JPH0572791A - 電子写真用転写部材 - Google Patents

電子写真用転写部材

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JPH0572791A
JPH0572791A JP26275691A JP26275691A JPH0572791A JP H0572791 A JPH0572791 A JP H0572791A JP 26275691 A JP26275691 A JP 26275691A JP 26275691 A JP26275691 A JP 26275691A JP H0572791 A JPH0572791 A JP H0572791A
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JP
Japan
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transfer member
polyaniline
conductive polymer
repeating unit
skeletal
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Application number
JP26275691A
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English (en)
Inventor
Tomoyuki Murakami
知之 村上
Yoji Uchida
陽二 内田
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Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Denko Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 表面層を微孔内に導電性高分子を定着したP
TFE多孔質体で構成することにより表面抵抗の低い電
子写真用転写部材とする。 【構成】 プラスチック層上に誘電体層を設け、この誘
電体層を上に更に微孔内にポリアニリン、3位に置換基
を有するポリチオフェン、3位に置換基を有するポリピ
ロール、3位および4位に置換基を有するポリチオフェ
ン、3位および4位に置換基を有するポリピロール等を
定着させたPTFE多孔質体層を設けて、表面抵抗が1
9 〜1014Ω/□の転写部材を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は表面抵抗の低い電子写真
用転写部材に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真は1938年にC.F.カール
ソンが発明して以来、多くの研究者が改良を重ね、現在
ではこの電子写真技術による電子複写機が一般の生活に
まで深く浸透している。
【0003】電子複写機において紙に画像を形成する方
式には種々あるが、その一つに感光ドラムを回転させる
ことによりベルト状の転写部材(中間転写体ともいう)
上に一旦像を形成し、次いでこれを紙に定着する方式が
ある。
【0004】かような方式に用いる転写部材としては、
(a)ポリエステルフィルム等のベース層にポリフッ化
ビニリデン等から成る強誘電体層を形成したもの(特開
昭62−251779号公報)、(b)ニッケル、銅等
から成る導電性無端ベルト、あるいは体積抵抗を1010
Ω・cm以下とした無端ゴムベルト上にポリエステル系
樹脂、フッ素樹脂、シリコーン、シリコーンゴム等の誘
電層を形成したもの(特開昭53−87738号公
報)、あるいは(c)ポリエチレンテレフタレート等か
ら成る裏層と、ポリフッ化ビニリデン等から成り且つ体
積抵抗が108 〜1015Ω・cmである表層との重層構
造のもの(特開平2−14807号公報)、等が知られ
ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記
(a)および(b)の2タイプの転写部材はいずれも表
面抵抗が高く、転写部材から紙にトナーを転写して像形
成する際に放電(剥離放電)を生じ易く、トナーの飛散
による放電模様が出て画像が乱れることがあり、鮮明な
画像を得られないことがある。
