JP2016124889A - 導電性複合材料およびそれを用いた固体電解コンデンサ - Google Patents
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Abstract
【課題】 コンデンサの誘電体酸化膜の内部に浸漬し、コンデンサ性能を向上させる導電性複合材料、および導電性複合材料を用いた固体電解コンデンサの製造方法を提供する。【解決手段】 酸性基を有する導電性ポリマー(a)とチオフェン誘導体を重合したポリマー(b)を含むポリマー水溶液であってpH4以上11以下である導電性複合材料。【選択図】なし
Description
本発明は、導電性複合材料および固体電解コンデンサの製造方法に関する。
近年、アルミニウム、ニオブ、タンタル、チタン、マグネシウムなどの弁作用を有する多孔質の金属体からなる陽極体(被膜形成金属)の表面に形成された誘電体酸化膜上に、導電性ポリマーを固体電解質として用いてなる固体電解質層、および陰極体が順次形成された固体電解コンデンサが開発されている。
このような固体電解コンデンサは、固体電解質として二酸化マンガンを用いた従来の固体電解コンデンサと比較して、固体電解質の導電率が10〜100倍高く、またESR(等価直列抵抗)を大きく減少させることが可能であり、小型電子機器の高周波ノイズの吸収用など様々な用途への応用が期待されている。
誘電体酸化膜上に固体電解質層を形成する方法としては、化学酸化重合法や、電解重合法が一般的である。また、誘電体酸化膜上で化学酸化重合や電解重合を行わずに固体電解質層を形成する方法として、ポリマー浸漬法がある。
ポリマー浸漬法は、予めモノマーを酸化剤によって重合させてポリマー(導電性ポリマー)とし、該ポリマーを含む分散液に誘電体酸化膜を浸漬させて乾燥し、固体電解質層を形成する方法である。そのため、化学酸化重合法や電解重合法のように重合反応を誘電体酸化膜上で行う必要がないため、固体電解質層への不純物の混入が少なく、製造工程の制御も比較的容易である。
例えば、特許文献1には、ポリマー浸漬法による固体電解質層の形成方法が開示されている。具体的には、3,4−エチレンジオキシチオフェン(以下、EDOTとも言う)および酸化剤、ポリスチレンスルホン酸およびジメチルスルホキシドを混合し、EDOTと酸化剤を添加することで得られた導電性ポリマー分散液を用いて固体電解質を形成している。
しかしながら、ポリマー浸漬法の場合、導電性ポリマーの分散液が誘電体酸化膜の内部まで含浸しにくく、その結果、誘電体酸化膜の微細孔の内部に固体電解質層が形成されにくく、表層のみに形成されるため、得られる固体電解コンデンサの容量発現率が低くなるという問題があった。
近年、固体電解コンデンサの小型化・軽量化・大容量化が進んでおり、コンデンサの誘電体酸化膜の内部は微細かつ複雑となっている。誘電体酸化膜の内部に固体電解質を形成させる方法として、特定の可溶性アニリン系導電性ポリマーの平均粒子径を規定したポリマー溶液を用いることで誘電体酸化膜の内部へポリマー溶液を含浸させる方法が提案されている(特許文献2)。
しかしながら、導電性複合材料のpHを調整することでコンデンサ特性(容量やESR)が向上することは知られていなかった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、コンデンサの誘電体酸化膜の内部に浸漬し、コンデンサ性能を向上させる導電性複合材料、および導電性材料を用いた固体電解コンデンサの製造方法を提供することにある。
本発明の導電性材料は、酸性基を有する導電性ポリマー(a)チオフェン誘導体を重合したポリマー(b)を含むポリマー水溶液であってpH4以上11以下である導電性複合材料である。
ここで、前記酸性基を有する導電性ポリマー(a)が、下記一般式(1)で表される繰り返し単位を有することが好ましい。
(式(1)中、R1〜R4は、各々独立に、−H、炭素数1〜24の直鎖もしくは分岐のアルキル基、炭素数1〜24の直鎖もしくは分岐のアルコキシ基、酸性基もしくはその塩、水酸基、ニトロ基、−F、−Cl、−Brまたは−Iであり、R1〜R4のうちの少なくとも一つは酸性基もしくはその塩である。ここで、酸性基とはスルホン酸またはカルボキシ基である。)
また、本発明の固体電解コンデンサの製造方法は、被膜形成金属の表面に形成された誘電体酸化膜上に、上記導電性複合材料を用いて固体電解質層を形成する工程を有する。
(式(1)中、R1〜R4は、各々独立に、−H、炭素数1〜24の直鎖もしくは分岐のアルキル基、炭素数1〜24の直鎖もしくは分岐のアルコキシ基、酸性基もしくはその塩、水酸基、ニトロ基、−F、−Cl、−Brまたは−Iであり、R1〜R4のうちの少なくとも一つは酸性基もしくはその塩である。ここで、酸性基とはスルホン酸またはカルボキシ基である。)
また、本発明の固体電解コンデンサの製造方法は、被膜形成金属の表面に形成された誘電体酸化膜上に、上記導電性複合材料を用いて固体電解質層を形成する工程を有する。
本発明の導電性複合材料はコンデンサの誘電体酸化膜の内部に浸漬し、コンデンサ性能(容量やESR)が向上する。
以下、本発明を詳細に説明する。
なお、本発明において、「導電性材料」とは、導電性材料、又は導電性材料及びそのドーパントを溶解または分散した溶液を示すものである。
本発明において「複合材料」とは、2種以上の異なる導電性ポリマーを一体的に組み合わせた材料を示すものである。
また、本発明において、「含浸」とは、導電性材料が誘電体酸化膜の微細な凹凸の内部に浸漬(浸透)すること、あるいは、該誘電体酸化膜の微細な凹凸の内部にどの程度浸漬(浸透)しているかを示すものである。
含浸性は、例えば、コンデンサの誘電体酸化膜の表面を目視または顕微鏡等で観察することや、コンデンサの断面を走査型電子顕微鏡等で観察することにより、相対的に評価することができる。
なお、本発明において、「導電性材料」とは、導電性材料、又は導電性材料及びそのドーパントを溶解または分散した溶液を示すものである。
本発明において「複合材料」とは、2種以上の異なる導電性ポリマーを一体的に組み合わせた材料を示すものである。
また、本発明において、「含浸」とは、導電性材料が誘電体酸化膜の微細な凹凸の内部に浸漬(浸透)すること、あるいは、該誘電体酸化膜の微細な凹凸の内部にどの程度浸漬(浸透)しているかを示すものである。
含浸性は、例えば、コンデンサの誘電体酸化膜の表面を目視または顕微鏡等で観察することや、コンデンサの断面を走査型電子顕微鏡等で観察することにより、相対的に評価することができる。
<酸性基を有する導電性ポリマー(a)>
酸性基を有する導電性ポリマー(a)としては、高い導電性を発現できる観点から、下記一般式(1)で表される単位を有することが好ましい。
なお、本発明において「可溶」とは、10gの水または有機溶剤(液温25℃)に、0.1g以上均一に溶解することを意味する。
また、本発明において「導電性」とは、10−8S/cm以上の導電率を有することである。
酸性基を有する導電性ポリマー(a)としては、高い導電性を発現できる観点から、下記一般式(1)で表される単位を有することが好ましい。
なお、本発明において「可溶」とは、10gの水または有機溶剤(液温25℃)に、0.1g以上均一に溶解することを意味する。
また、本発明において「導電性」とは、10−8S/cm以上の導電率を有することである。
式(1)中、R1〜R4は、各々独立に、水素原子、炭素数1〜24の直鎖もしくは分岐のアルキル基、炭素数1〜24の直鎖もしくは分岐のアルコキシ基、酸性基、ヒドロキシ基、ニトロ基、およびハロゲン原子からなる群より選ばれる。
ここで、「酸性基」とは、スルホン酸基またはカルボキシ基である。スルホン酸基およびカルボキシ基は、それぞれ酸の状態(−SO3H、−COOH)で含まれていてもよく、イオンの状態(−SO3−、−COO−)で含まれていてもよい。
なお、酸性基には、酸性基のアルカリ金属塩、アンモニウム塩、または置換アンモニウム塩なども含まれる。
ここで、「酸性基」とは、スルホン酸基またはカルボキシ基である。スルホン酸基およびカルボキシ基は、それぞれ酸の状態(−SO3H、−COOH)で含まれていてもよく、イオンの状態(−SO3−、−COO−)で含まれていてもよい。
なお、酸性基には、酸性基のアルカリ金属塩、アンモニウム塩、または置換アンモニウム塩なども含まれる。
アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ドデシル基、テトラコシル基などが挙げられる。
アルコキシ基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、iso−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ヘプトキシ基、ヘクソオキシ基、オクトキシ基、ドデコキシ基、テトラコソキシ基などが挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられる。
式(1)中、R1〜R4のうちの少なくとも1つは酸性基である。
アルコキシ基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、iso−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ヘプトキシ基、ヘクソオキシ基、オクトキシ基、ドデコキシ基、テトラコソキシ基などが挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられる。
式(1)中、R1〜R4のうちの少なくとも1つは酸性基である。
前記一般式(1)で表される単位としては、製造が容易な点で、R1〜R4のうち、いずれか1つが炭素数1〜4の直鎖または分岐のアルコキシ基であり、他のいずれか1つがスルホン酸基であり、残りが水素であるものが好ましい。
