JPH0571218A - 型枠貼付用シート - Google Patents
型枠貼付用シートInfo
- Publication number
- JPH0571218A JPH0571218A JP23437691A JP23437691A JPH0571218A JP H0571218 A JPH0571218 A JP H0571218A JP 23437691 A JP23437691 A JP 23437691A JP 23437691 A JP23437691 A JP 23437691A JP H0571218 A JPH0571218 A JP H0571218A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- concrete
- water
- sheet
- formwork
- foam
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Forms Removed On Construction Sites Or Auxiliary Members Thereof (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】コンクリートの断熱保温効果及び放熱の抑制効
果を向上して最適な養生を行うと共に、硬化後のコンク
リートの品質を向上することが可能な型枠貼付用シート
を提供する。 【構成】型枠6側に配置される透水材3と、この透水材
3に接着され、打設されるコンクリート4との接触面側
に配置される多数の細孔2が穿設された不透水性の発泡
体1とからなる。
果を向上して最適な養生を行うと共に、硬化後のコンク
リートの品質を向上することが可能な型枠貼付用シート
を提供する。 【構成】型枠6側に配置される透水材3と、この透水材
3に接着され、打設されるコンクリート4との接触面側
に配置される多数の細孔2が穿設された不透水性の発泡
体1とからなる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、型枠貼付用シートに係
り、特に、打設されたコンクリートの養生状態及び硬化
後のコンクリートの品質を向上する型枠貼付用シートに
関する。
り、特に、打設されたコンクリートの養生状態及び硬化
後のコンクリートの品質を向上する型枠貼付用シートに
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、打設されたコンクリートが所定の
品質を確保するためには、一定時間の養生が必要であ
り、この養生期間中は、コンクリートの温度が一定温度
(一般的には、20℃程度)に保持される必要がある。
しかしながら、従来のコンクリート型枠には特別な保温
効果はなく、気温が低下すると養生期間が長くなると共
に、養生が不十分になり、コンクリートの品質低下を来
すという問題があった。
品質を確保するためには、一定時間の養生が必要であ
り、この養生期間中は、コンクリートの温度が一定温度
(一般的には、20℃程度)に保持される必要がある。
しかしながら、従来のコンクリート型枠には特別な保温
効果はなく、気温が低下すると養生期間が長くなると共
に、養生が不十分になり、コンクリートの品質低下を来
すという問題があった。
【0003】また、特に、寒冷地では、コンクリート中
の水分が凍結してセメントの水和反応が起きず、コンク
リートが硬化しなくなるという問題もあった。また、セ
メントが水和する際には、水和熱を発生してコンクリー
ト自体が内部から発熱するため、外気温度が特別低くな
い限りは養生に必要なコンクリート温度を得ることがで
きるが、外気温度の影響を受けるコンクリート表面部と
内部との間に温度差を生じ、この内外の温度差によって
コンクリートにひび割れが生じるという問題があった。
そして、このひび割れの程度は、外気温度が低くなるに
つれ、また、セメントの発熱量が多くなるにつれて増大
する。
の水分が凍結してセメントの水和反応が起きず、コンク
リートが硬化しなくなるという問題もあった。また、セ
メントが水和する際には、水和熱を発生してコンクリー
ト自体が内部から発熱するため、外気温度が特別低くな
い限りは養生に必要なコンクリート温度を得ることがで
きるが、外気温度の影響を受けるコンクリート表面部と
内部との間に温度差を生じ、この内外の温度差によって
