JP3316690B2 - 電子式方位計 - Google Patents

電子式方位計

Info

Publication number
JP3316690B2
JP3316690B2 JP8467792A JP8467792A JP3316690B2 JP 3316690 B2 JP3316690 B2 JP 3316690B2 JP 8467792 A JP8467792 A JP 8467792A JP 8467792 A JP8467792 A JP 8467792A JP 3316690 B2 JP3316690 B2 JP 3316690B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
difference
bias
magnetic field
magnetic
azimuth
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP8467792A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH05248869A (ja
Inventor
浩幸 中鉢
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Casio Computer Co Ltd
Original Assignee
Casio Computer Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Casio Computer Co Ltd filed Critical Casio Computer Co Ltd
Priority to JP8467792A priority Critical patent/JP3316690B2/ja
Publication of JPH05248869A publication Critical patent/JPH05248869A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3316690B2 publication Critical patent/JP3316690B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Geophysics And Detection Of Objects (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子式方位計に関し、詳
細には、磁気センサに時分割で磁気検出を行なわせると
ともに、検出磁界の大きさに基づいて方位の演算を制御
して正確な方位を算出する電子式方位計に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子式方位計としては、種々のも
のが提案されているが、従来の電子式方位計において
は、一般に、その磁気検出素子としてホール素子や強磁
性体等が利用されている。このようなホール素子や強磁
性体等を磁気検出素子として利用した電子式方位計にお
いては、その磁気検出方向が互いに直交するように磁気
検出素子を配置し、常時、磁気検出素子を駆動させて、
各磁気検出素子の出力をsin波及びcos波で変調し
た後、合成した波形の位相から方位を算出している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の電子式方位計にあっては、その磁気検出方向
が互いに直交するように磁気検出素子を配置し、常時、
磁気検出素子を駆動させて、各磁気検出素子の出力をs
in波及びcos波で変調した後、合成した波形の位相
から方位を算出していたため、消費電力が大きいという
問題があった。そこで、本発明は、磁気を検出する磁気
検出素子を有する磁気センサを互いに異なる複数の磁気
検出方向毎に時分割で駆動するとともに、磁気センサの
出力する最新の磁気強度信号と前回の磁気強度信号の差
が所定値を超えると、該磁気強度信号に基づいた方位の
演算を中止することにより、消費電力を削減するととも
に、正確な方位を算出することのできる電子式方位計を
提供することを目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、隣接する磁気抵抗素子の磁気検出方向が
互いに直交する状態でブリッジ状に結合された少なくと
も4個の磁気抵抗素子と、互いに直交する状態で前記磁
気抵抗素子に卷回された少なくとも2個のバイアス磁界
用コイルと、を有した磁気センサと、前記磁気センサ
磁気抵抗素子の結合部のうち相対向する2つの結合部間
に定電圧を印加する磁気センサ駆動手段と、前記磁気セ
ンサの各バイアス磁界用コイルそれぞれに対して、互い
に逆向きの電流を順次導通させバイアス磁界を発生させ
るバイアス磁界用コイル駆動手段と、 前記磁気センサ駆
動手段により定電圧の印加されている結合部間以外の相
対向する結合部間の電位差を検出する検出手段と、 前記
複数のバイアス磁界用コイルの内、第1のバイアス磁界
用コイルに対して、一方向および逆方向の電流を導通さ
せた時それぞれの、前記磁気抵抗素子の結合部間以外の
相対向する結合部間の電位差の差を第1の差として、前
回および今回の第1の差を記憶する第1記憶手段と、
記複数のバイアス磁界用コイルの内、第2のバイアス磁
界用コイルに対して、一方向および逆方向の電流を導通
させた時それぞれの、前記磁気抵抗素子の結合部間以外
の相対向する結合部間の電位差の差を第2の差として、
前回および今回の第2の差を記憶する第2記憶手段と、
前記第1記憶手段に記憶されている前回の第1の差と今
回の第1の差との差が所定値より小さく、且つ、前記第
2記憶手段に記憶されている前回の第2の差と今回の第
2の差との差が所定値より小さい場合に、前記検出手段
によって検出された電位差に基づいて方位を演算する
算手段と、前記バイアス磁界用コイル駆動手段と、前記
検出手段と、前記演算手段とに対して動作タイミング
を指示する制御手段と、前記演算手段により演算された
方位を記憶する方位記憶手段と、 前記方位記憶手段に記
憶されている方位データを表示する表示手段と、を備え
たことを特徴としている。
【0005】
【作用】本発明によれば、磁気センサは、隣接する磁気
抵抗素子の磁気検出方向が互いに直交する状態でブリッ
ジ状に結合された少なくとも4個の磁気抵抗素子と、互
いに直交する状態で前記磁気抵抗素子に卷回された少な
くとも2個のバイアス磁界用コイルと、を有しており、
この磁気センサの磁気抵抗素子の結合部のうち相対向す
る2つの結合部間に磁気センサ駆動手段により定電圧を
印加する。そして、磁気センサの各バイアス磁界用コイ
ルそれぞれに対して、バイアス磁界用コイル駆動手段に
より互いに逆向きの電流を順次導通させてバイアス磁界
を発生させ、磁気センサ駆動手段により定電圧の印加さ
れている結合部間以外の相対向する結合部間の電位差を
検出手段により検出する。検出された電位差において、
第1記憶手段には、複数のバイアス磁界用コイルの内、
第1のバイアス磁界用コイルに対して、一方向および逆
