JP4075402B2 - 電子式方位計 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子式方位計に係り、特に磁気検出手段による検出誤差の補正に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、地磁気の方向を検出することで方位を計測する電子式方位計がある。係る電子式方位計は、それぞれの磁気検出方向が相直交する2つの磁気センサを備え、検出される各磁気検出方向成分の磁力に基づいて、方位角度を算出する。この磁気センサは、ブリッジ状に配設された4つの磁気抵抗素子より形成され、地磁気の作用による磁気抵抗素子の抵抗値の変化を、ブリッジ回路の差分として取り出すものである。
【0003】
また、このような電子式方位計においては、地磁気の向きや強さを正確に検出するために、磁気センサに相直交する2方向にバイアスコイルを巻回し、磁気センサにバイアス磁界を印加した状態で地磁気を検出する手法が知られている。即ち、バイアス磁界を印加することで、磁気抵抗素子に対する地磁気の方向の判別を可能とするとともに、出力電圧のオフセットを取り除き、ヒステリシスの影響を緩和させ、検出精度を向上させている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような電子式方位計にあっては、2つの磁気検出方向それぞれについて検出した磁力に基づいて地磁気の向きを検出する。このため、双方の磁気検出方向の検出感度に相違がある場合、磁気検出方向が精確に相直交していない場合、或いは実際の磁気検出方向が設計された方向に精確に向いていない場合には、方位角度を精確に算出できないという問題があった。
【0005】
本発明の課題は、電子式方位計において、製造上または製品上生じる磁気センサの検出感度の誤差や配置位置の誤差等を許容しつつ、精確な方位角度を算出できるようにすることである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、磁気検出方向がほぼ直交するように配置された1組の磁気検出素子(例えば、図の磁気抵抗素子MR1〜MR4を含む磁気センサ11、12)と、第1磁界に対する前記1組の磁気検出素子の出力に基づく第1の値と、前記第1磁界と強さが等しく、且つ磁気方向が直交する第2磁界に対する前記1組の磁気検出素子の出力に基づく第2の値と、を記憶する記憶手段(例えば、図6のEEPROM51)と、方位計測時に、前記1組の磁気検出素子の出力を前記記憶手段に記憶された2つの値で補正し、方位角度を算出する方位演算手段(例えば、図6のCPU40)と、を備えることを特徴とする電子式方位計(例えば、図6の電子式方位計200)である。
【0007】
この請求項1記載の発明によれば、強さが等しく、且つ磁界方向が相直交する2つの磁界それぞれに対する磁気検出素子の出力値を予め記憶しておく。そして、方位計測時には、この記憶されている値により実際の検出値を補正し、補正後の値に基づいて方位角度を算出することができる。
具体的には、例えば、第1及び第2磁界の磁気方向をそれぞれ、設計上の2つの磁気検出方向に一致させた場合の、各磁界に対する2つの磁気検出方向成分と、地磁気に対する2つの磁気方向成分と、方位角度と、の関係式を、実際の磁気検出方向の、設計上の方向からのずれを見越して導出しておく。そして、方位計測時には、磁気検出素子の出力と、この関係式とに従って、方位角度を算出する。
このように、予め得た第1及び第2磁界に対する磁気検出素子の出力値に基づいて、方位計測時における磁気検出素子の出力値を補正し、方位角度を算出することで、2つの磁気検出方向の検出感度の相違や、実際の磁気検出方向が相直交していない、或いは設計された方向からずれているといった製造上又は製品上の誤差を許容しつつ、精確な方位角度を算出できる電子式方位計を実現可能となる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明に好適な実施の形態を詳細に説明する。尚、以下では、本発明を腕装着型の電子時計(以下、単に「腕時計」という。)に適用した場合について説明するが、本発明の適用はこれに限られるものではない。
【0009】
図1は、電子式方位計を備える腕時計100の外観の一例を示す図である。
同図によれば、腕時計100は、時計バンド1と、この時計バンド1が取付けられている時計ケース2と、から構成される。また、時計ケース2の表面には、中央部に液晶表示パネル3、液晶表示パネル3の外周であって図中上方部に方位矢印4、そして時計ケース2の側面に方位計測スイッチSWが、それぞれ設けられている。
