JPH0571714U - 磁気センサ及び電子式方位計 - Google Patents

磁気センサ及び電子式方位計

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JPH0571714U
JPH0571714U JP2036692U JP2036692U JPH0571714U JP H0571714 U JPH0571714 U JP H0571714U JP 2036692 U JP2036692 U JP 2036692U JP 2036692 U JP2036692 U JP 2036692U JP H0571714 U JPH0571714 U JP H0571714U
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 磁気抵抗素子を利用した高精度で消費電流の
少ない磁気センサ及びこれを利用した電子式方位計を提
供することを目的とする。 【構成】 磁気センサ1は相直交するブリッジ状に結合
された4つの磁気抵抗素子で形成された磁気抵抗素子部
12と、相直交し且つその発生バイアス磁界が磁気抵抗
素子の検出方向に一致する状態で磁気抵抗素子に巻回さ
れた2つのバイアスコイルC1、C2で形成される。磁
気抵抗素子の出力電位V1、V2の電位差を作動増幅回
路13で検出し、波形合成回路17からの変換タイミン
グ信号Saに基づきA/D変換回路14でA/D変換し
てレジスタ15に格納する。コイル駆動回路16は波形
合成回路17からの信号S1、S2、S3、S4に基づ
きバイアスコイルC、C2へのバイアス電流I1、I2
の供給・停止を行う。波形合成回路17は領域信号A
1、A2をレジスタ18に出力し、レジスタ15の検出
データをRAM22に格納するための割込み信号INT
をCPU19に出力する。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は磁気センサ及び電子式方位計に関し、詳細には、磁気抵抗素子を利用 した磁気センサ及びこの磁気センサを利用して地磁気の方位を算出する電子式方 位計に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子式方位計としては、種々のものが提案されているが、従来の電子式 方位計においては、その磁気検出素子としてホール素子や強磁性体等が利用され ている。 このようなホール素子や強磁性体等を磁気検出素子として利用すると、地磁気 の検出感度方向成分の大きさにより、地磁気の方向を検出することができるが、 ホール素子は、磁気検出感度が低い。 そこで、従来、磁束収束器を設けることにより、ホール素子の磁気検出感度の 低さを補うことにより、地磁気の検出を行なって、方位を測定している。 ところが、磁束収束器を設けていたため、電子式方位計が大型化するという問 題があった。また、ホール素子や強磁性体は、いずれも消費電力が大きいという 問題があった。 そこで、本出願人は、先に、磁気検出素子として、磁気抵抗素子を使用した磁 気センサを提案している(実願平2−93979号)。 この磁気センサにおいては、2個以上の磁気抵抗素子をその磁気検出方向が互 いに直交する方向に配置し、この磁気抵抗素子に1個のバイアス磁界用コイルを 卷回している。そしてこのバイアス磁界用コイルは、バイアス電流が供給される ことにより、各磁気抵抗素子の磁気検出方向に対して45度傾いた向きのバイア ス磁界を発生する。 この磁気センサにおいては、磁気抵抗素子の磁気検出方向に対して45度傾い た向きのバイアス磁界を印加した状態で、各磁気抵抗素子に対して定電圧を印加 し、各磁気抵抗素子の出力電圧の変化を検出することにより地磁気の大きさを検 出することができる。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の磁気センサにあっては、磁気抵抗素子をその 磁気検出方向が互いに直交する方向に配置し、各磁気抵抗素子の磁気検出方向に 対して45度傾いた向きのバイアス磁界を印加して、磁気抵抗素子の出力電圧を 計測することにより地磁気の大きさを検出していたため、磁気抵抗素子を利用し て地磁気を検出するのに必要なバイアス磁界を印加するためには、その必要とす るバイアス磁界の√2倍(1.4142・・・倍)のバイアス磁界を発生させる 必要がある。その結果、バイアス磁界を発生させるために必要なバイアス電流が 大きくなり、消費電力が多くなるという問題があった。 そこで、本考案は、少なくとも4個の磁気抵抗素子をブリッジ状に連結し、ま た、各磁気抵抗素子に相互に直行する方向のバイアス磁界用コイルを巻回して、 磁気抵抗素子の磁気検出方向と一致するバイアス磁界を印加することにより、バ イアス磁界用コイルの発生するバイアス磁界を有効に利用して、充分なバイアス 磁界を発生させるのに必要なバイアス電流を低減し、消費電流を低減することを 目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、 請求項1記載の考案は、 磁気センサが、 隣接する磁気抵抗素子の磁気検出方向が互いに直交する状態でブリッジ状に結 合された少なくとも4個の磁気抵抗素子と、 互いに直交するとともに、前記磁気抵抗素子の磁気検出方向と一致する方向の 磁界を発生する状態で前記磁気抵抗素子に卷回された少なくとも2個のバイアス 磁界用コイルと、 を備えたことを特徴としている。 