方向の電流を導通させた時それぞれの、磁気抵抗素子の
結合部間以外の相対向する結合部間の電位差の差を第1
の差として、前回および今回の第1の差を記憶し、第2
記憶手段には、複数のバイアス磁界用コイルの内、第2
のバイアス磁界用コイルに対して、一方向および逆方向
の電流を導通させた時それぞれの、磁気抵抗素子の結合
部間以外の相対向する結合部間の電位差の差を第2の差
として、前回および今回の第2の差を記憶する。そし
て、第1記憶手段に記憶されている前回の第1の差と今
回の第1の差との差が所定値より小さく、且つ、前記第
2記憶手段に記憶されている前回の第2の差と今回の第
2の差との差が所定値より小さい場合に、検出手段によ
って検出された電位差に基づいて演算手段により方位を
算出し、方位記憶手段により該方位を記憶し、表示手段
により該方位記憶手段に記憶された方位データを表示す
る。また、前記バイアス磁界用コイル駆動手段と、前記
検出手段と、前記演算手段とに対して制御手段により
動作タイミングを指示する。したがって、磁気検出信号
が所定の大きさよりも大きいときには、方位の算出を中
止しているので、正確な方位を算出することできる。
【0006】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説
明する。図1〜図15は、本発明に係る電子式方位計の
一実施例を示す図である。図1は、磁気センサ1の平面
図であり、磁気センサ1は、ガラスあるいはアルミナで
形成された基板2上に4個の磁気抵抗素子MR1、MR
2、MR3、MR4及び4個のパッドP1、P2、P
3、P4が形成されている。この磁気抵抗素子MR1、
MR2、MR3、MR4は、基板2上にパーマロイ等の
強磁性体を真空蒸着することにより形成されており、パ
ッドP1、P2、P3、P4は、基板2上に通常の配線
用材料を真空蒸着することにより形成されている。この
磁気抵抗素子MR1、MR2、MR3、MR4は、各検
出方向がそれぞれ相隣接する他の磁気抵抗素子MR1、
MR2、MR3、MR4の各検出方向と互いに90度角
度が異なるよう結合されており、また、基板2上に付け
られた北の検出方向を示す矢印Nに対して、各検出方向
が45度の傾きをもつよう形成されている。すなわち、
磁気センサ1は、磁気検出方向の異なる複数(実施例で
は、4つ)の磁気抵抗素子MR1、MR2、MR3、M
R4を有している。
【0007】これら各磁気抵抗素子MR1、MR2、M
R3、MR4は、図2に示すように、パッドP1、P
2、P3、P4により結合部K1、K2、K3、K4を
介してブリッジ状に接続されており、相対向する結合部
K1、K3間には、所定の電圧Vが印加されている。各
磁気抵抗素子MR1、MR2、MR3、MR4は、一般
に知られているように、磁界が作用することによりその
抵抗値が変化し、いま、結合部K1、K2間に所定電圧
Vが印加されることにより、磁界が作用してその抵抗値
が変化すると、結合部K2と結合部K4には、所定の電
位が発生する。すなわち、結合部K2の電位をV1、結
合部K4の電位をV2とすると、結合部K2と結合部K
4との間には、V1−V2の電位差VSが発生する。
【0008】また、磁気センサ1には、2つのバイアス
コイルC1、C2(図3参照)が相互に直交するように
磁気抵抗素子MR1、MR2、MR3、MR4に卷回さ
れている。まず、バイアスコイルC1は、流される電流
の向きにより図1に矢印B1及び逆方向の矢印B3で示
す方向のバイアス磁界を磁気抵抗素子MR1、MR2、
MR3、MR4に印加する。次に、バイアスコイルC2
は、流される電流の向きにより図1に矢印B2及び逆方
向の矢印B4で示す方向のバイアス磁界を磁気抵抗素子
MR1、MR2、MR3、MR4に印加する。すなわ
ち、バイアスコイルC1、C2により印加されるバイア
ス磁界の方向B1、B2、B3、B4と各磁気抵抗素子
MR1、MR2、MR3、MR4の検出方向とは、それ
ぞれ45度ずれている。
【0009】したがって、磁気センサ1は、作用する磁
界の強さに対応した磁気強度信号として、電位V1、V
2を出力する。
【0010】図3は、上記図1及び図2の磁気センサ1
を利用した電子式方位計10のブロック構成図であり、
電子式方位計10は、素子駆動回路11、磁気抵抗素子
部12、作動増幅回路13、A/D変換回路14、レジ
スタ15、バイアスコイルC1、C2、コイル駆動回路
16、波形合成回路17、レジスタ18、CPU19、
表示部20、ROM21及びRAM22等を備えてい
る。
【0011】磁気抵抗素子部12は、上記ブリッジ状に
接続された磁気抵抗素子MR1、MR2、MR3、MR
4を総称したものであり、素子駆動回路(磁気センサ駆
動手段)11は、この磁気抵抗素子MR1、MR2、M
R3、MR4の形成された磁気センサ1の結合部K1に
印加する所定電圧Vを供給する。磁気抵抗素子部12
は、その結合部K2及び結合部K4から検出電圧V1、
V2を作動増幅回路13に出力する。
【0012】作動増幅回路13は、通常の作動増幅回路
であり、磁気抵抗素子部12から入力される検出電圧V
1、V2の電位差VS(V1−V2)を増幅してA/D
変換回路14に出力する。
【0013】A/D変換回路14は、電位差VSをディ
ジタル変換し、レジスタ15に出力する。
【0014】一方、バイアスコイルC1、C2は、上述
のように、磁気抵抗素子MR1、MR2、MR3、MR
4にバイアスコイルC1とバイアスコイルC2が互いに
直交するように卷回されており、各バイアスコイルC
1、C2には、それぞれコイル駆動回路16からバイア
ス電流I1、I2が供給される。このバイアス電流I
1、I2は、各々電流の向きが反転し、バイアス電流I
1、I2の向きが反転することより、バイアスコイルC
1、C2は、それぞれ図1に示したように、逆方向のバ
イアス磁界B1、B3及びバイアス磁界B2、B4を磁
気抵抗素子MR1、MR2、MR3、MR4に印加す
る。また、バイアス電流I1、I2は、交互に流される
とともに、その向きが反転する。したがって、図1に示
すように、バイアス磁界B1、B2、B3、B4が、B
1→B2→B3→B4の順に発生する。
【0015】コイル駆動回路16には、波形合成回路1
7からバイアス電流の向きと導通タイミング、すなわち
バイアス磁界B1、B2、B3、B4の向きを指示する
信号S1、S2、S3、S4が入力され、コイル駆動回
路16は、この信号S1、S2、S3、S4に基づいて
バイアス電流I1、I2のバイアスコイルC1、C2へ
の供給・停止を行ない、また、バイアス電流I1、I2
の向きの切り換えを行なう。
【0016】波形合成回路17は、前記コイル駆動回路
16へ信号S1、S2、S3、S4を出力するととも
に、バイアス磁界B1、B2、B3、B4に対応するR
AM22の検出データX1、X2、Y1、Y2の格納領
域を示す領域信号A1、A0をレジスタ18に出力し、
またA/D変換回路14に信号S1、S2、S3、S4
に基づいてA/D変換のタイミングを指示する変換タイ
ミング信号Saを出力する。これに対して、A/D変換