【0010】
液晶表示パネル3は、文字盤を含む時刻及び計測した方位を表示する。
方位矢印4は、時計ケース2の表面に印刷されている。また、方位矢印4は、液晶表示パネル3の6時の位置、指針の軸、及び12時の位置を結ぶ直線上に設けられており、その方向は12時方向を指している。
方位計測スイッチSWは、腕時計100に内蔵された電子式方位計の起動、即ち方位計測の開始を指示するためのものである。
【0011】
即ち、方位計測スイッチSWが押下されると、電子式方位計は、方位計測動作を開始して方位を計測し、液晶表示パネル3は、所定時間、例えば30秒の間、方位矢印4が指す方向の方位を、北(正確には、磁北である。)を0度とした時計回りでの回転角度で表示する。
【0012】
また、時計ケース2は、その内部に、方位計測のための2つの磁気センサ11、12を有している。これらの2つの磁気センサ11、12は、それぞれの磁気検出方向が互いに直交するように配置されている。詳細には、磁気センサ11は、その磁気検出方向が3時方向となるように、磁気センサ12は、その磁気検出方向が12時方向となるように、それぞれ配置されている。
【0013】
次に、方位計測の原理について、説明する。
図2は、X−Y平面における地磁気Hと、磁気センサ11、12それぞれの磁気検出方向との関係を示す図である。但し、このX−Y平面は、時計ケース2の盤面と平行な、腕時計100に固定された平面である。また、X軸は3時方向に、Y軸は12時方向に、それぞれ一致している。
【0014】
同図によれば、地磁気Hは、X軸から反時計回りに角度θだけ傾いており、このX軸を0度とした反時計回りの回転角度θを、地磁気Hの「方向」という。また、地磁気Hの大きさはHsである。
即ち、地磁気Hに対するX軸方向の成分X、及びY軸方向の成分Y(以下、単に「地磁気Hの成分X、Y」という。)は、それぞれ次式となる。
【数1】
【0015】
ところで、図1においては、磁気センサ11、12の磁気検出方向は、それぞれ3時方向即ちX軸、12時方向即ちY軸と一致しているとしたが、実際には、X軸、Y軸に対して僅かに傾き(ずれ)を有している。
具体的にいうと、図2に示すように、磁気センサ11の実際の磁気検出方向X´は、X軸から反時計回りに角度αだけ傾いており、また磁気センサ12の実際の磁気検出方向Y´は、Y軸から反時計回りに角度βだけ傾いている。これは、磁気センサ11の製品として許容される設計誤差や、磁気センサ11を配設する際の誤差等、腕時計100の製造上の誤差に起因するものである。
【0016】
即ち、地磁気Hに対する磁気検出方向X´の成分Xs、及び磁気検出方向Y´の成分Ys(以下、単に「地磁気Hの成分Xs、Ys」という。)は、それぞれ次式となる。
【数2】
【0017】
ところで、X−Y平面において、図3のように、異なる2つの設定磁界Ht0、Ht90を印加する。但し、この時、地磁気Hの影響は受けていないものとする。
【0018】
図3(a)は、設定磁界Ht0を印加した様子を示す図である。この設定磁界Ht0は、大きさがHtであり、その方向がX軸に一致する磁界である。
同図(a)によれば、設定磁界Ht0に対する磁気検出方向X´の成分をXs0、磁気検出方向Y´の成分をYs0とすると、これらのXs0、Ys0は、それぞれ次式となる。
【数3】
【0019】
この式(3)で与えられる設定磁界Ht0の成分Xs0、Ys0を、以下、「0度方向成分Xs0、Ys0」という。
【0020】
また、図3(b)は、設定磁界Ht90を印加した様子を示す図である。この設定磁界Ht90は、大きさがHtであり、その方向がY軸に一致する磁界である。言い換えれば、同図(a)の設定磁界Ht0とその大きさが等しく、方向が相直交する磁界、即ち設定磁界Ht0を反時計周りに90度回転させた磁界に相当する。
【0021】
図3(b)によれば、設定磁界Ht90の磁気検出方向X´の成分をXs90、磁気検出方向Y´の成分をYs90とすると、これらのXs90、Ys90は、それぞれ次式となる。
【数4】
【0022】
この式(4)で与えられる設定磁界Htの成分Xs90、Ys90を、以下、「90度方向成分Xs90、Ys90」という。
【0023】
そして、これらの式(3)、(4)を用いると、式(2)は、次式のように変形される。
【数5】
【0024】
また、この式(5)を用いると、式(1)は、次式のように変形される。
【数6】
【0025】
式(6)によれば、地磁気Hの成分X、Yは、それぞれ、設定磁界Ht0、或いはHt90の大きさHt、0度方向成分Xs0、Ys0、及び90度方向成分Xs90、Ys90、そして地磁気Hの成分Xs、Ysより表現される。
【0026】