酸性基を有する導電性ポリマー(a)は、ポリマーを構成する全単位(100mol%)のうち、前記一般式(1)で表される単位を10〜100mol%含有することが好ましく、50〜100mol%含有することがより好ましく、pHに関係なく水および有機溶媒への溶解性に優れる点で、100mol%含有することが特に好ましい。
また、酸性基を有する導電性ポリマー(a)は、導電性に優れる観点で、前記一般式(1)で表される単位を1分子中に10以上含有することが好ましい。
また、酸性基を有する導電性ポリマー(a)の質量平均分子量は、導電性、成膜性および膜強度の観点から、3000〜1000000が好ましく、5000〜100000がより好ましい。
また、酸性基を有する導電性ポリマー(a)の質量平均分子量は、導電性、成膜性および膜強度の観点から、3000〜1000000が好ましく、5000〜100000がより好ましい。
<酸性基を有する導電性ポリマー(a)の製造方法>
酸性基を有する導電性ポリマー(a)は、例えば、下記一般式(1)で表される酸性基置換アニリン、そのアルカリ金属塩、アンモニウム塩および置換アンモニウム塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物(モノマー)を、酸化剤を用いて重合することで得られる。
式(1)中、R1〜R4は、各々独立に、水素原子、炭素数1〜24の直鎖もしくは分岐のアルキル基、炭素数1〜24の直鎖もしくは分岐のアルコキシ基、酸性基、ヒドロキシ基、ニトロ基、およびハロゲン原子からなる群より選ばれ、R1〜R4のうちの少なくとも1つは酸性基である。
酸性基を有する導電性ポリマー(a)は、例えば、下記一般式(1)で表される酸性基置換アニリン、そのアルカリ金属塩、アンモニウム塩および置換アンモニウム塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物(モノマー)を、酸化剤を用いて重合することで得られる。
式(1)中、R1〜R4は、各々独立に、水素原子、炭素数1〜24の直鎖もしくは分岐のアルキル基、炭素数1〜24の直鎖もしくは分岐のアルコキシ基、酸性基、ヒドロキシ基、ニトロ基、およびハロゲン原子からなる群より選ばれ、R1〜R4のうちの少なくとも1つは酸性基である。
一般式(1)で表される酸性基置換アニリンとしては、例えば酸性基としてスルホン酸基を有するスルホン酸基置換アニリンが挙げられる。
スルホン基置換アニリンとして代表的なものは、アミノベンゼンスルホン酸類であり、具体的にはo−,m−,p−アミノベンゼンスルホン酸、アニリン−2,6−ジスルホン酸、アニリン−2,5−ジスルホン酸、アニリン−3,5−ジスルホン酸、アニリン−2,4−ジスルホン酸、アニリン−3,4−ジスルホン酸などが好ましく用いられる。
スルホン基置換アニリンとして代表的なものは、アミノベンゼンスルホン酸類であり、具体的にはo−,m−,p−アミノベンゼンスルホン酸、アニリン−2,6−ジスルホン酸、アニリン−2,5−ジスルホン酸、アニリン−3,5−ジスルホン酸、アニリン−2,4−ジスルホン酸、アニリン−3,4−ジスルホン酸などが好ましく用いられる。
アミノベンゼンスルホン酸類以外のスルホン基置換アニリンとしては、例えばメチルアミノベンゼンスルホン酸、エチルアミノベンゼンスルホン酸、n−プロピルアミノベンゼンスルホン酸、iso−プロピルアミノベンゼンスルホン酸、n−ブチルアミノベンゼンスルホン酸、sec−ブチルアミノベンゼンスルホン酸、t−ブチルアミノベンゼンスルホン酸等のアルキル基置換アミノベンゼンスルホン酸類;メトキシアミノベンゼンスルホン酸、エトキシアミノベンゼンスルホン酸、プロポキシアミノベンゼンスルホン酸等のアルコキシ基置換アミノベンゼンスルホン酸類;ヒドロキシ基置換アミノベンゼンスルホン酸類;ニトロ基置換アミノベンゼンスルホン酸類;フルオロアミノベンゼンスルホン酸、クロロアミノベンゼンスルホン酸、ブロムアミノベンゼンスルホン酸等のハロゲン置換アミノベンゼンスルホン酸類などを挙げることができる。
これらの中では、導電性や溶解性に特に優れるポリアニリンが得られる点で、アルキル基置換アミノベンゼンスルホン酸類、アルコキシ基置換アミノベンゼンスルホン酸類、ヒドロキシ基置換アミノベンゼンスルホン酸類、または、ハロゲン置換アミノベンゼンスルホン酸類が好ましい。
これらのスルホン酸基置換アニリンはそれぞれ単独で用いてもよく、2種以上を任意の割合で混合して用いてもよい。
これら一般式(1)で表される酸性基置換アニリンの中でも、製造が容易な点で、アルコキシ基置換アミノベンゼンスルホン酸類、そのアルカリ金属塩、アンモニウム塩および置換アンモニウム塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物が特に好ましい。
これらのスルホン酸基置換アニリンはそれぞれ単独で用いてもよく、2種以上を任意の割合で混合して用いてもよい。
これら一般式(1)で表される酸性基置換アニリンの中でも、製造が容易な点で、アルコキシ基置換アミノベンゼンスルホン酸類、そのアルカリ金属塩、アンモニウム塩および置換アンモニウム塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物が特に好ましい。
導電性ポリマー(a)の製造に用いられる酸化剤としては、標準電極電位が0.6V以上である酸化剤であれば限定はないが、例えばペルオキソ二硫酸、ペルオキソ二硫酸アンモニウム、ペルオキソ二硫酸ナトリウム、ペルオキソ二硫酸カリウム等のペルオキソ二硫酸類;過酸化水素等を用いることが好ましい。
これらの酸化剤は、それぞれ1種単独で用いてもよいし、2種以上を任意の割合で混合して用いてもよい。
酸化剤の使用量は、前記モノマー1molに対して1〜5mol当量が好ましく、より好ましくは1〜3mol当量である。
これらの酸化剤は、それぞれ1種単独で用いてもよいし、2種以上を任意の割合で混合して用いてもよい。
酸化剤の使用量は、前記モノマー1molに対して1〜5mol当量が好ましく、より好ましくは1〜3mol当量である。
重合後は、通常、遠心分離器等の濾過器により溶媒を濾別する。さらに、必要に応じて濾過物を洗浄液により洗浄した後、乾燥させて、導電性ポリマー(a)を得る。 未反応モノマー、低分子量物質、不純物質などを除去するには、導電性ポリマー(a)の分散液または溶解液を膜濾過する方法が好ましい。膜濾過する際に用いる溶媒としては、例えば水、塩基性塩を含む水、酸を含む水、アルコールを含む水等の溶媒やそれらの混合物などを用いることができる。膜濾過に用いる分離膜としては、未反応モノマー、低分子量物質および不純物質の除去効率を考慮すると、限外濾過膜が好ましい。
また、塩基性化合物や酸化剤由来の不純物を除去するには、導電性ポリマー(a)の分散液または溶解液を陽イオン交換樹脂に接触させる方法が好ましい。陽イオン交換樹脂の形態については特に限定されることなく、種々の形態のものを使用でき、例えば球状細粒、膜状や繊維状などが挙げられる。
このようにして精製された導電性ポリマー(a)は、オリゴマーやモノマーなどの低分子量体、塩基性化合物、酸化剤由来の陽イオン等の不純物などが十分に除去されているので、より優れた導電性を示す。
<チオフェン誘導体を重合したポリマー(b)>
本発明において、チオフェン誘導体としては、例えば下記一般式(2)で表される化合物が挙げられる。
本発明において、チオフェン誘導体としては、例えば下記一般式(2)で表される化合物が挙げられる。
式(2)中、R5〜R6は、各々独立に、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基であるか、あるいは互いに結合して炭素数1〜4のアルキレン基を形成していてもよい。
一般式(2)で表させる化合物としては以下の化合物が挙げられる。
R5〜R6が独立している場合は、3,4−ジメトキシチオフェン、3−メトキシ−4−エトキシチオフェン、3,4−ジエトキシチオフェン、3−メトキシ−4−プロポキシチオフェン、3−エトキシ−4−プロポキシチオフェン、3,4−ジプロポキシチオフェン、3−ブトキシ−4−メトキシチオフェン、3−ブトキシ−4−エトキシチオフェン、3−ブトキシ−4−プロポキシチオフェン、3,4−ジブトキシチオフェン等の3,4−ジアルコキシチオフェンが挙げられる。
R5〜R6が互いに結合してアルキレン基を形成している場合は、3,4−メチレンジオキシチオフェン、3,4−エチレンジオキシチオフェン、3,4−プロピレンジオキシチオフェン、3,4−ブチレンジオキシチオフェン等の3,4−アルキレンジオキシチオフェンが挙げられる。
これらの化合物はそれぞれ単独で用いてもよく、2種以上を任意の割合で混合して用いてもよい。
これら一般式(2)で表される化合物の中でも、導電性、耐熱性に優れる点で、3,4−エチレンジオキシチオフェンが好ましい。
一般式(2)で表させる化合物としては以下の化合物が挙げられる。
R5〜R6が独立している場合は、3,4−ジメトキシチオフェン、3−メトキシ−4−エトキシチオフェン、3,4−ジエトキシチオフェン、3−メトキシ−4−プロポキシチオフェン、3−エトキシ−4−プロポキシチオフェン、3,4−ジプロポキシチオフェン、3−ブトキシ−4−メトキシチオフェン、3−ブトキシ−4−エトキシチオフェン、3−ブトキシ−4−プロポキシチオフェン、3,4−ジブトキシチオフェン等の3,4−ジアルコキシチオフェンが挙げられる。
R5〜R6が互いに結合してアルキレン基を形成している場合は、3,4−メチレンジオキシチオフェン、3,4−エチレンジオキシチオフェン、3,4−プロピレンジオキシチオフェン、3,4−ブチレンジオキシチオフェン等の3,4−アルキレンジオキシチオフェンが挙げられる。
これらの化合物はそれぞれ単独で用いてもよく、2種以上を任意の割合で混合して用いてもよい。
これら一般式(2)で表される化合物の中でも、導電性、耐熱性に優れる点で、3,4−エチレンジオキシチオフェンが好ましい。
<導電性複合材料の製造方法>
