JP3027923U - 締めつけ用工具の内六角或いは内十二角止滑スリーブ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 締めつけ用工具の内六角或いは内十二角止滑
スリーブの提供。 【解決手段】 一端が六角形の工具ヘッド或いはボルト
頭と結合可能なスリーブ、リングスパナ等手工具におい
て、その内六角或いは内十二角嵌合孔の、角に近い側辺
に数本の、嵌合孔に軸方向に平行な歯状噛合部を形成ず
るか、または内六角或いは内十二角嵌合孔の対辺に歯形
状の噛合部を形成してあることで、工具ヘッド或いはボ
ルト頭と多点接触による安定した位置決め効果を提供す
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、一端が六角形の工具ヘッド或いはボルト頭と結合可能なスリーブ、 リングスパナ等手工具において、その内六角或いは内十二角嵌合孔の、角に近い 側辺に数本の、嵌合孔に軸方向に平行な歯状噛合部を形成するか、または内六角 或いは内十二角嵌合孔の対辺に歯形状の噛合部を形成してあることで、工具ヘッ ド或いはボルト頭と多点接触による安定した位置決め効果を提供する、一種の締 めつけ用工具の内六角或いは内十二角止滑スリーブに関する。

【０００２】

【従来の技術】

日常生活中、ねじ部品を締めつけるのにはスパナやレンチがよく用いられ、こ れら締めつけ用工具には多くの種類がある。その中の一つは、一端に四角柱を凸 設してあり、該四角柱の側辺に一つのスチールボールをやや突出させて設けたも のがある、また、スリーブを設けて該スリーブの一端に内四角孔を設けてスパナ の四角柱と嵌め合わせ、該スリーブの別端に内六角或いは内十二角の嵌合部を設 けて、ボルト頭、ナット、或いは工具ヘッドに嵌合するものがある。該工具ヘッ ドの一端は、マイナスドライバー或いはプラスドライバー、或いは六角柱とされ るが、別端にはいずれも六角柱が設けられて、上記スリーブの内六角或いは内十 二角の嵌合部に嵌合される。

【０００３】 工具ヘッドの六角柱とスリーブの嵌合部は、嵌合し易いように、嵌合時にわず かに間隙を形成ずるよう製造され、そのためスリーブに工具ヘッドが連帯して回 転する時、図５に示される状況が発生する（図中には内六角嵌合部が例として挙 げられている）。即ち、スリーブ４０の内六角嵌合孔４１と工具ヘッドの六角柱 ２０の間には一つの角度が形成され、内六角嵌合孔４１の側辺４１１と点接触を 形成し、その受力は一つの特定点に集中し、加えてスリーブの硬度は極めて高い ため何度も使用する内に、或いは大きな力を工具ヘッドの六角柱２０（或いはボ ルト頭）に加えて材質の負荷が極限に達した時、六角柱２０の角の磨損が発生し 、スリーブ４０で連動させ回転しようとしても滑る現象を発生して、工具ヘッド 或いはボルト頭が駆動させられなくなり、その施力、締めつけの機能を発揮でき なくなった。

【０００４】 ゆえに現在のスリーブ構造はすでに長く使われているものではあっても、以下 のような欠点を有していた。 １．噛み合い力が劣る： 施力時に、工具ヘッドと六角柱の角とが点接触をな すため噛み合う力が劣っていた。 ２．六角柱が滑りやすい： 現在あるスリーブと工具ヘッド及びボルト頭を嵌 合して回す時、六角柱の角が接触するため、多く使用したり施力が六角柱の材質 が受けられるリミットを超過すると、六角柱の角が損壊し、滑りやすくなり、ス リーブで駆動されねじを締めることができなくなった。 ３．資金の浪費： 工具ヘッド或いはボルト頭、或いはナットの六角端の角が 損壊してねじを回すことができなくなった時には、使用不能なものとなり、その 使用寿命の短さから資金を浪費した。 このように従来の構造は不良な部分を有しており、ゆえに改善が待たれていた 。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

本考案はスリーブの内六角或いは内十二角嵌合部の端角に、複数の軸向の平行 な歯形噛合部が設けられて、工具ヘッドの六角柱と多点接触を形成し、その噛合 力が増した、一種の締めつけ用工具の内六角或いは内十二角止滑スリーブを提供 することを課題とする。

【０００６】 本考案はさらに、上記締めつけ用工具の内六角或いは内十二角止滑スリーブを 、上記工具ヘッドの六角柱がすでに磨損している時にも、それと上記歯形噛合部 とが係合する噛合状態を形成でき、操作時の両者間の空転を防止できるものとす ることを課題とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

請求項１の考案は、スリーブレンチ或いはリングスパナの一端に設けた六角の 工具ヘッド或いはボルト頭との内六角或いは内十二角嵌合孔の、各一側辺の角に 近い位置に、複数の、該嵌合孔と軸方向に平行な歯状の噛合部を形成したことを 特徴としている。