【0006】また、(c)のタイプの転写部材は表層の
体積抵抗を所期の値とするため、該表層をポリフッ化ビ
ニリデン等とカーボンブラック、金属粉等の導電性フィ
ラーやチタン化合物、ニッケル化合物等の半導電性フィ
ラーとの混合物で形成しているが、表面平滑性が悪くな
る。更に、体積抵抗を上記所定値に設定しても必ずしも
鮮明な画像が得られない。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は従来技術の有
する上記課題を解決するため鋭意研究の結果、多孔質の
ポリテトラフルオロエチレン(以下、PTFEという)
の微孔に導電性高分子を定着せしめ、これを用いて転写
部材を構成すると剥離放電のような不都合を生じ難く鮮
明な画像が安定して得られることを見い出し、本発明を
完成するに至った。
【0008】即ち、本発明に係る電子写真用転写部材は
プラスチック層上に、誘電体層および微孔内に導電性高
分子を定着した多孔質PTFE層が順次積層されて成る
ものである。
【0009】本発明に係る電子写真用転写部材における
基材としてのプラスチック層は、転写部材に強度を持た
せるもので、該転写部材を電子複写機等に組み込み作動
させた際に、切断のような不都合を生じない程度の強度
を有する材料であればよく、例えば、ポリエステル樹脂
(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンナフタレ
ート等)、ポリカーボネート、ポリフェニレンスルフィ
ド、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケト
ン、ポリアセタール、ポリイミド、ポリスルホン、ポリ
アリレート等を具体例として挙げることができる。この
基材の厚さは材質により変わり得るが、通常、30〜1
50μm程度である。
【0010】このプラスチック層上には誘電体層が形成
される。誘電体層は格別である必要はなく、従来から電
子写真用転写部材の誘電体層形成に用いられている材料
で形成すればよい。例えば、ポリフッ化ビニリデンやフ
ッ化ビニリデン−トリフルオロエチレン共重合体に代表
されるフッ化ビニリデン系重合体、シアノエチルセルロ
ース、ポリビニルアルコールのシアノエニル化物等を用
い得る。
【0011】そして、本発明においてはこの誘電体層上
に導電性高分子を微孔に定着した多孔質PTFE層が積
層される。ここで用いるPTFE多孔質体は、特に限定
されるわけではないが、通常、厚さ約10〜300μ
m、気孔率約30〜80%、微孔の径約0.2〜30μ
mである。PTFE多孔質体の製造法は特公昭42−1
3560号公報、特公昭58−15295号公報、特公
昭58−25332号公報等に開示されている。従っ
て、本発明に用いるPTFE多孔質体もこれら公報に記
載された方法によって得ることができる。
【0012】本発明においては上記PTFE多孔質体の
微孔内に導電性高分子が定着される。PTFE多孔質体
の微孔内への導電性高分子の定着は、例えば、エタノー
ル、トルエン等のようなPTFEを濡らすことができ且
つ導電性高分子を溶解し得る溶剤と混和性のある液体中
にPTFE多孔質体を浸漬し、該液体を微孔内に浸透さ
せた後引上げ、多孔質体表面に付着している過剰の液体
を拭き取り、次いで多孔質体を導電性高分子溶液中に浸
漬することにより液体と溶液を置換して引上げ、その後
溶剤を除去する方法、あるいはPTFE多孔質体に上記
と同様な液体を塗布することにより微孔内に該液体を浸
透せしめ、次いで導電性高分子溶液を塗布し液体と溶液
を置換し、その後溶剤を除去する方法等により行なうこ
とができる。これらの方法による場合にはPTFE多孔
質体の表面にも導電性高分子が付着することがあるが、
この付着は障害となるものではない。ただし、導電性高
分子の表面への付着によりPTFE多孔質体の表面平滑
性が低下するので、それをを避けたい場合には導電性高
分子溶液から多孔質体を引上げた後に拭き取り、表面に
付着した高分子溶液を除去する。
【0013】PTFE多孔質体の微孔内への導電性高分
子溶液の浸透を促し、導電性高分子の微孔内への定着を
容易とするため、該多孔質体にスパッタエッチング処理
しておくことは好ましい。
【0014】PTFE多孔質体のようなフッ素樹脂成形
物に対するスパッタエッチング処理は既に知られてい
