JPH0572656B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、光学式ビデオデイスク、コンパクト
デイジタルオーデイオデイスク、静止画デイスク
フアイル等の各種光デイスクの記録、再生用ピツ
クアツプに使用される回動型アクチユエータに関
するものである。

従来例の構成とその問題点 図面を参照しながら従来の回動型アクチユエー
タについて説明する。第１図は従来の回動型アク
チユエータの外観図、第２図は第１図のｘ方向の
断面図、第３図は第１図のｙ方向の断面図であ
る。

１は対物レンズ保持筒で、回動中心より偏心し
た位置に対物レンズ２が設けられている。３はヨ
ーク５から垂直に立てられた回動軸で、対物レン
ズ保持筒１の中央内側に設けられた軸受け部４に
内嵌している。対物レンズ保持筒１はこの回動軸
３のまわりに回動してトラツキング動作を行い、
また軸方向に摺動することによつてフオーカシン
グ動作を行う。以下でフオーカシングとトラツキ
ング動作を行うための磁気回路について説明す
る。ヨーク５の外周部にリング状のマグネツト６
が装着され、その上に外周ヨーク７が装着されて
いる。外周ヨーク７は磁壁７ａと切欠部７ｂから
成り、これら磁壁７ａと切欠部７ｂとは円周方向
に90°分割した対称位置に２つづつ設けられてい
る。ヨーク５も同様に磁壁５ａと切欠部５ｂとか
ら成り、ヨーク５と外周ヨーク７は互いに磁壁５
ａ，７ａどうし、切欠部５ｂ，７ｂどうしが対向
するように配置されている。

磁壁５ａとマグネツト６と磁壁７ａとの間に磁
気回路８が構成され、磁壁５ａと７ａの間の磁気
空隙１１に対物レンズ保持筒１の外周部が嵌入さ
れる。フオーカシングコイル９とトラツキングコ
イル１０は上記対物レンズ保持筒１の外周上に装
着されている。フオーカシングコイル９は円周方
向に巻かれ、これに電流を流すことによりコイル
９には回動軸３の軸心方向の力が働くので、電流
の方向と大きさによつて対物レンズ保持筒１の回
動軸３の軸心方向の動きを制御し、フオーカシン
グを行うのである。トラツキングコイル１０は、
方形状に巻かれたものが対物レンズ保持筒１の周
上に装着されている。

トラツキングコイル１０は回動軸３の軸心方向
に巻かれている部分１０ａ，１０ｂと円周方向に
巻かれている部分１０ｃ，１０ｄから構成される
が、このトラツキングコイル１０は半分が磁気空
隙１１に属し、残り半分が切欠部５ｂと７ｂの間
に属するようになつている。コイル１０に電流を
流すと、部分１０ｃと１０ｄで円周方向に逆向き
の電流が流れるので、磁気回路８により互いに逆
向きの力を受けることになつてその力は相殺され
る。磁気空隙１１にある部分１０ａは磁気回路８
により円周方向の力を受ける。部分１０ｂは部分
１０ａと逆向きに電流が流れ、逆向きの力を受け
るので、磁気回路８のない切欠部５ｂ，７ｂに対
応して配置されている。一般にトラツキングコイ
ル１０はほぼ対称位置に４個装着され、それぞれ
のコイル１０が同じ方向に力を受けるように電流
の向きが考慮されている。このようにトラツキン
グコイル１０に流す電流の方向と大きさによつ
て、対物レンズ保持筒１の回動軸３まわりの回転
を制御し、トラツキングを行うのである。

しかし上記のような従来例では、フオーカシン
グ方向、トラツキング方向共に、特にトラツキン
グ方向の加速度が不足するという問題点がある。
加速度が不足する根本的な原因は、フオーカシン
グコイル９、トラツキングコイル１０共に全コイ
ル長の一部しか対物レンズ保持筒１の駆動に寄与
していない点にある。フオーカシングコイル９も
全長のうち半分はヨーク５，７の切欠部５ｂ，７
ｂすなわち磁界のない所を通つているので、フオ
ーカシング駆動にはコイル全長の半分しか寄与し
ていない。トラツキングコイル１０の場合は、磁
気空隙１１の中にはコイル１０ａしか通つていな
いので、全コイル長の約1/4程度しかトラツキン
グの駆動には寄与していない。以上のような理由
から、従来例のような構成では感度不足は構成そ
のものに起因するもので、感度を高くすることは
非常に困難である。

発明の目的 本発明は、磁気回路、ヨーク形状、トラツキン
グコイル等を新たに構成し、フオーカシングコイ
ル、トラツキングコイル共に対物レンズ保持筒の
駆動に寄与する割合を大きくし、フオーカシング
方向、トラツキング方向共に高い感度が得られる
回動型アクチユエータを得ることを目的とする。

発明の構成 本発明の回動型アクチユエータは、 トラツキングコイルをはさんで磁気回路を構成
する第１および第２の磁気空隙を、第１の磁気空
隙が前記対物レンズ保持筒の外周に沿つて位置す
るとともに、第２の磁気空隙が前記第１の磁気空
隙よりも半径方向外方における周方向に位置する
ようにそれぞれ形成し、 前記トラツキングコイルと第１の磁気空隙とで
構成される第１の磁気回路と、前記トラツキング
コイルと第２の磁気空隙とで構成される第２の磁
気回路とにより発生される前記回動軸を中心とし
た回転モーメントの方向が相等しくなるように構
成し、前記第１および第２の磁気空隙のうち、少
くとも一方の磁気空隙はフオーカシングコイルと
も磁気回路を構成するものである。

これによると、第１の磁気空〓と第２の磁気空
〓の両方をトラツキングコイルの磁気回路として
利用することにより、極めて簡単な磁気回路の構
成と対物レンズ保持筒の構成とで、トラツキング
方向の感度を向上できる。このように、トラツキ
ングコイルが有効に対物レンズ保持筒の駆動に寄
与するとともに、第１および第２の磁気空〓のう
ち、少くとも一方の磁気空〓がフオーカシングコ
イルとも磁気回路を構成しているため、フオーカ
シングコイルの有効長も長くなる。したがつて、
フオーカシング方向、トラツキング方向共に高い
感度を得ることが可能となる。

実施例の説明 以下、本発明の一実施例について、第４図以下
を参照しながら説明する。１は対物レンズ保持
筒、２は対物レンズ、３は回動軸、４は回動軸３
の軸受け部で、これらは従来例と同様な構成であ
る。１２は回動軸３を支持しているヨークで、周
辺部にリング状にマグネツト６が装着され、さら
にその外周部に外周ヨーク１３を有している。リ
ング状のマグネツト６の上には中周ヨーク１４が
装着されており、この中周ヨーク１４はトラツキ
ングコイル１５を巻くための逃げ部１４ａとコイ
ル１５へヨーク１４を挿入するための欠損部１４
ｂと、コイル１５への挿入後欠損部１４ｂをふさ
ぐヨーク片１４ｃで構成されている。本実施例で
は中周ヨーク１４は回動軸対称に１対存在しヨー
ク片１４ｃを装着することにより全周ヨークを形
成するように構成されている。

１６はフオーカシングコイルで、対物レンズ保
持筒１の外周上に円周方向に巻かれている。対物
レンズ保持筒１の外周部とフオーカシングコイル
１６はヨーク１２と中周ヨーク１４の間の第１の
磁気空隙１７の中に入つている。フオーカシング
コイル１６に電流を流すと、ヨーク１２、マグネ
ツト６、および中周ヨーク１４にて構成される磁
気回路１８によりコイル１６に回動軸３の軸心方
向の力が発生するので、コイル１６に流す電流の
方向と大きさによつて、対物レンズ保持筒１の動
きを制御しフオーカシングを行うことができる。

方形状に巻かれたトラツキングコイル１５は、
対物レンズ保持筒１の外周において円環状に配置
されてフオーカシングコイル１６上に装着され、
コイル１５の内部に中周ヨーク１４を挿入できる
ように構成されている。この時コイル１５と中周
ヨーク１４の間隙は、コイル１５が回動軸３の軸
心方向および対物レンズ保持筒１の回転方向に動
いても両者が接触しないように考慮されているの
は言うまでもない。トラツキングコイル１５は回
動軸３の軸方向に巻かれている部分１５ａ，１５
ｂと、回動軸３に垂直な方向に巻かれている部分
１５ｃ，１５ｄとから成り、部分１５ａはフオー
カシングコイル１６と同様に第１の磁気空隙１７
の中に、また部分１５ｂは第２の磁気空隙１９の
中に入つている。コイル１５に電流を流すと、部
分１５ａは磁気回路１８から、また部分１５ｂは
磁気回路２０からそれぞれ力を受けるが、電流の
方向と磁気空隙間の磁界の方向がそれぞれ逆向き
であるので、部分１５ａ，１５ｂは同じ方向の回
転力を受ける、部分１５ｃ，１５ｄは磁界中にな
いので、力は生じない。よつてトラツキングコイ
ル１５に流す電流の方向と大きさにより対物レン
ズ保持筒１の回転方向の動きを制御し、トラツキ
ングを行うことができる。

本実施例のトラツキングコイル１５と従来例の
トラツキングコイル１０を比較すると、本実施例
のトラツキングコイル１５の方が巻き数、コイル
長共に容易に増すことができ、また本実施例にお
いてはトラツキングコイル１５全長の半分以上を
トラツキング動作に寄与させることが可能であ
る。よつて、トラツキング方向に高い感度を得る
ことが可能となる。フオーカシング動作に注目す
ると、中周ヨーク１４は全周にわたつてフオーカ
シングコイル１６の外周に存するのでコイル１６
は全長にわたり磁気空隙１７の中にあり、コイル
全てがフオーカシングに寄与している。よつてフ
オーカシング方向にも高い感度を得ることができ
る。

以上のように本実施例によれば、トラツキング
コイル１５を２つの磁気空隙１７，１９で挟み、
トラツキングコイル１５、フオーカシングコイル
１６共にそのコイル長を有効に対物レンズ保持筒
１の駆動に寄与させているので、トラツキング、
フオーカシング共に高い感度を得ることが可能と
なる。なお上記の実施例ではヨーク１２と中周ヨ
ーク１４と外周ヨーク１３とは一体で構成されて
いたが、ヨークの構成は一体型に限定されるもの
ではなく、各ヨーク部を独立に作り、ネジで固定
したり接着しても全く同様の機能を得ることがで
きる。またトラツキングコイル１５は上記実施例
では周方向に２個装着されていたが、この数も２
個に限定されるものではなく、３個以上のトラツ
キングコイルが装着されていても同様の機能を得
ることができる。

第７図は他の実施例を示し、外周ヨーク１３の
トラツキングコイル１５と対向する面にマグネツ
ト２１が装着されている。このようにすると、第
２の磁気空隙１９内の磁束密度が大きくなり、ト
ラツキングコイル１５に発生する力も大きくなる
ので、さらに大きなトラツキング方向の感度を得
ることができる。

発明の効果 以上の説明から明らかなように、本発明の回動
型アクチユエータは、対物レンズ保持筒の周上に
設けられたトラツキングコイルに２つの磁気空隙
が対応し、それぞれの磁気空隙内のコイル部分に
発生する回動軸を中心とする回動モーメントの方
向が相等しくなるように構成されているため、極
めて簡単な構成の磁気回路と対物レンズ保持筒と
で、トラツキングコイルガ有効に対物レンズ保持
筒の駆動に寄与し、またフオーカシングコイルを
挟むヨークに切欠部がないのでフオーカシングコ
イルの有効長も長くなり、フオーカシング方向、
トラツキング方向共に高い感度が得られるという
利点を有し、光デイスクの記録再生等を行う光ピ
ツクアツプのアクチユエータとして高性能なもの
を提供できるという優れた効果を有している。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例の構成を示す斜視図、第２図は
同上のｘ方向断面図、第３図は同上のｙ方向断面
図、第４図〜第５図は本発明の回動型アクチユエ
ータの一実施例を示す組立斜視図、第６図は第４
図のｚ方向の断面図、第７図は第二の実施例を示
す断面図である。 １……対物レンズ保持筒、２……対物レンズ、
３……回動軸、１２……ヨーク、１３……外周ヨ
ーク、１４……中周ヨーク、１４ａ……逃げ部、
１４ｂ……欠損部、１４ｃ……ヨーク片、１５…
…トラツキングコイル、１６……フオーカシング
コイル、１７……第１の磁気空隙、１８……第１
の磁気回路、１９……第２の磁気空隙、２０……
第２の磁気回路。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 回動軸に周方向に回動可能かつ軸方向に摺動
   可能に外嵌された対物レンズ保持筒と、この対物
   レンズ保持筒の回動中心より偏心した位置に設け
   られた対物レンズと、前記対物レンズ保持筒の外
   周上に設けられたフオーカシングコイルおよび円
   環状のトラツキングコイルとを有する回動型アク
   チユエータにおいて、 前記トラツキングコイルをはさんで磁気回路を
   構成する第１および第２の磁気空隙を、第１の磁
   気空隙が前記対物レンズ保持筒の外周に沿つて位
   置するとともに、第２の磁気空隙が前記第１の磁
   気空隙よりも半径方向外方における周方向に位置
   するようにそれぞれ形成し、 前記トラツキングコイルと第１の磁気空隙とで
   構成される第１の磁気回路と、前記トラツキング
   コイルと第２の磁気空隙とで構成される第２の磁
   気回路とにより発生される前記回動軸を中心とし
   た回転モーメントの方向が相等しくなるように構
   成し、 前記第１および第２の磁気空隙のうち、少くと
   も一方の磁気空隙はフオーカシングコイルとも磁
   気回路を構成することを特徴とする回動型アクチ
   ユエータ。 ２ 第１および第２の磁気空隙を形成するため対
   物レンズ保持筒の周囲に設けられたヨークを、前
   記対物レンズ保持筒の外周に固定された円環状の
   トラツキングコイル内に挿入したことを特徴とす
   る特許請求の範囲第１項記載の回動型アクチユエ
   ータ。 ３ ヨークの一部に、このヨークをトラツキング
   コイル内に挿通可能とするため、このヨークを棒
   状に形成するための逃げ部と、このヨークを周方
   向に分断するための欠損部とを形成したことを特
   徴とする特許請求の範囲第２項記載の回動型アク
   チユエータ。 ４ 欠損部をヨーク片で満たして、回動軸のまわ
   り全周にわたり磁気空隙が形成されるように構成
   したことを特徴とする特許請求の範囲第３項記載
   の回動型アクチユエータ。