酸性基を有する導電性ポリマー(a)と、チオフェン誘導体を重合したポリマー(b)とを含む導電性複合材料は、酸性基を有する導電性ポリマー(a)とチオフェン誘導体を重合したポリマー(b)との混合物、あるいは、酸性基を有する導電性ポリマー(a)の存在下でチオフェン誘導体のモノマーを重合することで得ることができる。具体的には、以下のようにして重合する。
酸性基を有する導電性ポリマー(a)と、チオフェン誘導体を重合したポリマー(b)とを含む導電性複合材料は、酸性基を有する導電性ポリマー(a)とチオフェン誘導体を重合したポリマー(b)との混合物、あるいは、酸性基を有する導電性ポリマー(a)の存在下でチオフェン誘導体のモノマーを重合することで得ることができる。具体的には、以下のようにして重合する。
まず、酸性基を有する導電性ポリマー(a)とチオフェン誘導体のモノマーとの混合物を溶媒に溶解または分散させて混合液を調製する。酸性基を有する導電性ポリマー(a)は、固体状のものを用いてもよいし、例えば精製後の溶媒に分散または溶解した状態のものを用いてもよい。
別途、酸化剤単独、あるいは酸化剤と触媒との混合物を溶媒に溶解させ、酸化剤溶液を調製する。
これら混合液と酸化剤溶液とを混合して重合を行う。このとき、混合液中に酸化剤溶液を滴下してもよいし、酸化剤溶液中に混合液を滴下してもよいし、反応容器等に混合液と酸化剤溶液とを同時に滴下してもよい。
導電性ポリマーのモノマーとしては、チオフェン誘導体、ピロール誘導体、アニリン誘導体が挙げられる。
別途、酸化剤単独、あるいは酸化剤と触媒との混合物を溶媒に溶解させ、酸化剤溶液を調製する。
これら混合液と酸化剤溶液とを混合して重合を行う。このとき、混合液中に酸化剤溶液を滴下してもよいし、酸化剤溶液中に混合液を滴下してもよいし、反応容器等に混合液と酸化剤溶液とを同時に滴下してもよい。
導電性ポリマーのモノマーとしては、チオフェン誘導体、ピロール誘導体、アニリン誘導体が挙げられる。
導電性ポリマー(a)とチオフェン誘導体とのmol比は、導電性ポリマー(a)/チオフェン誘導体=1/0.01〜1/10であることが好ましく、1/0.05〜1/5であることがより好ましい。チオフェン誘導体の比率が高いとチオフェン誘導体の重合物の粒子径が大きくなりコンデンサの誘電体酸化膜に浸み込まない場合があり、一方、チオフェン誘導体の比率が低いとコンデンサ製造工程かかる熱によって導電性が低下する場合がある。
酸化剤としては、導電性ポリマー(a)の製造の説明において先に例示した酸化剤を用いることができる。導電性ポリマー(a)の製造に用いる酸化剤と、導電性複合体の製造に用いる酸化剤とは同じ種類であってもよいし、異なる種類であってもよい。
酸化剤の使用量は、前記チオフェン誘導体1molに対して0.5〜5.0mol当量が好ましく、より好ましくは1.0〜3.0mol当量である。
酸化剤としては、導電性ポリマー(a)の製造の説明において先に例示した酸化剤を用いることができる。導電性ポリマー(a)の製造に用いる酸化剤と、導電性複合体の製造に用いる酸化剤とは同じ種類であってもよいし、異なる種類であってもよい。
酸化剤の使用量は、前記チオフェン誘導体1molに対して0.5〜5.0mol当量が好ましく、より好ましくは1.0〜3.0mol当量である。
触媒としては、鉄、銅などの遷移金属化合物が挙げられる。具体的には、硫酸第二鉄、硝酸第二鉄、塩化第二銅などが挙げられる。
また、三フッ化ホウ素などの金属ハロゲン化合物、酸化銀、酸化セシウム等の金属酸化物、有機酸の鉄(III)塩、などを触媒として用いることもできる。具体的には、有機酸の鉄(III)塩の例として、メタンまたはラウリル硫酸等のアルキルスルホン酸、2−エチルヘキシルカルボン酸等の脂肪族カルボン酸、トリフルオロ酢酸等の脂肪族パーフルオロカルボン酸、シュウ酸等のジカルボン酸、アルキルベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸等のFe(III)塩が挙げられる。
触媒の使用量は、前記チオフェン誘導体1molに対して0.01〜1mol当量が好ましく、より好ましくは0.05〜0.5mol当量である。
また、三フッ化ホウ素などの金属ハロゲン化合物、酸化銀、酸化セシウム等の金属酸化物、有機酸の鉄(III)塩、などを触媒として用いることもできる。具体的には、有機酸の鉄(III)塩の例として、メタンまたはラウリル硫酸等のアルキルスルホン酸、2−エチルヘキシルカルボン酸等の脂肪族カルボン酸、トリフルオロ酢酸等の脂肪族パーフルオロカルボン酸、シュウ酸等のジカルボン酸、アルキルベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸等のFe(III)塩が挙げられる。
触媒の使用量は、前記チオフェン誘導体1molに対して0.01〜1mol当量が好ましく、より好ましくは0.05〜0.5mol当量である。
混合液および酸化剤溶液に用いる溶媒としては、水、純水、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド等の極性溶媒;クレゾール、フェノール等のフェノール類;メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;ヘキサン、ベンゼン、トルエン等の炭化水素類;ギ酸、酢酸等のカルボン酸;エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート化合物;ジオキサン、ジエチルエーテル等のエーテル化合物;エチレングリコールジアルキルエーテル、プロピレングリコールジアルキルエーテル、ポリエチレングリコールジアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールジアルキルエーテル等の鎖状エーテル類;3−メチル−2−オキサゾリジノン等の複素環化合物;アセトニトリル、グルタロジニトリル、メトキシアセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル化合物などが挙げられる。これらの溶媒は、単独で用いてもよいし、2種類以上の混合物としてもよいし、他の有機溶媒との混合物としてもよい。
重合時の温度は50℃以下が好ましく、25℃以下がより好ましく、10℃以下が特に好ましい。重合時の温度が25℃以下であれば、導電性がより向上する。ただし、重合時の温度が低すぎると、重合反応が進行しにくくなり、重合時間を長く設定する場合がある。また、塗膜の表面平滑性が低下する傾向にもある。このような観点から、重合時の温度は−20℃以上が好ましく、−10℃以上がより好ましい。
重合時間は、反応性や生産性を考慮して、1〜72時間が好ましく、2〜48時間がより好ましい。
重合時間は、反応性や生産性を考慮して、1〜72時間が好ましく、2〜48時間がより好ましい。
また、重合は酸の存在下で行うことが好ましい。酸の存在下で重合を行えば、導電性がより向上する。
重合の際に用いる酸としては、硫酸、硝酸、リン酸、ホウ酸、クロム酸、ハロゲンオキソ酸として次亜塩素酸、亜塩素酸、塩素酸、過塩素酸、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、ヘキサフルオロアンチモン酸、テトラフルオロホウ酸、ヘキサフルオロリン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ノナフルオロ−1−ブタンスルホン酸、1,1,1−トリフルオロ−N−[(トリフルオロメチル)スルホニル]メタンスルホンアミド、ジベンゼンスルホンイミド、1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロプロパン−1,3−ジスルホンイミド、ビス[ノナフルオロブタンスルホン]イミドなどが挙げられる。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
重合の際に用いる酸としては、硫酸、硝酸、リン酸、ホウ酸、クロム酸、ハロゲンオキソ酸として次亜塩素酸、亜塩素酸、塩素酸、過塩素酸、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、ヘキサフルオロアンチモン酸、テトラフルオロホウ酸、ヘキサフルオロリン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ノナフルオロ−1−ブタンスルホン酸、1,1,1−トリフルオロ−N−[(トリフルオロメチル)スルホニル]メタンスルホンアミド、ジベンゼンスルホンイミド、1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロプロパン−1,3−ジスルホンイミド、ビス[ノナフルオロブタンスルホン]イミドなどが挙げられる。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
酸の使用量は、前記チオフェン誘導体1molに対して0.05〜50mol当量が好ましく、より好ましくは0.1〜20mol当量である。酸の使用量が0.05mol当量以上であれば導電性の向上効果が十分に得られるが、50mol当量を超えても導電性は頭打ちとなるため、コストを高めるだけである。
重合後は、通常、遠心分離器等の濾過器により溶媒を濾別する。さらに、必要に応じて濾過物を洗浄液により洗浄した後、乾燥させて、導電性ポリマー(a)とチオフェン誘導体の重合物とが複合した導電性複合体を得ることができる。
重合後は、通常、遠心分離器等の濾過器により溶媒を濾別する。さらに、必要に応じて濾過物を洗浄液により洗浄した後、乾燥させて、導電性ポリマー(a)とチオフェン誘導体の重合物とが複合した導電性複合体を得ることができる。
なお、このようにして得られる導電性複合体には未反応のチオフェン誘導体や不純物質などが含まれている場合があり、これらが導電性を阻害する要因となることがある。従って、導電性ポリマーを精製して不純物質などを除去することが好ましい。
未反応のチオフェン誘導体や不純物質などを除去するには、重合後の反応液を膜濾過する方法が好ましい。このとき、重合後の反応液に重合溶媒を加えて所望の濃度に希釈してから膜濾過してもよい。膜濾過に用いる分離膜としては、未反応のチオフェン誘導体や不純物質の除去効率を考慮すると、限外濾過膜が好ましい。
