路8は、クロツク信号tC
計算区間タイミング信号tXに基づいてデータS3を
加算合成して楽音信号を形成すると共に、キース
イツチ回路1から得られるキーオン信号KONに
基づいて所定の振幅エンベロープを付与して前述
の(1)式で表わされる楽音信号S4を出力し、これ
がサウンドシステム9において楽音に変換され
る。楽音信号出力回路8としては、例えば特開昭
54−140523号公報、又は特開昭55−45056号公報
に開示のものを適用し得る。
この実施例の場合、キースイツチ回路1は各キ
ースイツチが押鍵操作されると、第9図Aに示す
ように離鍵されるまでの間論理「1」になるキー
オン信号KONを発生し、このキーオン信号KON
の立上りに基づいて計算区間タイミング信号tX
トリガ信号として受ける微分回路10において、
計算区間タイミング信号tXの周期Ttxを有するキ
ーオンパルス信号KONP(第9図B)を送出する
ようになされている。
高調波係数発生回路7は、第3図Aについて上
述した基本係数データを記憶する基本係数メモリ
21を有すると共に、差の係数データ発生手段と
して、第4図A〜C及び第5図について上述した
差の係数データQ2−Q1,Q3−Q2……Q(N+
1)−QNを発生する差分係数発生回路22を有
する。基本係数メモリ21及び差分係数発生回路
22は、発生し得る各音色に対応して上述のデー
タを格納しており、音色選択回路23の音色選択
信号TCによつて選択された音色に対応する基本
係数データRD及び差の係数データDDを読出し
得るようになされている。
基本係数メモリ21は楽音の発音開始時に含ま
れている全ての次数成分についての振幅係数値を
表す基本係数データ(第3図A)を各次数ごとに
記憶し、次数カウンタ6のカウント内容を表す次
数データnをアドレス信号として受け、次数デー
タnに従つて1次〜64次の各基本係数データRD
を順次読み出して演算回路24の加算回路25に
第1の加算入力データとして与える。
差分係数発生回路22は、第10図に示すよう
に、音色選択信号TC及びフレームデータ発生回
路31(第1図)において発生されるフレーム指
定データFNOをアドレス信号として受ける差分
係数メモリ22A及び次数メモリ22Cを有す
る。差分係数メモリ22Aは、第5図に示した差
の係数データを各フレームF2〜FNごとに記憶
しており、フレーム指定データFNOによつて指
定されたフレームについて、記憶されている所定
次数の差の係数データを一斉に読み出してライン
J1A,J2A……に並列出力する。
一方、次数メモリ22Cは、第5図に示した次
数を表わすデータを変化次数データとして各フレ
ームF2〜FNごとに係数メモリ22の記憶内容
と同様にして記憶しており、フレーム指定データ
FNOによつて指定されたフレームについて記憶
されている変化次数データを一斉に読み出してラ
インJ1B,J2B……に並列出力する。
ここでラインJ1AとJ1B、J2AとJ2B……に得
られるデータはそれぞれ一対一の関係に対応して
いる。そしてラインJ1A,J2A……に得られる差
の係数データがどの次数に関するものであるか
は、それぞれ対応するラインJ1B,J2B……の変
化次数データNHによつて表わされる。
例えば、第5図の例において、第2フレームF
2の場合、ラインJ1A,J2A……にそれぞれ差の
係数データΔSP21、ΔSP22……が送出され、ライ
ンJ1B,J2B……にそれぞれ1次、2次……を表
わす変化次数データNHが送出される。
比較回路22Dは、各ラインJ1B,J2B……の
変化次数データNHを次数データnとそれぞれ比
較し、一致したときそれぞれ出力端01,02…
…に論理「1」信号を出力する。例えば、第5図
の例において、第2フレームF2の場合、ライン
J1Bの変化次数データNHは1次を表わすもので
あるため、次数データnが1次を表わす内容にな
つた時、すなわち第1高調波成分のタイムスロツ
トにおいて出力端01から論理「1」信号を出力
する。
このようにして、比較回路22Dの各出力端0
1,02……からはそれぞれ対応するライン
J1B,J2B……の変化次数データNHが表わす次
数に対応するタイムスロツトにおいて論理「1」
信号が出力される。
セレクタ22Bは、制御端C1,C2……にそ
れぞれ論理「1」信号が入力されたとき、それぞ
れ対応する入力端I1,I2……に供給されてい
る差の係数データを選択して差の係数データDD
として出力する。
その結果、差分係数メモリ22Aから読み出さ
れたそれぞれ所定の次数に関する差の係数データ
は、それぞれ当該次数に対応するタイムスロツト
に割り当てられて差の係数データDDとして送出
される。
なお、差分係数メモリ22A及び次数メモリ2
2Cにデータが記憶されていない次数に関して
は、当該次数に対応するタイムスロツトと次数メ
モリ22Cから出力されるどの次数データとも一
致しない。したがつて、当該タイムスロツトにお
いては比較回路22Dのいかなる出力端も論理
「1」信号を出力することがない。その結果セレ
クタ22Bは差分係数メモリ22Aが出力する差
分係数データのいずれも選択しない。この時のセ
レクタ22Bの出力は0を示すように設定されて
いる。
フレームデータ発生回路31は、1フレームの
間に繰返し生ずる楽音波形回数をカウントする繰
返し回数カウンタ32を有し、アキユムレータ3
において発生されるキヤリー信号CAによつてカ
ウント動作するカウンタでなる。ここで、アキユ
ムレータ3はその累算出力が最大値を越えたとき
(すなわちオール「0」又はオール「1」になつ
たとき)、キヤリー信号CAを発生する。アキユム
レータ3は周波数ナンバRを累算して行くことに
より、楽音波形の1周期分の時間が経過するごと
に最大値に到達するようになされており、かくし
て繰返し回数カウンタ32は楽音波形1周期分の
時間が経過するごとに1づつカウント動作をして
行く。その結果、繰返し回数カウンタ32のカウ
ント内容は各フレームにおける楽音波形の数すな
わち演算回路24における繰返し演算回数を表
し、これが繰返し回数カウントデータCVとして
送出される。
この繰返し回数カウンタ32の繰返し回数デー
タCVは比較回路33に与えられ、繰返し回数指
定回路34の出力端に得られる繰返し回数指定デ
ータKと比較される。その結果、一致が得られる
と、比較回路33から送出される一致検出信号
EQがゲート回路36を通じてフレームカウンタ
37のカウント入力端CKに与えられると共に、
遅延回路38を通じ、さらにオア回路39を通じ
て繰返し回数カウンタ32のリセツト入力端Rに
与えられるようになされている。なお、繰返し回
数カウンタ32のリセツト入力端Rにはオア回路
39を通じてキーオンパルス信号KONPが入力
され、これにより繰返し回数カウンタ32がリセ
ツトされる。
繰返し回数指定回路34は、第2図及び第5図
について上述したように、第1、第2……第Nフ
レームF1,F2……FNについて予め決められ
ている繰返し回数K1,K2……KNを各音色ごとに
記憶するメモリを有し、この記憶データを音色選
択信号TC及びフレームカウンタ37から到来す
るフレーム指定データFNOとによつて読出して、
繰返し回数指定データKとして送出する。従つて
比較回路33は各フレームごとに繰返し回数指定
回路34からの繰返し回数指定データKによつて
指定された繰返し回数と、繰返し回数カウンタ3
2の繰返し回数カウントデータCVの内容とが一
致したとき(すなわち各フレームが終了するごと
に)、一致検出出力EQを発生して繰返し回数カウ
ンタ32をリセツトすると共に、フレームカウン
タ37をゲート回路36を介してカウント動作さ
せる。
なお、フレームカウンタ37にはキーオンパル
ス信号KONPがリセツト信号として与えられ、
かくしてリセツト後のカウント内容がフレーム指
定データFNOとして送出される。
フレームカウンタ37のフレーム指定データ
FNOは最終フレーム検出回路40に与えられる。
最終フレーム検出回路40はフレーム指定データ
FNOが(N+1)になつたとき論理「1」に立
上る最終フレーム検出出力を送出し、これを
インバータ41を介して反転出力FDとしてゲー
ト回路36のイネーブル端子に与える。これによ
り最終フレームFNが終了し、フレーム指定デー
タFNOが(N+1)になつたときゲート回路3
6を閉じることにより、以後フレームカウンタ3
7のカウント動作を停止させてフレーム指定デー
タFNOが変化しないようにする。
差分係数発生回路22は、前述したように、フ
レーム指定データFNOによつて指定されたフレ
ームに関する1組(1次〜64次)の差の係数デー
タDDを順次発生し、ゲート回路42を通じてア
キユムレータ43の加算回路44に与える。ここ
で、差分係数発生回路22から送出される差の係