コンクリートにひび割れが生じるという問題があった。
そして、このひび割れの程度は、外気温度が低くなるに
つれ、また、セメントの発熱量が多くなるにつれて増大
する。
【0004】そこで、特開昭64−43667号公報に
開示されているように、打設されたコンクリートと接触
する型枠面に空気断熱層を形成させることにより、コン
クリート表面を断熱保温した状態で養生することで、外
気温度が低下しても通常の養生期間で十分な養生を行
い、さらに、コンクリート中の水分の凍結を防止する従
来例が知られている。また、この従来例は、水和熱で加
温されたコンクリート内部の温度より外気温度が低い場
合であっても、前記空気断熱層によるコンクリート表面
部の直接的保温効果により、コンクリート表面部の放熱
を抑制し、内外の温度差を少なくして、コンクリートの
ひび割れを防止することもできる。
開示されているように、打設されたコンクリートと接触
する型枠面に空気断熱層を形成させることにより、コン
クリート表面を断熱保温した状態で養生することで、外
気温度が低下しても通常の養生期間で十分な養生を行
い、さらに、コンクリート中の水分の凍結を防止する従
来例が知られている。また、この従来例は、水和熱で加
温されたコンクリート内部の温度より外気温度が低い場
合であっても、前記空気断熱層によるコンクリート表面
部の直接的保温効果により、コンクリート表面部の放熱
を抑制し、内外の温度差を少なくして、コンクリートの
ひび割れを防止することもできる。
【0005】しかしながら、特開昭64−43667号
公報に開示されている従来例は、前記空気断熱層に多数
の排水孔を開設しているため、打設されたコンクリート
の余剰水分をある程度外部に排出することは可能である
が、前記排水孔は、前記空気断熱層に単に穿設されてい
るにすぎず、コンクリート中の余剰水分を速やかに効率
良く排出することが困難であり、ブリージング現象の発
生を十分に防止することができないという問題があっ
た。
公報に開示されている従来例は、前記空気断熱層に多数
の排水孔を開設しているため、打設されたコンクリート
の余剰水分をある程度外部に排出することは可能である
が、前記排水孔は、前記空気断熱層に単に穿設されてい
るにすぎず、コンクリート中の余剰水分を速やかに効率
良く排出することが困難であり、ブリージング現象の発
生を十分に防止することができないという問題があっ
た。
【0006】そこで、この問題を解決するために、特開
平1−158179号公報に開示されているように、透
水材に多数の細孔が穿設された不透水性のフィルムを接
着してなる型枠貼付用シートを、打設されたコンクリー
トと接触する型枠面に、当該型枠面と前記透水材側とが
接触するように設け、前記コンクリート中の水分を当該
透水材に吸水させることで、前記余剰水分を速やかに効
率良く排出する従来例が知られている。
平1−158179号公報に開示されているように、透
水材に多数の細孔が穿設された不透水性のフィルムを接
着してなる型枠貼付用シートを、打設されたコンクリー
トと接触する型枠面に、当該型枠面と前記透水材側とが
接触するように設け、前記コンクリート中の水分を当該
透水材に吸水させることで、前記余剰水分を速やかに効
率良く排出する従来例が知られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
1−158179号公報に開示されている従来例は、ブ
リージング現象の発生を防止する反面、前記透水材と保
温効果に劣る不透水性のフィルムとで型枠貼付用シート
を構成しているため、コンクリートの表面を十分に断熱
保温することができないという問題があった。また、さ
らに外気温度が低下した場合は、排出された余剰水分が
透水材中で凍結し、当該透水材の吸水能力を低下させる
という問題もあった。
1−158179号公報に開示されている従来例は、ブ
リージング現象の発生を防止する反面、前記透水材と保
温効果に劣る不透水性のフィルムとで型枠貼付用シート
を構成しているため、コンクリートの表面を十分に断熱
保温することができないという問題があった。また、さ
らに外気温度が低下した場合は、排出された余剰水分が
透水材中で凍結し、当該透水材の吸水能力を低下させる
という問題もあった。
【0008】本発明は、このような問題を解決すること
を課題とするものであり、コンクリートの断熱保温効果
及び放熱の抑制効果を向上して最適な養生を行うと共