なお、精製後の導電性複合体は、水などの溶媒に分散または溶解した状態である。従って、エバポレータなどで溶媒を全て除去すれば固体状の導電性複合体が得られるが、導電性複合体
は溶媒に分散または溶解した状態のまま用いてもよい。
未反応のチオフェン誘導体や不純物質などを除去するには、重合後の反応液を膜濾過する方法が好ましい。このとき、重合後の反応液に重合溶媒を加えて所望の濃度に希釈してから膜濾過してもよい。膜濾過に用いる分離膜としては、未反応のチオフェン誘導体や不純物質の除去効率を考慮すると、限外濾過膜が好ましい。
なお、精製後の導電性複合体は、水などの溶媒に分散または溶解した状態である。従って、エバポレータなどで溶媒を全て除去すれば固体状の導電性複合体が得られるが、導電性複合体
は溶媒に分散または溶解した状態のまま用いてもよい。
<導電性複合材料>
導電性複合材料とは導電性ポリマー(a)を鋳型として、重合が進行する、導電性ポリマー(a)とチオフェン誘導体の重合物(b)である。チオフェン誘導体の重合物(b)は平均2量体以上が好ましく、高導電性を得られることから平均3量体以上が好ましい。チオフェン誘導体は水等の極性溶媒に溶解しないが、導電性ポリマー(a)を鋳型としてチオフェン誘導体重合物(b)となることで、極性溶媒に溶解もしくは分散する導電性複合材料となる。
導電性複合材料の濃度は0.1%以上10%以下で調整することが好ましく、濃度が0.1%以上であるとコンデンサ作製時に導電性複合材料の浸漬性が向上し、10%以下に調整することで粘度上昇を防ぐことでコンデンサへの浸漬性が得られやすいためコンデンサ容量が得られる。
導電性複合材料とは導電性ポリマー(a)を鋳型として、重合が進行する、導電性ポリマー(a)とチオフェン誘導体の重合物(b)である。チオフェン誘導体の重合物(b)は平均2量体以上が好ましく、高導電性を得られることから平均3量体以上が好ましい。チオフェン誘導体は水等の極性溶媒に溶解しないが、導電性ポリマー(a)を鋳型としてチオフェン誘導体重合物(b)となることで、極性溶媒に溶解もしくは分散する導電性複合材料となる。
導電性複合材料の濃度は0.1%以上10%以下で調整することが好ましく、濃度が0.1%以上であるとコンデンサ作製時に導電性複合材料の浸漬性が向上し、10%以下に調整することで粘度上昇を防ぐことでコンデンサへの浸漬性が得られやすいためコンデンサ容量が得られる。
<pH調整条件>
本発明の導電性複合材料は、適当なpH調整剤によって、pHを4以上11以下に調整することが好ましい。より好ましくはpH6以上10以下である。pH4以上pH11以下であればコンデンサ容量が増大しESRが低下する。
本発明の導電性複合材料は、適当なpH調整剤によって、pHを4以上11以下に調整することが好ましい。より好ましくはpH6以上10以下である。pH4以上pH11以下であればコンデンサ容量が増大しESRが低下する。
<pH調整剤(c)>
導電性複合材料は、導電性複合体の水溶液が酸性のため、適当なアルカリでpHを調整することが望ましく、具体的には、アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム、炭酸ナトリウム、ホウ酸ナトリウム等の一般的なアルカリや、アミン等が挙げられる。
導電性複合材料は、導電性複合体の水溶液が酸性のため、適当なアルカリでpHを調整することが望ましく、具体的には、アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム、炭酸ナトリウム、ホウ酸ナトリウム等の一般的なアルカリや、アミン等が挙げられる。
用いられるアミンとしては、アミノメタノール、アミノエタノール、3−アミノ−1−プロパノール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、エチルアミノプロパノール、2−(2−アミノエトキシ)エタノール、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−1,3−プロパンジオール、3−アミノ−1,2−プロパンジオール、1−アミノ−2−ブタノール、2−アミノ−1−ブタノール、2−アミノシクロヘキサノール、N−シクロヘキシルエタノールアミンN−(3−アミノプロピル)ジエタノールアミン、2−(ブチルアミノ)エタノール、2−(tert−ブチルアミノ)エタノール、N−(2−シアノエチル)ジエタノールアミン、2−(2−ジエチルアミノエトキシ)エタノール、2−(エチルアミノ)エタノール、2−(メチルアミノ)エタノール、2−ジエチルアミノエタノール、2−(ジメチルアミノ)エタノール、ジイソプロパノールアミン、2−(イソプロピルアミノ)エタノール、3−(ジエチルアミノ)−1,2−プロパンジオール、2−[2−(ジメチルアミノ)エトキシ]エタノール、3−(ジメチルアミノ)−1,2−プロパンジオール、D−グルカミン、N−メチル−D−グルカミン、1−(2−ヒドロキシエチル)ピロリジン、2−[(ヒドロキシメチル)アミノ]エタノール、イミノジエタノール、N−エチルジエタノールアミン、N−ブチルジエタノールアミン、ニトリロトリエタノール等が挙げられる。コンデンサ性能特性向上の観点からアンモニア、アミノエタノール、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−メチルアミノエタノール等を1つ以上含むことが好ましい。
pH調整剤の含有量はpHを4以上11以下に調整するための適当量を添加するが、導電性複合体に対し、質量比で0.001〜1.0倍含まれてあれば、好適に使用できる。導電性複合体の質量より少なく含まれることが好ましく、0.001〜0.1倍の範囲である。この範囲であれば固体電解質の製膜性と導電性が両立できる。1倍を超えると固体電解質の導電性が悪くなる傾向がある。
<ヒドロキシ化合物(d)>
導電性複合材料は、ヒドロキシ基を含む化合物(d)を含んでいてもよい。ヒドロキシ基を含む化合物(d)としては、水溶性であるものが好ましい。
また、化合物(d)1分子中のヒドロキシ基の数は、2つ以上が好ましく、3つ以上がより好ましい。ヒドロキシ基の数が2つ以上であれば、加熱時に導電性ポリマー(a)の酸性基と化合物(d)のヒドロキシ基とが結合して酸性基の脱離を抑制し、導電性を良好に維持する効果が期待できると考える。
導電性複合材料は、ヒドロキシ基を含む化合物(d)を含んでいてもよい。ヒドロキシ基を含む化合物(d)としては、水溶性であるものが好ましい。
また、化合物(d)1分子中のヒドロキシ基の数は、2つ以上が好ましく、3つ以上がより好ましい。ヒドロキシ基の数が2つ以上であれば、加熱時に導電性ポリマー(a)の酸性基と化合物(d)のヒドロキシ基とが結合して酸性基の脱離を抑制し、導電性を良好に維持する効果が期待できると考える。
このような化合物(d)としては、D−マンニトール、キシリトール、グリセリン、エチレングリコール、アラビトール等が挙げられる。また、これら以外にも、ヒドロキシ基を3個持つ化合物として、1,2,4−ブタントリオール、2−(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール、トリメチロールエタン、2−デオキシ−D−リボース、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、トリエタノールアミンなど;ヒドロキシ基を4個持つ化合物として、エリトリトール、トレイトール、アラビノース、フコース、リキソース、ラムノース、リボース、キシロースなど;ヒドロキシ基を5個持つ化合物としてキシリトール、リビトール、アラビニトール、アロース、フルクトース、ガラクトース、グルコース、グロース、マンノース、プシコース、ソルボース、タガトース、タロースなど;ヒドロキシ基を6個持つ化合物として、ガラクチトール、アリトール、イジトール、イノシトール、タリトール、ジペンタエリトリトールなどを化合物(c)として用いることもできる。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、耐熱性が向上する点で、D−マンニトール、ペンタエリスリトール、グリセリンなどのヒドロキシ基の数が3個以上である化合物が好ましい。特に耐熱性が向上する点で、D−マンニトール、アラビトールが好ましい。また、ヒドロキシ化合物(d)はpH調整剤(c)と共に添加することで、コンデンサのESRが低下するのでpH調整剤と共に用いるのがより好ましい。
化合物(d)の含有量は、導電性を維持する観点から、導電性複合体1molに対して0.1〜50mol当量が好ましく、0.3〜20mol当量がより好ましい。
化合物(d)の含有量は、導電性を維持する観点から、導電性複合体1molに対して0.1〜50mol当量が好ましく、0.3〜20mol当量がより好ましい。
<その他の成分>
本発明の導電性複合材料は、溶媒を含有していてもよい。溶媒としては、水、超純水、これらと水溶性有機溶媒との混合溶媒などが挙げられる。
水溶性有機溶媒は、水と混合するものであれば特に限定はない。水溶性有機溶媒として、具体的には、水またはメタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール、n−ブタノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、エチルイソブチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;エチレングリコール、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル等のエチレングリコール類;プロピレングリコール、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールエチルエーテル、プロピレングリコールブチルエーテル、プロピレングリコールプロピルエーテル等のプロピレングリコール類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類;N−メチルピロリドン、N−エチルピロリドン等のピロリドン類;N−メチルピロリドン、N−エチルピロリドン等のピロリドン類;乳酸メチル、乳酸エチル、β−メトキシイソ酪酸メチル、α−ヒドロキシイソ酪酸メチル等のヒドロキシエステル類などが挙げられる。