数データDDは正又は負の符号を取り得、加算回
路44はこの符号を含んで加算動作をする。
加算回路44の加算出力S11はゲート回路45
を通じて64ステージ構成のシフトレジスタ46に
与えられる。このシフトレジスタ46はクロツク
信号tCによつて、シフト動作をすることによつ
て、1次〜64次の各高調波についての加算出力
S11が順次到来してくるとこれを順次取込んで行
き、64タイムスロツト後に出力端から加算回路4
4に他方の加算入力としてフイードバツクする。
ゲート回路42のイネーブル端子にはアンド回
路47から制御信号S12が与えられる。アンド回
路47はインバータ41の反転出力が論理
「1」であること(換言すれば最終フレームにな
つていないこと)を条件として、比較回路33の
一致検出出力EQが論理「1」になつたとき立上
る制御信号S12を出力する。
ここで、比較回路33において一致検出出力
EQが得られたとき、これを遅延回路38におい
てタイミング信号tXの1周期(1計算区間)Ttx
だけ遅延した後繰返し回数カウンタ32をリセツ
トするようになされているので、比較回路33の
一致検出出力EQは1計算区間Ttxの間だけ生じ、
この結果ゲート回路42は一致検出出力EQに同
期して1計算区間Ttxの間だけ開くようになされ
る。かくして、各フレームが終つて次のフレーム
が開始した時、1計算区間Ttxの間1次〜64次の
差の係数データDDを、差分係数発生回路22か
らゲート回路42を通じてアキユムレータ43に
与える。
その結果、加算回路44は1次〜64次の各次数
について、シフトレジスタ46に記憶されている
1フレーム前の加算出力S11に対して、ゲート回
路42を通じて到来する差の係数データDDを順
次加算して行く。このようにして、アキユムレー
タ43は差分係数発生回路22から送出される各
次数の差の係数データDDを、それぞれフレーム
F2〜FNの開始時の1計算区間Ttxの間におい
て1回だけ累算して行く。
この累算データはゲート回路45の出力端から
取出され、加算回路25に差分累算係数データ
DSとして与えられる。加算回路25はこの差分
累算係数データDSを基本係数データRDと加算
し、その加算結果を高調波係数発生回路7の高調
波係数データS2として高調波振幅乗算回路11
に送出する。
ここで、ゲート回路45はゲート制御回路49
の制御信号S14をインバータ50を介して受け
る。ゲート制御回路49は、繰返し回数カウンタ
32の繰返し回数カウントデータCV及びフレー
ムカウンタ37のフレーム指定データFNOを受
けて、フレーム指定データFNOが「1」(第1フ
レームF1が指定されていることを表す)、かつ
繰返し回数カウントデータCVが「0」(新たなフ
レームが開始したことを意味する)のとき、論理
「1」の制御信号S14を出力する。かくして、第
1フレームF1の最初の楽音波形1周期の間ゲー
ト回路45を閉動作させることによつて、加算回
路25に差分累算係数データDSを与えないよう
にすると共に、シフトレジスタ46の各ステージ
の記憶データをクリアする。
以上の構成において、第11図の時点t0におい
て、キーが操作されると、微分回路10を通じて
得られるキーオンパルス信号KONPによつて繰
返し回数カウンタ32及びフレームカウンタ37
がリセツトされる。これにより、フレーム指定デ
ータFNO(第11図A)が第1フレームF1を指
定する状態になると共に、繰返し回数カウントデ
ータCVが0になる。
一方、押鍵されたキーに対応する周波数ナンバ
Rがアキユムレータ3に与えられることにより、
この周波数ナンバRに対応する音高で1次〜64次
の各高調波成分の正弦波形データS1が高調波成
分発生回路4からクロツク信号tCに従つて順次発
生されて高調波振幅乗算回路11に送出される。
また、クロツク発振回路5から送出されるクロ
ツク信号tCに基づいて次数カウンタ6がカウント
動作することによつて送出される次数データnが
基本係数メモリ21及び差分係数発生回路22に
対するアドレス信号として与えられ、1次〜64次
の各高調波に対する発音開始時の高調波係数デー
タQ1(第3図A)でなる基本係数データRDが基
本係数メモリ21から順次読出されて加算回路2
5に与えられる。しかし、差分係数発生回路22
の差分係数メモリ22A(第10図)には第1フ
レームについてのメモリエリアは設けられていな
いので(第5図)、差分係数発生回路22から差
の係数データDDは送出されない(第11図C)。
このとき、高調波係数発生回路7のアキユムレ
ータ43において、ゲート制御回路49がデータ
CVが0で、かつフレーム指定データFNOが1で
あることに応動して論理「1」の制御信号S14を
出力してゲート回路45を閉状態に制御する。従
つて、アキユムレータ43は差分累算係数データ
DSを送出しない状態に制御されると共に、シフ
トレジスタ46の各ステージの内容がクリアされ
る。
またこのとき、アンド回路47に入力される一
致検出出力EQ(第11図B)は論理「0」(比較
回路33において一致が得られていないことを表
す)なので、ゲート回路42は閉動作したままに
なる。従つて、アキユムレータ43には差の係数
データDDが入力されない状態に制御される。
このようにして押鍵操作時(第1フレームF1
の開始時)においては、演算回路24の加算回路
25に対して基本係数メモリ21の基本係数デー
タRDだけが与えられ、これが高調波係数データ
S2として高調波振幅乗算回路11に送出される。
この状態において、次数カウンタ6はクロツク
発振回路5のクロツク信号tCを64個カウントする
ごとに計算区間タイミング信号tXを発生し、この
タイミング信号tXに基づいてアキユムレータ3が
楽音波形のサンプリング位置を順次指定する累算
データqRを高調波成分発生回路4に与える。高
調波成分発生回路4は、クロツク信号tCによつて
形成された1次〜64次の各タイムスロツトにおい
て、第1高調波成分〜第64高調波成分の正弦波形
データS1を順次時分割的に発生して高調波振幅
乗算回路11に与える。
一方、基本係数メモリ21からはクロツク信号
tCに従つて1次〜64次の各高調波係数データQ1
(第3図A)が順次読出され、これが加算回路2
5を通じて高調波係数データS2として高調波振
幅乗算回路11に与えられ、かくして高調波振幅
乗算回路11から、楽音波形の第1周期目の1次
〜64次の各高調波成分の各サンプル点振幅値に対
して、それぞれ1次〜64次の高調波係数データを
乗算してなる乗算データ出力S3が得られること
になる。
やがて、アキユムレータ3が楽音波形1周期分
の累算を終了してキヤリー信号CAを送出すると、
繰返し回数カウンタ32がカウント動作して繰返
し回数カウントデータCVを0から1に変化させ
る。このときゲート制御回路49が応動して出力
を論理「0」に立下げることによつてゲート回路
45を開状態に制御する。
しかしこのときも、差分係数発生回路22は差
の係数データDDを発生せず、しかもゲート回路
42は一致検出出力EQが論理「0」のままなの
で、引続き閉動作状態を維持する。従つて、アキ
ユムレータ43は差分累算係数データDSを送出
しない状態に制御される。
以下同様にして、楽音波形の1周期が終了する
ごとに、キヤリー信号CAがアキユムレータ3か
ら繰返し回数カウンタ32に与えられることによ
り、繰返し回数カウントデータCVの値が1づつ
上昇して行くが、フレームカウンタ37のフレー
ム指定データFNOは変化せず、かつ一致検出出
力EQも変化しないので、差分係数発生回路22
は引続き差の係数データDDを送出しない状態に
維持され、かつゲート回路42も閉状態に維持さ
れる。
このようにして、第1フレームF1において
は、加算回路25から基本係数データRDだけが
高調波係数データS2として送出され、その結果、
サウンドシステム9において発生される第1フレ
ームF1の楽音の音色は基本係数データRDによ
つて決まることになる。
やがて、第11図の時点t1において、繰返し回
数カウンタ32のカウント内容が繰返し回数指定
回路34において指定された繰返し回数K(=
K1)と一致すると、比較回路33の一致検出出
力EQ(第11図B)が1計算区間Ttxの間論理
「1」に立上る。このときこの一致検出出力EQは
ゲート回路36を通じてフレームカウンタ37を
カウント動作させることにより、フレーム指定デ
ータFNOの内容を1から2に変化させる(第1
1図A)。かくして高調波係数発生回路7は第1
フレームF1の係数発生動作を終了して次の第2
フレームF2に入る。
これと共に、一致検出出力EQは遅延回路38
において1計算区間Ttxだけ遅延された後、オア
回路39を通じて繰返し回数カウンタ32をリセ
ツト動作させて繰返し回数カウントデータCVの