る。このスパッタエッチング処理とは、耐圧容器内で減
圧雰囲気下において陰陽両極間に高周波電圧を印可し、
放電域のイオンエネルギーの大きな陰極暗部において、
放電によって生じた陽イオンを加速して、陰極上のフッ
素樹脂形成物表面に衝突させる処理である。このための
装置は、耐圧容器内に陰極と陽極が対向して配置され、
陰極はインピーダンス整合器を介して高周波電源に接続
され、陽極は高周波電源のアース側に接続されている。
陰極の外側にはシールド用電極が配置され、アース電位
に保たれる。
【0015】かようなスパッタエッチング処理方法は特
公昭53−22108号公報に、また、この処理に用い
る装置については特公昭56−1337号公報、特公昭
56−1340号公報等に詳細に記載されている。従っ
て、これらの記載を参照することにより、PTFE多孔
質体に対するスパッタエッチング処理を行なうことがで
きる。なお、PTFE多孔質体を本発明に適用する際の
スパッタエッチング処理は、雰囲気圧約0.0005〜
0.5Torrで、電極単位面積当りの放電電力(Wa
tt/cm2 )と処理時間(sec)の積が約2〜50
Watt・sec/cm2 となるように施すのが好適で
あることが判明している。
【0016】ここで本発明に用いる導電性高分子につい
て述べる。導電性高分子としてはポリアセチレン、ポリ
ピロール、ポリチオフェン等が知られているが、これら
は一般に溶剤に不溶性であるため、溶液状態とすること
ができず、PTFE多孔質体の微孔内への定着作業が困
難であり、本発明への適用には難がある。
【0017】これら導電性高分子の応用範囲を拡大させ
るため溶解性を付与する研究が進められ、近年、溶剤可
溶性の導電性高分子が開発された。本発明に用いる導電
性高分子はこれら溶剤可溶性のものを意味し、その具体
例としてはポリアニリン、3位に置換基を有するポリチ
オフェン、3位に置換基を有するポリピロール、3位お
よび4位に置換基を有するポリチオフェン、3位および
4位に置換基を有するポリピロール等を挙げることがで
きる。そして、置換基としては、アルキル基、アルコキ
シ基、アルキルカルボニル基、アルコキシカルボニル基
等があり、これら置換基はいずれもC数1〜30程度の
ものである。本発明者はこれら溶剤可溶性導電性高分子
をPTFE多孔質体の微孔内に定着したものを用いた転
写部材は、多孔質体面側の表面抵抗が低い(109 〜1
14Ω/□に設定できる)という利点を有することを知
った。
【0018】溶剤可溶性ポリアニリンについては、本出
願人が既に特開平3−28229号公報において提案し
ており、本発明においてもこのポリアニリンを好適に用
いることができる。電解酸化重合あるいは化学酸化重合
により得られていた従来のポリアニリンは溶剤に不溶性
であったが、本出願人提案の上記ポリアニリンは溶剤可
溶性である。
【0019】この溶剤可溶性ポリアニリンは下記化4を
主たる繰り返し単位として有する有機重合体であって、
【0020】
【化4】
【0021】(式中、mおよびnはそれぞれ繰り返し単
位中のキノンジイミン構造およびフェニレンジアミン構
造のモル分率を示し、0<m<1、0<n<1、m+n
=1である。)
【0022】脱ドープ状態において457.9nmの波
長の光で励起して得られるレーザーラマンスペクトルに
おけるパラ置換ベンゼンの骨格振動のうち、1600c
-1よりも高波数に現れる骨格延伸振動のラマン線強度
Iaと、1600cm-1よりも低波数に現れる骨格延伸
振動のラマン線強度Ibの比Ia/Ibが1.0以上で
あるものである。また、この溶剤可溶性ポリアニリンは
pka値(酸解離定数)が4.8以下のプロトン酸によ
りドープされていてもよい。
【0023】この溶剤可溶性ポリアニリンの合成法、溶
剤への溶解性、これをドーピングするためのプロトン
酸、脱ドープ方法、レーザーラマンスペクトル等につい
ては特開平3−28229号公報に詳細に開示されてお
り、本発明の実施に際しこの開示を参照することは好ま
しいことである。
【0024】本発明に好適に用いることができる溶剤可
溶性ポリアニリンの別の例を述べる。このポリアニリン
も本出願人が特開平3−52929号公報において既に
提案したものである。従って、本発明の実施に際しこの
ポリアニリンを適用する場合には上記公報の開示を参照
することができる。
【0025】この溶剤可溶性ポリアニリンは下記化5を