本発明の導電性複合材料は、溶媒を含有していてもよい。溶媒としては、水、超純水、これらと水溶性有機溶媒との混合溶媒などが挙げられる。
水溶性有機溶媒は、水と混合するものであれば特に限定はない。水溶性有機溶媒として、具体的には、水またはメタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール、n−ブタノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、エチルイソブチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;エチレングリコール、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル等のエチレングリコール類;プロピレングリコール、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールエチルエーテル、プロピレングリコールブチルエーテル、プロピレングリコールプロピルエーテル等のプロピレングリコール類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類;N−メチルピロリドン、N−エチルピロリドン等のピロリドン類;N−メチルピロリドン、N−エチルピロリドン等のピロリドン類;乳酸メチル、乳酸エチル、β−メトキシイソ酪酸メチル、α−ヒドロキシイソ酪酸メチル等のヒドロキシエステル類などが挙げられる。
<固体電解コンデンサ>
本発明の導電性複合材料を用いた固体電解コンデンサの一実施形態例について説明する。
図1に、本実施形態例のコンデンサの構成を模式的に示す。この例の固体電解コンデンサ10は、被膜形成金属11と、被膜形成金属11上に形成された誘電体酸化膜12と、誘電体酸化膜12上に形成された固体電解質層13と、固体電解質層13上に形成されたグラファイト層14と、グラファイト層14上に形成された金属層15とを備えた、積層型固体電解コンデンサである。
本発明の導電性複合材料を用いた固体電解コンデンサの一実施形態例について説明する。
図1に、本実施形態例のコンデンサの構成を模式的に示す。この例の固体電解コンデンサ10は、被膜形成金属11と、被膜形成金属11上に形成された誘電体酸化膜12と、誘電体酸化膜12上に形成された固体電解質層13と、固体電解質層13上に形成されたグラファイト層14と、グラファイト層14上に形成された金属層15とを備えた、積層型固体電解コンデンサである。
(被膜形成金属)
被膜形成金属11は、弁作用を有する多孔質の金属体であり、導電性を有する。このような被膜形成金属11としては、固体電解コンデンサに用いられる通常の電極(弁作用金属体)を使用でき、具体的にはアルミニウム、タンタル、ニオブ、ニッケル等の金属材料からなる電極が挙げられる。その形態としては、金属箔、金属焼結体などが挙げられる。
被膜形成金属11は、弁作用を有する多孔質の金属体であり、導電性を有する。このような被膜形成金属11としては、固体電解コンデンサに用いられる通常の電極(弁作用金属体)を使用でき、具体的にはアルミニウム、タンタル、ニオブ、ニッケル等の金属材料からなる電極が挙げられる。その形態としては、金属箔、金属焼結体などが挙げられる。
(誘電体酸化膜)
誘電体酸化膜12は、被膜形成金属11を陽極酸化して形成されたものである。
被膜形成金属11を陽極酸化して形成される誘電体酸化膜12は、図1に示すように被膜形成金属11の表面状態を反映し、表面が微細な凹凸状となっている。この凹凸の周期は、被膜形成金属11の種類などに依存するが、通常、200nm以下程度である。また、凹凸を形成する凹部(微細孔)の深さは、被膜形成金属11の種類などに特に依存しやすいので一概には決められないが、例えばアルミニウムを用いる場合、凹部の深さは数十nm〜1μm程度である。
誘電体酸化膜12は、被膜形成金属11を陽極酸化して形成されたものである。
被膜形成金属11を陽極酸化して形成される誘電体酸化膜12は、図1に示すように被膜形成金属11の表面状態を反映し、表面が微細な凹凸状となっている。この凹凸の周期は、被膜形成金属11の種類などに依存するが、通常、200nm以下程度である。また、凹凸を形成する凹部(微細孔)の深さは、被膜形成金属11の種類などに特に依存しやすいので一概には決められないが、例えばアルミニウムを用いる場合、凹部の深さは数十nm〜1μm程度である。
(固体電解質層)
固体電解質層13は、2種類以上の導電性ポリマーからなり、導電性ポリマーのうち少なくとも1つは可溶性の導電性ポリマー(a)である。
導電性材料を1質量%含む複合導電性材料のpHは4以上11以下である。
固体電解質層13は、2種類以上の導電性ポリマーからなり、導電性ポリマーのうち少なくとも1つは可溶性の導電性ポリマー(a)である。
導電性材料を1質量%含む複合導電性材料のpHは4以上11以下である。
上述したように、固体電解質層13は、導電性複合材料を誘電体酸化膜12上に塗布し、乾燥してなるものである。このようにして形成された固体電解質層13は、誘電体酸化膜12の微細な凹凸の内部にまで十分に導電性複合材料が含浸しているので、得られる固体電解コンデンサ10の容量発現率が向上する。
導電性複合材料100質量%中の導電性複合体の含有量は、9質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましい。導電性複合体の含有量が9質量%以下であれば、誘電体酸化膜12が形成された被膜形成金属11や、後述する巻回型の固体電解コンデンサに備わるセパレータに対する濡れ性が向上するため、導電性複合体は誘電体酸化膜12の表面に堆積することなく、微細な凹凸の内部へ十分に含浸できる。
導電性材料の含有量の下限値については特に制限されないが、所望の厚さの固体電解質層13を容易に形成できる点で、0.1質量%以上が好ましい。
導電性材料の含有量の下限値については特に制限されないが、所望の厚さの固体電解質層13を容易に形成できる点で、0.1質量%以上が好ましい。
固体電解質層13の形成に用いる導電性複合材料は、導電性複合体の他に、該導電性複合体以外の導電性ポリマー(他の導電性ポリマー)や、界面活性剤等の添加剤など、他の材料などを含有してもよい。
他の導電性ポリマーとしては、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)、ポリピロール、ポリアニリンなどが挙げられる。また、これら他の導電性ポリマーを用いる場合には、ドーパント(例えばポリスチレンスルホン酸など)を併用するのが好ましい。
界面活性剤としては、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤などが挙げられる。これら界面活性剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
導電性複合材料が界面活性剤を含有する場合、導電性複合材料100質量%中の界面活性剤の含有量は、0.1〜20質量%が好ましく、0.1〜5質量%がより好ましい。界面活性剤の含有量が0.1質量%以上であれば、導電性複合材料の表面張力を低下させることができる。よって、誘電体酸化膜12の微細な凹凸の内部への含浸性が向上し、固体電解質層13の導電率が高まる。一方、界面活性剤の含有量が20質量%以下であれば、導電性を良好に維持できる。
導電性複合材料が界面活性剤を含有する場合、導電性複合材料100質量%中の界面活性剤の含有量は、0.1〜20質量%が好ましく、0.1〜5質量%がより好ましい。界面活性剤の含有量が0.1質量%以上であれば、導電性複合材料の表面張力を低下させることができる。よって、誘電体酸化膜12の微細な凹凸の内部への含浸性が向上し、固体電解質層13の導電率が高まる。一方、界面活性剤の含有量が20質量%以下であれば、導電性を良好に維持できる。
(グラファイト層)
グラファイト層14は、グラファイト液を固体電解質層13上に塗布、または誘電体酸化膜12および固体電解質層13が順次形成された被膜形成金属11をグラファイト液に浸漬して形成されたものである。
グラファイト層14は、グラファイト液を固体電解質層13上に塗布、または誘電体酸化膜12および固体電解質層13が順次形成された被膜形成金属11をグラファイト液に浸漬して形成されたものである。
(金属層)
金属層15としては、接着銀などの銀層の他、アルミニウム電極、タンタル電極、ニオブ電極、チタン電極、ジルコニウム電極、マグネシウム電極などが挙げられる。
以上説明した本発明の固体電解コンデンサ10では、2種類以上の導電性ポリマーからなり、導電性ポリマーのうち少なくとも1つは可溶性の導電性ポリマー(a)であり、pH4以上11以下の導電性複合材料を用いて固体電解質層13が形成されているので、誘電体酸化膜12の微細な凹凸の内部にまで導電性材料が十分に含浸している。よって、誘電体酸化膜12の微細な凹凸の内部にまで固体電解質層13が形成されているため、容量発現率が高い。
金属層15としては、接着銀などの銀層の他、アルミニウム電極、タンタル電極、ニオブ電極、チタン電極、ジルコニウム電極、マグネシウム電極などが挙げられる。
以上説明した本発明の固体電解コンデンサ10では、2種類以上の導電性ポリマーからなり、導電性ポリマーのうち少なくとも1つは可溶性の導電性ポリマー(a)であり、pH4以上11以下の導電性複合材料を用いて固体電解質層13が形成されているので、誘電体酸化膜12の微細な凹凸の内部にまで導電性材料が十分に含浸している。よって、誘電体酸化膜12の微細な凹凸の内部にまで固体電解質層13が形成されているため、容量発現率が高い。