に、硬化後のコンクリートの品質を向上することが可能
な型枠貼付用シートを提供することを目的とする。
を課題とするものであり、コンクリートの断熱保温効果
及び放熱の抑制効果を向上して最適な養生を行うと共
に、硬化後のコンクリートの品質を向上することが可能
な型枠貼付用シートを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明は、打設されたコンクリートと接触する型枠面
に貼付される型枠貼付用シートにおいて、前記型枠側に
配置される透水材と、この透水材に接着され、前記コン
クリートとの接触面側に配置される多数の細孔が穿設さ
れた不透水性の発泡体と、からなることを特徴とする型
枠貼付用シートを提供するものである。
に本発明は、打設されたコンクリートと接触する型枠面
に貼付される型枠貼付用シートにおいて、前記型枠側に
配置される透水材と、この透水材に接着され、前記コン
クリートとの接触面側に配置される多数の細孔が穿設さ
れた不透水性の発泡体と、からなることを特徴とする型
枠貼付用シートを提供するものである。
【0010】
【作用】本発明によれば、型枠貼付用シートを透水材と
多数の細孔が穿設された不透水性の発泡体とを接着した
構造としたことで、コンクリートの断熱保温効果及び放
熱の抑制効果を向上すると共に、当該コンクリート中の
余剰水分を速やかに効率良く排出することができる。
多数の細孔が穿設された不透水性の発泡体とを接着した
構造としたことで、コンクリートの断熱保温効果及び放
熱の抑制効果を向上すると共に、当該コンクリート中の
余剰水分を速やかに効率良く排出することができる。
【0011】即ち、前記不透水性の発泡体は、断熱保温
効果に優れているため、常にコンクリートを一定の温度
に保つことができるため、外気温度が低下した場合で
も、コンクリートの温度を一定に保った状態で養生する
ことができる。このため、養生温度の安定により、コン
クリートの強度が出始める時期を早めることが可能とな
り、養生期間を短縮することができる。また、コンクリ
ート中の水分の凍結も防止するため、セメントの水和反
応に支障を来すことがなく、コンクリートの硬化性能を
高めることができる。さらに、水和熱で加温されたコン
クリート内部の温度より外気温度が低い場合であって
も、前記発泡体がコンクリート表面部の放熱を抑制する
ため、内外温度差を最小限に抑えるため、コンクリート
にひび割れが発生することもない。また、前記発泡体に
は、多数の細孔が穿設されているため、この部分がコン
クリート側になるように型枠内面に貼付ることで、前記
細孔が排水路となり、ここからコンクリート中の余剰水
分や気泡を外部に排出することができる。そして、当該
発泡体自身は不透水性なので、この部分からの排水はな
く、コンクリートと空気との接触が遮断される。
効果に優れているため、常にコンクリートを一定の温度
に保つことができるため、外気温度が低下した場合で
も、コンクリートの温度を一定に保った状態で養生する
ことができる。このため、養生温度の安定により、コン
クリートの強度が出始める時期を早めることが可能とな
り、養生期間を短縮することができる。また、コンクリ
ート中の水分の凍結も防止するため、セメントの水和反
応に支障を来すことがなく、コンクリートの硬化性能を
高めることができる。さらに、水和熱で加温されたコン
クリート内部の温度より外気温度が低い場合であって
も、前記発泡体がコンクリート表面部の放熱を抑制する
ため、内外温度差を最小限に抑えるため、コンクリート
にひび割れが発生することもない。また、前記発泡体に
は、多数の細孔が穿設されているため、この部分がコン
クリート側になるように型枠内面に貼付ることで、前記
細孔が排水路となり、ここからコンクリート中の余剰水
分や気泡を外部に排出することができる。そして、当該
発泡体自身は不透水性なので、この部分からの排水はな
く、コンクリートと空気との接触が遮断される。
【0012】そして、前記透水材が、前記発泡体の細孔
から排出される余剰水分を速やかに効率良く吸水し、外
部に排出するため、コンクリートの単位水量が多くても
ブリージング現象の発生を防止し、コンクリートの強
度,水密性及び耐久性を高めることができる。さらに、
コンクリート表面の水あばたや空気あばたの発生が防止
され、且つ、水の流れに乗ってセメント粒子等がコンク
リート表面に集まり、この部分の組織が緻密化されるた