主たる繰り返し単位として有する有機重合体であって、
【0026】
【化5】
【0027】電子受容体(アクセプター)によりドープ
されているものである。上記電子受容体は下記式で表さ
れる有機電子受容体であるのが好ましい。
【0028】Q−(A)p
【0029】(式中Qは下記化6で表され、またAは相
互に異なっていてもよい一価の電子吸引性基を示し、p
は1〜4の整数である。)
【0030】
【化6】
【0031】式Q−(A)pで示される電子受容体にお
ける電子吸引性基としては、フッ素原子、塩素原子、臭
素原子、シアノ基、ニトロ基またはトリフルオロメチル
基等が挙げられる。
【0032】また、かような有機電子受容体に代え、F
eCl3 、SbCl5 、CuCl2 、I2 等の無機電子
受容体(ルイス酸)を用いることもできる。
【0033】これら導電性高分子を有機溶剤に溶解し、
この溶液をPTFE多孔質体の微孔内に浸透させ、次い
で溶剤を除去すれば該高分子は溶剤不溶性となり微孔内
に定着される。導電性高分子の微孔内への定着により、
PTFE多孔質体の表面抵抗は低くなる。そして、本発
明においてはPTFE孔質体の表面抵抗が109 〜10
14Ω/□となるように導電性高分子を微孔内に定着する
のが好適である。電子写真用転写部材の表面抵抗が上記
範囲である場合、導電性ではないが画像形成時に必要な
電荷を有するように簡単に帯電させることができ、ま
た、剥離放電が生じ難いという利点がある。
【0034】導電性高分子を微孔内に定着させることに
よりPTFE多孔質体の表面抵抗を上記値とするには、
該多孔質体の厚さが10〜100μm程度であれば、導
電性高分子の定着量を例えば約0.1〜10g/m2
設定する。ただし、導電性高分子の電気抵抗はドーピン
グ率が比較的低い領域ではドーピング率の増加に対応し
て低くなるので、用いる導電性高分子におけるドーピン
グ率により上記定着量は変わり得る。従って、上記定着
量は限定的な意味を持つものではなく、ひとつの目安と
考えるべきものである。ドーピング率の調整はドーピン
グ試薬であるドーパントの導電性高分子に対する添加量
の増減により行なうことができる。また、ドーパントの
種類を変えることによっても、導電性高分子の電気抵抗
を変えることができる。
【0035】
【実施例】以下、参考例と共に実施例を挙げて本発明を
更に詳細に説明する。
【0036】参考例1 (溶剤可溶性ポリアニリンの合成)攪拌装置、温度計と
直管アダプターを備えた容量10リットルのセパラブル
フラスコに蒸留水6000g、36重量%塩酸360ミ
リリットルおよびアニリン400g(4.295モル)
をこの順序で仕込み、アニリンを溶解させる。
【0037】一方、これとは別に氷水にて冷却しなが
ら、ビーカー中の蒸留水1493gに97重量%濃硫酸
434g(4.295モル)を加えて混合し、硫酸水溶
液を調製する。そして、この硫酸水溶液を上記アニリン
溶液に加え、フラスコ全体を低温度恒温槽にて−4℃ま
で冷却する。
【0038】次に、ビーカー中にて蒸留水2293gに
ペルオキソ二硫酸アンモニウム980g(4.295モ
ル)を加えて溶解させ、酸化剤溶液を調製する。
【0039】上記のフラスコ全体を低温恒温槽で冷却し
て、反応混合物の温度を−3℃に保持しつつ、攪拌下に
アニリン塩の酸性水溶液にチュービングポンプを用い
て、直管アダプターからペルオキソ二硫酸アンモニウム
水溶液を1ミリリットル/分以下の割合で除々に滴下す
る。最初、無色透明の溶液は重合の進行に伴って緑青色
から黒褐色となり、次いで黒緑色の粉末が析出する。
【0040】この粉末析出時に反応混合物の温度上昇が
みられるが、高分子量重合体を得るためには、反応系の
温度を0℃以下好ましくは−3℃以下に抑えることが肝
要である。粉末析出後は、ペルオキソ二硫酸アンモニウ
ム水溶液の滴下速度を例えば8ミリリットル/分程度と
やや早くしてもよい。しかし、この場合にも、反応交合
物の温度をモニターしつつ、温度を−3℃以下に保持す
るように滴下速度を調整する。かくして、7時間を要し
て、ペルオキソ二硫酸アンモニウム水溶液の滴下を終了
したた後、更に1時間、−3℃以下の温度にて攪拌を続
けた。
【0041】得られた重合体粉末を濾別し、水洗、アセ
トン洗浄し、室温で真空乾燥して、黒緑色の重合体粉末
430gを得た。これを直径13mm、厚さ700μm
