JPH0572507B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は鉄筋コンクリート構造物における柱、
梁の配筋工法に係るものである。

（従来の技術） 従来の鉄筋先組工法では、互いに直交する両方
向の大梁主筋を柱主筋にアンカーしてからパネル
ゾーンの柱フープ筋を取付けていた。

（発明が解決しようとする問題点） 従つて柱フープ筋の取付けに際しては１本物の
フープ筋を柱主筋に取付けることは不可能であ
り、方形の鉄筋を２分割したＬ形の鉄筋を柱を挾
む両方向から柱主筋に取付けて溶接をしなければ
ならず、この作業に多大の手間を要した。

（問題点を解決するための手段） 本発明はこのような問題点を解決するために提
案された柱、梁鉄筋先組工法に係り、梁の端部下
端筋にＵ字状スターラツプが取付けられた下部鉄
筋ユニツトにおける前記端部下端筋を、柱鉄筋に
同鉄筋の側方に所要長突出するように定着し、次
いでパネルゾーンの柱フープ筋を取付け、次いで
両端部に倒Ｕ字状スターラツプが取付けられた梁
の端部上端筋の中間部と、梁の中間下端筋との間
をスターラツプで連結してなる上部鉄筋ユニツト
を相隣る柱鉄筋間に吊下ろし、同上部鉄筋ユニツ
トにおける梁の中間下端筋及び倒Ｕ字状スターラ
ツプと、前記下部鉄筋ユニツトにおける梁の端部
下端筋及びＵ字状スターラツプを重合継接し、梁
鉄筋をその端部下端筋の柱鉄筋に対するアンカー
部を除いて工場で先組し、現場に搬入して組立て
ることによつて前記問題点を解決するものであ
る。

（作用） 本発明においては前記したように、梁鉄筋を夫
夫先組された下部鉄筋ユニツトと上部鉄筋ユニツ
トとより構成し、梁の端部下端筋にＵ字状スター
ラツプを取付けて構成された前記下部鉄筋ユニツ
トを柱鉄筋に同鉄筋の側方に重ね継手に必要な長
さ突出するように定着し、かくして同下部鉄筋ユ
ニツトの定着部上方のパネルゾーンにおける柱鉄
筋の外周部に障害物が突出することのないように
し、同外周部に１本もののフープ筋を取付けるも
のである。

次いで両端部に倒Ｕ字状スターラツプが取付け
られた梁の上端筋の中間部と、梁の中間下端筋と
の間をスターラツプで連結して構成された上部鉄
筋ユニツトを相隣る柱鉄筋間に吊下ろし、上部鉄
筋ユニツトにおける梁の中間下端筋と下部鉄筋ユ
ニツトにおける梁の端部下端筋とを重ね継ぎする
とともに、上部鉄筋ユニツトにおける倒Ｕ字状ス
ターラツプと下部鉄筋ユニツトのＵ字状スターラ
ツプとを継接して相隣る柱鉄筋間に同各鉄筋に両
端が定着された梁鉄筋を組立てるものである。

（実施例） 以下本発明を図示の実施例について説明する。

Ａは先に現場で組立てられた柱鉄筋で、パネル
ゾーンの下部まで柱主筋１間にフープ筋２が取付
けられている。

Ｂは予め工場、または現場等で先組された大梁
の下部鉄筋ユニツトで、大梁の端部下端筋３にお
ける梁・柱パネルゾーンに対する定着部３ａの両
側にＵ字状スターラツプ４が取付けられている。
なお端部の下部鉄筋ユニツトにおいては、大梁の
端部下端筋３の端部定着部３ａの先端が下方に曲
成されたアンカー部３ｂに構成されている。

Ｃは予め工場、または現場等で先組された大梁
の上部鉄筋ユニツトで、大梁の上端筋５の両端部
における前記下部鉄筋ユニツトＢのＵ字状スター
ラツプ４に対応する部位に倒Ｕ字状スターラツプ
６が取付けられ、前記上端筋５の中間部と、大梁
の中間下端筋７との間に方形枠状のスターラツプ
８が連結されている。更に前記上端筋５の両端に
は、倒Ｕ字状スターラツプ６の取付部を超えてパ
ネルゾーン内に延びる定着部５ａが設けられてい
る。図中９は前記各スターラツプ６，８を接続す
る水平筋である。

なお端部の上部鉄筋ユニツトにおいては、大梁
上端筋５の端部定着部５ａ先端が下方に曲成され
たアンカー部５ｂに形成されている。

而して柱鉄筋Ａにおけるパネルゾーン下部まで
柱主筋１間にフープ筋２を配筋したのち、下部鉄
筋ユニツトＢを現場に搬入してクレンによつて吊
込み、その両端、または一端が柱鉄筋Ａの側方に
突出するように大梁の端部下端筋３の定着部３ａ
を柱鉄筋Ａに定着する。

なお図中３′は柱鉄筋Ａに対して前記下部鉄筋
ユニツトＢと直角方向に定着された他の下部鉄筋
ユニツトにおける大梁の端部下端筋である。

従つて前記各下部鉄筋ユニツトの定着部の上方
に位置する柱鉄筋Ａのパネルゾーン外周には、障
害物が突出していないので、同パネルゾーンにお
ける柱主筋１に、１本もののフープ筋２′を配筋
することができる。

かくして柱鉄筋Ａのパネルゾーンに対するフー
プ筋２′の配筋が完了したのち、現場に搬入され
た上部鉄筋ユニツトＣをクレンで吊り下ろし、上
部鉄筋ユニツトＣにおける大梁の下端筋７の両端
部を下部鉄筋ユニツトＢの大梁の端部下端筋３に
重合、継接するとともに、上部鉄筋ユニツトＣの
倒Ｕ字状スターラツプ６と下部鉄筋ユニツトＢの
Ｕ字状スターラツプ４とを重合継接し、更に相隣
る上部鉄筋ユニツトＣにおける大梁の上端筋５に
おける端部定着部５ａ相互間を重合、継接し、か
くして相隣る柱鉄筋Ａ間に大梁鉄筋を組立てるも
のである。

（発明の効果） 本発明によればこのように、梁鉄筋を、夫々工
場または現場等において先組された、梁の端部下
端筋にＵ字状スターラツプが取付けられた下部鉄
筋ユニツトと、両端部に倒Ｕ字状スターラツプが
取付けられた梁の上端筋の中間部と、梁の中間下
端筋との間をスターラツプで連結した上部鉄筋ユ
ニツトとより構成し、前記下部鉄筋ユニツトを柱
鉄筋に同鉄筋の側方に所要長突出するように定着
することによつて、同下部鉄筋ユニツトの定着部
上方における柱鉄筋のパネルゾーン外周にフープ
筋の配筋に支障を生じる突出部をなくし、１本も
ののフープ筋を柱主筋に配筋しうるようにしたも
のであつて、互いに直交する両方向の大梁主筋を
柱主筋に定着したのち、パネルゾーンの柱フープ
筋を配筋する従来工法のように２分割された一双
のＬ形鉄筋を柱鉄筋を挾む両方向から柱主筋に取
付けて溶接する場合に比して、著しく施工を簡略
化しうるものである。

本発明においてはこのようにパネルゾーンの柱
フープ筋を配筋したのち、上部鉄筋ユニツトを相
隣る柱鉄筋間に吊り下ろし、上部鉄筋ユニツトに
おける梁の中間下端筋及び倒Ｕ字状スターラツプ
と、下部鉄筋ユニツトにおける梁の端部下端筋及
びＵ字状スターラツプを重合継接することによつ
て梁の鉄筋の組立を完了するものであり、このよ
うに本発明によれば、梁鉄筋を工場または現場で
先組して、これを現場で組立てることにより施工
を簡略化し、工期を短縮し、工費を節減しうるも
のである。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は本発明に係り柱、梁鉄筋の
先組工法の一実施例の工程を示す縦断面図、第３
図及び第４図並に第５図は夫々柱鉄筋の横断平面
図及び上部鉄筋ユニツト並に下部鉄筋ユニツトの
各縦断面図である。 Ａ……柱鉄筋、Ｂ……下部鉄筋ユニツト、Ｃ…
…上部鉄筋ユニツト、１……柱主筋、２……フー
プ筋、３……大梁の端部下端筋、４……Ｕ字状ス
ターラツプ、５……大梁の上端筋、６……倒Ｕ字
状スターラツプ、７……大梁の中間下端筋、８…
…スターラツプ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 梁の端部下端筋にＵ字状スターラツプが取付
   けられた下部鉄筋ユニツトにおける前記端部下端
   筋を、柱鉄筋の同鉄筋の側方に所要長突出するよ
   うに定着し、次いでパネルゾーンの柱フープ筋を
   取付け、次いで両端部に倒Ｕ字状スターラツプが
   取付けられた梁の端部上端筋の中間部と、梁の中
   間下端筋との間をスターラツプで連結してなる上
   部鉄筋ユニツトを相隣る柱鉄筋間に吊下ろし、同
   上部鉄筋ユニツトにおける梁の中間下端筋及び倒
   Ｕ字状スターラツプと、前記下部鉄筋ユニツトに
   おける梁の端部下端筋及びＵ字状スターラツプを
   重合継接することを特徴とする柱、梁鉄筋の先組
   工法。