そして、地磁気Hの方向θは、式(6)を用いると、次式となる。
【数7】
【0027】
式(7)によれば、地磁気Hの方向θは、0度方向成分Xs0、Ys0、及び90度方向成分Xs90、Ys90、そして地磁気Hの成分Xs、Ysより表現される。
即ち、0度方向成分Xs0、Ys0、及び90度方向成分Xs90、Ys90を予め得ておくことで、磁気検出方向X´、Y´の傾きα、βに関わらず、地磁気Hの成分Xs、Ysから、地磁気の方向θを精確に算出することができる。
【0028】
ところで、式(7)より得られる方向θの値は、逆正接演算を行っているために、“−90度〜90度”の範囲の値となる。しかし、地磁気Hの方向θは、実際には、上述のようにX軸を0度とした反時計回りの回転角度により表現され、“0度〜360度”の範囲の値となる。つまり、単に式(7)を用いるのみでは、地磁気Hの方向を、特定できないことになる。
【0029】
そこで、式(6)より得られる地磁気Hの成分X、Yの値の正負により、地磁気Hの方向を特定する。
【0030】
図4は、地磁気Hの成分X、Yの値の正負の組み合わせが異なる、4通りの地磁気Hを示す図である。
また、図5は、図4における地磁気Hの成分X、Yの値の正負の組み合わせと、その時の地磁気Hの方向θとの対応を示す図であり、図中番号▲1▼〜▲4▼は、それぞれ図4の象現▲1▼〜▲4▼に対応している。
【0031】
図5によれば、X、Yの値がともに正(0を含む)である場合(▲1▼)、地磁気Hの方向θは“0度〜90度”の範囲の値であり、その値は、式(7)をそのまま採用して次式となる。
【式8】
【0032】
また、Xの値が正(0を含む)であり、且つYの値が負である場合(▲2▼)、地磁気Hの方向θは“90度〜180度”の範囲の値であり、その値は次式となる。
【式9】
【0033】
また、Xの値が負である場合(▲3▼、及び▲4▼)には、地磁気Hの方向θは“180度〜360度”の範囲の値であり、その値は次式となる。
【式10】
【0034】
このように、地磁気Hの成分X、Yの値の正負を判定することで、地磁気Hの方向θを、“0度〜360度”の範囲の値として得ることができる。
【0035】
尚、ここで得られる地磁気Hの方向θは、X軸を0度とした反時計回りの回転角度で表現されている。そのため、算出した方位角度を液晶表示パネル3に表示する際には、この得られた方向θを、方位矢印4を0度とした時計回りの回転角度に換算する処理を経て、液晶表示パネル3に表示することになる。
【0036】
次に、腕時計100に備えられる電子式方位計200の構成を説明する。
図6は、電子式方位計200の構成を示すブロック図である。
【0037】
同図によれば、電子式方位計200は、磁気センサ部10、磁気センサ駆動回路20、増幅回路31、A/D変換回路32、CPU(Central Processing Unit)40、EEPROM(Electrically Erasable and programmable ROM)51、ROM(Read Only Memory)52、RAM(Random Access Memory)53、キー入力回路54、表示装置55、表示駆動回路56、発振回路57、及び分周回路58より構成される。
【0038】
磁気センサ部10は、上述の2つの磁気センサ11、12より構成される。そして、磁気センサ11は、磁場に対する磁気検出方向X´の成分に応じた検出値を、磁気センサ12は、磁場に対する磁気検出方向Y´の成分に応じた検出値を、それぞれ増幅回路31に出力する。
【0039】
A/D変換回路32は、増幅回路31から入力される増幅信号をデジタル変換し、CPU40に出力する回路である。
【0040】
CPU40は、ROM52内の各種プログラムに従って、電子式方位計200を構成する各部を制御する。
具体的には、キー入力回路54から方位計測指示がなされると、磁気センサ駆動回路20に磁気センサ部10を駆動させる。そして、増幅回路31、及びA/D変換回路32を経て入力される磁気センサ11、12の出力値より、地磁気Hの方向θを算出し、算出した地磁気Hの方向θを方位矢印4が指す方向の方位角度に換算し、表示装置55に表示させる。
【0041】
EEPROM51は、図7(a)に示すように、Ht、Xs0、Ys0、Xs90、及びYs90それぞれの値を格納する領域を形成する。
Htとは、印加される設定磁界Ht0、或いはHt90の大きさHtのことである。
また、Xs0、Ys0とは、それぞれ、設定磁界Ht0が印加された時の磁気センサ11、12の出力値、即ち0度方向成分Xs0、Ys0に応じた値のことである。
また、Xs90、Ys90とは、それぞれ、設定磁界Ht90が印加された時の磁気センサ11、12の出力値、即ち90度方向成分Xs90、Ys90に応じた値のことである。