内容を0に戻す。
このとき、差分係数発生回路22の差分係数メ
モリ22A(第10図)はフレーム指定データ
FNOが2に変化したことにより、差の係数デー
タDDとして第2フレームF2に対応して設定さ
れた差分係数Q2−Q1(第5図)を読出す状態に
制御される。
そして、一致検出出力EQが1計算区間Ttxの間
得られることにより、差分係数発生回路22から
各次数の差の係数データΔSP21、ΔSP22……
ΔSP2M……(第5図)が差の係数データDD(第1
1図C)として各タイムスロツトごとに順次出力
されてゲート回路42を通じてアキユムレータ4
3に与えられる。この差の係数データΔSP21
ΔSP22……ΔSP2M……は、加算回路44、ゲート
回路45を通じてシフトレジスタ46に順次記憶
される。なお、第11図C及びDにおいては、各
次数の差の係数データを末尾の添字を省略して表
わす。
やがて、1計算区間Ttxが経過すると、一致検
出出力EQが論理「0」に立下つてゲート回路4
2を閉動作させる(第11図B)。従つて、シフ
トレジスタ46の内容は、加算回路44、ゲート
回路45を通じて循環記憶されると共に、ゲート
回路45の出力端から差分累算係数データDSと
して加算回路25に繰返し送出される(第11図
D)。
そこで、加算回路25は、基本係数データRD
に対して差分累算係数データDSを各次数ごとに
それぞれ加算して高調波係数データS2として送
出する。これにより、高調波係数データS2は、
第1フレームF1から第2フレームF2に移る時
点t1において、係数値Q1(第3図A)から差の係
数データQ2−Q1(第4図A)だけステツプ的に
変化して係数値Q2に切換ることになる。
例えば、M次の高調波係数について第11図E
に示すように、第2フレームF2に入つた時点t1
において、係数値L1MからL2Mに変化し、この値
を第3フレームF3に入る時点t2まで維持するこ
とになる。
ところで、差分係数メモリ22A(第10図)
には、振幅係数の変化がない次数についての差の
係数データは格納されていない。例えば、第3図
〜第5図の場合、第2フレームF2において、E
次の成分は振幅係数に変化がないので、メモリエ
リアが設けられていない。従つて、差分係数発生
回路22は、「E次」のタイムスロツトにおいて
差の係数データDDを送出しない状態になる
(DD=0)。その結果、「E次」についての高調
波係数データS2は、第2フレームF2に移つて
もその値が変化しないことになり、第1フレーム
F1のときと同じ値を維持する。
以下、第3フレームF3……第NフレームFN
についても同様の動作が繰返され、これにより、
アキユムレータ43は、係数値が変化する次数に
ついて差分係数発生回路22から出力される差の
係数データDDをフレームが移るごとに累算して
行き(第11図D)、これに応じて例えばM次に
ついて第11図Eに示すように高調波係数データ
S2が時間の経過に従つて変化して行く。
やがて、第2図の時点tNにおいて第Nフレーム
FNが終了すると、フレームカウンタ37のフレ
ーム指定データFNOの内容が(N+1)になり、
これを最終フレーム検出回路40が検出する。こ
の検出出力FDがゲート回路36を閉じることに
より、その後フレームカウンタ37はカウント動
作をできなくなり、フレーム指定データFNOの
内容が固定される。
このとき、差分係数発生回路22は差の係数デ
ータDDを出力しない状態になると共に(第5
図)、ゲート回路42が閉じる。そこで、アキユ
ムレータ43は新たな累算動作をしなくなり、結
局第(N+1)フレームにおいては第Nフレーム
における累算結果がそのままアキユムレータ43
に記憶保持される。
この結果、サウンドシステム9から発生される
楽音の音色は以後キーが離鍵操作されるまで同一
音色の状態に維持される。
以上のように第1図の構成によれば、楽音信号
に含まれる各高調波成分の振幅を各フレームごと
に変化させることができるので、自然楽器におけ
る楽音に近似した楽音をサウンドシステム9から
発生させることができる。かくするにつき、基本
係数メモリ21には1次〜64次の基本高調波係数
データQ1(第4図A)を1組だけ記憶しておけば
良く、その他の記憶データとしては各フレームご
とに変化幅の小さい1組の差分データを差分係数
メモリ22Aに記憶するだけで済むので、高調波
係数発生回路7全体としてのメモリ容量を容易に
小容量化し得る。
これに加えて、各フレームについて前のフレー
ムと比較して振幅係数値に変化がない次数につい
ては、差分係数メモリ22Aにメモリエリアを設
けないようにしたので、差分係数メモリ22Aの
メモリ容量を格段的に小容量化し得る。
第2実施例 第12図はこの発明の他の実施例を示すもの
で、差の係数データとして各フレームごとに補間
差分データを記憶し、各フレームにおいて対応す
る補間差分データを読出して補間演算することに
よつて、各フレーム内において時間の経過に従つ
て変化する高調波係数データを発生するようにし
たものである。
第12図において、第1図との対応部分に同一
符号を付して示すように、差の係数データ発生手
段として補間差分係数発生回路27を有する。こ
の補間差分係数発生回路27は、第4図A〜C及
び第6図について上述したように、第1フレーム
F1、第2フレームF2……第NフレームFNに
ついての差分データQ2−Q1,Q3−Q2……QN−
Q(N−1)を各フレームF1〜FNにおける補
間演算繰返し回数K1,K2……KNでそれぞれ割つ
た値を補間差分データとして所定次数に関して予
め格納し、各補間差分データをフレーム指定デー
タFNOによつて指定したフレームについて次数
データnの変化に従つて差の係数データDDとし
て順次出力するようになされている。
補間差分係数発生回路27としては、第10図
について上述した差分係数発生回路22と同様の
構成のものを適用し得、第10図において差分係
数メモリ22Aに代えて、第6図に示すような補
間差分係数データを格納している補間差分係数メ
モリを用いる。
ここで、補間差分係数発生回路27における補
間差分係数メモリ及び次数メモリは、順次続くフ
レームのうち、前のフレームの高調波係数値と同
じ高調波係数値をもつ次数については、メモリエ
リアを設けないようになされ、かくして前のフレ
ームと異なる高調波係数値をもつている次数だけ
について補間差分係数データ及びその次数データ
を記憶するようになされている。
補間差分係数発生回路27から出力される差の
係数データDDはゲート回路42を通じてアキユ
ムレータ43に与えられる。この実施例の場合、
ゲート回路42のイネーブル端子にはアンド回路
47から制御信号S12が与えられる。アンド回路
47はインバータ41の反転出力が論理「1」
であること(換言すれば最終フレームになつてい
ないこと)を条件として、アキユムレータ3のキ
ヤリー信号CAが立上つたタイミングで微分回路
48(タイミング信号tXによつて動作する)から
計算区間Ttxの間論理「1」になる微分出力S13
が与えられたとき、論理「1」に立上る制御信号
S12を出力してゲート回路42を開制御する。か
くして、楽音波形の1周期が経過するごとにゲー
ト回路42を通じてアキユムレータ43に1次〜
64次の差の係数データDDを与える。
その結果、加算回路44は1次〜64次の各次数
について、シフトレジスタ46に記憶されている
1周期前の加算出力S11に対してゲート回路42
を通じて到来する差の係数データDDを順次加算
して行く。このようにして、アキユムレータ43
は補間差分係数発生回路27から送出される各次
数の差の係数データDDをそれぞれ楽音波形の1
周期ごとに順次累算して行くことになる。
この累算データはゲート回路45の出力端から
取出され、加算回路25に差分累算係数データ
DSとして与えられる。加算回路25はこの差分
累算係数データDSを基本係数データRDと各次数
ごとにそれぞれ加算し、その加算結果を高調波係
数発生回路7の高調波係数出力データS2として
高調波振幅乗算回路11に送出する。
第12図の構成において、キーが操作される
と、微分回路10を通じて得られるキーオンパル
ス信号KONPによつて繰返し回数カウンタ32
及びフレームカウンタ37がリセツトされる。こ
れにより、フレーム指定データFNOが第1フレ
ームF1を指定する状態になると共に、繰返し回
数カウントデータCVが0になる。
このとき、高調波係数発生回路7のアキユムレ
ータ43においてゲート制御回路49がデータ
CVが0で、かつフレーム指定データFNOが1で
あることに応動してインバータ50を介してゲー
ト回路45を閉状態に制御する。従つて、アキユ
ムレータ43は差分累算係数データDSを送出し
ない状態に制御され、またシフトレジスタ46の