め、美麗なコンクリート表面が形成され、しかもコンク
リート表面の強度が向上し、耐久性を大幅に向上するこ
とができる。
から排出される余剰水分を速やかに効率良く吸水し、外
部に排出するため、コンクリートの単位水量が多くても
ブリージング現象の発生を防止し、コンクリートの強
度,水密性及び耐久性を高めることができる。さらに、
コンクリート表面の水あばたや空気あばたの発生が防止
され、且つ、水の流れに乗ってセメント粒子等がコンク
リート表面に集まり、この部分の組織が緻密化されるた
め、美麗なコンクリート表面が形成され、しかもコンク
リート表面の強度が向上し、耐久性を大幅に向上するこ
とができる。
【0013】
【実施例】次に、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。図1は、本発明に実施例に係る型枠貼付用
シートの断面構成図、図2は、図1に示す型枠貼付用シ
ートを内面に貼付た型枠にコンクリートを打設した状態
を示す部分断面図、図3は、図2の部分拡大断面図であ
る。
て説明する。図1は、本発明に実施例に係る型枠貼付用
シートの断面構成図、図2は、図1に示す型枠貼付用シ
ートを内面に貼付た型枠にコンクリートを打設した状態
を示す部分断面図、図3は、図2の部分拡大断面図であ
る。
【0014】図1に10で示す型枠貼付用シートは、厚
さが0.2〜0.5mm程度の発泡ポリエチレンシート
からなる発泡体1と、この発泡体1に接着された厚さが
0.7〜1.0mm程度の不織布からなる透水材3と、
から構成され、前記発泡体1には、これを貫通する多数
の細孔2(直径0.5〜0.6mm程度)が穿設されて
いる。そして、発泡体1の表面側は、平滑面となってい
る。
さが0.2〜0.5mm程度の発泡ポリエチレンシート
からなる発泡体1と、この発泡体1に接着された厚さが
0.7〜1.0mm程度の不織布からなる透水材3と、
から構成され、前記発泡体1には、これを貫通する多数
の細孔2(直径0.5〜0.6mm程度)が穿設されて
いる。そして、発泡体1の表面側は、平滑面となってい
る。
【0015】前記発泡体1は、主に、打設されたコンク
リートの表面に空気断熱層を形成して、コンクリートの
断熱保温や放熱の抑制を行うためのものであり、この実
施例では、完全な独立気泡体構造を有する「ハイシート
25T(商品名)」(ハイシート工業株式会社製)を用
いた。そして、発泡体1に穿設した細孔2は、発砲体1
に濾過排水機能を持たせ、コンクリート中の余剰水分や
気泡を外部に排出するためのものである。また、前記透
水材3は、主に、細孔2から排出された水分を吸収さ
せ、余剰水分を速やかに効率良く外部に排出するための
ものであり、この実施例では、「タフネル(商品名)」
(三井石油化学工業製)を用いた。
リートの表面に空気断熱層を形成して、コンクリートの
断熱保温や放熱の抑制を行うためのものであり、この実
施例では、完全な独立気泡体構造を有する「ハイシート
25T(商品名)」(ハイシート工業株式会社製)を用
いた。そして、発泡体1に穿設した細孔2は、発砲体1
に濾過排水機能を持たせ、コンクリート中の余剰水分や
気泡を外部に排出するためのものである。また、前記透
水材3は、主に、細孔2から排出された水分を吸収さ
せ、余剰水分を速やかに効率良く外部に排出するための
ものであり、この実施例では、「タフネル(商品名)」
(三井石油化学工業製)を用いた。
【0016】前記発泡体1と透水材3との接着は、例え
ば、前記不織布を接着性繊維で構成し、これを透水材3
とし、この上に発泡体1を載せて両者をローラなどによ
り加圧して行う。このような方法で両者を接着して型枠
貼付用シート10を作製することで、発泡体1の細孔2
が接着剤で閉塞することがない。この型枠貼付用シート
10を、図2及び図3に示すように、型枠6の内面に、
前記型枠貼付用シート10の透水材3が型枠6側に、発
泡体1が打設されるコンクリート4と接触するように、
接着剤を用いて貼付る。
ば、前記不織布を接着性繊維で構成し、これを透水材3
とし、この上に発泡体1を載せて両者をローラなどによ
り加圧して行う。このような方法で両者を接着して型枠
貼付用シート10を作製することで、発泡体1の細孔2
が接着剤で閉塞することがない。この型枠貼付用シート
10を、図2及び図3に示すように、型枠6の内面に、
前記型枠貼付用シート10の透水材3が型枠6側に、発