回路14は、A/D変換中であることを示す変換中信号
Sbを波形合成回路17に出力する。さらに、波形合成
回路17は、CPU19に対してデータ書換処理の開始
を指示する割込み信号INTを出力し、CPU19は、
この割込み信号INTに基づいてRAM22のデータの
書換処理を開始する。したがって、波形合成回路17
は、バイアス磁界用コイル駆動手段としてのコイル駆動
回路16、検出手段としてのA/D変換回路14及び演
算手段としてのCPU19に動作タイミングを指示する
制御手段として機能する。その結果、磁気センサ1は、
作用する磁界の強さに対応した磁気強度信号である電位
V1、V2を時分割で磁気検出方向毎に出力し、後述す
るように、この動作タイミングを適宜設定することによ
り、良好な検出精度を保った状態で、消費電力を低減す
ることができる。
【0017】前記レジスタ15は、A/D変換回路14
からの電位差VSの検出データX1、X2、Y1、Y2
を一時記憶し、CPU19の要求に応じてCPU19に
電位差VSの検出データX1、X2、Y1、Y2を出力
する。
【0018】前記レジスタ18は、波形合成回路17か
らの領域信号A1、A0を一時記憶し、CPU19の要
求に応じてCPU19に領域信号A1、A0のデータを
出力する。
【0019】表示部20は、例えば、液晶表示装置等を
有し、CPU19から出力される種々のデータ、例え
ば、方位データD等を表示出力する。
【0020】ROM21は、電子式方位計としてのプロ
グラム、例えば、方位演算処理プログラムや磁気センサ
1の検出した電位差VSの検出データX1、X2、Y
1、Y2の書換処理プログラム等を格納している。
【0021】RAM22は、図3に示すように領域D、
領域X、領域X0、領域Y、領域Y0、領域X1、領域
X2、領域Y1及び領域Y2に区分されており、領域X
1、X2は、バイアスコイルC1によりバイアス磁界B
1、B3を印加したときの電位差VSの検出データX
1、X2を格納する領域、領域Y1、Y2は、バイアス
コイルC2によりバイアス磁界B2、B4を印加したと
きの電位差VSの検出データY1、Y2を格納する領
域、領域Xは、今回バイアスコイルC1によりバイアス
磁界B1、B3を印加したときの測定値の差データX
(X1−X2)を格納する領域、領域X0は、前回の差
データX(旧差データX0)を格納する領域、領域Y
は、今回バイアスコイルC2によりバイアス磁界B2、
B4を印加したときの測定値の差データY(Y1−Y
2)を格納する領域、領域Y0は、前回の差データY
(旧差データY0)を格納する領域、領域Dは、CPU
19が算出した方位データDを格納する領域である。
【0022】CPU19は、ROM21内のプログラム
に従って電子式方位計10の各部を制御し、電位差VS
の検出を行なわせるとともに、検出した電位差VSの検
出データX1、X2、Y1、Y2から差データX及び差
データYを算出するとともに、この差データX及び差デ
ータYに基づいて方位Dを算出する。CPU19は、こ
の検出した電位差VSの検出データX1、X2、Y1、
Y2、差データX、Yや旧差データX0、Y0及び算出
した方位データDをRAM22に格納するとともに、表
示部10に算出した方位を表示出力させる。
【0023】次に、作用を説明する。電子式方位計10
は、その磁気センサ1に磁気抵抗素子MR1、MR2、
MR3、MR4が使用されており、その磁気抵抗素子M
R1、MR2、MR3、MR4がブリッジ状に結合され
ている。このブリッジ状に結合された磁気抵抗素子MR
1、MR2、MR3、MR4の相対向する結合部K1と
結合部K3との間に素子駆動回路11から駆動電圧Vを
印加し、磁気センサ1は、磁気抵抗素子MR1、MR
2、MR3、MR4の他の相対向する結合部K2と結合
部K4との電位を検出電位V1、V2として作動増幅回
路13に出力する。
【0024】一方、磁気センサ1には、バイアスコイル
C1、C2が相直交する方向に卷回されており、バイア
スコイルC1、C2には、コイル駆動回路16からそれ
ぞれバイアス電流I1、I2が供給される。このバイア
ス電流I1、I2は、各々電流の向きが反転し、バイア
ス電流I1、I2の向きが反転することにより、バイア
スコイルC1、C2は、それぞれ図1に示したように、
逆方向のバイアス磁界B1、B3及びバイアス磁界B
2、B4を磁気抵抗素子MR1、MR2、MR3、MR
4に印加する。したがって、磁気センサ1は、磁気検出
方向毎に時分割で地磁気を検出して、磁気強度信号とし
て電位V1、V2を出力する。
【0025】ところで、磁気センサ1に使用されている
磁気抵抗素子MR1、MR2、MR3、MR4は、その
基本特性が、図4のように示され、磁界の強さが、正側
及び負側に大きくなるに従って抵抗値が対象的に減少す
る。したがって、図4に示すように、地磁気による磁界
HEが磁気抵抗素子MR1、MR2、MR3、MR4に
作用したとき、抵抗値の変化だけでは、磁気抵抗素子M
R1、MR2、MR3、MR4の検出方向に対して地磁
気による磁界HEの方向が正側であるのか、負側である
のかを判別することができない。また、この地磁気によ
る磁界HEによる磁気抵抗素子MR1、MR2、MR
3、MR4の抵抗値の変化量が小さいため、正確な地磁
気HEの変化量を検出することができず、方位の算出が
不正確となる。
【0026】そこで、本実施例では、磁気センサ1にバ
イアス磁界B1、B2、B3、B4を印加し、磁気抵抗
素子MR1、MR2、MR3、MR4に対する地磁気に
よる磁界HEの方向の判別を可能とするとともに、磁界
HEによる磁気抵抗素子MR1、MR2、MR3、MR
4の抵抗値の変化量を大きくして、検出精度を向上させ
ている。
【0027】すなわち、相直交する方向に配置されたバ
イアスコイルC1、C2に、反転するバイアス電流I
1、I2を供給し、各磁気抵抗素子MR1、MR2、M
R3、MR4にバイアス磁界B1、B2、B3、B4を
印加している。このバイアス磁界B1、B2、B3、B
4を磁気抵抗素子MR1、MR2、MR3、MR4に印
加すると、図5に示すように、磁気抵抗素子MR1、M
R2、MR3、MR4の特性曲線の変化の大きい位置に
検出位置を設定することができるとともに、該特性曲線
上での地磁気による磁界HEの検出方向に対して、負側
のバイアス磁界−HBが印加されたときと、正側のバイ
アス磁界HBが印加されたときとでは、磁気抵抗素子M
R1、MR2、MR3、MR4の抵抗値の変化方向を逆
転させることができ、地磁気による磁界HEの変化を精
度よく検出することができるとともに、地磁気の磁界H
Eの方向を容易に検出することができる。
【0028】また、磁気抵抗素子MR1、MR2、MR
3、MR4は、無限に大きな正側から無限に大きな負側
の磁界が印加された場合、図6に示すように、ヒステリ
シス(なお、図6では、ヒステリシスを分りやすく表示
するため、実際のヒステリシスよりも極端に表示してい
る。)を有しているため、地磁気による磁界HEを検出
しているときには、磁界HEの増加するときと、減少す
るときとでは、磁気抵抗素子MR1、MR2、MR3、
MR4の異なる特性曲線上を変化することとなり、同じ