【０００８】 請求項２の考案は、上記内六角或いは内十二角嵌合孔の対辺に歯状の噛合部を 形成したことを特徴としている。

【０００９】

【考案の実施の形態】

本考案の締めつけ用工具の内六角或いは内十二角止滑スリーブは、一端が六角 形の工具ヘッド或いはボルト頭と結合可能なスリーブ、リングスパナ等手工具に おいて、その内六角或いは内十二角嵌合孔の、角に近い側辺に数本の、嵌合孔に 軸方向に平行な歯状噛合部を形成するか、または内六角或いは内十二角嵌合孔の 対辺に歯形状の噛合部を形成してあることで、工具ヘッド或いはボルト頭と多点 接触による安定した位置決め効果を提供できる。

【００１０】

【実施例】

図１は、本考案をスリーブの内六角嵌合孔を備えたスリーブ１０に応用した実 施例である。該スリーブ１０の一端は四角孔１１とされ、別端は六個の角１２１ と六個の側辺１２２を備えた嵌合孔１２とされる。本考案の特徴は、六個の側辺 １２２のそれぞれ角１２１に接近する位置に、数本の歯よりなる噛合部１２３が 形成され、該噛合部１２３とスリーブ１０、嵌合孔１２は同一軸方向に設けられ 、スリーフ１０内部に深入していることである。

【００１１】 噛合部１２３の設置により、工具ヘッド２０とスリーブ１０嵌合時、図２に示 される状況が形成される。即ち、レンチへの施力でスリーブ１０が回転する時、 工具ヘッドの六角柱２０の角２１は嵌合孔１２の噛合部１２３と二点以上の接触 を形成し、両者間の噛合力が増している。これによりスリーブ１０の与える力は 確実に六角柱２０に伝えられる。

【００１２】 本考案を使用すると、六角柱２０或いはボルト頭、ナット等の部品が何度も使 用されて、或いは過大の施力を受けたために、その角２１が丸くなった時にも、 空転は発生しにくい。即ち、六角柱２０の角２１が他の噛合部１２３と係合する ため、空転の状況が起こらない。

【００１３】 また図４に示されるように、本考案は六角レンチ以外に、リングスパナ３０の 内六角嵌合孔３１にも応用され、各角に近い側辺にはそれぞれ歯形噛合部３２が 設けられる。且つ、本考案ではレンチ或いはリングスパナの内十二角嵌合孔にも 応用される。

【００１４】 図６、７、８、９に示されるように、本考案の設計は、また設計を延伸して、 嵌合部５１とされてもよく、それは嵌合孔５０、６０の内縁の六角対辺に位置し 、嵌合部５１、６１とスリーブ１０、嵌合孔５０、６０は同一軸方向とされて、 スリーブ１０内に深入するものとされ、該実施例でも上述の実施例と同様の効果 を達成することができる。

【００１５】

【考案の効果】

本考案は以下のような優れた点を有する。 １．締めつけ用工具のスリーブの嵌合部と六角柱との間に多点接触を形成し、 ゆえにその噛合面積と力が増加し、受力面積が増大する状況の下で、六角柱の角 に単点接触による磨損を形成させにくく、ゆえにその使用寿命を延ばし、同時に スリーブの伝導する力を確実に六角柱に伝える。 ２．六角柱及びボルト、ナット等の六角形端が長期の使用により破壊された時 にも、他の噛合部の係止を受けることで回される時の滑りを発生しない。 ３．工具ヘッド及びボルトなどの部品の使用寿命を延長し、ゆえに資金の浪費 を減少する。 以上より分かるように、本考案の提供する締めつけ用工具の内六角或いは内十 二角止滑スリーブは、工具ヘッドの六角柱に破壊を形成しないだけでなく、局部 が磨損した六角柱と再度噛合、係止でき、従来のスリーブの有していた幾多の欠 点を改善し、実用性と進歩性を有する考案である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の断面斜視図である。

【図２】本考案の部分組合せ断面図である。

【図３】本考案と六角柱の円弧状角部との組合せ断面図
である。

【図４】本考案のリングスパナにおける実施例の斜視図
である。

【図５】従来の技術を示す断面図である。

【図６】本考案をリングスパナに設けた別の実施例の斜
視図である。

【図７】本考案をレンチに設けた別の実施例の斜視図で
ある。

【図８】本考案の別の実施例の部分組合せ断面図であ
る。

【図９】本考案の別の実施例と円弧状角部を有する六角
柱との組合せ断面図である。

【符号の説明】

４０・・・スリーブ ４１・・・内六角嵌合孔 ２０・・・工具ヘッド ４１１・・・側辺 １０・・・スリーブ １１・・・四角孔 １２１・・・
角 １２２・・・側辺 １２・・・嵌合孔 １２３・・・噛合部 ３０・・・リ
ングスパナ ３１・・・内六角嵌合孔 ３２・・・歯形噛合部 ５１
・・・嵌合部 ５０、６０・・・嵌合孔 ５１、６１・・・嵌合部

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 スリーブ或いはリングスパナの一端に設
   けた六角の工具ヘッド或いはボルト頭との内六角或いは
   内十二角嵌合孔の、各一側辺の角に近い位置に、複数
   の、該嵌合孔と軸方向に平行な歯状の噛合部を形成した
   ことを特徴とする、締めつけ用工具の内六角或いは内十
   二角止滑スリーブ。
2. 【請求項２】 上記内六角或いは内十二角嵌合孔の対辺
   に歯状の噛合部を形成したことを特徴とずる、請求項１
   に記載の締めつけ用工具の内六角或いは内十二角止滑ス
   リーブ。