<固体電解コンデンサの製造方法>
次に、上記固体電解コンデンサ10の製造方法の一例について説明する。
本発明の固体電解コンデンサの製造方法は、被膜形成金属11の表面に形成された誘電体酸化膜12上に、2種類以上の導電性ポリマーからなり、導電性ポリマーのうち少なくとも1つは可溶性の導電性ポリマー(a)であり、pH4以上11以下である導電性複合材料を塗布する工程(塗布工程)と、塗布した導電性複合材料を乾燥して固体電解質層13を形成する工程(乾燥工程)とを有する。
次に、上記固体電解コンデンサ10の製造方法の一例について説明する。
本発明の固体電解コンデンサの製造方法は、被膜形成金属11の表面に形成された誘電体酸化膜12上に、2種類以上の導電性ポリマーからなり、導電性ポリマーのうち少なくとも1つは可溶性の導電性ポリマー(a)であり、pH4以上11以下である導電性複合材料を塗布する工程(塗布工程)と、塗布した導電性複合材料を乾燥して固体電解質層13を形成する工程(乾燥工程)とを有する。
本発明においては、固体電解質層13を形成する工程以外の工程は、公知の技術により行われる。例えば、図1に示す固体電解コンデンサ10を製造する場合、アルミニウム箔などの被膜形成金属11の表層近傍をエッチングにより多孔質体化した後、陽極酸化により誘電体酸化膜12を形成する。ついで、誘電体酸化膜12上に固体電解質層13を形成した後、これをグラファイト液に浸漬させて、またはグラファイト液を塗布して固体電解質層13上にグラファイト層14を形成し、さらにグラファイト層14上に金属層15を形成する。さらに、陰極および陽極(いずれも図示略)に外部端子(図示略)を接続して外装し、固体電解コンデンサ10とする。
ここで、固体電解質層13を形成する工程について、詳しく説明する。
固体電解質層13、被膜形成金属11の表面に形成された誘電体酸化膜12上に、2種類以上の導電性ポリマーからなり、導電性ポリマーのうち少なくとも1つは可溶性の導電性ポリマー(a)であり、pH4以上11以下の導電性複合材料を塗布し(塗布工程)、誘電体酸化膜12の微細な凹凸の内部に導電性複合材料を含浸させた後、乾燥する(乾燥工程)ことで形成できる。
なお、本発明において「塗布」とは、塗膜(層)を形成させることを指し、塗装や浸漬も塗布に含まれる。
固体電解質層13、被膜形成金属11の表面に形成された誘電体酸化膜12上に、2種類以上の導電性ポリマーからなり、導電性ポリマーのうち少なくとも1つは可溶性の導電性ポリマー(a)であり、pH4以上11以下の導電性複合材料を塗布し(塗布工程)、誘電体酸化膜12の微細な凹凸の内部に導電性複合材料を含浸させた後、乾燥する(乾燥工程)ことで形成できる。
なお、本発明において「塗布」とは、塗膜(層)を形成させることを指し、塗装や浸漬も塗布に含まれる。
導電性複合材料は、導電性材料、および必要に応じて他の導電性ポリマーやドーパント、界面活性剤などの添加剤を溶媒に溶解することで得られる。
本発明の一実施態様において、導電性複合材料は、導電性ポリマーの含有量が導電性複合材料100質量%中、9質量%以下、より好ましくは5質量%以下になるように調整する。
導電性ポリマーの含有量が9質量%以下であれば、誘電体酸化膜12が形成された被膜形成金属11や、後述する巻回型の固体電解コンデンサに備わるセパレータに対する濡れ性が向上するため、導電性ポリマーは誘電体酸化膜12の表面に堆積することなく、微細な凹凸の内部へ十分に含浸できる。
導電性ポリマーの含有量の下限値については特に制限されないが、所望の厚さの固体電解質層13を容易に形成できる点で、0.1質量%以上が好ましい。
本発明の一実施態様において、導電性複合材料は、導電性ポリマーの含有量が導電性複合材料100質量%中、9質量%以下、より好ましくは5質量%以下になるように調整する。
導電性ポリマーの含有量が9質量%以下であれば、誘電体酸化膜12が形成された被膜形成金属11や、後述する巻回型の固体電解コンデンサに備わるセパレータに対する濡れ性が向上するため、導電性ポリマーは誘電体酸化膜12の表面に堆積することなく、微細な凹凸の内部へ十分に含浸できる。
導電性ポリマーの含有量の下限値については特に制限されないが、所望の厚さの固体電解質層13を容易に形成できる点で、0.1質量%以上が好ましい。
また、本発明の他の実施態様において、導電性複合材料は、表面張力が67mN/m未満、より好ましくは60mN/m以下になるように調整する。
導電性複合材料に用いる溶媒としては、詳しくは後述するが、水、有機溶媒、水と有機溶媒の混合溶媒を用いる。例えば溶媒として混合溶媒を用いる場合、有機溶媒の割合が多くなるに連れて、導電性材料溶液の表面張力は低くなる傾向にある。
導電性複合材料に用いる溶媒としては、上述したように、水、有機溶媒、水と有機溶媒の混合溶媒が挙げられる。
導電性複合材料に用いる溶媒としては、詳しくは後述するが、水、有機溶媒、水と有機溶媒の混合溶媒を用いる。例えば溶媒として混合溶媒を用いる場合、有機溶媒の割合が多くなるに連れて、導電性材料溶液の表面張力は低くなる傾向にある。
導電性複合材料に用いる溶媒としては、上述したように、水、有機溶媒、水と有機溶媒の混合溶媒が挙げられる。
有機溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、プロピルアルコール、ブタノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、エチルイソブチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;エチレングリコール、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル等のエチレングリコール類;プロピレングリコール、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールエチルエーテル、プロピレングリコールブチルエーテル、プロピレングリコールプロピルエーテル等のプロピレングリコール類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類;N−メチルピロリドン、N−エチルピロリドン等のピロリドン類;乳酸メチル、乳酸エチル、β−メトキシイソ酪酸メチル、α−ヒドロキシイソ酪酸メチル等のヒドロキシエステル類やγ−ブチロラクトンなどが挙げられる。これら有機溶媒は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、水への可溶性および取り扱いの点で、アルコール類が好ましく、特にメタノールやイソプロプルアルコールが好ましい。
溶媒として混合溶媒を用いる場合、混合溶媒100質量%中の有機溶媒の含有量は、4〜70質量%が好ましく、10〜50質量%がより好ましい。有機溶媒の含有量が上記範囲内であれば、導電性複合材料が良好に溶解する。
導電性複合材料の塗布方法としては、ディップコート法、刷毛塗り法、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、スプレーコート法、フローコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェットプリント法等などが挙げられる。特に、操作が容易である点で、ディップコート法(浸漬法)が好ましい。
ディップコート法により導電性複合材料を塗布する場合、作業性の点で、導電性複合材料の浸漬時間は、1〜30分が好ましい。また、ディップコートする際に、減圧時にディップさせて常圧に戻す、あるいは、ディップ時に加圧するなどの方法も有効である。
ディップコート法により導電性複合材料を塗布する場合、作業性の点で、導電性複合材料の浸漬時間は、1〜30分が好ましい。また、ディップコートする際に、減圧時にディップさせて常圧に戻す、あるいは、ディップ時に加圧するなどの方法も有効である。
導電性複合材料を塗布した後の乾燥方法としては加熱乾燥が好ましいが、例えば、風乾や、スピンさせて物理的に乾燥させる方法などを用いてもよい。
また、乾燥条件は、導電性複合材料や溶媒の種類により決定されるが、通常、乾燥温度は、乾燥性の観点から、20〜190℃が好ましく、乾燥時間は1〜30分が好ましい。
上記塗布条件を2回以上繰り返すことで、コンデンサに取り込まれる導電性ポリマー量が増えコンデンサ特性が向上することがあるので、複数回繰り返してもよい。
また、乾燥条件は、導電性複合材料や溶媒の種類により決定されるが、通常、乾燥温度は、乾燥性の観点から、20〜190℃が好ましく、乾燥時間は1〜30分が好ましい。
上記塗布条件を2回以上繰り返すことで、コンデンサに取り込まれる導電性ポリマー量が増えコンデンサ特性が向上することがあるので、複数回繰り返してもよい。
以上説明した本発明の固体電解コンデンサの製造方法では、被膜形成金属上に形成された誘電体酸化膜上に、2種類以上の導電性ポリマーからなり、導電性ポリマーのうち少なくとも1つは可溶性の導電性ポリマー(a)であり、pH4以上11以下の導電性複合材料を塗布して固体電解質層を形成するので、導電性複合材料が誘電体酸化膜の微細な凹凸の内部にまで十分に含浸する。よって、誘電体酸化膜上に高導電率の固体電解質層を形成でき、容量発現率が高い固体電解コンデンサを容易に製造できる。
また、近年は、多孔質の被膜形成金属はさらに微細化されていたり、様々な形態の微細孔を有していたりするので、誘電体酸化膜も内部はより微細で複雑になっているが、pHを調整することで導電性複合材料の溶液の粘度が低下するため、より微細で複雑な誘電体酸化膜の内部にも、十分に導電性複合材料を含浸できる。
よって、本発明により得られる固体電解コンデンサは、誘電体酸化膜上に、その微細な凹凸の内部にまで十分に導電性複合材料が含浸した固体電解質層が形成され、またpHを4以上11以下に調整することで誘電体層の酸による劣化が抑制されるので、容量発現率が高く、コンデンサとしての性能に優れる。