磁界HEの値であっても異なった抵抗値を示す。その結
果、方位の検出を正確に行なうことができなくなる。
【0029】そこで、本発明では、上述のように、磁気
センサ1にバイアス磁界B1、B2、B3、B4を印加
し、ヒステリシスによる検出誤差を是正している。
【0030】すなわち、相直交する方向に配置されたバ
イアスコイルC1、C2に、反転するバイアス電流I
1、I2を供給し、各磁気抵抗素子MR1、MR2、M
R3、MR4にバイアス磁界B1、B2、B3、B4を
印加している。このバイアス磁界B1、B2、B3、B
4が印加されると、ヒステリシスを有した磁気抵抗素子
MR1、MR2、MR3、MR4の特性は、バイアス磁
界B1、B2、B3、B4の方向に対応した特性曲線上
を変化することとなり、バイアス磁界B1、B2、B
3、B4の方向に応じて磁気抵抗素子MR1、MR2、
MR3、MR4の同一方向の特性曲線に対応した検出結
果を得ることができる。その結果、ヒステリシスの影響
を受けることなく、地磁気による磁界HEの変化を正確
に検出することができる。
【0031】また、このバイアス磁界B1、B2、B
3、B4を時分割で方向を変えて印加することにより、
磁気検出に必要な電力を低減することができる。特に、
時分割で印加するバイアス磁界B1、B2、B3、B4
の印加間隔を開けるほど、消費電力を低減することがで
きる。
【0032】このようにして磁気センサ1で検出した結
合部K1の電位V1と結合部K2の電位V2は、上述の
ように、作動増幅回路13に出力され、作動増幅回路1
3はこの両電位V1、V1の電位差VSを増幅してA/
D変換回路14に出力する。A/D変換回路14は、作
動増幅回路13から入力される電位差VSをディジタル
変換して、検出データX1、X2、Y1、Y2としてレ
ジスタ15に出力するが、この電位差VSのディジタル
変換を、波形合成回路17から入力される変換タイミン
グ信号Saに基づいて行っている。
【0033】すなわち、波形合成回路17は、図7に示
すように、変換タイミング信号SaをA/D変換回路1
4に出力し、A/D変換回路14は、変換タイミング信
号Saが入力されると、電位差VSのディジタル変換を
開始するとともに、変換中であることを示す変換中信号
Sbを波形合成回路17に出力する。A/D変換回路1
4は、ディジタル変換した検出データX1、X2、Y
1、Y2をレジスタ15に出力し、レジスタ15は、入
力される検出データX1、X2、Y1、Y2を一時格納
する。波形合成回路17は、A/D変換回路14から変
換中信号Sbの入力が無くなると、図7に示すように、
CPU19にデータ書換処理の開始を指示する割込み信
号INTを出力し、CPU19は、割込み信号INTが
入力されると、レジスタ15から検出データX1、X
2、Y1、Y2を読み取り、データ書換処理や方位の演
算処理を開始する。
【0034】また、波形合成回路17は、図7に示すよ
うに、コイル駆動回路16にバイアス磁界B1、B2、
B3、B4を発生させるための信号S1、S2、S3、
S4を出力し、コイル駆動回路16は、信号S1、S
2、S3、S4に基づいてバイアスコイルC1、C2へ
のバイアス電流I1、I2の供給・停止及びバイアス電
流I1、I2の向きの切り換えを行なう。そして、上記
変換タイミング信号Saをこの各信号S1、S2、S
3、S4の出力期間の中間あたりの安定したときに出力
する。したがって、上述のように、磁気抵抗素子MR
1、MR2、MR3、MR4にバイアス磁界B1、B
2、B3、B4が印加される。
【0035】さらに、波形合成回路17は、バイアス磁
界B1、B2、B3、B4への信号S1、S2、S3、
S4の出力タイミング、すなわちバイアス磁界B1、B
2、B3、B4の印加タイミングに応じて、RAM22
への検出データX1、X2、Y1、Y2の格納領域を示
す領域信号A1、A0をレジスタ18に出力し、レジス
タ18は、この領域信号A1、A0を一時格納する。レ
ジスタ18に格納された領域信号A1、A0は、CPU
19により読み取られる。この領域信号A1、A0は、
図7に示すように、領域信号A1と領域信号A0との組
合わせにより4つの領域X1、X2、Y1、Y2を指定
している。
【0036】上述のように、CPU19は、波形合成回
路17から割込み信号INTが入力されて、割込みがか
かると、図8に示すデータ書換処理を行なう。
【0037】すなわち、CPU19は、割込み信号IN
Tにより割込みがかかると、レジスタ18から領域信号
A1、A0を読み出し、領域信号A0が「0」かどうか
チェックする(ステップS1)。領域信号A0が「0」
のときには、領域信号A1が「0」かどうかチェックし
(ステップS2)、領域信号A1も「0」のときには、
レジスタ15から読み出した検出データを領域X1に書
き込む(ステップS3)。また、ステップS2で領域信
号A1が「0」でないときには、レジスタ15の検出デ
ータを領域X2に書き込む(ステップS4)。
【0038】次に、RAM22の領域Xに格納されてい
る前回の差データXを旧差データX0として領域X0に
書き込んだ後(ステップS5)、領域X1の検出データ
と領域X2の検出データとの差データX(X=X1−X
2)を演算し、領域Xに書き込む(ステップS6)。
【0039】さらに、ステップS1で、領域信号A0が
「0」でないときには、領域信号A1が「0」かどうか
チェックし(ステップS7)、領域信号A1が「0」の
ときには、レジスタ15の検出データを領域T1に書き
込む(ステップS8)。また、ステップS7で、領域信
号A1が「0」でないときには、レジスタ15の検出デ
ータを領域Y2に書き込み(ステップS9)。
【0040】次に、RAM22の領域Yに格納されてい
る前回の差データYを旧差データY0として領域Y0に
書き込んだ後(ステップS10)、領域Y1の検出デー
タY1と領域X2の検出データY2との差データY(Y
=Y1−Y2)を演算し、領域Yに書き込む(ステップ
S11)。
【0041】CPU19は、1回割込み信号INTが入
力される毎にレジスタ15から1つの検出データを読み
込み、上記RAM22への書換処理を行なう。
【0042】上記ステップS5及びステップS10で、
前回の差データX、Yを旧差データX0、Y0としてR
AM22の領域X0、Y0に格納しているのは、後述す
るように、この旧差データX0、Y0と今回の差データ
X、Yに基づいて磁気センサ1の方向が急変したかどう
かチェックし、方位の算出処理を行なうかどうか判別す
るためである。
【0043】上記ステップS6及びステップS11で、
検出データX1、X2及び検出データY1、Y2の差を
演算しているのは、以下の理由による。
【0044】すなわち、図9に示すように、バイアスコ
イルC1によりバイアス磁界B1を印加したときには、
磁気抵抗素子MR1、MR3の抵抗値は、実線r11に示
すように変化し、磁気抵抗素子MR2、MR4の抵抗値
は、実線r12に示すように変化する。また、バイアスコ
イルC1によりバイアス磁界B3を印加したときには、
磁気抵抗素子MR1、MR3の抵抗値は、破線r31で示