各ステージの内容がクリアされる。
この押鍵操作時においては、演算回路24の加
算回路25に対して基本係数メモリ21の基本係
数データRDだけが与えられ、これが高調波係数
データS2として高調波振幅乗算回路11に送出
される。
従つて、第1図の場合と同様にして、高調波成
分発生回路4から出力される楽音波形の第1周期
目の1次〜64次の各高調波成分の各サンプル点振
幅値に対して、それぞれ1次〜64次の基本係数デ
ータRD(第3図A)でなる高調波係数データS2
をそれぞれ乗算してなる乗算データ出力S3が高
調波振幅乗算回路11から得られることになる。
やがて、アキユムレータ3が楽音波形1周期分
の累算を終了してキヤリー信号CAを送出すると、
アンド回路47が1計算区間Ttxの間出力S12を
論理「1」にすることによつてゲート回路42を
開状態に制御する。また、キヤリー信号CAの発
生により、繰返し回数カウンタ32がカウント動
作して繰返し回数カウントデータCVを0から1
に変化させる。このときゲート制御回路49が応
動して出力S14を論理「0」に立下げることによ
つてゲート回路45を開状態に制御する。そこ
で、補間差分係数発生回路27の差の係数データ
DDがゲート回路42、加算回路44、ゲート回
路45を通じて差分累算係数データDSとして送
出される。このとき補間差分係数発生回路27に
対するフレーム指定データFNOの内容は1であ
るので、補間差分係数発生回路27から第1フレ
ームF1に対応する1次〜64次の補間差分データ
(Q2−Q1)/K1が順次読出されて行く。
従つて、演算回路24の加算回路25には基本
係数メモリ21の基本係数データRDと差分累算
係数データDSとが与えられることにより、その
加算結果が高調波係数データS2として高調波振
幅乗算回路11に送出される。これと同時に高調
波成分発生回路4は第2周期目の1次〜64次の各
高調波成分についての正弦波形データS1を出力
するので、高調波振幅乗算回路11は、この第2
周期目の各高調波成分に対して高調波係数データ
Q1(第3図A)から1ステツプ(Q2−Q1)/K1
分だけ高調波係数データQ2(第3図B)に近づく
ように変化した高調波係数データS2を正弦波形
データS1に乗算することになる。
例えば、M次の高調波係数について、第13図
に示すように、第1周期目の楽音波形が終了した
時点t01において高調波係数データS2の内容がL1M
から(L2M−L1M)/K1(=ΔSP2M/K1)分だけ増
大する。
以下同様にして、楽音波形の1周期が終了する
ごとに、キヤリー信号CAがアキユムレータ3か
ら繰返し回数カウンタ32に与えられることによ
り、繰返し回数カウントデータCVの値が1づつ
上昇して行くが、フレームカウンタ37のフレー
ム指定データFNOは変化しないので、補間差分
係数発生回路27は引続き第1フレームF1に関
する差の係数データDD=(Q2−Q1)/K1を送出
し続ける。
ところが、ゲート回路42はキヤリー信号CA
が発生すると、その都度計算区間タイミング信号
tXの1周期Ttxの間だけアンド回路47の出力S12
によつて開制御されるので、補間差分係数発生回
路27からアキユムレータ43に対して、1次〜
64次の各次数についての差の係数データDDが1
回だけ入力されることになる。このとき、アキユ
ムレータ43はデータDDが入力されるごとに、
これをシフトレジスタ46から順次送出されるデ
ータと各タイムスロツトごとに加算して差分累算
係数データDSとして送出すると同時に、シフト
レジスタ46−加算回路44−ゲート回路45−
シフトレジスタ46のループを通じて循環記憶す
る。
かくして、アキユムレータ43は、楽音波形1
周期が終了するごとに、補間差分係数発生回路2
7から出力される差の係数データDDを累算する
ことになる。
その結果、第1フレームF1において、例えば
M次の高調波係数について第13図に示すよう
に、アキユムレータ43の累算動作によつて差分
累算係数データDSの内容は、楽音波形の1周期
が終了する時点t02,t03……ごとに、補間差分デ
ータ(L2M−L1M)/K1(=ΔSP2M/K1)分だけ1
ステツプづつ上昇して行くことになる。
このようにして上昇して行く差分累算係数デー
タDSは加算回路25において基本係数データRD
と加算されて高調波係数データS2として送出さ
れる。その結果、サウンドシステム9において発
生される第1フレームの楽音の音色が実用上連続
的に変化して行く。
やがて、繰返し回数カウンタ32のカウント内
容が繰返し回数指定回路34において指定された
繰返し回数K(=K1)と一致すると、高調波係数
発生回路7は第1フレームF1の係数発生動作を
終了して次の第2フレームF2に入る。
ここで、補間差分係数発生回路27はフレーム
指定データFNOが2に変化したことにより、差
の係数データDDとして第2フレームF2に対応
して設定された補間差分係数(Q3−Q2)/K2
出力する状態に制御される。このときも、アキユ
ムレータ3からキヤリー信号CAが与えられるご
とに、計算区間タイミング信号tXの1周期Ttx
けゲート回路42を開いて新たな差の係数データ
DDがアキユムレータ43に入力される。従つ
て、アキユムレータ43は第2フレームF2に入
ると、差の係数データDDを第1フレームにおけ
る累算結果にさらに累算して行く状態になる。
そこで、例えばM次の高調波係数について第1
3図に示すように、高調波係数データS2は、第
2フレームF2に入つた時点t1から楽音波形の1
周期が終了するごとに、補間差分係数データ
(L3M−L2M)/K2だけ変化して行くことになる。
なお、第4図Bの場合、差分データL3M−L2M
負極性であるので差分累算係数テータDSは第1
フレームの累算結果から差の係数データDDだけ
1ステツプづつ低下して行くことになる。
このような動作は、繰返し回数指定回路34の
繰返し回数指定データKの内容が第2フレームF
2についての値K2に切換られていることにより、
繰返し回数カウンタ32の繰返し回数カウントデ
ータCVがこの値K2と一致するまで続けられる。
従つて、高調波係数発生回路7から出力される第
2フレームF2についての各次数の高調波係数デ
ータS2の値は、それぞれ第1フレームF1の変
化とは異なるステツプ値で変化して行くことにな
り、それによりサウンドシステム9から発生され
る楽音の音色を第1フレームの変化の仕方とは異
なる変化の仕方で変化させることができる。
以下、第3フレームF3……第NフレームFN
についても同様の動作が繰返され、やがて第2図
の時点tNにおいて第NフレームFNが終了すると、
これを最終フレーム検出回路40が検出すること
により、フレーム指定データFNOの内容が固定
される。
このとき、補間差分係数発生回路27は差の係
数データDDとして0を出力し、かつゲート回路
42が閉じるので、アキユムレータ43は実質上
新たな累算動作を行なわないことになり、結局第
(N+1)フレームにおいては第Nフレームの最
終周期における累算結果がそのまま記憶保持され
る。
そこで、例えばM次の高調波係数について第1
3図に示すように、第NフレームFNにおいて最
後に補間差分データ(LNM−L(N-1)M)/KNをアキ
ユムレータ43において累算した結果得られる値
LNMを、時点tN以後の第(N+1)フレームF(N
+1)においても維持する状態になる。
この結果、サウンドシステム9から発生される
楽音の音色はキーが離鍵操作されるまで同一音色
の状態に維持される。
第12図の構成によれば、楽音信号に含まれる
各高調波成分の振幅を各フレームごとに変化させ
ると同時に、同一フレーム内においても連続的に
変化させることができるので、自然楽器における
楽音により近似した楽音をサウンドシステム9か
ら発生させることができる。かくするにつき、基
本係数メモリ21には1次〜64次の基本高調波係
数データQ1(第4図A)を1組だけ記憶しておけ
ば良く、その他の記憶データとしては各フレーム
ごとに変化幅の小さい1組の補間差分データを補
間差分係数発生回路27に設けた補間差分係数メ
モリに記憶するだけで済むので、高調波係数発生
回路7全体としてのメモリ容量を容易に小容量化
し得る。
これに加えて、この場合も各フレームについて
前のフレームと比較して振幅係数値に変化がない
次数については、補間差分係数メモリにメモリエ
リアを設けないようにしたので、補間差分係数メ
モリのメモリ容量を格段的に小容量化し得る。
第3実施例 第14図はこの発明のさらに他の実施例を示す
もので、第1図の構成に基づいて差分係数の切換
時に急激な変化を生じさせないようにしたもので
ある。
なお、第12図の構成と比較した場合、第12
図の構成では直線的補間しか行えないが、この第