泡体1が打設されるコンクリート4と接触するように、
接着剤を用いて貼付る。
【0017】前記型枠貼付用シート10が貼付られた型
枠6内にコンクリート4を打設すると、コンクリート4
の自重が型枠6の側圧として作用する。このため、コン
クリート4の養生期間中、コンクリート4中の余剰水分
及び気泡が、図3に示す矢印のように型枠6側に向けて
流動し、細孔2を介して透水材3に至る。そして、この
透水材3が余剰水分を吸収し、速やかに効率良く外部に
排出する。このため、コンクリート4の単位水分が多く
てもブリージング現象の発生を抑制して、コンクリート
4の硬度,水密性及び耐久性を高めることができる。さ
らに、コンクリート4表面の水あばたや空気あばたの発
生も防止し、且つ、水の流れに乗ってセメント粒子や細
い骨材5がコンクリートの表層に集まり、この部分の組
織を緻密化するため、美麗なコンクリート4表面が形成
される。また、この養生期間中、打設されたコンクリー
ト4が徐々に硬化すると共に、型枠6に作用していた側
圧も徐々に低下し、さらに、前記細孔2は、コンクリー
ト4中の骨材5により比較的早期に閉塞され、排水能力
もこれに応じて低下するため、コンクリート4の硬化に
必要な水分を確保することができる。
枠6内にコンクリート4を打設すると、コンクリート4
の自重が型枠6の側圧として作用する。このため、コン
クリート4の養生期間中、コンクリート4中の余剰水分
及び気泡が、図3に示す矢印のように型枠6側に向けて
流動し、細孔2を介して透水材3に至る。そして、この
透水材3が余剰水分を吸収し、速やかに効率良く外部に
排出する。このため、コンクリート4の単位水分が多く
てもブリージング現象の発生を抑制して、コンクリート
4の硬度,水密性及び耐久性を高めることができる。さ
らに、コンクリート4表面の水あばたや空気あばたの発
生も防止し、且つ、水の流れに乗ってセメント粒子や細
い骨材5がコンクリートの表層に集まり、この部分の組
織を緻密化するため、美麗なコンクリート4表面が形成
される。また、この養生期間中、打設されたコンクリー
ト4が徐々に硬化すると共に、型枠6に作用していた側
圧も徐々に低下し、さらに、前記細孔2は、コンクリー
ト4中の骨材5により比較的早期に閉塞され、排水能力
もこれに応じて低下するため、コンクリート4の硬化に
必要な水分を確保することができる。
【0018】そして、養生期間中のコンクリート4は、
発泡体1により常に一定温度に保たれるため、外気温度
が低い場合であっても、コンクリート中の水分が凍結す
ることはない。また、養生温度の安定により、養生期間
を短縮することができるため生産性が向上し、さらに、
製品の圧縮強度を高めることができる。また、水和熱で
加温されたコンクリート内部の温度より外気温度が低い
場合であっても、前記発泡体1により、コンクリート4
表面部の放熱が抑制されるため、内外の温度差を最小限
に抑えることができるため、コンクリート4にひび割れ
が発生することもない。
発泡体1により常に一定温度に保たれるため、外気温度
が低い場合であっても、コンクリート中の水分が凍結す
ることはない。また、養生温度の安定により、養生期間
を短縮することができるため生産性が向上し、さらに、
製品の圧縮強度を高めることができる。また、水和熱で
加温されたコンクリート内部の温度より外気温度が低い
場合であっても、前記発泡体1により、コンクリート4
表面部の放熱が抑制されるため、内外の温度差を最小限
に抑えることができるため、コンクリート4にひび割れ
が発生することもない。
【0019】そして、前記発泡体1は、コンクリート4
との親和性がなく、剥離性に優れているため、コンクリ
ート4が十分に硬化した後でも簡単に剥がすことができ
る。従って、剥離剤の塗布や離型後における付着コンク
リートの除去作業を省略することができ、作業効率が向
上されると共に、空気中で養生した場合よりも高強度な
コンクリート4が得られる。
との親和性がなく、剥離性に優れているため、コンクリ
ート4が十分に硬化した後でも簡単に剥がすことができ
る。従って、剥離剤の塗布や離型後における付着コンク
リートの除去作業を省略することができ、作業効率が向
上されると共に、空気中で養生した場合よりも高強度な
コンクリート4が得られる。
【0020】尚、本実施例で発泡体1として用いた「ハ
イシート25T」は、熱伝導率が小さく、優れた保温性
及び放熱抑制効果を有する、コンクリート4との剥離
性,脱型性が良好で、コンクリート4中の骨材5による
衝撃に対する抵抗性,溶接火花などに対する難燃性を有
する、数回繰り返し使用可能で安価である、長期保存が
きくなど、型枠貼付用シート10に使用する素材として
最適であるが、このような条件を満足する発泡体1であ
れば、他の発砲ポリエチレンシートを使用してもよく、
また、他の素材からなる発泡体、例えば、発砲ポリスチ
レン,発砲ポリ塩化ビニール,発砲ポリプロピレンなど
を使用してもよい。尚、他の発砲ポリエチレンシートと
しては、例えば、「ハイマット30T(商品名)」(ハ
イシート工業株式会社製)などが挙げられる。
イシート25T」は、熱伝導率が小さく、優れた保温性
及び放熱抑制効果を有する、コンクリート4との剥離
性,脱型性が良好で、コンクリート4中の骨材5による
衝撃に対する抵抗性,溶接火花などに対する難燃性を有
する、数回繰り返し使用可能で安価である、長期保存が
きくなど、型枠貼付用シート10に使用する素材として
最適であるが、このような条件を満足する発泡体1であ
れば、他の発砲ポリエチレンシートを使用してもよく、
また、他の素材からなる発泡体、例えば、発砲ポリスチ
レン,発砲ポリ塩化ビニール,発砲ポリプロピレンなど
を使用してもよい。尚、他の発砲ポリエチレンシートと
しては、例えば、「ハイマット30T(商品名)」(ハ
イシート工業株式会社製)などが挙げられる。
【0021】また、発泡体1のコンクリート4と接触す
る面に、シリコンなどの離型剤(スリップ剤)をコーテ
ィングすることで、枠型6の組立作業中に発生する溶接
火花から型枠貼付用シート10を保護する、コンクリー
ト4打設時の流れ込みをさらに良くする、発砲体1とコ
ンクリート4との間に水膜を形成して気泡,余剰水分を
さらに外部に排出しやすくする、硬化後のコンクリート
4と型枠貼付用シート10との剥離性をさらに良くする
などの効果を付与することができる。尚、発泡体1に、
シリコンなどをコーティングする場合は、細孔2の閉塞
を避けるため、コーティング後の発泡体1に細孔2を穿
設する。
る面に、シリコンなどの離型剤(スリップ剤)をコーテ
ィングすることで、枠型6の組立作業中に発生する溶接
火花から型枠貼付用シート10を保護する、コンクリー
ト4打設時の流れ込みをさらに良くする、発砲体1とコ
ンクリート4との間に水膜を形成して気泡,余剰水分を
さらに外部に排出しやすくする、硬化後のコンクリート
4と型枠貼付用シート10との剥離性をさらに良くする
などの効果を付与することができる。尚、発泡体1に、
シリコンなどをコーティングする場合は、細孔2の閉塞
を避けるため、コーティング後の発泡体1に細孔2を穿
設する。
【0022】また、本実施例では、透水材3として、
「タフネル」を用いたが、これに限らず、良好な透水性
及び耐アルカリ性能を有すれば、他の透水材3を使用し
てもよい。尚、他の透水材としては、例えば、「タフネ
ル(商品名)」(三井石油化学工業製)、「シンテック
ス(商品名)」(三井石油化学工業製)などが挙げられ
る。
「タフネル」を用いたが、これに限らず、良好な透水性
及び耐アルカリ性能を有すれば、他の透水材3を使用し
てもよい。尚、他の透水材としては、例えば、「タフネ
ル(商品名)」(三井石油化学工業製)、「シンテック
ス(商品名)」(三井石油化学工業製)などが挙げられ
る。
【0023】そして、本実施例では、発泡体1に直径
0.5〜0.6mm程度の細孔2を穿設したが、細孔2
の直径は、骨材5の平均粒径よりも小さく、セメントの
最大粒径より大きい値であればよい。また、細孔2の配
置パターンは、打設されるコンクリート4の配合、即
ち、セメント量,水分量,骨材の大きさや量などに応じ
て任意に決定してよい。
0.5〜0.6mm程度の細孔2を穿設したが、細孔2
の直径は、骨材5の平均粒径よりも小さく、セメントの
最大粒径より大きい値であればよい。また、細孔2の配
置パターンは、打設されるコンクリート4の配合、即
ち、セメント量,水分量,骨材の大きさや量などに応じ
て任意に決定してよい。
【0024】また、本実施例では、透水材3を接着性繊
維で構成し、加圧により発泡体1と接着したが、これに
限らず、細孔2を閉塞しない条件で行うならば、両者を
接着剤や両面テープなどで接着してもよく、また、ホチ
キスなどの機械的手段により接着してもよい。また、本
実施例では、接着剤を用いて型枠貼付用シート10を型
枠6の内面に貼付たが、これに限らず、型枠6内面への
貼付は、両面テープなどを用いてもよく、また、釘やホ
チキスなどを使用した機械的手段により行ってもよい。
維で構成し、加圧により発泡体1と接着したが、これに
限らず、細孔2を閉塞しない条件で行うならば、両者を
接着剤や両面テープなどで接着してもよく、また、ホチ
キスなどの機械的手段により接着してもよい。また、本
実施例では、接着剤を用いて型枠貼付用シート10を型
枠6の内面に貼付たが、これに限らず、型枠6内面への
貼付は、両面テープなどを用いてもよく、また、釘やホ
チキスなどを使用した機械的手段により行ってもよい。
【0025】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、型
枠貼付用シートを透水材と多数の細孔が穿設された不透
水性の発泡体とを接着した構造としたことで、打設され
たコンクリートを断熱保温し、コンクリート表面の放熱
を抑制した状態で養生することができる。このため、養
生温度の安定により、養生期間を短縮することができ、
生産性を向上することができる。また、コンクリート中
の水分の凍結も防止するため、セメントの水和反応に支
障を来すことがなく、コンクリートの硬化性能を高める
ことができる。さらに、コンクリートの内外の温度差を
最小限に抑えるため、コンクリートにひび割れが発生す
ることもない。また、当該コンクリート中の余剰水分を
速やかに効率良く排出することができるため、ブリージ
ング現象の発生を抑制して、コンクリートの硬度,水密
性及び耐久性を向上すると共に、美麗なコンクリート表
面を形成することができる。
枠貼付用シートを透水材と多数の細孔が穿設された不透
水性の発泡体とを接着した構造としたことで、打設され
たコンクリートを断熱保温し、コンクリート表面の放熱
を抑制した状態で養生することができる。このため、養
生温度の安定により、養生期間を短縮することができ、
生産性を向上することができる。また、コンクリート中
の水分の凍結も防止するため、セメントの水和反応に支
障を来すことがなく、コンクリートの硬化性能を高める
ことができる。さらに、コンクリートの内外の温度差を
最小限に抑えるため、コンクリートにひび割れが発生す
ることもない。また、当該コンクリート中の余剰水分を
速やかに効率良く排出することができるため、ブリージ
ング現象の発生を抑制して、コンクリートの硬度,水密
性及び耐久性を向上すると共に、美麗なコンクリート表
面を形成することができる。
【0026】この結果、打設されたコンクリートの養生
状態を改善し、硬化後のコンクリートの品質を向上する
ことができる。
状態を改善し、硬化後のコンクリートの品質を向上する
ことができる。
【図1】本発明に実施例に係る型枠貼付用シートの断面
構成図である。
構成図である。
【図2】図1に示す型枠貼付用シートを内面に貼付た型
枠にコンクリートを打設した状態を示す部分断面図であ
る。
枠にコンクリートを打設した状態を示す部分断面図であ
る。
【図3】図2の部分拡大断面図である。
1 発泡体 2 細孔 3 透水材 4 コンクリート 5 骨材 6 型枠 10 型枠貼付用シート
Claims (1)
- 【請求項1】 打設されたコンクリートと接触する型枠
面に貼付される型枠貼付用シートにおいて、 前記型枠側に配置される透水材と、この透水材に接着さ
れ、前記コンクリートとの接触面側に配置される多数の
細孔が穿設された不透水性の発泡体と、からなることを
特徴とする型枠貼付用シート。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23437691A JPH0571218A (ja) | 1991-09-13 | 1991-09-13 | 型枠貼付用シート |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23437691A JPH0571218A (ja) | 1991-09-13 | 1991-09-13 | 型枠貼付用シート |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0571218A true JPH0571218A (ja) | 1993-03-23 |
Family
ID=16970039
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP23437691A Pending JPH0571218A (ja) | 1991-09-13 | 1991-09-13 | 型枠貼付用シート |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0571218A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
GB2420372A (en) * | 2004-11-18 | 2006-05-24 | Philip Mcdonald | Insulating concrete during curing |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH01158178A (ja) * | 1987-09-07 | 1989-06-21 | Katsura Kenji | コンクリート型枠におけるせき板用内張りシート並びにせき板及びコンクリート型枠 |
-
1991
- 1991-09-13 JP JP23437691A patent/JPH0571218A/ja active Pending
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH01158178A (ja) * | 1987-09-07 | 1989-06-21 | Katsura Kenji | コンクリート型枠におけるせき板用内張りシート並びにせき板及びコンクリート型枠 |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
GB2420372A (en) * | 2004-11-18 | 2006-05-24 | Philip Mcdonald | Insulating concrete during curing |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3806744B1 (ja) | 通気性サンドイッチパネルの製造方法及びサンドイッチパネル | |
SK283098B6 (sk) | Poduška a spôsob jej výroby | |
JP2008069574A (ja) | 建物の外壁を被覆するための通気性断熱複合パネル | |
JP5688429B2 (ja) | コンクリート構造物の製造方法及び打設兼用コンクリート養生シート | |
JPH0571218A (ja) | 型枠貼付用シート | |
JPH0518042A (ja) | 複合パネル材料 | |
JP2009156015A (ja) | 断熱パネル | |
JP2001317204A (ja) | コンクリートの断熱養生シート | |
JP3695002B2 (ja) | コンクリート体の養生方法 | |
JPH0692692B2 (ja) | コンクリート型枠におけるせき板用内張りシート並びにせき板及びコンクリート型枠 | |
JP2838982B2 (ja) | 耐火パネル | |
JPH05163834A (ja) | 型枠貼付用シート | |
KR100443140B1 (ko) | 콘크리트의 양생공법 및 양생필름 | |
JP2002317516A (ja) | 型枠を兼ねる無機質繊維製断熱材 | |
JPH0658014B2 (ja) | コンクリート型枠におけるせき板用内張りシート並びにせき板及びコンクリート型枠 | |
JPH0376383B2 (ja) | ||
CN217896998U (zh) | 土木工程用的保温墙板 | |
JP2722609B2 (ja) | コンクリート打設用型枠及び該型枠を使用したコンクリート壁の形成方法 | |
JP2001079973A (ja) | 複合板 | |
JPS6116118Y2 (ja) | ||
JP7003519B2 (ja) | コンクリート養生シート | |
KR200365683Y1 (ko) | 건축물의 단열과 층간소음의 제거를 위한 구조제 및 그제조방법 | |
JPH11170234A (ja) | セメント板材の製造方法 | |
JPH03140564A (ja) | コンクリート型枠用せき板 | |
JPH07207932A (ja) | コンクリート打設用型枠及び型枠貼付用シート |