すように変化し、磁気抵抗素子MR2、MR4の抵抗値
は、破線r32で示すように変化する。さらに、バイアス
コイルC2によりバイアス磁界B2を印加したときは、
図10に示すように、磁気抵抗素子MR1、MR3の抵
抗値は、実線r21で示すように変化し、磁気抵抗素子M
R2、MR4の抵抗値は、実線r22で示すように変化す
る。また、バイアスコイルC2によりバイアス磁界B4
を印加したときには、磁気抵抗素子MR1、MR3の抵
抗値は、破線r41で示すように変化し、磁気抵抗素子M
R2、MR4の抵抗値は、破線r42で示すように変化す
る。これら各磁気抵抗素子MR1、MR2、MR3、M
R4の抵抗値の変化によって結合部K2と結合部K4と
に電位V1、V2が発生して、電位差VSが生じる。し
たがって、バイアスコイルC1によるバイアス磁界B
1、B3を印加したときの電位差VSの検出データX
1、X22は、図11に示すように変化し、バイアスコ
イルC2によるバイアス磁界B2、B4を印加したとき
の電位差VSの検出データY1、Y2は、図12に示す
ように変化する。
【0045】さらに、CPU19は、図8のステップS
6及びステップS11においてバイアスコイルC1によ
るバイアス磁界B1、B3を印加したときの電位差VS
の検出データX1、X2の差データX(X1−X2)及
びバイアスコイルC2によるバイアス磁界B2、B4を
印加したときの電位差VSの検出データY1、Y2の差
データY(Y1−Y2)を演算しているが、これは、図
11及び図12に示すように、逆方向にバイアス磁界B
1、B2、B3、B4を印加したときの各電位差VSの
検出データX1、X2、Y1、Y2自体の値よりも、差
データX、Yの方が地磁気の変化に対して出力を大きく
することができ、検出感度を向上させることができるか
らである。さらに、各磁気抵抗素子MR1、MR2、M
R3、MR4の抵抗値に誤差があるときには、各バイア
スコイルC1によるバイアス磁界B1、B3を印加した
ときの電位差VSの検出データGX1、GX2は、図1
3に示すように、磁気抵抗素子MR1、MR2、MR
3、MR4の抵抗値に誤差がないときの検出データX
1、X2に対して、ずれるが、抵抗値に誤差があるとき
の検出データGX1、GX2の差GX(GX1−GX
2)は、抵抗値に誤差がないときの検出データX1、X
2の差データX(X1−X2)と同じ値となる。これ
は、バイアスコイルC2によるバイアス磁界B2、B4
を印加したときの電位差VSの検出データY1、Y2の
差データY(Y1−Y2)についても同様である。した
がって、検出データX1、X2の差データX及び検出デ
ータY1、Y2の差データYを演算することにより、磁
気抵抗素子MR1、MR2、MR3、MR4の抵抗値の
誤差が打ち消され、検出精度を向上させることができ
る。
【0046】上記書換処理が完了すると、CPUは割込
み処理から抜け、方位の算出処理や表示部20への表示
出力処理等を行なう。
【0047】この方位の算出処理は、図14のフローチ
ャートに従って行なわれる。すなわち、CPU19は、
この電子式方位計10に電源が投入されると、この図1
4のフローをスタートする。そして、INT信号を受け
取ると、電位差VSの検出データX1、X2、Y1、Y
2をRAM22の各領域X1、X2、Y1、Y2に格納
し、前回算出した差データX、Yを旧差データX0、Y
0として領域X0、Y0に格納するとともに、検出デー
タX1、X2及び検出データY1、Y2の差データX、
Yを演算して領域X、Yに格納すると、割込み処理から
抜け出し、図14に示す方位の算出処理及び表示処理を
行なう。
【0048】CPU19は、まず、RAM22から差デ
ータX、Y及び旧差データX0、Y0を読み出し、旧差
データX0と差データXとの差の絶対値(|X0−X
|)が予め設定された所定値ΔXより小さいかどうか、
また旧差データY0と差データYとの差の絶対値(|Y
0−Y|)があらかじめ設定された所定値ΔYより小さ
いかどうかチェックする(ステップP1、P2)。上記
差の絶対値が所定値より小さくないときには、センサー
の方向が急変したと判断し、以後の方位の演算処理を行
なう。したがって、磁気センサ1の各磁気抵抗素子MR
1、MR2、MR3、MR4の磁気検出方向毎に時分割
で検出データX1、X2、Y1、Y2を検出する場合に
おいても、磁気センサ1の方向が急変した場合には、方
位の算出を行なわず、表示部20の表示内容をそのまま
表示出力することができる。その結果、時分割で検出し
た場合の方位算出の誤差を是正することができ、方位の
算出精度を向上させることができる。なお、上記所定値
ΔX及びΔYは、静止時の出力変動の影響を受けない範
囲で、小さくすることが望ましい。
【0049】ステップP1で、差の絶対値(|X0−X
|)が所定値よりも小さく、かつステップP2で差の絶
対値(|Y0−Y|)が所定値よりも小さいときには、
磁気センサ1の方向が急変していないと判断し、RAM
22から差データX及び差データYを読み出し、次式に
より方位Dを算出する(ステップP3)。 D=tan-1(Y/X)………(1) ところが、tan-1(Y/X)の値は、図15に示すよ
うに、その値だけでは、0度から360度のどの値であ
るかが判別しない。そこで、本実施例では、表1に示す
ように、X、Yの値の大きさに基づいて方位を判別して
いる。
【0050】すなわち、図14に示すように、まず、差
データXが負かどうかチェックし(ステップP4)、差
データXが負のときには、表1からも分るように、ステ
ップP3で算出した方位に180度を加算した値を方位
として採用して、RAM22のD領域に格納する(ステ
ップP5)。このRAM22に格納した方位を表示部2
0を駆動して、表示部20に表示出力させる(ステップ
P6)。また、ステップP4で差データXが負でないと
きには、差データYが負かどうかチェックし(ステップ
P7)、差データYが負のときには、表1からも分るよ
うに、ステップP3で算出した方位に360度を加算し
た値を方位として算出して、RAM22のD領域に格納
する(ステップP8)。この算出した方位を表示部20
に表示出力させる(ステップP6)。さらに、ステップ
P7で、差データYの値が負でないときには、表1から
も分るように、ステップP3で算出した方位をそのまま
方位として採用し、RAM22の領域Dに格納して、そ
の方位Dを表示部20に表示出力させる(ステップP
6)。
【表1】
【0051】このように、磁気センサ1の磁気抵抗素子
MR1、MR2、MR3、MR4が、作用する磁気の強
さに対応した磁気強度信号としての電位差VSを時分割
で磁気検出方向毎に出力し、この磁気センサ1の出力す
る電位差VSに基づいてCPU19が方位の演算を行な
うとともに、検出データX1、X2、Y1、Y2の差デ
ータX、Yの大きさを各磁気検出方向毎に判別して、該
差データX、Yの前回の値との変化量、すなわち、Xと
X0との差の絶対値(|X0−X|)あるいはYとY0
との差の絶対値(|Y0−Y|)が所定値ΔX、ΔYを
超えていると、方位の演算を中止するので、時分割で磁