また、本発明は、誘電体酸化膜上で化学酸化重合や電解重合を行わずに固体電解質層を形成できるので、固体電解質層中の不純物が少なく、製造工程も煩雑になりにくい。
なお、被膜形成金属には、上記ではアルミニウムを例に説明したが、その他タンタル、ニオブ、ニッケルめっき品等特にアルミニウムに限定されるものではない。
よって、本発明により得られる固体電解コンデンサは、誘電体酸化膜上に、その微細な凹凸の内部にまで十分に導電性複合材料が含浸した固体電解質層が形成され、またpHを4以上11以下に調整することで誘電体層の酸による劣化が抑制されるので、容量発現率が高く、コンデンサとしての性能に優れる。
また、本発明は、誘電体酸化膜上で化学酸化重合や電解重合を行わずに固体電解質層を形成できるので、固体電解質層中の不純物が少なく、製造工程も煩雑になりにくい。
なお、被膜形成金属には、上記ではアルミニウムを例に説明したが、その他タンタル、ニオブ、ニッケルめっき品等特にアルミニウムに限定されるものではない。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例および比較例における測定・評価方法と、導電性ポリマー(a)および導電性複合材料の製造方法は以下の通りである。
実施例および比較例における測定・評価方法と、導電性ポリマー(a)および導電性複合材料の製造方法は以下の通りである。
〈pHの測定方法〉
pHメーター(LAQUA F−71,HORIBA社製)の電極を導電性複合材料に浸漬させ、pHを計測した。
pHメーター(LAQUA F−71,HORIBA社製)の電極を導電性複合材料に浸漬させ、pHを計測した。
〈固体電解コンデンサの製造〉
エッチドアルミニウム箔(陽極箔)に陽極リード端子を接続した後、アジピン酸ジアンモニウム10質量%水溶液中で6.3Vの電圧を印加し、化成(酸化処理)したエッチドアルミニウム箔(陽極箔)とアルミニウム陰極箔を、セルロース製のセパレータを介して円筒状に巻き取ってコンデンサ素子Xを得た。
エッチドアルミニウム箔(陽極箔)に陽極リード端子を接続した後、アジピン酸ジアンモニウム10質量%水溶液中で6.3Vの電圧を印加し、化成(酸化処理)したエッチドアルミニウム箔(陽極箔)とアルミニウム陰極箔を、セルロース製のセパレータを介して円筒状に巻き取ってコンデンサ素子Xを得た。
〈固体電解コンデンサの評価方法〉
作製したコンデンサの評価はLCRメーター(E4980A Agilent社製)で120Hzの容量とESR、高周波数側の1MHzのESRをそれぞれ測定した。
作製したコンデンサの評価はLCRメーター(E4980A Agilent社製)で120Hzの容量とESR、高周波数側の1MHzのESRをそれぞれ測定した。
<導電性材料の製造>
<導電性ポリマー(a)の製造>
2−アミノアニソール−4−スルホン酸100mmolを、25℃で100mmolのトリエチルアミンを含む水に攪拌溶解し、ペルオキソ二硫酸アンモニウム100mmolの水溶液を滴下した。滴下終了後、25℃で12時間更に攪拌した後に反応生成物を濾別洗浄した。その後、乾燥し、粉末状のポリ(2−スルホ−5−メトキシ−1,4−イミノフェニレン)(a)15gを得た。ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によりポリスチレンスルホン酸ナトリウム換算で求めた質量平均分子量は約25000であった。
得られた導電性ポリマー(a)5質量部を水95質量部に25℃で溶解させ、ポリマー水溶液100質量部に対して、50質量部となるように酸性陽イオン交換樹脂をカラムに充填し、該カラムにポリマー水溶液をSV=8の流量で通過させて陽イオン交換処理を行い、ポリマー水溶液を精製した。
<導電性ポリマー(a)の製造>
2−アミノアニソール−4−スルホン酸100mmolを、25℃で100mmolのトリエチルアミンを含む水に攪拌溶解し、ペルオキソ二硫酸アンモニウム100mmolの水溶液を滴下した。滴下終了後、25℃で12時間更に攪拌した後に反応生成物を濾別洗浄した。その後、乾燥し、粉末状のポリ(2−スルホ−5−メトキシ−1,4−イミノフェニレン)(a)15gを得た。ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によりポリスチレンスルホン酸ナトリウム換算で求めた質量平均分子量は約25000であった。
得られた導電性ポリマー(a)5質量部を水95質量部に25℃で溶解させ、ポリマー水溶液100質量部に対して、50質量部となるように酸性陽イオン交換樹脂をカラムに充填し、該カラムにポリマー水溶液をSV=8の流量で通過させて陽イオン交換処理を行い、ポリマー水溶液を精製した。
<導電性複合材料の製造例1>
精製されたポリマー水溶液(A−1)100質量%中の導電性ポリマー(a)の割合は、4.4質量%であった。
精製されたポリマー水溶液(A−1)6.45gと、チオフェン誘導体として、3,4−エチレンジオキシチオフェン(EDOT)0.2gとを混合し、これに10質量%硫酸水溶液0.55gと超純水35gを加えてスターラーで攪拌し、混合液を得た。該混合液中の導電性ポリマー(a)とチオフェン誘導体のmol比(導電性ポリマー(a)/チオフェン誘導体(b))は、1/1である。
別途、ペルオキソ二硫酸アンモニウム0.42gと硫酸第二鉄0.15gを超純水20gに溶解し、酸化剤溶液を得た。
続いて、混合液を0℃で攪拌しながら、該混合液中に酸化剤溶液を滴下し、0℃で6時間攪拌し重合反応を行った。重合して得られた導電性複合体溶液を分画分子量50kDaの限外濾過膜を用いて精製した。精製に用いた純水は2000gであった。得られた導電性複合体溶液はバッチ法にて陽イオン交換を3時間行い、その後濃縮し、固形分が1.0%となるように水溶液に調整し、その後高圧ホモジナイザー(Panda PLUS 2000、NIRO SOAVI 社製)にて1000barにて30分処理し、導電性複合材料(AB−1)を得た。得られた導電性複合材料のpHは2.1であった。
精製されたポリマー水溶液(A−1)100質量%中の導電性ポリマー(a)の割合は、4.4質量%であった。
精製されたポリマー水溶液(A−1)6.45gと、チオフェン誘導体として、3,4−エチレンジオキシチオフェン(EDOT)0.2gとを混合し、これに10質量%硫酸水溶液0.55gと超純水35gを加えてスターラーで攪拌し、混合液を得た。該混合液中の導電性ポリマー(a)とチオフェン誘導体のmol比(導電性ポリマー(a)/チオフェン誘導体(b))は、1/1である。
別途、ペルオキソ二硫酸アンモニウム0.42gと硫酸第二鉄0.15gを超純水20gに溶解し、酸化剤溶液を得た。
続いて、混合液を0℃で攪拌しながら、該混合液中に酸化剤溶液を滴下し、0℃で6時間攪拌し重合反応を行った。重合して得られた導電性複合体溶液を分画分子量50kDaの限外濾過膜を用いて精製した。精製に用いた純水は2000gであった。得られた導電性複合体溶液はバッチ法にて陽イオン交換を3時間行い、その後濃縮し、固形分が1.0%となるように水溶液に調整し、その後高圧ホモジナイザー(Panda PLUS 2000、NIRO SOAVI 社製)にて1000barにて30分処理し、導電性複合材料(AB−1)を得た。得られた導電性複合材料のpHは2.1であった。
<比較例1>
導電性複合材料(AB−1)を1mLにコンデンサ素子Xを15分間浸漬させ、引き上げた後、120℃で1時間乾燥させた。得られたコンデンサ特性を表1に示す。
導電性複合材料(AB−1)を1mLにコンデンサ素子Xを15分間浸漬させ、引き上げた後、120℃で1時間乾燥させた。得られたコンデンサ特性を表1に示す。
<実施例1>
導電性複合材料(AB−1)を3g、アミノエタノール3.5mgを加え、pH4.9に調整した。コンデンサ素子Xを前記調整液1mLに15分間浸漬させ、引き上げた後、120℃で1時間乾燥させた。得られたコンデンサの特性を表1に示す。
導電性複合材料(AB−1)を3g、アミノエタノール3.5mgを加え、pH4.9に調整した。コンデンサ素子Xを前記調整液1mLに15分間浸漬させ、引き上げた後、120℃で1時間乾燥させた。得られたコンデンサの特性を表1に示す。
<実施例2>
アミノエタノール4.4mgを加え、pH7.0に調整した以外は実施例1と同様にコンデンサを作製した。得られたコンデンサの特性を表1に示す。
アミノエタノール4.4mgを加え、pH7.0に調整した以外は実施例1と同様にコンデンサを作製した。得られたコンデンサの特性を表1に示す。
<実施例3>
アミノエタノール5.3mgを加え、pH9.2に調整した以外は実施例1と同様にコンデンサを作製した。得られたコンデンサの特性を表1に示す。
比較例1と実施例1−3を比較してみると、pHを4以上11以下に調整する事で、コンデンサ容量が増加し、抵抗(ESR)が低周波数(120Hz)から高周波数(1MHz)まで比較例1より抑制され、コンデンサ性能が向上している。
アミノエタノール5.3mgを加え、pH9.2に調整した以外は実施例1と同様にコンデンサを作製した。得られたコンデンサの特性を表1に示す。
比較例1と実施例1−3を比較してみると、pHを4以上11以下に調整する事で、コンデンサ容量が増加し、抵抗(ESR)が低周波数(120Hz)から高周波数(1MHz)まで比較例1より抑制され、コンデンサ性能が向上している。
<比較例2>
導電性複合材料(AB−1)を3g、マンニトールを0.12g加え撹拌した液(AB−2)1mLにコンデンサ素子Xを15分間浸漬させ、引き上げた後、120℃で1時間乾燥させた。得られたコンデンサ特性を表1に示す。
導電性複合材料(AB−1)を3g、マンニトールを0.12g加え撹拌した液(AB−2)1mLにコンデンサ素子Xを15分間浸漬させ、引き上げた後、120℃で1時間乾燥させた。得られたコンデンサ特性を表1に示す。
<実施例4>
導電性複合材料(AB−2)を3.12g、アミノエタノール7.0mgを加え、pH4.4に調整した以外は実施例1と同様にコンデンサを作製した。得られたコンデンサの特性を表1に示す。