14図の構成では第16図及び第17図に示され
る重み付けデータを使用することにより曲線補間
を行うことができ、より滑らかに差分係数データ
を切換えることができる。
この実施例の場合、第1図の差分係数発生回路
22、演算回路24、高調波振幅乗算回路11、
楽音信号出力回路8に至るまでの系が2系列設け
られており、第1系列において現在演算処理して
いるフレームについての高調波係数データを発生
しかつ第2系列において続くフレームの高調波係
数データを発生する。これら第1及び第2系列の
高調波係数データに対する重み付け係数は互いに
逆変化するように選定され、これにより、実効上
高調波係数発生回路7から得られる高調波係数デ
ータを、1フレームの間に、現在のフレームの高
調波係数データから次のフレームの高調波係数デ
ータへ切換えるようにする。
第14図において、高調波係数発生回路7は第
1図の差分係数発生回路22に対応する第1及び
第2系列差分係数発生回路22XA及び22XB
を有する。第1系列差分係数発生回路22XA
は、第7図について上述したように、現在のフレ
ームに関する差の係数データとして、第5図につ
いて上述したと同一の内容をもつ差の係数データ
を記憶している。すなわち、第1系列差分係数発
生回路22XAは第1フレームF1及び第(N+
1)フレームF(N+1)についてはメモリエリ
アをもつておらず、第2フレームF2、第3フレ
ームF3……第NフレームFNについて差の係数
データQ2−Q1,Q3−Q2……QN−Q(N−1)
(第4図A……)を予め格納している。
これに対して、第2系列差分係数発生回路22
XBは現在のフレームに続く次のフレームの差の
係数データを予め格納している。すなわち、第1
フレームF1、第2フレームF2……第(N−
1)フレームF(N−1)について、差の係数デ
ータQ2−Q1,Q3−Q2……QN−Q(N−1)(第
4図A……)を予め記憶し、これに対して第Nフ
レームFN及び第(N+1)フレームF(N+1)
についてはメモリエリアをもつてない。
この第1系列及び第2系列差分係数発生回路2
2XA及び22XBは、第1図の実施例の場合と
同様に第1フレームF1から第NフレームFNま
でフレームが順次移つて行く間において高調波係
数値に変化が生じた次数があれば、当該次数につ
いて差の係数データを格納しているのに対して、
高調波係数値に変化が生じない次数については、
この次数のメモリエリアが設けられておらず、か
くして差分係数発生回路22XA及び22XBに
設けられている差分係数メモリ22A(第10図)
のメモリ容量を第1図の場合と同様に小容量化で
きるようになされている。
第1系列及び第2系列差分係数発生回路22
XA及び22XBは、フレーム指定データFNOに
従つて第1フレームF1から第NフレームFNに
至るまでの各フレームに関する差の係数データ
DD1及びDD2を、次数データnに従つて各タイ
ムスロツトごとに同時に出力して行き、かくして
現在のフレームについての差の係数データDD1
をゲート回路42Aを介して第1系列アキユムレ
ータ43Aに供給すると同時に、次のフレームに
関する差の係数データDD2をゲート回路42B
を通じて第2系列アキユムレータ43Bに供給す
る。
各アキユムレータ43A及び43Bの差分累算
係数データDS1及びDS2は、それぞれ加算回路2
5A及び25Bにおいて基本係数メモリ21から
送出される基本係数データRDと加算され、その
出力端に得られる高調波係数データS2A及びS2B
が第1系列及び第2系列高調波振幅乗算回路11
A及び11Bにおいて正弦波データS1と乗算さ
れる。
かくして、高調波振幅乗算回路11Aの出力端
には、現在のフレームについての各高調波成分を
表す第1系列乗算出力データS3Aが得られ、これ
が楽音信号出力回路8の第1系列アキユムレータ
62Aに与えられる。また、高調波振幅乗算回路
11Bの出力端には、次のフレームについての高
調波成分を表す第2系列乗算出力データS3Bが得
られ、これが楽音信号出力回路8の第2系列アキ
ユムレータ62Bに与えられる。
これらのアキユムレータ62A及び62Bは、
1計算区間Ttxごとに各高調波成分を累算するも
ので、かくして楽音波形の各サンプル点における
振幅値を表す振幅値データS21A及びS21Bがアキ
ユムレータ62A及び62Bから得られ、これが
乗算回路構成の第1系列及び第2系列重み付け回
路63A及び63Bに第1の乗算入力としてそれ
ぞれ与えられる。重み付け回路63A及び63B
には重み付け係数発生回路64において発生され
る重み付け係数データI1及びI2が与えられ、楽音
波形振幅値データS21A及びS21Bにそれぞれ乗算
される。
ここで、重み付け係数発生回路64は繰返し回
数カウンタ32の繰返し回数カウントデータCV
と、繰返し回数指定回路34の繰返し回数指定デ
ータKとを受けて、第15図に示すように、繰返
し回数カウントデータCVが大きくなつて行くと、
これに応じて直線的に値が逆変化する次式で表さ
れる重み付け係数データI1及びI2を発生する。
I1=1−CV/K−1 ……(3) I2=CV/K−1 ……(4) 重み付け係数データI1は繰返し回数カウントデ
ータCVが0のとき1の値をとるのに対して重み
付け係数データI2は0の値をとる。この状態から
繰返し回数カウントデータCVが1づつ大きくな
つて行くと、重み付け係数データI1は1/(K−
1)づつ小さくなつていくのに対して重み付け係
数データI2は1/(K−1)づつ大きくなつて行
く。やがて繰返し回数カウントデータCVが(K
−1)になると、重み付け係数データI1は0に到
達すると共に、重み付け係数データI2が1に到達
する。
重み付け回路63A及び63Bの乗算出力
S22A及びS22Bは加算回路65に与えられ、その
加算出力S23がエンベロープ付与回路62に送出
される。ここで、加算出力S23に含まれる乗算出
力S22Bの成分は、繰返し回数カウントデータCV
が0のとき重み付け係数データI2が0であるので
0になるのに対して、乗算出力S22Aの成分は、
重み付け係数データI1が1であるので最大値をも
つ状態になる。従つて、加算出力S23は各フレー
ムの最初では乗算出力S22Aを内容とする状態に
ある。
この状態から繰返し回数カウントデータCVが
大きくなつて行くと、加算出力S23における乗算
出力S22BのS22Aに対する比率が次第に大きくな
つて行く。
やがて繰返し回数カウントデータCVが(K−
1)になつたとき、重み付け係数データI1が0に
なることによつて乗算出力S22Aの成分が0にな
り、かつ重み付け係数データI2が1になることに
よつて乗算出力S22Bの成分が最大値になる。
かくして、加算出力S23の内容は繰返し回数カ
ウントデータCVが大きくなつて行くに従つて振
幅値データS21Aに基づく楽音信号から振幅値デ
ータS21Bに基づく楽音信号へ切換わつて行くこ
とになり、このことは楽音に付与される音色が第
1系列加算回路25Aから出力された高調波係数
データS2Aに基づく音色から、第2系列加算回路
25Bから出力された高調波係数データS2Bに基
づく音色に次第に移り換わつて行くことを意味す
る。
このようにして音色が変化する楽音信号は、エ
ンベロープ付与回路62からサウンドシステム9
に与えられて楽音に変換される。
第14図の構成において、キーが操作される
と、微分回路10を通じて得られるキーオンパル
ス信号KONPによつて繰返し回数カウンタ32
及びフレームカウンタ37がリセツトされること
によつて、フレーム指定データFNOが第1フレ
ームF1を指定する状態になると共に、繰返し回
数カウントデータCVが0になる。
ここで、第1系列アキユムレータ43Aはゲー
ト制御回路49によつて制御されるのに対して、
第2系列アキユムレータ43Bにはこのゲート制
御回路が設けられていないので、第2系列アキユ
ムレータ43B側にだけデータが入り得る状態に
なる。これに加えて、第2系列ゲート回路42B
の制御用アンド回路47Bの一致検出出力EQの
入力端にはオア回路70が設けられ、このオア回
路70を通じてキーオンパルス信号KONPが与
えられるように構成されていることにより、ゲー
ト回路42Bがキーの操作時に開制御される。
従つて、第2系列差分係数発生回路22XBか
ら出力される差の係数データDD2がゲート回路
42Bを通じてアキユムレータ43Bに入力され
る。かくして第1フレームの最初の1計算区間
Ttxにおいて、第1系列加算回路25Aに対して
基本係数メモリ21の基本係数データRDだけが
入力されるのに対して、第2系列加算回路25B
にはこの基本係数データRDに加えてアキユムレ
ータ43Bから出力される差分累算係数データ
DS2が与えられるので、第2系列加算回路25B
