JPH0570867U - 作業用工具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 互いに異なる形状の穴を頭部に有する２種類
のねじが併用された部材や機械装置等において、これら
のねじの締着、取り外し作業の簡略化を可能とする作業
用工具を提供する。 【構成】 中途部が曲折した棒状の作業用工具１１の工
具本体１２の両端部に、互いに異なる種類の工具を配設
する。これらの異なる種類の工具とは、例えば六角棒ス
パナのレンチ部１３とトルクスレンチのレンチ部１４で
ある。 【効果】 ねじ頭部の穴の異なる形状に対しても工具本
体１２を持ち換えるだけで対応することができ、工具を
交換する手間および時間が省かれて作業効率の向上を図
ることができる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、穴付きボルト等のねじ類を螺着脱するための作業用工具に関するも のである。

【０００２】

【従来の技術】

例えば六角穴付きのボルトや止めねじを部材等に螺設されたねじ穴に捩込んで 締着するための作業用工具として、図４ないし図６に示すような六角棒スパナが 使用される。この六角棒スパナ１はＪＩＳ-Ｂ-４６４８に規定されるもので、断 面が略正六角形の棒状部材をＬ字型に成形して工具本体２としたものである。そ して、この工具本体２両端部に設けられた六角のレンチ部３，３のうち、一方の 端部のレンチ部３を前記ボルトや止めねじの頭部に形成された六角穴に挿入して ねじの周方向に係合せしめ、工具本体２の他方の端部を回転することにより、こ れらのボルトや止めねじを部材等に螺着する。また、螺着したねじを取り外すに は、これとは逆の操作を行う。

【０００３】 一方、このようなねじやボルトには頭部のねじ穴が六角穴ではなく、正六角形 の頂点を結んで形成される星形を滑らかな曲線で構成したような形状の穴、いわ ゆるトルクス穴となったものがある。このようなねじ穴を有するボルトや止めね じを部材等に締着、あるいは取り外すには、図７ないし図９に示すようなトルク スレンチ４が用いられる。このトルクスレンチ４は、前記六角棒スパナ１と同様 Ｌ字型に成形された断面略円形の棒状部材よりなる工具本体５の両端部に、前記 トルクス穴にねじの周方向に係合するような断面形状のレンチ部６，６が形成さ れた構造となっている。

【０００４】 なお、これらの六角棒スパナ１およびトルクスレンチ４は、それぞれ工具本体 ２，５の曲折部を境に長辺部と短辺部とから構成されていて、この短辺部の一端 に形成されたレンチ部３，６をねじ頭部のねじ穴に挿入して工具本体２，５を回 動することにより、ねじに大きな回転トルクを与えることができるとともに、狭 い箇所での作業も比較的容易に行うことができるという利点を有する。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

ところで最近、このようなボルトや止めねじ等が使われる部材や機械装置等の 構造の複雑化に伴って、一つの部材や機械装置等に前記六角穴付きのボルトや止 めねじと前記トルクス穴付きのボルトや止めねじとを併用することが多くなって きた。しかしながら前述のような構成の作業用工具では、一つの作業用工具で六 角穴またはトルクス穴のいずれか一方の形状の穴付きねじしか操作することがで きず、すなわち各々専用であるために双方のねじを混在して用いているところで は、両方の作業用工具が必要であるという欠点があった。

【０００６】 このため、前記双方のねじが多数使用されているような箇所では両作業用工具 の交換を頻繁に行わなければならず、ねじの締着、取り外しの作業性を阻害して 作業効率の低下を招くおそれがあった。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本考案は前記の課題を解決するためになされたもので、中途部が曲折した棒状 の工具本体の両端部に、互いに異なる種類の工具を配設したことを特徴とするも のである。

【０００８】 ここで、互いに異なる工具とは例えば前述した六角棒スパナとトルクスレンチ との組み合わせ等である。

【０００９】

【作用】

本考案によれば、工具本体の両端部に異なる種類の工具が配設されているため 、前述のように異なる形状のねじ穴を有するボルトや止めねじが多数使用されて いるような場合でも作業用工具を交換する必要がない。従ってねじの締着、取り 外しを円滑に行うことができ、これらの作業を短時間に済ませることが可能とな る。