導電性複合材料(AB−2)を3.12g、アミノエタノール7.0mgを加え、pH4.4に調整した以外は実施例1と同様にコンデンサを作製した。得られたコンデンサの特性を表1に示す。
<実施例5>
アミノエタノール8.8mgを加え、pH7.8に調整した以外は実施例4と同様にコンデンサを作製した。得られたコンデンサの特性を表1に示す。
アミノエタノール8.8mgを加え、pH7.8に調整した以外は実施例4と同様にコンデンサを作製した。得られたコンデンサの特性を表1に示す。
<実施例6>
アミノエタノール11mgを加え、pH9.1に調整した以外は実施例4と同様にコンデンサを作製した。得られたコンデンサの特性を表1に示す。
比較例1、2と実施例4−6を比較してみると、コンデンサ容量が増加し、コンデンサの抵抗(ESR)が低周波数(120Hz)から高周波数(1MHz)まで比較例1より抑制され、コンデンサ性能が向上している。また、pH調整剤(c)のアミノエタノール単独で用いるよりヒドロキシ化合物(d)のマンニトールも添加することでより抵抗(ESR)が低下する傾向にあり、よりコンデンサ性能が向上する傾向にある。
アミノエタノール11mgを加え、pH9.1に調整した以外は実施例4と同様にコンデンサを作製した。得られたコンデンサの特性を表1に示す。
比較例1、2と実施例4−6を比較してみると、コンデンサ容量が増加し、コンデンサの抵抗(ESR)が低周波数(120Hz)から高周波数(1MHz)まで比較例1より抑制され、コンデンサ性能が向上している。また、pH調整剤(c)のアミノエタノール単独で用いるよりヒドロキシ化合物(d)のマンニトールも添加することでより抵抗(ESR)が低下する傾向にあり、よりコンデンサ性能が向上する傾向にある。
<実施例7>
アンモニア(28%水溶液)12.0mgを加え、pH9.0に調整した以外は実施例1と同様にコンデンサを作製した。得られたコンデンサ特性を表1に示す。
アンモニアをpH調整剤(c)として用いることで、比較例1と比較してコンデンサ容量が増大し、抵抗(ESR)も低下する。
アンモニア(28%水溶液)12.0mgを加え、pH9.0に調整した以外は実施例1と同様にコンデンサを作製した。得られたコンデンサ特性を表1に示す。
アンモニアをpH調整剤(c)として用いることで、比較例1と比較してコンデンサ容量が増大し、抵抗(ESR)も低下する。
<実施例8>
2−メチルイミダゾール(10%水溶液)44mgを加え、pH7.0に調整した以外は実施例1と同様にコンデンサを作製した。得られたコンデンサの特性を表1に示す。
2−メチルイミダゾール(10%水溶液)44mgを加え、pH7.0に調整した以外は実施例1と同様にコンデンサを作製した。得られたコンデンサの特性を表1に示す。
<実施例9>
2−メチルイミダゾール(10%水溶液)130mgを加え、pH8.8に調整した以外は実施例1と同様にコンデンサを作製した。得られたコンデンサの特性を表1に示す。
2−メチルイミダゾールをpH調整剤(c)として用いることで、比較例1と比較してコンデンサ容量が増大し、抵抗(ESR)も低下する。
2−メチルイミダゾール(10%水溶液)130mgを加え、pH8.8に調整した以外は実施例1と同様にコンデンサを作製した。得られたコンデンサの特性を表1に示す。
2−メチルイミダゾールをpH調整剤(c)として用いることで、比較例1と比較してコンデンサ容量が増大し、抵抗(ESR)も低下する。
<実施例10>
イミダゾール6.0mgを加え、pH8.4に調整した以外は実施例1と同様にコンデンサを作製した。得られたコンデンサの特性を表1に示す。
イミダゾールをpH調整剤(c)として用いることで、比較例1と比較してコンデンサ容量が増大し、抵抗(ESR)も低下する。
イミダゾール6.0mgを加え、pH8.4に調整した以外は実施例1と同様にコンデンサを作製した。得られたコンデンサの特性を表1に示す。
イミダゾールをpH調整剤(c)として用いることで、比較例1と比較してコンデンサ容量が増大し、抵抗(ESR)も低下する。
<実施例11>
2−メチルアミノエタノール7.5mgを加え、pH7.0に調整した以外は実施例1と同様にコンデンサを作製した。得られたコンデンサの特性を表1に示す。
2−メチルアミノエタノールをpH調整剤(c)として用いることで、比較例1と比較してコンデンサ容量が増大し、抵抗(ESR)も低下する。
2−メチルアミノエタノール7.5mgを加え、pH7.0に調整した以外は実施例1と同様にコンデンサを作製した。得られたコンデンサの特性を表1に示す。
2−メチルアミノエタノールをpH調整剤(c)として用いることで、比較例1と比較してコンデンサ容量が増大し、抵抗(ESR)も低下する。
<実施例12>
2−メチルアミノエタノール9.0mgを加え、pH9.0に調整した以外は実施例1と同様にコンデンサを作製した。得られたコンデンサの特性を表1に示す。
pH調整剤(c)の2−メチルアミノエタノールをpH調整剤として用いることで、比較例1と比較してコンデンサ容量が増大し、抵抗(ESR)も低下する。
2−メチルアミノエタノール9.0mgを加え、pH9.0に調整した以外は実施例1と同様にコンデンサを作製した。得られたコンデンサの特性を表1に示す。
pH調整剤(c)の2−メチルアミノエタノールをpH調整剤として用いることで、比較例1と比較してコンデンサ容量が増大し、抵抗(ESR)も低下する。
<比較例3>
導電性複合材料(AB−1)を3g、アラビトールを0.12g加え撹拌した液(AB−3)1mLにコンデンサ素子Xを15分間浸漬させ、引き上げた後、120℃で1時間乾燥させた。得られたコンデンサ特性を表1に示す。
導電性複合材料(AB−1)を3g、アラビトールを0.12g加え撹拌した液(AB−3)1mLにコンデンサ素子Xを15分間浸漬させ、引き上げた後、120℃で1時間乾燥させた。得られたコンデンサ特性を表1に示す。
<実施例13>
導電性複合材料(AB−3)を3.12g、アミノエタノール8.0mgを加え、pH6.5に調整した以外は実施例1と同様にコンデンサを作製した。得られたコンデンサの特性を表1に示す。
導電性複合材料(AB−3)を3.12g、アミノエタノール8.0mgを加え、pH6.5に調整した以外は実施例1と同様にコンデンサを作製した。得られたコンデンサの特性を表1に示す。
<実施例14>
アミノエタノール9.4mgを加え、pH9.7に調整した以外は実施13と同様にコンデンサを作製した。得られたコンデンサの特性を表1に示す。
比較例1、3と実施例13,14を比較してみると、コンデンサ容量が増加し、コンデンサの抵抗(ESR)が低周波数(120Hz)から高周波数(1MHz)まで比較例1より抑制され、コンデンサ性能が向上している。また、pH調整剤(c)のアミノエタノール単独で用いるよりヒドロキシ化合物(d)のアラビトールも添加することでより抵抗(ESR)が低下する傾向にあり、よりコンデンサ性能が向上する傾向にある。
アミノエタノール9.4mgを加え、pH9.7に調整した以外は実施13と同様にコンデンサを作製した。得られたコンデンサの特性を表1に示す。
比較例1、3と実施例13,14を比較してみると、コンデンサ容量が増加し、コンデンサの抵抗(ESR)が低周波数(120Hz)から高周波数(1MHz)まで比較例1より抑制され、コンデンサ性能が向上している。また、pH調整剤(c)のアミノエタノール単独で用いるよりヒドロキシ化合物(d)のアラビトールも添加することでより抵抗(ESR)が低下する傾向にあり、よりコンデンサ性能が向上する傾向にある。
<比較例4>
市販のPSS/PEDOT水溶液(PH1000、1.13%、Clevious社製)(AB−4)を用いた以外は実施例1と同様にコンデンサを作製した。得られたコンデンサの特性を表1に示す。
市販のPSS/PEDOT水溶液(PH1000、1.13%、Clevious社製)(AB−4)を用いた以外は実施例1と同様にコンデンサを作製した。得られたコンデンサの特性を表1に示す。
10 固体電解コンデンサ
11 被膜形成金属
12 誘電体酸化膜
13 固体電解質層
14 グラファイト層
15 金属層
20 固体電解コンデンサ
21 陽極
22 陰極
23 セパレータ
24 外部端子
11 被膜形成金属
12 誘電体酸化膜
13 固体電解質層
14 グラファイト層
15 金属層
20 固体電解コンデンサ
21 陽極
22 陰極
23 セパレータ
24 外部端子
Claims (7)
- 酸性基を有する導電性ポリマー(a)とチオフェン誘導体を重合したポリマー(b)を含むポリマー水溶液であって、pH4以上11以下である導電性複合材料。
- 酸性基を有する導電性ポリマー(a)が、下記一般式(1)で表される繰り返し単位を有する、請求項1に記載の導電性複合材料。
(式(1)中、R1〜R4は、各々独立に、−H、炭素数1〜24の直鎖もしくは分岐のアルキル基、炭素数1〜24の直鎖もしくは分岐のアルコキシ基、酸性基もしくはその塩、水酸基、ニトロ基、−F、−Cl、−Brまたは−Iであり、R1〜R4のうちの少なくとも一つは酸性基もしくはその塩である。ここで、酸性基とはスルホン酸またはカルボキシ基である。) - さらに、pH調整剤を含有する請求項1に記載の導電性複合材料。
- pH調整剤がアンモニア、アミノエタノール、イミダゾール、2−メチルイミダゾール及び2−(メチルアミノ)エタノールからなる群から選ばれる少なくとも一種である請求項3に記載の導電性複合材料。
- さらに、ヒドロキシ基をその構造内に3つ以上持つヒドロキシ化合物を含む請求項1〜4いずれか一項に記載の導電性複合材料。
- ヒドロキシ化合物がマンニトール、キシリトール、グリセリン及びアラビトールからなる群から選ばれる少なくとも一種である請求項5に記載の導電性複合材料。
- 請求項1〜6のいずれか一項に記載の導電性複合材料を用いて固体電解質層を形成する工程を有する、固体電解コンデンサの製造方法。
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