からは第1フレームF1の高調波係数データQ1
と、第2フレームF2において加算すべき差の係
数データ(Q2−Q1)との和の高調波係数データ
Q2に相当する高調波係数データS2Bが送出され
る。
この高調波係数データS2Bは、現在処理してい
るフレームすなわち第1フレームF1に対して次
のフレームすなわち第2フレームF2において発
生すべき高調波係数データを内容としている。
このようにして第1系列高調波振幅乗算回路1
1Aには第1フレームF1の高調波係数データ
S2Aが与えられているのに対して、第2系列高調
波振幅乗算回路11Bには次のフレームすなわち
第2フレームF2の高調波係数データS2Bが与え
られ、これに応じて第1系列アキユムレータ62
Aの出力端に第1フレームの楽音波形振幅値デー
タS21Aが得られるのに対して、第2系列のアキ
ユムレータ62Bの出力端に第2フレームF2の
楽音波形振幅値データS21Bが得られる。
この状態において、アキユムレータ3がキヤリ
ー信号CAを送出するごとに繰返し回数カウント
データCVが1づつ大きくなつて行くと、重み付
け係数発生回路64から得られる重み付け係数デ
ータI1及びI2が第15図について上述したように
逆変化して行くことにより、加算回路65の出力
端に得られる楽音信号S23の内容が第1フレーム
F1の楽音波形振幅値データから第2フレームF
2の楽音波形振幅値データに次第に比率が切換わ
つて行く状態になる。
やがて、比較回路33において一致検出出力
EQが得られると、これによりゲート回路42A
及び42Bが1計算区間Ttxの間開制御される。
そこで、第1系列アキユムレータ43Aに第2フ
レームF2に関する差の係数データDD1(その内
容は(Q2−Q1)でなる)が入力され、これが差
分累算係数データDS1として加算回路25Aにお
いて基本係数データRDと加算される。
また、アキユムレータ43Bに第3フレームF
3に関する差の係数データDD2が入力され、す
でに第1フレームF1の区間において入力された
データに累算される。かくして、得られる差分累
算係数データDS2は差の係数データ(Q2−Q1)
と(Q3−Q2)との和になり、これにより加算回
路25Bから第3フレームF3において得るべき
高調波係数データQ3を内容とする高調波係数デ
ータS2Bが得られる状態になる。
このようにして第2フレームF2に入ると、第
2フレームF2において得るべき高調波係数デー
タQ2と、次のフレームすなわち第3フレームF
3において得るべき高調波係数データQ3とが高
調波振幅乗算回路11A及び11Bに入力され
る。
このとき重み付け係数発生回路64は、第2フ
レームF2において予め決められている繰返し回
数指定データK(=K2)が与えられることによつ
て、この値に基づいて互いに逆変化する重み付け
係数データI1及びI2を送出するので、加算回路6
5の出力端には、第2フレームF2の高調波係数
データQ2から第3フレームF3の高調波係数デ
ータQ3に連続的に変化するような高調波成分を
もつ楽音信号S23を送出する状態になる。
以下同様にして第3フレームF3、第4フレー
ムF4……第NフレームFNまで同様の動作が繰
返され、かくして各フレームにおいて当該フレー
ムの高調波係数データから次のフレームの高調波
係数データへ連続的に比率が変わるような高調波
成分をもつ楽音信号S23が加算回路65の出力端
に得られる。
なお、第(N+1)フレームF(N+1)にお
いては、第1及び第2系列アキユムレータ43A
及び43Bに差の係数データDD1及びDD2が入
力されないので、アキユムレータ43A及び43
Bは新たな累算を行なわず、結局加算回路25A
から得られる高調波係数データS2Aと、加算回路
25Bから得られる高調波係数データS2Bとは互
いに同一の内容をもつ状態になり、その結果加算
回路65の出力端に得られる楽音信号S23の音色
も変化しなくなる。
従つて、第14図の構成によれば、加算回路6
5の楽音信号S23に実質上含まれている高調波係
数データS2は、例えばM次について第11図E
に対応させて第11図Fに示すように、第1フレ
ームF1においてその開始時点t0における値L1M
から終了時点t1における値L2Mまで連続的に変化
し、続く第2フレームF2においてその開始時点
t1における値L2Mから終了時点t2における値L3M
で連続的に変化し、……、第NフレームFNにお
いてその開始時点tN-1の値L(N-1)Mから終了時点tN
における値LNMまで連続的に変化し、第(N+
1)フレームF(N+1)においてその開始時点
tNの値LNMを保持するような変化をする。
このように第14図の構成によれば、各フレー
ムにおいて高調波係数データが連続的に変化し、
従つて楽音の音色を連続的に変化させることがで
きる楽音信号発生装置を得ることができる。
かくするにつき、差分係数発生回路22XA及
び22XBに記憶すべき差の係数データとして、
前のフレームと比較して変化がある次数について
だけその変化量に相当するデータを記憶させるよ
うにしたことにより、そのメモリ容量を小容量化
することができる。
なお、第14図の実施例の場合には、重み付け
係数発生回路64において発生する重み付け係数
データI1及びI2として直線的に変化するようなデ
ータを用いたが、これに代え、第16図及び第1
7図に示すように曲線的に変化するようなデータ
を用いても、上述の場合と同様の効果を得ること
ができる。
また、第14図の実施例の場合は、重み付け回
路63A及び63Bを、楽音信号出力回路8のア
キユムレータ62A及び62Bの出力側に介挿し
た場合について述べたが、これに代え、重み付け
回路63A及び63Bをそれぞれ加算回路25A
及び25Bの入力側または出力側に介挿するよう
にしても良い。
この場合、重み付け係数データI1及びI2によつ
てそれぞれ重み付けされた第1及び第2系列の高
調波係数データS2A及びS2Bを加算し、この加算
した高調波係数データS2(=S2A+S2B)を第1
図の高調波振幅乗算回路11に供給するようにす
れば、第14図のように高調波振幅乗算回路及び
楽音信号出力回路内のアキユムレータを2系列設
ける必要がなく、1系列で済む。
さらに、第14図の実施例において用いられる
重み付け係数発生回路64として、演算により重
み付け係数データI1及びI2を発生する構成のもの
に代えて、第15図〜第17図に示したような各
曲線に相当するデータを、例えばROMに記憶さ
せておき、当該記憶を繰返し回数指定データK及
び繰返し回数カウントデータCVを条件として順
次読出して行くような構成のものを用いても良
い。
さらに、第14図の実施例の場合は、重み付け
係数データI1及びI2によつて2系列のデータを重
み付けして合成するにつき、2系列の信号処理回
路を回路構成上並列に設けるようにしたが、これ
に代え、2系列分のデータを時間直列的に時分割
処理することによつて、信号処理回路を1系列だ
けで済ますようにしても良い。このようにした場
合、差分係数発生回路22XA及び22XBに相
当する1つの差分係数発生回路を設け、この1つ
の差分係数発生回路内の差分係数メモリおよび次
数メモリ(第10図)を隣合うフレームに関して
時分割で読み出して2系列の差の係数データ
DD1及びDD2を得るようにすれば良い。
変形例 上述の実施例について、以下に述べる変形を加
えても上述の場合と同様の効果を得ることができ
る。
(1) 上述の実施例においては、この発明を単音電
子楽器に適用した場合について述べたが、複音
電子楽器に適用しても良い。この場合には、上
述した各種回路を複数音分並列に設けて同時処
理するように構成しても良く、又は複数音につ
いて時分割的に処理するように構成しても良
い。
(2) 上述の実施例の場合は、基本係数メモリに、
全ての次数(1次〜64次)に対応して基本係数
データを記憶するようにしたが、一部の次数の
高調波成分だけを有する楽音信号を発生する場
合には、楽音発生時に含まれている高調波成分
の次数についてだけ、基本係数データを記憶す
るようにすれば良い。この場合には、例えば特
開昭54−140523号公報に開示されているような
技術を用いて楽音信号発生装置を構成すれば良
い。
(3) 上述の実施例においては、差の係数データ発
生手段を構成する差分係数発生回路22(第1
図)、並びに22XA及び22XB(第14図)、
補間差分係数発生回路27(第12図)におい
ては、各フレームにおいて発生すべき高調波成
分についてそれぞれ、その次数並びに差の係数
(差分係数値又は補間差分係数値)を記憶する
ように構成したが、これに代え、次数を変数と
して差の係数値を関数式で表して記憶し、この
関数式を次数データnを用いて演算することに
よつて各次数の差の係数データを発生するよう