気センサ1を駆動することができ、消費電力を低減する
ことができるとともに、時分割で検出しても、正確な方
位を算出することができる。
【0052】また、本実施例では、磁気センサ1が、少
なくとも4個の磁気抵抗素子MR1、MR2、MR3、
MR4と、少なくとも2個のバイアスコイルC1、C2
で形成されるとともに、4個の磁気抵抗素子MR1、M
R2、MR3、MR4が、隣接する磁気抵抗素子MR
1、MR2、MR3、MR4の磁気検出方向が互いに直
交する状態でブリッジ状に結合されており、2個のバイ
アスコイルC1、C2が、互いに直交する状態で前記磁
気抵抗素子に卷回されているので、バイアス磁界B1、
B2、B3、B4により磁気抵抗素子MR1、MR2、
MR3、MR4の特性曲線の変化量の大きい領域で検出
することができ、磁気センサ1を小型・安価で、かつ精
度の高いものとすることができる。
【0053】また、磁気センサ1の各バイアスコイルC
1、C2に電流I1、I2を導通させてバイアス磁界B
1、B2、B3、B4を発生させ、定電圧Vの印加され
ている結合部K1、K3間以外の相対向する結合部K
2、K4間の電位差VSから方位を算出し、これらバイ
アスコイルC1、C2への電流導通タイミングや検出タ
イミング及び方位の算出タイミングを調整しているの
で、ブリッジ状に接続された磁気抵抗素子MR1、MR
2、MR3、MR4に、制御手段により動作タイミング
をとって、バイアス磁界B1、B2、B3、B4を印加
し、磁気抵抗素子MR1、MR2、MR3、MR4の結
合部K2、K4間の電位差VSを検出して、方位を算出
することができ、磁気抵抗素子MR1、MR2、MR
3、MR4の特性曲線の変化量の大きい領域で検出する
ことができる。その結果、磁気センサ1を小型・安価
で、かつ精度の高いものとすることができる。
【0054】さらに、1個のバイアスコイルC1、C2
に互いに逆向きの2種類のバイアス電流I1、I2を導
通させ、該1個のバイアスコイルC1、C2により互い
に逆向きの2種類のバイアス磁界B1、B2、B3、B
4を発生させているので、磁気抵抗素子MR1、MR
2、MR3、MR4のヒステリシスによる誤差を適切に
是正することができ、検出精度をより一層向上させるこ
とができる。
【0055】なお、上記実施例においては、磁気センサ
1を4つの磁気抵抗素子MR1、MR2、MR3、MR
4で構成しているが、これに限るものではなく、4つ以
上の磁気抵抗素子MR1、MR2、MR3、MR4を直
列あるいは並列にブリッジを形成するように接続して、
構成してもよい。また、ブリッジ状に形成したものに限
るものではない。さらに、磁気検出素子も、上記実施例
のように、磁気抵抗素子に限るものではない。要は、磁
気検出素子が地磁気の強さに対応する磁気強度信号を時
分割で互いに異なる複数の磁気検出方向毎に出力するも
のであればよい。
【0056】また、本発明の磁気センサや電子式方位計
は、方位計専用装置に限るものではなく、電子腕時計や
高度計等に組み込むこともでき、また、自動車や航空機
のナビゲーション装置に適用することもできる。
【0057】
【発明の効果】本発明によれば、電子式方位計が、隣接
する磁気抵抗素子の磁気検出方向が互いに直交する状態
でブリッジ状に結合された少なくとも4個の磁気抵抗素
子と、互いに直交する状態で前記磁気抵抗素子に卷回さ
れた少なくとも2個のバイアス磁界用コイルと、を有し
た磁気センサで構成され、この磁気センサの磁気抵抗素
子の結合部のうち相対向する2つの結合部間に磁気セン
サ駆動手段により定電圧を印加する。そして、磁気セン
サの各バイアス磁界用コイルそれぞれに対して、バイア
ス磁界用コイル駆動手段により互いに逆向きの電流を順
次導通させてバイアス磁界を発生させ、磁気センサ駆動
手段により定電圧の印加されている結合部間以外の相対
向する結合部間の電位差を検出手段により検出する。こ
のとき検出された電位差において、第1記憶手段には、
複数のバイアス磁界用コイルの内、第1のバイアス磁界
用コイルに対して、一方向および逆方向の電流を導通さ
せた時それぞれの、磁気抵抗素子の結合部間以外の相対
向する結合部間の電位差の差を第1の差として、前回お
よび今回の第1の差を記憶し、第2記憶手段には、複数
のバイアス磁界用コイルの内、第2のバイアス磁界用コ
イルに対して、一方向および逆方向の電流を導通させた
時それぞれの、磁気抵抗素子の結合部間以外の相対向す
る結合部間の電位差の差を第2の差として、前回および
今回の第2の差を記憶する。そして、第1記憶手段に記
憶されている前回の第1の差と今回の第1の差との差が
所定値より小さく、且つ、前記第2記憶手段に記憶され
ている前回の第2の差と今回の第2の差との差が所定値
より小さい場合に、前記検出手段によって検出された電
位差に基づいて演算手段により方位を算出し、方位記憶
手段により該方位を記憶し、表示手段により該方位記憶
手段に記憶された方位データを表示する。また、前記バ
イアス磁界用コイル駆動手段と、前記検出手段と、前記
演算手段と、に対して制御手段により動作タイミングを
指示する。したがって、磁気検出信号が所定の大きさよ
りも大きいときには、方位の算出を中止しているので、
正確な方位を算出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る磁気センサの構成図。
【図2】図2の磁気センサの回路構成図。
【図3】本発明の一実施例に係る電子式方位計の回路ブ
ロック図。
【図4】磁気抵抗素子の出力特性図。
【図5】磁気抵抗素子の出力特性とバイアス磁界の関係
を示す図。
【図6】磁気抵抗素子のヒステリシスの様子を示す図。
【図7】図3の各部の出力信号のタイミング図。
【図8】図3のCPUによる検出データ書込処理を示す
フローチャート。
【図9】バイアスコイルC1によりバイアス磁界B1、
B3を印加したときの各磁気抵抗素子MR1、MR2、
MR3、MR4の抵抗値と方位との関係を示す図。
【図10】バイアスコイルC2によりバイアス磁界B
2、B4を印加したときの各磁気抵抗素子MR1、MR
2、MR3、MR4の抵抗値と方位との関係を示す図。
【図11】バイアスコイルC1によりバイアス磁界B
1、B3を印加したときの検出データX1、X2と方位
との関係を示す図。
【図12】バイアスコイルC2によりバイアス磁界B
2、B4を印加したときの検出データY1、Y2と方位
との関係を示す図。
【図13】磁気抵抗素子MR1、MR2、MR3、MR
4に抵抗値のずれがあるときの誤差を補正する処理の説
明図。
【図14】CPUによる方位算出処理を示すフローチャ
ート。
【図15】arctan-1Y/Xと方位との関係を示す
図。
【符号の説明】
1 磁気センサ MR1、MR2、MR3、MR4 磁気抵抗素子 P1、P2、P3、P4 パッド B1、B2、B3、B4 バイアス磁界 K1、K2、K3、K4 結合部 10 電子式方位計 11 素子駆動回路 12 磁気抵抗素子部 13 差動増幅回路 14 A/D変換回路 15、18 レジスタ 16 コイル駆動回路 17 波形合成回路 19 CPU 20 表示部 21 ROM 22 RAM