【００１０】

【実施例】

図１ないし図３に本考案の一実施例を示す。この作業用工具１１は、断面円形 の棒状部材をＬ字型に曲折して成形された工具本体１２の両端部に、一方の端部 には断面が略正六角形の柱状の六角棒スパナのレンチ部１３が、また他方の端部 には、断面が正六角形の頂点を結んで形成される星形を滑らかな曲線で形成した 形状の柱状のトルクスレンチのレンチ部１４が、それぞれ前記工具本体１２と同 軸かつ一体に配設された構成となっている。ここで、前記工具本体１２の両端部 に設けられたレンチ部１３，１４はその長さが略等しくなるように成形されてお り、またその断面寸法は同じ呼び径のねじの六角穴とトルクス穴とにそれぞれ対 応した寸法となっている。さらに工具本体１２は、その断面の円が前記レンチ部 １３，１４の断面形状である正六角形およびトルクス形に略外接する円となって おり、また曲折部から両端部先端までの辺部の長さが互いに等しくなるように成 形されている。

【００１１】 このような構成の作業用工具１１は、その両端部に設けられたレンチ部１３， １４のうちの一方のレンチ部を穴付きボルトやねじの頭部の穴に挿入し、他方の レンチ部が設けられた端部をこのねじの軸線を中心に回動することによって該ね じの締着、あるいは取り外しを行う。

【００１２】 ここで本考案では、工具本体の両端部に異なる種類の工具が配設されているた め、前述のように異なる形状の穴をねじ頭部に有するボルトや止めねじが多数使 用されているような場合でも作業用工具を交換する必要がない。例えば本実施例 では、工具本体１２の両端部に六角棒スパナのレンチ部１３とトルクスレンチの レンチ部１４とが配設されているため、六角穴付きねじとトルクスねじとが併用 されている部材や機械装置等のねじの締着、取り外し等を行う場合でも、工具本 体１２を持ち換えるだけで対応することができ、従来は作業用工具自体を交換し なければならなかったのに比べて作業の手間や労力および作業時間を大幅に低減 ・短縮することができる。従って、これらねじの締着、取り外し作業を円滑に行 うことができ、引いては作業効率の向上を図ることができる。

【００１３】 また前述のように２種類のねじが併用されていても、これらのねじの呼び径自 体は一般に同一とされている場合が多いが、本実施例では工具本体１２の両端部 に設けられたレンチ部１３，１４は共に同一呼び径のねじの頭部に形成される穴 に対応した寸法となっているので、このような場合でも当該作業用工具１１を交 換することなくレンチ部１３，１４を持ち換えるだけでよい。また、同一呼び径 のねじに対応する六角穴およびトルクス穴の寸法は規定されているので、例えば Ｍ４用、Ｍ５用……、のようにねじの呼び径毎に寸法を揃えることができ、穴形 状別の管理が簡単であるという利点をも有する。

【００１４】 なお、本実施例では工具本体１２の両端部に配設されるレンチ部１３，１４を 六角棒スパナとトルクスレンチとの組み合わせとしたが、これら以外の工具の組 み合わせとしても構わない。また、本実施例では両レンチ部１３，１４を同一呼 び径のねじの頭部の穴に対応した寸法としたが、互いに異なる呼び径のねじ頭部 の穴に対応した寸法、例えばＭ４用の六角棒スパナのレンチ部とＭ５用のトルク スレンチのレンチ部との組み合わせのようにしてもよい。

【００１５】

【考案の効果】

以上説明したように本考案によれば、工具本体の両端部に異なる種類の工具が 配設されているので、例えば部材や機械装置等に互いに異なる形状の穴を頭部に 有する２種類の穴付きねじが使用されている場合でも、いちいち作業用工具を交 換することなく該工具を持ち換えるだけでこれらのねじの脱着を行うことができ る。これにより、作業の手間が省かれるとともに作業時間が短縮され、作業効率 の向上を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す平面図である。

【図２】図１の実施例のＡ方向視の図である。

【図３】図１の実施例のＢ方向視の図である。

【図４】本考案に係わる従来例の平面図である。

【図５】図４の従来例のＣ方向視の図である。

【図６】図４の従来例のＤ方向視の図である。

【図７】本考案に係わる他の従来例の平面図である。

【図８】図７の従来例のＥ方向視の図である。

【図９】図７の従来例のＦ方向視の図である。

【符号の説明】

１，４，１１ 作業用工具 ２，５，１２ 工具本体 ３，６，１３，１４ レンチ部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 中途部が曲折した棒状の工具本体の両端
   部に、互いに異なる種類の工具を配設したことを特徴と
   する作業用工具。