また、これらの領域に格納される値は、後述するトリミング処理(図8参照)の実行により書き込まれるものである。
【0042】
ROM52は、電子式方位計200に係る各種プログラム、例えば後述する方位計測処理(図10参照)を実行するための方位計測プログラムを記憶する。
【0043】
RAM53は、CPU40の作業領域として使用されるものであり、図7(b)に示すように、Xs、Ys、X、Y、θ1、及びθ2それぞれの値を格納する領域を形成する。
Xs、Ysとは、それぞれ、磁気センサ11、12の出力値、即ち地磁気Hに対する磁気検出方向X´の成分Xs、磁気検出方向Y´の成分Ysに応じた値のことである。
また、X、Yとは、それぞれ、CPU40の演算処理により式(6)に従って得られる値、即ち地磁気Hに対するX方向成分X、Y軸方向成分Yのことである。
また、θ1とは、領域X、Yに格納されている値の正負に応じて、CPU40の演算処理により式(8)〜式(10)の何れかに従って得られる値、即ち“0度〜360度”の範囲の値で表現される地磁気Hの方向θのことである。
また、θ2とは、表示装置55に表示させる方位、即ち領域θ1に格納されている値を、X軸から方位矢印4までの時計回りの回転角度に換算した値のことである。
【0044】
キー入力回路54は、電子式方位計200の起動/停止等の情報を入力するための変換回路であり、例えば方位計測スイッチSWが押下された時には、その押下信号をCPU40に出力する。
【0045】
表示装置55は、図1の液晶表示パネル3に相当し、時刻又は算出された方位等を表示する。表示駆動回路56は、この表示装置55を駆動する回路であり、CPU40から入力される表示データに従った表示を、表示装置55に行わせる。
【0046】
発振回路57は、常時、一定周波数の信号を送出する回路である。また、分周回路58は、発振回路57からの信号を分周し、所定周波数信号として送出する回路である。
【0047】
次に、電子式方位計200の動作を説明する。
【0048】
図8は、トリミング処理を説明するためのフローチャートである。このトリミング処理は、電子式方位計200を備える腕時計100の製造の最終工程として、該腕時計100に対して実行される処理であり、地磁気Hの影響を受けない環境下で実行される。
【0049】
図8によれば、先ず腕時計100には、大きさHtの設定磁界Ht0が、X軸と一致する方向に印加される(ステップS11)。設定磁界Ht0が作用することで、磁気センサ11、12は、それぞれ、設定磁界Ht0の磁気検出方向X´、及び磁気検出方向Y´の成分に応じた値を出力する(ステップS12)。
尚、この設定磁界Ht0、及び後述する設定磁界Ht90の印加は、例えば磁気シミュレーターと呼ばれる印加磁界の強度・方向を自由に設定できる装置を用いて実現される。
【0050】
そして、印加された設定磁界Htの大きさHtがHtとして、磁気センサ11、12の出力値がXs0、Ys0として、それぞれEEPROM51内に書き込まれる(ステップS13)。
【0051】
続いて、腕時計100には、大きさHtの設定磁界Ht90が、Y軸に一致する方向に印加される(ステップS14)。設定磁界Ht90が作用することで、磁気センサ11、12は、それぞれ、設定磁界Ht90の磁気検出方向X´、及び磁気検出方向Y´の成分に応じた値を出力する(ステップS15)。
そして、磁気センサ11、12の出力値がXs90、Ys90として、EEPROM51内に書き込まれる(ステップS16)。
以上の処理が行われると、本トリミング処理は終了となる。
【0052】
図9は、方位計測処理を説明するためのフローチャートである。この方位計測処理は、CPU40により、ROM52に記憶されている制御プログラムに従って実行される処理である。また、本方位計測処理の実行時には、上述したトリミング処理(図9参照)が既に行われているものとする。
【0053】
同図によれば、キー入力回路54より方位計測スイッチSWの押下信号が入力される、即ち方位計測の開始を指示されると(ステップS21:YES)、CPU40は、磁気センサ駆動回路20に磁気センサ部10を駆動させ、地磁気Hの検出を開始させる。
【0054】
磁気センサ11、12が駆動されると、その出力電圧値が増幅回路31に入力され、増幅回路31は、この入力された電圧値を増幅し、増幅後の信号をA/D変換回路32に出力する。そして、A/D変換回路32は、この増幅された電圧値をデジタル変換し、CPU40に出力する。
【0055】