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 隣接する磁気抵抗素子の磁気検出方向が
    互いに直交する状態でブリッジ状に結合された少なくと
    も4個の磁気抵抗素子と、互いに直交する状態で前記磁
    気抵抗素子に卷回された少なくとも2個のバイアス磁界
    用コイルと、を有した磁気センサと、 前記磁気センサの磁気抵抗素子の結合部のうち相対向す
    る2つの結合部間に定電圧を印加する磁気センサ駆動手
    段と、前記磁気センサの各バイアス磁界用コイルそれぞれに対
    して、互いに逆向きの電流を順次導通させバイアス磁界
    を発生させるバイアス磁界用コイル駆動手段と、 前記磁気センサ駆動手段により定電圧の印加されている
    結合部間以外の相対向する結合部間の電位差を検出する
    検出手段と、 前記複数のバイアス磁界用コイルの内、第1のバイアス
    磁界用コイルに対して、一方向および逆方向の電流を導
    通させた時それぞれの、前記磁気抵抗素子の結合部間以
    外の相対向する結合部間の電位差の差を第1の差とし
    て、前回および今回の第1の差を記憶する第1記憶手段
    と、 前記複数のバイアス磁界用コイルの内、第2のバイアス
    磁界用コイルに対して、一方向および逆方向の電流を導
    通させた時それぞれの、前記磁気抵抗素子の結合部間以
    外の相対向する結合部間の電位差の差を第2の差とし
    て、前回および今回の第2の差を記憶する第2記憶手段
    と、 前記第1記憶手段に記憶されている前回の第1の差と今
    回の第1の差との差が所定値より小さく、且つ、前記第
    2記憶手段に記憶されている前回の第2の差と今回の第
    2の差との差が所定値より小さい場合に、前記検出手段
    によって検出された電位差に基づいて方位を演算する
    算手段と、前記バイアス磁界用コイル駆動手段と、前記検出手段
    と、 前記演算手段とに対して動作タイミングを指示す
    る制御手段と、前記演算手段により演算された方位を記憶する方位記憶
    手段と、 前記方位記憶手段に記憶されている方位データを表示す
    る表示手段と、 を備えたことを特徴とする電子式方位計。
JP8467792A 1992-03-06 1992-03-06 電子式方位計 Expired - Fee Related JP3316690B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8467792A JP3316690B2 (ja) 1992-03-06 1992-03-06 電子式方位計