にしても良く、例えば、特開昭55−43552号公
報に開示のものを適用し得る。
このようにすれば、差の係数データ発生手段
のメモリ容量をさらに小容量化し得る。
(4) 上述の実施例においては、周波数ナンバRを
用いて各次数の高調波を発生して合成するよう
にしたが、他の高調波合成方式を用いても良
い。例えば周波数ナンバに代えて、キーに対応
したノートクロツクをカウンタでカウントする
ことによつて累算出力qRに相当するデータを
発生し、このデータに基づいて合成すべき各高
調波成分を発生させるようにしても良い。
(5) 上述の実施例においては、各高調波成分の周
波数を整数倍関係に設定して調和性楽音を発生
するようにしたが、これに代えて例えば特公昭
53−40527号公報に示されているように、所望
高調波成分の周波数を整数倍関係からずらして
設定する(非整数倍関係に設定する)ことによ
り非調和性楽音を発生するようにしても良い。
(6) 上述の実施例においては、各フレームの切換
えを楽音波形周期を単位にして行なうように
し、これにより押鍵操作されたキーの音高に応
じて各フレームの時間が変化するようにした
が、これに限らず、例えばタイマ回路を設けて
フレームの切換えを楽音波形周期とは関係なく
時間単位で制御するようにしても良い。この場
合には、例えばフレームデータ発生回路31に
おいて、ゲート回路36に所定のクロツク信号
を与えるようにすれば良い。
(7) 上述の実施例においては、1フレームの間に
実行すべき演算繰返し回数Kを繰返し回数指定
回路34において指定することによつて、全て
の次数の係数データを同一のタイミングで一斉
に切換えるように制御するようにしたが、これ
に代え、繰返し回数(又は時間)を各次数ごと
にそれぞれ独立に指定できるようにすることに
よつて、各次数に適応するタイミングで各次数
の係数データを切換制御できるようにすれば、
さらに一段と自然楽音に近い音色変化をもつ楽
音を発生させることができる。
このようにする場合には、フレームデータ発
生回路31として、繰返し回数カウンタ32、
繰返し回数指定回路34、フレームカウンタ3
7、最終フレーム検出回路40を含んでなるフ
レームデータ発生系を、各次数ごとに並列に設
け、又は各次数ごとに時分割的に処理できるよ
うに構成するようにすれば良い。
(8) 上述の各実施例の場合、アキユムレータ4
3,43A,43Bにおいて差分累算係数を記
憶するためにシフトレジスタ46を用いるよう
にしたが(第1図、第12図及び第14図)、
このシフトレジスタに代えてRAM、又はその
他の記憶手段を用いても良い。
(9) 上述の構成においては、加算、累算、乗算等
の演算及びこれら演算の制御等の処理を実行す
るためにそれぞれ専用ハードを設けて行なつた
が、マイクロコンピユータ等によつて処理する
ようにしても良い。
(10) 上述の実施例においては、高調波合成による
楽音波形の形成演算をリアルタイムで実行する
場合について述べたが、楽音波形形成(高調波
合成)演算結果を一旦メモリに書込み、その後
楽音周波数に対応してメモリを読出して一回の
発音中に音色を変化させるために複数回楽音波
形形成演算を実行するようなノンリアルタイム
方式で処理をするようにしても良い。このノン
リアルタイム方式の構成としては特開昭48−
76520号公報に開示の構成を用い得る。
(11) 上述の実施例においては、各高調波係数の発
生演算を各高調波成分の発生タイミングに同期
して行なうようにしたが、これに代えて各高調
波係数の発生演算を例えば特公昭58−3238号公
報に示されているように各高調波成分の発生タ
イミングとは非同期の低速タイミングで行なう
ようにしてもよい。
(12) 上述の実施例においては、演算回路24にお
いて、楽音波形の各周期ごとに高調波係数の補
間演算をするようにしたが、これに限らず、複
数周期例えば2周期、又は4周期等に1回づつ
補間演算するように構成しても、上述の場合と
同様の効果を得ることができる。
(13) 上述の実施例の基本係数メモリ21、差分係
数発生回路22,22XA,22XB(第1図、
第14図)、及び補間差分係数発生回路27
(第12図)に記憶するデータとしては、PCM
データに限らず、DPCM,ADPCM,DM,
ADM,APCMなど各種の波形符号化方式のデ
ータを用いても良い。
(14) 上述の実施例においては、フレームデータ発
生回路31に繰返し回数指定回路34を設けて
繰返し回数を各フレームごとにそれぞれ設定し
得るようにした場合について述べたが、これに
代え、繰返し回数を全てのフレームについて共
通の一定値に固定するようにしても良い。この
場合には、フレームデータ発生回路31におい
て、キヤリー信号CAを分周してゲート回路3
6に与えるようにすればよい。
(15) 上述の実施例においては、高調波合成演算を
時分割で行なうようにしたが、これに限らず、
例えば実公昭53−42104号公報に示されている
ように、各高調波成分の発生及び各高調波係数
の発生を各次数ごとに並列的に行なうようにし
てもよい。
(16) 上述の実施例においては、高調波成分発生回
路4として正弦波を発生するようにした場合に
ついて述べたが、これに限らず、矩形波、三角
波などの他の波形を発生させて高調波合成する
ようにしても良い。
(17) 上述の実施例においては、操作されたキーに
対応する音高の楽音を発生する場合にこの発明
を適用したが、この発明はこれに限らず、リズ
ム音を発生する場合にも適用し得る。
(18) 上述の実施例において、楽音が発生してから
消滅するまでの間の音色の変化を生じさせる効
果に加えて、さらに例えばキースケーリング、
タツチレスポンス、操作子などによる音色変化
を付加する場合には、演算回路24において差
分累算データの出力側に乗算器を設け、この乗
算器によつて差分累算データにキースケーリン
グやタツチレスポンス等に応じた所定の重み付
けをした後、基本高調波係数に加算するように
構成すれば良い。このようにすれば主として基
本高調波係数により決まる原音のイメージを損
うことなく、必要に応じてつけようとする効果
についての音色変化を容易に生じさせることが
できる。
(19) 第12図の実施例の場合、補間差分係数発生
回路27に記憶すべき補間差分データとして、
順次隣合うフレームの最初の高調波係数の差を
繰返し回数Kで割つた値(すなわちΔSP/K)
を用い、この補間差分データを累算することに
よつて差分累算データを得るようにしたが、こ
れに代え、第1図の実施例と同様に高調波係数
の差(すなわちΔSP)をそのまま記憶してお
き、この差に対して1フレームの間に値が0か
ら1にまで連続的に変化するような補間係数
(例えばCV/K)を乗算して前のフレームの最
終の高調波係数に加算するようにしても良い。
〔発明の効果〕
以上のようにこの発明によれば、各次数につい
ての高調波係数を得るにつき、基本係数データに
対して離散的にサンプリングして得た差の係数デ
ータを累算すると共に、隣合うフレーム間におい
て振幅係数に変化がある次数についてだけ差の係
数データを記憶し、変化がない次数については差
の係数データを記憶しないようにしたことによ
り、従来の場合と比較してメモリ容量を格段的に
小容量化し得ると共に、低コストな高調波合成方
式の楽音信号発生装置を実現し得る。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明による楽音信号発生装置を単
音電子楽器に用いた場合の第1実施例を示すブロ
ツク図、第2図は発生すべき楽音波形を示す信号
波形図、第3図は発生すべき高調波係数のスペク
トル分布曲線を示す曲線図、第4図は演算すべき
差分データのスペクトル分布曲線を示す曲線図、
第5図は第1実施例の差分係数発生回路の記憶デ
ータを示す図表、第6図は第2実施例の補間差分
係数発生回路の記憶データを示す図表、第7図は
第3実施例の第1及び第2系列の差分係数発生回
路の記憶データを示す図表、第8図はクロツク信
号tCと計算区間タイミング信号tXとの関係を示す
信号波形図、第9図はキーオン信号KONとキー
オンパルス信号KONPとの関係を示す信号波形
図、第10図は第1図の差分係数発生回路の詳細
構成例を示すブロツク図、第11図は第1図の各
部の信号を示す信号波形図、第12図はこの発明
による楽音信号発生装置の第2実施例を示すブロ
ツク図、第13図は第12図のM次の高調波係数
データを示す信号波形図、第14図はこの発明に
よる楽音信号発生装置の第3実施例を示すブロツ
ク図、第15図〜第17図は第14図の重み付け
係数発生回路の重み付け係数データの一例を示す
曲線図である。 4……高調波成分発生回路、7……高調波係数
発生回路、21……基本係数メモリ、22,22