即ち、CPU40は、磁気センサ1から、地磁気Hの磁気検出方向X´の成分Xsに応じた電圧値Vs1を、磁気センサ2からは、地磁気Hの磁気検出方向Y´の成分Ysに応じた電圧値Vs2を、それぞれ得ることになる。この時、CPU40は、磁気センサ1の出力値である電圧値Vs1をXsとして、磁気センサ2の出力値である電圧値Vs2をYsとして、それぞれRAM53内に格納する(ステップS22)。
【0056】
続いて、CPU40は、得られたVs1、Vs2から、地磁気HのX軸方向成分X、及びY軸方向成分Yを求める。
即ち、EEPROM51に格納されているHt、Xs0、Ys0、Xs90、及びYs90の各値と、RAM53内に格納されているXs、及びYsの各値とを用い、式(6)に従って、地磁気Hの成分X、及びYを求める(ステップS23)。
【0057】
次いで、CPU40は、求めた地磁気Hの成分X、Yの値の正負に応じて、地磁気の方向θを求める。
即ち、CPU40は、Xの値の正負を判定する。その結果、Xの値が負である場合(ステップS24:NO)、式(10)に従ってθを求め、求めた値をθ1としてRAM53内に格納する(ステップS25)。
【0058】
一方、Xの値が正(0を含む)である場合(ステップS24:YES)、続いてYの値の正負を判定する(ステップS26)。その結果、Yの値が正(0を含む)である場合(ステップS26:YES)、式(8)に従ってθを求め、求めた値をθ1としてRAM53内に格納する(ステップS27)。また、Yの値が負の場合には(ステップS26:NO)、式(9)に従ってθを求め、求めた値をθ1としてRAM53内に格納する(ステップS28)。
【0059】
そして、地磁気Hの方向θを求めると、この求めた方向θから方位矢印4が指す方位角度を算出し、算出した方位角度を、表示装置55に表示させる。
具体的にいうと、RAM53内に格納されているθ1の値、即ちX軸から反時計周りの回転角度で表現されている地磁気Hの方向θを、方位矢印4が指す方向即ちY軸までの時計回りの回転角度に換算し、換算後の値を、表示装置55に表示させる(ステップS29)。
【0060】
そして、算出した方位角度を所定時間表示させると、CPU40は、表示を終了し、本方位計測処理を終了する。
【0061】
尚、上記実施の形態において、磁気センサ11、12を構成する磁気検出素子を磁気抵抗素子(MR素子)としたが、他の磁気検出素子、例えば磁気インピーダンス素子(MI素子)としても良い。このMI素子を採用した場合には、MR素子と比較してその磁気検出感度が1桁程度高いため、供給するバイアス電流や増幅回路31の増幅率が小さくて済み、電子式方位計200をより低消費電力化、小型化できるといった利点がある。
【0062】
【発明の効果】
本発明によれば、電子式方位計において、製造上または製品上生じる磁気センサの検出感度の誤差や配置位置の誤差等を許容しつつ、精確な方位角度を算出できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態に係る腕時計の外観を示す図である。
【図2】地磁気Hと、磁気検出方向X´、Y´との関係を示す図である。
【図3】設定磁界Htと、磁気検出方向X´、Y´との関係を示す図である。
【図4】地磁気Hの成分X、Yの値の正負の組み合わせが異なる、4通りの地磁気Hを示す図である。
【図5】図4におけるX、Yの値の正負の組み合わせと、実際の地磁気Hの方向θとの対応を示す図である。
【図6】電子式方位計の内部構成を示すブロック図である。
【図7】EEPROM(同図(a))、及びRAM(同図(b))に形成される領域を示す図である。
【図8】トリミング処理を説明するフローチャートである。
【図9】方位計測処理を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
100 腕時計
200 電子式方位計
10 磁気センサ部
11、12 磁気センサ
20 磁気センサ駆動回路
31 増幅回路
32 A/D変換回路
40 CPU
51 EEPROM
52 ROM
53 RAM
54 キー入力回路
55 表示装置
56 表示駆動回路
57 発振回路
58 分周回路
Claims (1)
- 磁気検出方向がほぼ直交するように配置された1組の磁気検出素子と、
第1磁界に対する前記1組の磁気検出素子の出力に基づく第1の値と、前記第1磁界と強さが等しく、且つ磁気方向が直交する第2磁界に対する前記1組の磁気検出素子の出力に基づく第2の値と、を記憶する記憶手段と、
方位計測時に、前記1組の磁気検出素子の出力を前記記憶手段に記憶された2つの値で補正し、方位角度を算出する方位演算手段と、
を備える電子式方位計。
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