請求項2記載の考案は、 電子式方位計が、 隣接する磁気抵抗素子の磁気検出方向が互いに直交する状態でブリッジ状に結 合された少なくとも4個の磁気抵抗素子と、互いに直交するとともに、前記磁気 抵抗素子の磁気検出方向と一致する方向の磁界を発生する状態で前記磁気抵抗素 子に卷回された少なくとも2個のバイアス磁界用コイルと、を有した磁気センサ と、 前記磁気センサの各バイアス磁界用コイルにバイアス電流を導通させバイアス 磁界を発生させるバイアス磁界用コイル駆動手段と、 前記磁気センサの磁気抵抗素子の結合部のうち相対向する2つの結合部間に定 電圧を印加する磁気センサ駆動手段と、 前記磁気センサ駆動手段により定電圧の印加されている結合部間以外の相対向 する結合部間の電位差を検出する検出手段と、 前記検出手段が検出した電位差から方位を算出する演算手段と、 前記バイアス磁界用コイル駆動手段と前記検出手段と前記演算手段とに対して 動作タイミングを指示する制御手段と、 を備えたことを特徴としている。 この場合、前記バイアス磁界用コイル駆動手段が、例えば、請求項3に記載す るように、前記1個のバイアス磁界用コイルに対して互いに逆向きの2種類のバ イアス電流を導通させ、該1個のバイアス磁界用コイルにより互いに逆向きの2 種類のバイアス磁界を発生させるようにしてもよい。
【0005】
【作用】
請求項1記載の本考案によれば、 磁気センサが、少なくとも4個の磁気抵抗素子と少なくとも2個のバイアス磁 界用コイルとで構成され、各磁気抵抗素子は、隣接する磁気抵抗素子の磁気検出 方向が互いに直交する状態でブリッジ状に結合されている。また、各バイアス用 コイルは、互いに直交するとともに、前記磁気抵抗素子の磁気検出方向と一致す る方向の磁界を発生する状態で前記磁気抵抗素子に卷回されている。 したがって、バイアス磁界用コイルの発生する磁界は、有効に磁気抵抗素子に バイアス磁界として作用し、バイアス磁界を発生させるのに必要なバイアス電流 を削減することができる。その結果、消費電力を低減することができる。 請求項2記載の考案によれば、 電子式方位計が、磁気センサが、隣接する磁気抵抗素子の磁気検出方向が互い に直交する状態でブリッジ状に結合された少なくとも4個の磁気抵抗素子と、互 いに直交するとともに、前記磁気抵抗素子の磁気検出方向と一致する方向の磁界 を発生する状態で前記磁気抵抗素子に卷回された少なくとも2個のバイアス磁界 用コイルと、を有しており、前記磁気センサの各バイアス磁界用コイルにバイア ス磁界用コイル駆動手段によりバイアス電流を導通させてバイアス磁界を発生さ せる。この磁気センサの磁気抵抗素子の結合部のうち相対向する2つの結合部間 に磁気センサ駆動手段により定電圧を印加し、この磁気センサ駆動手段により定 電圧の印加されている結合部間以外の相対向する結合部間の電位差を検出手段に より検出する。この検出手段が検出した電位差から演算手段により方位を算出し 、前記バイアス磁界用コイル駆動手段と前記検出手段と前記演算手段とに対して 制御手段により動作タイミングを指示する。 したがって、バイアス磁界を有効に利用して、バイアス電流を低減することが できるとともに、ブリッジ状に接続された磁気抵抗素子に、制御手段により動作 タイミングをとって、バイアス磁界を印加し、このバイアス磁界の方向と検出方 向が一致する磁気抵抗素子の結合部間の電位差を検出して、方位を算出している ので、磁気抵抗素子の特性曲線の変化量の大きい領域で検出することができ、消 費電力の少ない磁気センサを小型・安価で、かつ精度の高いものとすることがで きる。 請求項3記載の考案によれば、 1個のバイアス磁界用コイルに互いに逆向きの2種類のバイアス電流を導通さ せ、該1個のバイアス磁界用コイルにより互いに逆向きの2種類のバイアス磁界 を発生させているので、磁気抵抗素子のヒステリシスによる誤差及びバイアス磁 界の変動による誤差を適切に是正することができ、検出精度をより一層向上させ ることができる。
【0006】
【実施例】
以下、本考案を実施例に基づいて具体的に説明する。 図1〜図15は、本考案に係る磁気センサ及び電子式方位計の一実施例を示す 図である。 図1は、磁気センサ1の平面図であり、磁気センサ1は、ガラスあるいはアル ミナで形成された基板2上に4個の磁気抵抗素子MR1、MR2、MR3、MR 4及び4個のパッドP1、P2、P3、P4が形成されている。
【0007】 この磁気抵抗素子MR1、MR2、MR3、MR4は、基板2上にパーマロイ 等の強磁性体を真空蒸着することにより形成されており、パッドP1、P2、P 3、P4は、基板2上に通常の配線用材料を真空蒸着することにより形成されて いる。この磁気抵抗素子MR1、MR2、MR3、MR4は、それぞれ相隣接す る他の磁気抵抗素子MR1、MR2、MR3、MR4と90度の角度で結合され ており、また、矢印Nは、測定方向を示すが、この矢印Nに対して、各磁気抵抗 素子MR1、MR2、MR3、MR4の検出方向が45度の傾きをもつよう形成 されている。したがって、各磁気抵抗素子MR1、MR2、MR3、MR4は、 その検出方向が、図1に各磁気抵抗素子MR1、MR2、MR3、MR4の検出 方向をH1、H2、H3、H4で示すように、相隣接する他の磁気抵抗素子MR 1、MR2、MR3、MR4の検出方向と90度づつずれている。