のディスク状に加圧成形し、ファン・デル・ポー法によ
って、その電導度を測定したところ、14S/cmであ
った。
【0042】(導電性有機重合体のアンモニアによる脱
ドーピング)上記ドープされている導電性有機重合体粉
末350gを2Nアンモニア水4リットル中に加え、オ
ートホモミキサーにて回転数5000rpmにて5時間
攪拌する。混合物は黒緑色から青紫色に変化した。
【0043】ブフナーろうとにて粉末を濾別し、ビーカ
ー中にて攪拌しながら、蒸留水にて濾液が中性になるま
で繰り返し洗浄し、次いで濾液が無色になるまでアセト
ン洗浄する。この後、粉末を室温にて10時間真空乾燥
して、黒褐色の脱ドーピングした重合体粉末を得た。
【0044】この重合体はN−メチル−2−ピロリドン
に可溶性であって、溶解度はピロリドン100gに対し
て8g(7.4%)であった。また、ピロリドンを溶剤
として30℃で測定した極限粘度[η]は1.23dl
/gであった。そして、この重合体はジメチルスルホキ
シドおよびジメチルホルムアミドには1%以下の溶解で
あり、テトラヒドロフラン、ピリジン、80%酢酸水溶
液、60%ギ酸水溶液およびアセトニトリルには実質的
に溶解しなかった。
【0045】この脱ドープ状態のポリアニリンはIRス
ペクトル、ラマンスペクトル、電子スペクトル、元素分
析から前記化4に示すのと同じキノンジイミン・フェニ
レンジアミン型分子構造を有し、キノンジイミン構造単
位のモル分率が0.45、フェニレンジアミン構造単位
のモル分率が0.55であるポリマーであることが確認
された。
【0046】また、この脱ドープ状態のポリアニリン粉
末をディスク状に成形した試料について、励起波長45
7.9nmで照射して得たレーザーラマンスペクトルに
おけるパラ置換ベンゼンの骨格振動のうち、1600c
-1よりも高波数に現れる骨格延伸振動のラマン線強度
Iaと、1600cm- よりも低波数に現れる骨格延伸
振動のラマン線強度Ibとの比Ia/Ibは1.20で
あった。
【0047】参考例2 (還元状態の可溶性ポリアニリンの合成)参考例1にて
得られたキノンジイミン・フェニレンジアミン型溶剤可
溶性ポリアニリン2.5gをN−メチル−2−ピロリド
ン97.5gに加え、攪拌下に溶解する。
【0048】この溶液にフェニルヒトラジン0.82g
を除々に加える。このとき、溶液は褐青色から淡黒褐色
に変色し、同時に、窒素ガスの発生が確認された。
【0049】反応終了後、反応交合物を窒素置換したア
セトン1.5リットル中に滴下したところ、灰白色の沈
澱が得られた。この沈澱をガラスフィルターにて濾別
し、窒素置換したシセトンにて数回洗浄した後、室温に
て減圧乾燥して、前記化5と同構造のイミノ−p−フェ
ニレン型溶剤可溶性ポリアニリン2.3gを灰白色粉末
として得た。この重合体は、アルゴン置換したグローボ
ックス中に保存した。また、この重合体のN−メチル−
2ピロリドン中、30ドアーで測定した極限粘度[η]
は1.1であった。
【0050】実施例1 外径40mm、肉厚50μmのポリカーボネートチュー
ブの外周面にポリフッ化ビニリデン水性ディスパージョ
ン(ポリフッ化ビニリデン濃度45重量%)を塗布し、
温度80℃で30分間加熱する。この塗布および加熱を
更に12回繰り返し、該チューブ外周面上に厚さ100
μm誘電体層を形成する。
【0051】次に、このチューブに外径41mm、肉厚
50μmのPTFE多孔質チューブを外挿し、温度20
0℃で1分間加熱することにより両チューブをポリフッ
化ビニリデン製誘電体層を介して接合する。この接合に
際しては、ポリカーボネートチューブ内に、該チューブ
の内径とほぼ同じ外径を有する金属製筒状体を内挿し
た。なお、PTFE多孔質チューブの外周面に対して
は、接合前に雰囲気ガスとしてアルゴンガスを用い、5
×10-5Torrの減圧雰囲気下で放電電力0.2Wa
tt/cm2 の条件で50秒間スパッタエッチング処理
を施した。
【0052】次に、参考例1で得た脱ドープ状態のポリ
アニリン1重量%、p−トルエンスルホン酸1水和物
(ドーパント)1.1重量%を含むN−メチル−2−ピ
ロリドン溶液をPTFE多孔質チューブの外周面に塗布
含浸させ、100℃で2分間加熱乾燥する。このときの
ポリアニリンの定着量は1.5g/m2 であった。な
お、該溶液の含浸に先立ちPTFE多孔質チューブにエ
タノールを塗布し微孔内に浸透せしめておいた。
【0053】その後、チューブ状体を所定幅に輪切りす
ることによりベルト状の電子写真用転写部材を得た。こ
の転写部材におけるPTFE多孔質体面側の表面抵抗は
6×1011Ω/□であった。
【0054】実施例2 ポリアニリン溶液におけるポリアニリン濃度を0.6重
量%、p−トルエンスルホン酸1水和物濃度を0.66
重量%とすること以外は実施例1と同様に作業し、ポリ
アニリンの定着量が0.09g/m2 である電子写真用
転写部材を得た。この転写部材におけるPTFE多孔質
体面側の表面抵抗は2×1013Ω/□であった。
【0055】実施例3 ポリアニリン溶液におけるポリアニリン濃度を8重量
%、p−トルエンスルホン酸1水和物濃度を8.8重量
%とすること以外は実施例1と同様に作業し、ポリアニ
リンの定着量が12g/m2 である電子写真用転写部材
を得た。この転写部材におけるPTFE多孔質体面側の
表面抵抗は8×109 Ω/□であった。
【0056】実施例4 参考例2で得られたイミノ−p−フェニレン型溶剤可溶
性ポリアニリン5重量部、テトラシアノキノジメタン1
重量部、N−メチル−2ピロリドン94重量部から成る
溶液を用いること以外は実施例1と同様に作業して、ポ
リアニリン定着量2.1g/m2 の電子写真用転写部材
を得た。この転写部材におけるPTFE多孔質面側の表
面抵抗は9×1011Ω/□であった。
【0057】
【発明の効果】本発明の電子写真用転写部材は上記のよ
うに構成され、微孔内に導電性高分子を定着させた多孔
質PTFE層を設けたので、表面抵抗を該部材として望
ましい範囲にでき剥離放電等の不都合を生ずることがな
い利点がある。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラスチック層上に、誘電体層および微
    孔内に導電性高分子を定着した多孔質ポリテトラフルオ
    ロエチレン層が順次積層されて成る電子写真用転写部
    材。
  2. 【請求項2】 導電性高分子としてポリアニリン、3位
    に置換基を有するポリチオフェン、3位に置換基を有す
    るポリピロール、3位および4位に置換基を有するポリ
    チオフェン、3位および4位に置換基を有するポリピロ
    ールから成る群から選ばれた少なくとも一つを用いた請
    求項1記載の電子写真用転写部材。
  3. 【請求項3】 下記化1を主たる繰り返し単位として有
    し、 【化1】 (式中、mおよびnはそれぞれ繰り返し単位中のキノン
    ジイミン構造およびフェニレンジアミン構造のモル分率
    を示し、0<m<1、0<n<1、m+n=1であ
    る。)脱ドープ状態において457.9nmの波長の光
    で励起して得られるレーザーラマンスペクトルにおける
    パラ置換ベンゼンの骨格振動のうち、1600cm-1
    りも高波数に現れる骨格延伸振動のラマン線強度Ia
    と、1600cm-1よりも低波数に現れる骨格延伸振動
    のラマン線強度Ibの比Ia/Ibが1.0以上である
    ポリアニリンを用いた請求項2記載の電子写真用転写部
    材。
  4. 【請求項4】 下記化2を主たる繰り返し単位として有
    し、 【化2】 (式中、mおよびnはそれぞれ繰り返し単位中のキノン
    ジイミン構造およびフェニレンジアミン構造のモル分率
    を示し、0<m<1、0<n<1、m+n=1であ
    る。)脱ドープ状態において457.9nmの波長の光
    で励起して得られるレーザーラマンスペクトルにおける
    パラ置換ベンゼンの骨格振動のうち、1600cm-1
    りも高波数に現れる骨格延伸振動のラマン線強度Ia
    と、1600cm-1よりも低波数に現れる骨格延伸振動
    のラマン線強度Ibの比Ia/Ibが1.0以上であ
    り、且つpkaが4.8以下であるプロトン酸によりド
    ープされているポリアニリンを用いた請求項2記載の電
    子写真用転写部材。
  5. 【請求項5】 下記化3を主たる繰り返し単位として有
    し、 【化3】 電子受容体によりドープされているポリアニリンから成
    る請求項2記載の電子写真用転写部材。
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