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8467792A JP3316690B2 (ja) 1992-03-06 1992-03-06 電子式方位計

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05248869A JPH05248869A (ja) 1993-09-28
JP3316690B2 true JP3316690B2 (ja) 2002-08-19

Family

ID=13837337

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8467792A Expired - Fee Related JP3316690B2 (ja) 1992-03-06 1992-03-06 電子式方位計

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3316690B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH05248869A (ja) 1993-09-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5044070B2 (ja) 磁界検出デバイス
CN101680740B (zh) 外部磁场角度确定
EP2060875B1 (en) Physical quantity measuring instrument and signal processing method thereof
US4887081A (en) Apparatus for displaying travel path
US20090012733A1 (en) Offset correction program and electronic compass
JPS61245015A (ja) 方向表示装置
JP3316690B2 (ja) 電子式方位計
JP3316689B2 (ja) 電子式方位計
JP2548740Y2 (ja) 磁気センサ及び電子式方位計
US5600611A (en) Wrist mountable compass
JPH05157565A (ja) 電子方位計
US6141881A (en) Electronic analogue compass
JPH05322576A (ja) 電子式方位計
JP3316691B2 (ja) 電子式方位計
JPH06174471A (ja) 電子式方位計
JP3318763B2 (ja) 電子方位計
JP4075402B2 (ja) 電子式方位計
JP3318761B2 (ja) 電子方位計
JP3278905B2 (ja) 電子式方位計
JP2000131068A (ja) 電子式方位計およびその補正値算出方法
JP3794122B2 (ja) 磁気探知装置
JPH05312573A (ja) 電子方位計
WO2007135787A1 (ja) 地磁気検出プログラム及び電子コンパス
US20230243692A1 (en) Surface acoustic wave scale
JPH06174470A (ja) 電子式方位計

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080614

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090614

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090614

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100614

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110614

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees