JP2002317516A - 型枠を兼ねる無機質繊維製断熱材 - Google Patents

型枠を兼ねる無機質繊維製断熱材

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JP2002317516A
JP2002317516A JP2001124270A JP2001124270A JP2002317516A JP 2002317516 A JP2002317516 A JP 2002317516A JP 2001124270 A JP2001124270 A JP 2001124270A JP 2001124270 A JP2001124270 A JP 2001124270A JP 2002317516 A JP2002317516 A JP 2002317516A
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heat
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Fujio Nishikata
冨士男 西方
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TOHOKU DANNETSU KOJI KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】無機質繊維製の断熱材であり、しかも、コンク
リート打設時の型枠の1側枠として使用できると共に、
外断熱壁体として使用できる耐衝撃強度と、寒冷地にお
ける法定断熱性を満たしうる断熱性を具備する断熱材を
提供すること。 【解決手段】無機質繊維の並列層を圧縮して耐衝撃強度
を増大させた断熱層の内外面の一方の面に表面材を固着
し、他方の面を、打設されるコンクリート層に対する密
着性と防水性又は撥水性を有する結合面とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンクリート建造
物の湿式工法によって形成される壁、スラブ、或は乾式
工法によって建造され、柱、梁間に組み付け、固定され
る壁、スラブ等の成形工程において、型枠の一方の側枠
として機能すると共に、該壁、スラブに付設される外断
熱材或は内断熱の断熱材としても機能しうる無機質繊維
製断熱材の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の断熱材としては、既に特公昭6
1−32471号公報に開示されているごとく、コンク
リート打設時の型枠の一方の側枠として機能すると共
に、取り出すことなく、コンクリート壁の1側壁面を構
成する型枠を兼ねた断熱材が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】然し、前記断熱材は、
発泡スチロール板、ポリウレタンフォーム等の有機系多
孔質材、石膏ボード、気泡コンクリート板、或はガラス
繊維を3ないし12重量パーセント混入したガラス繊維
強化セメント板、木毛木片セメント板等の少なくとも2
種を複合した複合板を型枠の一方の側枠としてものであ
り、断熱性或は耐衝撃強度等が劣るとか、断熱材の収縮
(やせ現象)等の劣化、或は表面板たる複合板の反り、
変形等により、酷暑地、寒冷地或は夏季、冬季における
冷房効果、暖房効果を維持するための外断熱或は内断熱
用の断熱材としては適合しにくい実情である。
【0004】型枠として使用する際には、コンクリート
打設時の側圧が4トン/mまたはそれ以上となるケー
スが多く、多用途の型枠を兼ねる無機質繊維製断熱材と
しては十分な断熱性と併せて、このようなコンクリート
打設時の大側圧に耐えうる強度も必要とされるが、既存
の断熱材には、単独で、このような側圧に耐えうる強度
と、すぐれた断熱効果を奏する熱貫流率の低い断熱材は
存在しない。
【0005】このため本発明は、酷暑地、寒冷地或は夏
季、冬季における冷房効果、暖房効果を十分に発現で
き、特に寒冷地における断熱材の法定規格をも満足する
断熱性を保有すると共に、コンクリート建造物の湿式工
法による建造時、或は乾式工法で使用するコンクリート
壁、スラブの成形時において、コンクリート打設時に使
用する型枠に掛る大きな側圧にも耐えうる強度を有する
無機質繊維製の断熱材を提供することを課題としてい
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、請求項1の発明では無機質繊維の並列層が圧縮され
て形成された断熱層の内外面の少なくとも何れか一方の
面に、表面材が固着され、他方の面が、打設されるコン
クリート層との密着性と防水性又は撥水性を有する結合
面とされているという型枠構造とした。
【0007】請求項2の発明では、断熱層の無機質繊維
が、表面材の面と平行配置とされているという構成要件
を請求項1の発明に付加した。
【0008】請求項3の発明では、断熱層の無機質繊維
が、表面材の面と直交配置とされているという構成要件
を請求項1の発明に付加した。
【0009】請求項4の発明では断熱層の無機質繊維
が、表面材の面と斜交配置とされているという構成要件
を請求項1の発明に付加した。
【0010】請求項5の発明では、請求項1ないし請求
項4の何れかの発明に、打設されるコンクリート層との
結合面に、耐アルカリ性と密着性と防水性又は撥水性と
を有する資材またはこれ等の性質に近似する性質の資材
よりなるシート体が配設されているという構成要件を付
加した。
【0011】請求項6の発明では、請求項1ないし請求
項5の何れかの発明に、表面材が、無機質繊維強化セメ
ント板、スレート、パーライト板、ケイカル板、木毛セ
メント板、珪カル板、石膏ボート等のうちから選ばれた
耐熱性板体であるという構成要件を付加した。
【0012】請求項7の発明では、請求項1ないし請求
項5の何れかの発明に、打設されるコンクリート層との
結合面の表面材が、耐アルカリ性と密着性と防水性又は
撥水性とを有するガラス繊維製の細メッシュ材、有機質
系の寒冷紗、不織布或は合成樹脂膜又は塗膜等の中から
選ばれた密着層と防水層又は撥水層とであるという構成
要件を付加した。
【0013】請求項8の発明では、請求項1ないし請求
項7の何れかの発明に、無機質繊維の並列層が4kg/m
ないし、10kg/mの圧縮荷重で、表面材の面と交差す
る方向に圧縮されて保形され、熱貫流率が0.629Kcal/m
.h.℃〜0.238Kcal/m.h.℃の範囲とされ、かつ厚
さが25mm〜125mmとされているという構成要件を付
加した。
【0014】請求項9の発明では、請求項1ないし請求
項8の何れかの発明に、表面材、断熱層、打設されるコ
ンクリート層との結合面よりなる全層を貫通して、コン
クリート層への固定具の挿入孔が、複数個形成されてい
るという構成要件を付加した。なお穿孔作業自体は現場
作業であってもよい。
【0015】
【発明の実施の形態】図1は、請求項1、請求項3、請
求項5、請求項6、請求項7、請求項8及び請求項9の
各発明を併せ適用した建造物の外断熱の壁の実施の一例
の施工時の状態を断面として模型的に示している。
【0016】壁100は、本発明に係る型枠を兼ねる断熱
層2を主体とする断熱材1と、従来と同様の型枠の1側
の型枠材3との間にコンクリート層4を打設されて形成
されており、一側の型枠材3のみを取り外すことにより
壁100が形成される。
【0017】図示例の断熱層2は、グラスウール、ロッ
クウール、スラグウール等の中から選ばれた何れか1種
の無機質繊維を、図示例ではグラスウールを、その細繊
化製造ライン中の、結合剤の供給される集綿工程におい
て、繊維を搬送方向と平行に集綿し、圧縮荷重4kg/m
ないし10kg/mの範囲で圧縮し、マット状に結合さ
せ、かつ保形させた原マットの複数枚を、所定厚さに重
ね、繊維と直交する方向に所定間隔Lを存して切断する
か、或は原マットを繊維の並列方向に沿って長さLに切
断し、個々の断片を角度90度転位させて繊維の並列方
向5と直交する方向に隣接配置し、一体的に結合される
ことにより製造される。
【0018】前述のごとく成形された断熱層2は、繊維
の並列方向5を、外面側の表面材6の面7と直交する配
置とされて、表面材6の内面7Aに接着等適宜の手段で
一体的に結合される。
【0019】前述の断熱層2は、グラスウールが繊維径
3〜12μm、密度48〜120kg/m、L=25〜125mmの場
合、矢印X方向の耐衝撃強度が平均シャルピー衝撃値4.
0Kgcm/cmに向上している。また熱貫流率も0.4Kcal/m
.h.℃前後と低下している。ロックウール、スラグウ
ールの場合も、数値は異なるものの概ね同一傾向の耐衝
撃強度の向上、熱貫流率の低下、即ち断熱性の向上が実
現されている。
【0020】前述の断熱層2は、屋外側の面2Aに、既
述のごとく表面材6が結合されており、この表面材6は
耐アルカリガラス繊維強化セメント板、木毛セメント
板、石綿セメントサイディング板、押出し中空セメント
板等が強度面で最適であるが、珪カル板、石膏ボード、
スラグ石膏板、パーライト板、スレート等に置換するこ
とも可能である。
【0021】本発明に係る断熱材1は、図1に示される
ごとく、型枠の1側の型枠材3と間隔Wを存して組み付
けられ、間隔W内に生コンクリートが打設される。
【0022】このため、断熱材1の、コンクリート層4
と接し、結合される結合面8には、耐アルカリ性を有
し、生コンクリートとその水分とが断熱層2の組織間隔
内へ浸潤するのを防止しうるシート体9が接合されてい
る。
【0023】このシート体9としては、打設されるコン
クリート層から浸出する水分が断熱層2に浸潤するのを
防止すれば足りるので、耐アルカリ性を有する、ガラス
繊維製の目の細かいメッシュ、有機質系の寒冷紗、不織
布等に撥水処理を施したシート体或は合成樹脂のスプレ
ーによる薄膜或は塗膜等で形成される。
【0024】なお打設されるコンクリート層から浸出す
る水分は前述の1側の型枠材3に形成されている導水
溝、同型枠材3のコンクリート側面に張設されている粗
布層等を通して排出されるので、前述のシート体9とし
ては撥水処理の施されたシート体で、断熱層2への水分
の浸潤は防止される。
【0025】以上説明した実施例は、断熱層2の繊維の
並列方向5が表面材6の面7と直交する配置とされてい
るが、内断熱或はスラブ下断熱のごとく、外圧の作用が
少ない場合には、請求項2の発明により、繊維の並列方
向を表面材6の面7と平行方向としても、所定量の圧縮
が施される限りは、十分な冷房効果、暖房効果の維持、
特に寒冷地における断熱材の法定条件を満たすことがで
きる。
【0026】また、図2に示すごとく、請求項4の発明
により、繊維の並列方向5を表面材6の面7に対し斜交
する方向としてもよく、この繊維の並列方向は、図3或
は図4に示す折り畳み形態とされた繊維帯10、11を
矢印Y方向へ強圧縮し、所定枚数重ね合わせることによ
り、断熱層12とすることができ、この断熱層12は、
耐衝撃強度が図1に示すものに比し、僅かに低いもの
の、実質的には図1に示すものと同等の使用に耐えう
る。
【0027】本発明に係る断熱材1には、請求項9の発
明により、表面材6、断熱層2、12、打設されるコン
クリート層との結合面のシート体9の全層を貫通して、
コンクリート層への固定具13または14の取付用の挿
入孔15、16が全面に均等配置で複数個貫設されてい
る。
【0028】図示例の固定具13は、Tボルト17と、
シート体9を貫いて突出したネジ部18に緊締された袋
ナット19とよりなり、Tボルト17のヘッド20は、
表面材6の凹所21内に位置させられて、完工後にパテ
22等で埋め込められ、また袋ナット19の外周には複
数の固定用の突起23が突設され、打設されたコンクリ
ート層2との結合にアンカーとして作用するが、他の如
何なる構造のものであってもよいことは勿論である。こ
の固定具13は、本発明の断熱材の適所に予め配設、固
定されており、この固定具13、14は、施工に先だ
ち、本発明の断熱材の前記挿入孔15、16に図1、図
2に示す状態で固定され、後述するごとく、型枠材3と
共に組付けられる。
【0029】本発明に係る壁100は、建造物の壁、床等
の構築現場に、縦ばた、横ばた等を用いる周知の型枠固
定手段により、図1に示される1側の型枠材3と断熱材
1のシート体9面とが形成すべきコンクリート層の厚み
に等しい間隔Wを存して互に対峙、固定され、間隔W内
に生コンクリートを打設され、コンクリートの固化後に
型枠3を除去され、壁、床として完成される。
【0030】図2は、本発明の実施の第2例として構成
された外断熱の壁体の略示縦断面図であり、表面材6は
異物の接触、衝接による断熱層2の破損を防止し、断熱
層2の層は、衝撃力を吸収緩和し、断熱材の破損による
外断熱機能の低下、喪失を防止する。
【0031】本発明に係る断熱材は、内断熱或はスラブ
下面の断熱に適用しうることは勿論である。
【0032】以上説明した無機質繊維製断熱材は、湿式
工法によるコンクリート打設時に型枠を兼ねる使用例で
あるが、乾式工法の場合は、作業現場が工場内となるの
みで、工程的には全く同一である。既設のコンクリート
壁の外面、或は内面に取り付けることも可能である。
【0033】即ち既設のコンクリート壁が図1に示すコ
ンクリート層4のみと仮定した場合、該層4の外面に本
発明に係る断熱材1を、シート体9がコンクリート面に
当接させられた状態で、押圧しながら直径10mm程度の
ハンマードリル(振動ドリル)で断熱材1の表面材6側
からコンクリート層4へ深さ80mm程度穿孔したのち、
前記Tボルト17のネジ部18に、図1、図2に示すご
ときナイロン製の固定具13又はこれに類するプラスチ
ックアンカーを螺着、固定した固定ボルトを打ち込み、
固定ボルトがコンクリート層4に達した時点で電動ドラ
イバーでTボルト17をねじ込み、ナイロン製の固定具
13またはこれに類するプラスチックアンカーを拡径さ
せることにより既設のコンクリート壁に本発明に係る断
熱材を固定することができる。
【0034】
【発明の効果】請求項1の発明によると、断熱材の断熱
層が無機質繊維の並列層が圧縮された構造であるため、
該断熱層は、高い面圧に対する弾撥性を十分に保有する
こととなり、コンクリート打設時における型枠の一方の
側板を形成しうる強度を発現でき、しかも十分な断熱性
能も保有しうる効果を奏する。
【0035】また断熱層の一方の面に表面材が固着さ
れ、他方の面がコンクリート層との結合面とされている
ので、表面材として、例えばガラス繊維強化セメント板
等の耐衝撃強度の高い板材を使用すれば、外断熱体にも
適用できる効果を奏し、コンクリート層との結合面に密
着性と防水性又は撥水性のシート体等を配設すれば、コ
ンクリート打設による断熱層への水分の浸潤を防止でき
るのみでなく、外断熱、内断熱の何れの工事であって
も、型枠費用の節減、断熱材の後付け作業の省略等によ
る工期の短縮、工費の節減等を図りうる効果を奏する。
【0036】請求項2の発明によると、断熱層の無機質
繊維が表面材の面と平行配置とされているので該繊維の
細繊化に続く集綿工程で集綿ベルト上に平行に集綿され
た無機質繊維の層を必要数だけ重ね、圧縮し、所定長さ
に切断するのみで断熱層を形成することができ、断熱層
形成工程の短縮、生産性の向上、コストの低減化を図り
うる効果を奏する。
【0037】請求項3の発明によると、断熱層の無機質
繊維が表面材の面と直交配置とされているので、圧縮さ
れ、密集した無機質繊維群の長さ方向における耐衝撃強
度が最大限に発現され、しかも十分に低い熱貫流率の低
下を図りうる効果を奏し、外断熱用の断熱材として苛酷
な使用条件に対応できる効果を奏し、しかも型枠の側枠
としての強度も十分に保有できる効果を奏する。
【0038】請求項4の発明によると、請求項3の発明
に係る断熱層の製造方法に比し、簡略化された工程によ
り、耐衝撃強度の面では僅かに低い数値となるものの酷
暑地、寒冷地或は夏季、冬季における十分な断熱効果を
奏し、かつ寒冷地における法定断熱数値を満たしうる高
い断熱効果を具備する断熱材をより廉価に提供できる効
果を奏し、型枠の側枠としての強度も保有する効果を奏
する。
【0039】請求項5の発明によると、生コンクリート
の打設時のおける水分の断熱層への浸潤を、簡単な構造
で完全に防止でき、しかも防水性、撥水性を付与するた
めの構造、工程を著しく簡単化することができる効果を
奏する。
【0040】請求項6の発明によると、表面材が比較的
耐熱性に富み、比較的耐衝撃性も大きい無機質繊維強化
セメント板、木毛セメント板、スレート、パーライト
板、ケイカル板、石膏ボード等から選ばれた板体であ
り、外断熱構造とされた場合に無機質繊維製断熱層の断
熱性を助長するのみでなく、不測の異物との衝接の際に
も前記断熱層を保護しうる効果を奏する。
【0041】請求項7の発明によると、コンクリート層
との結合面の表面材が耐アルカリ性と密着性と防水性又
は撥水性とを有する比較的薄いシート体や合成樹脂製の
細メッシュ材、有機質系の寒冷紗等で構成されているの
で、断熱層面への取付作業が比較的容易となり、しかも
断熱層への、打設されるコンクリート層からの水分の浸
潤を阻止しうる効果を奏する。
【0042】請求項8の発明によると、無機質繊維の並
列層が4kg/mないし10kg/mの範囲の圧縮荷重で表
面材の面と交差する方向に圧縮成形され、熱貫流率が0.
629Kcal/m.h.℃〜0.238Kcal/m.h.℃の範囲、好
ましくは0.4Kcal/m.h.℃を中心とする前後範囲とさ
れ、かつ厚さが25mm〜125mmとされているので、グ
ラスウール、ロックウール或はスラグウール等から選ば
れた無機質繊維層に、それぞれ必要とされる耐衝撃荷重
と、酷暑地、寒冷地或は夏季、冬季における十分な断熱
特性、特に寒冷地において必要とされる断熱基準を満た
す断熱特性を具備する断熱材を、異物との衝接による破
損、断熱層のへたり、水の湿潤等による機能劣化等を伴
うことのない品質のものに容易に選定できる効果を奏す
る。
【0043】無機質繊維の並列層に対する圧縮荷重が4k
g/m以下であると、外断熱構造の場合、耐衝撃荷重に
不足を来たし、不測の異物との衝接時に、表面材に広範
囲の裂損を生じやすく、断熱性を損う可能性が大きくな
り、圧縮荷重が10kg/m以上となると、断熱層の空隙
率が低下し、断熱性が低下する問題が生ずる。
【0044】また熱貫流率を0.629Kcal/m.h.℃ない
し0.238Kcal/m.h.℃の範囲とすることにより、無機
質繊維の材質、繊度、密度とに対応する、好ましい圧縮
荷重を、熱貫流率が前記範囲に納まるように選択するこ
とにより容易に選定することができる効果も有してい
る。
【0045】請求項9の発明によると、本発明に係る断
熱材は、表面材、断熱層、並びにコンクリート層との結
合面の密着性と防水性又は撥水性を有するシート体とい
う3層構造全体を貫いて、コンクリート層への固定具の
挿通孔が複数個形成されているので、型枠としての組み
付け前に、この挿通孔に表面材側から固定具を構成する
Tボルト17を挿通し、結合面のシート体側から袋ナッ
ト19で固定しておき、次に型枠として組み付けるのみ
で、打設されたコンクリート層に固定具を構成する袋ナ
ット19の突起23がアンカーとして係止されることに
より、断熱層2は、コンクリート層と一体化される効果
を奏する。なお、固定具としては、Tボルト17、袋ナ
ット19という構造物に限定されるものではなく、コン
クリート層に断熱層2を強固に固定できれば、如何なる
構造であってもよいことは勿論である。既存のコンクリ
ート層にも、断熱材1を密着させて断熱材表面からコン
クリート層へ深さ80mm程度の取付孔を穿孔し、プラス
チックアンカー等の固定具を螺着した固定ボルトを打ち
込み、更にねじ込みによってプラスチックアンカーを拡
開させることにより断熱材を強固に後付けしうる効果も
有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の1例の略示縦断面図である。
【図2】 圧縮加工前の無機質繊維製断熱材の構成素材
たる断熱マットの別の例の略示縦断面図である。
【図3】 断熱マットの異なる例の略示縦断面図であ
る。
【図4】 断熱マットの更に異なる例の略示縦断面図で
ある。
【符号の説明】
1 断熱材 2 断熱層 3 1側の型枠材 4 コンクリート層 5 無機質繊維の並列方向 6 表面材 7 表面材の面 8 結合面 9 シート体 15、16 挿通孔 100 壁

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】無機質繊維の並列層が圧縮されて形成され
    た断熱層の内外面の少なくとも何れか一方の面に、表面
    材が固着され、他方の面が、打設されるコンクリート層
    との少なくとも密着性と防水性又は撥水性とを有する結
    合面とされている型枠を兼ねる無機質繊維製断熱材。
  2. 【請求項2】断熱材の無機質繊維の並列方向が、表面材
    の面と平行配置とされている請求項1記載の型枠を兼ね
    る無機質繊維製断熱材。
  3. 【請求項3】断熱層の無機質繊維の並列方向が、表面材
    の面と直交配置とされている請求項1記載の型枠を兼ね
    る無機質繊維製断熱材。
  4. 【請求項4】断熱層の無機質繊維の並列方向が、表面材
    の面と斜交配置とされている請求項1記載の型枠を兼ね
    る無機質繊維製断熱材。
  5. 【請求項5】打設されるコンクリート層との結合面に、
    耐アルカリ性と密着性と防水性又は撥水性とを有する資
    材またはこれ等の性質に近似する性質の資材よりなるシ
    ート体が配設されている請求項1、請求項2、請求項3
    または請求項4の何れかに記載の無機質繊維製断熱材。
  6. 【請求項6】表面材が、無機質繊維強化セメント板、ス
    レート、パーライト板、ケイカル板、木毛セメント板、
    石膏ボード等のうちから選ばれた耐熱性板体である請求
    項1ないし請求項5のいずれかに記載の無機質繊維製断
    熱材。
  7. 【請求項7】打設されるコンクリート層との結合面の表
    面材が耐アルカリ性と密着性と防水性又は撥水性とを有
    するガラス繊維製の細メッシュ材、有機質系の寒冷紗、
    不織布或は合成樹脂膜又は塗膜等の中から選ばれた密着
    層、防水層又は撥水層である請求項1ないし請求項5何
    れかに記載の無機質繊維製断熱材。
  8. 【請求項8】無機質繊維の並列層が4kg/mないし10kg
    /mの圧縮荷重で表面材の面と交差する方向に圧縮さ
    れて保形され、熱貫流率が0.629Kcal/m.h.℃〜0.23
    8Kcal/m.h.℃の範囲とされ、かつ厚さが25mm〜12
    5mmとされている請求項1ないし請求項7の何れかに
    記載の無機質繊維製断熱材。
  9. 【請求項9】表面材、耐熱層、打設されるコンクリート
    層との結合面よりなる全層を貫通して、コンクリート層
    への固定具の挿通孔が、複数個形成されている請求項1
    ないし請求項8の何れかに記載の無機質繊維製断熱材。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010525191A (ja) * 2007-04-20 2010-07-22 サン−ゴバン・イソベール 建築物の外側ファサード断熱用ファサード断熱ボード、当該ファサード断熱ボードを含む複合断熱システム、及びファサード断熱ボードの製造方法
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KR101195345B1 (ko) 2011-03-25 2012-10-29 이기현 단열재 시공을 위한 벽체고정용 화스너
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