【0008】 これら各磁気抵抗素子MR1、MR2、MR3、MR4は、図2に示すように 、パッドP1、P2、P3、P4により結合部K1、K2、K3、K4を介して ブリッジ状に接続されており、相対向する結合部K1、K3間には、所定の定電 圧Vが印加されている。各磁気抵抗素子MR1、MR2、MR3、MR4は、一 般に知られているように、磁界が作用することによりその抵抗値が変化し、いま 、各磁気抵抗素子MR1、MR2、MR3、MR4にバラツキがなく、結合部K 1、K3間に定電圧Vが印加された状態で、磁界が作用してその抵抗値が変化す ると、結合部K2と結合部K4には、所定の電位が発生する。すなわち、結合部 K2の電位をV1、結合部K4の電位をV2とすると、結合部K2と結合部K4 との間には、V1−V2の電位差VSが発生する。
【0009】 また、磁気センサ1には、2つのバイアスコイルC1、C2(図3参照)が相 互に直交するとともに、バイアスコイルC1が、磁気抵抗素子MR1、MR3の 磁気検出方向と一致する向きに磁気抵抗素子MR1、MR2、MR3、MR4に 卷回され、バイアスコイルC2が、磁気抵抗素子MR2、MR4の磁気検出方向 と一致する向きに磁気抵抗素子MR1、MR2、MR3、MR4に卷回されてい る。まず、バイアスコイルC1は、流される電流の向きにより図1に矢印B1及 び逆方向の矢印B3で示す方向のバイアス磁界を磁気抵抗素子MR1、MR2、 MR3、MR4に印加する。次に、バイアスコイルC2は、流される電流の向き により図1に矢印B2及び逆方向の矢印B4で示す方向のバイアス磁界を磁気抵 抗素子MR1、MR2、MR3、MR4に印加する。すなわち、バイアスコイル C1により印加されるバイアス磁界B1、B3の方向と各磁気抵抗素子MR1、 MR3の磁気検出方向とが、一致し、バイアスコイルC2により印加されるバイ アス磁界B2、B4の方向と磁気抵抗素子MR2、MR4の磁気検出方向とが一 致している。
【0010】 図3は、上記図1及び図2の磁気センサ1を利用した電子式方位計10のブロ ック構成図であり、電子式方位計10は、素子駆動回路11、磁気抵抗素子部1 2、作動増幅回路13、A/D変換回路14、レジスタ15、バイアスコイルC 1、C2、コイル駆動回路16、波形合成回路17、レジスタ18、CPU19 、表示部20、ROM21及びRAM22等を備えている。
【0011】 磁気抵抗素子部12は、上記ブリッジ状に接続された磁気抵抗素子MR1、M R2、MR3、MR4を総称したものであり、素子駆動回路(磁気センサ駆動手 段)11は、この磁気抵抗素子MR1、MR2、MR3、MR4の形成された磁 気センサ1の結合部K1、K3に印加する所定の定電圧Vを供給する。磁気抵抗 素子部12は、その結合部K2及び結合部K4から検出電圧V1、V2を作動増 幅回路13に出力する。
【0012】 作動増幅回路13は、通常の作動増幅回路であり、磁気抵抗素子部12から入 力される検出電圧V1、V2の電位差VS(V1−V2)を増幅してA/D変換 回路14に出力する。 A/D変換回路14は、電位差VSをディジタル変換し、レジスタ15に出力 する。
【0013】 したがって、上記作動増幅回路13及びA/D変換回路14は、全体として素 子駆動回路11により定電圧の印加されている結合部間(K1−K3間)以外の 相対向する結合部間(K2−K4間)の電位差VSを検出する検出手段として機 能する。
【0014】 一方、バイアスコイル(バイアス磁界用コイル)C1、C2は、上述のように 、磁気抵抗素子MR1、MR2、MR3、MR4にバイアスコイルC1とバイア スコイルC2が互いに直交するとともに、バイアスコイルC1によるバイアス磁 界B1、B3の方向と磁気抵抗素子MR1、MR3の磁気検出方向とが一致し、 バイアスコイルC2によるバイアス磁界B2、B4の方向と磁気抵抗素子MR2 、MR4の磁気検出方向とが一致するように卷回されており、各バイアスコイル C1、C2には、それぞれコイル駆動回路16からバイアス電流I1、I2が供 給される。このバイアス電流I1、I2は、各々電流の向きが反転し、バイアス 電流I1、I2の向きが反転することより、バイアスコイルC1、C2は、それ ぞれ図1に示したように、逆方向のバイアス磁界B1、B3及び逆方向のバイア ス磁界B2、B4を磁気抵抗素子MR1、MR2、MR3、MR4に印加する。 また、バイアス電流I1、I2は、交互に流されるとともに、その向きが反転す る。したがって、図1に示すように、バイアス磁界B1、B2、B3、B4が、 B1→B2→B3→B4の順に発生する。
【0015】 コイル駆動回路16には、波形合成回路17からバイアス電流の向きと導通タ イミング、すなわちバイアス磁界B1、B2、B3、B4の向きを指示する信号 S1、S2、S3、S4が入力され、コイル駆動回路16は、この信号S1、S 2、S3、S4に基づいてバイアス電流I1、I2のバイアスコイルC1、C2 への供給・停止を行ない、また、バイアス電流I1、I2の向きの切り換えを行 なう。したがって、コイル駆動回路16は、磁気センサ1の各バイアスコイルC 1、C2に電流を導通させバイアス磁界を発生させるバイアス磁界用コイル駆動 手段として機能する。
【0016】 波形合成回路17は、前記コイル駆動回路16へ信号S1、S2、S3、S4 を出力するとともに、バイアス磁界B1、B2、B3、B4に対応するRAM2 2の検出データX1、X2、Y1、Y2の格納領域を示す領域信号A1、A0を レジスタ18に出力し、またA/D変換回路14に信号S1、S2、S3、S4 に基づいてA/D変換のタイミングを指示する変換タイミング信号Saを出力す る。これに対して、A/D変換回路14は、A/D変換中であることを示す変換 中信号Sbを波形合成回路17に出力する。さらに、波形合成回路17は、CP U19に対してデータ書換処理の開始を指示する割込み信号INTを出力し、C PU19は、この割込み信号INTに基づいてRAM22のデータの書換処理を 開始する。したがって、波形合成回路17は、バイアス磁界用コイル駆動手段と してのコイル駆動回路16、検出手段としてのA/D変換回路14及び演算手段 としてのCPU19に動作タイミングを指示する制御手段として機能する。
【0017】 前記レジスタ15は、A/D変換回路14からの電位差VSの検出データX1 、X2、Y1、Y2を一時記憶し、CPU19の要求に応じてCPU19に電位 差VSの検出データX1、X2、Y1、Y2を出力する。
【0018】 前記レジスタ18は、波形合成回路17からの領域信号A1、A0を一時記憶 し、CPU19の要求に応じてCPU19に領域信号A1、A0のデータを出力 する。
【0019】 表示部20は、例えば、液晶表示装置等を有し、CPU19から出力される種 々のデータ、例えば、方位データD等を表示出力する。
【0020】 ROM21は、電子式方位計としてのプログラム、例えば、方位演算処理プロ グラムや磁気センサ1の検出した電位差VSの検出データX1、X2、Y1、Y 2の書換処理プログラム等を格納している。
【0021】 RAM22は、図3に示すように領域区分されており、領域X1、X2は、バ イアスコイルC1によりバイアス磁界B1、B3を印加したときの電位差VSの 検出データX1、X2を格納する領域、領域Y1、Y2は、バイアスコイルC2 によりバイアス磁界B2、B4を印加したときの電位差VSの検出データY1、 Y2を格納する領域、領域Xは、バイアスコイルC1によりバイアス磁界B1、 B3を印加したときの測定値の差X(X1−X2)を格納する領域、領域Yは、 バイアスコイルC2によりバイアス磁界B2、B4を印加したときの測定値の差 Y(Y1−Y2)を格納する領域、領域Dは、CPU19が算出した方位データ Dを格納する領域である。
【0022】 CPU19は、ROM21内のプログラムに従って電子式方位計10の各部を 制御し、電位差VSの検出を行なわせるとともに、検出した電位差VSの検出デ ータX1、X2、Y1、Y2から方位Dを算出する。また、CPU19は、この 検出した電位差VSの検出データX1、X2、Y1、Y2や算出した方位DをR AM22に格納するとともに、表示部10に算出した方位Dを表示出力させる。
【0023】 次に、作用を説明する。 電子式方位計10は、その磁気センサ1に磁気抵抗素子MR1、MR2、MR 3、MR4が使用されており、その磁気抵抗素子MR1、MR2、MR3、MR 4がブリッジ状に結合されている。このブリッジ状に結合された磁気抵抗素子M R1、MR2、MR3、MR4の相対向する結合部K1と結合部K3との間に素 子駆動回路11から駆動電圧Vを印加し、磁気センサ1は、磁気抵抗素子MR1 、MR2、MR3、MR4の他の相対向する結合部K2と結合部K4との電位を 検出電位V1、V2として作動増幅回路13に出力する。
【0024】 一方、磁気センサ1には、バイアスコイルC1、C2が相直交するとともに、 各バイアスコイルC1、C2によるバイアス磁界B1、B2、B3、B4の方向 が磁気抵抗素子MR1、MR2、MR3、MR4の磁気検出方向と一致する方向 に卷回されており、バイアスコイルC1、C2には、コイル駆動回路16からそ れぞれバイアス電流I1、I2が供給される。このバイアス電流I1、I2は、 各々電流の向きが反転し、バイアス電流I1、I2の向きが反転することにより 、バイアスコイルC1、C2は、それぞれ図1に示したように、逆方向のバイア ス磁界B1、B3及びバイアス磁界B2、B4を磁気抵抗素子MR1、MR2、 MR3、MR4に印加する。
【0025】 ところで、磁気センサ1に使用されている磁気抵抗素子MR1、MR2、MR 3、MR4は、その基本特性が、図4のように示され、磁界の強さが、正側及び 負側に大きくなるに従って抵抗値が対象的に減少する。したがって、図4に示す ように、地磁気による磁界HEが磁気抵抗素子MR1、MR2、MR3、MR4 に作用したとき、抵抗値の変化だけでは、磁気抵抗素子MR1、MR2、MR3 、MR4の検出方向に対して地磁気による磁界HEの方向が正側であるのか、負 側であるのかを判別することができない。また、この地磁気による磁界HEによ る磁気抵抗素子MR1、MR2、MR3、MR4の抵抗値の変化量が小さいため 、正確な地磁気HEの変化量を検出することができず、方位の算出が不正確とな る。
【0026】 そこで、本実施例では、磁気センサ1にバイアス磁界を印加し、磁気抵抗素子 MR1、MR2、MR3、MR4に対する地磁気による磁界HEの方向の判別を 可能とするとともに、磁界HEによる磁気抵抗素子MR1、MR2、MR3、M R4の抵抗値の変化量を大きくして、検出精度を向上させている。
【0027】 すなわち、相直交する方向に配置されたバイアスコイルC1、C2に、反転す るバイアス電流I1、I2を供給し、各磁気抵抗素子MR1、MR2、MR3、 MR4にバイアス磁界B1、B2、B3、B4を印加している。このバイアス磁 界B1、B2、B3、B4を磁気抵抗素子MR1、MR2、MR3、MR4に印 加すると、図5に示すように、磁気抵抗素子MR1、MR2、MR3、MR4の 特性曲線の変化の大きい位置に検出位置を設定することができるとともに、該特 性曲線上での地磁気による磁界HEの検出方向に対して、負側のバイアス磁界− HBが印加されたときと、正側のバイアス磁界HBが印加されたときとでは、磁気 抵抗素子MR1、MR2、MR3、MR4の抵抗値の変化方向を逆転させること ができ、地磁気による磁界HEの変化を精度よく検出することができるとともに 、地磁気の磁界HEの方向を容易に検出することができる。
【0028】 また、バイアス磁界B1、B2、B3、B4を磁気抵抗素子MR1、MR2、 MR3、MR4の検出方向と一致する方向に印加しているので、バイアスコイル C1、C2により発生するバイアス磁界B1、B2、B3、B4を有効に利用す ることができ、バイアス電流I1、I2を低減することができる。その結果、消 費電力を低減することができる。
【0029】 さらに、磁気抵抗素子MR1、MR2、MR3、MR4は、無限に大きな正側 から無限に大きな負側の磁界が印加された場合、図6に示すように、ヒステリシ ス(なお、図6では、ヒステリシスを分りやすく表示するため、実際のヒステリ シスよりも極端に表示している。)を有しているため、地磁気による磁界HEを 検出しているときには、磁界HEの増加するときと、減少するときとでは、磁気 抵抗素子MR1、MR2、MR3、MR4の異なる特性曲線上を変化することと なり、同じ磁界HEの値であっても異なった抵抗値を示す。その結果、方位の検 出を正確に行なうことができなくなる。
【0030】 そこで、本考案では、上述のように、磁気センサ1にバイアス磁界を印加し、 ヒステリシスによる検出誤差を是正している。
【0031】 すなわち、相直交する方向に配置されたバイアスコイルC1、C2に、反転す るバイアス電流I1、I2を供給し、各磁気抵抗素子MR1、MR2、MR3、 MR4にバイアス磁界B1、B2、B3、B4を印加している。このバイアス磁 界B1、B2、B3、B4が印加されると、ヒステリシスを有した磁気抵抗素子 MR1、MR2、MR3、MR4の特性は、バイアス磁界の方向に対応した特性 曲線上を変化することとなり、バイアス磁界B1、B2、B3、B4の方向に応 じて磁気抵抗素子MR1、MR2、MR3、MR4の同一方向の特性曲線に対応 した検出結果を得ることができる。その結果、ヒステリシスの影響を受けること なく、地磁気による磁界HEの変化を正確に検出することができる。
【0032】 このようにして磁気センサ1で検出した結合部K1の電位V1と結合部K2の 電位V2は、上述のように、作動増幅回路13に出力され、作動増幅回路13は この両電位V1、V1の電位差VSを増幅してA/D変換回路14に出力する。 A/D変換回路14は、作動増幅回路13から入力される電位差VSをディジタ ル変換して、検出データX1、X2、Y1、Y2としてレジスタ15に出力する が、この電位差VSのディジタル変換を、波形合成回路17から入力される変換 タイミング信号Saに基づいて行っている。
【0033】 すなわち、波形合成回路17は、図7に示すように、変換タイミング信号Sa をA/D変換回路14に出力し、A/D変換回路14は、変換タイミング信号S aが入力されると、電位差VSのディジタル変換を開始するとともに、変換中で あることを示す変換中信号Sbを波形合成回路17に出力する。A/D変換回路 14は、ディジタル変換した検出データX1、X2、Y1、Y2をレジスタ15 に出力し、レジスタ15は、入力される検出データX1、X2、Y1、Y2を一 時格納する。波形合成回路17は、A/D変換回路14から変換中信号Sbの入 力が無くなると、図7に示すように、CPU19にデータ書換処理の開始を指示 する割込み信号INTを出力し、CPU19は、割込み信号INTが入力される と、レジスタ15から検出データX1、X2、Y1、Y2を読み取り、データ書 換処理や方位の演算処理を開始する。
【0034】 また、波形合成回路17は、図7に示すように、コイル駆動回路16にバイア ス磁界B1、B2、B3、B4を発生させるための信号S1、S2、S3、S4 を出力し、コイル駆動回路16は、信号S1、S2、S3、S4に基づいてバイ アスコイルC1、C2へのバイアス電流I1、I2の供給・停止及びバイアス電 流I1、I2の向きの切り換えを行なう。そして、上記変換タイミング信号Sa をこの各信号S1、S2、S3、S4の出力期間の中間あたりの安定したときに 出力する。したがって、上述のように、磁気抵抗素子MR1、MR2、MR3、 MR4にバイアス磁界B1、B2、B3、B4が印加される。
【0035】 さらに、波形合成回路17は、バイアス磁界B1、B2、B3、B4への信号 S1、S2、S3、S4の出力タイミング、すなわちバイアス磁界B1、B2、 B3、B4の印加タイミングに応じて、RAM22への検出データX1、X2、 Y1、Y2の格納領域を示す領域信号A1、A0をレジスタ18に出力し、レジ スタ18は、この領域信号A1、A0を一時格納する。レジスタ18に格納され た領域信号A1、A0は、CPU19により読み取られる。この領域信号A1、 A0は、図7に示すように、領域信号A1と領域信号A0との組合わせにより4 つの領域X1、X2、Y1、Y2を指定している。
【0036】 上述のように、CPU19は、波形合成回路17から割込み信号INTが入力 されて、割込みがかかると、図8に示すデータ書換処理を行なう。 すなわち、CPU19は、割込み信号INTにより割込みがかかると、レジス タ18から領域信号A1、A0を読み出し、領域信号A0が「0」かどうかチェ ックする(ステップS1)。領域信号A0が「0」のときには、領域信号A1が 「0」かどうかチェックし(ステップS2)、領域信号A1も「0」のときには 、レジスタ15から読み出した検出データを領域X1に書き込む(ステップS3 )。領域X1に書き込んだ検出データと領域X2に書き込まれている検出データ との差を演算し、領域Xに書き込む(ステップS4)。
【0037】 また、ステップS2で領域信号A1が「0」でないときには、レジスタ15の 検出データを領域X2に書き込み(ステップS5)、この領域X2に書き込んだ 検出データを領域X1に書き込まれている検出データから減算して、その減算結 果を領域Xに書き込む(ステップS4)。
【0038】 さらに、ステップS1で、領域信号A0が「0」でないときには、領域信号A 1が「0」かどうかチェックし(ステップS6)、領域信号A1が「0」のとき には、レジスタ15の検出データを領域Y1に書き込む(ステップS7)。領域 Y1に書き込んだ検出データと領域Y2に書き込まれている検出データとの差を 演算し、領域Yに書き込む(ステップS8)。
【0039】 また、ステップS6で、領域信号A1が「0」でないときには、レジスタ15 の検出データを領域Y2に書き込み(ステップS9)、この領域Y2に書き込ん だ検出データを領域Y1に書き込まれている検出データから減算して、その減算 結果を領域Yに書き込む(ステップS8)。
【0040】 CPU19は、1回割込み信号INTが入力される毎にレジスタ15から1つ の検出データを読み込み、上記RAM22への書換処理を行なう。 上記ステップS4及びステップS8で、検出データX1、X2及び検出データ Y1、Y2の差を演算しているのは、以下の理由による。
【0041】 すなわち、図9に示すように、バイアスコイルC1によりバイアス磁界B1を 印加したときには、磁気抵抗素子MR1、MR3の抵抗値は、方位θに対して実 線r11に示すように変化し、磁気抵抗素子MR2、MR4の抵抗値は、実線r12 に示すように変化する。また、バイアスコイルC1によりバイアス磁界B3を印 加したときには、磁気抵抗素子MR1、MR3の抵抗値は、破線r31で示すよう に変化し、磁気抵抗素子MR2、MR4の抵抗値は、破線r32で示すように変化 する。さらに、バイアスコイルC2によりバイアス磁界B2を印加したときは、 図10に示すように、磁気抵抗素子MR1、MR3の抵抗値は、実線r21で示す ように変化し、磁気抵抗素子MR2、MR4の抵抗値は、実線r42で示すように 変化する。また、バイアスコイルC2によりバイアス磁界B4を印加したときに は、磁気抵抗素子MR1、MR3の抵抗値は、破線r41で示すように変化し、磁 気抵抗素子MR2、MR4の抵抗値は、破線r32で示すように変化する。これら 各磁気抵抗素子MR1、MR2、MR3、MR4の抵抗値の変化によって結合部 K2と結合部K4とに電位V1、V2が発生して、電位差VSが生じる。したが って、バイアスコイルC1によるバイアス磁界B1、B3を印加したときの電位 差VSの検出データX1、X2は、図11に示すように変化し、バイアスコイル C2によるバイアス磁界B2、B4を印加したときの電位差VSの検出データY 1、Y2は、図12に示すように変化する。
【0042】 さらに、CPU19は、図8のステップS4及びステップS8においてバイア スコイルC1によるバイアス磁界B1、B3を印加したときの電位差VSの検出 データX1、X2の差X(X1−X2)及びバイアスコイルC2によるバイアス 磁界B2、B4を印加したときの電位差VSの検出データY1、Y2の差Y(Y 1−Y2)を演算しているが、これは、図11及び図12に示すように、逆方向 にバイアス磁界B1、B2、B3、B4を印加したときの各電位差VSの検出デ ータX1、X2、Y1、Y2自体の値よりも、差X、Yの方が地磁気の変化に対 して出力を大きくすることができ、検出感度を向上させることができるからであ る。さらに、各磁気抵抗素子MR1、MR2、MR3、MR4の抵抗値に誤差が あるときには、各バイアスコイルC1によるバイアス磁界B1、B3を印加した ときの電位差VSの検出データGX1、GX2は、図13に示すように、磁気抵 抗素子MR1、MR2、MR3、MR4の抵抗値に誤差がないときの検出データ X1、X2に対して、ずれるが、抵抗値に誤差があるときの検出データGX1、 GX2の差GX(GX1−GX2)は、抵抗値に誤差がないときの検出データX 1、X2の差X(X1−X2)と同じ値となる。これは、バイアスコイルC2に よるバイアス磁界B2、B4を印加したときの電位差VSの検出データY1、Y 2の差Y(Y1−Y2)についても同様である。したがって、検出データX1、 X2の差X及び検出データY1、Y2の差Yを演算することにより、磁気抵抗素 子MR1、MR2、MR3、MR4の抵抗値の誤差が打ち消され、検出精度を向 上させることができる。
【0043】 上記書換処理が完了すると、CPUは割込み処理から抜け、方位の算出処理や 表示部20への表示出力処理等を行なう。 この方位の算出処理は、図14のフローチャートに従って行なわれる。 すなわち、CPU19は、電位差VSの検出データX1、X2、Y1、Y2を RAM22の各領域X1、X2、Y1、Y2に格納し、検出データX1、X2及 び検出データY1、Y2の差を演算すると、割込み処理から抜け出し、図14に 示す方位の算出処理及び表示処理を行なう。
【0044】 CPU19は、まず、RAM22から差X及び差Yを読み出し、次式により方 位Dを算出する(ステップP1)。 D=tan-1(Y/X)………(1) ところが、tan-1(Y/X)の値は、図15(横軸θは実際に電子式方位計 10が向けられている方位)に示すように、その値だけでは、0度から360度 のどの値であるかが判別しない。そこで、本実施例では、表1に示すように、X 、Yの値の大きさに基づいて方位を判別している。
【0045】 すなわち、図14に示すように、まず、差Xが負かどうかチェックし(ステッ プP2)、差Xが負のときには、表1からも分るように、ステップP1で算出し た方位に180度を加算した値を方位として採用して、RAM22のD領域に格 納する(ステップP3)。このRAM22に格納した方位を表示部20を駆動し て、表示部20に表示出力させる(ステップP4)。また、ステップP2で差X が負でないときには、差Yが負かどうかチェックし(ステップP5)、差Yが負 のときには、表1からも分るように、ステップP1で算出した方位に360度を 加算した値を方位として算出して、RAM22のD領域に格納する(ステップP 6)。この算出した方位を表示部20に表示出力させる(ステップP4)。さら に、ステップP5で、差Yの値が負でないときには、表1からも分るように、ス テップP1で算出した方位をそのまま方位として採用し、RAM22の領域Dに 格納して、その方位Dを表示部20に表示出力させる(ステップP4)。
【表1】
【0046】 このように、磁気センサ1が、少なくとも4個の磁気抵抗素子MR1、MR2 、MR3、MR4と、少なくとも2個のバイアスコイルC1、C2で形成される とともに、4個の磁気抵抗素子MR1、MR2、MR3、MR4が、隣接する磁 気抵抗素子MR1、MR2、MR3、MR4の磁気検出方向が互いに直交する状 態でブリッジ状に結合されており、2個のバイアスコイルC1、C2が、互いに 直交するとともに、その発生するバイアス磁界B1、B2、B3、B4が磁気抵 抗素子MR1、MR2、MR3、MR4の検出方向と一致する状態で前記磁気抵 抗素子に卷回されているので、バイアス磁界B1、B2、B3、B4により磁気 抵抗素子MR1、MR2、MR3、MR4の特性曲線の変化量の大きい領域で検 出することができ、磁気センサ1を小型・安価で、かつ精度の高いものとするこ とができるとともに、バイアスコイルC1、C2の発生するバイアス磁界B1、 B2、B3、B4を有効に利用することができ、バイアス電流を低減して、消費 電力を低減することができる。
【0047】 また、電子式方位計を、この磁気センサ1を利用し、この磁気センサ1の磁気 抵抗素子MR1、MR2、MR3、MR4の結合部K1、K2、K3、K4のう ち相対向する2つの結合部K1、K3間に定電圧Vを印加する。そして、磁気セ ンサ1の各バイアスコイルC1、C2に電流I1、I2を導通させてバイアス磁 界B1、B2、B3、B4を発生させ、前記定電圧Vの印加されている結合部K 1、K3間以外の相対向する結合部K2、K4間の電位差VSを検出する。この 検出した電位差VSから方位を算出し、これらバイアスコイルC1、C2への電 流導通タイミングや検出タイミング及び方位の算出タイミングを調整しているの で、ブリッジ状に接続された磁気抵抗素子に、制御手段により動作タイミングを とって、バイアス磁界を印加し、このバイアス磁界B1、B2、B3、B4の印 加された磁気抵抗素子MR1、MR2、MR3、MR4の結合部K2、K4間の 電位差VSを検出して、方位を算出することができ、磁気抵抗素子MR1、MR 2、MR3、MR4の特性曲線の変化量の大きい領域で検出することができる。 その結果、磁気センサ1を小型・安価で、かつ精度の高いものとすることができ る。
【0048】 さらに、1個のバイアスコイルC1、C2に互いに逆向きの2種類のバイアス 電流I1、I2を導通させ、該1個のバイアスコイルC1、C2により互いに逆 向きの2種類のバイアス磁界B1、B2、B3、B4を発生させているので、磁 気抵抗素子MR1、MR2、MR3、MR4のヒステリシスによる誤差を適切に 是正することができ、検出精度をより一層向上させることができる。
【0049】 なお、上記実施例においては、磁気センサ1を4つの磁気抵抗素子MR1、M R2、MR3、MR4で構成しているが、これに限るものではなく、4つ以上の 磁気抵抗素子MR1、MR2、MR3、MR4を直列あるいは並列にブリッジを 形成するように接続して、構成してもよい。また、本考案の磁気センサや電子式 方位計は、方位計専用装置に限るものではなく、電子腕時計や高度計等に組み込 むこともでき、また、自動車や航空機のナビゲーション装置に適用することもで きる。
【0050】
【考案の効果】
請求項1記載の考案によれば、 磁気センサが、少なくとも4個の磁気抵抗素子と少なくとも2個のバイアス磁 界用コイルとで構成され、各磁気抵抗素子が、隣接する磁気抵抗素子の磁気検出 方向が互いに直交する状態でブリッジ状に結合されているとともに、各バイアス 用コイルが、互いに直交するとともに、前記磁気抵抗素子の磁気検出方向と一致 する方向の磁界を発生する状態で前記磁気抵抗素子に卷回されているので、バイ アス磁界用コイルの発生する磁界を、有効に磁気抵抗素子にバイアス磁界として 作用させることができ、バイアス磁界を発生させるのに必要なバイアス電流を削 減することができる。その結果、消費電力を低減することができる。
【0051】 請求項2記載の考案によれば、 電子式方位計が、磁気センサが、隣接する磁気抵抗素子の磁気検出方向が互い に直交する状態でブリッジ状に結合された少なくとも4個の磁気抵抗素子と、互 いに直交するとともに、前記磁気抵抗素子の磁気検出方向と一致する方向の磁界 を発生する状態で前記磁気抵抗素子に卷回された少なくとも2個のバイアス磁界 用コイルと、を有しており、前記磁気センサの各バイアス磁界用コイルにバイア ス磁界用コイル駆動手段によりバイアス電流を導通させてバイアス磁界を発生さ せる。そして、この磁気センサの磁気抵抗素子の結合部のうち相対向する2つの 結合部間に磁気センサ駆動手段により定電圧を印加し、この磁気センサ駆動手段 により定電圧の印加されている結合部間以外の相対向する結合部間の電位差を検 出手段により検出する。この検出手段が検出した電位差から演算手段により方位 を算出し、前記バイアス磁界用コイル駆動手段と前記検出手段と前記演算手段と に対して制御手段により動作タイミングを指示するので、バイアス磁界を有効に 利用して、バイアス電流を低減することができるとともに、ブリッジ状に接続さ れた磁気抵抗素子に、制御手段により動作タイミングをとって、バイアス磁界を 印加し、このバイアス磁界の方向と検出方向が一致する磁気抵抗素子の結合部間 の電位差を検出して、方位を算出することができ、磁気抵抗素子の特性曲線の変 化量の大きい領域で検出することができる。その結果、消費電力を低減させるこ とができるとともに、磁気センサを小型・安価で、かつ精度の高いものとするこ とができる。
【0052】 請求項3記載の考案によれば、 1個のバイアス磁界用コイルに互いに逆向きの2種類のバイアス電流を導通さ せ、該1個のバイアス磁界用コイルにより互いに逆向きの2種類のバイアス磁界 を発生させているので、磁気抵抗素子のヒステリシスによる誤差及びバイアス磁 界の変動による誤差を適切に是正することができ、検出精度をより一層向上させ ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例に係る磁気センサの構成図。
【図2】図2の磁気センサの回路構成図。
【図3】本考案の一実施例に係る電子式方位計の回路ブ
ロック図。
【図4】バイアス磁界を印加しないときの磁気抵抗素子
の出力特性図。
【図5】バイアス磁界を印加したときの磁気抵抗素子の
出力特性図。
【図6】磁気抵抗素子のヒステリシスの様子を示す図。
【図7】図3の各部の出力信号のタイミング図。
【図8】図3のCPUによる検出データ書込処理を示す
フローチャート。
【図9】バイアスコイルC1によりバイアス磁界B1、
B3を印加したときの各磁気抵抗素子MR1、MR2、
MR3、MR4の抵抗値と方位との関係を示す図。
【図10】バイアスコイルC2によりバイアス磁界B
2、B4を印加したときの各磁気抵抗素子MR1、MR
2、MR3、MR4の抵抗値と方位との関係を示す図。
【図11】バイアスコイルC1によりバイアス磁界B
1、B3を印加したときの検出データX1、X2と方位
との関係を示す図。
【図12】バイアスコイルC2によりバイアス磁界B
2、B4を印加したときの検出データY1、Y2と方位
との関係を示す図。
【図13】磁気抵抗素子MR1、MR2、MR3、MR
4に抵抗値のずれがあるときの誤差を補正する処理の説
明図。
【図14】CPUによる方位算出処理を示すフローチャ
ート。
【図15】arctan-1Y/Xと方位との関係を示す
図。
【符号の説明】
1 磁気センサ MR1、MR2、MR3、MR4 磁気抵抗素子 P1、P2、P3、P4 パッド B1、B2、B3、B4 バイアス磁界 K1、K2、K3、K4 結合部 10 電子式方位計 11 素子駆動回路 12 磁気抵抗素子部 13 差動増幅回路 14 A/D変換回路 15、18 レジスタ 16 コイル駆動回路 17 波形合成回路 19 CPU 20 表示部 21 ROM 22 RAM

Claims (3)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 隣接する磁気抵抗素子の磁気検出方向が
    互いに直交する状態でブリッジ状に結合された少なくと
    も4個の磁気抵抗素子と、 互いに直交するとともに、前記磁気抵抗素子の磁気検出
    方向と一致する方向の磁界を発生する状態で前記磁気抵
    抗素子に卷回された少なくとも2個のバイアス磁界用コ
    イルと、 を備えたことを特徴とする磁気センサ。
  2. 【請求項2】 隣接する磁気抵抗素子の磁気検出方向が
    互いに直交する状態でブリッジ状に結合された少なくと
    も4個の磁気抵抗素子と、 互いに直交するとともに、前記磁気抵抗素子の磁気検出
    方向と一致する方向の磁界を発生する状態で前記磁気抵
    抗素子に卷回された少なくとも2個のバイアス磁界用コ
    イルと、を有した磁気センサと、 前記磁気センサの各バイアス磁界用コイルにバイアス電
    流を導通させバイアス磁界を発生させるバイアス磁界用
    コイル駆動手段と、 前記磁気センサの磁気抵抗素子の結合部のうち相対向す
    る2つの結合部間に定電圧を印加する磁気センサ駆動手
    段と、 前記磁気センサ駆動手段により定電圧の印加されている
    結合部間以外の相対向する結合部間の電位差を検出する
    検出手段と、 前記検出手段が検出した電位差から方位を算出する演算
    手段と、 前記バイアス磁界用コイル駆動手段と前記検出手段と前
    記演算手段とに対して動作タイミングを指示する制御手
    段と、 を備えたことを特徴とする電子式方位計。
  3. 【請求項3】 前記バイアス磁界用コイル駆動手段が、
    前記1個のバイアス磁界用コイルに対して互いに逆向き
    の2種類のバイアス電流を導通させ、該1個のバイアス
    磁界用コイルにより互いに逆向きの2種類のバイアス磁
    界を発生させることを特徴とする請求項2記載の電子方
    位計。
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