XA,22XB……差分係数発生回路、24,2
4A,24B……演算回路、27……補間差分係
数発生回路、31……フレームデータ発生回路、
64……重み付け係数発生回路。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 楽音を構成する基本波及びその高調波に対応
    する各次数成分を、それぞれ対応する振幅係数に
    よつて重み付けした後それらを合成することによ
    つて楽音信号を発生する楽音信号発生装置におい
    て、 (a) 発生すべき楽音信号を時間軸上で2以上のフ
    レームに分け、各フレームを楽音信号の発生開
    始時からの時間の経過に従つて順次指定するフ
    レーム指定手段と、 (b) 上記振幅係数の初期値を表す基本係数データ
    を各次数ごとに発生する基本係数発生手段と、 (c) 上記各フレームに関して、それぞれ当該フレ
    ームの直前において発生すべき第1の振幅係数
    と当該フレームにおいて発生すべき第2の振幅
    係数との間に変化がある次数について、当該次
    数を表す次数データ及び第1及び第2の振幅係
    数の差分に対応する差の係数データを記憶し、
    変化がない次数については記憶領域を設定しな
    いようにし、上記フレーム指定手段の出力によ
    つて読出しが行われる記憶手段と、 (d) 上記基本係数発生手段から発生された上記基
    本係数データ及び上記記憶手段から読出された
    上記差の係数データに基づいて各フレームの各
    時点における振幅係数を各次数ごとに演算出力
    する演算手段と、 を具えることを特徴とする楽音信号発生装置。 2 前記記憶手段は、前記差分を表す差の係数デ
    ータを記憶すると共に、その次数を表す次数デー
    タを記憶するものであり、前記演算手段は、前記
    基本係数データに対して前記差の係数データをフ
    レームの切換わり時点で順次累算する演算を前記
    次数データが表す次数についてそれぞれ実行する
    ものである特許請求の範囲第1項に記載の楽音信
    号発生装置。 3 前記記憶手段は、前記差分を各フレームにお
    ける補間演算の繰返し回数で割つた値を表す差の
    係数データを記憶すると共に、その次数を表す次
    数データを記憶するものであり、前記演算手段
    は、前記基本係数データに対して前記差の係数デ
    ータを各フレーム内の補間演算タイミングに従つ
    て順次累算する演算を前記次数データが表す次数
    についてそれぞれ実行するものである特許請求の
    範囲第1項に記載の楽音信号発生装置。 4 上記記憶手段は、各フレームについての上記
    差分を上記差の係数データとして記憶し、上記演
    算手段は、上記差の係数データに対して各フレー
    ムにおいて時間の経過と共に変化する重み付け係
    数を各次数ごとに乗算すると共に、各フレームの
    終了時における上記乗算結果を表すデータを各次
    数ごとに一時記憶し、かつこの一時記憶したデー
    タと、上記基本係数データとを各次数ごとに加算
    して上記各次数ごとの振幅係数を得るようにして
    なる特許請求の範囲第1項に記載の楽音信号発生
    装置。 5 楽音を構成する基本波及びその高調波に対応
    する各次数成分を、それぞれ対応する振幅係数に
    よつて重み付けした後それらを合成することによ
    つて楽音信号を発生する楽音信号発生装置におい
    て、 (a) 発生すべき楽音信号を時間軸上で2以上のフ
    レームに分け、各フレームを楽音信号の発生開
    始時からの時間の経過に従つて順次指定するフ
    レーム指定手段と、 (b) 上記振幅係数の初期値を表す基本係数データ
    を各次数ごとに発生する基本係数発生手段と、 (c) 上記各フレームに関して、それぞれ当該フレ
    ームの直前において発生すべき第1の振幅係数
    と当該フレームにおいて発生すべき第2の振幅
    係数との間に変化がある次数について、当該次
    数を表す次数データ及び上記第1及び第2の振
    幅係数の差分に対応する差の係数データを記憶
    すると共に変化がない次数については記憶領域
    を設定しないようにした記憶手段を有し、上記
    フレーム指定手段の出力に基づき上記記憶手段
    を読出して該フレーム指定手段で指定されたフ
    レームに関する上記次数データ及び差の係数デ
    ータを第1系列の次数データ及び差の係数デー
    タとして発生すると共に、上記指定されたフレ
    ームの次のフレームに関する上記次数データ及
    び差の係数データを第2系列の次数データ及び
    差の系列データとして発生するデータ発生手段
    と、 (d) 上記基本係数データ及び上記第1系列の次数
    データ及び差の係数データに基づいて各フレー
    ムの各時点における振幅係数を各次数ごとに第
    1系列の振幅係数として演算出力すると共に、
    上記基本係数データ及び上記第2系列の次数デ
    ータ及び差の係数データに基づいて各フレーム
    の各時点における振幅係数を各次数ごとに第2
    系列の振幅係数として演算出力する演算手段
    と、 (e) 上記第1及び第2系列の振幅係数を各次数ご
    とに各フレーム内の時間経過に従つて重み付け
    して合成することにより、各フレームの開始時
    から終了時に至るまでの間に第1系列の振幅係
    数に対応した値から該第2系列の振幅係数に対
    応した値に順次変化する振幅係数を形成する合
    成手段と、 を具えることを特徴とする楽音信号発生装置。 6 楽音を構成する基本波及びその高調波に対応
    する各次数成分を、それぞれ対応する振幅係数に
    よつて重み付けした後それらを合成することによ
    つて楽音信号を発生する楽音信号発生装置におい
    て、 (a) 発生すべき楽音信号を時間軸上で2以上のフ
    レームに分け、各フレームを楽音信号の発生開
    始時からの時間の経過に従つて順次指定するフ
    レーム指定手段と、 (b) 上記振幅係数の初期値を表す基本係数データ
    を各次数ごとに発生する基本係数発生手段と、 (c) 上記各フレームに関して、それぞれ当該フレ
    ームの直前において発生すべき第1の振幅係数
    と当該フレームにおいて発生すべき第2の振幅
    係数との間に変化がある次数について当該次数
    を表す次数データ及び上記第1及び第2の振幅
    係数の差分に対応する差の係数データを記憶す
    ると共に変化がない次数については記憶領域を
    指定ないようにした記憶手段を有し、上記フレ
    ーム指定手段の出力に基づき上記記憶手段を読
    出して該フレーム指定手段で指定されたフレー
    ムに関する上記次数データ及び差の係数データ
    を第1系列の次数データ及び差の係数データと
    して発生すると共に、上記指定されたフレーム
    の次のフレームに関する上記次数データ及び差
    の係数データを第2系列の次数データ及び差の
    係数データとして発生するデータ発生手段と、 (d) 上記基本係数データ及び上記第1系列の次数
    データ及び差の係数データに基づいて各フレー
    ム各時点における振幅係数を各次数ごとに第1
    系列の振幅係数として演算出力すると共に、上
    記基本係数データ及び上記第2系列の次数デー
    タ及び差の係数データに基づいて各フレームの
    各時点における振幅係数を各次数ごとに第2系
    列の振幅係数として演算出力する演算手段と、 (e) 上記第1系列の振幅係数によつて上記各次数
    成分を重み付けした後それらを合成して第1の
    楽音信号を形成すると共に、上記第2系列の振
    幅係数によつて上記各次数成分を重み付けした
    後それらを合成して第2の楽音信号を形成する
    楽音形成手段と、 (f) 上記第1及び第2の楽音信号を各フレーム内
    の時間経過に従つて重み付けして合成すること
    により、各フレームの開始時から終了時に至る
    までの間に該第1の楽音信号から該第2の楽音
    信号に向かつて順次変化する楽音信号を形成す
    る合成手段と、 を具えることを特徴とする楽音信号発生装置。
JP59210299A 1984-07-24 1984-10-06 楽音信号発生装置 Granted JPS6188299A (ja)

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